JP2011015456A - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な方法で、同相巻線ターン間に高電圧が発生しても、巻線挿入が容易で、巻線が絶縁劣化や絶縁破壊しない信頼性の高い回転電機およびその製造方法を提供する。
【解決手段】固定子コイルを巻回する際、コイルの巻回当初巻始めの少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥させて熱硬化性樹脂固着後そのままコイルを所定回数巻回し、コイルにおける巻終りの少なくとも1ターンコイル表面に熱硬化性樹脂を塗布して乾燥させて形成した固定子コイルを、固定子鉄心に設けられたスロットに装着して固定子を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】固定子コイルを巻回する際、コイルの巻回当初巻始めの少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥させて熱硬化性樹脂固着後そのままコイルを所定回数巻回し、コイルにおける巻終りの少なくとも1ターンコイル表面に熱硬化性樹脂を塗布して乾燥させて形成した固定子コイルを、固定子鉄心に設けられたスロットに装着して固定子を構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転電機およびその製造方法に関する。
近年、省エネ,高効率化の観点からインバータ電源を用いたモータの可変速運転が盛んに行われている。インバータでモータを駆動した場合、同相巻線ターン間に、従来に比し高電圧が発生し、モータ巻線が、部分放電劣化,絶縁破壊に至る恐れがあった。そこで、従来は、絶縁強化するために、
1.巻線の絶縁を厚くする。
2.コイルのターン数を減らして巻線の絶縁厚みを厚くする。
3.巻線間の分布静電容量に比し巻線各部の対地分布静電容量を小さくする。
等の方法が考えられたが、1や2の方法では、モータが大きくなる,出力が低下するという問題があった。3の方法では、乱巻きコイルでは実現する方法がなかった。
1.巻線の絶縁を厚くする。
2.コイルのターン数を減らして巻線の絶縁厚みを厚くする。
3.巻線間の分布静電容量に比し巻線各部の対地分布静電容量を小さくする。
等の方法が考えられたが、1や2の方法では、モータが大きくなる,出力が低下するという問題があった。3の方法では、乱巻きコイルでは実現する方法がなかった。
また、1の方法の例として、固定子鉄心のスロット内に挿入される各相のコイルの電源側の始端コイルのみの外周部に、熱収縮性チューブや熱融着性テープを施して部分放電しないようにする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この方法は、電機絶縁としては良好であるが、コイル外周に熱収縮性チューブや熱融着性テープを施すため、コイル外周径が太くなり、コイルをスロットに挿入する際、コイルの挿入が困難になることが考えられる。何故ならスロット面積に占めるコイル断面積の比率、言い換えるとこの始端コイルが挿入されるスロット占積率が大きくなる。占積率が大きくなると、コイル挿入が困難になる傾向がある。一般にモータ等の回転電機は、効率向上のために、太い線径のコイルを使用したい。コイルに電流が流れた場合のコイルで発生する銅損は、コイル抵抗に比例するため、できるだけ太い線径のコイルを使用する。量産する場合は、コイルをインサータと呼ばれる自動挿入装置を用いるが、自動挿入装置を用いても占積率が高くなるとコイル挿入が難しくなる。通常、量産されるモータの占積率は、限度近辺に設計して合理化を図る。例え、始端コイルの1群であっても、コイル外周が太くなることは、コイル挿入の上で問題となる。また、該始端コイル群のターン数を減らすことができないことは言うまでもない。
インバータ駆動によって、急峻なサージ電圧をモータが受けても、巻線が部分放電劣化や絶縁破壊しない電気絶縁耐力に良好な信頼性の高い回転電機を提供することにある。インバータによる電圧波形は、図5で示すように、インバータとモータに接続される配線ケーブルにインダクタンス(L)と静電容量(C)とが存在するために、電力用半導体素子のスイッチングによる電圧変化がLC共振により短周期のサージ電圧を発生して、モータへ印加される。このような波高値の急峻なサージ電圧がモータに印加されると、モータの第一コイル45には、前記サージ電圧の約70%が印加される。固定子スロット3に装着された第一コイル45の巻始めターンと巻終りターンが接触した場合には、両者ターン間にサージ電圧の約70%が直接印加されることになる。
また、ケーブル配線長が長い場合は、一般にサージ電圧は、インバータ出力電圧の直流分の2倍で飽和する特性を有しているのでモータに印加されるサージ電圧は更に高くなる。このため第一コイル45の巻始めターンと巻終りターンが接触していて、しかもこの接触付近に空隙がある場合には、空隙とコイル絶縁層との間で部分放電が発生し、短時間で絶縁破壊に至るおそれがあるという問題があった。
本発明は、簡単な方法で、同相巻線ターン間に高電圧が発生しても、巻線挿入が容易で、巻線が絶縁劣化や絶縁破壊しない信頼性の高い回転電機およびその製造方法を提供するものである。
固定子コイル巻回中に、コイルの巻始めと次いで巻終りターンのコイル絶縁表面に熱硬化性樹脂を塗布し、直後に過熱して同熱硬化性樹脂を固着させて、所定固定子コイルを完成させることにある。
本発明によれば、インバータ駆動によって、急峻なサージ電圧をモータが受けても、巻線が部分放電劣化や絶縁破壊しない電気絶縁耐力に良好な信頼性の高い回転電機を簡単に提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。本実施形態は回転電機に係り、特に定格電圧が高いインバータで駆動される回転電機で、絶縁劣化や絶縁破壊しない信頼性の高い回転電機に関する。
図1を用いて本発明の一実施形態をなす分布巻線による回転電機を説明する。
1は固定子で、2は固定子鉄心を示す。固定子コイル4は、分布巻で構成されており、所定の巻回数を巻回したのち、固定子鉄心に予め設けられたスロット3に挿入されて、固定子1を完成させる。固定子コイルの巻始めターン4a及び巻終りターン4bには後述する方法を用いて絶縁強化が施される。図2を用いて本発明からなる絶縁強化した固定子コイル4を製作する方法について説明する。固定子コイル4は、巻枠7の外周に所定巻回数を巻回する。当初、固定子コイル4の巻始めターン4aに、滴下含浸ノズル8を使ってエポキシ樹脂9を固定子コイル絶縁表面12に所定量を塗布する。直後、例えばハロゲンランプ10のような昇温立ち上がり時間の早い熱源を使って短時間で硬化させる。
エポキシ樹脂9には、熱硬化性樹脂である無水酸硬化型エポキシ樹脂で、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物を用いたワニスを用いるとよい。
前記樹脂を巻始めターンに塗布しハロゲンランプ10のような昇温立ち上がり時間の早い熱源を使って短時間に硬化させて、硬化後固定子コイルを所定巻回数巻回し、巻終りターン4bに達したところで、前記巻終りターンに、巻始めターンに塗布したのと同様に、エポキシ樹脂8を塗布し、直ちに前記ハロゲンランプ10の熱源を使って短時間に硬化させる。
また、熱硬化性樹脂の代わりに紫外線硬化性樹脂として、例えばカチオン重合型の紫外線硬化エポキシ樹脂を用いても良好である。この場合、樹脂塗布直後の硬化方法はハロゲンランプの代わりに紫外線ランプを用いることになる。
この場合、図2で示した絶縁強化方法は、樹脂が紫外線硬化性樹脂に代わり、熱源が紫外線ランプに代わるだけでその他の変更はない。
次に、集中巻固定子に本発明を実施した例を図3を用いて説明する。
分割された固定子鉄心22に、固定子コイル44をボビン34に所定巻回数巻回し、ボビン34を介して固定子コイル44を装着し、所定数の分割鉄心22を組み合わせて集中巻固定子11を構成する。図4は、集中巻コイル33を分割した固定子鉄心22にボビン34を介して集中巻コイル巻始めターン44aと巻終りターン44bに、分布巻固定子で説明したのと同様の方法で、エポキシ樹脂を塗布し、同じく直ちにハロゲンランプ10のような熱源を使って短時間で硬化させ、集中巻固定子11を構成する。
このようにして構成した分布巻または集中巻固定子と永久磁石を内蔵した回転子を回転自在に構成して回転電機を構成する。また、回転子は、かご型回転子を用いて回転電機を構成してもよい。
巻始めターンと巻終りターンは、スロット3内へ直接挿入されることは、殆どないが、本発明の方法で絶縁強化した前記巻始めターンや巻終りターンがスロット内に挿入された場合であっても、スロット内には絶縁強化されないで所定巻回されたコイルの方が多数装着され、絶縁強化されて外径が太くなっている巻始めと巻終りターン部位は僅かしかスロット内に入ってはいない。
従って、従来技術で問題であったような占積率が増加して所定のコイルが入らないという事態は生じない。
かくして、インバータ駆動によって、急峻なサージ電圧をモータが受けても、巻線が部分放電劣化や絶縁破壊しない電気絶縁耐力に良好な信頼性の高い回転電機を簡単に提供することができる。
以上、本実施形態によれば、固定子コイルを巻回する際、当該コイルの巻回当初巻始めの少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に、熱硬化性樹脂を塗布し、直ちに乾燥させて同樹脂固着後、そのまま同コイルを所定巻回数巻回し、同コイルにおける巻終りの少なくとも1ターンコイル表面に、同様に前記熱硬化性樹脂を塗布し、直ちに乾燥させて固定子コイルを完成させる。次いで、同固定子コイルを前記固定子鉄心に設けられたスロットに装着して固定子を構成したことから、インバータ駆動によって、急峻なサージ電圧をモータが受けても、巻線が部分放電劣化や絶縁破壊しない電気絶縁耐力に良好な信頼性の高い回転電機を簡単に提供することができる。
1 固定子
2 固定子鉄心
3 スロット
4,44 固定子コイル
4a 巻始めターン
4b 巻終りターン
5 巻線機動力
6 巻線ボビン
7 巻枠
8 エポキシ樹脂塗布ノズル
9 エポキシ樹脂
10 ハロゲンランプ
11 ランプ電源
22 集中巻固定子鉄心
34 ボビン
2 固定子鉄心
3 スロット
4,44 固定子コイル
4a 巻始めターン
4b 巻終りターン
5 巻線機動力
6 巻線ボビン
7 巻枠
8 エポキシ樹脂塗布ノズル
9 エポキシ樹脂
10 ハロゲンランプ
11 ランプ電源
22 集中巻固定子鉄心
34 ボビン
Claims (5)
- 固定子鉄心に設けたスロットに任意巻数を巻回された固定子コイルを装着し、永久磁石を内蔵した回転子を回転自在に構成した回転電機の製造方法であって、
前記固定子コイルを巻回する際、当該コイルの巻回当初巻始めの少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥させて前記熱硬化性樹脂固着後そのまま前記コイルを所定回数巻回し、同コイルにおける巻終りの少なくとも1ターンコイル表面に前記熱硬化性樹脂を塗布して乾燥させて形成した固定子コイルを、前記固定子鉄心に設けられたスロットに装着して固定子を構成する回転電機の製造方法。 - 請求項1記載の回転電機の製造方法であって、
巻始めターンと巻終りターン同士の接触が予想されるコイルの複数ターンのコイル絶縁被覆表面と巻始めターンと巻終りターンコイル絶縁被覆表面に前記熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥させて所定巻回数を巻回する回転電機の製造方法。 - 請求項1記載の回転電機の製造方法であって、
コイル絶縁表面に塗布する樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いた回転電機の製造方法。 - 固定子鉄心に設けたスロットに任意巻数を巻回された固定子コイルを装着し、永久磁石を内蔵した回転子を回転自在に構成した回転電機であって、
前記固定子コイルは、少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に熱硬化性樹脂が塗布されている巻始め部分と、少なくとも1ターンコイル絶縁被覆表面に前記熱硬化性樹脂が塗布されている巻終り部分と、前記熱硬化性樹脂が塗布されずに所定回数巻回された中間部分とを有する回転電機。 - 請求項4記載の回転電機の製造方法であって、
前記回転子がかご型回転子である回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009154519A JP2011015456A (ja) | 2009-06-30 | 2009-06-30 | 回転電機およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=43593798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009154519A Pending JP2011015456A (ja) | 2009-06-30 | 2009-06-30 | 回転電機およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2011015456A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014195384A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Mitsubishi Electric Corp | 圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置 |
KR101567873B1 (ko) | 2014-03-28 | 2015-11-11 | (주)대한특수금속 | 마그네틱 스큐 기어용 착자기의 절연 방법 및 절연지 |
WO2019077821A1 (ja) * | 2017-10-19 | 2019-04-25 | 株式会社日立製作所 | 回転電機 |
-
2009
- 2009-06-30 JP JP2009154519A patent/JP2011015456A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019077821A1 (ja) * | 2017-10-19 | 2019-04-25 | 株式会社日立製作所 | 回転電機 |
JP2019075951A (ja) * | 2017-10-19 | 2019-05-16 | 株式会社日立製作所 | 回転電機 |
JP7153437B2 (ja) | 2017-10-19 | 2022-10-14 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 回転電機 |
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