JPH0984289A - インバータ駆動回転機の絶縁コイル - Google Patents

インバータ駆動回転機の絶縁コイル

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JPH0984289A
JPH0984289A JP25941295A JP25941295A JPH0984289A JP H0984289 A JPH0984289 A JP H0984289A JP 25941295 A JP25941295 A JP 25941295A JP 25941295 A JP25941295 A JP 25941295A JP H0984289 A JPH0984289 A JP H0984289A
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JP
Japan
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coil
rotating machine
insulation
inverter
insulating
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JP25941295A
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Inventor
Seiichi Inoue
誠一 井上
Koji Haga
弘二 芳賀
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波キャリヤPWMのスイッチング素子を用
いたインバータ駆動制御用のエナメル線を用いた乱巻コ
イル方式からなる低圧回転機の固定子絶縁コイルの構成
を提供する。 【解決手段】固定子鉄心3のスロット内5に挿入される
各相のコイル2の電源側の始端コイルの第1コイル21
のみを外周部に熱収縮性絶縁チューブ13挿着して補強
絶縁12を施したエナメル線1を用いて構成して、含浸
樹脂を含浸し回転加熱硬化することにより、第1コイル
21に施した熱収縮性絶縁チューブ12が収縮して、エ
ナメル層11aと熱収縮性絶縁チューブ12とが含浸し
た含浸樹脂が接着剤となって一体に密着した絶縁被覆層
を形成して、サージ電圧の侵入による第1コイルの部分
放電を抑制してエナメル線1間の短絡事故を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力用半導体素
子を用いたイバータの出力電源により駆動される400
V級の一般産業の低圧汎用回転機におけるエナメル線か
らなる固定子絶縁コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の低圧汎用回転機の固定子絶
縁コイルの要部断面図である。さて、産業用の汎用回転
機の固定子絶縁コイルには、絶縁を施した導体を断面矩
形状に積層した長尺の導体束に絶縁テープあるいは絶縁
シートを所定回数巻回して絶縁層を形成したコイルを固
定子鉄心のスロット内に挿着する、いわゆる堅巻コイル
方式と、導体にエナメル層の絶縁被覆を施したエナメル
線を所定回数巻回して構成したコイルを用いる乱巻コイ
ル方式とがある。前者の堅巻コイル方式は、耐電界性の
優れたマイカ絶縁材料からなる絶縁層を形成してコイル
絶縁層を厚くできるので、定格電圧3Kv以上の高電
圧,大容量の産業用の回転機の固定子絶縁コイルに用い
られている。一方、後者のエナメル線を用いた乱巻コイ
ル方式は、前記した高電圧,耐電界性を要求しない低電
圧の一般産業の汎用回転機の固定子コイル絶縁方式とし
て採用されている。この乱巻コイル方式の固定子絶縁コ
イルは、図6に示すようにエナメル線1を巻回して構成
されたコイル2を、固定子鉄心3と絶縁するためのスロ
ット絶縁4を備えたスロット5内に、各相毎に電源側か
ら始端コイルの第1コイル21,第2コイル22,第3
コイル23等のように所定数順次挿着してスロット5の
開溝部の楔6で保持した後に、各相間のコイル2間を結
線して熱硬化性の含浸樹脂を含浸し、加熱回転硬化する
ことにより構成される。
【0003】ところで、上記した低電圧の汎用回転機の
駆動方式としては、商用周波数の電源を用いるものと、
インバータを用いて駆動制御する方式がある。このイン
バータによる回転機の駆動制御方式は最近の機器の自動
化の要請に応えて種々の産業分野に使用されており、特
に電圧形PWMインバータによるものが、負荷の特性に
無関係に任意の周波数の定電圧を発生することができる
ために多く適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】低電圧の汎用回転機の
インバータ駆動制御に用いられる前記の電圧PWMイン
バータは、出力の1サイクル間のスイッチング回数によ
り、単一パルスPWM,多パルスPWM及び高周波キャ
リヤPWMに分けられる。これらの中でも、電圧制御が
容易で高周波含有率の低い高周波キャリヤPWMを用い
たものは、最近の電力用半導体素子の高速化,大容量化
によって交流回転機の制御の主流となっている。
【0005】ところで、前記したようにPWMインバー
タによる電圧出力は、図7に示すように、イバータ7と
低圧回転機の電動機8に接続される配線ケーブル9にイ
ンダクタンス(L)と浮遊容量(C)とが存在するため
に、電力用半導体素子のスイッチングによる電圧変化
(図7のインバータ出力電圧)がLC共振により高周波
のサージ電圧を発生して、電動機8の端子10に印加さ
れる。商用周波数の電源電圧に対しては、電動機8のコ
イル2の容量の影響は少なく、コイル2内の電位分布は
コイル2のインダクタンスのみによって決まり直線的と
なるが、前記した図7に示す波頭の急峻なサージ電圧が
印加された時は、電動機8のコイル2のインダクタンス
は非常に大きなリアクタンスとなり、容量はきわめて小
さなリアクタンスとなり、各相のコイル2の容量を充電
するように作用するので電源側の始端コイルの第1コイ
ル21に前記したサージ電圧の70〜75%が印加す
る。したがって、固定子鉄心3のスロット5内に挿着さ
れた第1コイル21の巻始めターンと巻終りターンが接
触している場合には、これらのターンのエナメル線間に
前記した分担サージ電圧が直接印加されることになる。
【0006】前記した電動機8の端子10に印加される
サージ電圧は、前記したように配線ケーブル9の長さに
より左右され配線が長い場合には、インバータの出力電
圧の直流分の2倍で飽和する特性を有しているが、配線
ケーブル9長が短くても電力用半導体素子のスイッチン
グ速度により変わり、特に駆動電力が小さく,立ち上が
りの速い高速スイッチングが可能なIGBTをスイッチ
ング素子として用いられるようになって、配線ケーブル
9長が短くても電動機8の端子10に印加されるサージ
電圧は高くなる。したがって、400V級のIGBTの
スイッチング素子を用いた高周波キャリヤPWMからな
るインバータ7を適用した場合には、スイッチング素子
の直流分電圧が600Vとなるために、この出力電圧の
波頭長及び配線ケーブル9長により電動機8の第1コイ
ル21には、約1000Vのサージ電圧が印加されるこ
とが予想される。このため前記した第1コイル21の巻
始めターンと巻終りターンが接触していて、この接触の
部分の近傍に空隙があった場合には、この空隙間に部分
放電が繰り返し発生して、第1コイル21のエナメル線
1のエナメル層と含浸樹脂層とが放電浸食してコイル2
の絶縁破壊に到る可能性があるという問題がある。この
ため、高周波キャリヤPWMによるインバータ駆動制御
方式の回転機において、信頼性のある固定子絶縁コイル
の確立が急務となっている。
【0007】この発明の課題は、前記の問題を解決した
400V級のインバータ駆動制御、特にIGBTのスイ
ッチング素子を用いた高周波キャリヤPWMインバータ
を用いた乱巻コイル方式からなる回転機の固定子絶縁コ
イルの絶縁構成を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、固定子鉄心のスロット内に挿入さ
れる各相のコイルの電源側の始端コイルのみを外周部に
補強絶縁を施したエナメル線を用いて構成するものとす
る。これによりインバータにより配線ケーブルを介して
回転機の始端コイルにサージ電圧が侵入しても、絶縁被
覆層を厚くして絶縁距離寸法を大きくした補強絶縁層を
有するエナメル線間に印加されるサージ電圧の分担電圧
が大きくなり、接触しているエナメル線間の近傍の空隙
部の分担電圧が小さくなるので、空隙部での部分放電の
発生を抑制することができる。したがって、固定子絶縁
コイルの全てのコイルに絶縁皮膜厚を厚くして絶縁強化
を図ったエナメル線を用いる絶縁方式と比して、より安
価な固定子絶縁コイルを提供できる。また、この発明は
電源側の始端コイルのみ補強絶縁を施した絶縁方式であ
るので、スロット内のコイルのエナメル線の占積率を従
来の補強絶縁を施さないエナメル線を用いた方式と比し
て同等とすることができるので、回転機の出力容量が従
来方式より低下することがない。
【0009】そして、始端コイルのエナメル線の外周部
に熱収縮性の絶縁チューブあるいは熱融着性の絶縁チュ
ーブを挿着して加熱処理してを設けるようにすれば容易
にエナメル線の絶縁補強ができる。更に、エナメル線の
補強絶縁を、絶縁テープを巻回して構成しても任意の絶
縁被覆層を有するコイルを作製できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。実施の形態1 図1及び図2は、この発明の第1の実施の形態からなる
回転機の固定子絶縁コイルの構造図であり、図1は固定
子絶縁コイルの要部断面図、図2は補強絶縁として熱収
縮性の絶縁チューブを施したエナメル線の構成図であ
る。なお、図1は従来の図6に対応するものであり従来
と同じ部分には同一符号を用いることにより詳細な説明
を省略する。図1において、コイル2を構成するエナメ
ル線1としては、例えばポリエステル,エステルイミ
ド,アミドイミド及びこれらの変成タイプの絶縁皮膜を
有するエナメル層11aを、回転機の耐熱階級及び後述
する含浸樹脂との適合性により選択して、始端コイルで
ある第1コイルのみに、図2に示すように補強絶縁12
として熱収縮性絶縁チューブ13を施したエナメル線1
を、また第2,第3コイル21,22以降は前記した熱
収縮性絶縁チューブ13を施さない通常のエナメル線1
を用いてそれぞれ所定回数巻回してコイル2を作製す
る。
【0011】この発明のコイル2の作製に際しては、熱
収縮性絶縁チューブ13を施したエナメル線1からなる
第1のコイルとエナメル線1のみからなる他のコイルと
を別々に作製して、これらのコイルのエナメル線1の素
線導体11b同志を溶接,または圧着により接続して構
成することも可能であるが、エナメル線1を用いて第1
コイル21に相当する部分を熱収縮性絶縁チューブ13
を施した連続したエナメル線を用いて構成するようにす
る。
【0012】この実施の形態1で用いた補強絶縁12の
熱収縮性絶縁チューブ13は、ポリエステル、ポリイミ
ド、シリコン、ナイロン及びポリエチレン等の熱収縮性
の有機材料を用いることができる。そして、この熱収縮
性絶縁チューブ13を、前記したように、コイル2の始
端コイルに相当する第1コイル21分の長さのエナメル
線1に挿通して補強絶縁12を施したエナメル線1を作
製するようにして、熱収縮性絶縁チューブ12を施さな
いエナメル線1とともに所定回数巻回して第1コイルと
ともにコイル2を作製する。
【0013】その後、前記したコイル2を、手入れ又は
インサータ(自動挿入機)にてスロット絶縁4を施した
固定子鉄心3のスロット5内に楔6と共に挿入して、樹
脂未含浸の固定子コイルを作製する。次に、この樹脂未
含浸の固定子コイルをポリエステル、エポキシ樹脂及び
これらの変成タイプからなる熱硬化性の含浸樹脂にて含
浸して、コイル2に含浸された樹脂が加熱硬化中に漏洩
しないように、固定子鉄心3を回転しながら加熱硬化す
る回転硬化を行う。この加熱硬化の際に、第1コイル2
1に施した熱収縮性絶縁チューブ13が収縮して、エナ
メル層11aと熱収縮性絶縁チューブ13とが含浸した
含浸樹脂が接着剤となって一体に密着して、絶縁被覆層
を厚くして絶縁強化を図ったボイドレスのエナメル線か
らなる第1コイル21を有するコイル2から構成された
回転機の固定子絶縁コイルを作製することができる。こ
れにより、前記したインバータによるサージ電圧がコイ
ル2の始端コイルである第1コイル21の巻始めターン
と巻終りターンとのエナメル線1間の接触部に印加され
ても、接触部のエナメル線1の絶縁被覆層が厚いので、
前記したようにその近傍の空隙部の電圧分担が小さくな
り部分放電発生を抑制することができ、電動機稼働中に
おいて第1コイルの部分放電の発生による絶縁損傷によ
るエナメル線1間の短絡事故を防止することが可能とな
る。
【0014】実施の形態2 図3は、この発明の第2の実施の形態からなる回転機の
固定子絶縁コイルの補強絶縁を施したエナメル線の構成
図である。この第2の実施の形態と前記第1の実施の形
態との違いは、エナメル線1の外周部の補強絶縁12
(図1)として、熱融着性の絶縁チューブ14を被覆し
てエナメル線1のエナメル層11aと密着成形して構成
したことにある。この熱融着性絶縁チューブ14は、例
えば、ポリエステル、ポリイミドのチューブ状のフイル
ム層15の内側にポリビニルブチラール系、ポリエステ
ル系、エポキシ系、変成エポキシ系及びポリアミド系等
の接着剤層16を備えた2層構造から構成されている。
そして、前記実施の形態1と同様に、コイル2の始端コ
イルに相当する第1コイル21(図1)分の長さのエナ
メル線1に挿通して、ヒータ付きの簡易プレス間に前記
した熱融着性絶縁チューブ14を被覆したエナメル線1
を設置して、所定の圧力と温度で加圧して熱融着性絶縁
チューブ14とエナメル線1のエナメル層11aとを密
着成形させて、補強絶縁12を施したエナメル線被覆絶
縁層を形成する。
【0015】実施の形態3 図4は、この発明の第3の実施の形態からなる回転機の
固定子絶縁コイルの補強絶縁を施したエナメル線の構成
図である。図4に示すコイル2の始端コイルである第1
コイル21のエナメル線1の外周部に施される補強絶縁
12(図1)は、絶縁テープ17をテープ幅の1/2づ
づ重ね合わせながら巻回して形成するようにしている。
この絶縁テープ17としては、例えばガラスクロス、マ
イカテープ、ポリイミド不織布、ポリエステル繊維テー
プ、及びガラス/ポリエステル複合繊維テープからなる
無機繊維または有機繊維材料からなるものが用いること
ができる。そして、上記のように絶縁テープ17にて補
強された第1コイル21と、絶縁テープ17を施さない
エナメル線1とからなる各コイルを、前記したように固
定子鉄心3のスロット5(図1)内に挿着して樹脂未含
浸の固定子コイルを作製する。次にこの樹脂未含浸のコ
イルを熱硬化性の含浸樹脂にて含浸して、回転加熱硬化
することにより、絶縁テープ17からなる層に樹脂含浸
された絶縁被覆層を有するエナメル線1から構成された
第1コイル21を有する固定子絶縁コイルを形成するこ
とができる。
【0016】エナメル線1の外周部に施される絶縁テー
プ17としては、上記した無機繊維または有機繊維材料
からなるものの他に、熱融着性の絶縁テープをも用いる
ことができる。即ち、前記の実施の形態2の熱融着性絶
縁チューブ14(図3)を構成するフイルム層15と接
着剤層16とを備えた2層構造(図3)と同様の構造か
らなる絶縁テープ17を、コイル2の始端コイルである
第1コイル21のエナメル線1の外周部に巻回して、そ
の後前記実施の形態2と同様に、簡易プレスにて所定の
圧力と温度で加圧して熱融着性絶縁テープ17とエナメ
ル線1のエナメル層11aとを密着成形させて補強絶縁
を有するコイル2を構成するものである。
【0017】図5に、この発明の実施の形態により補強
絶縁を施したエナメル線の繰り返しサージ電圧に対する
寿命特性(V−n特性)を示した。この寿命試験用の試
験片は、エナメル層11aの皮膜厚1種(0.025mm)のポ
リエステル線と、含浸樹脂としてポリエステルワニスを
用いて、JIS C 3003( エナメル銅線及びエナメルアルミ
ニュム線試験方法) の第11項破壊電圧の2個より法に
準拠して含浸樹脂を施した2個より験片を作製した。そ
して繰り返し課電パルス電圧をこの試験片の2線間に印
加して、2線間の絶縁破壊までの繰り返しパルス数を求
めたものである。なお、図5のAは、前記の発明の第1
の実施の形態からなる熱収縮性絶縁チューブ(図2)を
エナメル線の補強絶縁として施したもの、Bは第3の実
施の形態のガラスクロスの絶縁テープを巻回したもの、
Cは熱融着性の絶縁テープを巻回した熱融着して構成し
たものであり、Dは補強絶縁を施さない従来の絶縁方式
のポリエステル線のみからなるものである。Dの従来の
エナメル線のみの構成では、運転時のサージ電圧に相当
するV1の課電パルス電圧付近で、繰り返しパルス数が
少ない時点で破壊に到る。従って、キヤリア周波数の高
いIGBTのような高速スイッチング素子を用いたイン
バータを介して発生するサージ電圧が、回転機の始端コ
イルの巻始めターンと巻終りターンが接触している個所
の近傍の空隙部に印加された場合には、部分放電が発生
して短時間にエナメル層及び含浸樹脂層が放電浸食され
て、エナメル線の短絡によるコイル絶縁破壊に到る場合
があり得ることになる。
【0018】しかしながら、この発明の実施の形態から
なる絶縁補強を施したエナメル線からなる絶縁構成で
は、運転時のサージ電圧V1の2倍に相当するV2のサ
ージ電圧値近傍からV−n特性直線が折れ曲がってお
り、前記したように第1コイルの巻始めターンと巻終り
ターンが接触している部分に運転時のサージ電圧V1が
印加されも部分放電が発生せず、回転機の絶縁コイルの
前記したエナメル線間の短絡による絶縁破壊事故を防ぐ
ことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】以上のように、この発明においては、IG
BT等の高速スイッチングが可能な電力用半導体素子を
用いたPWMインバータの電源電圧により駆動する40
0V級の回転機において、絶縁コイルの電源側の始端コ
イルを構成するエナメル線の外周部にのみ補強絶縁を施
すようにして固定子絶縁コイルを作製した。これにより
インバータ駆動による回転機の運転時に、固定子絶縁コ
イルの始端コイルに配線ケーブルを介してサージ電圧が
侵入しても、エナメル線間に部分放電が発生するのを防
止することができるので、インバータの出力電源に高価
な出力フイルター等を設けてサージ電圧の波高値を抑制
してコイルへのサージ電圧の侵入を防ぐ固定子絶縁コイ
ルの絶縁保護方式と比して経済的であるとともに、信頼
性のあるインバータ駆動用の低圧回転機を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態からなる回転機の固定子
絶縁コイルの要部断面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態からなる補強絶縁
として熱収縮性絶縁チューブを施したエナメル線の構成
図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態からなる補強絶縁
として熱融着性絶縁チューブを被覆して成形して構成し
たエナメル線の構成図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態からなる補強絶縁
として絶縁テープを巻回して形成したエナメル線の構成
図である。
【図5】この発明の実施の形態からなるエナメル線を用
いた試験片による繰り返しサージ電圧に対する寿命特性
(V−n特性)図である。
【図6】従来の回転機の固定子絶縁コイルの要部断面図
である。
【図7】インバータ出力電圧と回転機の端子間に印加さ
れるサージ電圧との関係図である。
【符号の説明】
1 エナメル線 2 コイル 21 第1コイル 22 第2コイル 23 第3コイル 3 固定子鉄心 4 スロット絶縁 5 スロット 6 楔 7 インバータ 8 電動機 9 配線ケーブル 11a エナメル層 11b 素線導体 12 補強絶縁 13 熱収縮性絶縁チューブ 14 熱融着性絶縁チューブ 15 チューブ状フイルム層 16 接着剤層 17 絶縁テープ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータにより駆動制御される回転機で
    あって、この回転機の固定子絶縁コイルが、エナメル線
    を複数回巻回して構成したコイルを固定子鉄心のスロッ
    ト内に挿入した後、含浸樹脂にて含浸,硬化して絶縁を
    施されて構成されるものにおいて、固定子鉄心のスロッ
    ト内に挿入される各相のコイルの電源側の始端コイルの
    みを外周部に補強絶縁を施したエナメル線から構成した
    ことを特徴とするインバータ駆動回転機の絶縁コイル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のインバータ駆動回転機の
    絶縁コイルにおいて、始端コイルのエナメル線の補強絶
    縁が、加熱により収縮する熱収縮性絶縁チューブをエナ
    メル線に挿着して構成したものであることを特徴とする
    インバータ駆動回転機の絶縁コイル。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のインバータ駆動回転機の
    絶縁コイルにおいて、始端コイルのエナメル線の補強絶
    縁が、熱融着性絶縁チューブをエナメル線に挿着して加
    熱融着して構成したものであること特徴とするインバー
    タ駆動回転機の絶縁コイル。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のインバータ駆動回転機の
    絶縁コイルにおいて、始端コイルのエナメル線の補強絶
    縁が、エナメル線の外周部に絶縁テープを巻回して構成
    したものであることを特徴とするインバータ駆動回転機
    の絶縁コイル。
JP25941295A 1995-09-12 1995-09-12 インバータ駆動回転機の絶縁コイル Pending JPH0984289A (ja)

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