JP7393236B2 - 鍛造装置及び車両用ナックル - Google Patents

鍛造装置及び車両用ナックル Download PDF

Info

Publication number
JP7393236B2
JP7393236B2 JP2020019816A JP2020019816A JP7393236B2 JP 7393236 B2 JP7393236 B2 JP 7393236B2 JP 2020019816 A JP2020019816 A JP 2020019816A JP 2020019816 A JP2020019816 A JP 2020019816A JP 7393236 B2 JP7393236 B2 JP 7393236B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rib
base wall
lower mold
knuckle
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020019816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021122852A (ja
Inventor
安剛 大久保
寛哲 細井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2020019816A priority Critical patent/JP7393236B2/ja
Publication of JP2021122852A publication Critical patent/JP2021122852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7393236B2 publication Critical patent/JP7393236B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Forging (AREA)

Description

本発明は、鍛造装置及び車両用ナックルに関する。
従来、車両のサスペンションに組み込まれる車両用ナックルが知られている。この車両用ナックルは、サスペンションのロワアーム、アッパーアーム、タイロッド及び車輪支持体と接続され、それらを相互に連結するものである。下記特許文献1には、このような車両用ナックルの一例が示されている。
下記特許文献1に開示された車両用ナックルは、車輪を回転自在に支持する車輪支持体が取り付けられるナックル下部としての本体部と、本体部から上方へ延びてアッパーアームに連結されるナックル上部としての第一アームと、本体部から車両の前後方向の一方側へ突出してタイロッドに相当するリンク部材に連結される第二アームと、本体部の下部から車両の幅方向の内側へ突出してロワアームに連結される第三アームと、を有する。前記第一アームは、概ね上下方向に延びる基底壁部と、車両の前後方向における基底壁部の両端からそれぞれ車両の幅方向内側へ突出する一対のリブである第一縦壁部及び第二縦壁部と、を有する。
特開2007-22250号公報
ところで、車両の走行中に車両用ナックルにかかる荷重には車両の前後方向への荷重であるキャスター入力と車両の幅方向(左右方向)への荷重であるキャンバー入力とがあるが、車両の操縦安定性を向上するために、車両の幅方向へのキャンバー入力に対するナックル上部の曲げ剛性であるキャンバー剛性を高めることが求められる。近年、車両用ナックルの製造方法として車両用ナックルを鍛造によって製造する方法が提案されているが、この提案されている方法では、金型から鍛造後の車両用ナックルを分離させるために金型の分割ラインの位置に応じた抜き勾配が必要となることに起因してナックル上部の前記キャンバー剛性を高めることが困難になる場合がある。
具体的に、車両用ナックルを鍛造によって製造する場合には、下型と上型とに分割された金型内で素材が車両用ナックルの形状に鍛造される。
上型は、ナックル上部の基壁部及び一対のリブのそれぞれの内側面を成形する凸部と、その凸部から一対のリブの突出方向の先端を越えて両外側へ延びる上型外側部と、を有する。また、下型は、当該下型と上型とが型閉めされた状態で上型の凸部の先端面との間に前記基壁部の肉厚に相当する分の間隔をあけて配置されて前記基壁部の外側面を成形する部分と、その部分から前記一対のリブの両外側へ延び、当該下型と上型との型閉め方向において上型外側部と対向する下型外側部と、を有する。金型の分割ライン、すなわち下型と上型との間の分割ラインは、下型外側部と上型外側部との間に設けられ、一般的には一対のリブの基壁部からの突出方向における基壁部寄りの位置に設けられる。
上型外側部は、前記凸部の両側方に当該上型外側部と前記凸部との間に空間を形成するように構成され、各リブの先端から分割ラインの位置までの部分は、前記凸部と当該上型外側部との間で鍛造される。そして、鍛造後の車両用ナックルは、一対のリブの突出方向に沿って下型及び上型のそれぞれから分離される。この分離の際にリブを上型の凸部と上型外側部との間から抜き出せるようにするため、リブの内側面を成形する凸部の外側面とリブの外側面を成形する上型外側部の内側面とにはそれぞれ抜き勾配が設けられる。すなわち、凸部の外側面と上型外側部の内側面は、リブの先端から基壁部側へ向かうにつれて徐々に互いに遠ざかるように傾斜する斜面とされる。このため、鍛造されたナックル上部の各リブは、前記分割ラインの位置からその各リブの先端へ向かうにつれて肉厚が徐々に減少する形状とならざるを得ない。
ナックル上部のキャンバー剛性を高めるためには、当該ナックル上部の基壁部から車両の幅方向の一方側へ突出する各リブのうち基壁部からより離れた部位の肉厚を大きくすることが有効であるが、前記のように各リブの形状が基壁部寄りに設けられた分割ラインの位置からその各リブの先端へ向かうにつれて肉厚が徐々に減少する形状とならざるを得ないことから、各リブのうち基壁部からより離れた部位の肉厚を大きくすることが困難になり、ナックル上部のキャンバー剛性を高めることが困難になる。
本発明の目的は、鍛造により製造される車両用ナックルのナックル上部のキャンバー剛性を高めることが可能な車両用ナックル及びその製造方法を提供することである。
本発明により提供される車両用ナックルの製造方法は、車輪支持体が取り付けられるナックル下部と、前記ナックル下部から連続するように設けられてサスペンションのアッパーアームに連結されるナックル上部とを備え、前記ナックル上部が、車両の前後方向に沿って配置される基壁部と、前記車両の前後方向における前記基壁部の一端部から前記車両の幅方向における一方側へ突出する第1リブと、前記基壁部の前記一端部と反対側の端部から前記一方側へ突出する第2リブとを有する車両用ナックルを製造する方法である。この製造方法は、下型と上型との間で素材を挟み込むことにより前記素材を前記車両用ナックルの形状に鍛造する鍛造工程と、鍛造後の前記素材から前記下型及び前記上型を分離させる離型工程と、を備える。前記下型は、前記鍛造工程において前記基壁部の外側面から前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれの外側面にかけての領域を成形するように構成されていて、前記第1リブの外側で当該第1リブの外側面を成形する第1下型外側部と、前記第2リブの外側で当該第2リブの外側面を成形する第2下型外側部と、を有する。前記上型は、前記鍛造工程において前記第1下型外側部と前記第2下型外側部との間に挿入されて前記基壁部の内側面から前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれの内側面にかけての領域を成形する上型内側成形部と、前記鍛造工程において前記下型と前記上型とが型閉めされた状態で前記第1リブの外側において前記第1下型外側部と当接する第1上型外側部と、前記鍛造工程において前記下型と前記上型とが型閉めされた状態で前記第2リブの外側において前記第2下型外側部と当接する第2上型外側部と、を有する。前記下型と前記上型とが型閉めされた状態での前記第1下型外側部と前記第1上型外側部との間の境界に相当する第1分割ラインが前記第1リブの前記基壁部からの突出方向における前記第1リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置に設けられる。前記下型と前記上型とが型閉めされた状態での前記第2下型外側部と前記第2上型外側部との間の境界に相当する第2分割ラインが前記第2リブの前記基壁部からの突出方向における前記第2リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置に設けられる。
従来、車両用ナックルを鍛造により製造する場合には分割ラインをナックル上部の基壁部寄りの位置に設けるのが一般的であるところ、この車両用ナックルの製造方法では、あえて分割ラインをナックル上部の第1及び第2リブの基壁部からの突出方向における中央の位置よりも基壁部から離れた位置に設けることで、鍛造後の素材から下型を分離できるようにするための抜き勾配を利用して第1及び第2リブをそれらの前記中央の位置よりも基壁部から離れた位置まで大きい肉厚に成形することができ、その結果、ナックル上部のキャンバー剛性が高い車両用ナックルを製造することができる。
具体的に、この車両用ナックルの製造方法では、第1下型外側部と第1上型外側部との間の第1分割ラインが第1リブの突出方向における中央の位置よりも基壁部から離れた位置に設けられるとともに、第2下型外側部と第2上型外側部との間の第2分割ラインが第2リブの突出方向における中央の位置よりも基壁部から離れた位置に設けられるため、鍛造工程において、第1リブのうち基壁部側の端部から当該第1リブの前記中央の位置よりも基壁部から離れた第1分割ラインの位置までの部分が第1下型外側部と上型内側成形部との間で成形されるとともに、第2リブのうち基壁部側の端部から当該第2リブの前記中央の位置よりも基壁部から離れた第2分割ラインの位置までの部分が第2下型外側部と上型内側成形部との間で成形される。そして、上型内側成形部のうち第1リブの内側面と第2リブの内側面とを成形する両外側面には、鍛造工程後の離型工程において鍛造後の素材の第1リブと第2リブとの間から当該上型内側成形部を抜き出せるようにするために第1及び第2リブの突出方向の先端側へ向かうにつれて徐々に互いに遠ざかるように傾斜する抜き勾配が設けられ、それに伴って第1リブの内側面及び第2リブの内側面はそれらのリブの先端側へ向かうにつれて徐々にその第1リブと第2リブの両外側へ向かうように傾斜する斜面にそれぞれ成形されるが、第1下型外側部及び第2下型外側部のそれぞれの内側面には、鍛造後の素材を当該第1下型外側部と当該第2下型外側部との間から抜き出せるようにするために第1及び第2分割ライン側へ向かうにつれて徐々に当該第1下型外側部の内側面と当該第2下型外側部の内側面とが互いに遠ざかるように傾斜する抜き勾配がそれぞれ設けられるため、第1リブのうち基壁部側の端部から第1分割ラインの位置までの部分の外側面は第1リブの内側面と同様に先端側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形されるとともに、第2リブのうち基壁部側の端部から第2分割ラインの位置までの部分の外側面は第2リブの内側面と同様に先端側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形される。このため、第1リブのうち基壁部側の端部から当該第1リブの突出方向の中央の位置よりも基壁部から離れた第1分割ラインの位置までの部分の肉厚を大きくすることができるとともに、第2リブのうち基壁部側の端部から当該第2リブの突出方向の中央の位置よりも基壁部から離れた第2分割ラインの位置までの部分の肉厚を大きくすることができる。このため、第1及び第2分割ラインが基壁部寄りの位置に設けられていてその基壁部寄りの位置から第1及び第2リブのそれぞれの突出方向の先端までの部分を抜き勾配のために先端側へ向かうにつれて徐々に肉厚が減少する形状に成形せざるを得ない従来の製造方法に比べて、第1及び第2リブを基壁部からより離れた位置まで大きい肉厚に成形することができ、ナックル上部のキャンバー剛性を高めることができる。
前記第1分割ラインは、前記第1リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第1リブ先端の位置に設けられ、前記第2分割ラインは、前記第2リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第2リブ先端の位置に設けられることが好ましい。
こうすれば、鍛造工程において、第1リブの基壁部側の端部から第1リブ先端に亘る第1リブ全体の外側面が第1下型外側部によって成形されるとともに、第2リブの基壁部側の端部から第2リブ先端に亘る第2リブ全体の外側面が第2下型外側部によって成形される。そのため、第1下型外側部の内側面に設けられる抜き勾配を利用して第1リブの外側面全体を第1リブ先端側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形することができるとともに、第2下型外側部の内側面に設けられる抜き勾配を利用して第2リブの外側面全体を第2リブ先端側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形することができる。そのため、第1リブの基壁部側の端部から第1リブ先端に亘る第1リブ全体が大きい肉厚を有するように第1リブを成形できるとともに、第2リブの基壁部側の端部から第2リブ先端に亘る第2リブ全体が大きい肉厚を有するように第2リブを成形できる。その結果、ナックル上部のキャンバー剛性をより高めることができる。
前記第1下型外側部は、前記鍛造工程において前記第1リブの外側面を成形する第1下型内側面を有し、前記第1下型内側面は、前記第1分割ラインへ近づくにつれて前記第2下型外側部と反対の外側へ向かうように傾斜し、前記第2下型外側部は、前記鍛造工程において前記第2リブの外側面を成形する第2下型内側面を有し、前記第2下型外側部は、前記第2分割ラインへ近づくにつれて前記第1下型外側部と反対の外側へ向かうように傾斜していることが好ましい。
また、本発明により提供される車両用ナックルは、車輪支持体が取り付けられるナックル下部と、前記ナックル下部から連続するように設けられてサスペンションのアッパーアームに連結されるナックル上部と、を備える。前記ナックル上部は、車両の前後方向に沿って配置される基壁部と、前記車両の前後方向における前記基壁部の一端部から前記車両の幅方向における一方側へ突出する第1リブと、前記基壁部の前記一端部と反対側の端部から前記一方側へ突出する第2リブと、を有する。前記第1リブは、前記第2リブと反対側を向く面である第1リブ外側面を有する。前記第2リブは、前記第1リブと反対側を向く面である第2リブ外側面を有する。前記第1リブ外側面のうち前記第1リブの前記基壁部からの突出方向における前記第1リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置には、前記車両用ナックルが下型と上型との間で鍛造されたときに前記下型のうち前記第1リブの外側で前記第1リブ外側面を成形する第1下型外側部と前記上型のうち前記第1リブの外側に位置する第1上型外側部との間の境界に形成される第1分割ラインが設けられている。前記第2リブ外側面のうち前記第2リブの前記基壁部からの突出方向における前記第2リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置には、前記車両用ナックルが前記下型と前記上型との間で鍛造されたときに前記下型のうち前記第2リブの外側で前記第2リブ外側面を成形する第2下型外側部と前記上型のうち前記第2リブの外側に位置する第2上型外側部との間の境界に形成される第2分割ラインが設けられている。
この車両用ナックルでは、前記製造方法と同様の理由により、第1リブのうち基壁部側の端部から当該第1リブの突出方向の中央の位置よりも基壁部から離れた第1分割ラインの位置までの部分の肉厚を大きくすることができるとともに、第2リブのうち基壁部側の端部から当該第2リブの突出方向の中央の位置よりも基壁部から離れた第2分割ラインの位置までの部分の肉厚を大きくすることができる。このため、ナックル上部のキャンバー剛性を高めることができる。
前記第1分割ラインは、前記第1リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第1リブ先端の位置に設けられ、前記第2分割ラインは、前記第2リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第2リブ先端の位置に設けられていることが好ましい。
前記第1分割ラインは、前記第1リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第1リブ先端の位置に設けられ、前記第2分割ラインは、前記第2リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第2リブ先端の位置に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1リブの基壁部側の端部から第1リブ先端に亘る第1リブ全体の肉厚を大きくすることができるとともに、第2リブの基壁部側の端部から第2リブ先端に亘る第2リブ全体の肉厚を大きくすることができる。その結果、ナックル上部のキャンバー剛性をより高めることができる。
前記第1リブ外側面のうち前記基壁部側の端部から前記第1分割ラインの位置までの領域は、前記第1分割ラインへ近づくにつれて前記第2リブと反対の外側へ向かうように傾斜し、前記第2リブ外側面のうち前記基壁部側の端部から前記第2分割ラインの位置までの領域は、前記第2分割ラインへ近づくにつれて前記第1リブと反対の外側へ向かうように傾斜していることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、鍛造により製造される車両用ナックルのナックル上部のキャンバー剛性を高めることができる。
本発明の一実施形態による車両用ナックルを含むサスペンションの斜視図である。 本発明の一実施形態による車両用ナックルを車両幅方向の外側から内側へ向かって見た状態で模式的に示す図である。 本発明の一実施形態による車両用ナックルを車両の後方から前方へ向かって見た状態で模式的に示す図である。 図2中のIV-IV線に沿った車両用ナックルの断面図である。 本発明の一実施形態による車両用ナックルの製造方法を説明するための図であって、鍛造工程前の下型、上型及び素材を示す図である。 本発明の一実施形態による車両用ナックルの製造方法を説明するための図であって、鍛造工程後の下型、上型及び素材を示す図である。 シミュレーションにより得られた、車両用ナックルの基壁部外側面から第1及び第2分割ラインまでの距離とX軸周りの断面2次モーメント及びY軸周りの断面2次モーメントとの相関関係を示す図である。 本発明の比較例による車両用ナックルの製造方法における鍛造工程後の下型、上型及び素材を示す図である。 本発明の一変形例による車両用ナックルの製造方法における鍛造工程後の下型、上型及び素材を示す図である。 本発明の別の変形例による車両用ナックルの図4に相当する断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による車両用ナックル10を含むサスペンション50の斜視図である。図2は、車両用ナックル10を車両幅方向の外側から内側へ向かって見た状態で模式的に示す図である。図3は、車両用ナックル10を車両の後方から前方へ向かって見た状態で模式的に示す図である。図4は、図2中のIV-IV線に沿った車両用ナックル10の断面図である。なお、図1、図3及び図4に示される方向において、左(外)は車両の後方から前方へ向かって見た状態での車両の左方向であって車両幅方向の外側へ向かう方向を意味し、右(内)は車両の後方から前方へ向かって見た状態での車両の右方向であって車両幅方向の内側へ向かう方向を意味する。
サスペンション50は、図略の自動車の車両本体と車輪Tとの間に設けられる懸架装置であり、車輪Tを保持して車輪Tの姿勢を維持する機能と図略の車両本体への路面状態の伝達を防止する機能とを有する。また、このサスペンション50は、自動車の車輪Tが回転可能で且つ操向可能となるように当該車輪Tを支持する。このサスペンション50は、図1に示すように、車輪支持体2と、ショックアブソーバ4と、ロワアーム6と、アッパーアーム8と、図略のタイロッドと、車両用ナックル10と、を備える。
車輪支持体2は、車輪Tを支持するものである。具体的には、この車輪支持体2は、図略の軸受を介して車輪Tを支持し、それによって車輪Tが回転可能となるように当該車輪Tを支持する。
ショックアブソーバ4は、車両が走行中に路面から受ける衝撃を吸収するとともに車両本体の振動を吸収するものである。ショックアブソーバ4は、伸縮可能な油圧シリンダ4aと、スプリング4bと、を有する。油圧シリンダ4aは、ショックアブソーバ4の本体部分である。油圧シリンダ4aの上端部は図略の車両本体に接続され、油圧シリンダ4aの下端部はロワアーム6に接続されている。油圧シリンダ4aは、路面の凹凸に応じた車輪Tの上下移動に伴って伸縮し、それによって路面から受ける衝撃を吸収する。スプリング4bは、油圧シリンダ4aの上部の外周に油圧シリンダ4aと同軸となるように配置され、油圧シリンダ4aの伸縮に応じて伸縮することで緩衝機能を発揮する。
ロワアーム6は、ショックアブソーバ4の下側の位置で車両幅方向に延在している。ロワアーム6は、当該ロワアーム6のうち車両幅方向の内側の端部において、車両の前後方向に延びる軸回りに揺動可能に車両本体に接続されている。換言すれば、ロワアーム6は、その車両幅方向の外側の端部が上下に移動するように揺動可能となっている。
アッパーアーム8は、ショックアブソーバ4の上端部付近に配置されている。アッパーアーム8は、その車両幅方向の内側の一端部において、車両の前後方向に延びる軸回りに揺動可能となるように車両本体に接続されている。アッパーアーム8は、車両本体に接続された前記一端部から車両幅方向の外側へ延びている。
図略のタイロッドは、図略のステアリングの操作を車両用ナックル10へ伝達する部材である。このタイロッドは、図略のステアリングギアボックスから車両幅方向の外側へ延び、その先端部において車両用ナックル10の後述のタイロッド支持部18(図2参照)に上下方向に延びる軸回りに回動可能に接続されている。ステアリングの操作は、図略のステアリングギアボックスで車両の左右方向への動きに変換されてタイロッドに伝達され、当該タイロッドから車両用ナックル10へ伝達されるようになっている。
本実施形態による車両用ナックル10は、いわゆるハイマウントナックルである。以下、この車両用ナックル10を単にナックル10と称する。ナックル10は、車輪Tが当該車輪Tの中心軸回りに回転可能となるように前記車輪支持体2を介して当該車輪Tを支持するとともに、ロワアーム6及びアッパーアーム8に連結される。ナックル10は、アルミニウム合金製であり、型鍛造によって製造される。このアルミニウム合金製のナックル10は、鉄鋼材料からなるナックルに比べて非常に軽量であり、その軽量さの割に比較的高い強度を有し、また、耐食性にも優れている。ナックル10は、概ね上下方向に延びる姿勢で配置される。ナックル10は、ナックル下部14と、ナックル上部16と、タイロッド支持部18と、を有する。
ナックル下部14は、ナックル10の上下方向の中間位置から下側の部分である。ナックル下部14は、前記車輪支持体2が取り付けられる取付部20(図2参照)を有する。この取付部20には、ナックル下部14を車両幅方向において貫通する丸孔20aが設けられており、当該丸孔20aに車輪Tの図略のシャフトが挿通されるようになっている。ナックル下部14の下端部は、概ね上下方向に沿って延びるナックル10の軸心回りに回動可能となるようにロワアーム6の車両幅方向の外側の端部に連結されている。
ナックル上部16は、ナックル10の上下方向の中間位置から上側の部分である。ナックル上部16は、ナックル下部14から連続してそのナックル下部14と一体的に設けられており、図3に示すようにナックル下部14から上方へ湾曲しつつ延びている。具体的には、ナックル上部16は、ナックル下部14の上端から上側へ向かうにつれて徐々に車両幅方向の内側へ向かうように延びる部分と、その部分からさらに上側へ向かうにつれて徐々に車両幅方向の外側へ向かうように湾曲しつつ延びる部分と、を有する。ナックル上部16の上端部21は、ナックル10の軸心回りに回動可能となるようにアッパーアーム8(図1参照)の車両幅方向の外側の端部に連結されている。
ナックル上部16の上端部21がナックル10の軸心回りに回動可能となるようにアッパーアーム8に連結されるとともに、前記のようにナックル下部14の下端部がナックル10の軸心回りに回動可能となるようにロワアーム6に連結されていることにより、ナックル10はその軸心回りに回動可能となっている。そのため、ステアリングの操作が図略のステアリングギアボックスで車両の左右方向への動きに変換されて図略のタイロッドに伝達され、さらにそのタイロッドからナックル10へ伝達されたときに、ナックル10がその軸心回りに回動し、当該ナックル10の回動に伴って、車輪支持体2及びその車輪支持体2によって支持された車輪Tが車両用ナックル10の軸心を中心として操向されるようになっている。
ナックル上部16は、図4に示すように、基壁部22と、第1リブ24と、第2リブ26と、を有する。
基壁部22は、車両の前後方向に沿って配置されるとともに、上下方向に湾曲しつつ延びる板状の部分である。基壁部22は、図4に示すように、基壁部内側面22aと、基壁部外側面22bと、を有する。基壁部内側面22aは、ナックル10が車両に設置された状態で車両幅方向の内側を向く面である。また、基壁部外側面22bは、ナックル10が車両に設置された状態で車両幅方向の外側を向く面である。換言すれば、基壁部内側面22aは、基壁部22と後述のように当該基壁部22から突出する第1リブ24及び第2リブ26とによって囲まれる空間の内側を向く面であり、基壁部外側面22bは、基壁部内側面22aと反対側の面である。
第1リブ24は、車両の前後方向に沿う基壁部22の幅方向の一端部から車両幅方向における一方側へ突出し、第2リブ26は、基壁部22の幅方向の前記一端部と反対側の端部から車両幅方向における前記一方側へ突出している。具体的には、第1リブ24は、基壁部22の前側の端部から車両幅方向の内側へ突出し、第2リブ26は、基壁部22の後側の端部から車両幅方向の内側へ突出している。第1リブ24と第2リブ26は、それらの間に間隔をあけて配置されている。また、第1リブ24及び第2リブ26は、基壁部22の幅方向の各端部が延びる方向に沿って基壁部22の長手方向(上下方向)に湾曲しつつ延びている。
第1リブ24は、当該第1リブ24のうち基壁部22から最も離れた部位である第1リブ先端24aを有する。すなわち、この第1リブ先端24aは、基壁部22からの第1リブ24の突出方向における先端であり、第1リブ24の基壁部22と反対側の端部である。また、第1リブ24は、第1リブ内側面24bと、第1リブ外側面24cと、を有する。第1リブ内側面24bは、第1リブ24のうち当該第1リブ24と第2リブ26と基壁部22とによって囲まれる空間の内側を向く面、すなわち第2リブ26側を向く面である。第1リブ外側面24cは、第1リブ24のうち第1リブ内側面24bと反対側の面、すなわち第2リブ26と反対側を向く面である。
第1リブ内側面24bは、当該第1リブ内側面24bの基壁部22側の端部において基壁部内側面22aと繋がっている。第1リブ内側面24bは、基壁部22から第1リブ先端24a側へ向かうにつれて徐々に第2リブ26と反対の外側へ向かうように傾斜している。
第1リブ外側面24cは、当該第1リブ外側面24cの基壁部22側の端部において基壁部外側面22bと繋がっている。第1リブ外側面24cのうち第1リブ24の基壁部22からの突出方向における当該第1リブ24の中央の位置25よりも基壁部22から離れた位置には、ナックル10が後述のように下型101と上型102との間で鍛造されたときに下型101のうち第1リブ24の外側で第1リブ外側面24cを成形する第1下型外側部110と上型102のうち第1リブ24の外側に位置する第1上型外側部114との間の境界に形成される第1分割ライン121が設けられている。この第1分割ライン121は、本実施形態では、第1リブ外側面24cのうち第1リブ先端24aの位置に設けられている。そして、本実施形態では、第1リブ外側面24cのうち基壁部22側の端部から第1分割ライン121が設けられた第1リブ先端24aの位置までの当該第1リブ外側面24c全体が、第1分割ライン121に近づくにつれて徐々に第2リブ26と反対の外側へ向かうように傾斜している。この第1リブ外側面24cの傾斜角度は、前記第1リブ内側面24bの傾斜角度と実質的に同じである。すなわち、第1リブ外側面24cは、前記第1リブ内側面24bと略平行に延びている。
第2リブ26は、当該第2リブ26のうち基壁部22から最も離れた部位である第2リブ先端26aを有する。すなわち、この第2リブ先端26aは、基壁部22からの第2リブ26の突出方向における先端であり、第2リブ26の基壁部22と反対側の端部である。また、第2リブ26は、第2リブ内側面26bと、第2リブ外側面26cと、を有する。第2リブ内側面26bは、第2リブ26のうち当該第2リブ26と第1リブ24と基壁部22とによって囲まれる空間の内側を向く面、すなわち第1リブ24側を向く面である。第2リブ外側面26cは、第2リブ26のうち第2リブ内側面26bと反対側の面、すなわち第1リブ24と反対側を向く面である。
第2リブ内側面26bは、当該第2リブ内側面26bの基壁部22側の端部において基壁部内側面22aと繋がっている。第2リブ内側面26bは、基壁部22から第2リブ先端26a側へ向かうにつれて徐々に第1リブ24と反対の外側へ向かうように傾斜している。
第2リブ外側面26cは、当該第2リブ外側面26cの基壁部22側の端部において基壁部外側面22bと繋がっている。第2リブ外側面26cのうち第2リブ26の基壁部22からの突出方向における当該第2リブ26の中央の位置27よりも基壁部22から離れた位置には、ナックル10が後述のように下型101と上型102との間で鍛造されたときに下型101のうち第2リブ26の外側で第2リブ外側面26cを成形する第2下型外側部112と上型102のうち第2リブ26の外側に位置する第2上型外側部116との間の境界に形成される第2分割ライン122が設けられている。この第2分割ライン122は、本実施形態では、第2リブ外側面26cのうち第2リブ先端26aの位置に設けられている。そして、本実施形態では、第2リブ外側面26cのうち基壁部22側の端部から第2分割ライン122が設けられた第2リブ先端26aの位置までの当該第2リブ外側面26c全体が、第2分割ライン122に近づくにつれて徐々に第1リブ24と反対の外側へ向かうように傾斜している。この第2リブ外側面26cの傾斜角度は、前記第2リブ内側面26bの傾斜角度と実質的に同じである。すなわち、第2リブ外側面26cは、前記第2リブ外側面26cと略平行に延びている。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態によるナックル10の製造方法について説明する。
本実施形態による製造方法は、型鍛造によりナックル10を製造するものである。具体的に、本実施形態による製造方法は、金型100を構成する下型101と上型102との間で素材200を挟み込むことによりその素材200をナックル10の形状に鍛造する鍛造工程と、鍛造後の素材200から下型101及び上型102を分離させる離型工程と、を含む。図5は、鍛造工程前の状態、すなわち下型101と上型102とを型閉めする前の状態における下型101、上型102及び素材200を示している。図6は、鍛造工程後の状態、すなわち下型101と上型102とを型閉めした後の状態における下型101、上型102及び素材200を示している。
下型101は、鍛造工程において基壁部外側面22bから第1リブ外側面24c及び第2リブ外側面26cにかけての領域を成形するものである。下型101は、鍛造工程において基壁部外側面22bを成形する下型基部109と、鍛造工程において第1リブ24の外側で第1リブ外側面24cを成形する第1下型外側部110と、鍛造工程において第2リブ26の外側で第2リブ外側面26cを成形する第2下型外側部112と、を有する。
下型基部109と第1下型外側部110と第2下型外側部112は、凹状の成形空間104を囲んで画定している。成形空間104には、ナックル10を鍛造するためのアルミニウム合金からなる素材200が入れられる。
下型基部109は、成形空間104に面し、鍛造工程において基壁部外側面22bを成形する面である下型基部内側面109aを有する。下型基部内側面109aは、凹状の成形空間104の底面に相当する。下型基部内側面109aは、基壁部外側面22bに対応した形状を有する。
第1下型外側部110は、成形空間104に面し、鍛造工程において第1リブ外側面24cを成形する面である第1下型内側面110aを有する。第1下型内側面110aは、下型基部内側面109aの幅方向の一端から立ち上がる面である。第1下型内側面110aは、第1リブ外側面24cに対応した形状を有する。
第2下型外側部112は、成形空間104に面し、鍛造工程において第2リブ外側面26cを成形する面である第2下型内側面112aを有する。第2下型内側面112aは、下型基部内側面109aの幅方向の前記一端と反対側の他端から立ち上がる面である。第2下型内側面112aは、第2リブ外側面26cに対応した形状を有する。
第1下型内側面110aと第2下型内側面112aは、互いに対向しており、下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に互いに遠ざかるように傾斜している。この第1及び第2下型内側面110a,112aの傾斜は、鍛造後の素材200を当該第1下型内側面110aと当該第2下型内側面112aとの間から抜き出せるようにするための抜き勾配を確保するためのものである。すなわち、第1下型内側面110aには下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第2下型内側面112aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配α1(図6参照)が設けられているとともに、第2下型内側面112aには下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第1下型内側面110aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配α2(図6参照)が設けられている。
上型102は、本実施形態では、鍛造工程において基壁部内側面22aから第1リブ内側面24b及び第2リブ内側面26bにかけての領域と第1リブ先端24aと第2リブ先端26aとを成形するように構成されている。上型102は、上型基部107と、その上型基部107から突出する上型内側成形部108と、上型内側成形部108の幅方向において当該上型内側成形部108に対して一方の外側に位置するように上型基部107から延出された第1上型外側部114と、上型内側成形部108の幅方向において当該上型内側成形部108に対して第1上型外側部114と反対の外側に位置するように上型基部107から延出された第2上型外側部116と、を有する。
上型内側成形部108は、鍛造工程において、第1下型外側部110と第2下型外側部112との間、換言すれば下型101の前記成形空間104内に挿入されて基壁部内側面22aから第1リブ内側面24b及び第2リブ内側面26bにかけての領域を成形するものである。上型内側成形部108は、先端面108aと、第1成形部外側面108bと、第2成形部外側面108cと、を有する。
先端面108aは、上型内側成形部108の突出方向の先端に位置し、鍛造工程において基壁部内側面22aを成形する面である。この先端面108aは、基壁部内側面22aに対応した形状を有する。
第1成形部外側面108bは、上型内側成形部108の幅方向における一方の外側を向く面であり、鍛造工程において第1リブ内側面24bを成形する面である。第1成形部外側面108bは、第1リブ内側面24bに対応した形状を有する。第1成形部外側面108bは、上型内側成形部108の幅方向における先端面108aの一方の端部から上型基部107側へ延びている。
第2成形部外側面108cは、上型内側成形部108の第1成形部外側面108bと反対側の面であり、鍛造工程において第2リブ内側面26bを成形する面である。第2成形部外側面108cは、第2リブ内側面26bに対応した形状を有する。第2成形部外側面108cは、第2リブ内側面26bに対応した形状を有する。第2成形部外側面108cは、上型内側成形部108の幅方向における先端面108aの他方の端部から上型基部107側へ延びている。
第1成形部外側面108bと第2成形部外側面108cは、先端面108a側へ向かうにつれて徐々に互いに近づくように傾斜している。換言すれば、第1成形部外側面108bと第2成形部外側面108cは、それぞれ、先端面108a側へ向かうにつれて徐々に上型内側成形部108の幅方向内側へ向かうように傾斜している。この第1及び第2成形部外側面108b,108cの傾斜は、上型内側成形部108を鍛造後の素材200の第1リブ24と第2リブ26との間から抜き出せるようにするための抜き勾配を確保するためのものである。すなわち、第1成形部外側面108bには先端面108a側へ向かうにつれて徐々に第2成形部外側面108cへ近づくように傾斜する抜き勾配β1(図6参照)が設けられているとともに、第2成形部外側面108cには先端面108a側へ向かうにつれて徐々に第1成形部外側面108bへ近づくように傾斜する抜き勾配β2(図6参照)が設けられている。
第1上型外側部114は、下型101と上型102との型閉め方向において第1下型外側部110と対向し、鍛造工程において下型101と上型102とが型閉めされた状態で第1リブ24の外側において第1下型外側部110と当接する部分である。第2上型外側部116は、下型101と上型102との型閉め方向において第2下型外側部112と対向し、鍛造工程において下型101と上型102とが型閉めされた状態で第2リブ26の外側において第2下型外側部112と当接する部分である。
金型100の分割ライン、すなわち下型101と上型102との間の分割ラインは、第1下型外側部110と第1上型外側部114との間及び第2下型外側部112と第2上型外側部116との間に設けられている。具体的には、下型101と上型102との間の分割ラインは、下型101と上型102とが型閉めされた状態での第1下型外側部110と第1上型外側部114との間の境界に相当する第1分割ライン121と、同状態での第2下型外側部112と第2上型外側部116との間の境界に相当する第2分割ライン122とからなる。
前記鍛造工程は、以上のような下型101及び上型102を用いて行われる。この鍛造工程では、まず、図5に示すように下型101の成形空間104内に素材200を入れる。この素材200は、ナックル10の材料であるアルミニウム合金からなるビレットである。
その後、図6に示すように、下型101と上型102とを型閉めする。具体的には、下型101の成形空間104内に上型内側成形部108が挿入されるとともに、第1上型外側部114が第1下型外側部110に当接し、第2上型外側部116が第2下型外側部112に当接するように下型101と上型102とを型閉めする。これにより、下型101と上型102との間で素材200が挟み込まれてナックル10の形状に鍛造される。具体的には、上型内側成形部108の先端面108aと下型基部内側面109aとの間で基壁部22が鍛造され、第1成形部外側面108bと第1下型内側面110aとの間で第1リブ24が鍛造され、第2成形部外側面108cと第2下型内側面112aとの間で第2リブ26が鍛造される。
鍛造後の素材200には、下型101と上型102とが型閉めされた状態での第1下型外側部110と第1上型外側部114との間の境界に相当する第1分割ライン121、及び、下型101と上型102とが型閉めされた状態での第2下型外側部112と第2上型外側部116との間の境界に相当する第2分割ライン122が形成される。具体的には、鍛造後の素材200の第1リブ外側面24cのうち第1リブ先端24aの位置に第1分割ライン121が形成されるとともに、鍛造後の素材200の第2リブ外側面26cのうち第2リブ先端26aの位置に第2分割ライン122が形成される。
そして、鍛造工程の後、離型工程を行う。この離型工程では、下型101と上型102とを鍛造後の素材200から分離させる。
具体的には、下型101を鍛造後の素材200から遠ざかる方向(型閉め方向と反対方向)に移動させて、下型101の成形空間104内、すなわち第1下型内側面110aと第2下型内側面112aとの間から鍛造後の素材200を抜き出す。このとき、第1下型内側面110aに抜き勾配α1が設けられているとともに第2下型内側面112aに抜き勾配α2が設けられていることから、鍛造後の素材200を第1下型内側面110aと第2下型内側面112aとの間から抜き出せる。
また、上型102を鍛造後の素材200から遠ざかる方向(型閉め方向と反対方向)に移動させ、上型内側成形部108を鍛造後の素材200の内側、すなわち第1リブ内側面24bと第2リブ内側面26bとの間から抜き出す。このとき、第1成形部外側面108bに抜き勾配β1が設けられているとともに第2成形部外側面108cに抜き勾配β2が設けられていることから、上型内側成形部108を第1リブ内側面24bと第2リブ内側面26bとの間から抜き出せる。
そして、離型工程の後、鍛造後の素材200からのバリの除去及び当該鍛造後の素材200の熱処理を行い、ナックル10が得られる。
本実施形態によるナックル10の製造方法は、以上のようにして行われる。
本実施形態では、従来であればナックル10を鍛造により製造する場合には第1下型外側部110と第1上型外側部114との間の第1分割ライン121及び第2下型外側部112と第2上型外側部116との間の第2分割ライン122を基壁部22寄りの位置に設けるのが一般的であるところ、あえて第1分割ライン121を第1リブ24の基壁部22からの突出方向における中央の位置25よりも基壁部22から離れた位置、具体的には第1リブ先端24aの位置に設けるとともに、第2分割ライン122を第2リブ26の基壁部22からの突出方向における中央の位置27よりも基壁部22から離れた位置、具体的には第2リブ先端26aの位置に設けることで、鍛造後の素材200から下型101を分離できるようにするために第1下型内側面110a及び第2下型内側面112aに設けられる抜き勾配α1,α2を利用して第1リブ24が基壁部22から最も離れた第1リブ先端24aまで大きい肉厚を有し且つ第2リブ26が基壁部22から最も離れた第2リブ先端26aまで大きい肉厚を有するように第1及び第2リブ24,26を成形することができる。その結果、ナックル上部16のキャンバー剛性が高いナックル10を製造することができる。
具体的に、従来、基壁部22から突出した第1及び第2リブ24,26を有するナックル10を鍛造する場合には、一般的に、第1及び第2分割ライン121,122が第1及び第2リブ24,26の突出方向における中央の位置25,27よりも基壁部22寄りの位置に設けられ、極端な場合には図8に示す比較例のように下型101と上型102との間の第1及び第2分割ライン121,122が基壁部22の範囲内の位置に設けられる。この場合、第1上型外側部114が上型基部107から下型101側へ向かって第1リブ外側面24c全体をカバーするように延び、その分、第1下型外側部110の下型基部109からの突出量は僅かになるとともに、第2上型外側部116が上型基部107から下型101側へ向かって第2リブ外側面26c全体をカバーするように延び、その分、第2下型外側部112の下型基部109からの突出量は僅かになる。
そして、この場合、鍛造工程において第1リブ24全体が第1上型外側部114の内側面114aと第1成形部外側面108bとの間で鍛造されることになるため、離型工程において第1リブ24を第1上型外側部114の内側面114aと第1成形部外側面108bとの間から抜き出せるようにするために、第1成形部外側面108bに前記抜き勾配β1が設けられるとともに第1上型外側部114の内側面114aに第1分割ライン121側へ向かうにつれて第1成形部外側面108bから遠ざかるように傾斜する抜き勾配γ1が設けられる。
また、この場合、鍛造工程において第2リブ26全体が第2上型外側部116の内側面116aと第2成形部外側面108cとの間で鍛造されることになるため、離型工程において第2リブ26を第2上型外側部116の内側面116aと第2成形部外側面108cとの間から抜き出せるようにするために、第2成形部外側面108cに前記抜き勾配β2が設けられるとともに第2上型外側部116の内側面116aに第2分割ライン122側へ向かうにつれて第2成形部外側面108cから遠ざかるように傾斜する抜き勾配γ2が設けられる。
以上のように、第1成形部外側面108bに前記抜き勾配β1が設けられるとともに第1上型外側部114の内側面114aに前記抜き勾配γ1が設けられる結果、鍛造工程において前記第1成形部外側面108bと前記内側面114aとの間で鍛造される第1リブ24の全体が第1リブ先端24aへ向かうにつれて徐々に肉厚が減少する形状とならざるを得ず、また、第2成形部外側面108cに前記抜き勾配β2が設けられるとともに第2上型外側部116の内側面116aに前記抜き勾配γ2が設けられる結果、鍛造工程において前記第2成形部外側面108cと前記内側面116aとの間で鍛造される第2リブ26の全体が第2リブ先端26aへ向かうにつれて徐々に肉厚が減少する形状とならざるを得ない。ナックル上部16のキャンバー剛性を高めるためには第1リブ24及び第2リブ26のうち基壁部22からより離れた部位の肉厚を大きくすることが有効であるが、前記のように第1リブ24全体の肉厚が第1リブ先端24aへ向かうにつれて徐々に減少するとともに第2リブ26全体の肉厚が第2リブ先端26aへ向かうにつれて徐々に減少していると、第1及び第2リブ24,26のうち基壁部22から離れた部位の肉厚を大きくすることは困難であり、その結果、ナックル上部16のキャンバー剛性を高めることは困難になる。
これに対し、本実施形態では、第1下型外側部110と第1上型外側部114との間の第1分割ライン121が第1リブ先端24aの位置に設けられるとともに、第2下型外側部112と第2上型外側部116との間の第2分割ライン122が第2リブ先端26aの位置に設けられることから、鍛造工程において、第1リブ24の基壁部22側の端部から第1リブ先端24aに亘る第1リブ24全体が第1下型内側面110aと第1成形部外側面108bとの間で成形されるとともに、第2リブ26の基壁部22側の端部から第2リブ先端26aに亘る第2リブ26全体が第2下型内側面112aと第2成形部外側面108cとの間で成形される。
そして、離型工程において鍛造後の素材200の第1リブ24と第2リブ26との間から上型内側成形部108を抜き出せるようにするため、第1成形部外側面108bには先端面108a側へ向かうにつれて徐々に第2成形部外側面108cへ近づくように傾斜する抜き勾配β1が設けられるとともに、第2成形部外側面108cには先端面108a側へ向かうにつれて徐々に第1成形部外側面108bへ近づくように傾斜する抜き勾配β2が設けられ、その結果、鍛造工程において第1成形部外側面108bによって成形される第1リブ内側面24b及び第2成形部外側面108cによって成形される第2リブ内側面26bは、第1及び第2リブ先端24a,26a側へ向かうにつれて徐々に第1リブ24と第2リブ26の両外側へ向かうように傾斜する斜面にそれぞれ成形される。そして、離型工程において鍛造後の素材200を第1下型内側面110aと第2下型内側面112aとの間から抜き出せるようにするため、第1下型内側面110aには下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第2下型内側面112aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配α1が設けられるとともに、第2下型内側面112aには下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第1下型内側面110aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配α2が設けられ、その結果、鍛造工程において第1下型内側面110aによって成形される第1リブ外側面24c全体が第1リブ内側面24bと同様に第1リブ先端24a側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形されるとともに、鍛造工程において第2下型内側面112aによって成形される第2リブ外側面26c全体が第2リブ内側面26bと同様に第2リブ先端26a側へ向かうにつれて徐々に外側へ向かうように傾斜する斜面に成形される。このため、本実施形態では、第1リブ24を基壁部22から最も離れた第1リブ先端24aの位置まで大きい肉厚に成形できるとともに、第2リブ26を基壁部22から最も離れた第2リブ先端26aの位置まで大きい肉厚に成形でき、ナックル上部16のキャンバー剛性を高めることができる。
次に、基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離とナックル10のキャンバー剛性及びキャスター剛性との関係を調べたシミュレーションについて説明する。
このシミュレーションでは、第1及び第2リブ24,26の前記突出方向、詳しくは基壁部外側面22bに対して垂直な方向において、基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離を0mm、15mm、30mm、45mm、60mmのそれぞれに設定した場合でのナックル上部16の図4と同様の断面におけるX軸周りの断面2次モーメントとY軸周りの断面2次モーメントとを求めた。
前記X軸は、図4と同様の断面において基壁部外側面22bに対して平行に延びる中立軸であり、当該X軸周りの断面2次モーメントはナックル上部16のキャンバー剛性(車両の幅方向についてのナックル上部16の曲げ剛性)の指標値である。また、前記Y軸は、図4と同様の断面において基壁部外側面22bに対して垂直に延びる中立軸であり、当該Y軸周りの断面2次モーメントは、ナックル上部16のキャスター剛性(車両の前後方向についてのナックル上部16の曲げ剛性)の指標値である。
基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離が0mmである場合は、第1及び第2分割ライン121,122が基壁部外側面22bの位置に設けられた場合に相当する。また、基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離が60mmである場合は、第1分割ライン121が第1リブ先端24aの位置に設けられるとともに第2分割ライン122が第2リブ先端26aの位置に設けられた場合に相当する。図7には、このシミュレーションによって得られた結果が示されている。
図7から判るように、基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離が大きくなるにつれてX軸周りの断面2次モーメントが大きくなる。この結果から、第1分割ライン121の位置が第1リブ先端24aにより近づくとともに第2分割ライン122の位置が第2リブ先端26aにより近づくほど、ナックル上部16のキャンバー剛性が高くなることが判る。なお、このシミュレーションでは、基壁部外側面22bからの距離が最も大きくなる第1及び第2リブ先端24a,26aの位置に第1及び第2分割ライン121,122が設けられた場合(前記距離が60mmの場合)のX軸周りの断面2次モーメントは、基壁部外側面22bの位置に第1及び第2分割ライン121,122が設けられた場合(前記距離が0mmの場合)のX軸周りの断面2次モーメントから約11%増加した値になることが判った。
また、基壁部外側面22bから第1及び第2分割ライン121,122までの距離が変化したとしても、Y軸周りの断面2次モーメントの変化量は小さく、基壁部22から最も離れた第1及び第2リブ先端24a,26aの位置に第1及び第2分割ライン121,122が設けられた場合(前記距離が60mmの場合)であっても、その場合のY軸周りの断面2次モーメントは、基壁部外側面22bの位置に第1及び第2分割ライン121,122が設けられた場合(前記距離が0mmの場合)のY軸周りの断面2次モーメントから僅かに約1%減少した値であり、この基壁部外側面22bの位置に第1及び第2分割ライン121,122が設けられた場合とほぼ変わらない値となる。従って、第1及び第2リブ24,26の突出方向における第1及び第2分割ライン121,122の位置によってナックル上部16のキャスター剛性に及ぼされる悪影響はほぼないことが判る。
(変形例)
本発明による車両用ナックル及びその製造方法は、前記のようなものに必ずしも限定されない。例えば、本発明による車両用ナックルに以下のような構成を採用することが可能であり、また、本発明による車両用ナックルの製造方法に以下のような技術を採用することが可能である。
例えば、ナックル10において、基壁部22から第1リブ先端24aまでの距離と基壁部22から第2リブ先端26aまでの距離とは、互いに異なっていてもよい。すなわち、第1リブ24の基壁部22からの突出長と第2リブ26の基壁部22からの突出長とが互いに異なっていてもよい。この場合、第1リブ先端24aの位置に設けられる第1分割ライン121の基壁部22からの距離と、第2リブ先端26aの位置に設けられる第2分割ライン122の基壁部22からの距離とは、互いに異なる。
また、第1分割ライン121は、必ずしも第1リブ先端24aの位置に設けられていなくてもよく、第2分割ライン122は、必ずしも第2リブ先端26aの位置に設けられていなくてもよい。
具体的には、図9に示す変形例のように、第1分割ライン121が第1リブ24の基壁部22からの突出方向における当該第1リブ24の中央の位置25と第1リブ先端24aとの間の位置に設けられるとともに、第2分割ライン122が第2リブ26の基壁部22からの突出方向における当該第2リブ26の中央の位置27と第2リブ先端26aとの間の位置に設けられてもよい。この変形例では、鍛造工程において、第1リブ24のうち第1分割ライン121から第1リブ先端24aまでの部分が第1上型外側部114の内側面114aと第1成形部外側面108bとの間で鍛造されるとともに、第1リブ24のうち第1分割ライン121から基壁部22側の端部までの部分が第1下型内側面110aと第1成形部外側面108bとの間で鍛造される。また、この変形例では、鍛造工程において、第2リブ26のうち第2分割ライン122から第2リブ先端26aまでの部分が第2上型外側部116の内側面116aと第2成形部外側面108cとの間で鍛造されるとともに、第2リブ26のうち第2分割ライン122から基壁部22側の端部までの部分が第2下型内側面112aと第2成形部外側面108cとの間で鍛造される。
従って、この変形例では、離型工程において鍛造後の素材200の第1リブ24のうち第1分割ライン121から第1リブ先端24aまでの部分を第1上型外側部114の内側面114aと第1成形部外側面108bとの間から抜き出せるようにするために、第1成形部外側面108bに前記抜き勾配β1が設けられるとともに第1上型外側部114の内側面114aに第1分割ライン121側へ向かうにつれて第1成形部外側面108bから遠ざかるように傾斜する抜き勾配δ1が設けられる。また、離型工程において鍛造後の素材200の第2リブ26のうち第2分割ライン122から第2リブ先端26aまでの部分を第2上型外側部116の内側面116aと第2成形部外側面108cとの間から抜き出せるようにするために、第2成形部外側面108cに前記抜き勾配β2が設けられるとともに第2上型外側部116の内側面116aに第2分割ライン122側へ向かうにつれて第2成形部外側面108cから遠ざかるように傾斜する抜き勾配δ2が設けられる。
また、この変形例では、離型工程において第1下型内側面110aと第2下型内側面112aとの間から鍛造後の素材200の第1及び第2分割ライン121,122から基壁部22側の部分を抜き出せるようにするために、第1下型内側面110aに下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第2下型内側面112aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配ε1が設けられるとともに、第2下型内側面112aに下型基部内側面109aから離れるにつれて徐々に第1下型内側面110aと反対の外側へ向かうように傾斜する抜き勾配ε2が設けられる。
この変形例では、前記のように第1分割ライン121が第1リブ24の前記中央の位置25と第1リブ先端24aとの間の位置に設けられるとともに前記抜き勾配β1,δ1,ε1がそれぞれ対応する面に設けられることにより、鍛造工程において第1リブ24のうち第1分割ライン121から第1リブ先端24aまでの部分が第1リブ先端24a側へ向かうにつれて徐々に肉厚が減少する形状に鍛造されるものの、第1リブ24のうち基壁部22側の端部から前記中央の位置25よりも基壁部22から離れた第1分割ライン121の位置までの部分は大きい肉厚に鍛造することができる。また、前記のように第2分割ライン122が第2リブ26の前記中央の位置27と第2リブ先端26aとの間の位置に設けられるとともに前記抜き勾配β2,δ2,ε2がそれぞれ対応する面に設けられることにより、鍛造工程において第2リブ26のうち第2分割ライン122から第2リブ先端26aまでの部分が第2リブ先端26a側へ向かうにつれて徐々に肉厚が減少する形状に鍛造されるものの、第2リブ26のうち基壁部22側の端部から前記中央の位置25よりも基壁部22から離れた第2分割ライン122の位置までの部分は大きい肉厚に鍛造することができる。従って、この変形例では、前記実施形態ほどではないものの、第1及び第2リブ24,26を基壁部22から比較的離れた位置まで大きい肉厚にすることができ、ナックル上部16のキャンバー剛性を高めることができる。
また、図10に示す変形例のように、ナックル上部16の第1リブ24が、基壁部22から突出する第1リブ本体31と、その第1リブ本体31の突出方向の先端部から第2リブ26と反対の外側へ延出された第1先端延出部32とを有するとともに、ナックル上部16の第2リブ26が、基壁部22から突出する第2リブ本体33と、その第2リブ本体33の突出方向の先端部から第1リブ24と反対の外側へ延出された第2先端延出部34とを有していてもよい。この変形例では、第1分割ライン121は、第1リブ24の外側面のうちの第1リブ先端24aの位置、より具体的には、第1先端延出部32の外側面のうちの第1リブ先端24aの位置に設けられ、第2分割ライン122は、第2リブ26の外側面のうちの第2リブ先端26aの位置、より具体的には、第2先端延出部34の外側面のうちの第2リブ先端26aの位置に設けられる。
この変形例では、第1リブ24のうち基壁部22から最も離れた第1リブ先端24aにおいて第1先端延出部32により肉厚を増加させることができるとともに、第2リブ26のうち基壁部22から最も離れた第2リブ先端26aにおいて第2先端延出部34により肉厚を増加させることができる。このため、ナックル上部16のキャンバー剛性を高めることができる。
なお、この変形例において、第1分割ライン121は、第1先端延出部32の外側面のうち第1リブ先端24aの位置ではなく、第1リブ24の基壁部22からの突出方向に沿う方向における第1先端延出部32の範囲内の任意の位置に設けられてもよい。また、第2分割ライン122は、第2先端延出部34の外側面のうち第2リブ先端26aの位置ではなく、第2リブ26の基壁部22からの突出方向に沿う方向における第2先端延出部34の範囲内の任意の位置に設けられてもよい。
また、本発明における車両用ナックルは、必ずしもハイマウントナックルに限定されるものではなく、ハイマウントナックルよりもナックル上部が短い、いわゆるショートナックルであってもよい。
2 車輪支持体
8 アッパーアーム
10 車両用ナックル
14 ナックル下部
16 ナックル上部
22 基壁部
22a 基壁部内側面
22b 基壁部外側面
24 第1リブ
24a 第1リブ先端
24b 第1リブ内側面
24c 第1リブ外側面
26 第2リブ
26a 第2リブ先端
26b 第2リブ内側面
26c 第2リブ外側面
50 サスペンション
101 下型
102 上型
108 上型内側成形部
108b 第1成形部外側面(第1上型外側面)
108c 第2成形部外側面(第2上型外側面)
110 第1下型外側部
112 第2下型外側部
114 第1上型外側部
116 第2上型外側部
200 素材

Claims (4)

  1. 車輪支持体が取り付けられるナックル下部と、前記ナックル下部から連続するように設けられてサスペンションのアッパーアームに連結されるナックル上部とを備え、前記ナックル上部が、車両の前後方向に沿って配置される基壁部と、前記車両の前後方向における前記基壁部の一端部から前記車両の幅方向における一方側へ突出する第1リブと、前記基壁部の前記一端部と反対側の端部から前記一方側へ突出する第2リブとを有する車両用ナックルを鍛造成型により製造する鍛造装置であって、
    互いに離接可能に構成され、素材を挟み込むことにより前記素材を前記車両用ナックルの形状に鍛造する下型及び上型を備え、
    前記下型は、前記車両用ナックルの鍛造成型時において前記基壁部の外側面から前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれの外側面にかけての領域を成形するように構成されていて、前記第1リブの外側で当該第1リブの外側面を成形する第1下型外側部と、前記第2リブの外側で当該第2リブの外側面を成形する第2下型外側部と、を有し、
    前記上型は、前記車両用ナックルの鍛造成型時において前記第1下型外側部と前記第2下型外側部との間に挿入されて前記基壁部の内側面から前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれの内側面にかけての領域を成形する上型内側成形部と、前記鍛造成型時において前記下型と前記上型とが型閉めされた状態で前記第1リブの外側において前記第1下型外側部と当接する第1上型外側部と、前記鍛造成型時において前記下型と前記上型とが型閉めされた状態で前記第2リブの外側において前記第2下型外側部と当接する第2上型外側部と、を有し、
    前記下型と前記上型とが型閉めされた状態での前記第1下型外側部と前記第1上型外側部との間の境界に相当する第1分割ラインが前記第1リブの前記基壁部からの突出方向における前記第1リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置に設けられ、
    前記下型と前記上型とが型閉めされた状態での前記第2下型外側部と前記第2上型外側部との間の境界に相当する第2分割ラインが前記第2リブの前記基壁部からの突出方向における前記第2リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置に設けられ
    前記第1分割ラインは、前記第1リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第1リブ先端の位置に設けられ、
    前記第2分割ラインは、前記第2リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第2リブ先端の位置に設けられ、
    前記第1下型外側部は、前記鍛造成型時において前記第1リブの外側面を成形する第1下型内側面を有し、
    前記第1下型内側面は、前記第1分割ラインへ近づくにつれて前記第2下型外側部と反対の外側へ向かうように傾斜していて、当該第1下型内側面の上端位置において前記第1分割ラインに接続されるように構成され、
    前記第2下型外側部は、前記鍛造成型時において前記第2リブの外側面を成形する第2下型内側面を有し、
    前記第2下型内側面は、前記第2分割ラインへ近づくにつれて前記第1下型外側部と反対の外側へ向かうように傾斜していて、当該第2下型内側面の上端位置において前記第2分割ラインに接続されるように構成され、
    前記上型内側成形部は、前記鍛造成型時において前記第1リブの内側面を成形する第1上型外側面と前記第2リブの内側面を成形する第2上型外側面とを有し、
    前記第1上型外側面及び前記第2上型外側面は、それぞれ前記第1分割ライン及び前記第2分割ラインに近づくにつれて外側に傾斜するように構成されている、鍛造装置
  2. 請求項1記載の鍛造装置において、
    前記第1下型内側面及び前記第1上型外側面は互いに平行に形成され、
    前記第2下型内側面及び前記第2上型外側面は互いに平行に形成されている、鍛造装置。
  3. 車両用ナックルであって、
    車輪支持体が取り付けられるナックル下部と、
    前記ナックル下部から連続するように設けられてサスペンションのアッパーアームに連結されるナックル上部と、を備え、
    前記ナックル上部は、車両の前後方向に沿って配置される基壁部と、前記車両の前後方向における前記基壁部の一端部から前記車両の幅方向における一方側へ突出する第1リブと、前記基壁部の前記一端部と反対側の端部から前記一方側へ突出する第2リブと、を有し、
    前記第1リブは、前記第2リブと反対側を向く面である第1リブ外側面と、前記第2リブ側を向く面である第1リブ内側面とを有し、
    前記第2リブは、前記第1リブと反対側を向く面である第2リブ外側面と、前記第1リブ側を向く面である第2リブ内側面とを有し、
    前記第1リブ外側面のうち前記第1リブの前記基壁部からの突出方向における前記第1リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置には、前記車両用ナックルが下型と上型との間で鍛造されたときに前記下型のうち前記第1リブの外側で前記第1リブ外側面を成形する第1下型外側部と前記上型のうち前記第1リブの外側に位置する第1上型外側部との間の境界に形成される第1分割ラインが設けられ、
    前記第2リブ外側面のうち前記第2リブの前記基壁部からの突出方向における前記第2リブの中央の位置よりも前記基壁部から離れた位置には、前記車両用ナックルが前記下型と前記上型との間で鍛造されたときに前記下型のうち前記第2リブの外側で前記第2リブ外側面を成形する第2下型外側部と前記上型のうち前記第2リブの外側に位置する第2上型外側部との間の境界に形成される第2分割ラインが設けられ
    前記第1分割ラインは、前記第1リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第1リブ先端の位置に設けられ、
    前記第2分割ラインは、前記第2リブのうち前記基壁部から最も離れた部位である第2リブ先端の位置に設けられ、
    前記第1リブ外側面及び前記第1リブ内側面は、前記基壁部側の端部からリブ先端側に向かうにつれて前記第2リブとは反対の外側へ向かうように傾斜し、
    前記第1リブ外側面は、前記第1リブ先端の位置において前記第1分割ラインに接続されるように構成され、
    前記第2リブ外側面及び前記第2リブ内側面は、前記基壁部側の端部からリブ先端側に向かうにつれて前記第1リブと反対の外側へ向かうように傾斜し、
    前記第2リブ外側面は、前記第2リブ先端の位置において前記第2分割ラインに接続されるように構成されている、車両用ナックル。
  4. 請求項3記載の車両用ナックルにおいて、
    前記第1リブ外側面と前記第1リブ内側面とは互いに平行に形成され、
    前記第2リブ外側面と前記第2リブ内側面とは互いに平行に形成されている、車両用ナックル。
JP2020019816A 2020-02-07 2020-02-07 鍛造装置及び車両用ナックル Active JP7393236B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020019816A JP7393236B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 鍛造装置及び車両用ナックル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020019816A JP7393236B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 鍛造装置及び車両用ナックル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021122852A JP2021122852A (ja) 2021-08-30
JP7393236B2 true JP7393236B2 (ja) 2023-12-06

Family

ID=77458831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020019816A Active JP7393236B2 (ja) 2020-02-07 2020-02-07 鍛造装置及び車両用ナックル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7393236B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012020341A (ja) 2003-02-18 2012-02-02 Showa Denko Kk 金属鍛造製品の製造方法
JP2014519987A (ja) 2011-06-27 2014-08-21 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ピストン又はピストンシャフトを製造するための鍛造方法
JP2017165126A (ja) 2016-03-14 2017-09-21 株式会社神戸製鋼所 サスペンション部材の製造方法
JP2019031267A (ja) 2017-08-09 2019-02-28 株式会社神戸製鋼所 車両用ナックル

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012020341A (ja) 2003-02-18 2012-02-02 Showa Denko Kk 金属鍛造製品の製造方法
JP2014519987A (ja) 2011-06-27 2014-08-21 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ピストン又はピストンシャフトを製造するための鍛造方法
JP2017165126A (ja) 2016-03-14 2017-09-21 株式会社神戸製鋼所 サスペンション部材の製造方法
JP2019031267A (ja) 2017-08-09 2019-02-28 株式会社神戸製鋼所 車両用ナックル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021122852A (ja) 2021-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10953577B2 (en) Vehicular hybrid suspension arm and manufacturing method thereof
JP5758516B2 (ja) インターロック付き捻りビーム
CA2913868C (en) Suspension coil spring
CN103328272A (zh) 具有改进碰撞性能的汽车结构的管式梁
CN102066140A (zh) 稳定器装置及其制造方法
US7377041B2 (en) Torsion beam type suspension, method for forming torsion beam, and apparatus for forming torsion beam
US6182994B1 (en) Rear swing arm of motor-bike with tapered rectangular pipe member and method of manufacturing tapered rectangular pipe for vehicle body
US20190061814A1 (en) Tie rod end and method of producing the same
CN110641239A (zh) 车辆用悬架构件
JP7393236B2 (ja) 鍛造装置及び車両用ナックル
CN111434498A (zh) 结构件及其制造方法
JP4859833B2 (ja) 横揺れ防止機能を組み入れた横梁を含む自動車のフレキシブルアクスルと、対応する横梁および自動車の製造方法
US11214109B2 (en) Vehicle suspension arm
JP6971910B2 (ja) 車両用ナックル
EP1522432B1 (en) Suspension
US11247262B2 (en) Vehicle knuckle
JP2010047041A (ja) サスペンション用ブッシュ
US20240217287A1 (en) Suspension and off-road vehicle
KR20230000313U (ko) 알루미늄 압출 어시스트암
JP3193317U (ja) ナックルアーム
KR102074495B1 (ko) 차량용 너클 어셈블리 및 그 제조 방법
JP4580452B1 (ja) サスペンション装置及び荷重付与装置
JP2022162568A (ja) サスペンションアーム
JP2018203136A (ja) トレリングアーム
JP2009107511A (ja) サスペンション構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230712

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20230824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7393236

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150