以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、情報処理装置、システム、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
画像処理システム1は、媒体搬送装置100及び情報処理装置200を備える。媒体搬送装置100は、イメージスキャナ等である。媒体搬送装置100は、原稿等の媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。また、媒体は、ラベル(シール)又は小型紙片(写真、切り抜き、切手、印紙等)等の貼付物が貼付された媒体を含む。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ等である。媒体搬送装置100及び情報処理装置200は、相互に通信接続されている。
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104及び表示操作装置105等を備える。
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
表示操作装置105は、表示部及び操作部の一例である。表示操作装置105は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。また、表示操作装置105は、タッチパネル式の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路をさらに有し、利用者による操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。なお、表示装置と操作装置は、別個に設けられてもよい。その場合、操作装置は、ボタン等の入力デバイスを有する。
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。また、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1センサ111、給送ローラ112、ブレーキローラ113、超音波センサ114、第1搬送ローラ115、第1従動ローラ116、第2センサ117、撮像装置118、第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120等を有している。給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ115、第1従動ローラ116、第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120は、媒体を搬送する搬送部の一例である。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド106aを形成し、下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド106bを形成する。
第1センサ111は、給送ローラ112及びブレーキローラ113より上流側に配置される。第1センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1センサ111は接触検知センサに限定されず、第1センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
超音波センサ114は、給送ローラ112及びブレーキローラ113より下流側且つ第1搬送ローラ115及び第1従動ローラ116より上流側に配置される。超音波センサ114は、超音波発信器114a及び超音波受信器114bを含む。超音波発信器114a及び超音波受信器114bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器114aは、超音波を発信する。一方、超音波受信器114bは、超音波発信器114aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。超音波信号は、搬送部により搬送される媒体を透過する超音波の透過強度を示す。即ち、超音波センサ114は、搬送部により搬送される媒体を透過する超音波の透過強度を検出する。複数の媒体が重なって搬送される場合、媒体を透過する超音波は、重なって搬送される媒体の間の空気層で減衰する。したがって、超音波センサ114は、搬送部により搬送される媒体の重なりを検出する重なり検出部として機能する。なお、超音波センサ114の数は一つに限定されず、複数でもよい。
第2センサ117は、第1搬送ローラ115及び第1従動ローラ116より下流側且つ撮像装置118より上流側に配置される。第2センサ117は、接触検出センサであり、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第2センサ117は、第2センサ117の位置に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。なお、第2センサ117は接触検知センサに限定されず、第2センサ117として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
撮像装置118は、第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを含む。第1撮像装置118aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置118aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置118aは、搬送される媒体の裏面を撮像した入力画像を生成し、出力する。
同様に、第2撮像装置118bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置118bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置118bは、搬送される媒体の表面を撮像した入力画像を順次生成し、出力する。
なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。撮像装置118は、撮像部の一例である。
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A3の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、上側ガイド106aと下側ガイド106bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ113は、媒体搬送時、矢印A4の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及びブレーキローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
媒体は、上側ガイド106aと下側ガイド106bによりガイドされながら、第1搬送ローラ115と第1従動ローラ116の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ115が矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置118aと第2撮像装置118bの間に送り込まれる。撮像装置118により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ119が矢印A6の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
図3は、超音波センサ114の配置について説明するための模式図である。図3は、上側筐体102を開いた状態で下側筐体101を上方から見た模式図である。
図3に示す例では、複数の超音波センサ114が、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置されている。中央の超音波センサ114は、幅方向A2の略中央位置に配置され、両端の超音波センサ114は、幅方向A2において撮像装置118の両端部と重なる位置に、即ち媒体搬送方向A1から見て撮像装置118の両端部と重なる位置に配置されている。超音波センサ114の数は三つに限定されず、任意の数でよい。
図4は、媒体搬送装置100及び情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、第1インタフェース装置132、第1記憶装置140及び第1処理回路150等をさらに有する。表示操作装置105、第1センサ111、超音波センサ114、第2センサ117、撮像装置118、モータ131、第1インタフェース装置132、第1記憶装置140及び第1処理回路150は、バスを介して相互に接続される。
モータ131は、1つ又は複数のモータを含む。モータ131は、第1処理回路150からの制御信号によって給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ119を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1従動ローラ116及び第2従動ローラ120は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ119の回転に従って従動回転するのでなく、モータからの駆動力によって回転するように設けられてもよい。
第1インタフェース装置132は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、情報処理装置200と電気的に接続して各種の情報を送受信する。なお、第1インタフェース装置132の代わりに、所定の通信プロトコルに従って、所定の通信ネットワークを介して情報処理装置200と信号の送受信を行うための通信インタフェース回路を有する通信装置が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、無線LAN(Local Area Network)等である。
第1記憶装置140は、記憶部の一例である。第1記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
媒体搬送装置100が複数の超音波センサ114を有する場合、第1記憶装置140は、データとして、各超音波センサ114の配置位置を記憶する。また、第1記憶装置140は、超音波センサ114から出力された超音波信号に示される透過強度を、超音波センサ114による媒体の重なりの検出結果として、搬送される媒体毎に記憶する。
第1処理回路150は、予め第1記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第1処理回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)等である。第1処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
第1処理回路150は、表示操作装置105、第1センサ111、超音波センサ114、第2センサ117、撮像装置118、モータ131、第1インタフェース装置132及び第1記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路150は、表示操作装置105からの操作信号、第1センサ111からの第1媒体信号、第2センサ117からの第2媒体信号に従って、モータ131の駆動制御、撮像装置118の撮像制御等を行う。第1処理回路150は、撮像装置118から入力画像を取得し、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信する。また、第1処理回路150は、超音波センサ114から超音波信号を受信し、媒体の重なりの検出結果を、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信する。
情報処理装置200は、表示装置201、操作装置202、第2インタフェース装置203、第2記憶装置210及び第2処理回路220等を有する。
表示装置201は、表示部の一例であり、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
操作装置202は、タッチパネル式の入力装置、キーボード、マウス等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。
第2インタフェース装置203は、第1インタフェース装置132と同様のインタフェース回路を有し、媒体搬送装置100と電気的に接続して各種の情報を送受信する。なお、第2インタフェース装置203の代わりに、所定の通信プロトコルに従って、所定の通信ネットワークを介して媒体搬送装置100と信号の送受信を行うための通信インタフェース回路を有する通信装置が用いられてもよい
第2記憶装置210は、記憶部の一例である。第2記憶装置210は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第2記憶装置210には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。第2記憶装置210は、データとして、媒体搬送装置100から受信した、媒体の重なりの検出結果を記憶する。
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路220は、例えばCPU等である。第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
第2処理回路220は、表示装置201、操作装置202、第2インタフェース装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路220は、第2インタフェース装置203を介して媒体搬送装置100から入力画像及び媒体の重なりの検出結果を受信して、媒体の重送が発生したか否かを判定し、入力画像及び判定結果を表示装置201に表示する。
図5は、第1記憶装置140及び第1処理回路150の概略構成を示す図である。
図5に示すように、第1記憶装置140には、読取制御プログラム141、重送判定プログラム142及び出力制御プログラム143等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路150は、第1記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第1処理回路150は、読取制御部151、重送判定部152及び出力制御部153として機能する。
図6は、第2記憶装置210及び第2処理回路220の概略構成を示す図である。
図6に示すように、第2記憶装置210には、取得プログラム211、判定プログラム212、第2判定プログラム213、制御プログラム214及び設定プログラム215等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路220は、第2記憶装置210に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第2処理回路220は、取得部221、判定部222、第2判定部223、制御部224及び設定部225として機能する。
図7は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図7に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、読取制御部151は、利用者により表示操作装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の読取指示が入力され、媒体の読取を指示する操作信号を表示操作装置105又は第1インタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
次に、読取制御部151は、第1センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、読取制御部151は、ステップS101へ処理を戻し、表示操作装置105又は第1インタフェース装置132から新たに操作信号を受信するまで待機する。
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、読取制御部151は、モータ131を駆動し、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ119を回転させ、媒体を搬送させる(ステップS103)。
次に、読取制御部151は、超音波センサ114から超音波信号を受信し、受信した超音波信号に示される透過強度を取得し、第1記憶装置140に記憶する(ステップS104)。読取制御部151は、一定間隔毎に、超音波センサ114から超音波信号を受信する。媒体搬送装置100が複数の超音波センサ114を有する場合、読取制御部151は、各超音波センサ114から超音波信号を受信する。読取制御部151は、媒体の搬送を開始してからの経過時刻、及び、各超音波センサ114の配置位置に基づいて、搬送される媒体内で、各超音波信号を送信した超音波センサ114が現在対向している位置を特定する。読取制御部151は、搬送される媒体毎に、受信した各超音波信号に示される透過強度を、特定した位置又は現在時刻と関連付けて、超音波センサ114による媒体の重なりの検出結果として記憶する。
次に、読取制御部151は、媒体全体が撮像されたか否かを判定する(ステップS105)。読取制御部151は、例えば、第2センサ117から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の後端が第2センサ117の位置を通過したか否かを判定する。読取制御部151は、第2センサ117から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第2センサ117の位置を通過したと判定する。読取制御部151は、媒体の後端が第2センサ117の位置を通過してから所定時間が経過した時に媒体の後端が撮像装置118の撮像位置を通過し、媒体全体が撮像されたと判定する。なお、読取制御部151は、媒体の給送を開始してから所定時間が経過した時に、搬送された媒体の全体が撮像されたと判定してもよい。
まだ搬送された媒体の全体が撮像されていない場合、読取制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
一方、搬送された媒体の全体が撮像された場合、読取制御部151は、撮像装置118から入力画像を取得し、第1記憶装置140に記憶するとともに第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信することにより出力する(ステップS106)。なお、情報処理装置200は、連続して受信した入力画像群を1つにまとめた画像ファイルを生成してもよい。これにより、画像処理システム1は、載置台103にまとめて載置された媒体群を撮像した入力画像群をまとめた画像ファイルを生成する。
次に、重送判定部152は、搬送された媒体内において、透過強度が所定範囲内である領域の長さを、媒体の重なりが発生している重なり長さとして算出する(ステップS107)。重送判定部152は、第1記憶装置140に記憶された各透過強度を参照し、透過強度に基づく算出値が重なり閾値未満である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。重送判定部152は、各透過強度が検出された前後の所定期間内に検出された透過強度の統計値(平均値、中央値、最大値又は最小値)を算出値として算出する。なお、重送判定部152は、各透過強度自体を算出値として使用してもよい。重なり閾値は、例えば一枚のPPC(Plain Paper Copier)用紙が搬送された場合に検出される透過強度と、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される透過強度との間の値に設定される。重送判定部152は、透過強度に基づく算出値が重なり閾値未満である位置が連続する最大距離を重なり長さとして算出する。
なお、超音波センサ114の数が複数である場合、重送判定部152は、超音波センサ114毎に、媒体搬送方向A1における重なり長さを算出し、算出した重なり長さのうち、最大の重なり長さをその媒体の重なり長さとして決定する。また、重送判定部152は、重なり長さとして、媒体搬送方向A1における重なり長さに加えて又は代えて、幅方向A2において媒体の重なりが発生している重なり長さを算出してもよい。その場合、重送判定部152は、透過強度が重なり閾値未満である超音波信号を出力した超音波センサ114の配置位置から幅方向A2における重なり長さを算出する。
次に、重送判定部152は、算出した重なり長さが長さ閾値以上である否かを判定する(ステップS108)。長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の端部間の距離にマージンを加算した値(例えば50mm)に設定される。
なお、ステップS107において、重送判定部152は、重なり長さとして、搬送される媒体内において、透過強度が所定範囲内である期間の長さを算出してもよい。その場合、重送判定部152は、透過強度に基づく算出値が重なり閾値未満である時刻の最大連続期間を重なり長さとして算出する。長さ閾値は、期間を表す値に設定される。長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の先端が超音波センサ114の位置に到達してから後端が超音波センサ114の位置を通過するまでの期間にマージンを加算した期間に設定される。
重なり長さが長さ閾値以上である場合、重送判定部152は、媒体の重送が発生したと判定する(ステップS109)。
図8A及び図8Bは、超音波の透過強度の特性を示すグラフである。
図8Aは、用紙M1及び用紙M2が重なって搬送された時の超音波の透過強度の特性を示すグラフ800であり、図8Bは、貼付物Pが貼付された用紙M3が搬送された時の超音波の透過強度の特性を示すグラフ810である。グラフ800及び810の横軸は媒体搬送方向A1における媒体内の位置を示し、縦軸は透過強度を示す。グラフ800に示すように、用紙M1と用紙M2が重なっている領域T1では透過強度が低下する。そのため、一枚の用紙が搬送された場合に検出される透過強度S1と、二枚の用紙が搬送された場合に検出される透過強度S2との間の値に重なり閾値が設定されることにより、媒体の重なりが発生している領域T1が適切に特定される。また、長さ閾値が領域T1の長さ(重なり長さ)より小さい値に設定されることにより、媒体の重送が発生していると適切に判定される。
但し、グラフ810に示すように、用紙M3内で貼付物Pが貼付された領域でも透過強度が低下する。用紙M3に貼付物Pが貼付された領域では、用紙M3と貼付物Pの間に空気層が存在しないため、用紙M3と貼付物Pの間での超音波の減衰量は、二枚の用紙M1、M2の間での超音波の減衰量より小さい。したがって、用紙M3内で貼付物Pが貼付された領域における透過強度S3は、二枚の用紙M1、M2が重なっている領域における透過強度S2より大きくなる。しかしながら、透過強度S3は透過強度S2と近似している。透過強度S3が重なり閾値より小さい場合、用紙M3内で貼付物Pが貼付された領域T2でも媒体の重なりが発生していると判定される可能性がある。さらに、領域T2の長さ(貼付物Pの長さ)が長さ閾値より大きい場合、媒体の重送が発生していると誤って判定される可能性がある。
次に、読取制御部151は、異常処理を実行する(ステップS110)。読取制御部151は、異常処理として、モータ131を停止して、搬送部による媒体の給送及び搬送を停止する。また、読取制御部151は、異常処理として、媒体の重送が発生したことを示す情報を表示操作装置105に表示し又は第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信することにより利用者に通知する。
次に、読取制御部151は、利用者により表示操作装置105又は情報処理装置200を用いて指示が入力され、重送に対する対応を指示する対応信号を表示操作装置105又は第1インタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS111)。対応信号には、媒体読取処理を継続するか終了するかの指示が含まれる。なお、対応信号には、読み取った媒体を削除するか否かの指示がさらに含まれてもよい。例えば、利用者は、重送して搬送された媒体、又は、重送して搬送された媒体のうち適切に撮像されなかった媒体を載置台103に戻し、媒体読取処理を継続する指示を入力する。その場合、画像処理システム1は、最初に載置台103にまとめて載置された媒体群を撮像した入力画像群をまとめた画像ファイルを生成する。または、利用者は、媒体読取処理を停止する指示を入力し、全ての媒体を載置台103にセットしなおして、媒体搬送装置100に媒体読取処理を再実行させる。
次に、読取制御部151は、受信した対応信号に、媒体読取処理を継続する指示が含まれるか媒体読取処理を終了する指示が含まれるかを判定する(ステップS112)。受信した対応信号に、媒体読取処理を継続する指示が含まれる場合、読取制御部151は、ステップS103へ処理を戻し、モータ131を再駆動し、媒体を再搬送させる。なお、読取制御部151は、モータ131を駆動し、搬送路に残っている媒体を逆送させて載置台103に一旦戻してから再給送するように搬送部を制御してもよい。これにより、利用者は、媒体を載置台103に再載置して再給送する必要がなくなり、読取制御部151は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。一方、受信した対応信号に、媒体読取処理を終了する指示が含まれる場合、読取制御部151は、ステップS116へ処理を移行する。
一方、ステップS108において、重なり長さが長さ閾値未満であった場合、重送判定部152は、媒体の重送が発生しなかったと判定する(ステップS113)。
このように、重送判定部152は、超音波センサ114による検出結果と閾値とを比較して、重送が発生したか否かを判定する。特に、重送判定部152は、超音波センサ114が検出した透過強度と重なり閾値との比較、及び、超音波センサ114が検出した透過強度と重なり閾値とが所定の関係となった距離又は期間と長さ閾値との比較に基づいて、重送が発生したか否かを判定する。なお、重送判定部152は、超音波センサ114が検出した透過強度と重なり閾値との比較に基づいて、重送が発生したか否かを判定してもよい。その場合、ステップS107の処理が省略され、重送判定部152は、透過強度に基づく算出値が重なり閾値未満である場合、媒体の重送が発生したと判定し、透過強度に基づく算出値が重なり閾値以上である場合、媒体の重送が発生しなかったと判定する。
次に、読取制御部151は、第1センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS114)。載置台103に媒体が残っている場合、読取制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S114の処理を繰り返す。
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、読取制御部151は、モータ131を停止し、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ119を停止させる(ステップS115)。
次に、出力制御部153は、超音波センサ114による検出結果を、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信することにより出力し(ステップS116)、一連のステップを終了する。出力制御部153は、ステップS104において、搬送される媒体毎に媒体内の位置又は時刻と関連付けて記憶された各透過強度を、超音波センサ114による検出結果として送信する。なお、出力制御部153は、検出結果とともに、現在使用している重なり閾値及び長さ閾値を情報処理装置200に送信してもよい。
なお、ステップS107~S112の処理は、ステップS105で媒体全体が撮像されたと判定される前に実行されてもよい。その場合、重送判定部152は、読取制御部151が超音波センサ114から新たに透過強度を取得するたびに、重なり長さを更新し、最新の重なり長さが長さ閾値以上であるか否かにより、媒体の重送が発生したか否かを判定する。重送判定部152は、媒体全体が撮像されたと判定されるまでに、媒体の重送が発生したと判定しなかった場合、媒体の重送が発生しなかったと判定する。これにより、重送判定部152は、媒体搬送中にリアルタイムに媒体の重送が発生したか否かを判定し、媒体の重送が発生した場合に即時に媒体の搬送を停止することができる。
図9及び図10は、情報処理装置200の表示処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図9及び図10に示したフローチャートを参照しつつ、情報処理装置200の表示処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づき主に第2処理回路220により情報処理装置200の各要素と協働して実行される。図9及び図10に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、取得部221は、第2インタフェース装置203を介して媒体搬送装置100から、入力画像、及び、搬送部により搬送される媒体の重なりを検出するための超音波センサ114による検出結果を受信することにより取得する(ステップS201)。取得部221は、図7のステップS106で出力された各入力画像、及び、ステップS116で出力された検出結果を取得し、取得した各入力画像及び検出結果を第2記憶装置210に記憶する。出力制御部153が重なり閾値及び長さ閾値を送信している場合、取得部221は、各閾値を取得し、第2記憶装置210に記憶する。取得部221は、各入力画像及び検出結果を取得するまで待機する。
ステップS202~S211の処理は、取得部221が取得した入力画像毎に、即ち検出結果に対応する媒体が撮像された入力画像毎に実行される。
まず、判定部222は、各媒体内において、媒体の重なりが発生している第1重なり長さを算出する(ステップS202)。
判定部222は、図7のステップS107の処理と同様に、搬送された媒体内において、透過強度が第1所定範囲内である領域の長さを第1重なり長さとして算出する。判定部222は、第2記憶装置210に記憶された各透過強度を参照し、ステップS107の処理と同様にして、透過強度に基づく算出値を算出する。判定部222は、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。第1重なり閾値は、所定の透過強度を表す第1閾値の一例である。第1重なり閾値は、重なり閾値と同様に、一枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される透過強度と、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される透過強度との間の値に設定される。第1重なり閾値は、例えば重なり閾値と同一の値に設定される。判定部222は、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置が連続する最大距離を第1重なり長さとして算出する。
なお、超音波センサ114の数が複数である場合、判定部222は、超音波センサ114毎に、媒体搬送方向A1における第1重なり長さを算出し、算出した第1重なり長さのうち、最大の第1重なり長さをその媒体の第1重なり長さとして決定する。また、判定部222は、第1重なり長さとして、媒体搬送方向A1における第1重なり長さに加えて又は代えて、幅方向A2における第1重なり長さを算出してもよい。
次に、判定部222は、算出した第1重なり長さが第1長さ閾値以上である否かを判定する(ステップS203)。第1長さ閾値は、距離を表す第2閾値の一例である。第1長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の端部間の距離にマージンを加算した値(例えば50mm)に設定される。第1長さ閾値は、例えば長さ閾値と同一の値に設定される。
なお、ステップS202において、判定部222は、搬送された媒体内において、第1透過強度が第1所定範囲内である期間の長さを第1重なり長さとして算出してもよい。その場合、判定部222は、第1透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である時刻の最大連続期間を第1重なり長さとして算出する。第1長さ閾値は、期間を表す値に設定される。第1長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の先端が超音波センサ114の位置に到達してから後端が超音波センサ114の位置を通過するまでの期間にマージンを加算した期間に設定される。
第1重なり長さが第1長さ閾値以上である場合、判定部222は、媒体の重送が発生したと判定する(ステップS204)。
次に、判定部222は、超音波センサ114による検出結果と、第1重なり閾値及び/又は第1長さ閾値とを比較して、媒体の重送が発生した領域を特定し、第2記憶装置210に記憶する(ステップS205)。判定部222は、ステップS202において、媒体の重なりが発生しているとみなした位置、即ち媒体内で、対応する透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置を含む領域を、媒体の重送が発生した領域として特定する。例えば、判定部222は、媒体搬送方向A1において、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置が連続する各領域を、媒体の重送が発生した領域として特定する。なお、超音波センサ114の数が複数である場合、判定部222は、媒体搬送方向A1又は幅方向A2において相互に隣接する、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置のグループを囲む領域を、媒体の重送が発生した領域として特定する。また、判定部222は、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である位置が連続する距離が第1長さ閾値以上である領域に限り、媒体の重送が発生した領域として特定してもよい。
一方、ステップS203において、第1重なり長さが第1長さ閾値未満であった場合、判定部222は、媒体の重送が発生していないと判定する(ステップS206)。
このように、判定部222は、超音波センサ114による検出結果と閾値とを比較して、重送が発生したか否かを判定する。これにより、判定部222は、重送が発生したか否かを適切に判定することができる。特に、判定部222は、超音波センサ114が検出した透過強度と第1重なり閾値との比較、及び、超音波センサ114が検出した透過強度と第1重なり閾値とが所定の関係となった距離又は期間と第1長さ閾値との比較に基づいて重送が発生したか否かを判定する。これにより、判定部222は、重送が発生したか否かをより高精度に判定することができる。なお、判定部222は、超音波センサ114が検出した透過強度と第1重なり閾値との比較に基づいて、重送が発生したか否かを判定してもよい。その場合、ステップS202の処理が省略され、判定部222は、透過強度に基づく算出値が第1重なり閾値未満である場合、媒体の重送が発生したと判定し、算出値が第1重なり閾値以上である場合、媒体の重送が発生しなかったと判定する。これにより、判定部222は、重送が発生したか否かを低負荷に判定することができる。
次に、第2判定部223は、各媒体内において、媒体の重なりの疑いが発生している第2重なり長さを算出する(ステップS207)。
第2判定部223は、ステップS202の処理と同様に、搬送された媒体内において、透過強度が第2所定範囲内である領域の長さを第2重なり長さとして算出する。第2判定部223は、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。第2重なり閾値は、第1重なり閾値よりも重送を判定する判定基準の低い第3閾値の一例である。第2重なり閾値は、一枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される透過強度と、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される透過強度との間の値に設定される。特に、第2重なり閾値は、第1重なり閾値よりも大きい値に設定される。第2判定部223は、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置が連続する最大距離を第2重なり長さとして算出する。
なお、超音波センサ114の数が複数である場合、第2判定部223は、超音波センサ114毎に、媒体搬送方向A1における第2重なり長さを算出し、算出した第2重なり長さのうち、最大の第2重なり長さをその媒体の第2重なり長さとして決定する。また、第2判定部223は、第2重なり長さとして、媒体搬送方向A1における第2重なり長さに加えて又は代えて、幅方向A2における第2重なり長さを算出してもよい。
次に、第2判定部223は、算出した第2重なり長さが第2長さ閾値以上である否かを判定する(ステップS208)。第2長さ閾値は、第1長さ閾値よりも重送を判定する判定基準の低い第3閾値の一例である。第2長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の端部間の距離からマージンを減算した値(例えば50mm)に設定される。第2長さ閾値は、例えば第1長さ閾値より小さい値に設定される。
なお、ステップS207において、第2判定部223は、搬送された媒体内において、第2透過強度が第2所定範囲内である期間の長さを第2重なり長さとして算出してもよい。その場合、第2判定部223は、第2透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である時刻の最大連続期間を第2重なり長さとして算出する。第2長さ閾値は、期間を表す値に設定される。第2長さ閾値は、例えば一般的な履歴書に貼付される写真、又は、切手もしくは印紙の先端が超音波センサ114の位置に到達してから後端が超音波センサ114の位置を通過するまでの期間からマージンを減算した期間に設定される。第2長さ閾値は、例えば第1長さ閾値より小さい値に設定される。
第2重なり長さが第2長さ閾値以上であった場合、第2判定部223は、媒体の重送の疑いが発生したと判定する(ステップS209)。
次に、第2判定部223は、超音波センサ114による検出結果と、第2重なり閾値及び/又は第2長さ閾値とを比較して、媒体の重送の疑いが発生した領域を特定し、第2記憶装置210に記憶する(ステップS210)。第2判定部223は、ステップS207において、媒体の重なりが発生しているとみなした位置、即ち媒体内で、対応する透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置を含む領域を、媒体の重送の疑いが発生した領域として特定する。例えば、第2判定部223は、媒体搬送方向A1において、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置が連続する各領域を、媒体の重送の疑いが発生した領域として特定する。なお、超音波センサ114の数が複数である場合、第2判定部223は、媒体搬送方向A1又は幅方向A2において相互に隣接する、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置のグループを囲む領域を、媒体の重送の疑いが発生した領域として特定する。また、第2判定部223は、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である位置が連続する領域が第2長さ閾値以上である領域に限り、媒体の重送の疑いが発生した領域として特定してもよい。
一方、ステップS208において、第2重なり長さが第2長さ閾値未満であった場合、第2判定部223は、媒体の重送の疑いが発生していないと判定する(ステップS211)。
このように、第2判定部223は、超音波センサ114による検出結果と第2重なり閾値及び/又は第2長さ閾値とを比較して、重送の疑いが発生したか否かを判定する。これにより、第2判定部223は、貼付物が貼付された媒体が搬送された場合等に、重送の疑いが発生したか否かを適切に判定することができる。特に、第2判定部223は、超音波センサ114が検出した透過強度と第2重なり閾値との比較、及び、超音波センサ114が検出した透過強度と第2重なり閾値とが所定の関係となった距離又は期間と第2長さ閾値との比較に基づいて重送の疑いが発生したか否かを判定する。これにより、第2判定部222は、重送の疑いが発生したか否かをより高精度に判定することができる。なお、第2判定部223は、超音波センサ114が検出した透過強度と第2重なり閾値との比較に基づいて、重送の疑いが発生したか否かを判定してもよい。その場合、ステップS207の処理が省略され、第2判定部223は、透過強度に基づく算出値が第2重なり閾値未満である場合、媒体の重送の疑いが発生したと判定し、算出値が第2重なり閾値以上である場合、媒体の重送の疑いが発生しなかったと判定する。これにより、第2判定部222は、重送の疑いが発生したか否かを低負荷に判定することができる。
取得部221が取得した全ての入力画像について、ステップS202~S211の処理が実行されると、制御部224は、結果画面を表示装置201に表示させる(ステップS212)。結果画面には、搬送部によって搬送された媒体毎に、媒体に対応する入力画像、判定部222による判定結果及び第2判定部223による判定結果が含まれる。特に、結果画面には、判定部222による判定結果及び第2判定部223による判定結果として、搬送部によって搬送された媒体毎に、重送が発生した領域及び重送の疑いが発生した領域が含まれる。
図11は、表示装置201に表示される結果画面1100の一例を示す模式図である。
図11に示すように、結果画面1100には、画像表示領域1101、強度変更スライドバー1102、長さ変更スライドバー1103、設定ボタン1104及び終了ボタン1105等が含まれる。
画像表示領域1101には、媒体搬送装置100から取得した各入力画像が表示される。表示された入力画像のうち、重送が発生したと判定された媒体が撮像された入力画像の周囲は太い実線の枠で囲まれ、その入力画像内で重送が発生したと判定された領域は細い実線の枠で囲まれる。また、表示された入力画像のうち、重送の疑いが発生したと判定された媒体が撮像された入力画像の周囲は太い点線の枠で囲まれ、その入力画像内で重送の疑いが発生したと判定された領域は細い点線の枠で囲まれる。
図11に示す例では、12個の入力画像が表示されている。各入力画像に付されている番号1~12は、媒体搬送装置100から取得した順番、即ち載置台103にまとめて載置された媒体群の中で搬送された順番を示す。1番目の入力画像は、重なって搬送された二つの媒体が撮像された画像である。4、7、10番目の入力画像は、貼付物が貼付された媒体が撮像された入力画像である。1番目の入力画像が、重送が発生したと判定されて太い実線の枠で囲まれ、その入力画像内で二つの媒体が重なっている領域が細い実線の枠で囲まれている。また、10番目の入力画像が、重送の疑いが発生したと判定されて太い点線の枠で囲まれ、その入力画像内で貼付物が貼付されている領域が細い点線の枠で囲まれている。
重送又は重送の疑いの判定結果が入力画像とともに表示されることにより、利用者は、重送又は重送の疑いが発生したと判定された媒体を視覚的に確認でき、画像処理システム1は、利用者の利便性を向上させることができる。特に、重送又は重送の疑いが発生した領域が表示されることにより、利用者は、重送又は重送の疑いが発生したと判定された領域を視覚的に確認でき、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
また、判定部222は、搬送部による一連の搬送終了後に、媒体毎に超音波センサ114による検出結果と第1重なり閾値又は第1長さ閾値とを比較して、重送が発生したか否かを判定する。第2判定部223は、搬送部による一連の搬送終了後に、媒体毎に超音波センサ114による検出結果と第2重なり閾値又は第2長さ閾値とを比較して、重送の疑いが発生したか否かを判定する。そして、制御部224は、搬送部による一連の搬送終了後に、媒体毎に判定部222及び第2判定部223による判定結果を表示装置201に表示させる。これにより、利用者は、媒体の重送又は重送の疑いが発生したと判定されたか否かを複数の媒体について一括して確認でき、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
強度変更スライドバー1102は、結果画面1100上の超音波の透過強度による重送判定の感度を変更するためのスライダである。利用者により強度変更スライドバー1102内のつまみが移動されて感度が指定されると、指定された感度に従って第1重なり閾値及び第2重なり閾値が変更される。そして、画像表示領域1101に表示される判定結果が、変更された第1重なり閾値及び第2重なり閾値を用いて判定された判定結果に更新される。
長さ変更スライドバー1103は、結果画面1100上の重なり長さによる重送判定の感度を変更するためのスライダである。利用者により長さ変更スライドバー1103内のつまみが移動されて感度が指定されると、指定された感度に従って第1長さ閾値及び第2長さ閾値が変更される。そして、画像表示領域1101に表示される判定結果が、変更された第1長さ閾値及び第2長さ閾値を用いて判定された判定結果に更新される。
なお、強度変更スライドバー1102及び/又は長さ変更スライドバー1103の代わりに、各閾値の値を入力可能なテキストボックスが用いられてもよい。
設定ボタン1104は、媒体搬送装置100における重送判定の感度を変更するためのボタンである。利用者により設定ボタン1104が押下されると、媒体搬送装置100において使用される重なり閾値及び長さ閾値が変更される。重なり閾値は、強度変更スライドバー1102で指定された感度に従って変更された第1重なり閾値に設定され、長さ閾値は、長さ変更スライドバー1103で指定された感度に従って変更された第1長さ閾値に設定される。
終了ボタン1105は、結果画面1100の表示を終了させるためのボタンである。
次に、制御部224は、結果画面1100上の重送判定の感度の変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS213)。利用者により操作装置202を用いて、結果画面1100内で強度変更スライドバー1102及び/又は長さ変更スライドバー1103が操作されると、制御部224は、重送判定の感度の変更を受け付ける。
制御部224が重送判定の感度の変更を受け付けた場合、設定部225は、制御部224が受け付けた感度に従って第1重なり閾値、第2重なり閾値、第1長さ閾値及び/又は第2重なり閾値を変更して設定し(ステップS214)、ステップS202へ処理を戻す。設定部225は、超音波の透過強度による重送判定の感度が高いほど、第1重なり閾値及び第2重なり閾値を大きくし、重なり長さによる重送判定の感度が高いほど、第1長さ閾値及び第2長さ閾値を小さくする。
判定部222は、設定部225によって第1重なり閾値又は第1長さ閾値が変更された場合には、媒体毎に超音波センサ114による検出結果と、変更された第1重なり閾値又は第1長さ閾値とを比較して、重送が発生したか否かを再判定する。第2判定部223は、設定部225によって第2重なり閾値又は第2長さ閾値が変更された場合には、媒体毎に超音波センサ114による検出結果と、変更された第2重なり閾値又は第2長さ閾値とを比較して、重送の疑いが発生したか否かを再判定する。制御部224は、設定部225によって第1重なり閾値、第2重なり閾値、第1長さ閾値又は第2長さ閾値が変更された場合には、媒体毎に判定部222又は第2判定部223による再判定結果を示す結果画面1100を表示装置201に再表示させる。
このように、設定部225は、第1重なり閾値、第2重なり閾値、第1長さ閾値及び/又は第2長さ閾値を変更可能に設定する。
図12A及び図12Bは、重送判定の感度が変更された場合の結果画面1200及び1210の一例を示す模式図である。
図12A及び図12Bは、図11に示した結果画面1100から重送判定の感度が変更された場合の結果画面1200及び1210を示す。図12Aは、重送判定の感度が高くなるように変更された場合の結果画面1200を示し、図12Bは、重送判定の感度が低くなるように変更された場合の結果画面1210を示す。
図12Aに示す例では、1番目の入力画像に加えて、10番目の入力画像も、重送が発生したと判定されて太い実線の枠で囲まれ、その入力画像内で重送が発生したと判定された領域が細い実線の枠で囲まれている。また、4番目及び7番目の入力画像が、重送の疑いが発生したと判定されて太い点線の枠で囲まれ、その入力画像内で貼付物が貼付されている領域が、重送の疑いが発生したと判定されて細い点線の枠で囲まれている。
一方、図12Bに示す例では、1番目の入力画像が、重送が発生したと判定されて太い実線の枠で囲まれ、その画像内で二つの媒体が重なっている領域が細い実線の枠で囲まれている。また、10番目の入力画像は、重送の疑いが発生していないと判定されて、太い点線の枠で囲まれていない。
利用者は、重送判定の感度を一時的に変更することにより、各感度を変更した場合に重送の判定結果がどのように変化するかについてシミュレーションを行うことができる。上記したように、貼付物が貼付された媒体が搬送された場合、媒体の重送が発生していると誤って判定される可能性がある。一方、貼付物が貼付された媒体の種類(印紙が貼付された帳票、切手が貼付されたはがき等)は、利用者によって予め決まっている可能性が高い。利用者は、自分が媒体搬送装置100に搬送させる媒体について、重送判定の感度をどのように設定すれば、重送の発生を適切に検出しつつ、重送の誤検出を防止できるかを確認することができる。また、利用者は、結果画面1100上でシミュレーションを行うことにより、媒体を再搬送させることなく、各感度を変更した場合に重送の判定結果がどのように変化するかを確認することができる。したがって、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
一方、重送判定の感度の変更を受け付けていない場合、制御部224は、媒体搬送装置100における重送判定の感度の設定を受け付けたか否かを判定する(ステップS215)。利用者により操作装置202を用いて、結果画面1100内で設定ボタン1104が押下されると、制御部224は、重送判定の感度の設定を受け付ける。
制御部224が重送判定の感度の設定を受け付けた場合、設定部225は、媒体搬送装置100が使用する重なり閾値及び/又は長さ閾値を、現在指定されている感度に従って変更された第1重なり閾値及び/又は第1長さ閾値に設定するための設定信号を生成する。設定信号には、現在指定されている感度に従って変更された第1重なり閾値及び/又は第1長さ閾値が含まれる。設定部225は、生成した設定信号を、第2インタフェース装置203を介して媒体搬送装置100に送信し(ステップS216)、ステップS217へ処理を移行する。
このように、設定部225は、媒体搬送装置100が使用する重なり閾値又は長さ閾値を変更可能に設定する。これにより、利用者は、結果画面1100を用いて確認した結果に基づいて、媒体搬送装置100における重送判定の感度を変更できる。媒体搬送装置100は、利用者毎に、その用途に応じて重送判定の感度を適切に設定することが可能となり、媒体の重送が発生したか否かを高精度に判定することが可能となる。
一方、重送判定の感度の設定を受け付けていない場合、制御部224は、結果画面1100の表示の終了を受け付けたか否かを判定する(ステップS217)。利用者により操作装置202を用いて、結果画面1100内で終了ボタン1105が押下されると、制御部224は、結果画面1100の表示の終了を受け付ける。結果画面1100の表示の終了を受け付けていない場合、制御部224は、ステップS213へ処理を戻し、以降、ステップS213~S217の処理を繰り返す。一方、結果画面1100の表示の終了を受け付けた場合、制御部224は、一連のステップを終了する。
図13は、媒体搬送装置100の設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図13に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の設定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図13に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、重送判定部152は、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200から設定信号を受信することにより取得する(ステップS301)。
次に、重送判定部152は、重なり閾値及び/又は長さ閾値を、受信した設定信号に含まれる第1重なり閾値及び/又は第1長さ閾値に設定し(ステップS302)、一連のステップを終了する。
これにより、媒体搬送装置100は、以降、利用者により変更された閾値を用いて媒体の重送が発生したか否かを判定することが可能となり、媒体の重送が発生したか否かを利用者の用途に応じて高精度に判定することが可能となる。
なお、重送判定部152は、第1記憶装置140に記憶された各透過強度を参照し、新たに設定された各閾値を用いて、各媒体の重送が発生していたか否かを再判定してもよい。その場合、重送判定部152は、重送が発生していたと判定された媒体の入力画像を抽出し、第1インタフェース装置132を用いて情報処理装置200に送信することにより、再判定結果を通知する。また、重送判定部152は、重送が発生していたと判定された媒体の入力画像を第1記憶装置140から削除し、又は、その入力画像の削除を指示する指示信号を、第1インタフェース装置132を用いて情報処理装置200に送信してもよい。
以上詳述したように、情報処理装置200は、重送を検出するための閾値を変更しながら、媒体毎に変更された閾値による重送判定結果を表示する表示装置201を備える。これにより、利用者は、重送判定結果を確認しながら自らの用途に応じた適切な閾値を設定することが可能となり、情報処理装置200は、重送が発生したか否かを判定するための閾値を適切に設定することが可能となった。
上述した実施形態では、重なり検出部として、超音波の透過強度を出力する超音波センサが用いられていたが、重なり検出部として、媒体の厚さを検出する厚さセンサが用いられてもよい。厚さセンサは、各超音波センサ114が配置される位置に配置される。厚さセンサは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置された発光器及び受光器を含む。発光器は、受光器に向けて光(赤外光又は可視光)を照射する。一方、受光器は、発光器により照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である厚さ信号を生成して出力する。厚さセンサの位置に媒体が存在する場合、発光器により照射された光はその媒体により減衰し、媒体の厚さが大きい程、その減衰量は大きくなる。例えば、厚さセンサは、媒体の厚さが大きい程、信号値が大きくなるように厚さ信号を生成する。
なお、厚さセンサとして、反射光センサ、圧力センサ又は機械式センサが用いられてもよい。反射光センサは、媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器のペアと、他方の側に設けられた発光器及び受光器のペアとを含む。反射光センサは、一方のペアが媒体の一方の面に光を照射してから反射光を受光するまでの時間と、他方のペアが媒体の他方の面に光を照射してから反射光を受光するまでの時間とから、各ペアと媒体の各面までの距離を検出する。反射光センサは、二つのペアの間の距離から、検出した各距離を減算した減算値を厚さとして示す厚さ信号を生成する。圧力センサは、媒体の厚さに応じて変化する圧力を検出し、検出した圧力を厚さとして示す厚さ信号を生成する。機械式センサは、媒体に接するローラの移動量を検出し、検出した移動量を厚さとして示す厚さ信号を生成する。
重なり検出部として厚さセンサが用いられる場合、図7のステップS104において、読取制御部151は、超音波信号の代わりに、厚さセンサから厚さ信号を受信し、受信した厚さ信号に示される厚さを取得し、第1記憶装置140に記憶する。また、ステップS107において、重送判定部152は、第1記憶装置140に記憶された各厚さを参照し、厚さに基づく算出値が重なり閾値以上である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。この場合、重なり閾値は、例えば一枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さと、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さとの間の値に設定される。
同様に、図9のステップS201において、取得部221は、厚さセンサによる検出結果を取得し、第2記憶装置210に記憶する。ステップS202において、判定部222は、厚さに基づく算出値が第1重なり閾値以上である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。第1重なり閾値は、一枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さと、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さとの間の値に設定される。ステップS207において、第2判定部223は、厚さに基づく算出値が第2重なり閾値以上である位置で媒体の重なりが発生しているとみなす。第2重なり閾値は、一枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さと、二枚のPPC用紙が搬送された場合に検出される厚さとの間の値に設定される。
上述した実施形態では、重送判定部152、判定部222又は第2判定部223は、重なり長さに基づいて重送又は重送の疑いが発生したか否かを判定したが、他のパラメータに基づいて重送又は重送の疑いが発生したか否かを判定してもよい。例えば、各判定部は、重なり面積に基づいて重送が発生したか否かを判定する。各判定部は、媒体搬送方向A1及び/又は幅方向A2において相互に隣接する、透過強度に基づく算出値が各重なり閾値未満である位置のグループ、又は、厚さに基づく算出値が各重なり閾値以上である位置のグループを囲む領域を重なり領域として特定する。各判定部は、特定した重なり領域の面積を算出する。各判定部は、算出した面積が面積閾値又は面積閾値と同一の第1面積閾値以上である場合に、重送が発生したと判定し、算出した面積が、第1面積閾値より小さい第2面積閾値以上である場合に、重送の疑いが発生したと判定する。結果画面1100には、各面積閾値を変更するためのスライドバーが設けられ、利用者は、各面積閾値を変更することにより、重送の判定感度を変更できる。
また、各判定部は、重なり領域の数に基づいて重送が発生したか否かを判定してもよい。各判定部は、特定した重なり領域の数が領域数閾値又は領域数閾値と同一の第1領域数閾値以上である場合に、重送が発生したと判定し、重なり領域の数が第1領域数閾値より小さい第2領域数閾値以上である場合に、重送の疑いが発生したと判定する。結果画面1100には、各領域数閾値を変更するためのスライドバーが設けられ、利用者は、各領域数閾値を変更することにより、重送の判定感度を変更できる。
また、各判定部は、超音波の透過強度及び/又は重なり長さに加えて、媒体の厚さに基づいて重送又は重送の疑いが発生したか否かを判定してもよい。各判定部は、超音波の透過強度が各重なり閾値未満である場合、及び/又は、重なり長さが各長さ閾値以上である場合、さらに、媒体の厚さが厚さ閾値、厚さ閾値と同一の第1厚さ閾値又は第1厚さ閾値より小さい第2厚さ閾値以上であるか否かを判定する。各判定部は、媒体の厚さが各厚さ閾値以上である場合、媒体が厚紙又はカードであるとみなし、重送又は重送の疑いが発生していないと判定する。結果画面1100には、各厚さ閾値を変更するためのスライドバーが設けられ、利用者は、各厚さ閾値を変更することにより、重送の判定感度を変更できる。
また、各判定部は、超音波の透過強度及び/又は重なり長さに加えて、媒体のサイズに基づいて重送又は重送の疑いが発生したか否かを判定してもよい。各判定部は、公知の画像処理技術を利用して、入力画像から媒体領域を検出し、検出した媒体領域の面積を媒体のサイズとして算出する。各判定部は、超音波の透過強度が各重なり閾値未満である場合、及び/又は、重なり長さが各長さ閾値以上である場合、媒体のサイズがサイズ閾値、サイズ閾値と同一の第1サイズ閾値又は第1サイズ閾値より大きい第2サイズ閾値以下であるか否かを判定する。各判定部は、媒体のサイズが各サイズ閾値以下である場合は、媒体がカードであるとみなし、重送又は重送の疑いが発生していないと判定する。結果画面1100には、各サイズ閾値を変更するためのスライドバーが設けられ、利用者は、各サイズ閾値を変更することにより、重送の判定感度を変更できる。
また、各判定部は、超音波の透過強度及び/又は重なり長さに加えて、媒体の形状に基づいて重送又は重送の疑いが発生したか否かを判定してもよい。各判定部は、公知の画像処理技術を利用して、入力画像から媒体領域を検出し、検出した媒体領域の形状とカード形状の類似度を算出する。類似度は、例えば正規化相互相関値である。カード形状は、例えば四隅に丸みを有する矩形形状である。各判定部は、超音波の透過強度が各重なり閾値未満である場合、及び/又は、重なり長さが各長さ閾値以上である場合、算出した類似度が、類似度閾値、類似度閾値と同一の第1類似度閾値又は第1類似度閾値より大きい第2類似度閾値以上であるか否かを判定する。各判定部は、類似度が各類似度閾値以上である場合、媒体がカードであるとみなし、重送又は重送の疑いが発生していないと判定する。結果画面1100には、各類似度閾値を変更するためのスライドバーが設けられ、利用者は、各類似度閾値を変更することにより、重送の判定感度を変更できる。
上述した実施形態では、出力制御部153は、超音波センサ114又は厚さセンサによる検出結果として超音波の透過強度又は媒体の厚さを情報処理装置200に送信したが、他の情報を情報処理装置200に送信してもよい。例えば、重送判定部152が、重なりが発生した位置、重なり長さ、重なり面積、重なり領域の数、媒体の厚さ、媒体のサイズ又は媒体の形状を検出し、出力制御部153は、これらの情報を情報処理装置200に送信する。この場合、情報処理装置200では、これらの情報を検出するための処理負荷が低減される。
上述した実施形態では、出力制御部153は、載置台103にまとめて載置された媒体群の搬送が完了した時に超音波センサ114又は厚さセンサによる検出結果を情報処理装置200に送信したが、一つの媒体の搬送が完了するたびに検出結果を送信してもよい。その場合、図7のステップS106において、出力制御部153は、入力画像とともに検出結果を情報処理装置200に送信する。一方、情報処理装置200は、検出結果を受信するたびに、図9及び図10の表示処理を実行する。この場合も、利用者は、重送判定結果を確認しながら自らの用途に応じた適切な閾値を設定することができる。
図14は、他の実施形態に係る媒体搬送装置の第1記憶装置340及び第1処理回路350の概略構成を示す図である。
図14に示すように、第1記憶装置340及び第1処理回路350は、媒体搬送装置100の第1記憶装置140及び第1処理回路150の代わりに使用される。図14に示すように、第1記憶装置340には、第1記憶装置140に記憶された各プログラムに加えて、取得プログラム344、判定プログラム345、第2判定プログラム346、制御プログラム347及び設定プログラム348等が記憶される。取得プログラム344、判定プログラム345、第2判定プログラム346、制御プログラム347及び設定プログラム348は、それぞれ情報処理装置200の取得プログラム211、判定プログラム212、第2判定プログラム213、制御プログラム214及び設定プログラム215と同様のプログラムである。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。
第1処理回路350は、第1記憶装置340に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第1処理回路350は、第1処理回路150により実行される各部に加えて、取得部354、判定部355、第2判定部356、制御部357及び設定部358として機能する。取得部354、判定部355、第2判定部356、制御部357及び設定部358は、情報処理装置200の取得部221、判定部222、第2判定部223、制御部224及び設定部225と同様の機能を有する。
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100と同様に、図7に示した媒体読取処理及び図13に示した設定処理を実行する。但し、図7のステップS106において、読取制御部151は、取得した入力画像を第1記憶装置340に記憶する。ステップS116において、出力制御部153は、超音波センサ114又は厚さセンサによる検出結果を取得部354に通知し、取得部354、判定部355、第2判定部356、制御部357及び設定部358は、図9及び図10に示した表示処理を実行する。図9のステップS201において、取得部354は、出力制御部153から超音波センサ114又は厚さセンサによる検出結果を受信する。ステップS212において、制御部357は、結果画面を表示操作装置105に表示し、図10のステップS213、S215、S217において、制御部357は、表示操作装置105を用いて利用者からの各要求を受け付ける。ステップS216において、設定部358は、設定信号を重送判定部152に送信する。図13のステップS301において、重送判定部152は、設定信号を設定部358から受信する。
また、ステップS212において、制御部357は、結果画面を表示操作装置105に表示するのでなく、結果画面を表示するための表示データを生成し、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に送信してもよい。その場合、情報処理装置200が、媒体搬送装置100から受信した表示データに基づいて、結果画面を表示装置201に表示する。情報処理装置200は、操作装置202を用いて利用者から各要求を受け付け、受け付けた要求を示す要求信号を送信する。制御部357は、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200から要求信号を受信することにより、利用者からの要求を受け付ける。
以上詳述したように、媒体搬送装置は、媒体搬送装置が重送を検出するための閾値を変更しながら、媒体毎に変更された閾値による重送判定結果を表示する表示部を備える場合も、重送が発生したか否かを判定するための閾値を適切に設定することが可能となった。
図15は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1処理回路450の概略構成を示す図である。第1処理回路450は、媒体搬送装置100の第1処理回路150又は第1処理回路350の代わりに使用され、第1処理回路150又は第1処理回路350の代わりに、媒体読取処理、設定処理及び/又は表示処理等を実行する。第1処理回路450は、読取制御回路451、重送判定回路452、出力制御回路453、取得回路454、判定回路455、第2判定回路456、制御回路457及び設定回路458等を有する。これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
読取制御回路451は、読取制御部の一例であり、読取制御部151と同様の機能を有する。読取制御回路451は、表示操作装置105から操作信号を、第1センサ111から第1媒体信号を、第2センサ117から第2媒体信号を受信するとともに、第1記憶装置140から重送の判定結果を読み出す。読取制御回路451は、受信した各信号及び読み出した判定結果に基づいてモータ131を制御し、撮像装置118から入力画像を取得し、第1記憶装置140に記憶するとともに、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に出力する。
重送判定回路452は、重送判定部の一例であり、重送判定部152と同様の機能を有する。重送判定回路452は、超音波センサ114から超音波信号を、又は、厚さセンサから厚さ信号を受信し、センサによる検出結果を第1記憶装置140に記憶する。また、重送判定回路452は、センサによる検出結果に基づいて媒体の重送が発生したか否かを判定し、判定結果を第1記憶装置140に記憶する。
出力制御回路453は、出力制御部の一例であり、出力制御部153と同様の機能を有する。出力制御回路453は、第1記憶装置140からセンサによる検出結果を読み出し、第1インタフェース装置132を介して情報処理装置200に、又は、取得回路454に出力する。
取得回路454は、取得部の一例であり、取得部354と同様の機能を有する。取得回路454は、出力制御回路453からセンサによる検出結果を受信し、判定回路455及び第2判定回路456に出力する。
判定回路455は、判定部の一例であり、判定部355と同様の機能を有する。判定回路455は、取得回路454からセンサによる検出結果を受信し、その検出結果に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路457に出力する。
第2判定回路456は、第2判定部の一例であり、第2判定部356と同様の機能を有する。第2判定回路456は、取得回路454からセンサによる検出結果を受信し、その検出結果に基づいて、媒体の重送の疑いが発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路457に出力する。
制御回路457は、制御部の一例であり、制御部357と同様の機能を有する。制御回路457は、判定回路455及び第2判定回路456から重送及び重送の疑いの判定結果を受信し、第1記憶装置140から各入力画像を読み出し、各判定結果及び入力画像に基づいて結果画面を生成し、表示操作装置105に表示する。
設定回路458は、設定部の一例であり、設定部358と同様の機能を有する。設定回路458は、表示操作装置105から利用者による要求を受信し、受信した要求に基づいて、判定回路455及び第2判定回路456に再判定を要求する信号を出力し、又は、第1記憶装置140に記憶された各閾値を更新する。
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第1処理回路450を用いる場合も、重送が発生したか否かを判定するための閾値を適切に設定することが可能となった。
図16は、他の実施形態に係る情報処理装置における第2処理回路520の概略構成を示す図である。第2処理回路520は、情報処理装置200の第2処理回路220の代わりに使用され、第2処理回路220の代わりに、表示処理等を実行する。第2処理回路520は、取得回路521、判定回路522、第2判定回路523、制御回路524及び設定回路525等を有する。これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
取得回路521は、取得部の一例であり、取得部221と同様の機能を有する。取得回路521は、第2インタフェース装置203を介して媒体搬送装置からセンサによる検出結果を受信し、判定回路522及び第2判定回路523に出力する。
判定回路522は、判定部の一例であり、判定部222と同様の機能を有する。判定回路522は、取得回路521からセンサによる検出結果を受信し、その検出結果に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路524に出力する。
第2判定回路523は、第2判定部の一例であり、第2判定部223と同様の機能を有する。第2判定回路523は、取得回路521からセンサによる検出結果を受信し、その検出結果に基づいて、媒体の重送の疑いが発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路524に出力する。
制御回路524は、制御部の一例であり、制御部224と同様の機能を有する。制御回路524は、判定回路522及び第2判定回路523から重送及び重送の疑いの判定結果を受信し、第2記憶装置210から各入力画像を読み出し、各判定結果及び入力画像に基づいて結果画面を生成し、表示装置201に表示する。
設定回路525は、設定部の一例であり、設定部225と同様の機能を有する。設定回路525は、操作装置202から利用者による要求を受信し、受信した要求に基づいて、判定回路522及び第2判定回路523に再判定を要求する信号を出力し、又は、設定信号を、第2インタフェース装置203を介して媒体搬送装置に送信する。
以上詳述したように、情報処理装置は、第2処理回路520を用いる場合も、重送が発生したか否かを判定するための閾値を適切に設定することが可能となった。