JP7390115B2 - プローブユニット - Google Patents

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本発明は、主に電子部品及び基板等の導通検査に用いられ、特に狭ピッチで使用する細径で挿入が容易で安定した接触動作を可能としたプローブ針及びプローブユニットに関する。
近年、携帯電話等に使用される高密度実装基板、又は、パソコン等に組み込まれるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のICパッケージ基板等、様々な回路基板が多く用いられている。このような回路基板は、実装の前後の工程において、例えば直流抵抗値の測定や導通検査等が行われ、その電気特性の良否が検査されている。電気特性の良否の検査は、電気特性を測定する検査装置に接続された検査装置用治具(以下、「プローブユニット」という。)を用いて行われ、例えば、プローブユニットに装着されたピン形状のプローブ針の先端を、その回路基板の電極(以下「被測定体」ともいう。)に接触させることにより行われている。プローブ針は、金属導体と、金属導体の少なくとも両端以外の領域に設けられた絶縁皮膜とで構成されている(例えば特許文献1を参照。)。
また、特許文献2には、プローブユニットを用いた電気的特性の検査が繰り返し行われて絶縁皮膜端部が繰り返し案内穴に当たる場合であっても、絶縁皮膜端部が金属導体から剥がれるのを防ぐことができる絶縁皮膜付きプローブ針が提案されている。この技術は、金属導体の被測定体側の先端を被測定体の電極に接触させて被測定体の電気的特性を測定する絶縁皮膜付きプローブ針において、絶縁皮膜のうち被測定体側の絶縁皮膜を、先端側が薄く中央側が厚い2段構造とし、その2段構造の段差部を、電気的特性の測定時に用いられるガイド板の案内穴に当接する位置に形成するというものである。このとき、先端側に設けられた薄い部分の厚さが0.1μm以上4μm以下の範囲内であり、薄い部分と厚い部分との厚さの差が3μm以上25μm以下の範囲内であることが好ましいとされている。
特開2007-322369号公報 特開2007-17219号公報
近年、電極間の狭ピッチ化に伴い、プローブ針の細径化が進んでいる。プローブ針の細径化により、そのプローブ針を挿入する案内穴(ガイド穴や支持孔とも言われている。)も細径化することになる。しかし、案内穴はドリルで形成するので、細径化した案内穴の加工作業性が低下するという問題が生じる。また、案内穴が細径化すると、その案内穴にプローブ針を挿入する挿入作業性も低下し、作業時間が増すという問題も生じる。また、細径化したプローブ針を案内穴に挿入して検査の繰り返し動作を行う場合には、電極に対する安定した接触動作が要求される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、主に電子部品及び基板等の検査に用いられ、特に狭ピッチで使用する細径で挿入が容易で安定した接触動作を可能としたプローブ針及びプローブユニットを提供することにある。
(1)本発明に係るプローブ針は、プローブユニットを構成する被測定体側の支持板の案内穴に絶縁皮膜の端部を当てるとともに被測定体に金属導体の先端を接触させて行う検査で使用されるプローブ針であって、前記金属導体と、該金属導体の少なくとも両端以外の領域に設けられた前記絶縁皮膜とを有し、前記絶縁皮膜は、前記被測定体側に設けられた薄い絶縁皮膜と、前記被測定体側以外の胴体部に設けられて前記薄い絶縁皮膜よりも厚い絶縁皮膜とを有し、前記厚い絶縁皮膜は、その端部が前記被測定体側の支持板の案内穴に当たるように構成されており、前記被測定体側の薄い絶縁皮膜で覆われた部分は、前記被測定体側の支持板の案内穴に挿入されるように構成されており、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3と、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の長さL1とが、D3×5≦L1≦D3×20、の関係を満たす、ことを特徴とする。
この発明によれば、薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3と、薄い絶縁皮膜で覆われた部分の長さL1とがD3×5≦L1≦D3×20の関係を満たすので、その長さL1が案内穴の中に入る。その結果、プローブ針を案内穴に挿入して行う検査の繰り返し動作において、電極に対する安定した接触動作を行うことができる。さらに、薄い絶縁皮膜と厚い絶縁皮膜からなる2段構造とすることで、プローブ針を構成する金属導体の直径を小さくすることができるので、プローブ針を装着したプローブユニットの駆動力を小さくすることができる。その結果、被測定体の電極に適切な低い接触圧で接触させることができ、測定を安定させて測定信頼性を向上させることができる。低い接触圧での適切な接触は、電極に傷を生じさせないので好ましい。さらに、薄い絶縁皮膜で覆われた部分が、被測定体側の支持板の案内穴に挿入されるように構成しているので、案内穴の直径を過度に小さくしなくてもよく、案内穴へのプローブ針の挿入作業性が向上し、穴の加工性も向上する。
本発明に係るプローブ針において、前記被測定体側の薄い絶縁皮膜の厚さが1~7μmの範囲内であり、前記先端皮以外の厚い絶縁皮膜の厚さが3~20μmの範囲内である。
(2)本発明に係るプローブユニットは、被測定体側に配置された支持板と、検査装置側に配置された支持板と、それら少なくとも2つの支持板それぞれが備える案内穴に装着されるプローブ針とを有し、前記被測定体側の支持板の案内穴に絶縁皮膜の端部を当てるとともに前記被測定体に金属導体の先端を接触させて行う検査に用いるプローブユニットであって、
前記プローブ針が、前記金属導体と、該金属導体の少なくとも両端以外の領域に設けられた前記絶縁皮膜とを有し、前記絶縁皮膜は、前記被測定体側に設けられた薄い絶縁皮膜と、前記被測定体側以外の胴体部に設けられて前記薄い絶縁皮膜よりも厚い絶縁皮膜とを有し、前記厚い絶縁皮膜は、その端部が前記被測定体側の支持板の案内穴に当たるように構成されており、前記被測定体側の薄い絶縁皮膜で覆われた部分は、前記被測定体側の支持板の案内穴に挿入されるように構成されており、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3と、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の長さL1とが、D3×5≦L1≦D3×20、の関係を満たす、ことを特徴とする。
本発明に係るプローブユニットにおいて、前記被測定体側の支持板の厚さL2が、前記被測定体側の支持板の案内穴の直径D4の5倍~10倍の範囲内である。この発明によれば、案内穴の穴開け加工がし易い。
本発明に係るプローブユニットにおいて、前記被測定体側の支持板の案内穴の直径D4と、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3との差が、1μm~3μmの範囲内である。この発明によれば、上記範囲のクリアランスで案内穴に薄い絶縁皮膜部が挿入される。
本発明によれば、主に電子部品及び基板等の検査に用いられ、特に狭ピッチで使用する細径で挿入が容易で安定した接触動作を可能としたプローブ針及びプローブユニットを提供することができる。
本発明に係るプローブ針の一例を示す模式図である。 本発明に係るプローブユニットでのプローブ針の動作形態を示す模式図である。 従来のプローブ針を装着したプローブユニットの動作形態を示す模式図である。
以下、本発明のプローブ針及びプローブユニットについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
本発明に係るプローブ針10は、図1及び図2に示すように、プローブユニット20を構成する被測定体側の支持板21の案内穴21aに絶縁皮膜2の端部2aを当てるとともに被測定体に金属導体1の先端1aを接触させて行う検査で使用されるプローブ針10である。プローブ針10は、金属導体1と、金属導体1の少なくとも両端以外の領域に設けられた絶縁皮膜2,3とを有している。こうしたプローブ針の特徴は、絶縁皮膜2,3は、被測定体側に設けられた薄い絶縁皮膜3と、被測定体側以外の胴体部に設けられた厚い絶縁皮膜2とを有する2段構造を備えており、厚い絶縁皮膜2の端部2aは被測定体側の支持板21の案内穴21aに当たり、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分は支持板21の案内穴21aに挿入され、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分の直径D3とその部分の長さL1とがD3×5≦L1≦D3×20の関係を満たすことにある。
本発明に係るプローブユニット20は、図2に示すように、被測定体側に配置された支持板21と、検査装置側に配置された支持板22と、それら少なくとも2つの支持板21,22それぞれが備える案内穴21a,22aに装着されるプローブ針10とを有し、被測定体側の支持板21の案内穴21aに絶縁皮膜2の端部2aを当てるとともに、被測定体に金属導体1の先端1aを接触させて行う検査に用いるプローブユニットである。そして、プローブ針10が、上記した本発明に係るプローブ針であることに特徴がある。
こうしたプローブ針10及びプローブユニット20は、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分の直径D3とその部分の長さL1とが上記関係を満たすので、その長さL1が案内穴21aの中に入る。その結果、プローブ針10を案内穴21aに挿入して行う検査の繰り返し動作において、電極に対する安定した接触動作を行うことができる。さらに、薄い絶縁皮膜3と厚い絶縁皮膜2からなる2段構造とすることで、プローブ針10を構成する金属導体1の直径D1を小さくすることができるので、プローブ針10を装着したプローブユニット20の駆動力を小さくすることができる。その結果、被測定体の電極に適切な低い接触圧で接触させることができ、測定を安定させて測定信頼性を向上させることができる。低い接触圧での適切な接触は、電極に傷を生じさせないので好ましい。さらに、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分が、支持板21の案内穴21aに挿入されるように構成しているので、案内穴21aの直径D4を過度に小さくしなくてもよく、案内穴21aへのプローブ針10の挿入作業性が向上し、穴の加工性も向上する。
以下、各構成要素について説明する。
<プローブ針>
プローブ針10は、図1及び図2に示すように、プローブユニット20を構成する被測定体側の支持板21の案内穴21aに絶縁皮膜2の端部2aを当てるとともに被測定体に金属導体1の先端1aを接触させて行う検査で使用されるものである。このプローブ針10は、金属導体1と、金属導体1の少なくとも両端以外の領域に設けられた絶縁皮膜2,3とを有している。
(金属導体)
金属導体1は、所定の長さに加工されてなるピン形状の導体であり、高い導電性と高い弾性率を有する金属線(「金属ばね線」ともいう。)を切断加工されている。金属導体1に用いられる金属としては、広い弾性域を持つ金属を挙げることができ、例えば銀銅合金、錫銅合金、ベリリウム銅合金等の銅合金、タングステン、レニウムタングステン、鋼(例えば高速度鋼:SKH)等を好ましく用いることができる。
金属導体1は、通常、上記の金属が所定の径の線状導体となるまで冷間又は熱間伸線等の塑性加工が施される。金属導体1の直径D1は、近年の狭ピッチ化の要請から、プローブユニット20において隣り合う各プローブ針10の間隔に応じて、10~110μmの範囲内、好ましくは20~90μmの範囲内から任意に選択することができる。
プローブ針10をプローブユニット20に装着し易くし、且つ、プローブユニット20の使用時においてプローブ針10の先端1aが支持板21の案内穴21aに引っかかることによりプローブ針10の動きが妨げられるのを防止する観点からは、金属導体1の真直度が高いことが好ましく、具体的には真直度が曲率半径Rで1000mm以上であることが好ましい。
金属導体1の先端側の端部1a及び/又は後端側の端部1bの形状は、図示しないが、半球形状、円錐形状、先端に半球形状を有する円錐形状、先端に平坦形状を有する円錐形状、等から選ばれるいずれかとすることができる。ここでいう「半球形状」、「円錐形状」は、正確な半球や円錐を含むが、略円錐や略半球も含む。
金属導体1の端部1a,1bにおいては、金属導体1と、被測定体又は検査装置のリード線との接触抵抗値の上昇を抑制するために、めっき層が端部1a,1bに設けられていてもよい。めっき層を形成する金属としては、ニッケル、金、ロジウム等の金属や金合金等の合金を挙げることができる。めっき層は、単層であってもよいし複層であってもよい。複層のめっき層としては、ニッケルめっき層上に金めっき層が形成されたものを好ましく挙げることができる。めっき層は、通常、絶縁皮膜2,3を形成した金属導体1を切断した後、絶縁皮膜2,3の剥離加工と金属導体1の端部加工を行った後に形成される。
(絶縁皮膜)
絶縁皮膜2,3は、図1及び図2に示すように、金属導体1の少なくとも両端以外の領域に設けられている。絶縁皮膜2,3の構成は、被測定体側に設けられた薄い絶縁皮膜3と、被測定体側以外の胴体部に設けられて薄い絶縁皮膜3よりも厚い絶縁皮膜2とを有しており、少なくとも2段構造になっている。ここで、「有している」、「少なくとも」とは、薄い絶縁皮膜3や厚い絶縁皮膜2とは異なる厚さの絶縁皮膜(図示しない)を有していてもよく、3段構造以上になっていてもよいことを意味している。
絶縁皮膜2,3が、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド及びフッ素樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂材料で構成されている。そして、上記1種又は2種以上の樹脂材料により、単層又は2層以上で形成されている。こうした滑り性のよい樹脂材料で絶縁皮膜2,3を構成することにより、支持板21,22の案内穴21a,22aの内壁との滑り性が良くなる。なお、より耐熱性が要求される場合には、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド等で形成されることが好ましい。
絶縁皮膜2,3の形成は、通常、長尺の金属導体1上に連続エナメル焼き付け方法によって行うことが好ましいが、電着塗装等の公知の他の方法で形成したものであってもよい。このとき、厚い絶縁皮膜2と薄い絶縁皮膜3の作り分けは、レーザー照射でのアブレーションを利用し、被測定体側の絶縁皮膜にレーザー照射して、薄い絶縁皮膜3からなる長さL1の部分が残るようにして形成することができる。検査装置側の絶縁皮膜は、全て剥離すればよく、薄い絶縁皮膜3を形成しなくてもよい。なお、薄い絶縁皮膜3と厚い絶縁皮膜2との作り分けは、こうしたレーザー照射を用いた方法以外の方法で行ってもよく、特に限定されない。
厚い絶縁皮膜2は、被測定体側以外の胴体部に設けられており、金属導体1上に設けられて被測定体の電気特性を検査する際のプローブ針同士の接触を防いで短絡を防止するように作用する。そして、厚い絶縁皮膜2は、その端部2aが被測定体側の支持板21の案内穴21aに当たるように構成されている。厚い絶縁皮膜2の厚さは、プローブ針同士の接触時のショート等が起こらない必要な厚さが金属導体1の線径を考慮して設けられていればよく、3~20μmの範囲内であることが好ましい。
薄い絶縁皮膜3は、被測定体側に設けられており、その薄い絶縁皮膜3の先端から金属導体1の先端1aが突出するように設けられている。薄い絶縁皮膜3は、少なくとも約1μm以上の厚さで形成されていることが好ましい。なお、薄い絶縁皮膜3の厚さの上限は特に限定されないが、支持板21の案内穴21aに、薄い絶縁皮膜3が形成されている部分が挿入されるので、その薄い絶縁皮膜3の厚さは、7μm以下であることが好ましい。
薄い絶縁皮膜3で覆われた部分は、被測定体側の支持板21の案内穴21aに挿入される。そして、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分の直径D3と、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分の長さL1とが、D3×5≦L1≦D3×20、の関係を満たす。この関係は、薄い絶縁皮膜3の部分の長さL1が、その部分の直径D3の5倍~20倍の範囲であることを示している。薄い絶縁皮膜3の直径D3と案内穴21aの直径D4とは、薄い絶縁皮膜3の部分が案内穴21aに挿入され、案内穴21a内での繰り返し動作(上下動)でもがたつきがないように僅かなクリアランス(1~3μm)で設計されている。したがって、上記したD3×5≦L1≦D3×20の関係は、{D4-(1~3μm)}×5≦L1≦{D4-(1~3μm)}×20の関係に置き換えることができる。これらの関係で設計されることにより、薄い絶縁皮膜3の長さL1の部分を案内穴21aに入れて行う検査の繰り返し動作において、電極に対する安定した接触動作を行うことができる。
なお、一例として後述の実施例1では、D3が36μmであるので、D3×5≦L1≦D3×20は、(36μm×5=180μm)≦L1≦(36μm×20=360μm)となり、L1は180~360μmの範囲内であることが好ましい。なお、後述するように、被測定体側の支持板21の厚さL2は、案内穴21aの直径D4の5倍~10倍の範囲内であることが加工作業性等の観点で望ましい。L1の上限をD3の20倍としたのは、プローブ針10が案内穴21aに挿入されて50~200μmの範囲で上下に摺動する可能性があるためであり、その範囲内の摺動する可能性のあるプローブ針10のL1の部分が案内穴21a内で安定して動作し、電極に対する安定した接触動作を行うことができる。
薄い絶縁皮膜3が長さL1で形成されている部分は、少なくと直径D3がその長さL1の範囲で同じであることが好ましい。その長さL1の範囲で異なっている場合は、クリアランスが変化してしまい、薄い絶縁皮膜3の部分が案内穴21a内でがたついて、検査時の繰り返し動作が不安定になる。なお、長さL1の部分のさらに先端側は、図1(A)に示すように、薄い絶縁皮膜3が直角にきれいにカットされていてもよいが、図1(B)に示すように、長さL3の直径変動部(テーパ又は曲線)が存在していてもよい。この直径変動部4は、L1の長さには含まれない。
<プローブユニット>
プローブユニット20は、図2に示すように、被測定体側に配置された支持板21と、検査装置側に配置された支持板22と、それら少なくとも2つの支持板21,22それぞれが備える案内穴21a,22aに装着される上記本発明に係るプローブ針10とを有している。このプローブユニット20では、被測定体側の支持板21の案内穴21aに絶縁皮膜2の端部2aが当たって、プローブ針10が落下するのを防いだ状態で、被測定体に金属導体1の先端1aを接触させて検査を行う装置である。プローブユニット20には、複数本から数千本のプローブ針10が装着されている。
検査装置側の支持板22は、厚い絶縁皮膜2が設けられた胴体部の直径D2(プローブ針10の直径)よりも若干大きい内径D5の案内穴22aを有している。その案内穴22aは、一本一本のプローブ針10の金属導体1をリード線にガイドする。
被測定体側の支持板21は、薄い絶縁皮膜3が設けられた部分の直径D3よりも若干大きい内径D4の案内穴21aを有している。若干大きいとは、上記した僅かなクリアランス(1~3μm)である。案内穴21aは、一本一本のプローブ針10の先端をガイドし、被測定体に金属導体1の先端1aを正確に接触させるようにガイドする。
被測定体側の支持板21の厚さL2は、支持板21の案内穴21aの直径D4の5倍~10倍の範囲内である。この範囲とすることにより、案内穴21aの穴開け加工がし易い。10倍を超えると、穴開け作業が困難になる。5倍未満だと、案内穴21aの直径D4との関係で、支持板21が薄くなり過ぎることがある。
プローブユニット20は、被測定体の電気特性を検査する際、プローブ針10と被測定体とが対応するように位置制御される。電気特性の検査は、プローブユニット20を上下にストロークさせ、プローブ針10の弾性力を利用して被測定体にプローブ針10の先端1aを所定の圧力で押し当てることにより行われる。このとき、プローブ針10の後端1bはリード線(図示しない)に接触し、被測定体からの電気信号がそのリード線を通って検査装置(図示しない。)に送られる。
こうしたプローブユニット20によれば、プローブ針10を案内穴21aに挿入して行う検査の繰り返し動作において、電極に対する安定した接触動作を行うことができる。さらに、プローブ針10を構成する金属導体1の直径D1を小さくすることができるので、プローブ針10を装着したプローブユニット20の駆動力を小さくすることができる。その結果、被測定体の電極に適切な低い接触圧で接触させることができ、測定を安定させて測定信頼性を向上させることができる。低い接触圧での適切な接触は、電極に傷を生じさせないので好ましい。さらに、薄い絶縁皮膜3で覆われた部分が、支持板21の案内穴21aに挿入されるように構成しているので、案内穴21aの直径D4を過度に小さくしなくてもよく、案内穴21aへのプローブ針10の挿入作業性が向上し、穴の加工性も向上する。
実施例と比較例により具体的に説明する。
[実施例1]
プローブ針10は、金属導体1として、予め真直度が曲率半径Rで2000mmに直線矯正された長尺のタングステン線(直径0.030mm)を用いた。また、絶縁皮膜用の塗料として、ポリウレタン樹脂系のエナメル塗料(東特塗料株式会社製、商品名;TPU5100)を用いた。先ず、ボビン等の線材供線装置から繰出された金属導体上に、上記エナメル塗料を焼き付けて、平均膜厚6.5μmの絶縁皮膜を形成して直径0.043mmとした。次に、絶縁皮膜が形成された長尺の金属導体を切断して長さ20mmの絶縁皮膜付き金属導体を切り出し、その絶縁皮膜付き金属導体の両端部を研削加工することにより半球状に加工した。次に、アルミニウムからなるマスクを絶縁皮膜に接した状態で配置し、エキシマレーザーを照射して、プローブ針の先端から3mmまでの絶縁皮膜の厚さを厚さ3μmとなるように薄くして薄い絶縁皮膜を形成して直径0.036mmとした。その後、さらに先端側だけエキシマレーザーを照射してプローブ針の先端から2.5mmまでの絶縁皮膜を除去して、薄い絶縁皮膜の長さL1を0.5mmとした。この操作は、絶縁皮膜付き金属導体を回転させながら、レーザー照射条件を変化させて行った。こうして図1及び図2に示す実施例1のプローブ針10を作製した。
[実施例2,3]
実施例1において、プローブ針の先端からの絶縁皮膜の除去長さを変更して薄い絶縁皮膜の長さL1を変化させた。それ以外は実施例1と同様にして、実施例2,3のプローブ針を作製した。実施例2のプローブ針ではL1を0.2mmとし、実施例3のプローブ針ではL1を0.7mmとした。
[比較例1]
実施例1において、薄い絶縁皮膜部は形成せずに、プローブ針の先端から3mmまでの絶縁皮膜を除去した。それ以外は、実施例1と同様にして、図3(A)に示す比較例1のプローブ針100を作製した。
[比較例2]
実施例1において、プローブ針の先端からの絶縁皮膜の除去長さを変更して薄い絶縁皮膜の長さL1を0.1mmとした。それ以外は実施例1と同様にして、比較例2のプローブ針を作製した。
[結果]
実施例1~3及び比較例1,2のプローブ針の寸法を表1にまとめた。このプローブ針を、検査装置側の支持板22の案内穴21bと、被測定体側の支持板21の案内穴21aとに挿入した。その後、プローブ針を50~200μmの範囲で上下動する検査の繰り返し動作を行った。この繰り返し動作において、実施例1~3のプローブ針は、電極に対する安定した接触動作を行うことができたが、比較例2のプローブ針は、電極に対する接触位置がばらついて安定した接触動作を行うことができなかった。また、実施例1~3のプローブ針は、薄い絶縁皮膜で覆われた部分を形成しているので、細い金属導体を案内穴に挿入しやすく、案内穴へのプローブ針の挿入作業性が向上させることができた。比較例1のプローブ針は薄い絶縁皮膜で覆われた部分を形成しないので、案内穴は金属導体の直径に合わせた小さい穴にしなければならず、穴開け加工性が難しかった。
Figure 0007390115000001
1 金属導体
1a 先端側で露出する金属導体
1b 後端側で露出する金属導体
2 胴体部の厚い絶縁皮膜
2a 案内穴に当たる絶縁皮膜の端部
3 被測定体側の薄い絶縁皮膜
4 直径変動部
10 プローブ針
20 プローブユニット
21 被測定体側の支持板
21a 案内穴
22 検査装置側の支持板
22a 案内穴
100 従来のプローブ針
L1 薄い絶縁皮膜の長さ
L2 被測定体側の支持板の厚さ
L3 直径変動部の長さ
D1 金属導体の直径
D2 厚い絶縁皮膜が設けられた胴体部の直径
D3 薄い絶縁皮膜が設けられた部分の直径
D4 被測定体側の支持板の案内穴の内径
D5 検査装置側の支持板の案内穴の内径


Claims (2)

  1. 被測定体側に配置された支持板と、検査装置側に配置された支持板と、それら少なくとも2つの支持板それぞれが備える案内穴に装着されるプローブ針とを有し、前記被測定体に前記プローブ針が有する金属導体の先端を接触させて前記プローブ針が前記被測定体側の支持体の案内穴に挿入されて50~200μmの範囲で上下に摺動させて行う検査に用いるプローブユニットであって、
    前記プローブ針が、直径10~110μmの範囲内の前記金属導体と、該金属導体の少なくとも両端以外の領域に設けられた縁皮膜とを有し、前記絶縁皮膜は、前記被測定体側に厚さ1~7μmの範囲内で設けられた薄い絶縁皮膜と、前記被測定体側以外の胴体部に厚さ3~20μmの範囲内で設けられて前記薄い絶縁皮膜よりも厚い絶縁皮膜とを有し、前記厚い絶縁皮膜は、その端部が前記被測定体側の支持板の案内穴に当たるように構成されており、前記被測定体側の薄い絶縁皮膜で覆われた部分は、前記被測定体側の支持板の案内穴に挿入されるように構成されており、
    前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3と、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の長さL1とが、D3×5≦L1≦D3×20、の関係を満たし、前記薄い絶縁皮膜が前記長さL1で形成されている部分での前記直径D3が前記長さL1の範囲で同じであり、
    前記被測定体側の支持板の案内穴の直径D4と、前記薄い絶縁皮膜で覆われた部分の直径D3との差が、1μm~3μmの範囲内であって、{D4-(1~3μm)}×5≦L1≦{D4-(1~3μm)}×20、の関係を満たし、
    前記被測定体側の支持の厚さL2が、該支持の案内穴の直径D4の5倍~10倍の範囲内である、ことを特徴とするプローブユニット。
  2. 前記金属導体は、真直度が1000mm以上である、請求項に記載のプローブユニット。
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