JP7389722B2 - 間接費管理装置、間接費管理方法、及び間接費管理プログラム - Google Patents

間接費管理装置、間接費管理方法、及び間接費管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、間接費管理装置、間接費管理方法、及び間接費管理プログラムに関する。
建設業では、各現業部門において工事毎に発生する直接経費と部門内で発生する間接経費が存在する。月末(1Q末、中間、3Q末、期末)において、間接経費を部門全体での工事完成割合に応じて、間接経費を完成工事原価と未成間接費に振替える必要がある。また、又、翌月1日に振り戻しを行なう必要がある。間接費を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
特開2017-168068号公報
しかしながら、特許文献1では、間接費に関する振替仕訳を自動作成して、担当者の業務負担を軽減することに関して何等記載されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、間接費に関する振替仕訳を自動作成して、担当者の業務負担を軽減することが可能な間接費管理装置、間接費管理方法、及び間接費管理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた間接費管理装置であって、前記制御部は、工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出手段と、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、前記振替仕訳作成手段は、前記作成した振替仕訳の振戻し仕訳を作成することにしてもよい。
また、本発明の一態様によれば、前記完成比率は、完成比率=(完成工事原価÷発生直接原価)×100(但し、発生直接原価は、指定年月までの未成工事支出金の累計)で算出することにしてもよい。
また、本発明の一態様によれば、前記間接費は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(但し、期首振戻し仕訳分のみ加味する)発生間接原価であることにしてもよい。
また、本発明の一態様によれば、前記振替仕訳作成手段は、振替金額として、完成間接原価を、完成間接原価=発生間接原価×完成比率で算出し、未成間接繰越額を、未成間接繰越額=発生間接原価-完成間接原価で算出することにしてもよい。
また、本発明の一態様によれば、前記振替仕訳作成手段は、借方科目「完成工事原価科目」、金額「完成間接原価の金額」/貸方科目「間接費科目」、金額「完成間接原価」とする振替仕訳と、借方科目「未成間接費」、金額「未成間接繰越額」/貸方科目「間接費科目」、金額「未成間接繰越額」とする振替仕訳を作成することにしてもよい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための間接費管理方法であって、前記制御部において実行される、
工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出工程と、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成工程と、を含むことを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための間接費管理プログラムであって、前記制御部において、工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出工程と、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成工程と、をコンピュータに実行させるための間接費管理プログラムであることを特徴とする。
本発明によれば、間接費に関する振替仕訳を自動作成して、担当者の業務負担を軽減することが可能な間接費管理装置、間接費管理方法、及び間接費管理プログラムを提供することが可能となるという効果を奏する。
図1は、本実施の形態の処理イメージを示す図である。 図2は、本実施の形態に係る間接費管理装置の一例を示すブロック図である。 図3は、本実施の形態に係る間接費管理装置の制御部の間接費振替仕訳データ作成処理の概略を説明するためのフローを示す図である。 図4は、プロジェクトマスタのデータ例を示す図である。 図5は、部門マスタのデータ例を示す図である。 図6は、間接費科目マスタのデータ例を示す図である。 図7は、勘定科目マスタのデータ例を示す図である。 図8は、仕訳情報の一例を示す図である。 図9は、完成比率の算出を詳細に説明するための図である。 図10は、工事(プロジェクト)毎の完成比率を説明するための図である。 図11は、部門で発生している間接費の抽出を詳細に説明するための図である。 図12は、振替金額の算出を詳細に説明するための図である。 図13は、振替(振戻し)仕訳の作成を詳細に説明するための図である。 図14は、直接原価確認表の一例を示す図である。 図15は、間接原価確認表の一例を示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
[1.概要]
建設業では、各現業部門において工事毎に発生する直接経費と部門内で発生する間接経費が存在する。月末(1Q末、中間、3Q末、期末)において、間接経費を部門全体での工事完成割合に応じて、間接経費を完成工事原価と未成間接費に振替える必要がある。また、又、翌月1日に振り戻しを行なう必要がある。
従来は、完成比率の算出を部門毎に経理担当が行い、完成工事原価と未成間接費へ振替える仕訳を入力して会計システムに登録していた。部門毎に完成比率を計算する必要があり、算出ミス等により月次業務や決算業務に時間を要していた。
そこで、本実施の形態では、建設業においては、間接経費の振替仕訳は必ず発生し、自動計算・自動作成することで業務負担軽減を行い効率化できることに着目した。具体的には、本実施の形態では、工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出し、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接経費を、完成工事原価と未成間接費に振替える仕訳を自動作成し、また、同時に翌月初(翌月1日)の振戻し仕訳も自動作成する。これにより、担当者の業務負担を低減することが可能となる。
図1は、本実施の形態の処理イメージを示す図である。本実施の形態では、プロジェクトマスタを参照して、仕訳入力を行って、仕訳明細データを登録する。間接費振替仕訳データ作成処理により、間接費科目マスタを参照して、仕訳明細データに基づいて、振替仕訳データを作成し、作成した振替仕訳データを登録する。
[2.構成]
本実施の形態に係る間接費管理装置の構成の一例について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施の形態に係る間接費管理装置の一例を示すブロック図である。間接費管理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、間接費管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
間接費管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。間接費管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、間接費管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、間接費管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。これにより、通信インターフェース部104は、ネットワーク300を介して、サーバ200とデータ通信可能に構成されている。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
また、この記憶部106は、プロジェクトマスタ106aと、部門マスタ106bと、
間接費科目マスタ106cと、勘定科目マスタ106dと、データテーブル106e等を備えている。
プロジェクトマスタ106aは、プロジェクトCD、名称、部門、進行区分(完成or仕掛)、工期、完成日、計上基準(完成基準or進行基準)のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる(図4参照)。
部門マスタ106bは、部門CD、名称のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる(図5参照)。
間接費科目マスタ106cは、間接費科目CD、名称、完成工事原価科目CD、名称のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる(図6参照)。
勘定科目マスタ106dは、科目CD、名称のデータを関連づけて登録するためのテーブルである(図7参照)。
データファイル106eは、仕訳情報等の各種情報を登録するためのファイルである。
仕訳情報は、プロジェクト毎に作成され、仕訳情報は、発生年月、金額、借方科目、貸方科目、金額、発生部門のデータを含んでいてもよい。
図1に戻り、制御部102は、間接費管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
ここで、制御部102は、機能概念的に、データ入力部102aと、完成比率算出部102bと、振替仕訳作成部102cと、マスタメンテ部102dと、画面表示制御部102eとを備えている。
データ入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、プロジェクトマスタ106a及び勘定科目マスタ106dを参照して、プロジェクト毎の仕訳情報(図8参照)を入力して、データファイル106eに格納する。
完成比率算出部102bは、プロジェクトマスタ106aの各プロジェクトの進行区分、工期、完成日、計上基準を参照して、各プロジェクトの仕訳情報に基づいて、プロジェクト毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する。
振替仕訳作成部102cは、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接経費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する。間接費は、間接費科目マスタ106cで設定されている間接費科目について、仕訳情報から算出してもよい。また、振替仕訳作成部102cは、作成した振替仕訳の振戻し仕訳を作成することにしてもよい。
完成比率は、完成比率=(完成工事原価÷発生直接原価)×100(但し、発生直接原価は、指定年月までの未成工事支出金の累計)で算出することにしてもよい。
間接費は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(但し、期首振戻し仕訳分のみ加味する)発生間接原価であることにしてもよい。
振替仕訳作成部102cは、振替金額として、完成間接原価を、完成間接原価=発生間接原価×完成比率で算出し、未成間接繰越額を、未成間接繰越額=発生間接原価-完成間接原価で算出することにしてもよい。
振替仕訳作成部102cは、借方科目「完成工事原価科目」、金額「完成間接原価の金額」/貸方科目「間接費科目」、金額「完成間接原価」とする振替仕訳と、借方科目「未成間接費」、金額「未成間接繰越額」/貸方科目「間接費科目」、金額「未成間接繰越額」とする振替仕訳を作成することにしてもよい。
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、プロジェクトマスタ106a、部門マスタ106b、間接費科目マスタ106c、勘定科目マスタ106dのデータの追加・削除・変更等の編集を行うためのものである。
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、入力画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
[3.具体例]
本実施の形態に係る間接費管理装置100の制御部102の処理の具体例について、図2~図13を参照して説明する。図3は、間接費管理装置100の制御部102の間接費振替仕訳データ作成処理の概略を説明するためのフローである。以下の説明では、金額の単位を全て円としてその記載を省略する。
(間接費振替仕訳データ作成処理)
図3を参照して、間接費管理装置100の制御部102の間接費振替仕訳データ作成処理の概略を説明する。図3において、完成比率算出部102bは、完成比率を算出する(ステップS1)。具体的には、完成比率算出部102bは、工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を完成比率=(完成工事原価÷発生直接原価計)÷100で算出する。
ここで、「対象プロジェクト」は、指定年月時点で、仕掛中の工事及び指定年月以降で完成している工事である。「発生直接原価」は、指定年月迄の未成工事支出金の発生累計である。累計のため、完成振替仕訳は対象外とする。「当期発生」は、期首から指定年月迄の未成工事支出金の発生累計である。累計のため、完成振替仕訳は対象外とする。「完成工事原価」は、期首から指定年月迄で完成した工事の完成工事原価累計である。「未成工事支出金」は、未成工事支出金=発生直接原価-完成工事原価で算出する。
振替仕訳作成部102cは、部門で発生している間接費を抽出する(ステップS2)。
振替仕訳作成部102cは、間接費科目マスタ106cに設定されている間接費について、仕訳情報を参照して、発生間接原価及び当期発生を抽出(算出)する。
ここで、対象プロジェクトは、間接費用共通工事である。発生間接原価は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(但し、期首振戻し仕訳分のみ加味する)。当期発生は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(但し、振替仕訳・振戻し仕訳は加味しない)。
振替仕訳作成部102cは、振替金額を算出する(ステップS3)。具体的には、振替金額として、完成間接原価を、完成間接原価=発生間接原価×完成比率で算出し、未成間接繰越額を、未成間接繰越額=発生間接原価-完成間接原価で算出す完成間接原価で算出する。
振替仕訳作成部102cは、振替(振戻し)仕訳を作成する(ステップS4)。算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接経費(完成間接原価、未成間接繰越額)を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する。具体的には、間接費科目マスタ106cを参照して、借方科目「完成工事原価科目」、金額「完成間接原価の金額」/貸方科目「間接費科目」、金額「完成間接原価」とする振替仕訳と、借方科目「未成間接費」、金額「未成間接繰越額」/貸方科目「間接費科目」、金額「未成間接繰越額」とする振替仕訳を作成することにしてもよい。
また、次月初めに、振替仕訳の借方と貸方を逆にした振戻し仕訳を作成してもよい。なお、期末の場合は、期首の振戻し仕訳は、未成間接費のみが振戻される仕組みとしてもよい。
間接費管理装置100の制御部102の間接費振替仕訳データ作成処理の具体例を図4~図15のサンプルデータを参照して説明する。図4は、プロジェクトマスタ106aのデータ例を示す図である。図5は、部門マスタ106bのデータ例を示す図である。図6は、間接費科目マスタ106cのデータ例を示す図である。図7は、勘定科目マスタ106dのデータ例を示す図である。
図4に示すプロジェクトマスタ106aの例では、1行目は、プロジェクトCD「310162」、名称「防草土敷設」、部門「〇〇軌道部」、進行区分「完成」、工期「2019/1~2019/6」、完成日「2019/6/30」、計上基準「完成基準」、2行目は、プロジェクトCD「310191」、名称「軌道修繕工事」、部門「〇〇軌道部」、進行区分「仕掛」、工期「2019/4~2019/9」、計上基準「完成基準」、3行目は、プロジェクトCD「313110」、名称「通路改良工事」、部門「〇〇軌道部」、進行区分「仕掛」、工期「2019/1~2020/3」、計上基準「進行基準」、4行目は、プロジェクトCD「999999」、名称「間接費用共通工事」となっている。
図5に示す部門マスタ106bの例では、部門CD「04101」、名称「〇〇軌道部」となっている。
図6に示す間接費科目マスタ106cの例では、間接費科目CD「8471」、名称「消耗品費」、完成工事原価科目CD「7611」、名称「完成消耗品費」となっている。
図7に示す勘定科目マスタ106dの例では、1行目は、科目CD「1711」、名称「未成材料費」、2行目は、科目「1715」、名称「未成外注費」、3行目は、科目CD「7221」、名称「完工材料費」、4行目は、科目CD「7411」、名称「完工外注費」、5行目は、科目CD「8471」、名称「消耗品費」となっている。
「未成材料費」、「未成外注費」は、未成工事支出金科目であり、「完工材料費」、完工外注費」は、完成工事原価科目であり、「消耗品費」は間接経費科目である。
図8は、プロジェクトCD「310162」、「310191」、「310110」、「999999」の「2019/1~2019/6」までの仕訳情報の一例を示す図である。プロジェクトマスタ106aよりプロジェクトCD「310162」は完成基準、プロジェクトCD「310191」は完成基準、プロジェクトCD「310110」は進行基準となっている。
例えば、プロジェクトCD「310162」、完成基準についての仕訳情報は、1行目は、発生年月「2019/1」、金額「2,000,000」,借方科目「未成材料費」/貸方科目「工事未払金」金額「2,000,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっている。
プロジェクトCD「310191」、完成基準についての仕訳情報は、例えば、1行目は、発生年月「2019/4」、金額「2,000,000」、借方科目「未成材料費」/貸方科目「工事未払金」、金額「2,000,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっている。
プロジェクトCD「313110」、進行基準についての仕訳情報は、例えば、1行目は、発生年月「2019/1」、金額「5,000,000」、借方科目「未成材料費」/貸方科目「工事未払金」、金額「5,000,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっている。
プロジェクトCD「999999」の仕訳情報は、1行目は、発生年月「2019/4」、金額「500,000」、借方科目「消耗品費」、貸方科目「未成間接費」、金額「500,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっている。
(S1:完成比率の算出)
図9は、完成比率の算出を詳細に説明するための図である。「完成比率」は、完成比率=(完成工事原価÷発生直接原価計)×100で算出する。ここで、「対象プロジェクト」は、指定年月時点で、仕掛中の工事及び指定年月以降で完成している工事である。「発生直接原価」は、指定年月迄の未成工事支出金の発生累計である。累計のため、完成振替仕訳は対象外とする。「当期発生」は、期首から指定年月迄の未成工事支出金の9発生累計である。累計のため、完成振替仕訳は対象外とする。「完成工事原価」は、期首から指定年月迄で完成した工事の完成工事原価累計である。「未成工事支出金」は、未成工事支出金=発生直接原価-完成工事原価で算出する。
指定年月を「2019/6」とした場合は、完成比率は以下のようにして算出される。プロジェクトCD「310162」、「310191」、「310110」、「999999」について、材料費については、発生直接原価「13,000,000」、当期発生「6,000,000」、完成工事原価「10,000,000」、未成工事支出金「3,000,000」、外注費については、発生直接原価「7,000,000」、当期発生「7,000,000」、完成工事原価「1,000,000」、未成工事支出金「6,000,000」となる。合計すると、発生直接原価「20,000,000」、当期発生「13,000,000」、完成工事原価「11,000,000」、未成工事支出金「9,000,000」となる。
完成比率は、完成比率=(11,000,000÷20,000,000)×100=55.0%となる。小数点以下第2位を切捨て工事毎の完成比率は、図19のようになっているが、部門共通で発生している間接費のため、部門単位で算出した完成比率を採用している。
図10は、工事(プロジェクト)毎の完成比率を説明するための図である。
(1)プロジェクトCD「310162」の場合
プロジェクトマスタより2019/6では完成している(完成日=2019,6/30)。図8の仕訳情報により、完成工事原価=6,000,000、発生直接原価計=6,000,000であるので、完成比率=(6,000,000÷6,000,000)×100=100%である。
(2)プロジェクトCD「31019」の場合
プロジェクトマスタより、2019/6では仕掛中であり、完成基準のため、図8の仕訳情報より、完成工事原価=0、発生直接原価計=5,000,000であるので、完成比率=(0÷5,000,000)×100=0%である。
(3)プロジェクトCD「313110」の場合
プロジェクトマスタより、2019/6では仕掛中だが、進行基準の為、完成工事原価は発生しており、図8の仕訳情報より、完成工事原価=6,000,000、発生直接原価計=5,000,000であるので、完成比率=(5,000,000÷9,000,000)×100=55.5555・・=55.5%である。
(S2:部門で発生している間接費の抽出)
図11は、部門で発生している間接費の抽出を詳細に説明するための図である。「対象プロジェクト」は、間接費用共通工事である。発生間接原価は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(期首振戻し仕訳分のみ加味する)。「当期発生」は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(振替仕訳・振戻し仕訳は加味しない)。
指定年月を「2019/6」とした場合、図8のプロジェクトCD「999999」の仕訳情報より、消耗品費について、発生間接原価「3,500,000」、当期発生「3,000,000」でとなる。
(S3:振替金額の算出)
図12は、振替金額の算出を詳細に説明するための図である。完成間接原価を、完成間接原価=発生間接原価×完成比率で算出する。小数点以下第1位を切捨てる。未成間接繰越額を、未成間接繰越額=発生間接原価-完成間接原価で算出する。完成間接原価は、発生間接原価「3,500,000」×完成比率「55.0%」=1,925,000で算出する。未成間接繰越額は、発生間接原価「3,500,000」-完成間接原価「1,925,000」=1,575,000”で算出する。
(S4:振替(振戻し)仕訳の作成)
図13は、振替(振戻し)仕訳の作成を詳細に説明するための図であり、作成した振替仕訳と振戻し仕訳を示している。部門毎に発生している間接経費(完成間接原価、未成間接繰越額)を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する。また振替仕訳の振り戻し仕訳を作成する。期末の場合は期首の振戻し仕訳は、未成間接費のみが振戻される仕組みになっている。
図13に示す例では、1行目と2行目は振替仕訳となっており、1行目は、発生年月「2019/6/30」、金額「1,925,000」、借方科目「完成消耗品費」/貸方科目「消耗品費」、金額「1,925,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっており、2行目は、発生年月「2019/6/30」、金額「1,575,000」、借方科目「未成間接費」/貸方科目「消耗品費」、金額「1,575,000」、発生部門「〇〇軌道部」となる。
3行目と4行目は振戻し仕訳となっており、3行目は、発生年月「2019/7/1」、金額「1,925,000」、借方科目「消耗品費」/貸方科目「完成消耗品費」、金額「1,925,000」、発生部門「〇〇軌道部」となっており、4行目は、発生年月「2019/7/1」、金額「1,575,000」、借方科目「消耗品費」/貸方科目「未成間接費」、金額「1,575,000」、発生部門「〇〇軌道部」となる。
図14及び図15は、S1~S4の元となる帳票を示しており、図14は、直接原価確認表の例を示しており、図15は、間接原価確認表の例を示している。
以上説明したように、本実施の形態によれば、工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出部102bと、算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成部102cと、を備えているので、間接費に関する振替仕訳を自動作成することで、担当者の業務負担を軽減することが可能となる。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、間接費管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、間接費管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて間接費管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、間接費管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、間接費管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、間接費管理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
100 間接費管理装置
102 制御部
102a データ入力部
102b 完成比率算出部
102c 振替仕訳作成部
102d マスタメンテ部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a プロジェクトマスタ
106b 部門マスタ
106c 間接費科目マスタ
106d 勘定科目マスタ
106e データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク

Claims (8)

  1. 制御部を備えた間接費管理装置であって、
    前記制御部は、
    工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出手段と、
    算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成手段と、
    を備えたことを特徴とする間接費管理装置。
  2. 前記振替仕訳作成手段は、前記作成した振替仕訳の振戻し仕訳を作成することを特徴とする請求項1に記載の間接費管理装置。
  3. 前記完成比率は、完成比率=(完成工事原価÷発生直接原価)×100(但し、発生直接原価は、指定年月までの未成工事支出金の累計)で算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の間接費管理装置。
  4. 前記間接費は、期首から指定年月迄の間接費の発生累計である(但し、期首振戻し仕訳分のみ加味する)発生間接原価であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の間接費管理装置。
  5. 前記振替仕訳作成手段は、振替金額として、完成間接原価を、完成間接原価=発生間接原価×完成比率で算出し、未成間接繰越額を、未成間接繰越額=発生間接原価-完成間接原価で算出することを特徴とする請求項4に記載の間接費管理装置。
  6. 前記振替仕訳作成手段は、借方科目「完成工事原価科目」、金額「完成間接原価」/貸方科目「間接費科目」、金額「完成間接原価」とする振替仕訳と、借方科目「未成間接費」、金額「未成間接繰越額」/貸方科目「間接費科目」、金額「未成間接繰越額」とする振替仕訳を作成することを特徴とする請求項5に記載の間接費管理装置。
  7. 制御部を備えた情報処理装置に実行させるための間接費管理方法であって、
    前記制御部において実行される、
    工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出工程と、
    算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成工程と、
    を含むことを特徴とする間接費管理方法。
  8. 制御部を備えた情報処理装置に実行させるための間接費管理プログラムであって、
    前記制御部において、
    工事毎に発生している完成工事原価と未成工事支出金の情報を部門毎に集計し、完成比率を算出する完成比率算出工程と、
    算出した完成比率を利用して、部門毎に発生している間接費を、完成工事原価と未成間接費に振替える振替仕訳を作成する振替仕訳作成工程と、
    をコンピュータに実行させるための間接費管理プログラム。
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