JP7388856B2 - 乾燥食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱処理及び真空フライ処理を行うことを特徴とする畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法に関するものである。
乾燥食品を製造するための乾燥方法として、加熱乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空フライ(減圧フライ)などが知られている。真空フライは、他の乾燥方法に比べて比較的短時間で乾燥できることや、色調や風味などを良好な状態に維持することができることから、畜産物、水産物の乾燥食品の製造に汎用されている。
しかしながら、真空フライ処理を行った畜産物、水産物の乾燥食品は、食感が硬くなることから、食べやすく、心地よい歯ごたえを求める消費者の要望を満たせないという問題がある。そこで、食感が改善された乾燥食品の真空フライを用いた製造方法が所望されている。
食感が改善された乾燥食品の製造方法としては、真空フライ処理の前後に乾燥食品原料を処理するものがある。例えば、真空フライ処理の前処理工程として、特許文献1には食肉原料を所定形状にすること、特許文献2には畜産物などを高浸透圧の糖類混合溶液に浸透させることが開示されている。また、特許文献3には、真空フライ処理の後処理工程として、真空フライ処理物を低水分活性の調味液で処理することが開示されている。
特許第6114864号公報 特開昭59-156255号公報 特許第2512481号公報
これまで、畜産物、水産物の乾燥食品における食感や保存性を向上させるために真空フライ処理工程を含む製造方法が開発されてきたが、十分に満足する食感は得られていない。また、従来の真空フライ処理では、乾燥食品を望ましい色調に調節することができないため、乾燥食品として好ましいカリッとした食感とともに食欲をそそる褐色の色調を付与して乾燥食品の商品価値を高める製造方法として十分なものとはいえない。そのため、保存性だけでなく、カリッとした食感とともに色調が向上する乾燥食品の製造方法が望まれている。
したがって、本発明の課題は、カリッとした食感だけでなく色調の優れた畜産物、水産物の乾燥食品を製造する方法を提供することである。また、カリッとした食感だけでなく色調が優れた畜産物、水産物の乾燥食品を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、畜産物、水産物を加熱処理及び真空フライ処理することによって、外観、食感、形状、色調の優れた乾燥食品を製造することができるという知見に至り、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]i)常圧フライ処理、加圧フライ処理、蒸煮処理の少なくとも1つ以上の加熱処理を行う工程、ii)真空フライ処理を行う工程を含むことを特徴とする畜産物及び/又は水産物の乾燥食品の製造方法。
この製造方法によれば、外観、食感、形状、色調が優れた乾燥食品を製造することができる。
[2]畜産物及び/又は水産物が、食肉であることを特徴とする[1]に記載の乾燥食品の製造方法。
この製造方法によれば、外観、食感、形状、色調が優れた食肉の乾燥食品を製造することができる。
[3]食肉が、鶏肉及び/又は鶏皮であることを特徴とする[2]に記載の乾燥食品の製造方法。
この製造方法によれば、外観、食感、形状、色調が優れた鶏肉、鶏皮の乾燥食品を製造することができる。
[4]加熱工程が、常圧フライ処理及び蒸煮処理の組み合わせであることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の乾燥食品の製造方法。
この製造方法によれば、外観、食感、形状、色調が更に優れた乾燥食品を製造することができる。
[5]真空フライを80℃~160℃の油温下で行うことを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の乾燥食品の製造方法。
この製造方法によれば、外観、食感、形状、色調が更に優れた乾燥食品を製造することができる。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の製造方法で製造されることを特徴とする畜産物及び/又は水産物の乾燥食品。
この乾燥食品によれば、外観、食感、形状、色調が優れた製品を提供することができる。
本発明によれば、外観、食感、形状、色調に優れた畜産物、水産物の乾燥食品を製造する製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、外観、食感、形状、色調に優れた畜産物、水産物の乾燥食品を提供することができる。
乾燥食品の形状について示す図である。(A)常圧フライ処理及び蒸煮処理後に真空フライ処理した鶏皮を示す図である。(B)常圧フライ処理後に真空フライ処理した鶏皮を示す図である。(C)蒸煮処理後に真空フライ処理した鶏皮を示す図である。(D)真空フライ処理した鶏皮を示す図である。
以下、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法について説明する。
本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法は、加熱処理工程の後に真空フライ処理工程を含む方法であれば特に限定されるものではない。
まず、本発明で用いる乾燥食品原料について、詳細に説明する。
(乾燥食品原料)
本発明で用いる畜産物は、特に限定されるものではなく、例えば、家禽、家畜、野生鳥獣(狩猟肉、ジビエ)などでもよい。入手のしやすさから家禽、家畜が適しており、具体例としては、例えば、鶏、鴨、七面鳥、牛、豚、羊、馬などが挙げられる。野生鳥獣の具体例としては、例えば、猪、鹿、熊などが挙げられる。
また、乾燥食品の原料とする家禽、家畜、野生鳥獣の部位は、特に限定されるものではなく、例えば、肉、皮、軟骨、スジ、内臓などでもよい。
本発明で用いる水産物は、特に限定されるものではなく、例えば、魚類、貝類、甲殻類、軟体類、海藻などでもよい。水産物の具体例としては、例えば、シャケ、マグロ、カツオ、イワシ、アジ、シラウオなどの魚類、ホタテ、アサリ、アワビなどの貝類、エビ、カニ、オキアミなどの甲殻類、イカ、タコなどの軟体類、コンブ、ワカメなどの海藻などが挙げられる。
また、乾燥食品の原料とする水産物の部位は、特に限定されるものではなく、例えば、肉、骨、葉などでもよい。
本発明で用いる乾燥食品の原料の状態は、特に限定されるものではなく、例えば、保存、解凍、整形したものでもよい。
また、これらの乾燥食品の原料は、一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
乾燥食品原料の形状を加工する処理方法は、特に限定されるものではなく、例えば、カット、スライス、ほぐす、裂くなどでもよい。また、原料となる畜産物、水産物によっては、小塊など原形の形態そのままであってもよい。
加工処理された乾燥食品原料の形状は、特に限定されるものではない。乾燥食品原料の形状の具体例としては、例えば、チップ状、ブロック状、バー状、くさび形形状、シート状、不定形乱切り状などが挙げられる。
乾燥食品原料の大きさは、特に制限されるものではなく、好ましくは10mm以上4000mm以下である。下限値としては、より好ましくは25mm以上であり、更に好ましくは50mm以上であり、特に好ましくは100mm以上である。一方、上限値としては、より好ましくは3000mm以下であり、更に好ましくは2000mm以下であり、特に好ましくは1500mm以下である。
乾燥食品原料の厚みは、特に制限されるものではなく、好ましくは0.1mm以上50mm以下である。下限値としては、より好ましくは0.3mm以上であり、更に好ましくは0.5mm以上であり、特に好ましくは0.7mm以上である。一方、上限値としては、より好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下であり、特に好ましくは10mm以下である。
乾燥食品原料の大きさ、厚みを上記範囲とすることにより、加熱処理及び真空フライ処理後の乾燥食品の形状が丸まりやすく、手に取って食べやすいという効果がより発揮される。
乾燥食品原料は、調味処理してもよい。調味処理で用いる調味料は、特に限定されるものではない。調味料の具体例としては、例えば、食塩、砂糖、酢、しょう油、味噌、みりん、アミノ酸、肉エキス、野菜エキスなどが挙げられる。さらに、調味料に香辛料、着色料、酸化防止剤などを加えて処理してもよい。
調味処理の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、浸漬、噴霧、塗布、まぶす、注入などでもよい。
乾燥食品を様々な味付け、香り付け、風合いとするために、調味料、香辛料、着色料、酸化防止剤などは一種類でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
以上に述べた特徴を有した乾燥食品原料は、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品を製造する製造方法において得られる効果を高めることができる。
次に、本発明の加熱処理、真空フライ処理について、詳細に説明する。
加熱処理は、特に限定されるものではなく、例えば、常圧フライ処理(常圧油ちょう処理)、加圧フライ処理(加圧油ちょう処理)、蒸煮処理(スチーム処理)などでもよい。
また、これらの加熱処理は、一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。二種類以上の加熱処理をする場合は、任意の順序で行ってもよい。
(常圧フライ処理)
常圧フライ処理は、常圧雰囲気下、油脂中で乾燥食品原料を乾燥する乾燥方法であり、特殊な装置を必要としないため、食品加工業界で汎用されている。
常圧フライ処理を行う装置としては、例えば、バッチ式フライヤー、連続式フライヤーなどが挙げられる。
常圧フライ処理の油温は、特に制限されるものではなく、好ましくは80℃以上250℃以下である。下限値としては、より好ましくは90℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、特に好ましくは140℃以上である。一方、上限値としては、より好ましくは230℃以下であり、更に好ましくは210℃以下であり、特に好ましくは190℃以下である。
常圧フライ処理の時間は、特に制限されるものではなく、好ましくは1分間以上30分間以下である。下限値としては、より好ましくは2分間以上であり、更に好ましくは3分間以上であり、特に好ましくは4分間以上である。一方、上限値としては、より好ましくは20分間以下であり、更に好ましくは15分間以下であり、特に好ましくは10分間以下である。
常圧フライ処理の油温、時間を上記範囲とすることにより、乾燥食品原料に食欲をそそる褐色の色調を付与することができるという効果がより発揮される。
常圧フライ処理で用いる油脂は、食用であれば特に制限されるものではなく、例えば、動物性油脂、植物性油脂、水素添加処理された食用油脂などでもよい。常圧フライ処理で用いる油脂の具体例としては、例えば、牛脂、豚脂、魚油、バター、マーガリン、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、米油、ベニバナ油、オリーブ油などが挙げられる。
また、これらの油脂は、一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
(加圧フライ処理)
加圧フライ処理は、加圧雰囲気下、油脂中で乾燥食品原料を乾燥する乾燥方法である。加圧フライ処理では、厚みのある乾燥食品原料であっても、短時間で原料内部まで加熱することができる。
加圧フライ処理における絶対圧力条件は、特に制限されるものではなく、好ましくは110kPa以上350kPa以下である。下限値としては、より好ましくは130kPa以上であり、更に好ましくは140kPa以上であり、特に好ましくは150kPa以上である。一方、上限値としては、より好ましくは300kPa以下であり、更に好ましくは250kPa以下であり、特に好ましくは200kPa以下である。
加圧フライ処理の油温は、特に制限されるものではなく、好ましくは80℃以上250℃以下である。下限値としては、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、特に好ましくは140℃以上である。一方、上限値としては、より好ましくは230℃以下であり、更に好ましくは210℃以下であり、特に好ましくは190℃以下である。
加圧フライ処理の時間は、特に制限されるものではなく、好ましくは1分間以上30分間以下である。下限値としては、より好ましくは2分間以上であり、更に好ましくは3分間以上であり、特に好ましくは4分間以上である。一方、上限値としては、より好ましくは25分間以下であり、更に好ましくは20分間以下であり、特に好ましくは15分間以下である。
加圧フライ処理の絶対圧力条件、油温、時間を上記範囲とすることにより、乾燥食品原料に食欲をそそる褐色の色調を付与することができるという効果がより発揮される。
加圧フライ処理で用いる油脂は、食用であれば特に制限されるものではなく、例えば、動物性油脂、植物性油脂、水素添加処理された食用油脂などでもよい。常圧フライ処理で用いる油脂の具体例としては、例えば、牛脂、豚脂、魚油、バター、マーガリン、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、米油、ベニバナ油、オリーブ油などが挙げられる。
また、これらの油脂は、一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
(蒸煮処理)
蒸煮処理は、水蒸気(飽和蒸気、過熱蒸気)で食品原料を加熱する加熱方法である。蒸煮処理は、食品原料の形、味、栄養成分などを損なうことなく、食感を向上させることができる。
蒸煮処理に用いる飽和蒸気、過熱蒸気の温度は、特に制限されるものではなく、好ましくは70℃以上150℃以下である。下限値としては、より好ましくは80℃以上であり、更に好ましくは90℃以上であり、特に好ましくは95℃以上である。一方、上限値としては、より好ましくは130℃以下であり、更に好ましくは120℃以下であり、特に好ましくは110℃以下である。
蒸煮処理の時間は、特に制限されるものではなく、好ましくは1分間以上120分間以下である。下限値としては、より好ましくは3分間以上であり、更に好ましくは5分間以上であり、特に好ましくは7分間以上である。一方、上限値としては、より好ましくは60分間以下であり、更に好ましくは30分間以下であり、特に好ましくは15分間以下である。
蒸煮処理の温度、時間を上記範囲とすることにより、乾燥食品原料にやわらかい食感を付与することができるという効果がより発揮される。
(真空フライ処理)
真空フライ処理は、減圧雰囲気下、油脂中で乾燥食品原料を乾燥する方法である。真空フライ処理は、低温でフライ作業を行うことから、乾燥食品原料の味、風味、色、栄養成分の損失を低減することができる。
真空フライ処理における絶対圧力条件は、特に制限されるものではなく、好ましくは50kPa以下である。上限値としては、より好ましくは40kPa以下であり、更に好ましくは30kPa以下であり、特に好ましくは20kPa以下である。
真空フライ処理の油温は、特に制限されるものではなく、好ましくは50℃以上200℃以下である。下限値としては、より好ましくは60℃以上であり、更に好ましくは70℃以上であり、特に好ましくは80℃以上である。一方、上限値としては、より好ましくは180℃以下であり、更に好ましくは170℃以下であり、特に好ましくは160℃以下である。
真空フライ処理の時間は、特に制限されるものではなく、好ましくは0.5分間以上90分間以下である。下限値としては、より好ましくは1分間以上であり、更に好ましくは1.5分間以上であり、特に好ましくは2分間以上である。一方、上限値としては、より好ましくは60分間以下であり、更に好ましくは45分間以下であり、特に好ましくは30分間以下である。
真空フライ処理の絶対圧力条件、油温、時間を上記範囲とすることにより、乾燥食品原料に油っぽくなく、カリッとした食感を付与することができるという効果がより発揮される。
真空フライ処理で用いる油脂は、食用であれば特に制限されるものではなく、例えば、動物性油脂、植物性油脂、水素添加処理された食用油脂などでもよい。常圧フライ処理で用いる油脂の具体例としては、例えば、牛脂、豚脂、魚油、バター、マーガリン、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、米油、ベニバナ油、オリーブ油などが挙げられる。
また、これらの油脂は、一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
以上に述べた特徴を有した加熱処理、真空フライ処理により、加熱処理の後に真空フライ処理を行う本発明の畜産物、水産物の乾燥食品を製造する製造方法は、カリッとした食感とともに食欲をそそる褐色の色調、外観、食感、形状、色調に関して総合的に優れた畜産物、水産物の乾燥食品を提供することができる。
次に、本発明の乾燥食品の特徴を、詳細に説明する。
(乾燥食品)
乾燥食品の色彩とは、明るさ(L)と色味(a、b)をLab値で表したものである。色彩の明るさ(L)は、0から100までの数値で表され、数値が大きいほど明るい色調となる。色彩の色味(a、b)は、a、bともに0の場合は無彩色となる。aが正の方向になるほど赤みが強くなり、負の方向になるほど緑みが強くなる。また、bが正の方向になるほど黄みが強くなり、負の方向になるほど青みが強くなる。
本発明による乾燥食品のLab値は、特に制限されるものではなく、好ましくは40以上60以下である。下限値としては、より好ましくは41以上であり、更に好ましくは43以上であり、特に好ましくは45以上である。一方、上限値としては、より好ましくは59以下であり、更に好ましくは57以下であり、特に好ましくは55以下である。
乾燥食品のLab値が上記範囲となることにより、乾燥食品として望ましい食欲をそそる褐色の色調を有していると判断することができる。
乾燥食品の歩留まり率とは、乾燥食品原料の加熱処理前の重量と真空フライ処理後の乾燥重量を測定し、加熱処理前の重量に対する加熱処理、真空フライ処理後の重量を百分率(%)で表したものである。
本発明による乾燥食品の歩留率は、特に制限されるものではなく、好ましくは15%以上である。下限値としては、より好ましくは25%以上であり、更に好ましくは35%以上であり、特に好ましくは40%以上である。
乾燥食品の歩留まり率が上記範囲となることにより、カリッとした食感とともに食欲をそそる褐色の色調を有した乾燥食品の製造が効率的であると判断することができる。
乾燥食品の水分活性とは、食品中の自由水の割合を数値で表したものである。水分活性値(AW)は、食品の保存性の指標となる。
本発明による乾燥食品の水分活性値は、特に制限されるものではなく、好ましくは0.20以上0.87未満である。下限値としては、より好ましくは0.30以上であり、更に好ましくは0.33以上であり、特に好ましくは0.35以上である。一方、上限値としては、より好ましくは0.55以下であり、更に好ましくは0.5以下であり、特に好ましくは0.45以下である。
乾燥食品の水分活性値が上記範囲となることにより、乾燥食品として望ましい保存性と食感を有していると判断することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
(鶏皮の処理)
生の国産鶏の鶏皮を、大きさ約4.0cm×8.0cm、厚さ約0.5cm程度にカットし、食塩、調味料、水などからなる調味液に60分間タンブリング処理をした。調味液処理した鶏皮を加熱処理や真空フライ処理を行った。
(常圧フライ処理)
鶏皮を、常圧フライ処理装置(MXF-076W、マルゼン社製)を用いて、常圧雰囲気下で、温度185℃の油に4分間浸漬させることで乾燥処理した。
(蒸煮処理)
鶏皮を、蒸煮処理装置(FSCC WE 61、フジマック社製)を用いて、95℃で8分加熱した。
(真空フライ処理)
鶏皮を、真空フライ処理装置(自社製)を用いて、40kPa以下となるように調整し、温度90℃の油に30分間浸漬させることで真空フライ処理した。
[実施例1]
鶏皮を常圧フライ処理した後に蒸煮処理してから、真空フライ処理を行った。
[実施例2]
鶏皮を常圧フライ処理してから、真空フライ処理を行った。
[実施例3]
鶏皮を蒸煮処理してから、真空フライ処理を行った。
[比較例1]
鶏皮を加熱処理せずに、真空フライ処理を行った。
(外観の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の外観に関する官能評価は、以下の基準で4人の訓練されたパネラーの目視により行った。
5:最も好ましい。
4:より好ましい。
3:好ましい。
2:あまり好ましくない。
1:好ましくない。
表1において、実施例1~3と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に加熱処理をすることにより乾燥食品の外観が好ましくなることがわかった。また、実施例1~3を比較すると、真空フライ処理前に蒸煮処理よりも常圧フライ処理をした乾燥食品の方が外観の向上が認められ、常圧フライ処理及び蒸煮処理した乾燥食品が最も好ましい外観となることが明らかとなった。
(食感の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の食感に関する官能評価は、以下の基準で4人の訓練されたパネラーが食べた時の感触により行った。
5:最も好ましい。
4:より好ましい。
3:好ましい。
2:あまり好ましくない。
1:好ましくない。
表2において、実施例1、2と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に常圧フライ処理をすることにより乾燥食品の食感が向上することがわかった。また、実施例1、2を比較すると、常圧フライ処理だけでなく蒸煮処理も併せて行うことにより、更に乾燥食品の食感が向上することが明らかとなった。
(形状の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の形状に関する官能評価は、以下の基準で4人の訓練されたパネラーが手に取り、丸まりを有した形状による掴みやすさ、食べやすさにより行った。
5:最も好ましい。
4:より好ましい。
3:好ましい。
2:あまり好ましくない。
1:好ましくない。
表3において、実施例1、2と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に常圧フライ処理をすることにより、乾燥食品の形状として好ましい丸まりを付与することができるという予想外の効果を発揮することがわかった。また、実施例1、2を比較すると、常圧フライ処理だけでなく蒸煮処理も併せて行うことにより、更に乾燥食品の丸まり度合が向上することが明らかとなった。
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の具体的な形状は、図1に示したとおりである。
(色調の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の色調は、色差計(CR-400、コニカミノルタセンシング社製)を用いて、検体ごとに3点のLab値により計測した。
なお、Lab値の算出は、検体ごとに3点の測定箇所の平均値により行った。
表4において、実施例1~3と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に加熱処理をすることにより乾燥食品の色調値が下がることがわかった。また、実施例1~3を比較すると、真空フライ処理前に蒸煮処理よりも常圧フライ処理をした乾燥食品の方が色調の低下が認められ、常圧フライ処理及び蒸煮処理した乾燥食品が最も低値となることが明らかとなった。このことから、真空フライ処理の前に加熱処理を行うことにより、乾燥食品として望ましい褐色を付与することができることが示された。
以上のことから、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法は、真空フライ処理前に加熱処理することにより、乾燥食品のカリッとした食感のみならず、外観、食感、形状、色調に関して総合的に優れた特長を付加できることが示された。さらに、真空フライ処理前の加熱処理としては、好ましくは蒸煮処理、更に好ましくは常圧フライ処理、特に好ましくは常圧フライ処理及び蒸煮処理の組み合わせであることが明らかとなった。これにより、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法は、カリッとした食感のみならず、外観、食感、形状、色調に関して総合的に優れた乾燥食品を提供できることがわかった。
(歩留まり率の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の歩留まり率は、加熱処理前の重量と真空フライ処理後の乾燥重量を測定し、加熱処理前の重量に対する加熱処理、真空フライ処理後の重量を百分率(%)により算出した。歩留まり率の計算式は、以下の式(1)のとおりである。
なお、歩留まり率の算出は、5検体の平均値により行った。
表5において、実施例1~3と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に加熱処理を行うと歩留まり率が低下することがわかった。これは、真空フライ処理のみ行った比較例は、乾燥食品が多くの油分を吸収するために見かけの歩留まり率が高くなったと考えられる。つまり、真空フライ処理前に加熱処理することにより、乾燥食品に含まれる余分な油分を除去できることが示された。
実施例1~3の歩留まり率の評価は、いずれも40%以上であることから、真空フライ処理前に加熱処理工程を追加しても十分な製造効率を保持できると認められた。
(水分活性の評価)
実施例1~3及び比較例1の乾燥食品の水分活性は、水分活性測定装置(AQUA LAB 4TE、デカゴン社製)を用いて測定した。水分活性測定装置を用いた測定は、乾燥食品を破砕処理した後に、検体を水分活性測定装置にセットして約15分間行った。
表6において、実施例1~3と比較例1を比較すると、真空フライ処理前に加熱処理をすることにより乾燥食品に含まれる水分活性値が高くなることがわかった。また、実施例1~3を比較すると、真空フライ処理前に蒸煮処理よりも常圧フライ処理をした乾燥食品の方が水分活性値の低下が認められ、常圧フライ処理及び蒸煮処理した乾燥食品が最も低値となることが明らかとなった。
実施例1~3の水分活性値の評価は、いずれも0.45以下であることから、保存性が高いと認められた。
以上のことから、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法は、真空フライ処理前に加熱処理することにより、歩留まり率、水分活性について望ましい特長を付加できることが示された。これにより、本発明の畜産物、水産物の乾燥食品の製造方法は、製造効率がよく、保存性を有する品位の高い乾燥食品を提供できることがわかった。
本発明によって、食品原料を真空フライ処理の前に加熱処理することで、乾燥食品の外観、食感、形状、色調を総合的に向上させることができる。従って、本発明は、商品価値が向上した様々な畜産物、水産物の乾燥食品を製造する際に利用することができる。

Claims (6)

  1. i)常圧フライ処理又は加圧フライ処理、及び、蒸煮処理の加熱処理を行う工程
    ii)真空フライ処理を行う工程
    上記工程を含むことを特徴とする、畜産物の乾燥食品の製造方法。
  2. 畜産物が、食肉であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥食品の製造方法。
  3. 畜産物が、鶏肉及び/又は鶏皮であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乾燥食品の製造方法。
  4. 加熱工程が、常圧フライ処理及び蒸煮処理の組み合わせであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾燥食品の製造方法。
  5. 真空フライを80℃~160℃の油温下で行うことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の乾燥食品の製造方法。
  6. 前記加熱処理が、常圧フライ処理又は加圧フライ処理をした後に蒸煮処理を行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の乾燥食品の製造方法。
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Citations (5)

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