JP7388705B2 - ヒートシールラベル - Google Patents

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本発明は、プラスチック容器の表面に貼られるヒートシールラベルに係り、特に、ラベルの貼り換えを防止したヒートシールラベルに関する。
一般に、食品や医療関連品を収容したプラスチック容器には、その内容物に関する情報を記載したラベルが貼着されている。このようなラベルとしては、容器への貼着に際し、接着剤を塗布する工程を必要とせず、また剥離紙を使用する必要のない、ディレードラベルやヒートシールラベルが知られている。
これらのラベルは、紙やプラスチックからなるラベル基材と、その裏面に塗布された感熱接着剤層とから構成され、熱を加えて感熱接着剤層の接着性を発現せしめ、プラスチック容器の所定の部位に圧着して冷却し、接着剤層を固化することにより、ラベルをプラスチック容器に貼着するものである。
食品や医療関連品は、滅菌のために高温に加熱処理する必要がある。例えば輸血用血液を収容した血液バッグは、滅菌のために120℃もの高温に加熱処理される。このような食品や医療関連品にディレードラベルを貼着した場合、ディレードラベルは、比較的低温で軟化して粘着力を発現し、かつ軟化・粘着力が長時間持続するディレードタック接着剤を用いているため、滅菌のため再加熱すると接着剤層が軟化し、それが長時間持続し、容易に剥離し易くなる。また、固化後も接着力が低下し、ラベルを剥離しようとすると、ラベル全体が剥離されてしまう。
意図的に剥離されたラベルは他のラベルと貼り換えられ、即ち、ラベルが改ざんされるという問題が生ずる。このことは、血液型等を記載した血液バッグにおいて特に極めて重大な結果をもたらす。
従って、ディレードラベルは、加熱処理を必要とする食品容器や医療関連品には適さない。そこで、これらプラスチック容器のラベルとしては、高温で軟化し、短時間で固化し、剥離しないヒートシール剤を用いたヒートシールラベルを用いることが考えられる。
また、血液バッグは冷凍保存されるが、解凍時の水ぬれによる破損を防止するため、ラベル基材としては、紙ではなく、プラスチックシートが使用される。しかし、ラベル基材としてプラスチックシートを用いたラベルは、紙に比べ強度が高いため、力を加えることにより剥離しようとすると、破壊されることなくそのまま剥離されてしまうという問題があり、上述した他のラベルとの貼り換え、ラベルの改ざんの問題が生ずる。
このようなことを防止するため、JIS規格では、血液成分分離バッグのラベルについて、「ラベルを剥がそうとしたときには、ラベルが破壊されなければならない。」と定めている(非特許文献1)。
しかし、ラベル基材としてプラスチックシートを用い、接着剤としてヒートシール接着剤を用いたラベルであって、このような規格を満たすラベルはこれまで見出されていない。特許文献1には、感熱性接着剤を用いた血液バッグラベルが記載されているが、感熱性接着剤としてどのようなものを使用しているのか、具体的には何ら記載されていない。
特許第3404573号公報
JIS T 3217
本発明は、以上のような事情の下になされ、剥離しようとすると全体が剥離されることなく破壊され、多くの部分がプラスチック容器に残留する、他のラベルとの貼り換え、改ざんを防止したヒートシールラベルを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の一態様は、加熱処理されるプラスチック容器に貼着されるヒートシールラベルであって、表面にプラスチック容器の収容物に関する情報が記載されるプラスチック基材と、このプラスチック基材の裏面にヒートシール剤を塗布することにより形成されたヒートシール層とを具備し、前記プラスチック基材は、10~70%の気泡率を有するという条件(1)及び10~60%の無機充填材を含むという条件(2)のいずれか又は双方の条件を満たし、前記ヒートシール剤は、120℃の加熱処理においても、ヒートシールラベルが剥離しない接着力を有する耐熱性ヒートシール層を形成するヒートシール剤であり、常温で、ヒートシールラベルを剥離しようとするとヒートシールラベル全体が剥離されることなく破壊され、ヒートシールラベルが部分的にプラスチック容器表面に残留することを特徴とするヒートシールラベルを提供する。
以上のように構成されるヒートシールラベルにおいて、前記ヒートシール剤として、温度120℃、及び引き剥がし速度600mm/分での条件で行われるタック試験によって観測されるタック力が200gf以上であるものを用いることが出来る。
このようなヒートシール剤として、水性エマルジョン系ヒートシール剤を用いることが出来る。また、水性エマルジョン系ヒートシール剤は、オレフィン共重合体を含むものとすることが出来る。
易破壊性構造を有するプラスチック基材として、ミシン目が設けられているものを用いることが出来る。また、易破壊性構造を有するプラスチック基材として、裏面に表面に突き抜けないスリットが設けられているものを用いることが出来る。
プラスチック容器は、血液バッグとすることが出来る。また、プラスチック容器は、食品を収容する容器とすることが出来る。
以上のヒートシールラベルにおいて、プラスチック基材の厚さを、40μm~110μmとすることが出来る。また、ヒートシール層の厚さを、10μm~25μmとすることが出来る。
本発明によると、剥離しようとすると全体が剥離されることなく破壊され、多くの部分がプラスチック容器に残留する、他のラベルとの貼り換え、改ざんを防止することが可能なヒートシールラベルが提供される。
本発明の一実施形態に係るヒートシールラベルの断面図及び平面図である。 本発明の他の実施形態に係るヒートシールラベルの断面図である。 本発明の一実施形態に係るヒートシールラベルが貼着された血液バッグを示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るヒートシールラベルは、加熱処理されるプラスチック容器に貼着されるものであって、図1(a)に断面を、図1(b)に上面を示すように、ヒートシールラベル1は、プラスチック基材2と、このプラスチック基材2の裏面に設けられたヒートシール層3とを備えている。
ヒートシールラベル1が貼着されるプラスチック容器としては、例えば、食品を収容するプラスチック容器や、血液を収容する血液バッグのような医療関連容器が挙げられる。これらのプラスチック容器はいずれも滅菌処理のために加熱処理が施される。血液バッグの滅菌処理は、例えば120℃もの高温で行われる。従って、ヒートシール層3を構成するヒートシール剤は、滅菌処理によってもラベル全体が剥離しない接着強度を有するものである必要がある。
このヒートシールラベル1のプラスチック基材2の表面には、図1(b)に示すように、プラスチック容器の収容物に関する情報が記載される。例えば、プラスチック容器が食品を収容する場合には、食品の名称、産地、製造元、賞味期限等が記載される。また、医療用容器、例えば、血液を収容する血液バックの場合には、以下のような、JIS T 3217に記載されている情報が記載される。
a)製造販売業者の名称及び住所
b)採取される血液及び血液成分の容量(mL)又は質量(g)
c)滅菌の状態を明示する記載
d)ロット表示
e)再使用禁止であることの指示
f)外観で以上が認められた場合は使用しないことの指示
g)使用説明書等を参照する旨
プラスチック基材2は、ヒートシールラベル1が意図的に剥離され、他のラベルと貼り換えられること、即ち、ラベルが改ざんされるのを防止するため、意図的に剥離しようとすると容易に破壊される特性、即ち易破壊性を有することが必要である。
なお、プラスチック基材2が易破壊性を有する、即ち、ラベルを剥離しようとすると容易に破壊されるとは、ラベルの端部を掴み、力を加えて引き剥がそうとしたときに、ラベル全体が剥がれることなく、その一部が除去されるだけで、多くは、例えば80%はプラスチック容器に接着されたまま残留し、ラベルが破損した外観となり、ラベルの貼り替えが不可能となることを意味する。また、破壊されるとは、不規則に破壊されるだけでなく、あらかじめプラスチック基材2にミシン目を形成することにより、規則的に破壊されることも意味する。
或いはまた、図2に示すように、プラスチック基材2の端部の裏面に部分的にスリット4を形成することにより、ラベルを剥離しようとしたときに、スリット4に沿ってラベルが破壊され、即ち、スリット4がプラスチック基材2の破壊を助長して、ラベル全体の剥離を防止するようにすることもできる。この場合、スリット4をプラスチック基材2の表面まで突き抜けるように形成すると、表面の印刷に支障が生ずるので、図2に示すように、表面まで突き抜けずに断面の途中までカットされたスリット4を形成することで、印刷への悪影響を防止することが出来る。
プラスチック基材2の材質としては、一般にラベルに用いられるものを使用可能である。そのような材質の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロースプロピオネート、ナイロン、ポリスチレン、(ポリ塩化ビニル)等を挙げることが出来る。これらは、プラスチック容器の材質に適合するものを適宜選択することができる。例えば、プラスチック容器の材質がポリ塩化ビニルである場合には、プラスチック基材2の材質として、ポリ塩化ビニル、(ポリエチレン、ポリプロピレン)等を用いることが好ましい。
これらの材質のプラスチック基材2が易破壊性を有するために、通常のプラスチックシートに含まれる割合を超える高い割合の気泡率を有するものとすることができる。この場合の気泡率は、10~70%であるのが好ましい。より好ましくは20~60%である。気泡率が10%未満では、ラベルを剥離しようとした場合にラベルが破壊されにくくなり、気泡率が70%を超えると、プラスチックシートが成形しにくくなる。なお、気泡は、プラスチックシートを延伸処理することにより形成される。また、プラスチック基材2が後述する無機充填材を含有する場合、延伸処理の際に無機充填材が核となって気泡が形成されやすくなる。
気泡率は、延伸処理の温度、時間、応力、延伸倍率、無機充填剤の量等を適宜調整することにより所定の値に制御することができる。
プラスチック基材2の内部に気泡があることは、断面の電子顕微鏡観察により確かめることができる。なお、本発明におけるプラスチック基材2の気泡率は、次式(1)で表される。
気泡率(%)=100×(ρ0 -ρ)/ρ0 ・・・(1)
(式中、ρ0 :樹脂フィルムの非気泡部分の密度、ρ:樹脂フィルムの密度)
プラスチック基材2の気泡率は、断面の電子顕微鏡写真を観察した領域に気泡が占める面積割合(%)により求められ、この値は上記式(1)により表される値と同一である。
気泡が占める面積割合は、具体的には、プラスチック基材2をエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いてフィルムの厚さ方向に対して平行かつ面方向に垂直にフィルムを切断し、この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡により、観察しやすい任意の倍率、例えば500倍から2000倍に拡大して観察したり、電子顕微鏡像を撮影して画像解析することにより求めることもできる。
上記画像解析により求める方法では、例えば、気泡部分をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、気泡の面積割合(%)を求めて気泡率とすることもできる。
また、プラスチック基材2が樹脂フィルムを表面に有する積層体である場合には、この積層体から樹脂フィルムを取り除いた部分の厚さと坪量(g/m2 )よりプラスチック基材2の厚さと坪量を算出し、これより密度(ρ)を求め、さらに構成成分の組成より非気泡部分の密度(ρ0)を求めて、上記式(1)により求めることもできる。
或は、これらの材質のプラスチック基材2が易破壊性を有するものであるために、無機充填材を含有するものとすることができる。この場合の無機充填材の量は、プラスチック基材の重量の10~60重量%であるのが好ましい。より好ましくは15~50重量%である。無機充填材の量が10重量%未満では、ラベルを剥離しようとした場合にラベルが破壊されにくくなり、60重量%を超えると、プラスチックシートが成形しにくくなる。
無機充填材としては、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質粉、鉄、鉛、Al等の金属粉、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ等の酸化物粉、AlN、BN、BeO、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硼酸亜鉛等の金属化合物粉を用いることが出来る。これら無機充填材は、プラスチック基材の材質にあわせて適宜選定することができる。中でも延伸により気泡を形成しやすいことから、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましい。
或はまた、プラスチック基材2が易破壊性を有するためには、上記気泡率及び無機充填材の量の条件の双方を兼ね備えるものとすることができる。
なお、プラスチック基材2は、多層フィルムであっても良い。層の数は2層~9層であることができる。また、前期方法で各層の気泡率を算出したとき、もっとも気泡率が高い層の厚さがプラスチック基材の厚さに対して20~99%であることが望ましい。
次に、上述したプラスチック基材2の裏面に設けられるヒートシール層3を構成するヒートシール剤について説明する。
ヒートシール層3は、ヒートシール剤をプラスチック基材2の裏面に塗布することにより形成される。ヒートシール層3は、加熱することにより軟化し、プラスチック容器との接触面に融着し、冷却することにより硬化して、ヒートシールラベル1をプラスチック容器に強固に接合する。
上述したように、ヒートシールラベル1が貼着されるプラスチック容器は、高温で熱処理、例えば120℃で滅菌処理される必要があることから、ヒートシール剤は、そのような熱処理によっても強い接着強度を維持し、意図的にラベルを剥離しようとしても、ラベル全体が剥離されることのない強い接着強度を有する必要がある。熱処理によってラベル全体が剥離してしまうのでは、他のラベルと容易に貼り換えられ、ラベルが改ざんされる可能性がある。熱処理を経てもラベル全体が剥離しない接着強度を有するヒートシール剤を用いた場合には、ラベルを剥離しようとするとラベルが容易に破壊され、他のラベルとの貼り換えが防止される。
本発明において使用可能なヒートシール剤としては、オレフィン共重合体を含むポリオレフィン系、又はポリアミド系等の、例えば水性エマルジョン系のヒートシール剤を挙げることが出来る。
また、これらのヒートシール剤のうち、プラスチック容器の材質に適合するものを用いることが望ましい。
以上説明したヒートシール剤の接着強度は、タッキング試験により測定されたタック力により表すことが出来る。タッキング試験は、タッキング試験装置を用いて行われ、所定の温度に加熱された測定プローブを、所定の接触速度及び接触荷重で、ヒートシール剤が塗布されたサンプルに押し付け、所定の接触時間後に所定のひきはがし速度でひきはがし、それに要する力をタック力として測定するものである。
本発明の好ましい態様に用いられるヒートシール剤では、温度120℃、及び引き剥がし速度600mm/分での条件で行われるタック試験によって観測されるタック力が200gf以上であることが望ましい。
以上のように構成されるヒートシールラベル1は、食品容器や医療用容器のようなプラスチック容器に貼着される。図3は、ヒートシールラベル1が貼着された血液バッグ11を示す。血液バッグ11は、ポリ塩化ビニルからなり、その上面には、ヒートシールラベル1が貼着されている。ヒートシールラベル1の表面には、上述したように、血液バッグの内容物を識別する様々な情報が記載されている。これらの情報は、文字、数字、記号、またはバーコードとして印刷されている。また、空白が設けられていて、後に情報を書き入れることができる。
ヒートシールラベル1の血液バッグ11への貼着は、ヒートシールラベル1をヒートシール材の粘着性が発現する温度、例えば100℃に加熱した後、血液バッグ11の表面に押圧し、冷却してヒートシール層3を固化することにより行うことが出来る。
このようにしてヒートシールラベル1が貼着された血液バッグ11は、滅菌のため、例えば120℃に加熱処理されても、固化した後は高い接着強度を維持するため、故意に剥離しようとしてもラベル全体が剥離することはない。また、用いたプラスチック基材2は、気泡率が高いため(或は多量の充填材を含むため)、故意に剥離しようとすると、プラスチック基材2が破壊され、多くの部分が血液バッグ11に残留してしまう。そのため、他のラベルとの貼り換え、改ざんを防止することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
なお、実施例1~3では感熱接着剤として水性エマルジョン系ヒートシール剤(商品名:NX1914、東立化成工業(株)製)、実施例4では感熱接着剤として水性エマルジョン系ヒートシール剤(商品名:NX1913、東立化成工業(株)製)を用い、比較例1では、感熱接着剤としてディレードタック接着剤(商品名Q202PPNTSシールC、(東洋インキ(株)製)を用いた。これらの感熱接着剤のタック力をタッキング試験機(株式会社レスカ製)を用いて測定した。測定条件は、下記の通りである。
接触速度:120mm/分
接触荷重:100gf/cm
接触時間:60秒
引きはがし速度:600mm/分
プローブ温度:100℃、110℃、120℃
測定結果を下記表1に示す。
Figure 0007388705000001
上記表1から、水性エマルジョン系ヒートシール剤であるNX1914及びNX1913は、100℃、110℃、120℃のいずれの温度においても、引きはがし速度600mm/分において378gf以上の高いタック力を示している。これに対し、ディレードタック接着剤であるQ202PPNTSシールCは、100℃、110℃、120℃のいずれの温度においても、引きはがし速度600mm/分において173gf以下の低いタック力しか示していない。
なお、本願発明に用いるヒートシール剤は、引きはがし速度600mm/分において200gf以上のタック力を示すものであることが望ましい。
実施例1
厚さ80μm、一辺5cmの正方形状のポリプロピレンの2軸延伸フィルムからなるプラスチック基材を準備した。このプラスチック基材の気泡率は35%、充填材含有量は30重量%であった。
このプラスチック基材の裏面にヒートシール剤として水性エマルジョン系ヒートシール剤(商品名:NX1914、東立化成工業(株)製)を塗布し、乾燥してヒートシール層を形成し、ヒートシールラベルを得た。
得られたヒートシールラベルを加熱した後、ポリ塩化ビニルシートに貼付け、加圧し、冷却し、ラベル付シートサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理したが、固化したヒートシール剤が剥離することはなかった。また、この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張り、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、80%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
実施例2
プラスチック基材として、厚さ100μm、気泡率50%、充填材含有量40重量%のものを用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、90%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
実施例3
プラスチック基材として、厚さ45μm、気泡率20%、充填材含有量15重量%のものを用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、70%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
実施例4
プラスチック基材として、厚さ60μm、気泡率60%、充填材含有量55重量%のものを用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、95%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
実施例5
厚さ100μm、一辺5cmの正方形状のポリプロピレンからなるプラスチック基材を準備した。このプラスチック基材は3層の積層構造を有し、第1の層は厚さ20μm、気泡率30%、充填材含有量45重量%であり、第2の層は厚さ60μm、気泡率20%、充填材含有量20%であり、第3の層は厚さ20um、気泡率は20%、充填材含有量は45重量%であり、この順に積層されている。このプラスチック基材は、第1の層及び第3の層は一軸に延伸され、第2の層は二軸に延伸されている。
このプラスチック基材の第3の層の上にヒートシール剤として水性エマルジョン系ヒートシール剤(商品名:NX1914、東立化成工業(株)製)を塗布し、乾燥してヒートシール層を形成し、ヒートシールラベルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、85%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
実施例6
ヒートシール剤として水性エマルジョン系ヒートシール剤(商品名:NX1913、東立化成工業(株)製)を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊され、一部が除去されただけで、70%の多くの部分はポリ塩化ビニルシートに残留した。
比較例1
プラスチック基材として、厚さ80μm、気泡率5%、充填材含有量5重量%のものを用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理した。この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊されることはなく、更に強い力で剥がそうとしたところ、ラベル全体が剥離された。
比較例2
接着剤としてディレードタック接着剤(商品名Q202PPNTSシールC、東洋インキ(株)製)を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてヒートシールラベルサンプルを得た。
このラベル付シートサンプルを120℃で加熱処理したところ、ヒートシール剤は軟化してしまった。また、この加熱処理されたラベル付シートサンプルについて、ラベルの端部を爪で剥がし、引張し、剥がそうとしたところ、ラベルは破壊されることはなく、ラベル全体が剥離された。
1…ヒートシールラベル
2…プラスチック基材
3…ヒートシール層
4…スリット
11…血液バッグ

Claims (10)

  1. 加熱処理されるプラスチック容器に貼着されるヒートシールラベルであって、表面にプラスチック容器の収容物に関する情報が記載されるプラスチック基材と、このプラスチック基材の裏面にヒートシール剤を塗布することにより形成されたヒートシール層とを具備し、
    前記プラスチック基材は、20~60%の気泡率を有するという条件(1)及び15~55%の無機充填材を含むという条件(2)の双方の条件を満たし、
    前記ヒートシール剤は、120℃の加熱処理においても、ヒートシールラベルが剥離しない接着力を有する耐熱性ヒートシール層を形成するヒートシール剤であり、
    常温で、ヒートシールラベルを剥離しようとするとヒートシールラベル全体が剥離されることなく破壊され、ヒートシールラベルが部分的にプラスチック容器表面に残留することを特徴とするヒートシールラベル。
  2. 前記ヒートシール剤は、温度120℃、及び引き剥がし速度600mm/分での条件で行われるタック試験によって観測されるタック力が200gf以上であることを特徴とする請求項1記載のヒートシールラベル。
  3. 前記ヒートシール剤は、水性エマルジョン系ヒートシール剤であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシールラベル。
  4. 前記水性エマルジョン系ヒートシール剤は、オレフィン共重合体を含むことを特徴とする請求項3に記載のヒートシールラベル。
  5. 記プラスチック基材は、ミシン目が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
  6. 記プラスチック基材は、裏面に表面に突き抜けないスリットが設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
  7. 前記プラスチック容器は、血液バッグであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
  8. 前記プラスチック容器は、食品を収容する容器であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
  9. 前記プラスチック基材の厚さは、75μm~85μmであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
  10. 前記ヒートシール層の厚さは、10μm~25μmであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のヒートシールラベル。
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