JP7388119B2 - 光学用窓材、光学用窓材の製造方法、光学部材、及び光学部材の製造方法 - Google Patents

光学用窓材、光学用窓材の製造方法、光学部材、及び光学部材の製造方法 Download PDF

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本発明は、光学用窓材、光学用窓材の製造方法、光学部材、及び光学部材の製造方法に関する。
例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるように、光センサ等の光学デバイスを収容する筐体の開口部を封止する光学用窓材が知られている。
特開2005-079146号公報 特開2013-219237号公報
光学用窓材は、例えば、ガラス基板、サファイア基板等の透明基板と、透明基板の主面に設けられた接合部分としての金属膜とを備えており、取付対象物と金属膜との間に半田プリフォームを配置した状態にて、半田プリフォームを溶融及び固化させることにより取付対象物に接合される。透明基板がガラス基板である光学用窓材に対して上記の接合方法を適用した場合、ガラス基板に割れが生じることがあった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学用窓材を接合する際に生じるガラス基板の割れを抑制することにある。
上記課題を解決する光学用窓材は、ガラス基板と、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面に設けられた平面視枠形状の金属膜とを備える光学用窓材であって、前記金属膜の内周辺は、径方向内側に相対的に突出する複数の凸部と、径方向外側に相対的に凹む複数の凹部とを有する。
本発明者らは、光学用窓材を接合する際に生じるガラス基板の割れの原因が、溶融した半田プリフォームが固化する際の収縮時にガラス基板に作用する応力にあることを見出した。
上記構成によれば、例えば、半田プリフォーム等の接合材を用いて、取付対象物の環状の端面に光学用窓材を接合する際に、取付対象物の端面の内周辺に対して、金属膜の内周辺が径方向内側に突出する部分と、径方向外側に凹む部分とを容易に設けることができる。取付対象物の端面の内周辺に対して、金属膜の内周辺が径方向内側に突出する部分においては、半田の固化時の収縮によって、ガラス基板には、径方向外側に向かう引張応力が作用する。一方、取付対象物の端面の内周辺に対して、金属膜の内周辺が径方向外側に凹む部分においては、半田の固化時の収縮によって、ガラス基板には、径方向内側に向かう圧縮応力が作用する。ガラス基板に対して上記の引張応力及び圧縮応力の両方を作用させて、引張応力及び圧縮応力を相殺させることにより、ガラス基板に作用する応力を小さくできる。その結果、光学用窓材を接合する際に生じるガラス基板の割れが抑制される。
前記金属膜の内周辺における前記凸部の頂辺と前記凹部の底辺との径方向の間隔が50μm以上150μm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、上記の引張応力及び圧縮応力を相殺させることにより、ガラス基板に作用する応力を小さくできる効果がより顕著に得られる。また、半田プリフォームを用いて、取付対象物の環状の端面に光学用窓材を接合する際に、取付対象物の端面の内周辺に対して、金属膜の内周辺が径方向内側に突出する部分と、径方向外側に凹む部分とを設けることが更に容易になる。
前記凸部及び前記凹部は前記内周辺において周方向に交互に形成され、前記金属膜の内周辺における互いに隣接する前記凸部と前記凹部との周方向のピッチが2度以上90度以下であることが好ましい。
上記構成によれば、半田が固化する際の収縮によりガラス基板に作用する応力を好適に分散させることができ、部分的に過度な引張応力F1が作用することを抑制できる。
上記光学用窓材の製造方法は、前記金属膜の内周辺の凹凸形状に対応する凹凸形状を有するマスクパターンを用いて、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面側に前記金属膜を成膜する。
上記構成によれば、内周辺に凸部及び凹部を有する金属膜を容易に成膜できる。
上記課題を解決する光学部材は、上記光学用窓材と、環状の端面を有する取付対象物と、前記光学用窓材の前記金属膜と前記取付対象物の前記端面とを接合する半田層とを備える。
前記半田層は、前記光学用窓材の厚み方向に見た場合に前記金属膜の内周形状に沿った内周形状を有することが好ましい。
上記光学部材の製造方法は、前記枠材の前記端面に、半田プリフォームを介して前記光学用窓材を配置し、前記半田プリフォームを溶融及び固化させることにより、前記取付対象物に前記光学用窓材を接合する接合工程を有し、前記接合工程において、前記金属膜の内周辺における前記凸部の少なくとも一部及び前記凹部の少なくとも一部がそれぞれ、前記取付対象物の前記端面の内周辺よりも径方向内側及び径方向外側に位置するように、前記光学用窓材を配置する。
本発明によれば、光学用窓材を接合する際に生じるガラス基板の割れを抑制できる。
光学用窓材の平面図。 図1の2-2線断面図。 図1のA部分の部分拡大図。 光学部材の断面図。 光学用窓材の製造方法を示すフロー図。 光学部材の製造方法の説明図。 (a)~(d)は、変更例の光学用窓材の平面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、光学用窓材10は、第1主面11a及び第1主面11aの反対側の第2主面11bを有するガラス基板11を備えている。ガラス基板11の外形としては、例えば、平面視で円形状、多角形状等が挙げられる。図面においては、一例として、外形が六角形状のガラス基板11を用いた場合を図示している。ガラス基板11の厚さは、例えば、0.1mm以上1mm以下の範囲内であることが好ましく、0.2mm以上0.5mm以下の範囲内であることがより好ましい。また、本実施形態において、ガラス基板11の一辺の長さは0.9mm以上、2.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
ガラス基板11の端面11cは、酸によるエッチング処理されたエッチング面であることが好ましく、角部が面取りされたエッチング面であることがより好ましい。エッチング処理に用いる酸としては、例えば、フッ酸、フッ酸と硫酸の混酸が挙げられる。
ガラス基板11は、その中央側に位置する第1領域R1と、第1領域R1の外周側に位置する第2領域R2とを有している。第1領域R1は、光を透過させる光透過部として用いられる領域であり、例えば、ガラス基板11の中心線P1を中心とする円形状の領域である。第2領域R2は、光学用窓材10の取り付け等に用いられる領域である。
ガラス基板11の第1主面11a及び第2主面11bにおける第1領域R1の全体及び第2領域R2の中心線P1側の部分には、反射防止膜12が設けられている。反射防止膜12は、周知の誘電体多層膜から構成することができる。
誘電体多層膜は、高屈折率膜と、高屈折率膜よりも屈折率が低い低屈折率膜とを交互に積層した構造を有する。高屈折率膜としては、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化タングステン、及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。低屈折率膜としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
誘電体多層膜において、高屈折率膜と低屈折率膜との合計積層数は、例えば、2層以上、60層以下である。なお、高屈折率膜から低屈折率膜に向けて屈折率が漸減または漸増する漸移層を高屈折率膜と低屈折率膜との間に設けてもよい。また、誘電体多層膜からガラス基板11に向けて屈折率が漸減または漸増する漸移層をガラス基板11と誘電体多層膜との間に設けてもよい。また、誘電体多層膜の積層構造では、高屈折率膜と低屈折率膜以外にも、屈折率が高屈折率膜よりも小さく、かつ、低屈折率膜よりも大きい中屈折率膜を設けてもよい。
ガラス基板11の第1主面11aに設けられた反射防止膜12における第1領域R1上に位置する部分の表面である第1領域表面は、表面粗さRaが小さい平滑面である。第1領域R1の表面粗さRaは、例えば、0.2nm以上5nm以下の範囲内である。
ガラス基板11の第1主面11aの第2領域R2における反射防止膜12が設けられていない部分の表面と、第1主面11aに設けられた反射防止膜12における第2領域R2上に位置する部分の表面とからなる第2領域表面は、粗面化された表面であり、第2領域表面の表面粗さRaは、第1領域表面の表面粗さRaよりも大きい。第2領域表面の表面状態は、例えば、ブラスト加工した砂目状を呈している。なお、反射防止膜12は、ガラス基板11の全面に形成してもよい。この場合の第2領域表面の表面粗さRaは第1領域R1と同じ0.2nm以上5nm以下の範囲内となる。
ガラス基板11の第1主面11a側には、金属膜13が設けられている。金属膜13は、ガラス基板11側から順に、密着層、中間層、及び表層の三層から構成される(図示略)。密着層に用いられる金属としては、例えば、Cr、Ta、W、Ti、Mo、Ni、Pt等が挙げられる。中間層に用いられる金属としては、例えば、Ni、Pt、Pd、W等が挙げられる。表層に用いられる金属としては、例えば、Au、Ag、Pt等が挙げられる。金属膜13に用いられる金属は、単体であってもよいし、合金であってもよい。なお、金属膜13の構成は上記に限らず、単層、2層、或いは4層以上の層構成としてもよい。
金属膜13は、全体の厚みの最大値が3μm以下の薄膜であり、好ましくは0.4μm以上2.5μm以下である。
金属膜13は、ガラス基板11の第1主面11a側の粗面化された第2領域表面の上に形成されるとともに、ガラス基板11及び反射防止膜12に跨る連続した枠形状に形成されている。したがって、金属膜13は、ガラス基板11の第1主面11aに接合される第1接合部13aと、反射防止膜12に接合される第2接合部13bとを有し、第1接合部13aと第2接合部13bとが連続した構造をなしている。なお、反射防止膜12を全面に形成している場合、金属膜13は、粗面化された反射防止膜12上に形成される。
金属膜13の外周辺13cは、平面視において、ガラス基板11の外周縁に沿った形状であるとともに、ガラス基板11の外周縁よりも内側に位置する。ガラス基板11の外周縁と金属膜13の外周辺13cとの間隔Dは、例えば、0.01mm以上0.1mm以下の範囲内である。
金属膜13の内周辺13dは、全体としてガラス基板11の中心線P1を中心とする略円形状をなし、径方向に変化する凹凸を有している。詳述すると、内周辺13dは、中心線P1を中心とする仮想円Cよりも径方向内側に相対的に突出する複数の凸部14と、仮想円Cよりも径方向外側に相対的に凹む複数の凹部15とを有し、凸部14及び凹部15が周方向に交互に配置されている。
図1及び図3に示すように、各凸部14は全て同一形状であり、中心線P1を中心とする円弧状の頂辺14aと、頂辺14a側に向かって徐々に径方向内側に変化するように傾斜する直線状の側辺14bとを有する。各凹部15は全て同一形状であり、中心線P1を中心とする円弧状の底辺15aと、底辺15aに向かって徐々に径方向外側に変化するように傾斜する直線状の側辺15bとを有する。凹部15の側辺15bは、隣接する凸部14の側辺14bの延長線上に位置している。
凸部14の頂辺14aと凹部15の底辺15aとの径方向の間隔Hは、例えば、50μm以上150μm以下の範囲内であることが好ましく、75μm以上125μm以下の範囲内であることがより好ましい。
また、凸部14の頂辺14aと仮想円Cとの径方向の間隔は、例えば、25μm以上175μm以下の範囲内であることが好ましく、37.5μm以上62.5μm以下の範囲内であることがより好ましい。凹部15の底辺15aと仮想円Cとの径方向の間隔は、例えば、25μm以上175μm以下の範囲内であることが好ましく、37.5μm以上62.5μm以下の範囲内であることがより好ましい。
凸部14及び凹部15は、周方向において一定のピッチにて交互に配置されている。上記ピッチθ、すなわち隣接する凸部14と凹部15との周方向の角度間隔は、例えば、中心線P1を中心として、2度以上90度以下の範囲内であることが好ましく、15度以上45度以下の範囲内であることがより好ましい。
凸部14の周方向の長さL1は、例えば、0.2mm以上2.0mm以下の範囲内であることが好ましく、0.8mm以上1.6mm以下の範囲内であることがより好ましい。凹部15の周方向の長さL2は、例えば、0.2mm以上2.0mm以下の範囲内であることが好ましく、0.8mm以上1.6mm以下の範囲内であることがより好ましい。
また、平面視において、内周辺13dの凸部14と仮想円Cとにより囲まれる領域の面積の合計は、内周辺13dの凹部15と仮想円Cとにより囲まれる領域の面積の合計に等しいことが好ましい。
次に、図4を参照して、光学用窓材10を備える光学部材20について説明する。
光学部材20は、レーザーモジュール、光センサ、撮像素子、光スイッチ等の光学デバイスにおける筐体の窓部を構成する一部品として用いられる。
光学部材20は、筒状部21aを有する枠材21と、筒状部21aの環状の端面22を封止する光学用窓材10とを備えている。枠材21を構成する材料としては、例えば、Kovar(登録商標)、Fe-Ni-Co合金、Cu-W合金、AlN等の金属材料が挙げられる。
光学用窓材10は、金属膜13の部分において、半田層30を介して枠材21の筒状部21aの端面22に接合されて、筒状部21aの端面22を気密に封止する。半田層30は、例えば、Au-Sn合金、Sn-Ag-Cu合金、Pb-Sn合金、Au-Ge合金等から構成され、市販される半田材料を溶融及び固化したものを用いることができる。
筒状部21aの端面22は環状であり、その内周辺23は円形状である。ここで、金属膜13の内周辺13dにおける上記仮想円Cは、筒状部21aの端面22の内周辺23に一致するように設定されている。そして、光学部材20において、光学用窓材10は、その中心線P1が、筒状部21aの端面22の内周辺23の中心線P2に一致するように取り付けられている。
そのため、図4の右側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dの凸部14の頂辺14aは、端面22の内周辺23よりも径方向内側に位置している。図4の左側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dの凹部15の底辺15aは、端面22の内周辺23よりも径方向外側に位置している。
次に、図5を参照して、光学用窓材10の製造方法について説明する。
光学用窓材10の製造方法では、まず、ガラス基板11の第1主面11a及び第2主面11bに反射防止膜12としての誘電体多層膜を成膜する反射防止膜形成工程S1を行う。誘電体多層膜の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンアシスト又はイオンプレーティングを用いた真空蒸着法、及びCVD法が挙げられる。これらの成膜方法の中でも、各層の厚さを高精度で制御することができるとともに、安定した膜質の誘電体多層膜が得られることから、イオンアシストを用いた真空蒸着法、又はスパッタリング法が好ましい。ガラス基板11における所定の位置に反射防止膜12を形成するには、ガラス基板11の第1主面11a及び第2主面11bの外周縁部分を覆うマスクパターンを用いればよい。
次に、反射防止膜12が形成されたガラス基板11の第1主面11a側の第2領域表面を粗面化する粗面化工程S2を行う。粗面化する方法としては、例えば、第1領域表面を覆うマスクパターンを用いたブラスト加工、エッチング加工が挙げられる。
次に、反射防止膜12が形成されたガラス基板11の第1主面11a側の第2領域表面に金属膜13を成膜する金属膜形成工程S3を行う。金属膜13の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンアシスト又はイオンプレーティングを用いた真空蒸着法、及びCVD法が挙げられる。金属膜形成工程S3では、金属膜13の内周辺13dの凹凸形状に対応する凹凸形状を有するマスクパターンを用いる。すなわち、第1主面11a及び第2主面11bに反射防止膜12を設けたガラス基板11の第1主面11a側の中央部分に、上記マスクパターンを載せた状態として、金属膜13を成膜する。
反射防止膜形成工程S1、粗面化工程S2、及び金属膜形成工程S3を順に経ることにより光学用窓材10が製造される。
次に、図6を参照して、光学部材20の製造方法について説明する。
光学部材20の製造においては、まず、半田プリフォーム31を間に挟んで、枠材21の筒状部21aの端面22と、光学用窓材10の金属膜13とが対向するように、枠材21と光学用窓材10と半田プリフォーム31とを組み立てる。このとき、光学用窓材10の中心線P1と、筒状部21aの端面22の内周辺の中心線P2とが一致するように、光学用窓材10を配置する。その後、加熱処理及び冷却処理を順に行い、半田プリフォーム31を溶融及び固化させることにより、枠材21の筒状部21aの端面22に光学用窓材10を接合する。
半田プリフォーム31は、半田材料を端面22に係合するリング状に予め成形加工した部材である。半田プリフォーム31は、例えば、Au-Sn系半田、Sn-Ag系半田、Pb-Sn系半田、Au-Ge系半田などの半田材料により構成される。
なお、溶融した半田プリフォーム31は、金属膜13の表面及び枠材21の筒状部21aの端面22に沿って濡れ広がった後に固化することにより、凹凸形状の内周辺13dを有する金属膜13のパターン、及び枠材21の筒状部21aの端面22に沿った形状の半田層30となる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
光学用窓材10の金属膜13の内周辺13dは、径方向内側に相対的に突出する複数の凸部14と、径方向外側に相対的に凹む複数の凹部15とを有している。これにより、例えば、半田プリフォーム31を用いて、枠材21の筒状部21aの端面22に光学用窓材10を接合する際に、筒状部21aの端面22の内周辺23に対して、金属膜13の内周辺13dが径方向内側に突出する部分と、径方向外側に凹む部分とを容易に設けることができる。
詳述すると、図4の右側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dの凸部14は、筒状部21aの端面22の内周辺23よりも径方向内側に突出して位置しやすくなる。また、図4の左側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dの凹部15は、筒状部21aの端面22の内周辺23よりも径方向外側に凹んで位置しやすくなる。
ここで、光学用窓材10の接合時において、溶融した半田プリフォーム31が固化する際、半田は、筒状部21aの端面22側に向かって収縮する。そのため、図4の右側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dが筒状部21aの端面22の内周辺23よりも径方向内側に突出していると、半田の収縮によって、ガラス基板11には、径方向外側に向かう引張応力F1が作用する。一方、図4の左側部分に示すように、金属膜13の内周辺13dが筒状部21aの端面22の内周辺23よりも径方向外側に凹んでいると、半田の収縮によって、ガラス基板11には、径方向内側に向かう圧縮応力F2が作用する。そして、溶融した半田プリフォーム31が固化する際にガラス基板11に作用する応力が引張応力F1に偏ると、ガラス基板11に割れが発生しやすくなる。
本実施形態の構成によれば、金属膜13の内周辺13dが筒状部21aの端面22の内周辺23よりも径方向内側に突出している部分と、内周辺23よりも径方向外側に凹んでいる部分とを混在させた状態で、半田プリフォーム31を用いた接合を行うことが容易である。これにより、ガラス基板11に対して引張応力F1及び圧縮応力F2の両方を作用させて、引張応力F1及び圧縮応力F2を相殺させることができる。その結果、ガラス基板11に作用する応力自体が小さくなることにより、光学用窓材10を枠材21に取り付ける際に生じるガラス基板11の割れを抑制できる。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)光学用窓材10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の第1主面11aに設けられた平面視枠形状の金属膜13とを備えている。金属膜13の内周辺13dは、径方向内側に相対的に突出する複数の凸部14と、径方向外側に相対的に凹む複数の凹部15とを有している。
上記構成によれば、光学用窓材10を枠材21に取り付ける際に、ガラス基板11に対して上記の引張応力F1及び圧縮応力F2の両方を作用させることにより、引張応力F1及び圧縮応力F2を相殺させて、ガラス基板11に作用する応力を小さくできる。その結果、光学用窓材10を接合する際に生じるガラス基板11の割れが抑制される。
(2)金属膜13の内周辺13dにおける凸部14の頂辺14aと凹部15の底辺15aとの径方向の間隔が50μm以上150μm以下である。
上記構成によれば、上記の引張応力F1及び圧縮応力F2を相殺させることにより、ガラス基板11に作用する応力を小さくできる効果がより顕著に得られる。また、半田プリフォーム31を用いて、枠材21の端面22に光学用窓材10を接合する際に、枠材21の端面22の内周辺23に対して、金属膜13の内周辺13dが径方向内側に突出する部分と、径方向外側に凹む部分とを設けることが更に容易になる。
(3)凸部14及び凹部15は内周辺13dにおいて周方向に交互に形成されている。金属膜13の内周辺13dにおける互いに隣接する凸部14と凹部15と周方向のピッチθが2度以上90度以下である。
上記構成によれば、半田が固化する際の収縮によりガラス基板11に作用する上記の引張応力F1及び圧縮応力F2を好適に分散させることができ、部分的に過度な引張応力F1が作用することを抑制できる。
(4)ガラス基板11及び反射防止膜12における粗面化された第2領域表面に金属膜13が設けられている。
上記構成によれば、アンカー効果によって、ガラス基板11及び反射防止膜12に対する金属膜13の密着力が向上する。
(5)ガラス基板11の端面11cは、エッチング処理されたエッチング面である。
上記構成によれば、ガラス基板11の端面11cは、チッピングやマイクロクラックが除去された面となる。これにより、ガラス基板11の強度が向上する。
(6)光学用窓材10の製造方法は、金属膜13の内周辺13dの凹凸形状に対応する凹凸形状を有するマスクパターンを用いて、ガラス基板11の第1主面11a側に金属膜13を成膜する金属膜形成工程S3を有する。
上記構成によれば、内周辺13dに凸部14及び凹部15を有する金属膜13を容易に成膜できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図7(a)~(c)に示すように、金属膜13の内周辺13dの凹凸形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではなく、適宜、変更できる。図7(a)は、凸部14及び凹部15の各側辺が径方向線に沿った線である内周辺13dを示している。図7(b)は、凸部14の頂部及び凹部15の底部がそれぞれ角状である内周辺13dを示している。図7(c)は、凸部14の頂部及び凹部15の底部がそれぞれ丸まった角状であるとともに、連続した曲線からなる内周辺13dを示している。
・図7(d)に示すように、金属膜13の内周辺13dは、ピッチ等の形状が異なる複数種類の凸部14を有するものであってもよい。同様に、金属膜13の内周辺13dは、ピッチ等の形状が異なる複数種類の凹部15を有するものであってもよい。図7(d)は、ピッチの異なる2種類の凸部14及び凹部15を有する内周辺13dを示している。
・図7(d)に示すように、金属膜13の内周辺13dに関して、中心線P1を挟んで各凸部14と各凹部15とが対向して配置されるように形成してもよい。この場合には、上記の引張応力F1及び圧縮応力F2の両方を作用させることにより、引張応力F1及び圧縮応力F2を相殺させて、ガラス基板11に作用する応力を小さくできる効果がより顕著に得られる。
・上記実施形態では、ガラス基板11の第1主面11aに接合される第1接合部13aと、反射防止膜12に接合される第2接合部13bとを有する金属膜13を採用したが、第1接合部13a及び第2接合部13bのいずれか一方が省略された金属膜13としてもよい。なお、第1接合部13aが省略された金属膜13とする場合、反射防止膜12をガラス基板11の第1主面11aの全体に設けることもできる。
・ガラス基板11の第1主面11a及び第2主面11bの両面に金属膜13が設けられていてもよい。
・反射防止膜12を省略した光学用窓材10としてもよい。
・光学用窓材10が取り付けられる取付対象物は、枠材21に限定されない。例えば、光学デバイスの筐体の窓部に直接、光学用窓材10を取り付けてもよい。この場合、光学デバイスの筐体が取付対象物となる。また、取付対象物は、金属材料以外の材料、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスからなる取付対象物であってもよい。この場合、取付対象物の環状の端面22に金属元素を含む金属層を設ければよい。
・上記実施形態では、半田プリフォーム31を用いて光学用窓材10と枠材21とを接合する場合を例示したが、プリフォーム形態でない半田を塗布して光学用窓材10と枠材21とを接合してもよい。この場合、金属膜13又は端面22のいずれか一方に予め半田を塗布した状態とし、枠材21に光学用窓材10を嵌挿して接合することが好ましい。
F1…引張応力、F2…圧縮応力、H…間隔、θ…ピッチ、10…光学用窓材、11…ガラス基板、12…反射防止膜、13…金属膜、13d…内周辺、14…凸部、15…凹部、20…光学部材、21…枠材、22…端面、30…半田層、31…半田プリフォーム。

Claims (8)

  1. ガラス基板と、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面に設けられた平面視枠形状の金属膜とを備える光学用窓材であって、
    前記金属膜の内周辺は、仮想円よりも径方向内側に相対的に突出する複数の凸部と、前記仮想円よりも径方向外側に相対的に凹む複数の凹部とを周方向に交互に有することを特徴とする光学用窓材。
  2. 前記金属膜の内周辺における前記凸部の頂辺と前記凹部の底辺との径方向の間隔が50μm以上150μm以下である請求項1に記載の光学用窓材。
  3. 記金属膜の内周辺における互いに隣接する前記凸部と前記凹部との周方向のピッチが2度以上90度以下である請求項1又は請求項2に記載の光学用窓材。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の光学用窓材の製造方法であって、
    前記金属膜の内周辺の凹凸形状に対応する凹凸形状を有するマスクパターンを用いて、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面側に前記金属膜を成膜することを特徴とする光学用窓材の製造方法。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載の光学用窓材と、
    環状の端面を有する取付対象物と、
    前記光学用窓材の前記金属膜と前記取付対象物の前記端面とを接合する半田層とを備える光学部材。
  6. 前記半田層は、前記光学用窓材の厚み方向に見た場合に前記金属膜の内周形状に沿った内周形状を有する請求項5に記載の光学部材。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記取付対象物の前記端面に、半田プリフォームを介して前記光学用窓材を配置し、前記半田プリフォームを溶融及び固化させることにより、前記取付対象物に前記光学用窓材を接合する接合工程を有し、
    前記接合工程において、前記金属膜の内周辺における前記凸部の少なくとも一部及び前記凹部の少なくとも一部がそれぞれ、前記取付対象物の前記端面の内周辺よりも径方向内側及び径方向外側に位置するように、前記光学用窓材を配置することを特徴とする光学部材の製造方法。
  8. ガラス基板と、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面に設けられた平面視枠形状の金属膜とを備える光学用窓材と、
    環状の端面を有する取付対象物と、
    前記光学用窓材の前記金属膜と前記取付対象物の前記端面とを接合する半田層とを備える光学部材の製造方法であって、
    前記金属膜の内周辺は、径方向内側に相対的に突出する複数の凸部と、径方向外側に相対的に凹む複数の凹部とを有し、
    前記取付対象物の前記端面に、半田プリフォームを介して前記光学用窓材を配置し、前記半田プリフォームを溶融及び固化させることにより、前記取付対象物に前記光学用窓材を接合する接合工程を有し、
    前記接合工程において、前記金属膜の内周辺における前記凸部の少なくとも一部及び前記凹部の少なくとも一部がそれぞれ、前記取付対象物の前記端面の内周辺よりも径方向内側及び径方向外側に位置するように前記光学用窓材を配置することで、前記ガラス基板に対して径方向外側に向かう引張応力及び径方向内側に向かう圧縮応力の両方を作用させ、前記引張応力及び前記圧縮応力を相殺させる、ことを特徴とする光学部材の製造方法。
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