JP7388117B2 - サスペンションアーム及び転舵装置 - Google Patents

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本発明は、サスペンションアーム及び転舵装置に関する。
例えば、自動車などの車両においては、サスペンションと転舵輪とを連結する板金製のサスペンションアーム(ロアアームなど)が備えられている(例えば特許文献1参照)。
特開2005-112213号公報
近年、転舵輪の転舵角を大きくすることが望まれているが、その場合、転舵輪とサスペンションアームとの干渉を防止する必要がある。このため、サスペンションアームの一部を切り欠くことで転舵後の転舵輪に対して逃げる部分をサスペンションアームに設けなければならず、サスペンションアームの強度が低下してしまう。
このため、本発明の目的は、サスペンションアームの強度を高めることである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るサスペンションアームは、車体に支持されるマウント部と、マウント部の一部から延設され、先端部に転舵輪が連結されるアーム部とを備えるサスペンションアームであって、アーム部は、先端部よりも厚肉であり、当該先端部よりも上方または下方に向けて突出した中実な中実部を有する。
また、本発明の一態様に係る転舵装置は、上記サスペンションアームを有する。
本発明によれば、サスペンションアームの強度を高めることができる。
実施の形態に係る転舵装置の要部構成を示す正面図である。 実施の形態に係る転舵装置の要部構成を示す背面図である。 実施の形態に係る転舵装置の要部構成を示す側面図である。 実施の形態に係るロアアームを示す斜視図である。 実施の形態に係るロアアームを示す上面図である。 実施の形態に係るロアアームを示す下面図である。 実施の形態に係るロアアームを車両の前方から見た平面図である。 実施の形態に係るロアアームを車両の後方から見た平面図である。 実施の形態に係る中実部における各部の断面形状を示す説明図である。 実施の形態に係るトーイン時の転舵輪とロアアームとの位置関係を示す断面図である。 実施の形態に係るトーアウト時の転舵輪とロアアームとの位置関係を示す断面図である。 変形例に係るロアアームを示す上面図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本開示の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
(転舵装置)
本実施の形態に係る転舵装置100は、例えば、ストラット式サスペンション機構を搭載した車両に用いられる転舵装置である。図1は、実施の形態に係る転舵装置100の要部構成を示す正面図である。図2は、実施の形態に係る転舵装置100の要部構成を示す背面図である。図3は、実施の形態に係る転舵装置100の要部構成を示す側面図である。
図1~図3に示すように、転舵装置100は、転舵輪1を転舵軸周りに回転させる転舵機構90と、転舵輪1を転舵させるための駆動力を転舵機構90に付与する動力源20とを備えている。
動力源20は、例えばモータであり、車両のタイヤハウス(図示省略)の上方に配置されている。動力源20の回転軸には、転舵機構90の入力軸が連結されている。入力軸は、タイヤハウスを貫通しており、その先端部がタイヤハウス内に配置されている。タイヤハウスは、車体における、ホイールハウスを形成する部位のことである。
転舵機構90は、転舵輪1に取り付けられたナックル2と、ボールジョイント3を介してナックル2の下部に連結されたロアアーム4と、ナックル2の上部にクランプ5を介して連結されたストラット6と、を備えている。ストラット6は、車両のタイヤハウス内に配置されており、当該タイヤハウスで支持されている。
ストラット6は、入力軸と、ショックアブソーバ10と、ストラット軸61とを備えている。入力軸は、上述したように、動力源20の回転軸に連結された状態で、タイヤハウスを貫通している。
ショックアブソーバ10は、ピストンロッドを備えており、そのピストンロッドがストラット軸61の内部に収容されている。ピストンロッドの上端部は、自在継手を介して入力軸に連結されている。
ストラット軸61は、入力軸から自在継手を介して伝達された回転を、転舵輪1に伝達するための出力軸の一例である。具体的には、ストラット軸61の上端部には、自在継手が連結されている。また、ストラット軸61を含むショックアブソーバ10の下端部には、クランプ5を介してナックル2が連結されている。これにより、動力源20の回転は、入力軸、自在継手、ストラット軸61及びナックル2を含む動力伝達経路を介して転舵輪1に伝達される。これにより、転舵輪1がトーイン、中立、あるいはトーアウト状態となる。
ストラット軸61には、全周にわたって外方に延設された第一支持部104が固定されている。他方、ショックアブソーバ10の上端部には、全周にわたって外方に延設された第二支持部105が設けられている。第一支持部104と第二支持部105との間には、例えばコイルバネなどのバネ14が介在している。バネ14の上端部は第二支持部105に支持されており、バネ14の下端部は第一支持部104に支持されている。
図3に示すように、転舵輪1は、タイヤ11と、タイヤ11を保持するホイール12と、ブレーキディスク13と、ブレーキキャリパ15とを備えている。ブレーキキャリパ15は、ホイール12内において、当該ホイール12の回転軸の上方かつ前方に配置されている。なお、ホイール12内には、インホイールモータ(IWM)が収容されていてもよい。
(ロアアーム)
次に、ロアアーム4について詳細に説明する。図4は、実施の形態に係るロアアーム4を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係るロアアーム4を示す上面図である。図6は、実施の形態に係るロアアーム4を示す下面図である。図7は、実施の形態に係るロアアーム4を車両の前方から見た平面図である。図8は、実施の形態に係るロアアーム4を車両の後方から見た平面図である。
ロアアーム4は、サスペンションアームの一例である。ロアアーム4は、マウント部8と、アーム部9とを備えており、これらが鉄などの金属によって一体成形されている。具体的には、ロアアーム4は鋳造品、切削加工品、鍛造品、金属3Dプリント品などの非鈑金部材である。
マウント部8は、車体に支持される部位であり、車両の前後方向に沿って長尺となるように延設されている。マウント部8は、略平板状に形成されており、その前端部及び後端部には、車体に対して揺動自在に支持されるためのブッシュ81が取り付けられている。マウント部8の中央部には、アーム部9が車両の外方に向けて延設するように設けられている。具体的には、マウント部8の中央部の上面において、短手方向で半分以上の領域からアーム部9が盛り上がるように設けられている。
マウント部8とアーム部9との境界には、一対のヒレ部82、83が設けられている。一対のヒレ部82、83は、マウント部8とアーム部9とに対して一体成形されている。具体的には、一方のヒレ部82は、マウント部8における中央部であって、アーム部9の前側に設けられた部位である。ヒレ部82は、アーム部9及びマウント部8に対して連続した部位であり、上面視あるいは下面視において凹状に形成されている。これにより、ヒレ部82は、マウント部8に近づくにつれて徐々に前方に張り出す形状となっている。上面視あるいは下面視におけるヒレ部82の外縁821は凹形状に形成されている。つまり、外縁821は、マウント部8側に向けて窪んだ滑らかな湾曲線状に形成されている。このヒレ部82の外縁821内には、トーイン時の転舵輪1の前端部が配置される。外縁821の凹形状は、当該外縁821がトーイン時の転舵輪1の前端部に対して接触しないように決定されている。このように、ヒレ部82は、トーイン時の転舵輪1との接触を回避する凹状のトーイン逃げ部と言える。
他方のヒレ部83は、マウント部8における中央部であって、アーム部9の後側に設けられた部位である。ヒレ部83は、アーム部9及びマウント部8に対して連続した部位であり、上面視あるいは下面視において凹状に形成されている。これにより、ヒレ部83は、マウント部8に近づくにつれて徐々に後方に張り出す形状となっている。上面視あるいは下面視におけるヒレ部83の外縁831は凹形状に形成されている。つまり外縁831は、マウント部8側に向けて窪んだ滑らかな湾曲線状に形成されている。このヒレ部83の外縁831内には、トーアウト時の転舵輪1の後端部が配置される。外縁831の凹形状は、当該外縁831がトーアウト時の転舵輪1の後端部に対して接触しないように決定されている。このように、ヒレ部83は、トーアウト時の転舵輪1との接触を回避する凹状のトーアウト逃げ部と言える。
ここで、ホイールベース(2500mm)、トレッド(1500mm)のコンパクトカーを例にすると、トーイン時の転舵輪1の転舵角は、中立時の位置を基準にして53度以上63度以下の範囲内に設定されている。また、トーアウト時の転舵輪1の転舵角は、88度以上92度以下の範囲内に設定されている。このような転舵角に設定されていれば、アッカーマンジオメトリを満たした大転舵に対応させることが可能である。
アーム部9は、先端部91に転舵輪1が連結される部位である。具体的には、アーム部9の先端部91には、ボールジョイント3が設けられており、このボールジョイント3にナックル2を介して転舵輪1が連結されている。アーム部9は、上面視した場合において、長手方向に全体として概ね均等な幅に形成されている(図5参照)。
アーム部9において、マウント部8側が中実部92であり、先端部91と中実部92との間が中間部93である。先端部91と中間部93との下面は、略面一となるように平面状に形成されている。中間部93は、先端部91よりも上方に突出した形状を有しており、全体として中実となっている。中間部93は、先端部91よりも厚肉である。なお、ここで言う厚みとは、上下方向での各部の長さに相当する。例えば、「厚み」は、先端部91及び中間部93の下面が水平面に略平行となる姿勢でロアアーム4を配置した場合(第一姿勢)に、各部における鉛直方向での下端から上端までの長さとしてもよい。または、マウント部8の下面が水平面に略平行となる姿勢でロアアーム4を配置した場合(第二姿勢)に、各部における鉛直方向での下端から上端までの長さを「厚み」としてもよい。図7及び図8では、第一姿勢でのロアアーム4を図示している。
中間部93は、その上面が滑らかな曲面状に形成されている。具体的には、中間部93は、先端部91側が最も厚みが小さく、中実部92に向かうにつれて徐々に厚みが大きくなり、その後、概ね均等な厚みとなるように、その上面が曲面状に形成されている。
中実部92は、中間部93よりも上方に突出した形状を有しており、全体として中実となっている。中実部92の上面は、中間部93側に配置された急峻な第一傾斜面921と、マウント部8側に配置された第一傾斜面921よりもなだらかな第二傾斜面922と、第一傾斜面921と第二傾斜面922との間の平坦面923とを有している。第一傾斜面921と平坦面923とは滑らかな凸状の曲面を介して連続しており、第二傾斜面922と平坦面923とは滑らかな凸状の曲面を介して連続している。
中実部92においてヒレ部82側の部位では、下面が上方へ窪んだ凹曲面925に形成されている。一方、中実部92においてヒレ部83側の部位には、その下部に、凹曲面925よりも大きく上方へ窪んだ凹部926が形成されている。凹曲面925と凹部926とは連続する形状で形成されている。凹部926は、下方とともに後方も開放されている。
上述したように、中実部92は、全体として上方に突出した形状である。このため、中実部92において、凹部926に対向する箇所は、当該凹部926の凹み方向(本実施の形態では上方)に突出している。中実部92では、凹部926があることにより当該部位が薄肉化されることも想定されるが、当該凹部926に対向する箇所が上方に突出しているので、薄肉化を回避することができる。中実部92がこのような形状であるために、凹部926を起因とした中実部92の脆弱化を防止することが可能である。
中実部92は、先端部91側から、マウント部8側の基端部924に向けて徐々に車両前後方向の断面二次モーメントまたは断面係数の少なくとも一方が漸増する形状を有している。図9は、実施の形態に係る中実部92における各部の断面形状を示す説明図である。図9の(a)は、図8におけるIXA-IXA線を含む切断面を見た断面図である。図9の(b)は、図8におけるIXB-IXB線を含む切断面を見た断面図である。図9の(c)は、図8におけるIXC-IXC線を含む切断面を見た断面図である。図9の(d)は、図8におけるIXD-IXD線を含む切断面を見た断面図である。図9の(e)は、図8におけるIXE-IXE線を含む切断面を見た断面図である。つまり、図9の(a)が最も中実部92の先端部91側の位置の断面図を示し、図9の(b)、図9の(c)、図9の(d)、図9の(e)という順で基端部924に向けて移動している。図9の(a)~図9の(e)では、全て同じスケールで図示されている。図9の(a)~図9の(e)に示すように、中実部92においては、先端部91側からマウント部8側の基端部924に向けて徐々に断面積が大きくなっている。これにより、中実部92は、先端部91側から、マウント部8側の基端部924に向けて徐々に断面二次モーメントが漸増することになる。したがって、中実部92においては、基端部924が曲げモーメントに対して最も変形がしにくい部位となる。
なお、「徐々に断面二次モーメントが漸増する形状」とは、対象範囲において基端部924に向けて断面二次モーメントが概ね漸増する傾向を示す形状であればよく、微小な部分では断面二次モーメントが一定であったり、数%程度であれば減少したりする形状であってもよい。
次に、トーイン時及びトーアウト時の転舵輪1とロアアーム4との位置関係について説明する。図10は、実施の形態に係るトーイン時の転舵輪1とロアアーム4との位置関係を示す断面図である。図11は、実施の形態に係るトーアウト時の転舵輪1とロアアーム4との位置関係を示す断面図である。
図10に示すように、トーイン時においては転舵輪1の前端部は、ロアアーム4の中実部92及びヒレ部82から離間した状態となり、ロアアーム4に対して全体として非接触となっている。このとき、ブレーキキャリパ15は、ホイール12内において、当該ホイール12の回転軸の上方かつ前方に配置されているので、中実部92に対して近づくものの、接触しない。
一方、図11に示すように、トーアウト時においては、転舵輪1の後端部は、中実部92の凹部926内に非接触で収容される。この状態では、転舵輪1の後端部は、ヒレ部83から離間しているので、ロアアーム4に対して全体として非接触となっている。凹部926内に転舵輪1の後端部が収容されるために、トーアウト時の転舵角を大きくすることが可能である。
また凹部926は、サスペンションストローク(転舵輪1が上下方向に振動する範囲:例えば±80mm)に伴い揺動するロアアーム4と転舵輪1とが干渉することのない形状をしており、互いに近づくものの接触しない。
このように、中実部92は、転舵輪1がトーイン時からトーアウト時に遷移する際に、当該転舵輪1の遷移経路に含まれない余剰空間内に収まるように、上方に向けて突出している。これにより、転舵輪1が転舵された際に中実部92が転舵輪1に干渉しない状態を確保しつつ、中実部92を厚肉化することができる。
なお、ヒレ部82、83及び凹部926それぞれの大きさ、形状は、車両に取付可能な最大のタイヤサイズ、ホイールサイズあるいはサスペンションストロークに基づいて決定される。このため、車両に取り付けられたタイヤ11またはホイール12のサイズや形状が大きく異なる場合は、トーアウト時であっても凹部926内に転舵輪1の後端部が収容されない場合もある。
(効果等)
以上のように、本実施の形態に係る転舵装置100に備わるロアアーム4では、中実な中実部92が、先端部91よりも厚肉であり、かつ先端部91よりも上方に向けて突出しているので、上方の余剰空間を有効活用しながら中実部92を厚肉化することが可能である。これにより、大転舵に対応したロアアーム4の強度を高めることができる。
また、中実部92が先端部91側から基端部924に向けて徐々に前後方向の断面二次モーメントまたは断面係数の少なくとも一方が漸増する形状を有しているので、最も大きな曲げモーメントが作用する基端部924の強度を高めることができる。また、換言すると、中実部92は、基端部924から先端部91側に向けて徐々に断面二次モーメントが漸減する形状を有している。つまり、中実部92の先端部91側では過剰に厚肉化されにくくなるので、重量が増加することを抑制できる。
また、トーイン逃げ部である凹状のヒレ部82が、アーム部9とマウント部8との境界に設けられているので、トーイン時の転舵輪1の前端部がヒレ部82の外縁821近傍に配置されたとしても、当該前端部はヒレ部82に接触しない。また、ヒレ部82は、マウント部8に近づくにつれて前方へと張り出す形状となっているので、アーム部9とマウント部8との境界における強度を高めることができる。つまり、ヒレ部82は、トーイン時の転舵輪1との接触を回避しつつ、アーム部9とマウント部8との境界における強度を高めることができる。
また、トーイン時の転舵輪1の転舵角が53度以上63度以下であった場合においても、当該転舵輪1の前端部に対するヒレ部82の接触を回避することが可能である。
また、トーアウト逃げ部である凹状のヒレ部83が、アーム部9とマウント部8との境界に設けられているので、トーアウト時の転舵輪1の後端部がヒレ部83の外縁831近傍に配置されたとしても、当該後端部はヒレ部83に接触しない。また、ヒレ部83は、マウント部8に近づくにつれて後方へと張り出す形状となっているので、アーム部9とマウント部8との境界における強度を高めることができる。つまり、ヒレ部83は、トーアウト時の転舵輪1との接触を回避しつつ、アーム部9とマウント部8との境界における強度を高めることができる。
また、中実部92におけるヒレ部83(トーアウト逃げ部)側の部位に設けられた凹部926には、トーアウト時の転舵輪1の一部が非接触で収容されるので、トーイン時の転舵角よりも大きなトーアウト時およびサスペンションストローク時の転舵輪1との干渉を確実に抑制することができる。ここで、中実部92に凹部926が設けられると、当該部位においては中実部92の肉厚が削がれることになる。しかし、上述したように中実部92は、上方に突出しているので、凹部926に応じて反対方向に肉厚を盛り上げることができる。これにより、凹部926があったとしても中実部92の厚肉化を図ることができ、補強が可能となる。
また、トーアウト時の転舵輪1の転舵角が88度以上92度以下であった場合においても、当該転舵輪1の後端部に対するヒレ部83及び凹部926の接触を回避することが可能である。
また、本実施の形態では、本発明に係るサスペンションアームとして、ストラット式サスペンション機構のロアアーム4を例示した。このように、ロアアーム4の強度が高められているので、ストラット式サスペンション機構の強度、剛性、信頼性と安定性を高めることが可能である。
(その他)
以上、本発明に係るロアアーム4及び転舵装置100について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
例えば、上記実施の形態では、サスペンションアームとしてロアアーム4を例示して説明した。しかしながら、転舵装置が、ホイールの内側に伸びるアッパーアームを有するダブルウィッシュボーン式サスペンション機構を有している場合においては、当該機構に備わるアッパーアームを本発明に係るサスペンションアームとして適用することも可能である。この場合、アッパーアームでは、中実部は先端部よりも下方に向けて突出することとなる。また、ダブルウィッシュボーン式サスペンション機構に備わるロアアームを本発明に係るサスペンションアームとして適用してもよい。また、本発明に係るサスペンションアームは、上述したサスペンション機構以外にも、変形ストラット式サスペンション機構及び大転舵角に対応するマルチリンク式ステアリング機構付サスペンション機構などにも適用可能である。
また、上記実施の形態では、ロアアーム4との干渉を回避するためにブレーキキャリパ15がトーアウト時にロアアームに近づく配置となることを避け、トーイン時にロアアームに近づく配置にするため、ホイール12の回転軸の上方かつ前方に配置されている場合を例示した。しかしながら、ブレーキキャリパ15はホイール12の如何なる位置に配置されていてもよい。ここで、ブレーキキャリパ15の設置位置によっては、ロアアーム4と干渉を生じるおそれがあるが、この場合には、ロアアーム4の中実部92に対して、ブレーキキャリパ15との接触を回避する凹状のブレーキキャリパ逃げ部98(図5における破線部参照)を形成すればよい。ここで、ブレーキキャリパ逃げ部98を中実部92に設けることで、当該部位が薄肉化されることも想定される。この薄肉化を抑制するために、余剰空間内に収まるように、中実部92におけるブレーキキャリパ逃げ部98とは反対側の箇所を盛り上げて、薄肉化を回避すればよい。このようにブレーキキャリパ逃げ部98が中実部92に設けられる場合においては、ブレーキキャリパ15の設置箇所の自由度を高めることが可能である。
また、上記実施の形態では、中実部92の第二傾斜面922が全体として平坦な場合を例示した。しかしながら、第二傾斜面922において、上面視でマウント部8に重なる部分においては、それほど強度確保に関与しない部位であるので、第二傾斜面922あるいは中実部92と重なるマウント部8の下面に凹部を設けて肉抜きすることも可能である。これによりロアアーム4の軽量化が可能である。つまり、中実部92は、先端部91側から、上面視でマウント部8に重ならない部分までが、基端部924に向けて徐々に断面二次モーメントが漸増する形状を有していればよい。
また、上記実施の形態では、上面視でT字状となるロアアーム4を例示して説明したが、Γ字状のロアアームや、A字状のロアアームであってもよい。
図12は、変形例に係るロアアーム4aを示す上面図である。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同一の部分においては同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
図12に示すように、ロアアーム4aは、上面視でΓ字状に形成されている。具体的には、ロアアーム4aに備わるマウント部8aは、車両の前後方向に沿って長尺になるように延設されている。マウント部8aの前端部には、アーム部9aが外方に向けて延設するように設けられている。マウント部8aとアーム部9aとの境界には、トーアウト逃げ部となるヒレ部83aが設けられている。また、アーム部9aにおけるマウント部8a側の部位は中実部92aであり、その後ろ側の面に凹部926aが形成されている。
また、上記実施の形態では、スタビライザーを有していない転舵装置100を例示したが、スタビライザーを有する転舵装置においても上記のロアアーム4を適用することも可能である。この場合、スタビライザーは、ロアアームにおける中実部の上方の余剰空間に配置すればよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明は、大転舵に対応したサスペンションアームに適用可能である。
1…転舵輪 2…ナックル 3…ボールジョイント 4、4a…ロアアーム(サスペンションアーム) 5…クランプ 6…ストラット 8、8a…マウント部 9、9a…アーム部 10…ショックアブソーバ 11…タイヤ 12…ホイール 13…ブレーキディスク 14…バネ 15…ブレーキキャリパ 20…動力源 61…ストラット軸 81…ブッシュ 82…ヒレ部(トーイン逃げ部) 83、83a…ヒレ部(トーアウト逃げ部) 90…転舵機構 91…先端部 92、92a…中実部 93…中間部 98…ブレーキキャリパ逃げ部 100…転舵装置 104…第一支持部 105…第二支持部
821、831…外縁 921…第一傾斜面 922…第二傾斜面 923…平坦面 924…基端部 925…凹曲面 926、926a…凹部

Claims (9)

  1. 車体に支持されるマウント部と、
    前記マウント部の一部から延設され、先端部に転舵輪が連結されるアーム部とを備えるサスペンションアームであって、
    前記アーム部は、前記先端部よりも厚肉であり、当該先端部よりも上方または下方に向けて突出した中実な中実部を有し、
    前記アーム部と前記マウント部との境界には、トーアウト時の前記転舵輪との接触を回避する凹状のトーアウト逃げ部が形成されており、
    前記中実部における前記トーアウト逃げ部側の部位には、トーアウト時の前記転舵輪の一部が非接触で収容される凹部が形成されている
    サスペンションアーム。
  2. 前記中実部は、前記先端部側から、前記マウント部側である基端部に向けて徐々に前後方向の断面二次モーメントまたは断面係数の少なくとも一方が漸増する形状を有している
    請求項1に記載のサスペンションアーム。
  3. 前記アーム部と前記マウント部との境界には、トーイン時の前記転舵輪との接触を回避する凹状のトーイン逃げ部が形成されている
    請求項1または2に記載のサスペンションアーム。
  4. トーイン時の前記転舵輪の転舵角は、53度以上63度以下である
    請求項3に記載のサスペンションアーム。
  5. トーアウト時の前記転舵輪の転舵角は、88度以上92度以下である
    請求項1~4のいずれか一項に記載のサスペンションアーム。
  6. 前記中実部は、前記凹部に対向する箇所が前記凹部の凹み方向に突出している
    請求項1~5のいずれか一項に記載のサスペンションアーム。
  7. 前記中実部には、前記転舵輪に備わるブレーキキャリパとの接触を回避する凹状のブレーキキャリパ逃げ部が形成されている
    請求項1~のいずれか一項に記載のサスペンションアーム。
  8. ロアアームである
    請求項1~のいずれか一項に記載のサスペンションアーム。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載のサスペンションアームを有する転舵装置。
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