JP7387416B2 - 固体電解質、固体電解質膜、電極及びアルカリ金属電池 - Google Patents

固体電解質、固体電解質膜、電極及びアルカリ金属電池 Download PDF

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Description

本開示は、固体電解質、該固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜、電極、並びに該固体電解質膜及び/又は電極を備えるアルカリ金属電池に関する。
アルカリ金属電池として、電解液の代わりに固体電解質を用い、電池の構成材料がすべて固体で構成された全固体二次電池が種々検討されている。この全固体二次電池の電池性能を向上させるために、例えば特許文献1には、無機固体電解質と特定の高分子化合物(ポリマー)で構成されたバインダーとを含む全固体二次電池が提案されている。また、特許文献2には、リチウム塩、イオン伝導性無機材料及びポリマーを含む固体状電解質が提案されている。
国際公開第2016/017758号パンフレット 特表2019-525396号公報
特許文献1及び2に記載の固体電解質では、無機固体電解質(無機材料)の界面形成にポリマーが用いられているが、このポリマー自体はアルカリ金属カチオンのイオン伝導度と輸率が低い。そのため、これら固体電解質では、密着性(結着性)は改善されたとしても、界面抵抗が高く、また経時変化により抵抗が増大するという不都合が生じるおそれがある。これらの不都合が生じた場合は、十分な電池性能が得られない。
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制される安定な固体電解質、該固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜、電極、並びに該固体電解質膜及び/又は電極を備えるアルカリ金属電池を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、無機固体電解質の界面形成に特定の電解質組成物を用いることで上述の課題がすべて解決されることを見出した。本開示は、具体的には以下のとおりである。
[1] 硫黄原子を含む無機固体電解質と、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する電解質組成物とを含むことを特徴とする固体電解質。
[2] 前記電解質組成物における前記アルカリ金属塩の含有量が50質量%以上であることを特徴とする前記[1]に記載の固体電解質。
[3] 前記電解質組成物がさらに重合体を含むことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の固体電解質。
[4] 前記電解質組成物がさらに光及び/又は熱硬化性単量体を含むことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の固体電解質。
[5] 前記アルカリ金属塩は、下記一般式(1):
MN(SO)(SO) (1)
(式中、Mはアルカリ金属イオンを表す。R、Rは、同一又は異なって、フッ素原子又は炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)で表されることを特徴とする前記[1]~[4]のいずれか1つに記載の固体電解質。
[6] 前記塩解離剤が、カーボネート化合物、ニトリル化合物及びスルホニル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]~[5]のいずれか1つに記載の固体電解質。
[7] 前記[1]~[6]のいずれか1つに記載の固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜。
[8] 硫黄原子を含む無機固体電解質と、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する電解質組成物と、活物質とを含むことを特徴とする電極。
[9] 前記電解質組成物における前記アルカリ金属塩の含有量が50質量%以上であることを特徴とする前記[8]に記載の電極。
[10] 前記電解質組成物がさらに重合体を含むことを特徴とする前記[8]又は[9]に記載の電極。
[11] 前記電解質組成物がさらに光及び/又は熱硬化性単量体を含むことを特徴とする前記[8]又は[9]に記載の電極。
[12] 前記アルカリ金属塩は、下記一般式(1):
MN(SO)(SO) (1)
(式中、Mはアルカリ金属イオンを表す。R、Rは、同一又は異なって、フッ素原子又は炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)で表されることを特徴とする前記[8]~[11]のいずれか1つに記載の電極。
[13] 前記塩解離剤が、カーボネート化合物、ニトリル化合物及びスルホニル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記[8]~[12]のいずれか1つに記載の電極。
[14] 前記[7]に記載の固体電解質膜及び/又は前記[8]~[12]のいずれか1つに記載の電極を備えるアルカリ金属電池。
本開示によれば、界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制される安定な固体電解質、該固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜、電極、並びに該固体電解質膜及び/又は電極を備えるアルカリ金属電池を提供することができる。
実施例1及び比較例1で得られた固体電解質膜のバルク抵抗値の増加量(経時変化)を示す図である。
以下、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
<固体電解質>
本実施形態に係る固体電解質は、硫黄原子を含む無機固体電解質と、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する電解質組成物とを含む。この固体電解質は、全固体二次電池の電解質膜及び/又は電極に好適に用いられる。
(硫黄原子を含む無機固体電解質)
硫黄原子を含む無機固体電解質(以下「硫化物系固体電解質」ともいう)は、硫化リチウムと、周期律表第13~15族の元素を含む硫化物(以下「特定の硫化物」ともいう)とをそれぞれ所定のモル%で含む原料を混合して得られるものである。この硫化物系固体電解質は、ガラス状(非晶質系)のものでもよく、結晶質系の(結晶性を有する)ものでもよいが、イオン伝導性を向上する観点から、非晶質系のものが好ましい。
硫化リチウムは、硫黄元素(S)とリチウム元素(Li)とを1:2(モル比)で含むものであれば特に限定されない。この硫化リチウムは、化合物である硫化リチウムを用いてもよく、硫黄と金属リチウムとを1:2(モル比)となるように別々に加えてもよい。硫化リチウム化合物の具体例としては、LiS等である。
特定の硫化物は、周期律表第13~15族の元素として、ホウ素元素(B)、アルミニウム元素(Al)、ガリウム元素(Ga)、ケイ素元素(Si)、ゲルマニウム元素(Ge)、リン元素(P)及びヒ素元素(As)のいずれかの元素を含む硫化物である。周期律表第13~15族の元素の中では、イオン伝導性を向上する観点から、B、Al、Si、Ge及びPが好ましく、P及びSiがより好ましく、Pがさらに好ましい。
また、特定の硫化物は、硫化リン、硫化ケイ素、硫化アルミニウム、硫化ゲルマニウム及び硫化ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。これら化合物の具体例としては、P、P、P、P、P、P10等の硫化リン;SiS等の硫化ケイ素;Al等の硫化アルミニウム;GeS等の硫化ゲルマニウム;B等の硫化ホウ素等が挙げられる。これらの中では、イオン伝導性を向上する観点から、硫化リン及び硫化ケイ素が好ましく、硫化リンがより好ましく、P及びPがさらに好ましい。
なお、特定の硫化物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、特定の硫化物としては、周期律表第13~15族の元素が硫化物の形態となったものを用いてもよく、周期律表第13~15族の元素(単体)と、該元素と反応して特定の硫化物を形成する原料となる物質(単体や化合物)とを、特定の硫化物を形成するための適切なモル比で別々に加えてもよい。
硫化リチウム及び特定の硫化物の各配合割合は、これら成分の合計を100モル%とし、硫化リチウムをxモル%、特定の硫化物を(100-x)モル%とすると、イオン伝導性を向上する観点から、x=70~95が好ましく、x=72~90がより好ましく、x=74~88がより一層好ましく、x=77~85がさらに好ましい。
また、硫化物系固体電解質は、硫化リチウムと、特定の硫化物とを前記配合割合(モル%)で含むものである限り、硫化リチウム及び特定の硫化物のいずれにも該当しないその他の成分を含んでいてもよい。その場合、その他の成分の含有量は、原料全体100質量%に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、より一層好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。最も好ましくは、原料が実質的に硫化リチウム及び特定の硫化物のみからなるものである。
例えば、特定の硫化物としてPを用いて、前記配合割合(モル%)で硫化リチウム及びPを配合した原料から硫化物系固体電解質を製造した場合、得られる硫化物系固体電解質は、主にPS 3-骨格とP 4-骨格とを有するものとなる。ここで、2つのP元素の間に存在するS元素が不安定であるため、安定性の低い骨格であるP 4-骨格と比較して、当該P 4-骨格は電気化学的な安定性が高いと考えられる。したがって、当該硫化物系固体電解質は、安定性が高く、高いイオン伝導性を安定的に発現できるものと考えられる。
また、硫化物系固体電解質には、α-アルミナ(Al)が添加されていてもよい。α-アルミナの添加により、硫化物系固体電解質の機械強度が向上し、電解質膜への成型が容易になる。α-アルミナとしては特に限定されず、通常α-アルミナと呼ばれるものを用いることができる。α-アルミナの添加量は、硫化物系固体電解質とα-アルミナ全体を100モル%とすると、好ましくは1~50モル%、より好ましくは12~30モル%、さらに好ましくは20~25モル%である。これらの範囲とすることにより、α-アルミナを添加する効果を充分に発揮させることができる。
(硫黄原子を含む無機固体電解質(硫化物系固体電解質)の製造方法)
硫化物系固体電解質の製造方法は、特に制限されず、溶融急冷法、メカニカルミリングによる方法、不活性ガス又は真空中で500℃以下にて焼成する方法、原料混合物の粉砕/ペレット化/焼成を繰り返す方法等が挙げられる。また、これらの製造方法を組み合わせてもよく、メカニカルミリングの後に焼成を行ってもよい。なお、硫化リチウムが酸素や水と反応性を有するため、窒素やアルゴンなどの不活性乾燥ガス雰囲気下や真空中で反応を行うことが好ましい。
溶融急冷法としては、1000℃前後で融解した原料混合物を液体窒素や双冷却ロールに流下する方法を用いることができる。メカニカルミリングとしては、ボールミル等の高せん断粉砕混合装置を用いて原料を混合する方法を用いることができる。
メカニカルミリングによる方法、不活性ガス又は真空中で500℃以下にて焼成する方法、又は原料混合物の粉砕/ペレット化/焼成を繰り返す方法を用いる場合、原料を粉砕し、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下にまで小粒径化するとともに、反応前に均一に混合することが好ましい。これにより、反応時間を短縮し、また、得られる硫化物系固体電解質の特性の振れを小さくできる。
これら硫化物系固体電解質の製造方法の中では、メカニカルミリングによる方法が好ましく、メカニカルミリングの後、又は同時に焼成を行う方法がより好ましい。メカニカルミリングの後、又は同時に焼成を行うことにより、ガラスの中に多数の微細な結晶が析出したガラス状(非晶質系)の硫化物系固体電解質を容易に製造できる。
メカニカルミリングを行う装置としては、遊星ボールミルを用いる装置、振動ボールミル、ビーズミルを用いる装置等を用いることができる。
焼成の温度は、ガラスの中に多数の微細な結晶を充分に析出させる観点から、好ましくは50~500℃、より好ましくは100~350℃である。
(電解質組成物)
電解質組成物は、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する。
〔アルカリ金属塩〕
アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム等が挙げられる。これらの中では、リチウム、ナトリウム及びカリウムが好ましく、リチウムがより好ましい。
アルカリ金属塩としては、LiFSO等のフルオロスルホン酸のアルカリ金属塩;LiCFSO等のトリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩;LiN(FSO等のイミド系アルカリ金属塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチドのアルカリ金属塩;LiPF(C2m+16-a(0≦a≦6、1≦m≦4)等のフルオロリン酸塩;LiClO等の過塩素酸アルカリ金属塩;LiBF(C2n+14-b(0≦b≦4、1≦n≦4)等のフルオロホウ酸塩;LiBOB等のオキサラトボレートのアルカリ金属塩;リチウムテトラシアノボレート等のシアノホウ酸塩;LiAsF、LiI、LiSbF等のアルカリ金属塩等が挙げられる。これらアルカリ金属塩は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルカリ金属塩の中では、イミド系アルカリ金属塩が好ましく、一般式(1):
[化1]
MN(SO)(SO) (1)
で表される化合物がより好ましい。
式(1)中、Mはアルカリ金属イオンを表す。また、R及びRは、同一又は異なって(互いに独立して)フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。炭素数1~6のアルキル基の中では、炭素数1~6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数1~6のフルオロアルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。炭素数1~6のフルオロアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。置換基R及びRとしては、フッ素原子、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基が好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
一般式(1)で表される化合物の中では、アルカリ金属電池の出力特性及び電気特性を向上する観点から、ビス(フルオロスルホニル)イミドのアルカリ金属塩及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのアルカリ金属塩が好ましく、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〔LiN(FSO、LiFSI〕及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiN(CFSO、LiTFSI〕がより好ましく、LiN(FSOがさらに好ましい。
電解質組成物における(電解質組成物に含まれる成分の総量100質量%に対する)アルカリ金属塩の含有量は、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上する観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。また、当該アルカリ金属塩の含有量の上限値は、アルカリ金属塩や解離剤の種類によって異なるため特に限定されないが、例えば95質量%以下である。
また、電解質組成物1kg当たりのアルカリ金属塩の濃度は、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上する観点から、好ましくは1.8mol/kg以上、より好ましくは2mol/kg以上、より一層好ましくは2.5mol/kg以上、さらに好ましくは3mol/kg以上、さらに一層好ましくは3.5mol/kg以上である。また、当該アルカリ金属塩の濃度の上限値は、アルカリ金属塩や解離剤の種類によって異なるため特に限定されないが、例えば5.5mol/kg%以下である。
このように、本実施形態の固体電解質は、アルカリ金属塩を高濃度(例えば50質量%以上)に含有する電解質組成物を含む。本発明者は、アルカリ金属塩を高濃度に含む電解質組成物を用いることで、硫化物系固体電解質との界面抵抗が、既知(従来)のポリマー電解質(低濃度アルカリ金属塩)を用いた時と比較して、低い(低減される)のみならず、経時変化しない(増大せずに安定である)ことを見出した。この理由としては、アルカリ金属塩を高濃度に含有する電解質組成物では、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率が高いため、当該電解質組成物を硫化物系固体電解質の界面形成に用いることで、界面抵抗の低減と安定化との両立が実現されたと考えられる。また、アルカリ金属塩の濃度が高い場合には、アニオンが形成する伝導パスがアルカリ金属イオンの伝導性に大きく関与すると考えられるため、電解質組成物が塩解離剤を含むことにより、電解質組成物中でアルカリ金属イオンとアニオンとを解離させることに、特に技術的意義を有する。
〔塩解離剤〕
塩解離剤は、アルカリ金属塩のイオンへの解離を促進するものであれば特に制限されないが、ヘテロ元素を有する化合物が好ましい。ヘテロ元素を有する化合物としては、カーボネート化合物、ニトリル化合物、スルホニル化合物、カルボン酸無水物、硫酸エステル化合物、チオエーテル化合物、亜硫酸エステル化合物、含窒素環状化合物等が挙げられる。これら塩解離剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。塩解離剤の中では、アルカリ金属塩のイオンへの解離がより促進され、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上する観点から、カーボネート化合物、ニトリル化合物及びスルホニル化合物が好ましく、スルホニル化合物及びニトリル化合物がより好ましく、スルホニル化合物がさらに好ましい。
カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等のフッ素化環状カーボネート等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、モノニトリル化合物やジニトリル化合物が挙げられる。
モノニトリル化合物としては、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ペンタンニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、オクタンニトリル、ペラルゴノニトリル、デカンニトリル、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、3-メチルクロトノニトリル、2-メチル-2-ブテン二トリル、2-ペンテンニトリル、2-メチル-2-ペンテンニトリル、3-メチル-2-ペンテンニトリル及び2-ヘキセンニトリル等が挙げられる。
ジニトリル化合物としては、マロノニトリル、スクシノニトリル(サクシノニトリル)、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル、メチルマロノニトリル、エチルマロノニトリル、イソプロピルマロノニトリル、tert-ブチルマロノニトリル、メチルスクシノニトリル、2,2-ジメチルスクシノニトリル、2,3-ジメチルスクシノニトリル、2,3,3-トリメチルスクシノニトリル、2,2,3,3-テトラメチルスクシノニトリル、2,3-ジエチル-2,3-ジメチルスクシノニトリル、2,2-ジエチル-3,3-ジメチルスクシノニトリル、ビシクロヘキシル-1,1-ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル-2,2-ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル-3,3-ジカルボニトリル、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジカルボニトリル、2,3-ジイソブチル-2,3-ジメチルスクシノニトリル、2,2-ジイソブチル-3,3-ジメチルスクシノニトリル、2-メチルグルタロニトリル、2,3-ジメチルグルタ
ロニトリル、2,4-ジメチルグルタロニトリル、2,2,3,3-テトラメチルグルタロニトリル、2,2,4,4-テトラメチルグルタロニトリル、2,2,3,4-テトラメチルグルタロニトリル、2,3,3,4-テトラメチルグルタロニトリル、マレオニトリル、フマロニトリル、1,4-ジシアノペンタン、2,6-ジシアノヘプタン、2,7-ジシアノオクタン、2,8-ジシアノノナン、1,6-ジシアノデカン、1,2-ジジアノベンゼン、1,3-ジシアノベンゼン、1,4-ジシアノベンゼン、3,3’-(エチレンジオキシ)ジプロピオニトリル、3,3’-(エチレンジチオ)ジプロピオニトリル及び3,9-ビス(2-シアノエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ニトリル化合物の中では、ジニトリル化合物が好ましく、一般式(2):
[化2]
NC-R-CN (2)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~10のアリール基を表す。)で表される化合物がより好ましい。
一般式(2)におけるRとしては、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。炭素数1~6のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル等が挙げられる。
ジニトリル化合物の中では、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル及びスベロニトリルが好ましく、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル及びアジポニトリルがより好ましい。
スルホニル化合物としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、n-プロピルメチルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、n-ブチルメチルスルホン、tert-ブチルメチルスルホン等のスルホン類;スルホラン(テトラメチレンスルホン)、2-メチルスルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホラン等のスルホラン類;スルトン、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン等のスルトン類;ブスルファン、スルホレン等が挙げられる。スルホニル化合物の中では、スルホン類及びスルホラン類が好ましく、ジメチルスルホン及びスルホランがより好ましく、ジメチルスルホンがさらに好ましい。
カルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等が挙げられる。
硫酸エステル化合物としては、メタンスルホン酸メチル、トリメチレングリコール硫酸エステル等が挙げられる。
チオエーテル化合物としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド等が挙げられる。
亜硫酸エステル化合物としては、エチレンサルファイト等が挙げられる。
含窒素環状化合物としては、1-メチル-2-ピロリジノン、1-メチル-2-ピペリドン、3-メチル-2-オキサゾリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルスクシンイミド等が挙げられる。これら含窒素環状化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
電解質組成物における塩解離剤の含有量は、アルカリ金属塩の濃度が高濃度であっても、アルカリ金属塩のイオンへの解離がより促進され、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、当該塩解離剤の含有量は、アルカリ金属塩のイオンへの解離がより促進され、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、より一層好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに一層好ましくは20質量%以下である。
〔重合体〕
電解質組成物は、さらに固体電解質との結着性を付与する観点から、ポリエーテル系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ニトリル系重合体、フッ素系重合体、ポリエーテル系重合体及びポリカーボネート重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系重合体としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマー、これらの単量体やその他の単量体との共重合体等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイルは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、以下に例示する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2-(アセトアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリアルキレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシポリアルキレングリコール、(メタ)アクリル酸シアノエチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体の原料として用いられるその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、メチル(α-ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル(α-ヒドロキシメチル)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、カルボキシル基末端カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸スルホエチル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等の酸性官能基含有重合性単量体類;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル化合物類;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有重合性単量体類;(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプタドデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-ビニルピリジン、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルピロリドン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、アクリロニトリル等の窒素原子含有重合性単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の多官能性重合性単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸α-メチルグリシジル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有重合性単量体類;2-(メタ)アクロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクロイルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,αジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基含有重合性単量体類;4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等の単官能ビニル化合物類;等が挙げられる。
ニトリル系重合体としては、特に制限されないが、例えばアクリロニトリルのホモポリマーや、その他の単量体との共重合体等が挙げられる。
フッ素系重合体としては、特に制限されないが、例えばフッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)等のホモポリマー、これらの単量体やその他の単量体との共重合体等が挙げられる。フッ素系重合体の原料として用いられるその他の単量体は、前記(メタ)アクリル系重合体の原料として用いられる(メタ)アクリル酸エステルの他、エチレン、プロピレン、ビニルエーテル、ビニルエステル等が挙げられる。
ポリエーテル系重合体は、アルキレンオキシド由来の構造単位を有するものであれば特に制限されないが、エチレンオキシド由来の構造単位(以下「構造単位(a)」ともいう)を有することが好ましい。ポリエーテル系重合体は、さらに下記式(3);
Figure 0007387416000001
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1~3の炭化水素基を表す。)で表される構造単位(b)、及び/又は下記式(4);
Figure 0007387416000002
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖を有する炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、官能基を有していてもよい、炭素数1~12の炭化水素基を表す。nは、0~12の整数を表す。mは0又は1である。)で表される構造単位(c)を有していてもよい。これらの中では、ポリエーテル系重合体は、前記構造単位(a)及び構造単位(b)を有するものが好ましい。
前記式(3)におけるRは、同一又は異なって、炭素数1~3の炭化水素基である。炭素数1~3の炭化水素基としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、Rとして好ましくはエチル基である。ここで、「同一又は異なって」とは、ポリエーテル系重合体が式(3)で表される構造単位を複数有する場合に、それぞれのRが、同一であっても異なっていてもよいことを意味する。
ポリエーテル系重合体に、式(3)で表される構造単位を導入するための原料単量体としては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、ブチレンオキシドが好ましい。
前記式(4)におけるRは、同一又は異なって、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖を有する炭化水素基である。Rの炭素数として、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4である。炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖を有する炭化水素基としては、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、トリメチレン(-CHCHCH-)、テトラメチレン(-CHCHCHCH-)等の、直鎖のアルキレン基;エチリデン[-CH(CH)-]、プロピレン[-CH(CH)CH-]、プロピリデン[-CH(CHCH)-]、イソプロピリデン[-C(CH-]、ブチレン[-CH(CHCH)CH-]、イソブチレン[-C(CHCH-]、ブチリデン[-CH(CHCHCH)-]、イソブチリデン[-CH(CH(CH)-]等の分岐鎖のアルキレン基等が挙げられる。これらの中でも、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の直鎖アルキレン基;及びプロピレン、プロピリデン、ブチレン、ブチリデン等の分岐鎖アルキレン基が高いイオン伝導度を示すという点で好ましい。より好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、プロピレン、プロピリデン及びブチレンであり、さらに好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンである。前記式(4)において、Rは1種であっても2種以上であってもよい。Rが2種以上である場合、-(R-O)-で表されるオキシアルキレン基の付加形態は、ブロック状、ランダム状等のいずれの形態であってもよい。
前記式(4)におけるROで表される基の平均付加モル数を表すnは、0~12の整数であり、ROで表されるオキシアルキレン基の種類によっても異なるが、1~8の範囲であることが好ましい。
前記式(4)におけるmは、0又は1であるが、nが0のとき、mとしては1が好ましい。
前記式(4)におけるRは、同一又は異なって、官能基を有していてもよい、炭素数1~12の炭化水素基である。前記炭化水素基としては、特に制限されないが、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられる。前記炭化水素基がアリール基の場合、炭素数としては、6~12であることが好ましく、より好ましくは、6~8である。前記炭化水素基がアリール基以外の場合、炭素数としては、より好ましくは1~8であり、さらに好ましくは1~4である。炭化水素基としてはアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、イソブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルがより好ましい。さらに好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、及びn-ブチルである。
ポリエーテル系重合体に、前記式(4)で表される構造単位を導入するための原料単量体としては、メトキシエチルグリシジルエーエル、プロポキシエチルグリシジルエーテル、ブトキシエチルグシリジルエーテル、メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル、プロポキシエトキシエチルグリシジルエーテル、ブトキシエトキシエチルグシリジルエーテル、トリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル、トリエチレングリコールプロピルグリシジルエーテル、トリエチレングリコールブチルグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネート重合体としては、特に限定されないが、カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のホモポリマー、これらの単量体やその他の単量体との共重合体等が挙げられる。
電解質組成物における重合体の含有量は、アルカリ金属カチオンのイオン伝導度及び輸率を向上させる観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
〔光及び/又は熱硬化性単量体〕
電解質組成物は、さらに光及び/又は熱硬化性単量体(以下単に「硬化性単量体」ともいう)を含んでいてもよい。
硬化性単量体は、光及び/又は熱により重合可能な官能基を有するものであれば特に制限されない。前記官能基としては、重合性不飽和基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
また、硬化性単量体は、ヘテロ元素を有するものが好ましい。ヘテロ元素としては、窒素、酸素、硫黄、リン、塩素、ヨウ素、臭素等の元素が挙げられる。これらの中では、酸素及び窒素が好ましく、酸素がより好ましい。
硬化性単量体は、重合可能な官能基を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
単官能性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の置換基を有していてもよいアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート類;2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;ブチルグリシジルエーテル、tert-ブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシル-グリシジルエーテル等の単官能エポキシ化合物;エチレングリコールモノアリルエーテル等の単官能アリルエーテル化合物等が挙げられる。
重合可能な官能基を2以上有する多官能性単量体としては、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸α-メチルグリシジル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、エポキシブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、1,2-エポキシ-5,9-シクロドデカジエン、3,4-エポキシ-1-ビニルシクロへキセン、1,2-エポキシ-5-シクロオクテン、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、4-ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、α-テルペニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニルメチルグリシジルエーテル、4-ビニルベンジルグリシジルエーテル、4-アリルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールアリルグリシジルエーテル、エチレングリコールビニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールアリルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールビニルグリシジルエーテル、トリエチレングリコールアリルグリシジルエーテル、トリエチレングリコールビニルグリシジルエーテル、オリゴエチレングリコールアリルグリシジルエーテル、オリゴエチレングリコールビニルグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物;ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等の多官能ビニル化合物;2-(メタ)アクロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクロイルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,αジメチルベンジルイソシアネート等のシアネート基含有化合物、ウレタン結合とアクリレート基を有するウレタンアクリレート等が挙げられる。
これら硬化性単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、硬化性単量体を2種類以上併用する場合、多官能性単量体を含むものが好ましい。
また、硬化性単量体としては、エーテル基を有するものが好ましく、アルキレンオキシド由来の構造単位を有するものがより好ましい。アルキレンオキシド由来の構造単位を有する硬化性単量体としては、上述のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
また、アルキレンオキシド由来の構造単位を有する硬化性単量体と、これ以外の多官能性単量体とを併用することがさらに好ましい。併用する多官能性単量体として、ウレタンアクリレートが好ましい。アルキレンオキシド由来の構造単位を有する単官能性単量体とウレタンアクリレートとを併用する形態は本発明の好適な実施形態の1つである。
〔重合開始剤〕
電解質組成物は、上述の硬化性単量体と共に、さらに重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤や、熱ラジカル開始剤、アニオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤、エポキシ樹脂硬化剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させ、熱ラジカル重合開始剤は加熱により重合開始ラジカルを発生させることができる。光アニオン重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により重合開始アニオン種を発生させ、重合反応を開始できる。エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる際の硬化剤として用いられもので、エポキシ基の開環重合反応を開始できる。なお、ここでいうアニオン重合開始剤とは、重合開始アニオン種を発生する重合反応を開始する成分であって、光アニオン重合開始剤に該当しないものを意味する。
光ラジカル重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリル)フェニル]-1-ブタノンなどのアセトフェノン類;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリドなどのチオキサントン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド類;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)などのオキシムエステル類;オキシフェニル酢酸,2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、オキシフェニル酢酸,2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどのオキシフェニル酢酸エステル類;等が挙げられる。
電解質組成物における重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、硬化性単量体100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、重合開始剤の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
(電解質組成物の製造方法)
電解質組成物は、例えば、アルカリ金属塩、塩解離剤、必要に応じて、硬化性単量体、重合開始剤、各種添加剤等を混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製できる。
<固体電解質膜>
本実施形態に係る固体電解質膜は、本実施形態の固体電解質を用いて形成される。即ち、この固体電解質膜は、硫化物系固体電解質及び電解質組成物から構成されるため、当該固体電解質膜を備える電池は、その界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制され、安定性に優れる。
固体電解質膜の製造方法としては、硫化物系固体電解質を用いて固体電解質膜(A)を形成し、電解質組成物を用いて固体電解質膜(B)を形成し、得られた固体電解質膜(A)と固体電解質膜(B)とを重ね合わせて積層膜とする方法;硫化物系固体電解質と電解質組成物とを混合し、得られた混合物を用いて固体電解質膜を形成する方法等が挙げられる。
固体電解質膜(A)を形成する方法としては、硫化物系固体電解質を、例えば、金型プレス、ロールプレス等を用いて加圧処理を施し、所望の形状に成形した後、一軸または多軸方向に延伸する方法等が挙げられる。
固体電解質膜(B)を形成する方法は特に制限されないが、固体電解質膜(B)が支持体(セパレーター)を含む場合には、電解質組成物を含む電解質溶液を支持体上に塗布又は含浸させ、乾燥させることが好ましい。乾燥方法は、特に制限されないが、加熱乾燥及び/又は減圧乾燥を行うことが好ましい。また、電解質組成物が光及び/又は熱硬化性単量体を用いて製膜する場合、支持体を用いずに固体電解質膜(B)を形成できる、即ち自立膜を形成できる。
支持体としては、特に制限されないが、織布、不織布、(微)多孔質膜及びガラス成形体等が挙げられる。支持体の中では、セルロース系樹脂(セルロース系繊維)からなるセルロース不織布;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂からなるPET不織布;ガラス繊維からなるガラス不織布;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン不織布;ポリオレフィン微多孔膜及びポリイミド多孔膜からなる群より選択される少なくとも1種からなるものが好ましく、セルロース不織布及びポリオレフィン微多孔膜がより好ましい。
なお、支持体は、さらに親水性を向上させるために、界面活性剤を付与する方法、発煙硫酸、クロルスルホン酸等の化学薬品によるスルホン化、フッ素化、グラフト化処理等の方法、又は、コロナ放電やプラズマ放電等による方法によって親水化処理したものを用いても良い。
固体電解質膜(B)の膜厚(支持体も含めた厚さ)は、好ましくは5~300μm、より好ましくは、10~250μm、さらに好ましくは15~200μmである。
なお、電解質組成物中のアルカリ金属塩と塩解離剤とを硬化性単量体に溶解させることができる場合やアルカリ金属塩と硬化性単量体とを塩解離剤に溶解させることができる場合には、安全性、環境の観点から、有機溶媒を含まない電解質溶液を用いて固体電解質膜(B)を形成することが好ましい。前記以外の場合、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の塩解離剤よりも低い沸点を有する有機溶媒を用いてもよい。
また、電解質組成物に硬化性単量体及び重合開始剤が含有されている場合、乾燥後、架橋反応(硬化工程)を行うことが好ましい。架橋反応は、例えば、熱、光等により行うことができる。このように、電解質組成物を硬化して得られる固体電解質膜(B)は、アルカリ金属塩と、塩解離剤と、硬化性単量体由来の構造単位を有する重合体とを含む固体電解質膜ともいえる。
硫化物系固体電解質と電解質組成物とを混合し、得られた混合物を用いて固体電解質膜を形成する方法としては、例えば、硫化物系固体電解質と、電解質組成物成分として、アルカリ金属塩、塩解離剤、及び必要に応じて重合体とを混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製した混合物を、金型プレス、ロールプレス等を用いて加圧処理を施し、所望の形状に成形する方法;硫化物系固体電解質と、予め調整した電解質組成物(換言すると、支持体を含まない固体電解質(B))とを混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製した混合物を、金型プレス、ロールプレス等を用いて加圧処理を施し、所望の形状に成形する方法;又はいずれかの方法で得られた混合物を溶媒に溶解させ、支持体上に塗布し乾燥することで所望の固体電解質膜を得る方法等があげられる。
溶媒を用いて塗膜形成する場合に用いる溶媒としては、N-メチルピロリドン、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の使用量は特に限定されず、製造方法や使用する材料等に応じて適宜決定すればよい。
<電極>
本実施形態に係る電極は、硫化物系固体電解質及び電解質組成物と共に、活物質とを含む。この電極は、硫化物系固体電解質及び電解質組成物を含むため、当該電極を備える電池は、その界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制され、安定性に優れる。電極は、正極及び負極のいずれに用いてもよい。
(正極)
正極は、正極集電体及び正極合材層を含み、正極合材層が正極集電体上に形成されている。
正極集電体に用いられる金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金等が挙げられる。これらの中ではアルミニウムが好ましい。なお、正極集電体の形状や寸法は、特に制限されない。
正極合材層は、正極組成物から形成されている。正極組成物は、前記硫化物系固体電解質及び電解質組成物、正極活物質、導電助剤、結着剤等を含有する。
正極活物質は、イオンを吸蔵及び放出できるものであればよく、一般に使用される正極活物質を使用できる。正極活物質の具体例としては、MCoO、MNiO、MMnO、MNi1-x-yCoMnやMNi1-x-yCoAl(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される三元系酸化物等の遷移金属酸化物;MNiMn(2-y)(0.9≦x≦1.1、0<y<1)で表されるニッケルマンガン酸;MAPO(A=Fe、Mn、Ni、Co)等のオリビン構造を有する化合物;遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のMMnOと、電気化学的に活性な層状のMM”O([M”=Co、Ni等の遷移金属]との固溶体)(Mはアルカリ金属イオンを表す)等が例示できる。これら正極活物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。正極組成物の不揮発分における正極活物質の含有率は、アルカリ金属電池の出力特性及び電気特性を向上させる観点から、好ましくは70~98.8質量%、より好ましくは80~98.3質量%である。
導電助剤は、アルカリ金属電池の出力を向上させるために用いられる。導電助剤としては、主として導電性カーボンが用いられる。導電性カーボンとしては、カーボンブラック、ファイバー状カーボン、黒鉛等が挙げられる。導電助剤の中では、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。正極組成物の不揮発分における導電助剤の含有率は、アルカリ金属電池の出力特性及び電気特性を向上させる観点から、好ましくは1~20質量%、より好ましくは1.5~10質量%である。
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂;等が挙げられる。結着剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、結着剤は、使用の際に溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
溶媒を用いてスラリー化する場合に用いる溶媒としては、N-メチルピロリドン、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の使用量は特に限定されず、製造方法や使用する材料等に応じて適宜決定すればよい。
(負極)
負極は、負極集電体及び負極合材層を含み、負極合材層が負極集電体上に形成されている。
負極集電体に用いられる金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金等が挙げられる。これらの中では銅が好ましい。なお、負極集電体の形状や寸法は特に制限されない。
負極合材層は、負極組成物から形成されている。負極組成物は、前記硫化物系固体電解質及び電解質組成物、負極活物質、導電助剤、結着剤等を含有する。
負極活物質は、イオンを吸蔵及び放出できるものであればよく、一般に使用される負極活物質を使用できる。負極活物質の具体例としては、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料、ポリアセン系導電性ポリマー、チタン酸リチウム等の複合金属酸化物、リチウム合金、シリコン系材料等が挙げられる。負極活物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。負極組成物の不揮発分における負極活物質の含有率は、アルカリ金属電池の出力特性及び電気特性を向上させる観点から、好ましくは85~99.7質量%、より好ましくは90~99.5質量%である。
導電助剤、結着剤、及び溶媒は、正極組成物に用いられるものと同様のものを使用できる。負極組成物の不揮発分における導電助剤の含有率は、アルカリ金属電池の出力特性及び電気特性を向上させる観点から、好ましくは1~20質量%、より好ましくは1.5~10質量%である。また、負極の製造方法は、正極の製造方法と同様の方法を採用できる。
(電極の製造方法)
電極の製造方法の具体例としては、スラリーを調製し、得られたスラリーを用いて電極を形成する方法等が挙げられる。スラリーの調製方法としては、硫化物系固体電解質と、正極活物質又は負極活物質と、導電助剤と、電解質組成物成分として、アルカリ金属塩、塩解離剤、及び必要に応じて重合体と、結着材とを溶媒で混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製する方法;硫化物系固体電解質と、正極活物質又は負極活物質と、予め調整した電解質組成物(換言すると、支持体を含まない固体電解質(B))と、必要に応じて結着材とを溶媒で混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製する方法等が挙げられる。
前記で得られたスラリーを用いて電極を形成する方法としては、集電体に前記スラリーをドクターブレード法等で塗工したり、集電体を前記スラリーに浸漬した後に、乾燥する方法;前記スラリーを混練成形し乾燥して得たシートを集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;前記スラリーに液状潤滑剤を添加したスラリーを集電体上に塗布または流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸または多軸方向に延伸する方法等が挙げられる。なお、前記スラリーを用いて電極を形成する場合、必要により、金型プレス、ロールプレス等を用いて加圧処理を施してもよい。
また、前記以外の電極の製造方法としては、集電体に、硫化物系固体電解質と、正極活物質又は負極活物質と、導電助剤と、電解質組成物成分として、アルカリ金属塩、塩解離剤、及び必要に応じて重合体と、結着材とを、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製した混合物、又は硫化物系固体電解質と、正極活物質又は負極活物質と、予め調整した電解質組成物(換言すると、支持体を含まない固体電解質(B))と、必要に応じて結着材とを混合し、ビーズミル、ボールミル、攪拌型混合機等を用いて分散させることによって調製した混合物を、金型プレス、ロールプレス等を用いて加圧処理を施し、集電体に結着させて成形する方法等が挙げられる。
<アルカリ金属電池>
本実施形態に係るアルカリ金属電池は、電極(正極及び負極)と、正極及び負極との間に設けられた固体電解質膜とから構成され、この固体電解質膜が正極及び負極等と共に外装ケースに収容されている。本実施形態では、本実施形態の固体電解質膜及び電極を備える。そのため、このアルカリ金属電池は、その界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制され、安定した電池性能を発現できる。なお、当該アルカリ金属電池は、本実施形態の固体電解質膜及び電極のいずれか1つを備えるものでもよいが、界面抵抗の低減と安定化との両立をより一層図る観点から、当該固体電解質膜及び電極を備えるものが好ましい。
本実施形態に係るアルカリ金属電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用できる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V~数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
本実施形態に係るアルカリ金属電池は、全固体二次電池として、特にリチウムイオン二次電池に好適に使用できる。
以下に、本開示を実施例に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではなく、以下の実施例を本開示の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本開示の範囲から除外するものではない。
<実施例1>
(無機固体電解質の作製)
原料として、LiS(日本化学工業株式会社製、99%)、P(Aldrich社製、98%)を用いて非晶質LiPS固体電解質を作製した。具体的には、これらの原料をステンレス(SUS-316)製のポットに、ジルコニアボール(10mmΦ:7個、3mmΦ:10個)とともにアルゴン雰囲気下でO(オー)リングによって密閉し、メカニカルミリング処理を施すことにより、非晶質LiPS固体電解質を得た。メカニカルミリング条件は、回転数380rpm、処理時間35時間とした。
(固体電解質膜(A)の作製)
前記で得られた非晶質LiPS固体電解質を、Φ10mmの加圧治具に67mg投入し、380MPaで1軸加圧することで、厚み0.8mmの電解質ペレット(固体電解質膜(A))を得た。
(電解質組成物の作製)
アルカリ金属塩として1.33gのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI、株式会社日本触媒製)と、塩解離剤として0.27gのジメチルスルホン(富士フイルム和光純薬株式会社製)とをPPバイアル(10mL)に計量し、撹拌混合することで混合物を得た。
前記で得られた混合物と、0.2gの硬化性単量体(X)(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村化学株式会社製)と、0.2gの硬化性単量体(Y)(ウレタンアクリレート、商品名:UA-7100、新中村化学株式会社製)と、0.05gの重合開始剤(ESACURE KTO46(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、α-ヒドロキシケトン及びベンゾフェノン誘導体の混合物)、DKSHジャパン株式会社製)とを混合し、恒温槽を用いて60℃で60分間、加熱溶解させて、電解質溶液(電解質組成物)を得た。
(固体電解質膜(B)の作製)
前記で得られた電解質溶液を、厚み15μmの銅箔上に塗布した後、200μmのPETフイルムをスペーサーに用いて、上面に厚み50μmのPTFE製のシート(以下単に「PTFEシート」という)を被せ、平行平板プレス機で平坦化させた。超高圧水銀ランプ(4.2mW/cm(365nm)、50μmのPTFEシート透過後)を用いて、PTFEシートを介して、PTFEシートの両面から各々180秒間UV光を照射して光重合反応を行い、膜厚192μmの固体電解質膜(B)を得た。
(リチウムイオン二次電池の作製)
固体電解質膜(B)からPTFEシートを剥離した面が固体電解質膜(A)と対向するように、Φ10mmのPTFE製の筒内に、下から順に、Φ9mm銅箔(負極)と、固体電解質膜(A)と、Φ9mmに打ち抜いた固体電解質膜(B)とを重ね合わせた。これにより、固体電解質膜(A)と固体電解質膜(B)とが積層された固体電解質膜(C)を得た。即ち、固体電解質膜(C)は、硫化物系固体電解質と、アルカリ金属塩、塩解離剤、硬化性単量体及び重合開始剤を含有する電解質組成物とを含む固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜である。この固体電解質(C)を銅箔と共にステンレス製の電極(正極)で挟み、ネジ式の手締めで固定することにより、リチウムイオン二次電池を得た。
(電池評価)
前記で得られたリチウムイオン二次電池を40℃の恒温槽に設置した後、ポテンショガルバノスタット(VSP-300、Biologic製)を用いて、周波数1MHz~10mHz、振幅10mVの条件下、2.5時間毎に22.5時間まで、インピーダンスを測定した。
<比較例1>
(架橋基含有ポリアルキレンオキシド共重合体の合成)
攪拌機、添加口及び温度センサーを備えた1Lオートクレーブ反応器を窒素により置換後、モレキュラーシーブで脱水処理を施したトルエン286.5部と、t-ブトキシカリウム(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)0.85部とを順次投入し、反応器内の圧力がゲージ圧で0.3MPaになるまで窒素で加圧した。
オイルバスで反応器の内温を90°Cまで昇温した後、エチレンオキシドの供給を0.85部/分の供給速度で開始し、エチレンオキシドの供給開始から30分経過してから、単量体混合物(重量比:ブチレンオキシド/アリルグリシジルエーテル=8/3)を0.131部/分の供給速度で供給を開始した。さらにエチレンオキシドの供給開始2.5時間経過後、供給速度をそれぞれ0.43部/分、0.053部/分に低下させ、さらに5時間定量的に供給した(エチレンオキシドの供給量:計255部、単量体混合物の供給量:計31.5部)。供給中、重合熱による内温上昇および内圧上昇を監視・制御しながら100℃±5℃で反応を行った。供給終了後、さらに100℃±5℃で2時間保持して熟成させた。熟成終了後、減圧脱揮によって反応混合物から溶媒を留去し、Mw10.4万の架橋基含有ポリアルキレンオキシド共重合体を得た。
(ポリマー固体電解質膜(D)の作製)
0.2gのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI、LBGグレード、キシダ化学株式会社製)と、0.79gの前記架橋基含有ポリアルキレンオキシド共重合体と、0.01gの重合開始剤(ESACURE KTO46)をPPバイアル(10mL)に計量し、1.6mLのアセトニトリル(LBGグレード、キシダ化学株式会社製)を混合溶解して電解質溶液を得た。
前記で得られた電解質溶液を、厚み15μmの銅箔上に塗布した後、熱風乾燥機を用いて、40℃で30分間の加熱乾燥後、減圧乾燥機を用いて、絶対圧で真空度-0.1MPa、40℃で24時間の減圧乾燥を行うことで、溶媒を除去した。乾燥後の膜上面に厚み50μmのPTFEシートを被せた後、超高圧水銀ランプ(4.2mW/cm(365nm)、PTFEシート透過後)を用いて、両面から各々60秒間UV光を照射して光重合反応を行い、膜厚30μmのポリマー固体電解質膜(D)を得た。
(リチウムイオン二次電池の作製及びその評価)
固体電解質膜(B)をポリマー固体電解質膜(D)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質膜(A)とポリマー固体電解質膜(D)とが積層された固体電解質膜(E)を形成し、当該固体電解質膜(E)用いてリチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を実施した。
<電池評価の結果>
実施例1の固体電解質膜(C)及び比較例1の固体電解質膜(E)のバルク抵抗値(膜に対して垂直方向の抵抗値)の増加量(経時変化)を図1に示す。図1の結果から、バルク抵抗値は、比較例1では時間経過に伴って増大したのに対し、実施例1では経時変化がほとんどなく、安定であることが分かった。
また、実施例1では、22.5時間経過後の固体電解質(A)及び固体電解質膜(B)の膜間の界面抵抗値は、15kΩであった。一方、比較例1では、22.5時間経過後の固体電解質(A)及びポリマー固体電解質膜(D)の膜間の界面抵抗値が、35kΩであった。この結果から、膜間の界面抵抗値は、実施例1では比較例1の半分以下に低減されることが分かった。
以上の結果から、実施例1の固体電解質は、硫化物系固体電解質と共に、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する電解質組成物を含むため、当該電解質組成物の代わりに従来のポリマー固体電解質を含む比較例1の固体電解質と比べて、界面抵抗が低く、且つ経時変化による抵抗の増大が抑制される安定な固体電解質膜や電極が得られることが分かる。
以上説明したように、本開示は、アルカリ金属電池に用いられる固体電解質に適している。

Claims (8)

  1. 硫黄原子を含む無機固体電解質と、アルカリ金属塩及び塩解離剤を含有する電解質組成物とを含む固体電解質であって、
    前記アルカリ金属塩としてLiN(FSO を含み、
    前記塩解離剤として、カーボネート化合物、ニトリル化合物及びスルホニル化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記電解質組成物に含まれる成分の総量100質量%に対する前記アルカリ金属塩の含有量が50質量%以上であることを特徴とする固体電解質。
  2. 前記電解質組成物がさらにポリエーテル系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ニトリル系重合体、フッ素系重合体、ポリエーテル系重合体及びポリカーボネート重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記電解質組成物がさらに光及び/又は熱硬化性単量体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. 前記電解質組成物1kg当たりの前記アルカリ金属塩の濃度が1.8mol/kg以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の固体電解質。
  5. 前記電解質組成物に含まれる成分の総量100質量%に対する前記塩解離剤の含有量が5質量%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電解質。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の固体電解質を用いて形成されてなる固体電解質膜。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の固体電解質と、活物質とを含むことを特徴とする電極。
  8. 請求項に記載の固体電解質膜及び/又は請求項に記載の電極を備えるリチウムイオン二次電池。
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