JP7386184B2 - 高周波および高電力薄膜部品 - Google Patents

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Description

関連出願に対する相互引用
本願は、2018年6月6日の出願日を有する米国仮特許出願第62/681,262号の出願日の権利を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
従来技術
高周波無線信号通信は、人気が高まりつつある。例えば、ワイヤレス接続のためのデータ送信速度を高める要望が、5Gスペクトル周波数で動作するように構成されたものを含む、高周波部品の需要を喚起している。同時に、微小化に向かう傾向も、受動部品の小型化の要望を高めている。しかしながら、受動部品の微小化は、一般に、耐電力特性(power handling capacity)を低下させて望ましくない。
高電力レベルで動作することができる、抵抗器のような、小型の高周波部品があれば、当技術分野では歓迎されるであろう。
本開示の一実施形態によれば、表面実装部品は、熱伝導性である電気絶縁ビームを含む。電気絶縁ビームは、第1端と、第1端の反対側である第2端とを有する。表面実装部品は、電気絶縁ビームの第1端に隣接して、電気絶縁ビーム上に形成された薄膜部品を含む。電気絶縁ビームの第2端に隣接して、電気絶縁ビーム上にヒート・シンク端子が形成される。
本開示の一実施形態によれば、表面実装部品は、熱伝導性である電気絶縁ビームと、電気絶縁ビーム上に形成された薄膜部品とを含む。薄膜部品は、約28GHzにおいて約0.17W/mmよりも大きい面積電力容量(area power capacity)を有する。
本発明の完全で実施可能な開示は、その最良の態様を含み、当業者を対象とし、添付図面を参照して、本明細書の残りの部分で更に具体的に説明する。
図1は、本明細書において開示する主題の態様による薄膜部品を含む、フリップ・チップ表面実装部品の一実施形態の斜視図である。 図2Aは、図1に描いたフリップ・チップ表面実装部品の実施形態の上面図である。 図2Bは、印刷回路ボードのような、実装面上に実装された、図1に描いたフリップ・チップ表面実装部品の実施形態の側面図である。 図3Aは、本明細書において開示する主題の態様による表面実装部品のビームの側面上にヒート・シンク端子が配置された、包み込み端子(wrap-around terminal)を有する表面実装部品の実施形態の斜視図である。 図3Bは、本明細書において開示する主題の態様による表面実装部品のビームの側面上にヒート・シンク端末が配置されていない、包み込み端子を有する表面実装部品の他の実施形態の斜視図である。 図4Aは、図3Aに描いた表面実装部品の実施形態の上面図である。 図4Bは、印刷回路ボードのような、実装面上に実装された、図3Aに描いた表面実装部品の実施形態の側面図である。 図5Aは、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる薄膜抵抗器の実施形態の選択部分の斜視図である。 図5Bは、本明細書において開示する主題の態様による、更にカバーを含む、図5Aに描いた薄膜抵抗器の実施形態の斜視図である。 図6Aは、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、薄膜抵抗器の実施形態の選択部分の斜視図である。 図6Bは、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、薄膜抵抗器の他の実施形態の選択部分の斜視図である。 図7は、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、周波数補償層の第1構成を示す。 図8は、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、周波数補償層の第2構成を示す。 図9は、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、周波数補償層の第3構成を示す。 図10は、本明細書において開示する主題の態様による、表面実装部品の一部として含むことができる、周波数補償層の第4構成を示す。 図11Aは、本明細書において開示する主題の態様による周波数補償薄膜抵抗器の伝達係数のグラフである。 図11Bは、本開示の態様による周波数補償薄膜抵抗器の等価回路の模式図である。 図12は、本開示の態様による薄膜抵抗器を含む表面実装部品の種々の特性を判定する検査アセンブリのコンピュータ・モデルの斜視図である。
本明細書および図面における参照記号の反復使用は、本発明の同じまたは類似する特徴もしくは要素を表すことを意図している。
この論述は、例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明の広義な態様を限定することは意図しておらず、広義な態様は例示的な構造において具体化されることは、当業者には理解されよう。
概して言えば、本発明は、優れた熱放散能力を有する表面実装部品を対象とする。表面実装部品は、熱伝導性である電気絶縁ビームを含むことができる。電気絶縁ビームは、第1端と、第1端の反対側にある第2端とを有することができる。表面実装部品は、電気絶縁ビームの第1端に隣接して、電気絶縁ビーム上に形成された薄膜部品を含むことができる。電気絶縁ビームの第2端に隣接して、電気絶縁ビーム上に、ヒート・シンク端子を形成することができる。ある実施形態では、薄膜部品は、約28GHzにおいて、約0.17W/mmよりも大きい面積電力容量を有することができる。
「面積電力容量」(area power capacity)(W/mm)は、電力容量(W)を部品の面積、または「フットプリント」(footprint)で除算した値と定義することができる。面積電力容量は、高耐電力(high power handling)および小さいサイズの組み合わせを定量化するのに適した計量と言って差し支えない。言い換えると、高い面積電力容量は、そのサイズ、例えば、フットプリントと比較すると、高い電力容量を有する小型の部品を示すことができる。
電気絶縁ビームは、薄膜部品から離れる方向への熱の流れを促進し、薄膜部品が、過熱せずに、より高い電力レベルで動作することを可能にする。薄膜部品を通過する電流は、熱を生成し、この熱は抵抗器を過熱させる可能性があり、望ましくない。部品から離れる方向への熱放散を改善することによって、部品はより大きい電力容量を有することができる。言い換えると、部品は、過熱することなく、より高い率でエネルギを放散できるとして差し支えない。
ある実施形態では、薄膜部品は薄膜抵抗器を含んでもよい。薄膜抵抗器は、抵抗膜と、この抵抗膜の上に配された周波数補償導電層とを含むことができる。分離層(例えば、接着材)を、抵抗層と周波数補償導電層との間に配置すれば、周波数補償導電層が抵抗層と電気的に接触しないようにすることができる。ある実施形態では、周波数補償導電層は、薄膜抵抗器の端子の少なくとも1つと電気的に接触することができる。しかしながら、他の実施形態では、周波数補償導電層は、双方の端子から電気的に隔離することができる。周波数補償導電層および抵抗層は、それらの間に容量を形成するのはもっともである。この容量は、薄膜抵抗器の周波数応答特性を、例えば、高周波数において、および/または広い周波数範囲にわたって、改善することができる。
表面実装部品は、他の部品との電気接続のために、印刷回路ボード上に実装することができる。表面実装部品のヒート・シンク端子は、印刷回路ボード上のヒート・シンクと接続するように構成することができる。例えば、ある実施形態では、ヒート・シンク端子をサーマル・ビア(thermal via)または他の適したヒート・シンク(例えば、熱フィン・アセンブリ)と接続することができる。ヒート・シンク端子は、薄膜部品の端子から電気的に分離することもできる。薄い部品(thin-component)からヒート・シンク端子への電流の流れを防止するまたは実質的に防止することができるように、ビームが高い電気抵抗を有してもよい。それでも、熱は薄膜部品からヒート・シンク端子に容易に流れることができる。この構成は、熱を薄膜部品から放散することができるという利点がある。
ある実施形態では、薄膜部品は薄膜抵抗器を含むこともできる。薄膜抵抗器は、所望通りに、種々の抵抗値を呈するように構成することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜抵抗器は、約1Ωから約2,000Ωの範囲に及ぶ抵抗を有してもよく、ある実施形態では約2Ωから約1,000Ω、ある実施形態では約5Ωから約750Ω、ある実施形態では約10Ωから約500Ω、ある実施形態では約25Ωから約400Ωの範囲に及ぶ抵抗を有してもよい。
薄膜抵抗器の抵抗層は、種々の薄膜技法を使用して、形成することができる。種々の薄膜技法には、フォトリソグラフィまたは任意の他の適したパターニング技法、エッチング、PECVD(プラズマ促進化学蒸着)処理、あるいは他の加算および/または減算技法が含まれる。薄膜抵抗器の抵抗層は、種々の適した抵抗性材料から形成することができる。例えば、抵抗層は、窒化タンタル(TaN)、ニッケル・クロム(NiCr)、アルミニウム化タンタル(tantalum aluminide)、クロム・シリコン、窒化チタン、チタン・タングステン、タンタル・タングステン、このような材料の酸化物および/または窒化物、および/または任意の他の適した薄膜抵抗性材料を含んでもよい。
抵抗層は、任意の適した厚さを有することができる。例えば、ある実施形態では、抵抗層の厚さは約0.001μmから約1,000μm、ある実施形態では約0.01μmから約100μm、ある実施形態では約0.1mから約50μm、ある実施形態では約0.5μmから約20μmの範囲に及ぶのでもよい。
薄膜抵抗器は、広い周波数範囲にわたって優れた周波数伝達特性を提供することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜抵抗器は、約20GHzから約40GHz(またはそれ以上)まで実質的に変わらない伝達係数(S21)を呈することができる。例えば、薄膜抵抗器は、20GHzにおける薄膜抵抗器の伝達係数と比較すると、約20GHzから約40GHzまでで20%未満、ある実施形態では10%未満、ある実施形態では5%未満、ある実施形態では2%未満、そしてある実施形態では1%未満しか変動しない第1伝達係数を呈することができる。
ある実施形態では、薄膜抵抗器の伝達係数は、5Gスペクトル周波数にわたって実質的に一定となることができる。例えば、ある実施形態では、伝達係数は、約20GHzから約60GHzまで、またはそれ以上の範囲に及ぶ周波数にわたって、約20%未満、ある実施形態では約10%未満、ある実施形態では約5%未満、ある実施形態では約2%未満、そしてある実施形態では約1%未満しか変動しない場合もある。ある実施形態では、伝達係数は、約20GHzから約40GHzまで、またはそれ以上の範囲に及ぶ周波数にわたって、約20%未満、ある実施形態では約10%未満、ある実施形態では約5%未満、ある実施形態では約2%未満、そしてある実施形態では約1%未満しか変動しない場合もある。
一例として、一実施形態では、薄膜抵抗器の伝達係数は、1GHzにおいて約-6.025dBであり、薄膜抵抗器の伝達係数は、1GHzから約30GHzまで、またはそれ以上の範囲の周波数に対して、約-7.23dBから約-5.59dBまでの範囲、ある実施形態では約-6.63dBから約-5.63dBまでの範囲、ある実施形態では約-6.15dBから約-5.65dBまでの範囲、そしてある実施形態では約-6.09から約-5.66dBの範囲に及ぶ場合もある。
ある実施形態では、薄膜抵抗器の抵抗は、5Gスペクトル周波数にわたって実質的に変わらない場合もある。例えば、ある実施形態では、薄膜抵抗器の抵抗は、約20GHzから約40GHzまで、またはそれ以上(例えば、約60GHzまで)の周波数範囲にわたって、約20%未満、ある実施形態では約15%未満、ある実施形態では約10%未満、ある実施形態では約5%未満、そしてある実施形態では約1%未満しか変動しない場合もある。
ある実施形態では、薄膜抵抗器は周波数補償導電層を含んでもよく、この周波数補償導電層は、薄膜抵抗器の周波数応答特性および/または一定抵抗(consistent resistance)に寄与することができる。周波数補償導電層は、抵抗層と並列に配置され、その間に容量を形成することができる。
ある実施形態では、周波数補償導電層を、薄膜法を使用して、形成してもよい。例えば、フォトリソグラフィまたは任意の他の適したパターニング技法、エッチング、PECVD(プラズマ促進化学蒸着)処理、あるいは他の加算および/または減算技法を含む、種々の薄膜技法を使用して、周波数補償導電層を形成することができる。しかしながら、周波数補償導電層は、印刷、浸漬、剥離、または導電層を形成するための他の技法というような、任意の適した技法を使用して、形成してもよい。
周波数補償導電層は、種々の適した導電性材料で形成することができる。例えば、周波数補償導電層は、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、これらの混合物、および/または任意の他の適した導電性材料を含んでもよい。
周波数補償導電層は、任意の適した厚さを有することができる。例えば、ある実施形態では、周波数補償導電層の厚さは、約0.001μmから約1,000μmまで、ある実施形態では約0.01μmから約100μmまで、ある実施形態では約0.1μmから約50μmまで、ある実施形態では約0.5μmから約20μmまでの範囲にわたってもよい。
電気絶縁ビームは、高い熱伝導率を有することができる。例えば、ある実施形態では、電気絶縁ビームは、約22°Cにおいて、約100W/m・°Cから約300W/m・°Cまで、他の実施形態では約125W/m・°Cから約250W/m・°Cまで、他の実施形態では約150W/m・°Cから約200W/m・°Cまでの範囲に及ぶ熱伝導率を有する材料で構成されても(comprise)よい。ある実施形態では、約22°Cにおける表面実装部品の全長にわたる熱抵抗は、約2°C/Wから約10°C/Wまで、そしてある実施形態では約3°C/Wから約7°C/Wまでの範囲にわたってもよい。
電気絶縁ビームは、種々の適した材料で形成されればよい。例えば、ある実施形態では、電気絶縁ビームは窒化アルミニウムで構成されてもよい。例えば、ある実施形態では、電気絶縁ビームは、窒化アルミニウムを含む任意の適した化合物で作られてもよい。ある実施形態では、ビームは主に窒化アルミニウムで作られてもよい。例えば、ビームは添加物または不純物を含有してもよい。ビームに適したその他の材料には、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化シリコン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化シリコン、任意の適したセラミック材料、およびこれらの混合物が含まれる。
ある実施形態では、薄膜部品はヒート・シンク端子を含んでもよい。ヒート・シンク端子は、印刷回路ボードのような実装面上のヒート・シンクと接続するように構成することができる。例えば、ある実施形態では、ヒート・シンク端子は、ビーム上に熱伝導性材料の1つ以上の層を含んでもよい。
ある実施形態では、端子(例えば、薄膜部品の端子および/またはヒート・シンク端子)は1つ以上の層を含んでもよい。これらの層は、種々の材料で、そして種々の方法を使用して形成することができる。例えば、これらの端子は、選択された形成技法によって被着される薄膜または厚膜導電性材料の1つ以上の層に対応することができる。形成技法には、印刷、浸漬、剥離、または導電層を形成するための他の技法が含まれるが、これらに限定されるのではない。異なる種類の導電性材料を使用してもよい。例えば、導電性ペーストの初期厚膜層上に、めっき(例えば、ニッケル、銅、錫、金等)の薄膜層を形成してもよい。
例示的な一実施形態では、端子は少なくとも1つの有機金属層、例えば、導電性ポリマー材料の層を、外部端子に可撓性を与えるために、含んでもよい。このような材料の使用は、力学的または熱力学的応力のような外力が部品に加えられている間またはその後に、電気保全性(electrical integrity)を維持するのを確保するのに役立つことができる。例示的な一実施形態では、このような導電性ポリマーは、導電性金属粒子を添加したポリマー、レジン、エポキシ、ポリアミド、熱硬化性、熱可塑性、またはその他のポリマー材料に対応する。導電性金属粒子には、銀、ニッケル、アルミニウム、プラチナ、銅、パラジウム、金、このような材料の合金、またはその他があるが、これらに限定されるのではない。ある特定実施形態では、このような導電性ポリマーは、その硬化温度が、接着材または密封層のような、部品における他の材料の硬化温度未満となるように、低温材料が選択される。加えて、回路実装環境において特定のリフロー温度に耐えることができるように、導電性ポリマー材料を選択するのはもっともである。一実施形態では、導電性ポリマー終端材料(conductive polymer termination material)を、銅、ニッケル等のような導電性金属の基礎層上に被着する。他の実施形態では、導電性ポリマー終端層が、部品の内部導電性パッドの露出部分と直接電気的に接続するように、導電性ポリマー終端層を直接周辺部品の表面に設けてもよい。更にまた、導電性ポリマー終端材料の層の上に、追加の終端層を形成してもよい。例えば、メッキしたニッケル、銅、または錫の1つ以上の層を、導電性ポリマー終端材料層上に設けてもよい。
ある実施形態では、端子の1つ以上が磁性体または磁化された材料を含んでもよい。例えば、端子の1つ以上が、第1層上に外側層を含んでもよい。第1層が磁性であってもまたは磁化されてもよく、外側層が耐腐食性であってもよい。例えば、銅または鉄鋼の第1層上に、金の外側層を配してもよい。他の実施形態では、セラミックのような非磁性第1層上に、金のような外側層を配してもよい。第1層および/または外側層は、金、銀、プラチナ、ニッケル、銅、鉄鋼、および/または任意の他の適した材料を含んでもよい。
端子は、種々の適した構成を有することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品の端子およびヒート・シンク端子は、電気絶縁ビームの同じ表面上に配置されてもよい。このような構成を「フリップ・チップ」構成と呼ぶこともある。何故なら、薄膜部品およびヒート・シンク端子がビームの「上」面上に形成され、次いでこの「上」面が印刷回路ボード上に実装されるように、ビームがひっくり返されるからである。
あるいは、他の実施形態では、これらの端子の1つ以上を、電気絶縁ビームの他の表面上に配してもよい。これによって、表面実装部品を、もう一方の向き(alternative orientation)で実装することが可能になるとして差し支えない。例えば、ある実施形態では、ビームの第1表面上に薄膜部品を形成してもよく、端子が、第1表面の反対側にある第2表面上に少なくとも部分的に形成されるように、端子が絶縁ビームを包み込んでもよい。これによって、第1表面が印刷回路ボードから見て外方に向いて(face away from)、薄膜部品が露出されるように、表面実装部品の第2表面を印刷回路ボードに実装することが可能になる。このような構成は、例えば、薄膜部品を取り巻く周囲の空気との対流によって、薄膜部品から離れる方向への熱放散を改善することができる。
採用する特定の構成には関係なく、本発明者は、熱伝導性ビーム上に形成された薄膜部品の配置および材料を選択的に制御することによって、熱放散および耐電力特性(power handling capabilities)を改善した小型の表面実装部品を達成できることが分かった。
例えば、ある実施形態では、薄膜部品(例えば、薄膜抵抗器)は、過熱せずそして損傷されずに、高電力レベル、高周波数(例えば、約20GHz以上)で動作することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品は約28GHzにおいて約4Wよりも大きい電力容量を有することができ、ある実施形態では約3Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では約2Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では約1Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では約0.5Wよりも大きい電力容量、そしてある実施形態では0.33Wよりも大きい電力容量を有することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品は、約28GHzにおいて0.33Wよりも大きく約4Wよりも小さい電力容量を有することができ、ある実施形態では約0.5Wよりも大きく約3Wよりも小さい電力容量、そしてある実施形態では約1Wよりも大きく約2Wよりも小さい電力容量を有することができる。
ある実施形態では、薄膜部品は、約20GHzから約40GHzまでの範囲、またはそれ以上の周波数(例えば、約60GHzまで)において、約4Wよりも大きい電力容量を有することができ、ある実施形態では、約3Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では約2Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では約1Wよりも大きい電力容量、ある実施形態では0.5Wよりも大きい電力容量、そしてある実施形態では0.33Wよりも大きい電力容量を有することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品は、約20GHzから約40GHzまでの範囲、またはそれ以上の周波数(例えば、約60GHzまで)に対して、0.33Wよりも大きく約4Wよりも小さい電力容量を有することができ、ある実施形態では約0.5Wよりも大きく約3Wよりも小さい電力容量、ある実施形態では約1Wよりも大きく約2Wよりも小さい電力容量を有することができる。
ある実施形態では、表面実装部品は、小さいサイズ、例えば、フットプリントを有することができる。例えば、ある実施形態では、表面実装部品は、約0.1mmから約5mmまでの全長を有することができ、ある実施形態では約0.2mmから約4mmまで、ある実施形態では約0.3mmから約3mmまで、ある実施形態では約0.4mmから約2mmまで、例えば、約1mmの全長を有することができる。
ある実施形態では、表面実装部品は、約0.05mmから約2.5mmの全幅を有することができ、ある実施形態では、約0.1mmから約2mm、ある実施形態では約0.15mmから約1.5mm、ある実施形態では約0.2mmから約1.3mmまで、ある実施形態では約0.3mmから約1mmまで、例えば、約0.5mmの全幅を有することができる。
ある実施形態では、表面実装部品は、約0.05mmから約2.5mmまでの全厚を有することができ、ある実施形態では約0.1mmから約2mmまで、ある実施形態では約0.15mmから約1.5mmまで、ある実施形態では約0.2mmから約1.3mmまで、ある実施形態では、約0.3mmから約1mmまで、例えば、約0.5mmの全厚を有することができる。
先に示したように、「面積電力容量」(W/mm)は、電力容量(W)を部品の面積またはフットプリントで除算したものとして定義することができる。部品の「面積」または「フットプリント」とは、部品の横断面積(cross-sectional area)を指す(例えば、表面実装部品が一旦実装されると、それによって占められる、印刷回路ボードのような実装面の面積)。面積電力容量は、耐電力特性(power handling)の改善および小さいサイズの組み合わせを定量化するのに適した計量と言って差し支えない。
ある実施形態では、薄膜部品は、約28GHzにおいて約0.17W/mmよりも大きい面積電力容量を有することができ、ある実施形態では、約28GHzにおいて約0.2W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約0.25W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約0.5W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約1W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約2W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約5W/mmよりも大きい面積電力容量、そしてある実施形態では約10W/mmよりも大きい面積電力容量を有することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品は、約28GHzにおいて、約0.17W/mmから約10W/mmまでの範囲に及ぶ「面積電力容量」を有することができ、ある実施形態では約0.25W/mmから約5W/mmまでの「面積電力容量」、ある実施形態では約0.5W/mmから約2W/mmまでの「面積電力容量」を有することができる。
ある実施形態では、薄膜部品は、約20GHzから約40GHz以上(例えば、60GHzまで)において約0.17W/mmよりも大きい面積電力容量を有することができ、ある実施形態では、約0.2W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約0.25W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約0.5W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約1W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約2W/mmよりも大きい面積電力容量、ある実施形態では約5W/mmよりも大きい面積電力容量、そしてある実施形態では約10W/mmよりも大きい面積電力容量を有することができる。例えば、ある実施形態では、薄膜部品は、約20GHzから約40GHzまで、またはそれ以上(例えば、60GHzまで)において、約0.17W/mmから約10W/mmまでの範囲に及ぶ面積電力容量を有することができ、ある実施形態では約0.25W/mmから約5W/mmまでの面積電力容量、ある実施形態では約0.5W/mmから約2W/mmまでの面積電力容量を有することができる。
ある実施形態では、薄膜部品をビームの第1端に隣接して配置することができる。例えば、薄膜部品の端子は中央線を有することができ、この中央線はビームの第1端から(例えば、第1端の面から)薄膜端子オフセット距離だけずらすことができる。薄膜部品の全長と薄膜端子オフセット距離との比率は、約2以上とするとよく、ある実施形態では約2.5以上、ある実施形態では約3以上、ある実施形態では約5以上、ある実施形態では約7以上、ある実施形態では約10以上、そしてある実施形態では約20以上であってもよい。
ある実施形態では、ヒート・シンク端子は、ビームの第1端の反対側にあるビームの第2端に隣接して配置することができる。例えば、ヒート・シンク端子は、ビームの第2端(例えば、第2端の面)からヒート・シンク端子オフセット距離だけずらされた中央線を定めることができる。薄膜部品の全長のヒート・シンク端子オフセット距離に対する比率は約2以上とすればよく、ある実施形態では約2.5以上、ある実施形態では約3以上、ある実施形態では約5以上、ある実施形態では約7以上、ある実施形態では約10以上、そしてある実施形態では約20以上であってもよい。
I.フリップ・チップ
ある実施形態では、表面実装部品は、フリップ・チップ・デバイスとして構成することもできる。例えば、印刷回路ボードのような実装面に隣接して実装するように構成されたデバイスの面上に、部品(component)の1つ以上の素子(element)を形成してもよい。図1を参照すると、表面実装部品10は、第1端16に隣接する第1端面14(図1では見えない)と、第2端20に隣接する第2端面18とを有する電気絶縁ビーム12を含むことができる。第2端面18は、X方向22において、第1端面14の反対側にあればよい。ある実施形態では、第1端面14が第2端面18と平行でもよい。また、ビーム12は、第1表面26(例えば、図1に示すような上面)と、第1表面26の反対側にある第2表面(図1では見えない)とを有するのももっともである。第2表面28は、X方向22およびY方向24の各々に対して垂直なZ方向30に第1表面26からずれてもよい。ある実施形態では、ビーム12の第1および第2表面26、28は互いに平行であってもよい。
表面実装部品10は、薄膜部品32を含むことができる。薄膜部品32は、第1端子34と第2端子36とを含むことができる。薄膜部品32は、更に、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、および/または任意の他の適した部品を形成するために、第1端子34および第2端子36の1つ以上と動作可能に接続された1つ以上の薄膜素子も含むことができる。
例えば、ある実施形態では、薄膜部品32は、薄膜抵抗器であってもよく、または薄膜抵抗器を含むこともできる。薄膜抵抗器32は、ビーム12の第1表面26上に形成された抵抗層38を含むことができる。抵抗層38は、第1表面26上に直接形成されてもよく、または代わりに、第1表面26上に形成された他の層(例えば、熱伝導層)上に形成されてもよい。抵抗層38は、第1端子34と第2端子36との間に、電気的に接続することができる。
ある実施形態では、薄膜抵抗器32は、抵抗層38上に配置された周波数補償導電層40を含むことができる。周波数補償導電層40の種々の構成については、図5から図10までに関して、以下で更に詳しく論ずる。
引き続き図1を参照すると、ある実施形態では、表面実装部品10はヒート・シンク端子44を含むことができる。ある実施形態では、ヒート・シンク端子44は、ビーム12の第1表面26上に配することができる。
表面実装部品10の全長46、全幅48、および全厚50は、それぞれ、X方向22、Y方向24、およびZ方向30に定められてもよい。表面実装部品10の全長46、全幅48、および全厚50は、薄膜部品32および/または端子34、36、44を含んでもよい。
ある実施形態では、第1端子34および/または第2端子36は、ビーム12の第1端部16に隣接してもよい。第1端子34および第2端子36は、概略的にサイズおよび形状が類似してもよく、Y方向24に離間されてもよい。第1端子34および第2端子36は、概略的にY方向24に延びる中央線54を共有してもよい。中央線54は、X方向22に関して、第1端子34および第2端子36の中央として定義することができる。中央線54は、ビーム12の第1端部16から(例えば、第1端面14から)、薄膜端子オフセット距離56だけずらされてもよい。薄膜部品10の全長46の薄膜端子オフセット距離56に対する比率は、約2以上にしてもよい。
ヒート・シンク端子44は、ビーム12の第2端部20に隣接してもよい。ヒート・シンク端子44は、概略的にY方向24に延びる中央線58を定義することができる。中央線58は、X方向22に関してヒート・シンク端子44の中央として定義することもできる。中央線58は、ビーム12の第2端部18(例えば、第2端面18)からヒート・シンク端子オフセット距離60だけずらされてもよい。薄膜部品10の全長46のヒート・シンク端子オフセット距離60に対する比率は、約2以上にしてもよい。
図2Aおよび図2Bを参照すると、印刷回路ボード62または他の適した基板に、表面実装部品10を実装することができる。表面実装部品10は、第1表面26が印刷回路ボード62に隣接する(例えば、面する)ように、図1の向きから「反転させ」てもよい。薄膜部品32によって生成される熱は、ビームによって薄膜部品32から奪い去ることができる(矢印64によって示す)。次いで、熱はビーム12を通過し、熱シンク端子44を通り、サーマル・ビア66または他のヒート・シンク構造に流入し、薄膜部品32から離れる方向への熱の流れを促進することができる。
II.包み込み端子
図3Aおよび図3Bを参照すると、ある実施形態では、表面実装部品10、端子34、36、44の1つ以上を、包み込み端子(wrap-around terminal)として構成することができる。こうすると、1つ以上の(例えば、薄膜部品32)を、実装面から見て外方に向く表面上に配置されるように、表面実装部品を実装することが可能になる。
例えば、図3Aを参照すると、第1端子34、第2端子36、およびヒート・シンク端子44は、端子34、36、44が1対の側面52の内少なくとも1つの上にも付加的に配置されるように、ビーム12を包み込むことができる。また、ヒート・シンク端子44も側面52上に配置することができる。また、第1および第2端子34、36も第2端面18上に配置することができる。図3Bを参照すると、ある実施形態では、ヒート・シンク端子44は、側面52の一方または双方上に配置されることなく、第2端部(図3Bでは見えない)を包み込むことができる。
図4Aおよび図4Bを参照すると、実装面から見て外方に向く表面上に薄膜部品32が位置するように、表面実装部品10を印刷回路ボード62に実装することができる。薄膜部品32によって生成される熱は、ビームによって、薄膜部品32から奪うことができる(矢印64によって示す)。次いで、熱は、ビーム12を通過し、ヒート・シンク端子44を抜けて、サーマル・ビア66または他のヒート・シンク構造に流入し、薄膜部品32から離れる方向への熱の流れを促進することができる。
III.周波数補償層
図5Aは、本開示の態様による周波数補償層を含む例示的な薄膜抵抗器100を示す。例えば、薄膜抵抗器100は、図1から図4までを参照して先に論じた薄膜部品32に対応するとしてよい。薄膜抵抗器100は、基板102(例えば、先に論じたビーム12の一部分に対応する)上に形成された抵抗層104(例えば、先に論じた抵抗層38に対応する。)を含むことができる。抵抗層104の層は、第1および第2接触パッド106、108と接続することができる。第1および第2接触パッド106、108は、それぞれ、先に論じた第1端子34および第2端子36に対応するとしてよい。あるいは、第1および第2接触パッド106、108は、それぞれ、第1端子34および第2端子36と接触する別個の構造であってもよい。
本明細書において開示する主題の種々の特定実施形態によれば、抵抗層104は窒化タンタル(TaN)の層に対応するとしてよく、導電性接触パッド106、108は銅(Cu)の層に対応するとしてよい。ある実施形態では、抵抗層104は接触パッド106、108の下まで達してもよい。抵抗器がワイヤ・ボンディング可能なデバイスとして使用されることを意図する場合、接触パッド106、108は、アルミニウム(Al)、金(Au)、または他の適した材料のような、ワイヤ・ボンディング可能な材料で構成されればよい。
接着材110の層が、抵抗層104および/または基板102の上面の複数の部分を覆うことができる。接着材110は、ある実施形態では、接触パッド106、108の上面の複数の部分の上に達することができる。接着層110は、抵抗層104と1つ以上の周波数補償層112との間に絶縁層を設けることができる。
周波数補償層(1つまたは複数)112は、導電材の層を含んでもよい。周波数補償層112は、概略的に抵抗層104と平行に配置され、これらの間に容量が形成されるようにするとよい。
図5Bは、本開示の態様による薄膜抵抗器200の他の実施形態の一部分解図を示す。ある実施形態では、薄膜抵抗器200は、概略的に、図5Aを参照して先に説明した薄膜抵抗器100として構成することができるが、カバー222(例えば、抵抗層を保護するためのガラスまたは他の適した材料で構成される)を含んでもよい。本明細書において開示する主題によれば、接着層210は、ガラス・カバー222を抵抗部品の上面に固着し、これによって部品のための保護被覆を設ける。
図6Aは、薄膜抵抗器400の代替実施形態の一部を示す。薄膜抵抗器400は、概略的に、図5Aを参照して先に論じた薄膜抵抗器100として構成される。しかしながら、ある実施形態では、周波数補償層412は接触パッド406の1つと電気的に接触することができる。
図6Bは、薄膜抵抗器500の他の代替実施形態の一部を示す。薄膜抵抗器500は、概略的に、図5Aを参照して先に論じた薄膜抵抗器100として構成される。ある実施形態では、周波数補償層512は全体的に円形を有してもよい。しかしながら、周波数補償層は、所望の周波数補償を得る(provide)のに適した任意の形状を有することができる。
図7から図10までは、本開示の態様による薄膜抵抗器(1つまたは複数)の更に他の代替実施形態を示す。ある実施形態では、薄膜抵抗器は複数の導電層を含むことができる。例えば、図7を参照すると、ある実施形態では、薄膜抵抗器700は第1導電層712Aを含むことができる。第1導電層712Aは、1つの接触パッド706と電気的に接続されているが、他の接触パッド708との電気接続はない。第2導電層712Bは、接触パッド706または708のいずれかと直接電気接続がなくてもよい。図8を参照すると、ある実施形態では、薄膜抵抗器800は、2つの導電層812A、812Bを含むことができ、各々、それぞれの接触パッド806、808と電気的に結合されている。図9を参照すると、薄膜抵抗器900は3つの導電層912A、912B、912Cを含むことができる。導電層の内2つ912A、912Cは、それぞれの接触パッド906、908と直接電気的に結合されてもよい。第3の導電層912Bは、接触パッド906、908との直接電気接続がなくてもよい。図10を参照すると、ある実施形態では、薄膜抵抗器1000は3つの導電層1012A、1012B、12012Cを含むことができる。1つの層(層1012A)は、接触パッドの1つ1006に直接電気的に接続することができ、他の2つの層1012B、1012Cは、接触パッド1006、1008と直接電気接続がなくてもよい。
図11Aは、本明細書において開示する主題にしたがって構築された例示的な薄膜抵抗器から得られた補償結果を表すグラフ1100を示す。グラフ1100は、本開示の態様にしたがって補償された100Ω抵抗器について、同様の補償されない抵抗器と比較した場合の検査結果を示す。伝達係数S21が縦軸上にプロットされ、周波数が横軸上にプロットされている。未補償抵抗器は、約10.5GHzよりも高い周波数において、好ましい±1%の偏差範囲を超過する。対照的に、補償された抵抗器が呈する伝達係数は、1~30GHzまでの検査範囲にわたって、1GHzにおいて、補償された抵抗器の伝達係数の±1%以内に留まる。言い換えると、補償された抵抗器の伝達係数は、検査した周波数範囲、1~30GHz、において、変動を1%未満に抑えることができる。
図11Bは、本開示の態様による周波数補償を表すための等価回路630を示す。等価回路630は、様々な理想的な抵抗成分、インダクタ成分、および容量成分を含む。等価回路630において、第1抵抗器R1(例えば、0.5Ω)および第1インダクタL1(例えば、1.898×10-3nH)が、第1ポートならびに補償キャパシタ(例えば、0.039pF)および第2抵抗器R2(例えば、99Ω)の各々と直列に接続されている。補償キャパシタは、第2抵抗器R2および第2インダクタL2(例えば、0.196nH)と並列である。第3抵抗器R3(例えば、0.5Ω)が、第3インダクタL3(例えば、1.898×10-3nH)と直列に接続されている。このような等価回路630は、図5Aおよび図5Bを参照して先に論じた薄膜抵抗器100、200に該当する等価回路を最も具体的に表しており、周波数補償層は、接触パッド106、108のいずれとも直接電気接触していない。
IV.応用
本明細書において説明した表面実装部品の種々の実施形態は、適した種類の電気部品であればいずれに応用することができる。表面実装部品は、特に、高周波無線信号を受信する、送信する、またそうでなければ採用するデバイスに応用することができる。応用例には、5G周波数あるいは関連する計測(instrumentation)または機材(equipment)に合わせて適合されたデバイスが含まれる。更に他の用途には、スマートフォン、信号反応器(例えば、スモール・セル)、中継局、およびレーダを含むことができる。
検査方法
次の章では、電力容量および面積電力容量を測定するための表面実装部品の検査方法例について示す。
薄膜抵抗器の電力容量は、Keithley2400シリーズSource Measure Unit(SMU)、例えば、Keithley 2410-C SMUを使用して測定することができる。薄膜抵抗器は、ヒート・シンク端子が、サーマル・ビアまたは印刷回路ボードにとって典型的な速度で、熱エネルギを放散するように構成された他のヒート・シンク構造と接続されるように、印刷回路ボードに実装することができる。
薄膜抵抗器は、種々の周波数および振幅の交流電流を受ける場合がある。薄膜抵抗器の温度は、初期状態では典型的な室温(24.8°C)としてよい。交流電流(DCバイアスが0.0ボルトの二乗平均平方根正弦波信号)を28GHzにおいて印加し、薄膜抵抗器の温度が、開始周囲温度よりも20°C高くなるまで、振幅を徐々に増加させるとよい。温度は、Luxtron812光ファイバ温度計のような、RF放出の影響を受けない蛍光温度センサを使用して測定することができる。
この方法を使用すると、薄膜抵抗器が室温よりも20°C高い温度において定常状態(steady state condition)のままでいる電圧を判定することができる。薄膜部品の電力容量として、対応する電力レベルを定めることができる。この電力容量は、測定された電流、および室温よりも20°C高い温度における定常状態と関連付けられた電圧を使用して計算することができる。例えば、放散電力は、印加電流を印加電圧と乗算することによって計算することができる。
以上の手順は、種々の周波数の印加電圧を使用して繰り返し、ある周波数範囲(例えば、約20GHzから約40GHzまたはそれ以上)にわたって薄膜部品の電力容量を確立することもできる。例えば、この周波数範囲にわたって2GHz間隔で(例えば、20GHz、22GHz、24GHz、...40GHz、またはそれ以上)この検査を繰り返してもよい。
面積電力容量は、表面実装部品の測定した電力容量を表面実装部品の面積またはフットプリントで除算することによって計算することができる。

本開示の態様による表面実装部品をシミュレートするために、コンピュータ・モデリングを使用した。表面実装部品の種々の特性を判定するために検査ボードを使用することができる。しかしながら、検査ボードの材料および寸法が結果に影響を及ぼすことがわかり、したがってこれもコンピュータ・モデリングを使用してシミュレートした。
図12は、表面実装部品の種々の特性を判定するためにシミュレートされた検査アセンブリ1200を示す。検査アセンブリ1200は、フリップ・チップ構成を有する表面実装部品1202を含む。表面実装部品1202は、薄膜抵抗器1204を含む。表面実装部品1202は、薄膜抵抗器1204が見えるように、透視状に図示されている。表面実装部品1202は、1対のマイクロストリップ1208を含む検査ボード1206に実装されている。薄膜抵抗器1204は、薄膜抵抗器1204の各端子がマイクロストリップ1208のそれぞれと接続されるように、マイクロストリップ1208の両端に接続されている。表面実装部品の実際の検査中、信号生成器およびKeithley2400シリーズSource Measure Unit(SMU)のような検査装置を電気的に接続する場合には、マイクロストリップ1208を使用する。
以下の表は、周波数補償薄膜抵抗器を含む表面実装部品についてのシミュレーション結果と、周波数補償構造を含まない表面実装部品についてのシミュレーション結果との比較を示す。表面実装部品は、概略的に図1を参照して先に説明したように、構成されている。
抵抗変動百分率は、DCから掲示した周波数限度までの周波数範囲に及ぶ抵抗変動を示す。例えば、第1行において、未補償薄膜抵抗器では、DCから12.5GHzまでの範囲で1%以下の変動が生じる。比較すると、補償薄膜抵抗器では、DCから27.5GHzまでの範囲で1%以下の変動が維持される。シミュレーション毎の補償構造の長さおよび幅も示す。
以上の比較は、補償構造を含む表面実装部品の方が、より周波数範囲において、変動が少ない抵抗を呈することを例示する。更に具体的には、補償薄膜抵抗器は、このような構造を欠く薄膜抵抗器よりも高い周波数において少ない変動で動作する。
本発明のこれらおよびその他の変更ならびに変形も、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。加えて、種々の実施形態の態様は、全体的または部分的の双方で相互交換してもよいことは理解されてしかるべきである。更に、以上の説明は一例に過ぎず、以上で説明した発明を、そのような添付した請求項に限定することは意図していないことは、当業者には認められよう。

Claims (15)

  1. 表面実装部品であって、
    熱伝導性の電気絶縁ビームであって、第1端と、前記第1端の反対側にある第2端とを有する、電気絶縁ビームと、
    前記電気絶縁ビームの第1端に隣接して、前記電気絶縁ビーム上に形成された薄膜部品であって、抵抗層と、前記抵抗層上に形成された周波数補償導電層とを含み、前記周波数補償導電層の厚さが約0.001μmから約1,000μmまでの範囲にわたる、薄膜部品と、
    前記電気絶縁ビームの第2端に隣接して、前記電気絶縁ビーム上に形成されたヒート・シンク端子と、
    を備え、前記薄膜部品が、約28GHzおよび約44.8℃における定常状態で1Wよりも大きい電力容量を有する、表面実装部品。
  2. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が第1端子および第2端子を含み、前記第1端子、前記第2端子、および前記ヒート・シンク端子の各々が、前記電気絶縁ビームの第1表面上に配置される、表面実装部品。
  3. 請求項2記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が第1端子および第2端子を含み、前記電気絶縁ビームが、前記第1表面の反対側の第2表面を含み、前記第1端子、前記第2端子、または前記ヒート・シンク端子の内少なくとも1つの少なくとも一部が前記第2表面上に配置されるように、前記第1端子、前記第2端子、または前記ヒート・シンク端子の内少なくとも1つが、前記電気絶縁ビームを包み込む、表面実装部品。
  4. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が第1端子および第2端子を含み、前記第1端子、前記第2端子、または前記ヒート・シンク端子の内少なくとも1つが、包み込み端子として構成される、表面実装部品。
  5. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が、フリップ・チップ部品として構成される、表面実装部品。
  6. 表面実装部品であって、
    熱伝導性の電気絶縁ビームと、
    前記電気絶縁ビーム上に形成された薄膜部品と、
    前記電気絶縁ビーム上に形成されたヒート・シンク端子と、を備え、前記薄膜部品が、約28GHzおよび約44.8℃における定常状態で1W/mmよりも大きい面積電力容量を有する、表面実装部品。
  7. 請求項6記載の表面実装部品において、前記薄膜部品の面積電力容量が、約28GHzおよび約44.8℃における定常状態で2W/mm よりも大きく約10W/mmよりも小さい、表面実装部品。
  8. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が、約20GHzから約40GHzまでの範囲に及ぶ周波数にわたって、約20%未満だけ変動する伝達係数を有する、表面実装部品。
  9. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が、約20GHzから約40GHzまでの範囲に及ぶ周波数にわたって、約10%未満だけ変動する抵抗を有する、表面実装部品。
  10. 請求項1記載の表面実装部品において、前記薄膜部品が、第1端子と、第2端子とを含み、前記抵抗層が、前記第1端子と前記第2端子との間に接続され、表面実装部品。
  11. 請求項1記載の表面実装部品において、前記電気絶縁ビームが、約22°Cにおいて約150W/m・°Cから約300W/m・°Cまでの熱伝導率を有する材料を含む、表面実装部品。
  12. 請求項1記載の表面実装部品において、前記電気絶縁ビームが、窒化アルミニウムまたは酸化ベリリウムの内少なくとも1つを含む、表面実装部品。
  13. 請求項1記載の表面実装部品において、前記表面実装部品の全長が、約0.1mmよりも長く、約5mmよりも短い、表面実装部品。
  14. 請求項1記載の表面実装部品において、前記表面実装部品の全幅が、約0.05mmよりも長く、約2.5mmよりも短い、表面実装部品。
  15. 請求項1記載の表面実装部品において、前記表面実装部品の全厚が、約0.05mmよりも長く、約2.5mmよりも短い、表面実装部品。
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