JP7385548B2 - 原子炉制御装置および原子炉制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉制御装置および原子炉制御方法に関する。
原子炉制御装置および原子炉制御方法に関する技術として、下記特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1には、「複数の制御棒を同時に操作したときの操作対象制御棒のうち各中性子検出器毎にその検出値に関連性大で影響を与える制御棒を制御棒操作情報の中から選択し、各中性子検出器の検出値に基づく炉心状態監視情報を前記選択した制御棒の炉心内での位置に対応付けて表示する」と記載されている。
特開平9-159784号公報
ところで原子炉の起動時には、炉心内に挿入した制御棒を順次炉心の外へ引き抜き、中性子による核分裂反応を徐々に増加させることで、インターロックでスクラム等を発生させることなく、炉心を臨界状態にする必要がある。このため、炉心状態の時間変化を高精度に予測することが可能な技術が求められている。
そこで本発明は、炉心状態の時間変化を高精度に予測することが可能な原子炉制御装置および原子炉制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、炉心内に設けられた複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記炉心内に挿入された制御棒の引き抜き操作を制御する制御棒駆動制御装置と、前記制御棒駆動制御装置による前記制御棒の引き抜き操作の情報と、前記中性子検出器の出力に影響を及ぼす複数のパラメーターとに基づいて前記中性子検出器の出力の時間変化を予測演算する原子炉シミュレーターと、前記複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記複数のパラメーターのうちの少なくとも1つの補正を行うシミュレーター調整装置とを備えた原子炉制御装置である。
本発明によれば、炉心状態の時間変化を高精度に予測することが可能な原子炉制御装置および原子炉制御方法を提供することができる。
第1実施形態に係る原子炉制御装置の全体構成図である。 制御棒駆動制御装置に保持された操作量テーブルの一例を示す図である。 操作指令装置に接続された入出力装置のタッチ操作画面の一例を示す図である。 シミュレーター調整装置の一例を表す構成図である。 パラメーター入力装置の入力画面の一例を示す図である。 予測値表示装置の表示例を示す図である。 操作指令装置の動作を示すフローチャートである。 原子炉シミュレーターの動作を表すフローチャートである。 シミュレーター調整装置の動作を表すフローチャートである。 炉心反応度または中性子断面積を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図である。 中性子源の強度を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図である。 中性子検出器の感度を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図である。 第2実施形態に係る原子炉制御装置の全体構成図である。
以下、本発明の原子炉制御装置および原子炉制御方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る原子炉制御装置10の全体構成図である。この図に示す原子炉制御装置10は、原子炉20の運転を制御するためのものである。ここではまず、原子炉制御装置10の構成の説明に先立ち、一例として沸騰水型の原子炉20を図示して構成を説明する。
-原子炉20-
原子炉20は、原子炉圧力容器21を備え、原子炉圧力容器21の内部に炉心22を保持している。炉心22は、ここでの図示を省略した棒状の燃料集合体を収容する。また炉心22内には、複数本の中性子源固定具23(図1では1本のみ図示)が取り付けられており、それぞれの中性子源固定具23の所定高さに中性子源24が固定され、中性子源24によって原子炉起動時の中性子の増加を促進している。
また炉心22には、出力を制御するための複数の制御棒25(図1では1本のみ図示)が設けられている。制御棒25は、駆動装置25aにより、炉心22内に収容された燃料集合体間への挿入および引き抜きが自在である。
さらに炉心22には、複数の炉内計装管26(図1では2つのみ示す)に内包されて、中性子検出器27が設置されている。中性子検出器27は、例えば核分裂電離箱などである。各中性子検出器27は、コネクタ28およびケーブル28aを介して、次に説明する原子炉制御装置10の中性子束監視装置1に接続されている。
このような構成の原子炉20は、起動時において炉心22内に挿入されている制御棒25を順次徐々に引き抜くことにより、未臨界の炉心22を臨界状態にする必要があり、そのための原子炉制御装置10を備えている。
―原子炉制御装置10-
原子炉制御装置10は、中性子束監視装置1、操作指令装置2、制御棒駆動制御装置3、入出力装置4、シミュレーター調整装置5、原子炉シミュレーター6、パラメーター入力装置7、および予測値表示装置8を備えている。これらは次のような構成のものである。
<中性子束監視装置1>
中性子束監視装置1は、コネクタ28およびケーブル28aを介して原子炉20の中性子検出器27に接続され、さらに操作指令装置2、シミュレーター調整装置5、および原子炉制御装置10とは別の原子炉保護系30に接続されている。この中性子束監視装置1は、中性子検出器27の出力に基づいて、中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]を算出し、算出した値を操作指令装置2、シミュレーター調整装置5、および原子炉保護系30に出力する。なお、原子炉保護系30は、炉心22内が、万一、局所的に臨界に近づく等により中性子束値[φ0]が急激に上昇したときにペリオド値[τ]に基づいてスクラムや制御棒阻止を動作させるための設備である。
中性子検出器27からの検出信号(出力)は、パルス電流であり、中性子束監視装置1はパルスの計数率、または計数率を相対出力に換算した値を中性子束値[φ0]として算出する。また、中性子束監視装置1は、中性子束値[φ0]から、下記式(1)にしたがってペリオド値[τ]を算出する。
Figure 0007385548000001
<操作指令装置2>
操作指令装置2は、中性子束監視装置1、制御棒駆動制御装置3、および入出力装置4に接続されている。この操作指令装置2は、中性子束監視装置1から取得した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]と、入出力装置4からの入力情報とに基づいて制御棒25の操作方法を選択する。また選択した操作方法と操作開始指令とを、制御棒駆動制御装置3に対して出力する。このような操作指令装置2は、計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)やHDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶部、さらにはネットワークインターフェースを備えていてもよい。なお、計算機の構成は、以降において同様である。
操作指令装置2によって指示される制御棒の操作方法としては、例えば、複数の操作モードから適宜の操作モードを選択して指示する方法が例示される(特開平8-313669号公報参照)。一例としてこれらの操作モードは、(a)高速駆動モード、(b)ブロック駆動モード、および(c)ステップ駆動モードである。(a)高速駆動モードは、あらかじめペリオド値[τ]が短くなると予想される位置では制御棒25を一時停止させ、それ以外では比較的早い速度で制御棒25を引き抜く操作モードである。(c)ステップ駆動モードは、制御棒25の物理的な最小操作単位である1ステップだけ駆動する操作モードである。また(b)ブロック駆動モードは、両者の中間的な操作モードであり、投入反応度がほぼ等しくなるように設定したブロック量だけ制御棒25を引き抜く操作モードである。このような操作指令装置2の動作は、以降の原子炉の制御方法において詳細に説明する。
<制御棒駆動制御装置3>
制御棒駆動制御装置3は、操作指令装置2と、原子炉20における制御棒25の駆動装置25aとに接続されている。この制御棒駆動制御装置3は、操作指令装置2から入力される操作方法と操作開始指令および引抜停止指令に基づいて、制御棒25の駆動を制御する。特に、本実施形態において、制御棒駆動制御装置3は、制御棒25の操作量テーブルを保持しており、操作指令装置2から入力された制御棒25の操作方法の指令に基づいて、保持した操作量テーブルの中から適宜、制御棒25の操作量を選択する。そして、制御棒25の駆動装置25aの駆動を制御し、操作量に対応する停止位置にまで制御棒25の引き抜きを実施させる。
図2は、制御棒駆動制御装置に保持された操作量テーブルの一例を示す図である。この図に示すように、制御棒駆動制御装置3が保持する操作量テーブルは、(a)高速駆動モード、(b)ブロック駆動モード、および(c)ステップ駆動モードの各駆動モードにおいて、制御棒25のグループごとの引き抜き位置を段階的に示している。制御棒駆動制御装置3は、操作指令装置2から操作モードが指示されると、指示された操作モードの操作量テーブルを参照して、制御棒25の操作量を選択する。
<入出力装置4>
図1に戻り、入出力装置4は、操作指令装置2に接続されている。この入出力装置4は、操作指令装置2に対する入力手段と、操作内容および操作状況を示す表示手段とを備えており、例えばタッチ操作可能な表示装置であることとする。
図3は、操作指令装置に接続された入出力装置4のタッチ操作画面の一例を示す図であり、操作指令入出力画面4aを示す図である。この図に示すように、操作指令入出力画面4aには、自動手動選択ボタン401、自動制御開始終了ボタン402、手動操作方法選択ボタン403、および手動操作開始ボタン404の各タッチ入力ボタンが表示される。また操作指令入出力画面4aには、各ボタンの選択ステータスが表示されるとともに、特に自動制御中においては、現在の制御棒の操作状況が表示される。このような入出力装置4の操作の手順は、以降の原子炉の制御方法において詳細に説明する。
<シミュレーター調整装置5>
図1に戻り、シミュレーター調整装置5は、計算機を用いて構成され、中性子束監視装置1と原子炉シミュレーター6とに接続されている。このシミュレーター調整装置5は、中性子束監視装置1から取得した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]と、次に説明する原子炉シミュレーター6の予測演算の結果とに基づいて、原子炉シミュレーター6においてのシミュレーションに用いるパラメーターを補正(調整)する。またシミュレーター調整装置5は、補正(調整)したパラメーターを原子炉シミュレーター6にフィードバックする。
図4は、シミュレーター調整装置5の一例を表す構成図である。この図に示すように、シミュレーター調整装置5は、演算制御装置501と、中性子束監視装置1に接続されたデータ取込装置502と、原子炉シミュレーター6に接続されたデータ取込装置503と、運転員用インターフェース504と、出力装置505とを備えている。
演算制御装置501は、データ取込装置502,503および運転員用インターフェース504から入力された情報にもとづいて、パラメーターの調整およびパラメーターの調整に必要な各処理を実施する。中性子束監視装置1に接続されたデータ取込装置502は、中性子束監視装置1で算出した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の実時系列データを入力して格納する。原子炉シミュレーター6に接続されたデータ取込装置503は、原子炉シミュレーター6で予測した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の実時系列データを入力して格納する。
運転員用インターフェース504は、パラメーター選択メニュー504a、採取開始ボタン504b、演算開始ボタン504c、および調整実行ボタン504dを有し、演算制御装置501での処理に必要な情報の入力がなされる。出力装置505は、演算制御装置501での処理によって算出されたパラメーターの調整値を、原子炉シミュレーター6に出力する。このようなシミュレーター調整装置5によるパラメーターの調整は、以降の原子炉の制御方法において詳細に説明する。
<原子炉シミュレーター6>
図1に戻り、原子炉シミュレーター6は、計算機によって構成され、シミュレーター調整装置5と、制御棒駆動制御装置3と、パラメーター入力装置7とに接続されている。この原子炉シミュレーター6は、制御棒駆動制御装置3から取得した制御棒25の駆動情報と、パラメーター入力装置7から入力されたパラメーターの設定情報と、シミュレーター調整装置5において補正(調整)されたパラメーターとに基づいて、中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値の予測演算を行う。原子炉シミュレーター6が予測演算に用いるパラメーターは、中性子検出器の出力に影響を及ぼす複数のパラメーターである。原子炉シミュレーター6による中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測の手順は、以降の原子炉の制御方法において詳細に説明する。
<パラメーター入力装置7>
パラメーター入力装置7は、原子炉シミュレーター6に接続されたもので、原子炉シミュレーター6での中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測に必要なパラメーターの設定情報を入力するための入力部である。
図5は、パラメーター入力装置7のパラメーター入力画面7aの一例を示す図である。この図に示すように、パラメーター入力画面7aには、原子炉シミュレーター6でのシミュレーションに必要な各パラメーターの設定画面が表示される。これらの設定画面は、燃料パラメーター設定部701、外部中性子源設定部702、および中性子検出感度設定部703である。燃料パラメーター設定部701においては、パラメーターの種類が選択される。
これらの各設定画面においては、それぞれ位置とパラメーター値(強度および感度)とが入力される構成となっている。特に、燃料パラメーター設定部701においては、燃料パラメーターの種類を選択し、選択した燃料パラメーターの種類についての位置とパラメーター値とが入力される構成となっている。
このようなパラメーター入力装置7から入力されるパラメーターは、炉心反応度、炉心22の中性子断面積、制御棒反応度、炉心22内の中性子源24の強度および位置、複数の中性子検出器27の感度および位置である。
また図5の画面例では2種類の入力方法を選択可能な構成となっている。2種類とは、すなわち、個別入力とファイル入力とである。個別入力を選択した場合には、各パラメーターの位置と対応するパラメーターを手動で入力する。またファイル入力を選択した場合には、パラメーター入力装置7に備えられた外部媒体読み取り装置(図示省略)に格納されたファイル名を指定して、CSVファイル等の指定フォーマットで記載されたファイルからデータを読み取って各パラメーターの位置と対応するパラメーターを自動で入力する方法とである。
<予測値表示装置8>
図1に戻り、予測値表示装置8は、原子炉シミュレーター6に接続されたもので、原子炉シミュレーター6で得られた中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測のシミュレーション結果を表示する。
図6は、予測値表示装置の表示例を示す図である。この図に示すように、予測値表示装置8の予測値表示画面8aには、原子炉シミュレーター6で得られた中性子束値[φ0]の時間変化予測801と、ペリオド値[τ]の時間変化予測802とが示される。また、予測値表示画面8aには、制御棒の次操作表示803が画面最下段に表示される。各時間変化予測801,802は、制御棒の次操作表示803に示された操作を開始した瞬間を0秒として45秒後までの中性子束値[φ0]とペリオド値[τ]の逆数である逆ペリオドの時間変化予測が示される。
図6に表示した例では、中性子束値[φ0]は初期値に対して約50倍から300倍に上昇し、逆ペリオド(1/S)は初期値に対して1/150程度までに抑制されている。運転員は、中性子束値[φ0]のレベルによって、過去の経験から臨界までのおよその近さを判断するとともに、逆ペリオドが上限設定(図6では約1/55)に到達しないことを事前に確認することができる。
―原子炉制御方法-
次に、原子炉制御装置10によって実施される原子炉制御方法を、先の図1~図6および他の必要図に基づいて説明する。
<操作指令装置2による制御棒の引き抜き操作の指令手順>
図7は、操作指令装置2の動作を示すフローチャートであって、操作指令装置2による制御棒の引き抜き操作の指令手順を示すフローである。以下、図7のフローチャートに示す順に、図1~図6を参照しつつ操作指令装置2による制御棒の引き抜き操作の指令手順を説明する。
[ステップS1]
ステップS1において操作指令装置2は、入出力装置4からの入力が、自動であるか手動であるかを判断し、自動である場合にはステップS2に進み、手動である場合にはステップS18に進む。
[ステップS2]
ステップS2において操作指令装置2は、操作方法を高速駆動モードとし、初期の中性子束値[φ]を現在の中性子束値[φ0]に初期化する。
[ステップS3]
ステップS3において操作指令装置2は、入出力装置4における自動開始終了ボタンの「開始」の入力を受け付け、自動制御を開始する。
[ステップS4]
ステップS4において操作指令装置2は、入出力装置4における自動開始終了ボタンの「終了」の入力があったか否かを判断し、「終了」の入力があった(YES)場合には、制御を終了させる。一方、「終了」の入力がない(NO)場合には、ステップS5に進む。
[ステップS5]
ステップS5において操作指令装置2は、現在選択されている操作方法の判断を実施する。操作指令装置2は、現在選択されている操作方法が、(a)高速駆動モードである場合にはステップS6に進み、(b)ブロック駆動モードであればステップS10に進み、(c)ステップ駆動モードでればステップS12に進む。以降に進んだ各ステップにおいては、操作指令装置2は現在の操作方法に基づいて、別な操作方法への移行が必要かを判定する。
[ステップS6]
ステップS6(現在、(a)高速駆動モードの場合)において、操作指令装置2は、[φ]/[φ]が、所定値[Q]以上であるか否かを判断し、[φ]/[φ]≧[Q]である(YES)場合にはステップS7に進む。それ以外(NO)の場合にはステップS9に進む。
[ステップS7]
ステップS7において操作指令装置2は、制御棒の引抜を不許可として停止し、ステップS8に進む。
[ステップS8]
ステップS8において操作指令装置2は、操作方法を(b)ブロック駆動モードに移行し、ステップS14に進む。
[ステップS9]
ステップS9において操作指令装置2は、操作方法を(a)高速駆動モードのままとし、ステップS14に進む。
[ステップS10]
ステップS10(現在、(b)ブロック駆動モードの場合)において、操作指令装置2は、臨界までの予想引抜ステップ数[Δm]が所定数[M]以下であるか否かを判断し、[Δm]≦[M]である(YES)場合には、臨界が近いと判断してステップS11に進む。それ以外(NO)の場合にはステップS8に進み、操作方法を(b)ブロック駆動モードのままとする。
[ステップS11]
ステップS11において操作指令装置2は、操作方法を(c)ステップ駆動モードに移行し、ステップS14に進む。
[ステップS12]
ステップ12(現在、(c)ブロック駆動モードの場合)において、操作指令装置2は、制御棒停止後にペリオド値[τ]が200秒以下の持続時間が、120秒以上継続したか否かを判断する。ペリオド値[τ]は、中性子束監視装置1から取得した値である。120秒以上である(YES)と判断した場合には、ステップS13に進む。それ以外は(NO)はステップS11に進み、操作方法を(c)ステップ駆動モードのままとする。
[ステップS13]
ステップS13において操作指令装置2は、臨界状態に達したと判定し、処理を終了させる。
[ステップS14]
ステップS14において操作指令装置2は、中性子束監視装置1から取得したペリオド値[τ]が、50秒以下であるか否かを判断し、50秒以下である(YES)と判断した場合にはステップS15に進み、それ以外はステップS16に進む。
[ステップS15]
ステップS15において操作指令装置2は、制御棒の引抜を停止し、ステップS4に戻る。
[ステップS16]
ステップS16において操作指令装置2は、制御棒停止後10秒以上を経過しており、かつペリオド値[τ]が200秒以上である(YES)である場合には、ステップS17に進み、それ以外はステップS4に戻る。
[ステップS17]
ステップS17において操作指令装置2は、制御棒の引き抜きの操作の開始を指示し、その後ステップS4に戻る。
[ステップS18]
一方、ステップS18において操作指令装置2は、手動での操作方法と操作開始指令を入出力装置に出力する。これにより、オペレーターは、手動操作方法選択ボタンで操作方法を選択し、手動操作開始ボタンで操作開始指令を出力し、所望の制御を実施する。
以上のようなステップS2~ステップS17のような操作指令装置2の動作により、制御棒駆動制御装置3が、制御棒25の引き抜きを自動的に制御して炉心22を臨界状態にする。ただし、操作指令装置2は、中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]に基づいて制御棒駆動制御装置3を動作させて炉心22を臨界状態にすることができれば、上述した動作に限定されることはない。例えば、特開平01-262496号公報に記載の方法を適用することもできる。また、操作指令装置2には、前述した臨界までの制御方法のほかに、例えば、特開平11-84077号公報にしめされた臨界後の昇温昇圧過程の制御方法等を同時に組み込んでもよく、その場合は複数の制御方法から1つの制御方法を選択するボタンを入出力装置4に追加して運転員が選択すればよい。
<原子炉シミュレーター6によるシミュレーション方法>
図8は、原子炉シミュレーター6の動作を表すフローチャートであって、原子炉シミュレーター6による中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値の予測演算の手順を示す図である。以下、図8のフローチャートにしたがって、図1~図6を参照しつつ原子炉シミュレーター6による中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測の手順を説明する。
[ステップS101]
ステップS101において原子炉シミュレーター6は、パラメーター入力装置7から入力された、各パラメーターの設定を取得する。ここで取得する各パラメーターは、原子炉の3次元中性子動特性計算を実施するために必要なパラメーターの全てであり、その詳細については以降に説明する。
[ステップS102]
ステップS102において原子炉シミュレーター6は、シミュレーター調整装置5から、調整(補正)したパラメーターを取得する。また原子炉シミュレーター6は、パラメーター入力装置7から取得したパラメーターを、シミュレーター調整装置5から取得した調整済みのパラメーター値に更新する。なお、シミュレーター調整装置5で調整していないパラメーターの更新は実施しなくてよい。
[ステップS103]
ステップS103において原子炉シミュレーター6は、制御棒駆動制御装置3から制御棒の操作情報、すなわち次に操作する制御棒の現在の位置と操作後に停止する位置、および操作方法を取得する。ここで操作方法は、例えば(a)高速駆動モード、(b)ブロック駆動モード、または(c)ステップ駆動モードである。
[ステップ104]
ステップS104において原子炉シミュレーター6は、以上のステップS101~ステップS103で取得した情報に基づいて、3次元中性子動特性計算を実施する。3次元中性子動特性計算は、例えば、次式(2),(3)で示される拡散近似方程式により炉心22内の各中性子検出器27の位置においての中性子束分布[φ]の時間変化を算出し、これにより炉心22内における中性子束分布[φ]の時間変化を算出することができる。
Figure 0007385548000002
なお、式(2),(3)中の中性子束分布[φ]および遅発中性子先行核の個数密度[C]以外は、以降に説明するように、事前にパラメーター入力装置7から入力されたパラメーター値であり、そのうちの少なくとも1つがステップS102で更新されたパラメーターとなる。
上記式(2),(3)は、中性子束分布[φ]を同一とした単速近似と、遅発中性子先行核の崩壊定数[λ]を同一とした近似を用いているが、中性子束分布[φ]を多群にする、あるいは遅発中性子先行核の崩壊定数[λ]を多群にしてもよい。これにより、精密な基礎式とすることもできる。
また3次元中性子動特性計算の他の方法として、上記式(2),(3)における中性子束分布[φ]を、炉心平均の振幅関数[N]と、3次元相対分布を表す形状関数[Ψ]に分離し、形状関数[Ψ]が振幅関数に比べてゆっくり変化する近似を用いて次式(4),(5)で算出する方法もある。
Figure 0007385548000003
このときの形状関数[Ψ]については、定常状態の中性子拡散方程式と同様の形式で解くことができる。そのため、初期に形状関数[Ψ]を求めておき、その値を制御棒操作中に変化しないと近似して用いるか、振幅関数よりも大きなタイムステップで計算して求める。そして、このようにして求めた振幅関数[N]および形状関数[Ψ]から、3次元の中性子束分布[φ]は、次式(6)以下のように求めることができる。
Figure 0007385548000004
以上の式(2),(3)または式(4)~(6)により求めた3次元の中性子束分布[φ]は、マクロ生成断面積[Σr]やマクロ除去断面積[νΣf]を通じて、3次元的な燃料設計や制御棒25の位置の影響が考慮されている。また、外部中性子源[S]の項により、中性子源24の3次元的な位置が考慮されている。
さらに、3次元中性子束分布[φ]に、中性子検出器27の感度[Fi](iは中性子検出器27の番号)を乗じることで、複数の中性子検出器27の各位置で検出した中性子束値[φ0]を求め、上記式(1)によりペリオド値[τ]を算出する。これにより各中性子検出器27の感度[Fi]が考慮される。
以上のように算出した3次元の中性子束分布[φ]に基づいて、各中性子検出器27の出力に基づく中性子束値[φ0]およびペリオド[τ]の時間変化を求めることにより、燃料設計や制御棒25の位置、中性子源24の位置および強度を3次元的な位置関係を考慮した精度のよい時間変化予測が可能となる。
そして、以上のような3次元中性子動特性計算を実施するためのパラメーターが、図5に示したパラメーター入力装置7のパラメーター入力画面7aから事前に入力される。例えば、図5の燃料パラメーター設定部701で設定される燃料パラメーターは、上記式(2),(3)を用いて3次元中性子動特性計算する場合であれば、代表中性子速度[V]、拡散係数[D]、マクロ除去断面積[Σr]、マクロ生成断面積[νΣf]、遅発中性子先行核の遅発中性子割合[β]、遅発中性子先行核の崩壊定数[λ]、初期状態における実効増倍率[κ]などを含む。また燃料パラメーターは、上記式(4)~(6)を用いて3次元中性子動特性計算する場合であれば、炉心反応度[ρ]および即発中性子寿命[Λ]が追加される。
また、図5の外部中性子源設定部702で設定されるパラメーターは、式(2)で用いられる外部中性子源[S]を含む。
[ステップS105]
ステップS105において原子炉シミュレーター6は、ステップS104で得られた3次元の中性子束分布[φ]と、中性子検出器27の感度とに基づいて、中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値を求める。ここで用いる中性子検出器27の感度は、ステップS102においてシミュレーター調整装置5から取得したパラメーターであるか、またはステップS102において更新されたパラメーターの場合もある。
[ステップS106]
ステップS106において原子炉シミュレーター6は、ステップS105で求めた中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値を、予測値表示装置8に出力する。これにより、予測値表示装置8は、先の図6に示したように、ステップS105で求めた時間変化予測値を表示する。
なお、原子炉シミュレーター6は、以上で説明した手順の他に、シミュレーター調整装置5からの指示による予測演算処理を実施する。この手順については、次に説明する。
<シミュレーター調整装置5によるパラメーターの調整方法>
図9は、シミュレーター調整装置5の動作を表すフローチャートであって、シミュレーター調整装置5によるパラメーターの調整方法の手順を示す図である。ここで調整されるパラメーターは、図8を用いてせつめいした原子炉シミュレーター6による中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測の手順で用いるパラメーターであることとする。以下、図9のフローチャートにしたがって、図1~図6を参照しつつシミュレーター調整装置5によるパラメーターの調整方法を説明する。
[ステップS201]
ステップS201において、演算制御装置501は、運転員用インターフェース504のパラメーター選択メニュー504aにおいて選択入力された調整対象となるパラメーター、すなわち補正を実施するパラメーターを取得する。
[ステップS202]
ステップS202において、演算制御装置501は、運転員用インターフェース504の採取開始ボタン504bが操作されたことにより、データ取込装置502に対してデータの取り込みを指示する。これによりデータ取込装置502は、中性子束監視装置1から中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の取得と、取得したデータの格納を開始する。
[ステップS203]
またステップS203において、演算制御装置501は、運転員用インターフェース504の採取開始ボタン504bが操作されたことにより、データ取込装置503に対してデータの取り込みを指示する。これによりデータ取込装置503は、原子炉シミュレーター6においての予測結果である中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の取得と、取得したデータの格納を開始する。
この場合、原子炉シミュレーター6は、シミュレーター調整装置5からの指示により、図8で示した手順とは別に、現在のパラメーター値による予測演算を実施する。この予測演算では、補正前(調整前)の現在のパラメーター値と、制御棒の操作情報とに基づき、図8のステップS104およびステップS105で説明した手順と同様の予測演算を実施する。この際、調整対象として選択されたパラメーターによっては、予め決めた割合(例えば±10%)だけパラメーター値を増減させた予測演算も実施する。このように、パラメーター値を増減させた予測演算を実施するパラメーターは、例えば中性子検出器27の感度以外のパラメーターであることとする。
[ステップS204]
ステップS204において、演算制御装置501は、運転員用インターフェース504の演算開始ボタン504cが操作されるまで待機し、操作された(YES)と判断した場合に、次のステップS205に進む。
[ステップS205]
ステップS205において、演算制御装置501は、データ取込装置502に対して、中性子束監視装置1からのデータの採取および格納を終了させる。
[ステップS206]
ステップS206において、演算制御装置501は、原子炉シミュレーター6での全ての予測演算の結果がデータ取込装置503に格納されたと判断されるまで待機し、全ての予測演算の結果がデータ取込装置503に格納された(YES)と判断した場合に、次のステップS207に進む。
[ステップS207]
ステップS207において、演算制御装置501は、原子炉シミュレーター6から取得した予測演算の結果と、中性子束監視装置1から取得したデータとに基づいて、調整対象として選択されたパラメーターを補正(調整)し、調整後のパラメーター値を決定する。この場合、中性子束監視装置1から取得した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化に最も一致するように、調整後のパラメーター値を決定する。このようなパラメーターの補正の手順は、以降に具体例を例示して説明する。
[ステップS208]
ステップS208において、演算制御装置501は、運転員用インターフェース504の調整実行ボタン504dが操作されるまで待機し、操作された(YES)と判断した場合に、次のステップS209に進む。
[ステップS209]
ステップS209において、演算制御装置501は、出力装置505に対し、原子炉シミュレーター6への調整後のパラメーターの出力を指示する。これにより、出力装置505は、ステップS207で決定した調整後のパラメーター値を原子炉シミュレーター6に出力する。以降における原子炉シミュレーター6による予測演算では、調整後のパラメーター値を用いた予測演算が実施される。つまり、先に図8を用いて説明した原子炉シミュレーター6の動作におけるステップS102では、以上のようにしてシミュレーター調整装置5の出力装置505から出力された調整後のパラメーター値が、原子炉シミュレーター6によって取得され、以降のステップが実行されることになる。
<調整後のパラメーターの決定手順-1>
図10は、炉心反応度または中性子断面積を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図であって、上述したステップS207において実施されるパラメーターの補正の手順(調整後のパラメーター値の決定手順)を説明するための図である。ここでは、調整すべきパラメーターとして、マクロ除去断面積[Σr](ドップラー補正量)を選択した場合の一例を模式的に示したものである。図10とともに図4を参照すると、この例では制御棒引抜操作の開始時に、シミュレーター調整装置5の採取開始ボタン504bを押下し、50秒後に演算開始ボタン504cを押下して演算開始している。逆ペリオドは、制御棒を引き抜いくと一旦上昇し、その後、燃料棒温度が上昇し、ドップラー反応度と呼ばれる負の反応度により制御棒の引き抜きで印加された反応度が相殺され、逆ペリオドはゼロにむけて減少していく。ドップラー補正項を含むマクロ除去断面積[Σr]は、例えば一般的に用いられている方法、すなわち下記式(7)に示すように燃料温度に依存しない項と燃料温度の1/2乗に比例するドップラー補正項の和で与える。
Figure 0007385548000005
図10は、ドップラー補正量の係数[β]を、現在値のまま予測演算して得た予測値(xj,y0j)と、ドップラー補正量の係数[β]を-10%にして予測演算して得た予測値(xj,y1j)と、ドップラー補正量の係数[β]を+10%にして予測演算して得た予測値(xj,y2j)とを示している。ここで、[xj]は、予測計算の対象とした計測時間であり、[y0j],[y1j]、[y2j]は、予測計算の結果として得られた計測時間[xj]での逆ペリオドの値である。また、図10には中性子束監視装置1の実データ(xi,yi)も併せて示している。ここで、[xi]は、中性子束監視装置1が計測した時間であり、[yi]は計測時間[xi]での逆ペリオドの計測値である。これらの値を用いて、一例として、以下の手順で最適な調整量を決定することができる。
まず始めに、予測演算した上記の各予測値(xj,y0j)、(xj,y1j)、(xj,y2j)から、実データの計測時間[xj]での内挿値を求める。例えば、予測値(xj,y0j)の計測時間[xi]での内挿値[y0j]は、下記式(8)のようにして求めることができる。
Figure 0007385548000006
同様に、予測値(xj,y1j)、(xj,y2j)に対しても、計測時間[xi]に対する内挿値[y1j]と[y2j]を求めることができる。
次に、ドップラー補正量の係数[β]に対して補正量[η%]を施したときの予測値(xj,yηj)を内挿により求める。例えば、図10のように実データ[yi]が、ドップラー補正量の係数[β]を現在値のまま予測した値[yi]より大きい場合、すなわち[η%]が正と推定される時は、ドップラー補正量の係数[β]を現在値のまま用いた予測値[y0i]と、ドップラー補正量の係数[β]を+10%にしたときの予測値[y1j]の内挿により、補正量[η%]のときの予測値[yηj]を、下記式(9)のようにして求めることができる。
Figure 0007385548000007
そして、このように求めた予測値[yηj]と実データ[yi]との差の2乗和を最小にする、いわゆる最小2乗法を適用することで最適な補正量[η%]を求めることができる。すなわち下記式(10)により、最適な補正量[η%]を決定する
Figure 0007385548000008
実データ[yi]が、ドップラー補正量の係数[β]を現在値のまま予測した予測値[y0i]より小さい場合、すなわち補正量[η%]が負と推定される時は、ドップラー補正量の係数[β]を現在値のまま用いた予測値予測値[y0i]とドップラー補正量の係数[β]をー10%にしたときの予測値[y2j]の内挿により、上述と同様の方法により最適な負の補正量[η%]を決定することができる。
なお、上述した方法以外に、上記式(4)~(6)の基礎式を用いて、炉心反応度[ρ]の補正量としてドップラー反応度による補正項を調整しても良い。
<調整後のパラメーターの決定手順-2>
図11は、中性子源強度を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図であって、上述したステップS207において実施されるパラメーターの補正の手順(調整後のパラメーター値の決定手順)の他の例を説明するための図である。臨界到達までに必要な反応度が大きい状態では、中性子束値[φ0]は炉心反応度[ρ]に反比例し、外部中性子源の強度に比例する。図11では、個々の中性子源の強度を変化させるのではなく、より簡易に、全体を同時に+10%および-10%にしたものである。
図11とともに図4を参照すると、この例では制御棒引抜操作の開始時に、シミュレーター調整装置5の採取開始ボタン504bを押下し、300秒後に演算開始ボタン504cを押下して演算開始している。図10を用いて説明した例と同様に、3つの予測演算結果を内外挿し、中性子束監視装置1からのデータに最も合う補正値を、最小2乗法を用いて決定することができる。
なお、中性子源の強度を求める方法は、原子炉シミュレーター6の予測演算結果を使わない方法も考えられる。例えば、中性子束監視装置1から出力される中性子束値[φ0]の揺らぎを用いて、ファインマンα法等により直接反応度を求め、この反応度と中性子束監視装置1から出力される中性子束値[φ0]を、上記式(4)~(6)に代入し、外部中性子源の強度を求める方法を用いることができる。
<調整後のパラメーターの決定手順-3>
図12は、中性子検出器27の感度を調整対象とした場合のパラメーターの調整を説明する図であって、上述したステップS207において実施されるパラメーターの補正の手順(調整後のパラメーター値の決定手順)のさらに他の例を説明するための図である。図12とともに図4を参照すると、この例では制御棒操作後で中性子束値が静定した時にシミュレーター調整装置5の採取開始ボタン504bを押下し、10秒後に演算開始ボタン504cを押下して演算開始している。中性子検出器27の感度は、個々の中性子検出器27に対して夫々調整する。中性子検出器27の感度は、感度に比例して中性子検出器27で検出される中性子束値が増減することが分かっているため、図10および図11のケースとは異なり、+10%およびー10%%した予測演算は実施せず、現在値の感度による予測演算を実施し、中性子束監視装置1からのデータに最も合う補正値を最小2乗法を用いて決定できる。
また、図示しないが、同様の方法により制御棒25が引き抜かれた時の吸収断面積の変化または反応度を中性子束監視装置1の出力で調整することができる。例えば、上述したように、制御棒25の引き抜き時のペリオド値[τ]は、制御棒25の引き抜き時の正の炉心反応度[ρ]およびドップラー反応度によって決まるが、ドップラー反応度が合っていることを前提に、制御棒25の反応度を一定割合(例えば±10%)で増加または減少させた予測演算と現在値のままとした予測演算結果とから、図10や図11と同様の方法により制御棒25を引き抜いた時の吸収断面積または炉心反応度[ρ]を最適値に調整することができる。
<第1実施形態の効果>
以上のように、入出力装置4から入力した燃料、制御棒25、中性子源24、および中性子検出器27の位置関係を考慮して、3次元中性子動特性計算を実施することにより、中性子源24や中性子検出器27に隣接する制御棒25を引き抜くときの大きな中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の変化を取り込むことができる。また、シミュレーター調整装置5により、中性子束監視装置1の出力と一致するよう、3次元中性子動特性計算に用いるパラメーターを調整することで、比較的簡易なモデルで実機相当の精度の高い中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の予測値を得ることができる。
そして、自動制御による制御棒操作後の実機相当の中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の高精度な予測が可能となり、その予測値を予測値表示装置8に表示することで、運転員は容易に自動操作の継続または解除を判断することができる。
ここで、原子炉の起動時においては、スクラムや制御棒動作ブロックの発生を抑制するために、制御棒25の引き抜きの自動操作を停止するための指標となるペリオド値[τ]を設定している。このため、上述したように実機相当のペリオド値[τ]を高精度に予測することが可能となることで、設定するペリオド値の余裕を減少させることができる。この結果、原子炉の起動時において、効率的な制御棒25の引き抜き操作が可能となり、臨界状態に達する時間を短縮することが可能となる。
≪第2実施形態≫
図13は、第2実施形態に係る原子炉制御装置10’の全体構成図である。この図に示す原子炉制御装置10’が、第1実施形態の原子炉制御装置10と異なるところは、操作指令装置2’が操作量算出装置2aを備えているところにあり、他の構成は第1実施形態の原子炉制御装置10の構成と同様である。このためここでは第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態とは異なる構成要素のみを説明する。
<操作指令装置2’>
操作指令装置2’は、中性子束監視装置1、制御棒駆動制御装置3、および入出力装置4に接続され、さらにここでは原子炉シミュレーター6に接続されている。この操作指令装置2’は、中性子束監視装置1から取得した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]と、入出力装置4からの入力情報とに基づいて制御棒25の操作方法を選択する。また選択した操作方法と操作開始指令とを、制御棒駆動制御装置3に対して出力する。
また操作指令装置2’は、原子炉シミュレーター6において図8に示す手順で算出した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値を取得する。
このような操作指令装置2’に設けられた操作量算出装置2aは、原子炉シミュレーター6から取得した中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値に基づいて、制御棒25の操作量を算出する。例えば、制御棒25の操作方法が、ブロック引き抜きある場合、操作量算出装置2aは、複数の制御棒25の操作量に対応して予測演算されたペリオド値[τ]から、ペリオド値[τ]が設定した範囲内となる中で最大の操作量を内外挿により算出する。操作指令装置2’は、操作量算出装置2aで算出した操作量を、操作方法、操作開始指令とともに制御棒駆動制御装置3に出力する。
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態によれば、操作量算出装置2aによって、実機相当の精度の高い中性子束値[φ0]およびペリオド値[τ]の時間変化予測値に基づいて制御棒25の引き抜きの操作量が算出される。このため、制御棒25の引き抜き操作に対して設定していた時間的な裕度を小さくすることができ、プラント起動を効率化することができる。さらに、第1実施形態においては、制御棒駆動制御装置3が操作量テーブルを保持していたが、本第2実施形態ではその必要がなくなるため、制御棒駆動制御装置3に対して操作量テーブルを格納する作業を削減することができる。
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…中性子束監視装置、2a…操作量算出装置、3…制御棒駆動制御装置、5…シミュレーター調整装置、6…原子炉シミュレーター、7…パラメーター入力装置、8…予測値表示装置、10,10’…原子炉制御装置、22…炉心、25…制御棒、27…中性子検出器、504a…パラメーター選択メニュー(パラメーターを選択する選択部)、[φ]…中性子束値、[τ]…ペリオド値

Claims (15)

  1. 炉心内に設けられた複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記炉心内に挿入された制御棒の引き抜き操作を制御する制御棒駆動制御装置と、
    前記制御棒駆動制御装置による前記制御棒の引き抜き操作の情報と、前記中性子検出器の出力に影響を及ぼす複数のパラメーターとに基づいて前記中性子検出器の出力の時間変化を予測演算する原子炉シミュレーターと、
    前記複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記複数のパラメーターのうちの少なくとも1つの補正を行うシミュレーター調整装置とを備えた
    原子炉制御装置。
  2. 前記原子炉シミュレーターは、前記シミュレーター調整装置で補正されたパラメーターに基づいて前記予測演算を実施する
    請求項1に記載の原子炉制御装置。
  3. 前記原子炉シミュレーターは、前記複数の中性子検出器の感度を、前記複数のパラメーターのうちの1つとして前記予測演算を実施する
    請求項1または2に記載の原子炉制御装置。
  4. 前記シミュレーター調整装置は、前記中性子検出器の出力と、前記補正を実施する前のパラメーターに基づく前記原子炉シミュレーターにおいての予測演算の結果とに基づいて、前記パラメーターの補正を実施する
    請求項1~3のうちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  5. 前記シミュレーター調整装置は、前記複数の中性子検出器から得られる時系列出力値に基づいて、前記パラメーターの補正を実施する
    請求項1~4うちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  6. 前記シミュレーター調整装置は、前記複数のパラメーターのうちから補正するパラメーターを選択する選択部を備えた
    請求項1~5うちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  7. 前記複数のパラメーターを前記原子炉シミュレーターに入力するパラメーター入力装置を備えた
    請求項1~6のちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  8. 前記原子炉シミュレーターでの予測演算の結果を表示する予測値表示装置を備えた
    請求項1~7うちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  9. 前記原子炉シミュレーターでの予測演算の結果に基づいて、前記制御棒駆動制御装置による前記制御棒の引き抜き操作量を算出する操作量算出装置を備え、
    前記制御棒駆動制御装置は、前記操作量算出装置で算出された引き抜き操作量に基づいて、前記制御棒の引き抜き操作を制御する
    請求項1~8のうちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  10. 前記制御棒駆動制御装置は、前記制御棒の引き抜き操作量に関する操作量テーブルを保持し、前記操作量テーブルから選択した引き抜き操作量に基づいて、前記制御棒の引き抜き操作を制御する
    請求項1~8のうちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  11. 前記中性子検出器の出力に基づいて中性子束値およびペリオド値を算出する中性子束監視装置を備え、前記中性子検出器の出力として、前記中性子束値およびペリオド値を用いる
    請求項1~10のうちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  12. 前記複数のパラメーターのうちの1つとして、炉心反応度、炉心の中性子断面積、制御棒反応度、前記炉心内の中性子源の強度、前記炉心内の中性子源の位置、前記複数の中性子検出器の感度、および前記複数の中性子検出器の位置のうちの少なくとも1つを含む
    請求項1~11のうちの何れか1項に記載の原子炉制御装置。
  13. 制御棒駆動制御装置が、炉心内に設けられた複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記炉心内に挿入された制御棒の引き抜き操作を制御し、
    原子炉シミュレーターが、前記制御棒駆動制御装置による前記制御棒の引き抜き操作の情報と、前記中性子検出器の出力に影響を及ぼす複数のパラメーターとに基づいて前記中性子検出器の出力の時間変化を予測演算し、
    シミュレーター調整装置が、前記複数の中性子検出器の出力に基づいて、前記複数のパラメーターのうちの少なくとも1つの補正を行う
    原子炉制御方法。
  14. 操作量算出装置が、前記原子炉シミュレーターでの予測演算の結果に基づいて、前記制御棒駆動制御装置による前記制御棒の引き抜き操作量を算出する
    請求項13に記載の原子炉制御方法。
  15. 前記制御棒駆動制御装置が、前記操作量算出装置で算出された引き抜き操作量に基づいて、前記制御棒の引き抜き操作を制御する
    請求項14に記載の原子炉制御方法。
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