JP5954902B2 - 原子炉の炉心の出力分布をモニターする方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的に、原子炉に係り、さらに詳細には、加圧水型原子炉(PWR)のような原子炉の炉外出力レンジ検出器の校正方法に係る。
現代の商用原子炉の炉心は、直立した原子炉容器内に装荷された多数の細長い燃料集合体により形成される。加圧状態の冷却材は燃料集合体を通って循環し、集合体に含まれる核分裂性燃料内の核反応が発生する熱を吸収する。炉心の出力分布は、制御棒が燃料集合体に挿入される度合いのような多数の因子による影響を受ける。出力分布を正確に突き止めることは原子炉の動作限界を超えないようにする上で重要である。
例えば、加圧水型原子炉(PWR)の出力分布を求めるために開発されたシステムの1つとして、原子力“BEACON(the Best Estimate Analysis for Core
Operation) ”システムがある。ペンシルベニア州モンロービルに事業所を有するウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシーからのライセンスにより利用可能なBEACONは、他の利点として、現在利用可能な計測手段を用いて既存のPWRの炉心を継続的にモニターする能力を提供できる。BEACONは、出口熱電対と炉外出力レンジ検出器と可動式炉内検出器の組み合わせか、または、固定式炉内検出器システムの何れかを、基準となる三次元出力分布と組み合わせて使用することにより、炉心出力分布を測定する。BEACONにより実行される機能には、炉心監視、炉心解析、反応度バランス及び炉内検出器信号処理及び解析があり、オンライン運転停止マージン評価、予測臨界状態計算、負荷操作シミュレーション及び炉外検出器校正が含まれる。
炉外検出器は、前のサイクルまたは現在のサイクルからの運転情報の解析に基づくマルチポイントまたはシングルポイントの何れかの校正法を用いて校正するのが伝統的である。以下に述べるように、これらの方法は共にそれらだけにある制約を有する。
マルチポイント校正法は一般的に、可動式検出器(即ち、炉内検出器)を一部の燃料集合体の計測シンブル管中を走らせてデータを発生させるものである。このデータの収集は炉心において軸方向の出力振動を意図的に誘起させる間、多数のポイントで繰返し行う。このデータはその後、それぞれが中性子束マップと呼ばれる炉心出力分布の多数のマップを作成するように処理する。炉外検出器応答及び中性子束マップの結果から得られる軸方向情報と共に、炉外検出器を校正するための係数が導出される。他の問題点として、マルチポイント校正法は時間がかかり、労働及びコスト集約的であるという問題がある。詳説すると、データ収集を完了するために、電力会社は出力レベルが低い状態で時間を費やし、炉心にキセノン振動を導入し、または、その両方を行なうことを余儀なくされる。このため発電所の人員を増やす必要があり、発電したものが失われるという問題があった。例えば、最初の起動時、低出力状態で3つのポイントのデータを取得するのに約16時間かかり、炉心を平衡状態にするのに約24時間必要とする。さらに、一部の電力会社には、稼動状態になる前に全てのデータを炉外検出器に移すというさらに別の条件があるが、これは数日かかる場合がある。さらに、可動式炉内中性子束マップは正確な炉心出力分布を提供するが、それはあまり頻繁には実行されない(例えば、起動時と、原子炉運転時において一月に約1回のインターバルで実行される)。これは、炉内検出器が原子炉の通常運転時に継続して使用されると、放射線の放出及び炉内検出器の熱線露出により早期に不具合が生じるからである。炉内センサーが炉心内で膠着状態になるかもしれないという懸念により、炉内検出器を計測シンブル管に挿入しなければならない頻度を最小限に抑えるのも望ましい。
BEACONがない場合の発電所許可条件は通常、出力分布測定を31日より少ない頻度で行うことを必須とする。BEACONは、発電所で許可されている場合、出力分布を測定するに当たり可動式中性子束マップに取って代わる。従って、BEACONは、発電所が次の中性子束マップを採取するまでの期間を最大6ヶ月遅らせることができるという利点がある。
マルチポイント校正に付随する上記問題点に鑑みて、シングルポイント校正を行なうのが望ましい。シングルポイント校正は一般的に、炉心で発生するであろう実際の出力振動を、予測中性子工学解法モデルを用いる振動のシミュレーションで代替するものである。かかる方法には、予測モデルが、ある特定の状況下で物理的炉心を正確に表さないという問題点がある。例えば、出力分布の測定値と予測値がマッチしないことがある。出力分布のかかる不一致は種々の因子による。例えば、予測モデルを不正確にする可能性のある幾つかの因子として、炉心内の非対称的な燃料装荷、燃料集合体の実際の反応度とモデル化された反応度の間のミスマッチ、または炉心の運転履歴とモデル化された履歴の差による集合体燃焼度のミスマッチ及び中性子工学解法の限界がある。即ち、炉心をほぼ同一のセグメント(例えば、限定の意図なく、4象限または6象限)に分割するが、他の4象限または6象限と同様な挙動をしない4象限または6象限が炉心にあると炉心に非対称性が生じる。
従って、公知のシングルポイント法の問題点はそれらの方法が通常はその基礎となる仮定に依らないことである。1つの仮定として、原子炉の炉心は上述したように対称的に装荷されているという仮定があり、別の仮定として、原子力発電所は首尾一貫して常に全出力で運転されるという仮定である。これは、時として、例えば、米国におけるように、電力消費の比較的短期の変動を吸収するために他の非原子力(石炭火力、化石燃料利用)発電所の出力が、一般的に、必要に応じて増減するよう利用される場合は正しいが、原子力発電所は世界の他の地域では異なる態様で運転される。例えば、発電の大部分が原子力発電所で行われるフランスでは、電力需要または電力網周波数の必要に応じて原子力発電所の出力を増減することが必要である。予測モデルで想定される運転と実際の炉心の運転履歴の違いにより予測モデルが不正確になる可能性がある。
発電所の電気出力の変動を吸収するための原子炉炉心出力を変化させることを負荷追従と言う。負荷追従時の原子炉の運転は種々の不都合な運転状態を生ぜしめる可能性があることが一般的に確立されている。従って、多くの原子炉販売者は原子炉を負荷追従能力なしに一定出力で運転するのを推奨する。発電所の運転におけるこの融通性の不足は原子炉の利用度を制約し、負荷変動で必要とされる発電能力の差を埋めるために非原子力発電所を持続させる必要がある。上述したように、非原子力発電所がこの機能のために利用可能な状態にない世界の一部の地域では、これは実行可能なオプションではない。かかる状況下では、事実上の負荷追従能力を確立しなければならない。これには、キセノン分布に問題が発生する前に、例えば中性子束パターンの変動を補償できるように、炉心内の中性子束パターンを正確に実質的に再構成できる炉心モニターシステムが必要である。
従って、炉外検出器のシングルポイント校正に付随するシミュレーションされる振動(例えば、予測モデル)の精度を改善する必要がある。
従って、原子炉の炉外検出器の校正方法には改善の余地がある。
上記及び他の必要性は、集合体周囲アキシャルオフセットと炉心平均アキシャルオフセットの関係を求めるための予測シミュレーションに対する炉心モニタリングによる補正(例えば、ノード校正係数)を利用する方法に係る本発明により満足される。かくして、原子炉の既存の炉外モニターシステムを用いることにより、種々の異常条件(例えば、限定の意図なく、炉心の過渡運転条件、非対称的な燃料装荷条件、炉心の傾斜、中性子モデルミスマッチ)下で炉心内の出力分布を正確にモデル化することができる。
本発明の一側面として、BEACONのような炉心モニターシステムの一部であるノード校正係数を用いて、シングルポイント炉外校正法により予測シミュレーションの制約を解消することにより、周囲と炉心の平均アキシャルオフセット関係式の精度を改善し、炉心の種々のセグメント(例えば、限定の意図なく、4象限、6象限)における出力とアキシャルオフセットの差を吸収する。三次元ノード校正係数は、単一の可動式炉内検出器による中性子束マップまたは自己給電型検出器によるスナップショットの何れかから測定した三次元出力分布と、中性子工学モデルからの予測三次元出力分布の比率を求めることにより発生される。さらに詳細には、加圧水型原子炉(PWR)の炉心の出力分布情報をモニターして炉外検出器の校正を改善する方法が提供される。
本発明の1つの非限定的実施例によると、本発明の方法は、炉心モニターシステムを用意し、複数の炉外検出器を用意し、可動式または固定式炉内検出器により単一の中性子束マップを作成してノード校正係数と、現在の炉外検出器の応答及び測定した周囲アキシャルオフセットの基準ポイントを発生させ、ノード校正係数は中性子束マップ(69)からの測定した三次元出力分布を同じ炉心条件における予測出力分布で割算することにより発生させ、アキシャルオフセットを変化させるための(a)制御棒操作及び(b)キセノン振動のうちの少なくとも一方を含む、軸方向の出力振動をシミュレーションするための計算を行い、その結果得られた三次元出力分布の計算値にノード校正係数を乗算することにより予測結果を予想される測定結果に対して補正し、その結果を用いて炉心周囲アキシャルオフセットと炉心アキシャルオフセットの間の関係式及び炉心周囲アキシャルオフセットと炉外検出器応答の間の関係式を作成させるステップより成る。ノード校正係数を乗算することにより炉心平均アキシャルオフセットに対する炉外検出器の応答が正確に校正される。
本発明の方法はさらに、以前発生させたノード校正係数及び現在モニターした出力分布を炉外検出器のその後の校正に適用することを含む。ノード校正係数は、最長約6ヶ月の期間における測定値と予測値の間の予想される差を有効に表すものである。炉外検出器の校正は、発電所が炉内中性子束マップを発生することを必要条件とすることなく、炉心の現在のサイクルにおいて発生される原子力データに基づく。校正は、例えば、そして限定の意図なく、炉心寿命の初期、炉心寿命の終期の出力上昇時に、炉心が部分出力あるいは全出力で運転中に実行しても良い。
本発明の方法は可動式炉内モニターシステムを有する原子炉と、固定式炉内検出器システムを有する原子炉の両方だけでなく、可動式と固定式の両方の炉内検出器システムの組み合わせを有する原子炉にも適用可能である。
本発明の完全な理解は、添付図面に関連して好ましい実施例についての以下の説明を読めば得られるであろう。
図1は、本発明の思想を組み込んだPWR及びその原子炉炉心の側立面図であり、一部が断面図、一部が概略図である。 図2は、図1の原子炉炉心マップの上部平面概略図であり、燃料集合体、制御棒および炉外検出器の相対的位置を示す。 図3は、本発明による、図1のPWR原子炉炉心の通常運転時におけるノード校正係数を発生させるためのデータ流を示す概略図である。 図4は、本発明による、図1のPWR原子炉炉心の通常運転時における出力分布をモニタリングするためのデータ流を示す概略図である。 図5は、本発明による炉外校正プロセス時におけるデータ流を示す概略図である。
例示の目的で、本発明の実施例を、可動式炉内検出器システムを有し、BEACON炉心モニターシステムを用いる加圧水型原子炉(PWR)の炉外検出器の校正に適用するものとして説明するが、BEACON以外の炉心モニターシステムを使用し、可動式炉内検出器システム、固定式炉内検出器システムまたは可動式炉内検出器システムと固定式炉内検出器システムの両方の組み合わせを有するPWRにも適用可能であることが明らかになるであろう。
本明細書に使用する用語「原子力データ」は、原子炉炉心内の燃料集合体及び可燃性吸収材を表す情報及びパラメータのことであり、中性子束、出力、燃焼度、入口温度、出口温度、エントロピー、アキシャルオフセット及びこれらの組み合わせを明示的に含むが、それらに限定されない。
本明細書に使用する用語「異常炉心条件」は、炉心が原子炉炉心の通常の運転条件(例えば、限定の意図なく、セグメント(例えば、限定の意図なく、4象限、6象限)の間で実質的に対称的な燃料装荷条件)下で運転中でない任意のシナリオのことであり、非対称的な炉心出力、軸方向傾斜、制御棒落下、制御棒引き抜き、サイクル長の変化、燃料装荷パターンの変化及び炉外検出器の交換を明示的に含む。
本明細書に用いる用語「ノード」は、原子炉炉心を副領域に分解する方法のことである。
本明細書に用いる用語「数」は、1または1より大きい整数(複数)を意味するものである。
図1は、半球状底部5と、上部蓋7を備えた直立円筒状の圧力容器3を含む加圧水型原子炉(PWR)1を示す。原子炉炉心9は、上部支持板11、炉心槽13及び下部支持板15を含む構造により原子炉容器3内に吊り下げられている。原子炉炉心9は、各々が多数の燃料棒(図示せず)内に収容された核分裂性物質を含む細長い燃料集合体17により構成される。各々が蓋7の上方に位置する駆動機構21により位置決めされる制御棒19のクラスタは、核分裂性物質の反応度を制御する1つの機構として燃料集合体17の内部に挿入される。原子炉冷却材ポンプ(図示せず)により循環される原子炉冷却材は入口ノズル23に流入し、炉心槽13の周りを下方に流れた後、下部支持板15を通って上方に流れ、燃料集合体17の中を上方に流れる間に、核分裂性物質内の原子核反応により加熱される。その後、原子炉冷却材ポンプにより通常は2,250psiに維持される加熱状態の冷却材は、出口ノズル25から流出し、蒸気発生器(図示せず)を循環する間に熱を放出し、入口ノズル23に戻る。図示を単純化するため、図1にはループをただ1個しか示さないが、原子炉1は通常、2乃至4つのループを有し、それぞれが入口ノズル(例えば、23)と出口ノズル(例えば、25)を有する。
上記プロセスの種々のパラメータは発電所のコンピュータ27によりモニターされる。かかるパラメータの中には、各入口23において熱電対29により測定される冷却材入口温度、出口熱電対31により測定される燃料集合体17を出る時の冷却材温度がある。さらに別の測定値として、原子炉容器3の外部に近接して位置する複数の炉外出力検出器33により測定されるアキシャル出力オフセット、及び、本明細書では特に言及しないが、発電所のコンピュータ27によりモニターされるか、モニターが可能な多くの他のパラメータが含まれる。
図1の例に示すPWR1には、各々がシンブル案内管41に押し込まれる駆動ケーブル39上に装着された多数の可動式中性子検出器37(即ち、炉内検出器)を含む可動式炉内検出器システム35が設けられている。このように、炉内検出器37は燃料集合体17のシンブル管(図示せず)内を移動される。炉内検出器37により採取される測定値は、原子炉炉心9内の出力分布の正確な測定値である中性子束マップの発生に用いられる。しかしながら、上述したように、これらの検出器37は限定的ベースで(例えば、起動時と、発電所運転時において周期的なインターバルで)使用される。従って、中性子束マッピング間における原子炉炉心9の出力分布を求めるには他の機構が必要である。
PWR1は、炉心出力分布を継続的にモニターするために炉心モニターシステムまたはプロセッサ43(図1に簡易表示)を使用する。PWR1は、必要条件ではないが、炉心モニターシステム43としてBEACONを用いるのが好ましい。炉心モニターシステム43は1またはそれ以上のエンジニアリングワークステーション(図示せず)を含むことがある。BEACON43は、発電所の計測システム(例えば、限定の意図なく、可動式炉内検出器システム35)を原子炉炉心9の三次元モデルと共に用いて原子炉炉心9内の三次元出力分布測定値を継続的に提供する。以下に述べるように、BEACON三次元ノードモデルによる出力は、シングルポイント校正法を用いて炉外検出器33を校正することにより、先に定義した異常炉心条件下を含む実際の状態につき更新される。
BEACON43には、炉内検出器システム35によらずに、また、中性子束マップの発生を必要とすることなく、BEACON43によりモニターされる出力分布測定値を使用できるという利点がある。即ち、BEACONによるモニタリングでは、炉外検出器33を必ずしも校正する必要がないが、その理由は、BEACON43が校正された信号ではなくて生の信号を用いる、より原始的な応答を使用するからである。従って、BEACON43は校正済み炉外検出器信号から独立して機能できるが、その理由は、炉外検出器33は炉心のアキシャルオフセットでなくて、炉心周囲出力を求めるために使用されるからである。換言すれば、BEACON43を備えた発電所では、可動式炉内中性子束マップの唯一の本当の目的はBEACON43の校正にある。従って、BEACON43は出力分布測定値を発生させるために用いる可動式炉内検出器システム35の代替物となる。この出力分布測定値は、本発明によると、炉外出力検出器33の校正方法の基準となる。
図2は図1のPWR1の一部の上部平面図であり、本発明の1つの非限定的実施例における、燃料集合体17、制御棒19(図1)の一部及び炉外検出器33の位置を略示する。炉心位置51、53はそれぞれ、1つの炉心動作例に用いる全長制御棒位置である。残りの炉心位置59は一般的な燃料集合体位置であり、その一部は他の制御アプリケーション用として確保される。図2の例の原子炉炉心9は同一サイズの4象限A、B、C、Dを有し、炉心9の全体形状は上部平面斜視図から一般的に正方形またはダイアモンド状である。しかしながら、本発明の方法は、セグメントの他の任意の公知または適当な数及び/または形状(例えば、限定の意図なく、6セグメントまたは6象限)及び/または全体形状(例えば、限定の意図なく、ほぼ六角形)を有する炉心(図示せず)にも適用可能であることがわかるであろう。
燃料集合体は、一般的に、炉心9内に対称的なパートナーとして再装荷される。集合体の対称的なパートナーは一般的に4または8つの集合体より成るプループを形成し、それらは、前の燃料サイクルでは対称的な位置に装荷されていた。例えば、時として対称的なパートナーが損傷を受け、次の燃料サイクルでは再装荷されず、その代わりに使用済み燃料の在庫から別の集合体が装荷されることがある。しかしながら、図2の例では、燃料集合体57の、例えば濃縮度及び中性子束被爆度(即ち、燃料度)は炉心9の各4象限A、B、C、Dで異なる。図2は炉心9が非対称性を有する1つの非限定的な例を示すにすぎないことがわかるであろう。かかる非対称性は先に定義した異常炉心状態の1つの非限定的例を表すものであり、本発明の方法が着目して解決できるものである。
運転時、例えば、そして限定の意図なく、容器3(図1)の周囲における、図2の炉外検出器45、47、49、50のような複数の対称的位置で、炉心9の推定軸方向出力分布がモニターされる。各炉外検出器33は炉心9の隣接する4象限A、B、C、Dにそれぞれ対応する中性子束情報を提供する。この特定の実施例において、炉心9は炉心対角線上に位置する検出器33により4象限A、B、C、Dに分割されるものとして示されているが、これら4象限A、B、C、Dは検出器33を炉心平面上の0度、90度、180度、270度の位置に配置することにより画定することもできることがわかる。また、本発明の方法は、2またはそれ以上の軸方向セグメントにより構成される炉外検出器チャンネルにも適用可能であることがわかる。
図示の実施例において、位置45の検出器33が検出する中性子束測定値は0度軸と270度軸が境界を形成する炉心のB象限で発生する出力を表すが、0度軸と270度軸は図2に示す平面図の水平面をそれぞれ二分するものであり、軸方向中性子束プロフィールが測定される炉心の垂直軸とは別である。同様に、図2において、A象限の境界は90度軸と0度軸であり、C象限の境界は270度軸と180度軸であり、D象限の境界は180度軸と90度軸である。炉心9の構成要素(例えば、図1の燃料集合体17及び制御棒19)は、上述したように、例えば非対称的に配置されることがあるが、周辺の燃料集合体17と、炉心9の各4象限A、B、C、Dの平均出力との間の関係は同一でない。
アキシャルオフセットは軸方向出力分布を測定するための有用なパラメータであり、以下のように定義される。
Ao=(Pt−Pb)/(Pt+Pb)
上式において、
Ptは炉心9の上半分で発生する出力部分、
Pbは炉心9の下半分で発生する出力部分であり、
これらは一般的に、原子炉1の周囲に軸方向に整列させた炉外検出器33により測定される。
炉心9が対称的でない場合、BEACON43(図1)は、炉心セグメントに従属する(例えば、限定の意図なく、4象限従属、6象限従属)値の追加をサポートするために本発明に従って改造することができる。その後、それらの値を以下に述べる計算に従って使用することにより出力分布を正確に更新できる。
詳説すると、本発明によるシングルポイント計算は3つの計算を含む。第1の計算は、生の炉外検出器信号からのアキシャルオフセットと、各セグメントの、勾配定数により重み付けした炉心周囲アキシャルオフセットAOppとの間の関係を確立する。これらは「結合係数」と呼ばれ、下記の方程式(1)のA1、A2で示す。第2の計算は炉心平均アキシャルオフセットAOと、重み付けした炉心周囲アキシャルセットAOppとの間の関係を確立する。第3の計算は単一測定の値を調整して、炉外校正定数と設定点K、Koを与える。
さらに詳細には、第1の計算(1)により決まる結合係数A1、A2は軸方向キセノン振動時の処理済み中性子束マップの結果を用いることにより状態ポイントの初期実行時に導出される。本発明による将来のシングルポイント解析では、同じ係数を用いることができる。結合係数A1、A2は以下の式により定義される。
(1)In=A1*AOpp+A2
上式において、
Inは規準化電流、
AOppは重み付けした炉心周囲アキシャルオフセット、
A1、A2は結合係数である。
方程式(1)の各項は検出器に依存する。即ち、4チャンネルの典型的な原子炉では、In、A1、A2はチャンネルによる、また、炉心9の上部及び下部による指標を付される。AOpp値は特定のチャンネルの上部及び下部の両方の値である。従って、4象限の構成(例えば、象限A、B、C、D)では、8つの異なる方程式が存在する。
炉心平均アキシャルオフセットAOと、重み付けした炉心周囲アキシャルオフセットAOppとの間の関係を与える第2の計算(以下の方程式(2)を参照)は、好ましくは、一連の制御棒操作及び/または校正の所要燃焼度における中性子工学モデルを用いた一連のキセノン振動計算により決定される。ノード校正係数はこれらの計算の結果に適用される。他の利点として、この計算は公知のマルチポイント校正法で必要であった、軸方向キセノン振動時における多数の中性子マッピングの実行を不要にする。棒の操作及びキセノン振動を用いて設計計算(上の方程式(1)を参照)のアキシャルオフセットを変化させ、勾配定数Kの値を以下の式に従い各タイプのイベントにつき決定する。
(2)AOpp=K*AO−Ko
上式において、
AOppは重み付けした炉心周囲アキシャルオフセット
AOは炉心平均アキシャルオフセット、
Kは炉心平均アキシャルオフセットを炉心周囲アキシャルオフセットに変換するための勾配定数、
Koは炉心平均アキシャルオフセットを周囲オフセットに変換するためのオフセット定数である。
方程式(2)において、各チャンネルにつき1つの方程式が存在する。従って、式(1)に関連して述べた同じ4チャンネルの例では、4つの象限(例えば、象限A、B、C、D)構成に4つの方程式が存在する。KとKoは「設計定数」と総称される。AOpp、K、Koはチャンネルより異なるが、AOは炉心9の値である。
第3の計算は最初の2つの計算結果を結合し、真の測定値が知られているシングルポイントを提供することによって、炉心平均アキシャルオフセットAOと重み付けした炉心周囲アキシャルセットAOppとの間の関係を炉外検出器応答に結びつける。これにより、重み付けした炉心周囲アキシャルオフセットと、炉心平均アキシャルオフセットとの間の関係式の定数値Koと規準化することができる。従って、他の利点として、本発明の方法は炉心9の各セグメント(例えば、限定の意図なく、4象限、6象限)の定数K、Koを与える。これは、炉心9につきただ一組の定数を与える公知の方法からの有意な進歩である。このように、本発明は炉心9の各セグメント(例えば、図2の象限A、B、C、D)が異なる挙動をするという事実に着目する。
上記に鑑みて、本発明の方法は従来式シングルポイント解析に以前より存在していた問題点を、その解析に用いる予測モデルの置換シミュレーション振動の精度を改善して解析結果を向上させることにより克服することがわかるであろう。特に、BEACON43は、本発明の方法に従って使用すると炉心周囲及び炉心平均アキシャルオフセットの関係式(上の第2の方程式(2)を参照)の計算における上述した問題点を解消できる情報を含む。詳説すると、BEACON43内で中性子束マップを処理させると、BEACON43はノード校正係数と呼ぶものを発生させる。炉心9の各中性子工学ノードに関連するノード校正係数は三次元炉心出力分布の測定値と予測値との間の関係を反映する。
ノード校正係数は2つの異なるアプローチを用いるシングルポイント法に適用可能である。第1のアプローチは、完全なキセノン振動及び/または棒操作を実行した後、ノード校正係数をそれらの計算より得られた出力分布に適用する。これにより、出力分布の測定値と予測値が異なる時、シングルポイント校正による結果が大きく改善される。第2のアプローチは、キセノン振動及び/または棒操作を行ない、それと同時に、ノード校正係数を計算の各時間ステップに適用することである。このように、ノード校正係数を出力及び中性子束分布に適用する。その後、補正した中性子束を用いて次の時間ステップにおいてキセノンとヨウ素を減らす。このアプローチは振動時のキセノンの変動に対する不正確に予測された出力の二次的影響を補正する。その後、これらの補正結果による出力分布を上の方程式(2)のK及びKoの計算に使用することができる。
要約すると、本発明の方法は、たとえ異常炉心条件の下でも、BEACONの三次元解析ノードモデル法による出力を正確に更新するためのノード校正係数を決定する。可動式炉内検出器システム35(図1)が存在する例において、BEACON43は、他の信号に加えて、熱電対31(図1)からの応答及び炉外検出器33からの信号を利用する。固定式炉内検出器(図示せず)が存在する例では、BEACON43はモニタープロセスに入力するために熱電対(例えば、図1の熱電対31)の信号または炉心外信号を利用しない。これらの信号代わりに、固定式炉内検出器信号を用いる。可動式炉内検出器システム35か固定式炉内検出器システム(図示せず)を用いる何れの場合でも、モニタリングプロセスはモニターしたあるいは測定した(例えば、基準となる)三次元出力分布を発生する。中性子束マップがない場合、炉外検出器33の校正に必要とされるのはこの測定した出力分布であり、本発明のシングルポイント法に従って振動シミュレーションの予測モデル(例えば、計算)に適用されるノード校正係数を確立するのはこのモニタリングプロセスである。
詳説すると、ノード校正係数は以下の式に従って決定される。
(3)C(i,j,k)=PM(i,j,k)/PP(i,j,k)
上式において、
Cはノード校正係数、
Mは出力測定値、
Pは出力予測値、
i、j、kは原子炉炉心内の空間座標を表す。
図1に示すような可動式炉内検出器システム35を備えた炉心9のノード校正係数Cは、図3のフローチャートに略示するように、実際の中性子束マップが処理される時においてのみ発生される。換言すれば、BEACON43を再校正するという決定がなされるまで、同じノード校正係数(例えば、校正ファイル63)を使用する。詳説すると、炉心内中性子束マップ処理43の間、処理済みデータ61の対話式解析を行うことにより中性子束マップを解析し評価することができる。図3に略示するこの対話式解析には、炉内検出器システム35(図1)からの炉内計測信号(図3において、中性子束トレース情報69と総称する)の収集と、原子力データ61(例えば、限定の意図なく、炉心出力レベル、圧力、熱電対、炉外検出器)の収集が含まれる。炉心の現在の状態を表すこのデータ61、69及び中性子工学モデル定数65を用いて、BEACON43は中性子束マップの正確な状態での解析的予測中性子束反応速度を発生する。反応速度の測定値に対するBEACONにより計算される反応速度の比率がモデルの精度である。測定出力分布71の推測値は回帰分析と表面スプライン近似を組み合わせることで得られる。BEACON43による中性子束マップ処理の間、ノード校正因子63は測定出力分布71の推測値71と出力分布予測値75の比率を用いて得られる(図4)。必要あるいは所望であれば、BEACON43も、例えば本願の出願人に譲渡された米国特許第6,493,412号に開示されるように、熱電対の読みを炉内出力分布測定値に対して校正する混合係数を計算することができる。中性子束トレース情報69(図3)を処理するにあたり、BEACON43は、例えば、そして限定の意図なく、トレースの比較、トレースグリッドの視覚による整列、検出器ドリフトの解析、対称的なトレースの比較及び反応速度の測定値と予測値の差の計算を許容する。
固定式炉内検出器(図示せず)を備えた炉心(図示せず)の1組のノード校正係数Cを任意の時点で求めることができるが、その理由は、信号が固定式炉内検出器(図示せず)から継続的に提供されるからである。何れの場合でも、ノード校正係数Cは、上の方程式(3)に示すように、各ノードの出力予測値PPに対する各ノードの出力測定値PMの比率である。
図4は、原子炉1(図1)の通常運転時におけるデータの流れを示す。炉心モニターシステム43(図1、図4のBEACONも参照)において作動される更新バックグラウンドプロセス73は中性子工学モデル定数65により表される解析的ノードモデルを実行する。更新プロセス73は、原子炉計測系(例えば、限定の意図なく、熱電対、炉内検出器、炉外検出器)から原子力データ61にアクセスする。更新プロセス73は解析的ノードモデルから各燃料集合体17(図1及び2)の予測出力を求める。原子力データファイル61は、例えば、そして限定の意図なく、入口熱電対温度、出口熱電対温度、炉心出力レベル、制御棒位置、炉外検出器信号及び圧力を含む。このデータ61の少なくとも一部は、例えば、発電所の初期の出力上昇中定期的に収集され、一方、他のデータ61は炉心9(図1及び2)の動作全体を通して継続的に収集され更新される。校正ファイル63は、上述した熱電対混合係数の関数及び炉外検出器校正係数だけでなくノード校正係数、標準偏差関数係数、校正の日時及び他の校正パラメータのようなものを含む。更新プロセス73は、出力分布予測値をノード校正係数63と結合して予想される三次元(3D)出力分布75を発生させる。BEACONモニタープロセス77は予想されるこの出力分布75を、炉外検出器信号を含む最も最近の原子力データ61と共に用いて測定出力分布情報71′を発生させる。BEACONにより提供するのが好ましい測定出力分布情報71′は、図3に関連して上述した中性子束マッププロセスにより発生される測定出力分布71と実質的に等価である。炉外検出器を校正するために、これら測定中の出力分布を中性子束マップの代わりに用いることが可能である。
初期の出力上昇時(例えば、限定の意図なく、30%、50%、75%、100%出力)及び/または通常運転時に定期的に、図3に略示したように中性子束マップ測定が行われ、図5に示すように完全な炉外検出器の校正が行われる。BEACON43(図1と図3、図4も参照)のフォアグラウンドプロセスは、校正ファイル63の校正情報(例えば、限定の意図なく、ノード校正係数)を発生させるために使用されるインターフェイスである。詳説すると、このフェイズに必要なデータは上述したシングルポイント校正のための計算から収集される情報であり、これを用いて各炉外検出器33(図1及び2)の炉外検出器校正係数63を発生させる。これらは、選択された近似関数にはめ込まれ、中性子束マップファイル69(図3)に蓄積された中性子束マップデータを用いて調整された校正係数63である。本発明の方法がユニークなのは、上述したように、校正時に中性子束マップファイル69の処理済みデータが対話式に解析され、中性子束マップの評価が行なわれることである。このプロセスには上述したアキシャルオフセット計算が含まれる。中性子束マップファイル69からのデータがBEACON43(図1、図3、4も参照)内で処理されると、BEACON4は上述したノード校正係数C(上の方程式(3)を参照)発生する。前述したように、これらのノード校正係数Cは測定した出力分布71と予測した出力分布75の関係を表す。
図5に示すように、シングルポイント校正を行なうプロセスは、予測した適当なキセノン及び棒操作の計算81を行うために中性子工学モデル定数65を用いる解析的ノードモデルに係る。次に、ステップ83において、棒操作により得られる三次元(3D)出力分布がノード校正係数63により校正されるが、これらのノード校正係数63は、図3に示すように、発生され、図4に示すように、BEACONにおいて測定値補正のために使用されたものである。一旦補正されると、設計定数K、Ko(上の式(2)を参照)をステップ85で発生することができる。ステップ87の結合係数A1、A2(上述した方程式(1)を参照)はその後、ステップ89において、ステップ85からの設計定数K、Koと結合され、単一の中性子束マップ71(図3)またはBEACONモニタープロセス71´(図4)により発生される測定データに対して規準化される。従って、シングルポイントで校正した測定値が得られる。換言すれば、上述したように、炉内中性子束トレース71(図3)の処理による測定出力分布情報をBEACONでのモニタリング71´(図4)による測定出力分布データにより適切に置換できるということが分かる。
従って、本発明の方法は、好ましくは、(必要条件ではないが)、BEACON43(図1、3、4も参照)を用いる最新型中性子束マップ処理能力を提供する。詳説すると、本発明の方法は、BEACONの一部であるノード校正係数C(上の方程式(3)を参照)を利用して公知のシングルポイント校正方法にある問題点を解消するものである。他の利点として、この改良により炉心周囲と炉心平均アキシャルオフセットの関係式の精度が向上し、それと共に原子炉炉心9の種々のセグメント(例えば、限定の意図なく、4象限、6象限)における出力とアキシャルオフセットの差が許容される。本発明の炉外校正法はまた、校正に必要な時間と関連コストを有意に減少させる。また、炉内中性子束マップシステム35(図1)の摩耗やほころびを減らし、水処理を減少させ、サイトの人員の作業を削減し、寿命の終わり近くに原子炉に望ましくないトリプルが起こる可能性を減少させるというような利点も提供する。従って、異常炉心条件下で炉心の出力分布を正確にモデル化できるだけでなくコストが実質的に削減される。
本発明を特定の実施例につき詳細に説明したが、当業者にとっては本明細書の記載全体に鑑みてそれらの実施例に対する種々の変形例及び設計変更を想到できることがわかるであろう。従って、図示説明した特定の構成は例示的に過ぎず、本発明の範囲を限定するものでなく、本発明の範囲は後記の特許請求の範囲及びその任意且つ全ての均等物の全幅を与えられるべきである。

Claims (19)

  1. 加圧水型原子炉(1)の炉心(9)の出力分布をモニターする方法であって、
    BEACONシステム(ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー社提供。BEACONは同社の米国等における登録商標または商標)より成る、加圧水型原子炉の三次元出力分布を求めるための炉心モニターシステム(43)を用意し、
    複数の炉外検出器(33)を用意し、
    可動式または固定式炉内検出器により単一の中性子束マップ(69)を作成してノード校正係数(63)と、現在の炉外検出器(33)の応答及び測定した周囲アキシャルオフセットの基準ポイントを発生させ、ノード校正係数(63)は中性子束マップ(69)からの測定した三次元出力分布(71、71′)を同じ炉心条件における予測出力分布(75)で割算することにより発生させ、
    アキシャルオフセットを変化させるための(a)制御棒操作及び(b)キセノン振動のうちの少なくとも一方を含む、軸方向の出力振動をシミュレーションするための計算を行い(81)、
    その結果得られた三次元出力分布の計算値にノード校正係数(63)を乗算することにより予測結果を予想される測定結果に対して補正し、
    その結果を用いて炉心周囲アキシャルオフセットと炉心アキシャルオフセットの間の関係式及び炉心周囲アキシャルオフセットと炉外検出器応答の間の関係式を作成させるステップより成り、
    前記得られた三次元出力分布の計算値にノード校正係数(63)を乗算することにより炉心平均アキシャルオフセットに対する炉外検出器の応答が校正される、加圧水型原子炉の炉心の出力分布モニター方法。
  2. 以下の式に従って、ノード校正係数(63)を求めるステップをさらに含む請求項1の方法:
    C(i,j,k)=PM(i,j,k)/PP(i,j,k)
    上式において、
    Cはノード校正係数、
    Mは出力測定値、
    Pは出力予測値である。
  3. 炉心モニターシステム(43)を用いて炉心(9)の出力分布をモニターし(77)、
    炉心モニターシステム(43)により測定した出力分布と組み合わせてシングルポイント校正法を使用することにより校正係数(63)を発生させ、
    校正係数(63)を適用して(83)、炉心(9)の出力及び軸方向出力分布を測定するステップをさらに含む請求項1の方法。
  4. 炉心(9)が中心線、周囲部、中心線と周囲部の間において中心線の周りに延びる同一サイズの複数のセグメント(A、B、C、D)を有し、
    炉心(9)が中心線の周りで非対称である状態に適応させるために炉心モニターシステム(43)を更新するステップをさらに含む請求項1の方法。
  5. 炉心(9)の各セグメント(A、B、C、D)は複数の燃料集合体(17)を含み、
    燃料集合体(17)が炉心(9)の各セグメント(A、B、C、D)に同じように装荷されていない状態に適応させるために炉心モニターシステム(43)を更新するステップをさらに含む請求項の方法。
  6. 炉心(9)の現在のサイクルの間にその原子力データ(61)を発生するステップをさらに含む請求項1の方法。
  7. 炉心(9)の寿命初期の出力上昇時において炉外検出器(33)の前記校正を行なうステップをさらに含む請求項1の方法。
  8. 炉心(9)を全出力で運転しながら炉外検出器(33)の前記校正を行なうステップをさらに含む請求項1の方法。
  9. 炉外検出器の中性子束信号からのアキシャルオフセットと各セグメントの炉心周囲アキシャルオフセットの間の第1の関係式を発生させるための第1の計算を実行し、
    第1の計算の実行に応答して第1の関係式を示す結合係数(87)を発生させ、
    炉心平均アキシャルオフセットと各セグメントの炉心周囲アキシャルオフセットの間の第2の関係式を発生させるための第2の計算を実行し、
    第1の関係式と第2の関係式を組み合わせるための第3の計算を実行するステップをさらに含む請求項1の方法。
  10. 下式に従って結合係数(87)を計算するステップをさらに含む請求項9の方法:
    In=A1*Aopp+A2
    上式において、
    Inは規準化電流、
    Aoppは各セグメントの炉心周囲アキシャルオフセット、
    A1、A2は結合係数(87)である。
  11. (a)制御棒操作と(b)キセノン振動計算のうちの少なくとも一方を実行するステップ(81)を含む第2の計算を実行することにより多数の設計定数を計算する(85)ステップをさらに含む請求項9の方法。
  12. 制御棒操作及びキセノン振動の計算を使用(81)して第1の計算におけるアキシャルオフセットを変化させ、
    下式に従って、勾配定数(K)を求めるステップをさらに含むステップを含む請求項11の方法:
    Aopp=K*Ao−Ko
    上式において、
    Aoppは各セグメントの炉心周囲アキシャルセット、
    Aoは炉心平均アキシャルオフセット、
    Kは炉心平均アキシャルオフセットを炉心周囲アキシャルオフセットに変換するための勾配定数、
    Koは炉心平均アキシャルオフセットを炉心周囲アキシャルオフセットに変換するためのオフセット定数である。
  13. 炉心(9)が中心線、周囲部、中心線と周囲部の間において中心線の周りに延びる同一サイズの複数のセグメント(A、B、C、D)を有し、
    炉心(9)が中心線に関して非対称的に装荷されると、それに応答して炉心(9)の周囲部の燃料集合体(17)と炉心(9)の平均出力の間の関係が炉心(9)のセグメント(A、B、C、D)で異なるようになり、
    セグメントに依存する値を第3の計算に入力するステップをさらに含む請求項9の方法。
  14. キセノン振動を実行して(81)その結果となる出力分布を発生させ、
    中性子束信号を処理するために、キセノン振動の完了に続いて、校正係数をその結果となる出力分布に適用(83)するステップをさらに含む請求項9の方法。
  15. 複数の所定の時間インターバルにおいてキセノン振動を実行し(81)、
    校正係数をキセノン振動時の各時間インターバルに増分的に適用(83)して補正した中性子束マップを発生させるステップをさらに含む請求項9の方法。
  16. 制御棒挿入操作を実行(81)してその結果となる出力分布を発生させ、
    中性子束信号を処理するために、制御棒挿入操作の完了に続いて、ノード校正係数をその結果となる出力分布に適用(83)するステップをさらに含む請求項9の方法。
  17. 複数の所定の時間インターバルにおいて制御棒挿入操作を実行し(81)、
    制御棒挿入操作時の各時間インターバルにノード校正係数を増分的に適用(83)してその結果となる出力分布を発生させるステップをさらに含む請求項9の方法。
  18. 炉心モニターシステム(43)は可動式炉内検出器システム(35)及び固定式炉内検出器システムのうちの一方を有する請求項1の方法。
  19. 可動式炉内検出器による中性子束マップ(69)及び炉心モニターシステム(43)からの測定した出力分布(71)のうちの一方を用いて炉外検出器定数を規準化するステップをさらに含む請求項11の方法。
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