JPH07134196A - 原子炉監視装置 - Google Patents

原子炉監視装置

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JPH07134196A
JPH07134196A JP5279540A JP27954093A JPH07134196A JP H07134196 A JPH07134196 A JP H07134196A JP 5279540 A JP5279540 A JP 5279540A JP 27954093 A JP27954093 A JP 27954093A JP H07134196 A JPH07134196 A JP H07134196A
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JP5279540A
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Satoru Sato
哲 佐藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ほぼ実時間での炉心状態の監視を可能とす
る。 【構成】 プロセスデータを入力し全炉心三次元モデル
により出力分布および最大局所線出力密度分布を定期的
に演算する炉心監視パラメータ演算手段4と、この演算
結果を炉心監視情報に編集する炉心性能監視計算手段5
と、この定期更新される炉心監視情報から実時間のプロ
セスデータを用いて時間変化する出力分布を短周期で演
算する出力分布補正演算手段10と、この演算結果と炉
心性能監視計算手段5の炉心監視情報からほぼ実時間の
最大局所線出力密度分布を演算する最大局所線出力密度
補正演算手段31と、出力分布補正演算手段10および
最大局所線出力密度補正演算手段31の演算結果と炉心
性能監視計算手段5の炉心監視情報との不連続性を回避
する補正データ平滑化手段32と、異常値を示すプロセ
スデータの代替値を演算する中性子束分布補正演算手段
33とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉内に設置される
複数の燃料集合体の燃焼状態を監視する原子炉監視装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子炉を使用するプラント、例え
ば、沸騰水型原子力発電所(以下、BWRという。)に
おいては、原子炉内に数百個の燃料集合体が収納されて
おり、その各燃料集合体間に中世子束を制御する百数十
本の制御棒と、中世子束を検出するセンサーが挿入され
ている。
【0003】この原子炉内において、各制御棒は、水圧
ピストンまたはモータ駆動装置で駆動され、各燃料集合
体に対して挿脱される。また、駆動装置は、オペレータ
のスイッチ操作による制御棒駆動回路の動作によって作
動する構成となっている。各制御棒の各燃料集合体に対
する挿脱位置は、それぞれ数十から数百段階に分割され
ており、制御棒を燃料集合体に対して挿入するに従って
中性子束を減少させ、引き抜くに従って中性子束を増大
することができる。
【0004】また、原子炉内またはその外部には、核分
裂の際に発生する熱エネルギーを引き出すために、原子
炉を通り抜ける冷却材(例えば、BWRでは軽水)を循
環させており、そのために冷却材再循環ポンプが複数台
設置されている。この冷却材再循環ポンプはモータ駆動
装置で駆動されて冷却材流量の変更が行われ、かつ上記
モータ駆動装置はオペレータのスイッチ操作によって作
動される。この冷却材は、各燃料集合体中を循環する流
量が増加するに従って中性子束を増加させ、減少するに
従って中性子束を減少させることができる。
【0005】一方、各燃料集合体は約12ftの長さを有
する燃料棒を数十本束ねたものであり、各燃料棒は被覆
管とその中に詰められる燃料ペレット(燃料を焼き固め
たもの)で構成されている。中性子束は、燃料ペレット
の発生する出力密度に直接関係しており、その出力密度
がある値以上になると、被覆管や燃料ペレットに悪影響
を与えるおそれがあるので、原子炉運転員は、各燃料集
合体ごとに、特に最も出力密度の大きな燃料集合体の出
力分布および最大局所線出力密度分布を十分監視して、
出力密度がある値以上にならないよう、制御棒および冷
却材再循環流量を制御しなくてはならない。
【0006】上述したように、原子炉の出力を変更する
場合には、制御棒を操作する方法と、冷却材再循環流量
を操作する方法の二つの方法があり、そのいずれによっ
ても燃料集合体の出力分布は変化する。原子炉運転員が
これらの操作を行う場合には、操作に伴う出力分布の変
化を監視する必要がある。
【0007】各燃料集合体ごとの出力分布および最大局
所線出力密度分布を監視するために、従来からプロセス
計算機の技術を利用して、炉心内に挿設してある中性子
束検出器の読みを、予め計算しておいた数値実験式にあ
てはめて、出力分布を算出する炉心性能計算システムが
利用されていたが、中性子束検出器の読みに大きく依存
したものであったため、中性子束検出器が故障したよう
なケースでは、正確な炉心監視ができないおそれがあっ
た。
【0008】そこで、近年新たに図14に示すような炉
心運転管理システムが開発された。図14において、原
子力プラント1に設置されている中性子束検出器等の各
センサー2からプロセスデータがプラントデータ入力手
段3に入力され、この入力されたプロセスデータに基づ
いて炉心監視パラメータ演算手段4により炉心監視パラ
メータとして原子炉内出力分布および最大局所線出力密
度分布が演算される。炉心監視パラメータ演算手段4の
演算結果は炉心性能監視計算手段5で編集され、表示デ
ータ作成手段6で表示データに変換されて、CRTディ
スプレイ等の表示手段7に表示される。なお、符号8は
原子炉運転員がプロセスデータに対応する任意のパラメ
ータを設定するためのパラメータ設定手段、9はパラメ
ータ設定手段8を介して設定されたパラメータに基づい
て炉心監視パラメータを演算するよう炉心監視パラメー
タ演算手段4に要求し、その演算結果を編集する炉心性
能予測計算手段である。
【0009】この構成の炉心運転管理システムでは、炉
心監視パラメータ演算手段4は、中性子拡散方程式等の
物理モデルを使用した全炉心三次元モデルを内蔵してお
り、基本的には中性子束検出器の読みがなくても高精度
で炉心内各燃料集合体の出力分布および最大局所線出力
密度分布を演算可能となっている。また、この炉心運転
管理システムでは、全炉心三次元モデルを内蔵したこと
により、パラメータ設定手段8を介して任意に想定した
制御棒位置および冷却材再循環流量を設定して、この設
定パラメータに応じた炉心状態の予測も可能となった。
【0010】このような炉心運転管理システムを使用し
た原子炉監視装置においては、プロセス計算機の処理能
力の問題から一回の炉心内各燃料集合体の出力分布およ
び最大局所線出力密度分布演算に1〜5分程度の時間を
必要とするため、一般的に10分〜1時間に一回程度炉
心監視を実施するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに10分〜1時間に1回程度の炉心監視では、制御棒
の操作および冷却材再循環流量の調節直後の炉心状態を
必ずしも監視することができるとは限らず、前述したよ
うな燃料棒被覆管や燃料ペレットに悪影響を及ぼすよう
な原子炉の運転をしてしまうおそれがあった。
【0012】本発明は、このような問題に対処してなさ
れたもので、炉心内各燃料集合体の出力分布、または最
大局所線出力密度分布を比較的短時間で常時演算して、
ほぼ実時間での炉心状態の監視を可能とし、制御棒操作
および冷却材再循環流量調節直後の炉心状態を確認しつ
つ、燃料棒の被覆管や燃料ペレットに悪影響を及ぼすこ
となく原子炉の運転を行うことができる原子炉監視装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の原子
炉監視装置は、原子力プラントからプロセスデータを入
力するプラントデータ入力手段と、このプラントデータ
入力手段で入力したプロセスデータを用いて、全炉心三
次元モデルにより原子炉内の出力分布および最大局所線
出力密度分布を算出する炉心監視パラメータ演算手段
と、この炉心監視パラメータ演算手段の演算結果を用い
て炉心監視情報を編集する炉心性能監視計算手段と、こ
の炉心性能監視計算手段で編集される炉心監視情報を入
力し、プラントデータ入力手段に入力されるプロセスデ
ータを用いて、炉心監視パラメータ演算手段で次回演算
されるまでの間の時間とともに変化する出力分布を短周
期で演算し、補正後出力分布として出力する出力分布補
正演算手段と、炉心性能監視計算手段で編集された炉心
監視情報および出力分布補正演算手段で演算された補正
後出力分布を表示手段に表示するための表示情報に変換
する表示データ作成手段とを具備することを特徴とす
る。
【0014】また、本発明は、上記構成の原子炉監視装
置において、炉心性能監視計算手段で編集される炉心監
視情報を入力し、出力分布補正演算手段で演算される補
正後出力分布を用いて、炉心監視パラメータ演算手段で
次回演算されるまでの間の時間とともに変化する最大局
所線出力密度分布を短周期で演算し、補正後最大局所線
出力密度分布として表示データ作成手段に出力する最大
局所線出力密度補正演算手段をさらに具備することを特
徴とする。
【0015】さらに、本発明は、上記構成の原子炉監視
装置において、出力分布補正演算手段で演算される補正
後出力分布、最大局所線出力密度補正演算手段で演算さ
れる補正後最大局所線出力密度分布、および、炉心性能
監視計算手段で編集される炉心監視情報を入力し、定期
的に更新される出力分布および最大局所線出力密度分布
に対する補正後出力分布および補正後最大局所線出力密
度分布の不連続現象をそれぞれ平滑化する補正データ平
滑化手段をさらに具備することを特徴とする。
【0016】さらにまた、本発明は、上記構成の原子炉
監視装置において、炉心監視パラメータ演算手段が演算
に使用したプロセスデータ、および、プラントデータ入
力手段からの最新プロセスデータを入力し、原子炉内に
挿入された複数の中性子束検出器のうち故障した検出器
がある場合には、これに代替えする値を演算し、出力分
布補正演算手段に出力する中性子束分布補正演算手段を
さらに具備することを特徴とする。
【0017】さらにまた、本発明は、上記構成の原子炉
監視装置において、原子力プラントからのプロセスデー
タに代わる任意のパラメータを入力するためのパラメー
タ設定手段と、このパラメータ設定手段を介して入力さ
れたパラメータをもって炉心監視パラメータ演算手段に
出力分布および最大局所線出力密度分布を演算させ、こ
の演算結果に基づいて炉心予測情報を編集して表示デー
タ作成手段に出力する炉心性能予測計算手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0018】
【作用】上記構成において、プラントデータ入力手段
は、原子炉出力にかかわるプロセスデータ、例えば局所
的な中性子束計数値(以下、LPRM計数値とい
う。)、制御棒位置信号、冷却材の再循環流量および再
循環温度、蒸気流量および蒸気温度、給水流量および給
水温度等のプロセス量を原子力プラントに設置されてい
る各種センサーから一定周期で入力する。炉心監視パラ
メータ演算手段は、中性子拡散方程式等の物理モデルを
使用した全炉心三次元モデルを内蔵しており、入力した
プロセスデータに基づいて炉心内各燃料集合体ごとの出
力分布および最大局所線出力密度分布を高精度で10分
〜1時間程度に一回の割合で定期的に演算する。炉心性
能監視計算手段は、炉心監視パラメータ演算手段から演
算された出力分布および最大局所線出力密度分布と演算
に使用したプロセスデータを入力し、原子炉運転員が必
要とする炉心監視情報を編集する。
【0019】出力分布補正演算手段は、炉心性能監視計
算手段から定期的に更新される炉心監視情報の内、出力
分布とその演算時点のプロセスデータを入力するととも
に、プラントデータ入力手段から最新のプロセスデータ
を入力し、炉心性能監視計算手段から入力した出力分布
に対し最新のプロセスデータを使用して補正を行い、時
々刻々と変化する補正後出力分布を演算する。表示デー
タ作成手段は、原子炉運転員の表示要求により、炉心性
能監視計算手段から定期的に更新される出力分布を入力
するとともに、出力分布補正演算手段から短周期で更新
される補正後出力分布を入力し、表示画面データを作成
して任意の燃料集合体位置の出力分布曲線をCRTディ
スプレー等の表示手段に表示する。
【0020】このように、炉心性能監視計算手段の演算
結果である比較的長周期で更新される出力分布とととも
に、出力分布補正演算手段の演算結果である時々刻々と
変化する補正後出力分布を同時に表示することにより、
原子炉運転員は、出力分布をほぼ実時間で監視すること
ができ、炉心性能監視計算手段の演算の合間に制御棒操
作および冷却材再循環流量調節が行われた場合でも、操
作中および操作直後の出力分布を操作前と比較して監視
することができる。
【0021】また、最大局所線出力密度補正演算手段
は、出力分布補正演算手段から定期的に更新される炉心
監視情報の内、最大局所線出力密度分布と出力分布を入
力するとともに、出力分布補正演算手段から時々刻々と
変化する補正後出力分布を入力し、最大局所線出力密度
分布に対し補正後出力分布を使用して補正を行い、時々
刻々と変化する補正後最大局所線出力密度分布を演算す
るものである。
【0022】この手段をさらに付加した場合には、表示
データ作成手段は、原子炉運転員の表示要求により、炉
心性能監視計算手段から定期的に更新される出力分布お
よび最大局所線出力密度分布を入力するとともに、出力
分布補正演算手段および最大局所線出力密度補正演算手
段から短周期で更新される補正後出力分布および補正後
最大局所線出力密度分布を入力し、表示画面データを作
成して任意の燃料集合体位置の出力分布曲線および最大
局所線出力密度分布曲線をCRTディスプレー等の表示
手段に表示する。
【0023】これにより、原子炉運転員は、出力分布と
ともに最大局所線出力密度分布の時間変化を常時監視す
ることができ、炉心性能監視計算手段により演算結果が
更新される間に制御棒操作および冷却材再循環流量調節
が行われた場合でも、操作中ないし操作直後の出力分布
および最大局所線出力密度分布を操作前と比較して監視
することができる。
【0024】また、補正データ平滑化手段は、炉心性能
監視計算手段から定期的に更新される炉心情報の内、出
力分布および最大局所線出力密度分布を入力するととも
に、出力分布補正演算手段から時々刻々と変化する補正
後出力分布を、また最大局所線出力密度補正手段から時
々刻々と変化する補正後最大局所線出力密度分布を入力
し、定期的に炉心監視情報の内容が更新されるたびに発
生する補正後出力分布並びに補正後最大局所線出力密度
分布の炉心監視情報との不連続性を解消して、それぞれ
連続的な値となるように平滑化のための補正演算を行
う。
【0025】この補正データ平滑化手段をさらに設ける
ことにより、定期的な更新される出力分布および最大局
所線出力密度分布に対して、滑らかに連続する補正後出
力分布および補正後最大局所線出力密度分布を得ること
ができる。
【0026】また、中性子束分布補正演算手段は、炉心
性能監視計算手段から演算時点のプロセスデータを入力
するとともに、プラントデータ入力手段から最新のプロ
セスデータを入力し、異常を示すLPRM計数値がある
場合に、代替値となる中性子束値を演算し、前記出力分
布補正演算手段に出力する。
【0027】この中性子束分布補正演算手段を備えるこ
とにより、その原子炉内に複数設置されている局所中性
子束検出器(以下、LPRMという。)に故障が発生し
て、そのLPRMの計数値を使用できない場合でも、そ
の代替値が精度よく得られるため、故障したLPRMの
近傍にある燃料集合体の監視が可能となる。
【0028】また、炉心性能予測計算手段を備えた構成
では、原子炉運転員がキーボード等で実現可能なパラメ
ータ設定手段を介して任意の原子炉出力にかかわるパラ
メータを入力することにより、炉心性能予測計算手段は
入力設定されたパラメータをもって炉心監視パラメータ
演算手段を起動して、このパラメータに基づく出力分布
および最大局所線出力密度分布を演算させ、その演算結
果を用いて炉心予測情報を編集し、表示データ作成手段
を経由して表示手段に表示する。
【0029】これにより、表示手段には、定期的に更新
される出力分布/最大局所線出力密度分布および時々刻
々と変化する補正後出力分布/補正後最大局所線出力密
度分布が表示されるとともに、出力変更操作完了後など
の炉心予測状態が必要に応じて表示されるため、原子炉
運転員は操作前、操作中および操作完了後の炉心状態の
変化を容易に把握することができ、原子炉の安全運転に
役立てることができる。
【0030】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。なお、従来例と共通する部分には同一符号を付記
する。
【0031】図1は、本発明の原子炉監視装置の第1実
施例を示すブロック図であり、この実施例では図14に
示す従来例に対して出力分布補正演算手段10を付加し
ている。
【0032】この構成において、内部に複数個の燃料集
合体を収納した原子炉を含む原子力プラント1には各種
センサーが設置されているが、ここで対象となるセンサ
ー2は、特に原子炉出力にかかわるプロセス量を計測す
るために設置される各種センサーである。
【0033】図2を参照して、BWRにおける各種セン
サー2の代表的なものを挙げると、原子炉出力にかかわ
るプロセス量を計測するために設置される各種センサー
2としては、原子炉11内に収納される複数の燃料集合
体12間に挿設されるLPRM13と、制御棒駆動装置
14によって駆動され複数の燃料集合体12の間に挿脱
される制御棒15の上下方向の位置を検出する制御棒位
置検出器16と、燃料の核分裂により発生する熱エネル
ギーを引き出すために再循環ポンプ17により原子炉1
1内を循環させる冷却材(ここでは軽水)の再循環流量
および再循環温度をそれぞれ計測する再循環流量検出器
18および再循環温度検出器19と、冷却材が除去した
熱エネルギーによって変換されて原子炉11外に取り出
される主蒸気の流量および温度をそれぞれ計測する蒸気
流量検出器20および蒸気温度検出器21と、蒸気が取
り出されることによって減少する炉内冷却材を補給する
ために原子炉11内に供給される給水の流量および温度
をそれぞれ計測する給水流量検出器22および給水温度
検出器23がある。
【0034】その他、適用される原子力発電所によって
若干異なることがあるが、冷却材浄化流量(図示せず)
およびその温度(図示せず)または制御棒駆動水流量
(図示せず)およびその温度(図示せず)等を計測する
検出器などがある。
【0035】プラントデータ入力手段3は、プロセス計
算機の周辺機器として提供される信号調整装置などで実
現され、上記センサー2からプロセスデータを時々刻々
と変化する値としてプロセス計算機内部に入力する。
【0036】炉心監視パラメータ演算手段4は、中性子
拡散方程式等の物理モデルを使用した全炉心三次元モデ
ルを内蔵し、基本的には、LPRM計測値がなくても高
精度で、炉心内各燃料集合体ごとの出力分布および最大
局所線出力密度分布を演算することができる。また、そ
の演算手続きを予めプロセス計算機内に記憶しており、
プロセス計算機の処理能力に応じて異なるが、一回の演
算に1分〜5分程度要するため、その定期的実行同期は
10分から1時間程度に一回と制限される。
【0037】炉心監視パラメータ演算手段4は、炉心性
能監視計算手段5または炉心性能予測計算手段9から送
られる演算要求信号によって起動され、そのタイミング
で計算を実行する。その計算を実行する際に外部から設
定する必要のあるパラメータは、炉心性能監視計算手段
5からの演算要求に対してはプラントデータ入力手段3
より与えられ、炉心性能予測計算手段9からの演算要求
に対してはパラメータ設定手段8より入力される。
【0038】通常、炉心監視パラメータ演算手段4は、
炉心性能監視計算手段5より10分から1時間に一回程
度の時間間隔で定期的に送られる演算要求信号により、
プラントデータ入力手段3よりその時刻の原子炉出力に
かかわるプロセスデータを演算パラメータとして入力
し、出力分布および最大局所線出力密度分布を演算す
る。
【0039】また、原子炉運転員がキーボード等で実現
可能なパラメータ設定手段8を使用してプロセス計算機
に上記原子炉出力にかかわるプロセスデータに代わる演
算パラメータを入力した場合には、炉心性能予測計算手
段9から演算要求信号が炉心監視パラメータ演算手段4
に送られ、炉心監視パラメータ演算手段4は、パラメー
タ設定手段8から炉心性能予測計算手段9を経由して与
えられた演算パラメータに基づいて出力分布および最大
局所線出力密度分布を演算する。
【0040】炉心性能監視計算手段5は、10分から1
時間に一回程度の時間間隔で定期的に炉心監視パラメー
タ演算手段4に対して演算要求信号を発生し、これに応
答して炉心監視パラメータ演算手段4がその時刻にプラ
ントデータ入力手段3から入力する原子炉出力にかかわ
るプロセスデータに基づいて演算した出力分布および最
大局所線出力密度分布を入力し、これから原子炉運転員
が必要とする炉心監視情報を編集する。
【0041】出力分布補正演算手段10は、炉心性能監
視計算手段5により10分から1時間に一回程度の時間
間隔で定期的に更新される炉心監視情報の中から、出力
分布と、演算に使用したパラメータ(演算時点のプロセ
スデータ)を入力するとともに、プラントデータ入力手
段3から時々刻々と変化するプロセスデータを入力し、
炉心監視パラメータ演算手段4で演算された出力分布に
対し補正を行い、時々刻々と変化する補正後出力分布を
演算する。
【0042】炉心性能予測計算手段9は、原子炉運転員
が、例えば、キーボード等に代表されるパラメータ設定
手段8からプラントデータ入力手段3が炉心監視パラメ
ータ演算手段4に供給する原子炉出力にかかわるプロセ
スデータと同等の意味を持つパラメータ(以下、原子炉
運転員が設定するパラメータという。)を入力すること
により、この入力に基づき炉心監視パラメータ演算手段
4に対し、原子炉運転員が設定するパラメータとともに
演算要求信号を送り、これに応答して炉心監視パラメー
タ演算手段4が原子炉運転員が設定するパラメータに基
づいて演算した原子炉内出力分布および最大局所線出力
密度分布と、炉心が定出力で運転できるか否かを表すパ
ラメータを入力し、これに基づいて原子炉運転員が必要
とする炉心予測情報を編集する。
【0043】表示データ作成手段6は、炉心性能監視計
算手段5より炉心監視情報の中の特に出力分布を入力
し、炉心性能予測計算手段9より炉心予測情報の中から
特に出力分布を入力し、出力分布補正演算手段10より
時々刻々と変化する補正後出力分布を入力し、さらに、
プロセス計算機の周辺機器として準備可能なキーボード
に代表されるパラメータ設定手段8より、原子炉運転員
が希望する任意の燃料集合体12(図2)の座標データ
を入力することにより、図3に示すような表示画面をプ
ロセス計算機の周辺機器として準備可能なCRTディス
プレーに代表される表示手段7に表示するための表示画
面データを作成する。例えば、画面の左側に、燃料集合
体12の炉心内の配置位置をX座標(横軸)、Y座標
(縦軸)で表示し、原子炉運転員が入力した座標の燃料
集合体12aの色を他の燃料集合体12bと異なる色で
表示するとともに、画面の右側に当該座標の燃料集合体
12aの軸方向(Z方向)の出力分布をグラフ表示す
る。その際、炉心性能監視計算手段5で定期的に更新さ
れる出力分布曲線(点線)と、炉心性能予測計算手段9
からの出力分布曲線(一点鎖線)と、出力分布補正演算
手段10より送られる時々刻々と変化する出力分布曲線
(実線)を識別可能に同時に表示する。
【0044】次に、出力分布補正演算手段10の動作を
より詳細に説明する。
【0045】ここで、本発明の実施例の説明において
は、図4〜図6に示す原子炉の仮想炉心を使用する。図
4はXY座標で示される仮想炉心の平面図、図5はZ座
標位置を例示する仮想炉心の立体的な概略図である。ま
た、図6は、図5の仮想炉心を一部拡大して複数の燃料
集合体12間に挿設されるLPRMのZ方向の設置位置
を示したものである。
【0046】この仮想炉心おいて、燃料集合体12は1
56体であり、このそれぞれについて、図4に示すよう
に1〜156の連番Lをつける。また、一体の燃料集合
体12は、図5に示すように軸方向(Z方向)に24分
割して(24分割したそれぞれの長さをノードとい
う。)、その出力分布および最大局所線出力密度を演算
している。これを下から上に向かって1〜24の連番K
をつける。
【0047】また、図4の仮想炉心では、制御棒15は
37本であり、それぞれ4本の制御棒15で囲まれた4
体の燃料集合体12の中心には、LPRM13が挿設さ
れている。ここで、LPRM13が挿設されているXY
座標上の位置をLPRMストリング13′と呼ぶ。この
LPRMストリング13′は32本あり、各LPRMス
トリング13′には、図6に示すように、LPRM13
が軸方向(Z方向)に4つ挿設されている。このLPR
M13にZ方向下から1〜4の連番Nをつける。
【0048】図7は、出力分布補正演算手段10の動作
を示すフローチャートである。このフローチャートに示
すように、出力分布補正演算手段10は、まず炉心性能
監視計算手段5より、一定周期で炉心監視情報の中の出
力分布を入力する(ステップ100)。図4の仮想炉心
では、一回に156(体)×24(ノード)=3744
8(ノード)の出力分布データを入力する。これをメモ
リ等に代表される記憶装置に記憶されている出力分布と
比較し(ステップ101)、一致しない場合には炉心性
能監視計算手段5で出力分布が更新されたと判断して、
この出力分布を記憶装置内に記憶する(ステップ10
2)。
【0049】ついで、ステップ103にて、LPRMス
トリング13′まわりの燃料集合体12の各4体の組み
につき、軸方向(Z方向)のそれぞれ同じ高さどうしの
出力の平均値Pav(K)(K=1〜24)を算出する。
【0050】例えば、LPRMストリング13′を囲む
L=9,10,19,20の燃料集合体12の組に着目
すると、その出力の平均値Pav(K)を次式
【数1】Pav(K)=(P(9,K)+P(10,K)+P(1
9,K)+P(20,K))/4 ただし、K=1〜24 に従って算出し、ついで各燃料集合体(L=9,10,
19,20)のこの出力の平均値Pav(K)に対する比
CP(L,K)
【数2】CP(L,K)=P(L,K)/Pav(K) ただし、L=9,10,19,20 K=1〜24 を算出する。
【0051】次に、ステップ104で、炉心性能監視計
算手段5より、演算に使用したパラメータの中から、特
にLPRM計数値RP(N)(N=1〜4)を入力す
る。その数は32(本)×4(個)=128(個)であ
る。
【0052】ステップ105にて、ステップ103で算
出したPav(K)(K=1〜24)とステップ104で
入力したRP(N)(N=1〜4)の関係C(N)を、
次式
【数3】C(N)=LPav(N)/RP(N) ただし、 N=1〜4 LPav(1)=(Pav(3)+Pav(4))/2 LPav(2)=(Pav(9)+Pav(10)/2 LPav(3)=(Pav(15)+Pav(16))/2 LPav(4)=(Pav(21)+Pav(22))/2 に従って、その軸方向で同等の高さにおいて計算する。
【0053】ステップ106にて、プラントデータ入力
手段3から、現在時刻のLPRM計数値RP′(N)を
入力し、ステップ17にて、ステップ105で算出した
C(N)に基づいて現在時刻のLPRM位置での出力分
布平均値LP′av(N)を次式
【数4】LP′av(N)=C(N)・RP′(N) ただし、N=1〜4 により計算する。ついで、LP′av(N)とLP
av(N)の差DRP(N)
【数5】DRP(N)=LP′av(N)−LPav(N) ただし、N=1〜4 を求める。さらに、LPRM13のある位置Nにおける
値がDRP(N)となり、かつ外挿0点の値が0となる
ような5次式を考え、その5次方程式によって、軸方向
各ノード位置に対する関数値DR(K)(K=1〜2
4)を求める。このDR(K)から現在時刻の軸方向出
力分布平均値P′av(K)は、
【数6】P′av(K)=Pav(K)+DR(K) ただし、K=1〜24 としてもとまる。
【0054】次に、ステップ108にて、各LPRMス
トリング13′ごとの現在時刻の軸方向出力分布平均値
P′av(K)からLPRMストリング13′まわりの4
体の燃料集合体について、それぞれ現在時刻の軸方向出
力分布(すなわち補正後出力分布)P′(L,K)を算
出する。
【0055】例えば、先に着目したL=9,10,1
9,20の燃料集合体について記すと、
【数7】P′(L,K)=CP(L,K)・P′
av(K) ただし、K=1〜24 L=9,10,19,20 により求められる。
【0056】また、ステップ101で入力した出力分布
と記憶装置内の出力分布が一致している場合には、炉心
性能監視計算手段5で出力分布がまだ更新されていない
と判断して、ステップ106以降の処理により補正後出
力分布を算出する。
【0057】以上の説明からも明らかなように、本実施
例によれば、基本的に出力分布がLPRM計数値に比例
するという前提に立ち、極力簡略化した手法で比較的短
時間で補正後出力分布を算出することができる出力分布
補正演算手段10を備えたことにより、燃料集合体ごと
の軸方向の出力分布を実時間で監視することができ、原
子炉運転の安全性を向上させることができる。図8は、
本発明の原子炉監視装置の第2実施例を示すもので、図
1に示す第1実施例に対して最大局所線出力密度補正演
算手段31を付加した構成を有している。なお、第1実
施例と共通する部分については重複する説明を省略す
る。
【0058】この構成において、最大局所線出力密度補
正演算手段31は、炉心性能監視計算手段5から10分
から1時間に一回程度の時間間隔で定期的に更新される
炉心監視情報の内、最大局所線出力密度分布と出力分布
を入力し、また出力分布補正演算手段10から、時々刻
々と変化する補正後出力分布を入力し、最大局所線出力
密度分布に対し、出力分布および補正後出力分布を使用
して補正を行い、時々刻々と変化する補正後最大局所線
出力密度分布を演算する。
【0059】表示データ作成手段6は、第1実施例で示
した入力の他に、炉心性能監視計算手段5より、炉心監
視情報の中の最大局所線出力密度分布を入力し、炉心性
能予測計算手段9より炉心予測情報の中の最大局所線出
力密度分布を入力し、さらに最大局所線出力密度補正演
算手段31から補正後最大局所線出力密度分布を入力す
ることにより、図9に示すような画面を表示手段7に表
示するための表示画面データを作成する。
【0060】次に、図10に示すフローチャートにした
がって最大局所線出力密度補正演算手段31の動作をよ
り詳細に説明する。
【0061】まず、炉心性能監視計算手段5より、炉心
監視情報の中の特に出力分布および最大局所線出力分布
を一定周期で入力し(ステップ200)、これをメモリ
等で代表される記憶装置内の記憶データと比較し(ステ
ップ201)、異なる場合には入力した出力分布および
最大局所線出力分布を記憶する(ステップ202)。
【0062】次に、新たに記憶した出力分布P(L,
K)(L=1〜156,K=1〜24)と最大局所線出
力密度分布PD(L,K)の比CPD(L,K)
【数8】CPD(L,K)=PD(L,K)/P(L,
K) ただし、L=1〜156 K=1〜24 を求める(ステップ203)。
【0063】ついで、出力分布補正演算手段10から補
正後出力分布P′(L,K)(L=1〜156,K=1
〜24)を入力する(ステップ204)。
【0064】この補正後出力分布P′(L,K)と、ス
テップ203で演算したCPD(L,K)から、補正後
最大局所線出力密度分布PD′(L,K)を次式
【数9】 PD′(L,K)=CPD(L,K)・P′(L,K) ただし、L=1〜156 K=1〜24 より求める(ステップ205)。
【0065】また、ステップ201で記憶装置内の分布
データと炉心性能監視計算手段5より入力した分布デー
タが同じであれば、ステップ204に進む。
【0066】以上の説明からも明らかなように、本実施
例によれば、出力分布補正演算手段10に加えて、基本
的に最大局所線出力密度分布と出力分布の比は変化しな
いとの前提に立ち、極力簡略化した手法で補正後最大局
所線出力密度分布の演算を比較的短時間で行う最大局所
線出力密度補正演算手段31を備えたことにより、燃料
集合体ごとの軸方向の出力分布および最大局所線出力密
度分布を実時間で監視することができ、原子炉運転の安
全性を向上させることができる。
【0067】図11は、本発明の原子炉監視装置の第3
実施例を示すもので、上記第2実施例の構成にさらに補
正データ平滑化手段32を備えている。
【0068】この構成において、補正データ平滑化手段
32以外の各手段の動作は第2実施例のときとほぼ同じ
であり、重複する説明は省略する。
【0069】補正データ平滑化手段32は、炉心性能監
視計算手段5から10分から1時間程度の時間間隔で定
期的に更新される炉心情報の内、出力分布を入力し、出
力分布補正演算手段10から時々刻々と変化する補正後
出力分布を入力し、さらに最大局所線出力密度補正手段
31から時々刻々と変化する補正後最大局所線出力密度
分布を入力することにより、10分から1時間程度の時
間間隔で定期的に炉心監視情報の内容が更新されるたび
に発生する補正後出力分布および補正後最大局所線出力
密度分布のそれぞれの不連続性をなくし、連続的な値と
なるような平滑化のための補正演算を行う。
【0070】表示データ作成手段6は、第2実施例で入
力としていた出力分布補正演算手段10からの補正後出
力分布および最大局所線出力密度補正演算手段31から
の補正後最大局所線出力密度分布の代わりに、補正デー
タ平滑化手段32から平滑化処理された補正後出力分布
および補正後最大局所線出力密度分布を入力し、表示画
面データを作成する。
【0071】さらに、図12のフローチャートを参照し
て、補正データ平滑化手段32の動作をより詳細に説明
する。
【0072】まず、平滑化補正係数PE、PF、PD
E、PDFを
【数10】PE(L,K)=1 PF(L,K)=0 PDE(L,K)=1 PDF(L,K)=0 ただし、L=1〜156 K=1〜24 とリセットするとともに、前回入力値P′、PD′
を0にリセットする(ステップ300)炉心性能監視計
算手段5より、炉心監視情報の中の特に出力分布を入力
し(ステップ301)、この出力分布をメモリ等で代表
される記憶装置内の出力分布と比較し(ステップ30
2)、同一でないとき記憶装置に更新記憶する(ステッ
プ303)。
【0073】次に、ステップ304の判定で前回入力値
P′、PD′がリセット状態のとき、ステップ30
5に進み、出力分布補正演算手段10から補正後出力分
布P′(L,K)(L=1〜156,K=1〜24)を
入力し、また最大局所線出力密度補正演算手段31から
補正後最大局所線出力密度分布PD′(L,K)を入力
する。
【0074】入力した補正後出力分布P′(L,K)お
よび補正後最大局所線出力密度分布PD′(L,K)に
対して、それぞれ平滑化補正係数PE、PF、PDE、
PDFで平滑化のための補正を行い、平滑補正後出力分
布P″(L,K)および平滑補正後最大局所線出力密度
分布PD″(L,K)
【数11】P″(L,K)=P′(L,K)・PE
(L,K)+PF(L,K) PD″(L,K)=PD′(L,K)・PDE(L,
K)+PDF(L,K) ただし、L=1〜156 K=1〜24 を求める(ステップ306)。
【0075】ついで、今回入力した補正後出力分布P′
(L,K)および補正後最大局所線出力密度分布PD′
(L,K)を前回入力値P′(L,K)、PD′
(L,K)にセットした後(ステップ307)、ステ
ップ301に戻り、炉心性能監視計算手段5から出力分
布を入力する。
【0076】入力した出力分布が記憶装置に記憶されて
いるデータと同じ場合には、ステップ308に進み、平
滑化補正係数PE、PF、PDE、PDFを次式
【数12】PE(L,K)=PE(L,K)・△PE
(L,K) PF(L,K)=MAX(PF(L,K)−△PF
(L,K),0) PDE(L,K)=PDE(L,K)・△PDE(L,
K) PDF(L,K)=MAX(PDF(L,K)−△PD
F(L,K),0) ただし、L=1〜156 K=1〜24 △PE,△PF,△PDE,△PDF;設計段階または
プラントの試験運転段階で定める定数により更新した
後、ステップ305以降の処理を繰り返す。
【0077】また、ステップ301で入力した出力分布
が更新されていた場合には、ステップ303、304を
経由してステップ309に進み、平滑化補正係数PE、
PF、PDE、PDFを次式
【数13】PE(L,K)=1 PF(L,K)=MAX(P′(L,K)−P′
(L,K),0) PDE(L,K)=1 PDF(L,K)=MAX(PD′(L,K)−P
D′(L,K),0) ただし、L=1〜156 K=1〜24 に従って校正した後、ステップ305以降の処理を実施
する。
【0078】以上の説明からも明らかなように、本実施
例は上記補正データ平滑化手段32を備えたことによ
り、出力分布補正演算手段10および最大局所線出力密
度補正演算手段31での制御棒の引き抜きパターン、冷
却材再循環流量および燃料の燃焼度による影響を考慮し
ない概略的な演算による誤差を補償することができ、炉
心監視の信頼性をより高めることができる。
【0079】図13は、本発明の原子炉監視装置の第4
実施例を示すもので、第3実施例の構成に中性子束分布
補正演算手段33を設けたものである。
【0080】この構成において、中性子束分布補正演算
手段33は、炉心性能監視計算手段5から10分から1
時間程度の時間間隔で定期的に更新される炉心監視情報
の中の原子炉出力にかかわるプロセスデータと、プラン
トデータ入力手段3から時々刻々と変化するプロセスデ
ータを入力し、複数のLPRM13の中で故障してLP
RM計数値を使用できないものについて、炉心性能監視
計算手段5とプラントデータ入力手段3からの入力に基
づき、これの代替値となる中性子束を演算する。
【0081】この中性子束分布補正演算手段33の動作
を図14のフローチャートに基づいてより詳細に説明す
る。
【0082】まず、中性子束分布補正演算手段33は、
一定周期で炉心性能監視計算手段5より、原子炉出力に
かかわるプロセスデータの中から、特にLPRM計数値
RP(N)(N=1〜4)を入力する(ステップ40
0)。このLPRM計数値RP(N)がメモリ等に代表
される記憶装置に記憶されているかどうかを判定し(ス
テップ401)、記憶されていない場合には、記憶装置
に入力したLPRM計数値RP(N)を記憶する(ステ
ップ402)。ついで、このLPRM計数値RP(N)
の中に、異常値(例えば、0または0に近い値)を示し
ているものがないかを検索し(ステップ403)、あれ
ばその代替値を以下 (1)〜(3) のいずれかの方法で計算
して出力分布補正演算手段10に出力する(ステップ4
04)。
【0083】ここで、LPRM計数値RP(N)は、図
4のXY座標系の任意の座標のデータであり、以下RP
(X,Y,N)として説明する。
【0084】(1) RP(12,13,N)のいずれかが
故障した場合には、この周辺に存在するRP(16,0
9,N),RP(16,17,N),RP(08,0
9,N),RP(08,17,N)の同一高さにある4
つのLPRM計数の読値から内挿法により求める。
【0085】(2) RP(12,05,N)のいずれかが
故障した場合には、この周辺に存在するRP(08,0
9,N),RP(16,09,N)の同一高さにある2
つのLPRM計数と外挿0点を0とした外挿法により求
める。
【0086】(3) RP(08,05,N)のいずれかが
故障した場合には、その周辺に存在するRP(12,0
9,N)の同一の高さにある1つのと外挿0点を0とし
た外挿法により求める。
【0087】以上のいずれかの方法により、炉心内全て
の位置にあるLPRMの代替値計算が可能である。
【0088】なお、ステップ401で、入力したLPR
M計数値RP(N)がすでに記憶されている場合、また
はステップ403でLPRM計数値RP(N)の中に異
常値がない場合には、ステップ404のLPRM代替値
計算を行わず、直接ステップ405に進む。
【0089】ステップ405では、プラントデータ入力
手段3から時々刻々と変化する現在時刻(最新)のプロ
セスデータの中から、特にLPRM計数値RP′(N)
を入力する。ついで、ステップ406で、LPRM計数
値RP′(N)の中で異常値(例えば、0または0に近
い値)を示しているものがないかを検索し、あればステ
ップ407に進み、その代替値をステップ404と同様
にして計算して出力分布補正演算手段10に出力する。
LPRM計数値RP′(N)の中に異常値なければ、ス
テップ400に戻る。
【0090】以上の説明からも明らかなように、本実施
例によれば、故障しているLPRMの計数値の代替値を
周囲に配置されている正常なLPRM計数値より算出
し、出力分布補正演算手段10に出力する中性子束分布
補正演算手段33を設けることにより、LPRMに故障
が発生した際にも中性子束分布補正演算手段33の演算
結果に与える影響を極力小さくすることができ、信頼性
の高い実時間の監視情報を得ることができる。
【0091】なお、上記実施例で説明した表示画面に限
らず、算出された出力分布データや最大局所線出力密度
分布データを用い、これを時間軸上にプロットするよう
な表示画面を作成することもできる。
【0092】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、全炉
心三次元モデルにしたがって定期的に演算される精度の
高い出力分布等の炉心監視データもとに、補正により炉
心監視データの時間変化を演算することにより、ほぼ実
時間での炉心監視情報を得ることが可能となり、原子炉
の運転をよりスムーズに、かつ燃料集合体上の制限を守
ってより安全確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の原子炉監視装置を示すブ
ロック図である。
【図2】沸騰水炉型原子力発電所に設置される原子炉出
力にかかわるセンサーを示す概略図である。
【図3】第1実施例の表示画面例を示す図である。
【図4】原子炉の仮想炉心の構成を示す平面図である。
【図5】原子炉の仮想炉心を立体的に示す概略図であ
る。
【図6】LPRMの軸方向の設置位置を示す概略図であ
る。
【図7】本発明にかかる出力分布補正演算手段の動作を
示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施例の原子炉監視装置を示すブ
ロック図である。
【図9】第2実施例の表示画面例を示す図である。
【図10】本発明にかかる最大局所線出力密度分布補正
演算手段の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施例の原子炉監視装置を示す
ブロック図である。
【図12】本発明にかかる補正データ平滑化手段の動作
を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施例の原子炉監視装置を示す
ブロック図である。
【図14】本発明にかかる中性子束分布補正手段の動作
を示すフローチャートである。
【図15】原子炉監視装置の従来例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
5………炉心性能監視計算手段 9………炉心性能予測計算手段 10………出力分布補正演算手段 12………燃料集合体 13………LPRM 13′……LPRMストリング 14………制御棒駆動装置 15………制御棒 16………制御棒位置検出器 17………再循環ポンプ 31………最大局所線出力密度補正演算手段 32………補正データ平滑化手段 33………中性子束分布補正演算手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力プラントからプロセスデータを入
    力するプラントデータ入力手段と、 このプラントデータ入力手段で入力したプロセスデータ
    を用いて全炉心三次元モデルにより原子炉内の出力分布
    および最大局所線出力密度分布を算出する炉心監視パラ
    メータ演算手段と、 この炉心監視パラメータ演算手段の演算結果を用いて炉
    心監視情報を編集する炉心性能監視計算手段と、 この炉心性能監視計算手段で編集される炉心監視情報を
    入力し、前記プラントデータ入力手段に入力されるプロ
    セスデータを用いて、前記炉心監視パラメータ演算手段
    で次回演算されるまでの間の時間とともに変化する出力
    分布を短周期で演算し、補正後出力分布として出力する
    出力分布補正演算手段と、 前記炉心性能監視計算手段で編集された炉心監視情報、
    および前記出力分布補正演算手段で演算された補正後出
    力分布を表示手段に表示するための表示情報に変換する
    表示データ作成手段とを具備することを特徴とする原子
    炉監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子炉監視装置におい
    て、炉心性能監視計算手段で編集される炉心監視情報を
    入力し、前記出力分布補正演算手段で演算される補正後
    出力分布を用いて、前記炉心監視パラメータ演算手段で
    次回演算されるまでの間の時間とともに変化する最大局
    所線出力密度分布を短周期で演算し、補正後最大局所線
    出力密度分布として前記表示データ作成手段に出力する
    最大局所線出力密度補正演算手段をさらに具備すること
    を特徴とする原子炉監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の原子炉監視装置におい
    て、前記出力分布補正演算手段で演算される補正後出力
    分布、前記最大局所線出力密度補正演算手段で演算され
    る補正後最大局所線出力密度分布、および、前記炉心性
    能監視計算手段で編集される炉心監視情報を入力し、定
    期的に更新される前記出力分布および最大局所線出力密
    度分布に対する前記補正後出力分布および補正後最大局
    所線出力密度分布の不連続現象をそれぞれ平滑化する補
    正データ平滑化手段をさらに具備することを特徴とする
    原子炉監視装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の原子
    炉監視装置において、前記炉心監視パラメータ演算手段
    が演算に使用したプロセスデータ、および、前記プラン
    トデータ入力手段からの最新プロセスデータを入力し、
    前記原子炉内に挿入された複数の中性子束検出器のうち
    故障した検出器がある場合には、これに代替えする値を
    演算し、前記出力分布補正演算手段に出力する中性子束
    分布補正演算手段をさらに具備することを特徴とする原
    子炉監視装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の原子
    炉監視装置において、 前記原子力プラントからのプロ
    セスデータに代わる任意のパラメータを入力するための
    パラメータ設定手段と、 このパラメータ設定手段を介して入力されたパラメータ
    をもって前記炉心監視パラメータ演算手段に出力分布お
    よび最大局所線出力密度分布を演算させ、この演算結果
    に基づいて炉心予測情報を編集して前記表示データ作成
    手段に出力する炉心性能予測計算手段とを具備すること
    を特徴とする原子炉監視装置。
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Cited By (6)

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