JPH102993A - 準定常状態システムのシステム設定点基準関数を作成する方法 - Google Patents

準定常状態システムのシステム設定点基準関数を作成する方法

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JPH102993A
JPH102993A JP9057422A JP5742297A JPH102993A JP H102993 A JPH102993 A JP H102993A JP 9057422 A JP9057422 A JP 9057422A JP 5742297 A JP5742297 A JP 5742297A JP H102993 A JPH102993 A JP H102993A
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parameter
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JP9057422A
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Christofer M Mowry
クリストファー・エム・モーリー
Israel Nir
イズリエル・ニール
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B17/00Systems involving the use of models or simulators of said systems
    • G05B17/02Systems involving the use of models or simulators of said systems electric

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の初期偏差が一定の限界内であれば漸近
的に安定である線形制御システムのモデルを作成する方
法を提供する。 【解決手段】 この方法は、準定常状態システムのパラ
メトリック・モデルを作成する工程(12)、システム
・モデルを使って、システム設定点関数に於けるシステ
ム設定点パラメータを、システム暗黙パラメータに暗に
示される入力プロセス・パラメータに関係づける為に、
時間に独立なパラメトリック・マッピング関数を作成す
る工程(14)、入力プロセス・パラメータとシステム
暗黙パラメータとの間の相対的な性能の時間依存変動を
考慮するために時間に独立なパラメトリック・マッピン
グ関数を調節するインターフェース・プロトコルを作成
する工程(16)を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的に制御システ
ムに関するものであり、更に具体的に言えば、原子炉に
用いる制御システムに関するものである。
【0002】
【発明の背景】運転中の原子力発電所の計装及び制御シ
ステムは、原子炉の寿命にわたり数多くの変更を受ける
のが典型的である。多くの変更は、プラントの計装及び
制御のインフラストラクチュアの格上げ又は交換に集中
している。こういう変更は主に、発生する安全性の問題
を解決する必要、並びに動作効率及び火力発電を改善す
る必要によって起って来る。
【0003】変更を伴うことのあるベースライン動作余
裕の低下を補なう為、こういう変更は、計装及びプロセ
ス・モデルの精度を改善する必要を含む場合が多い。現
存の多くの原子力発電所制御システムは単一入力/単一
出力のアーキテクチュアを基本としているから、かなり
の単純化及び近似が行なわれており、それに伴って関連
する保護システムの設定点には保守的傾向(conse
rvatism)が入り込む。更に具体的に言うと、現
在の単一入力/単一出力制御システムにはかなりの保守
的傾向が存在する場合が多い。こういう保守的傾向が、
システムの較正の制約、モデルの単純化及び単一入力/
単一出力のアーキテクチュアの制約を許すようにする
が、これら全ては、システムに対する自動的な保護作用
を開始するのに使われるシステム設定点関数と、システ
ムの動作面を定めるシステム動作エンベロープとの間の
余裕及び所望の精度を下げるように作用する。プラント
の動作余裕を低下させるようなプラントの変更に効率良
く対処する為には、こういう保守的傾向をなくすか減ら
すべきである。
【0004】現存の計装及び制御システムにある固有の
近似及び仮定をなくす最も直接的な方法は、普通はディ
ジタル・マイクロコンピュータ技術の助けを借りて、多
重入力/多重出力のアーキテクチュアがとれるように計
装を変更する事である。しかし、この変更に伴って原子
力発電所に後から当てはめられる制約の為に、この方法
は原子力発電所では遂行されていない。具体的に言う
と、プラントの計装システム全体を完全に交換する事は
経済的でない場合が多い。典型的には、信号処理部品だ
けを交換し、もとのセンサ・パッケージは大部分そのま
まにしておく。
【0005】システム設定点関数を作成する際にシステ
ム・プロセス変数の間のパラメトリック依存性を考慮に
入れる為に、原子炉の計装及び制御システムのモデル作
成の精度を改善することが望ましい。制御システムの保
守的傾向を厳密に除いて、単一入力/単一出力制御シス
テムに於ける重要な第3パラメータ効果を処理する為
に、現存の制御システムのアーキテクチュアの制約の範
囲内で、プラント・システムのモデル作成の際にパラメ
トリック依存性を処理する方法を提供することが望まし
い。
【0006】
【発明の要約】上記並びにその他の目的が、任意の初期
偏差が一定の限界内であれば、漸近的に安定である線形
制御システムでシステム設定点基準関数を作成する方法
によって達成される。即ち、この方法を使って、一定の
限界内にある任意の初期偏差に対し、時間と共に準定常
状態の動作モードに復帰する準定常状態システムに於け
るシステム設定点基準関数を作成することが出来る。設
定点基準関数は、システム設定点パラメータと入力プロ
セス・パラメータとの間に単一入力/単一出力関係を作
る。
【0007】一般的に、システム動作エンベロープと呼
ばれる原子力発電所の許される動作エンベロープは、シ
ステム動作面の制限された部分集合である。システム動
作エンベロープの外側での望ましくない動作を防止する
為、典型的には保護システム設定点関数を定める。プラ
ントの動作が、システム設定点関数によって定められた
許されるシステム動作エンベロープよりかなり外側であ
る時、制御システムが自動的な保護作用を開始する。
【0008】上に述べたシステム動作面、システム動作
エンベロープ及びシステム設定点関数の他に、本発明に
従って制御システムのモデルを作成する時に多数の状態
パラメータが使われる。こういう状態パラメータは、シ
ステム設定点関数の独立変数として解析的に設定される
システム暗黙(implicit)パラメータ、及び保
護作用を開始すべき時を決定する為に制御システムのシ
ステム設定点関数の値(設定点)に対して直接的に比較
されるシステム設定点パラメータを含む。更に、入力プ
ロセス・パラメータが、システム設定点関数の値を確認
する為に制御システムによって使われる単一のプラント
・システム入力として定義される。本発明の方法は、暗
黙パラメトリック・モデル作成(IPM)方法と呼ばれ
ることもあるが、別の状態パラメータ、即ち、システム
暗黙パラメータに関連する解析的及び経験的な両方の情
報を取り入れて、システム設定点パラメータと入力プロ
セス・パラメータとの間の関係を厳密に設定し、設定点
基準関数を作成する。
【0009】IPM方法は3つの主要な要素で構成され
る。第1に、準定常状態システムのパラメトリック・モ
デルが、3つのシステム状態パラメータ、即ち、システ
ム暗黙パラメータ、システム設定点パラメータ及び入力
プロセス・パラメータによって作成される。第2に、シ
ステム・モデルを使って、時間に独立なパラメトリック
・マッピング関数が解析的に定義されて、システム設定
点関数に於けるシステム設定点パラメータを、システム
暗黙パラメータに暗に含まれている入力プロセス・パラ
メータに関係づける。一実施態様では、3次元システム
動作面を、制御システムの入力プロセス・パラメータ及
びシステム設定点パラメータによって定められる2次元
空間へ解析的に崩壊(collapse)させることに
より、この関係が設定される。この崩壊はシステム設定
点関数に沿って実施されて、システム動作面上の重要な
場所でシステム暗黙パラメータに対する暗黙パラメトリ
ック依存性を処理するように保証する。第3に、入力プ
ロセス・パラメータと暗黙システム・パラメータとの間
の相対的な性能の時間依存変動を考慮するために時間に
独立なパラメトリック・マッピング関数を調節する為の
インターフェース・プロトコルを作成する。システムの
性能が変化する時、経験的なプラント・データを使っ
て、入力プロセス・パラメータを調整する。
【0010】制御システムの設計にこのIPM方法を利
用すると、もとの全体的な単一入力/単一出力アーキテ
クチュアとの制御システムの両立性(compatib
ility)が保たれ、しかも、不確実さ及び近似をか
なり減少させることが出来、それに伴って保守的傾向が
除かれる。具体的に言うと、上に述べたIPM方法は、
システム・プロセス変数の間のパラメトリック依存性を
考慮に入れることによって、制御システムのモデル作成
の精度を改善すると共に、現存の制御システムのアーキ
テクチュアの制約の範囲内で、プラント・システムのモ
デル作成時の重要なパラメトリック依存性を取り上げ、
制御システムの不必要な保守的傾向を厳密に除く。
【0011】
【図面の詳しい説明】本発明の方法は原子炉制御システ
ムに関連して説明することがある。しかし、この方法は
このような原子炉制御システムに関連して実施される場
合に制限されず、これから詳しく説明するモデル作成の
条件を満たすこの他の多くの制御システムの環境でも利
用することが出来ることを承知されたい。
【0012】図1は本発明の一実施例によるプロセス工
程を示すフローチャート10である。各々のプロセス工
程を図1について簡単に説明してから、後で更に詳しく
説明する。図1について具体的に説明すると、本発明の
方法は、準定常状態システムのパラメトリック・モデル
を作成する工程12を含む。このモデルは、3つのシス
テム状態パラメータ、即ち、システム暗黙パラメータ、
システム設定点パラメータ及び入力プロセス・パラメー
タを使って作成される。次に、システム設定点関数に於
けるシステム設定点パラメータを、システム暗黙パラメ
ータに暗に含まれている入力プロセス・パラメータに関
係づける為に、システム・モデルを使って、時間に独立
なパラメトリック・マッピング関数が工程14で解析的
に定義される。その後、工程16で、入力プロセス・パ
ラメータとシステム暗黙パラメータとの間の相対的な性
能の時間依存変動がある場合を考慮するために、時間に
独立なパラメトリック・マッピング関数を調節する為の
インターフェース・プロトコルを作成する。上に述べた
各々のプロセス工程をこれから詳しく説明する。
【0013】パラメトリック・モデル 線形連続関数の系によってモデルを作成することが出来
る任意のプラント・システムでは、図2を参照して説明
すると、起り得る全ての定常状態の動作状態を定めるシ
ステム状態点の集合を時間に独立なパラメトリック関数
によって記述することが出来る。システムのモデルを3
つの状態パラメータx1 、x2 及びx3を用いて作るこ
とが出来る時、システム動作面は次の式によって記述さ
れる。
【0014】 S(x1 , x2 , x3)=一定 (1) 定常状態では、図2に示すシステム動作面によって例示
するように、システムは常にこの面上のどこかで動作し
ている。原子力発電所の安全性の解析の重要な一部分
は、対応するプラント制御システムの設計及び使い方に
見合って、関連するプラント・システム・パラメータ相
互間の準定常状態の関係に基づいている。式(1)を正
しく適用することの出来るようなプラント制御システム
の数は多い。このような広い応用は、線形系解析の基本
的な定理によって保証されている。この定理は、線形系
が式(1)を満たし
【0015】
【外1】
【0016】漸近的に安定であると定めている。本発明
のIPM方法は、式(2)の安定性条件を満たす準定常
状態システムに適用することが出来、初期攝動が小さい
か、又は初期攝動の妥当な減衰を保証する位の十分な時
間が経過した時という何れかの条件のもとで動作する制
御システムに用いられた。こういう条件が満たされる
時、システム状態は、制御システムの設計の点では、式
(1)によって特徴づけることが出来る。
【0017】全体的に、図3を参照して説明すると、シ
ステム動作エンベロープと呼ばれるシステムの許される
動作エンベロープは、システム動作面の制限された部分
集合である。このエンベロープの外側での望ましくない
動作を防止する為、保護システム設定点関数が定義され
る。動作が、システム設定点関数によって定められた許
されるシステム動作エンベロープよりかなり外側である
時に、自動的な保護作用を開始する制御システムを用意
する。IPM方法内の3つのプラント・システム状態パ
ラメータの各々の役割は、図3に例示するように、プラ
ント・システム・モデル、制御システムの設計及び安全
性の解析の間の関係に見合って、具体的に定められてい
る。
【0018】パラメータx1 はシステム暗黙パラメータ
と呼ばれ、システム設定点関数の独立変数として解析的
に設定される。パラメータx2 はシステム設定点パラメ
ータと呼ばれる。保護作用を開始すべき時を決定する為
に、これが制御システムによってシステム設定点関数の
値(設定点)に対して直接的に比較される。パラメータ
3 は入力プロセス・パラメータと呼ばれ、システム設
定点関数の値を確認する為に制御システムによって使わ
れる単一のプラント・システム入力である。システム設
定点関数は入力プロセス・パラメータとは無関係に、次
の解析的な式によって記述される。
【0019】 x2 =gSSF(x1 ) (3) プラント・システム・パラメータを感知する上での制
約、並びにプラントの動作状態の変化に対する種々のシ
ステム状態パラメータの間の相対的な感度の為、現存の
単一入力/単一出力制御システムの入力に対して使われ
るプロセス・パラメータを必要とする場合が多い。入力
プロセス・パラメータが、システム設定点関数を解析的
に定めるパラメータではない時、同等の仮定が現在用い
られ、それに対応する保守的なやり方がシステム設定点
関数に導入される。更に、原子力発電所は典型的には、
システム設定点関数に関連する状態点で制御システムを
較正することが出来ない。これは、こういう状態点がシ
ステム動作エンベロープの外側にあるからである。その
結果、入力プロセス・パラメータx3 とシステム設定点
パラメータx2 との間の関係は、システム動作エンベロ
ープの内側のシステム動作面上でしか較正することが出
来ない。こういう因子の結果、図3に例示するように、
IPM方法を用いる前は、制御システムの設定点には誤
り及び不確実さが入り込む。こういうことが起るのは、
システム設定点パラメータと入力プロセス・パラメータ
との間の関係が、第3のシステム状態パラメータ(即
ち、システム暗黙パラメータ)に対する関数依存性をは
っきりと無視しているからである。
【0020】本発明に従って作成されるシステム・モデ
ルは、3つの状態パラメータの間の関係の解析的な表示
である。システム暗黙パラメータx1 を入力プロセス・
パラメータx2 及びシステム設定点パラメータx3 で表
わすのが便利である。 x1 =F(x2 , x3 ) (4) 解析モデルは、所定の時点で物理的なシステムに基準点
を取ってあると仮定する。従って、このモデルを使って
作成された定常状態の関係は時間に独立で、解析モデル
の精度の範囲内で基準点を取ったシステム状態を反映し
ていると想定される。
【0021】パラメトリック・マッピング関数 時間に独立なパラメトリック・マッピング関数が、シス
テム設定点関数に於けるシステム設定点パラメータと、
システム暗黙パラメータに暗に含まれている入力プロセ
ス・パラメータとを関係づける為に、システム・モデル
を使って解析的に定義される。この要素は、単一入力/
単一出力制御システムのアーキテクチュアと両立し得る
関係に通ずる。この関係は、3次元システム動作面を、
制御システムの入力プロセス・パラメータx3 及びシス
テム設定点パラメータx2 によって定義された2次元空
間へ解析的に崩壊させることによって設定される。シス
テム暗黙パラメータx1 に対する暗黙パラメトリック依
存性がシステム動作面上の重要な場所で取り上げられる
ことを保証する為に、この崩壊はシステム設定点関数に
沿って実施される。
【0022】更に具体的に言うと、システム動作面上で
システム設定点関数から離れたあらゆるシステムの軌跡
は、この軌跡がシステム暗黙パラメータの関数でもある
ことがあるので、一般的には、入力プロセス・パラメー
タによって一意的に特定することが出来ない。その為、
3つの状態パラメータによって記述されるシステムに適
用される単一入力/単一出力制御システムでは、システ
ム暗黙パラメータに対する依存性を厳密に取り上げる為
に、1つの制約を導入しなければならない。これは、シ
ステム動作エンベロープ内の各々のシステム状態点を対
応するシステム設定点関数の点に一意的にマッピングす
ることを条件とすることによって達成される。これが、
3パラメータの場合に単一入力/単一出力のアーキテク
チュアを正しく用いることが出来るようにする為の基本
的な必要条件である。具体的に言うと、入力プロセスパ
ラメータx3 の所定の値に対し、システム暗黙パラメー
タはシステム設定点パラメータに直接的に関係づける。
式(4)から x1 =F(x2 ,x3′) (5) であって、入力プロセス・パラメータの値x3′をパラ
メータとする。
【0023】所定の入力プロセス・パラメータの値に対
し、システムは式(5)によって記述される軌跡を辿
る。システム設定点パラメータx2 が式(3)によって
定められたシステム設定点関数と交差する時、制御シス
テムが保護作用を開始する。従って、x3′ の入力プロ
セス・パラメータの値を持つ全てのシステム状態点は、
システム設定点関数上で共通のx1 及びx2 の値と関連
している。
【0024】ここで、式(3)を式(5)に代入し x1 =F(gSSF(x1),x3′) (6) 式(6)をx3′ の各々の値に対して解くことにより、
入力プロセス・パラメータx3 をシステム暗黙パラメー
タx1 に一意的に関係づけるパラメトリック・マッピン
グ関数を設定することが出来る。この過程により、パラ
メトリック・マッピング関数は次のように表わされる。
【0025】 x1 =ΩPMF(x3) (7) この関数は、システム動作エンベロープ内の各々の入力
プロセス・パラメータの値を、システム設定点関数上の
対応する正しいシステム暗黙パラメータの値に一意的に
マッピングする。最後に、式(7)を式(3)に代入し
て、入力プロセス・パラメータの関数として設定点基準
関数を作成する。この設定点基準関数が、システム設定
点パラメータと入力プロセス・パラメータとの間の所望
の単一入力/単一出力の関係を定める。
【0026】 x2 =gSSFPMF(x3)) (8)パラメトリック・モデルの調整 入力プロセス・パラメータとシステム暗黙パラメータと
の間の相対的な性能の時間依存変動を考慮するために、
上に述べた時間に独立なパラメトリック・マッピング関
数を調節するインターフェース・プロトコルを作成す
る。これは、システムの性能が変化する時、経験的なプ
ラント・データを用いて、入力プロセス・パラメータを
明示的に調整する手段になる。解析的なマッピング過程
が時間に独立なモデルに基づいて定められる。
【0027】更に具体的に言うと、式(8)に記述され
る関係は、式(4)によって記述されるモデルに基づい
て導き出されている。このモデル、従って、式(8)
は、システム暗黙パラメータx1 の関数が時間に独立な
ままであることを仮定している。しかし、実際の定常状
態システムの性能は時間に独立ではない。時間が経つ
と、入力プロセス・パラメータとシステム暗黙パラメー
タとの間の関係が、ベースライン・システム・モデルか
らそれる。その結果、システムのパラメトリック・モデ
ルは、実際のシステムの性能を反映するように定期的に
調整しなければならない。パラメトリック・マッピング
関数が適用出来る状態にとどまるようにする為には、測
定された実際の入力プロセス・パラメータの値をベース
ライン値に調整して、システム暗黙パラメータの値に関
連するシステム設定点関数の正しい値が選ばれるように
保証しなければならない。
【0028】定期的なシステム性能の基準合わせ及び適
当な制御システムの調整過程を容易にする為、システム
動作エンベロープの内側に特定の調整基準軌跡を定め
る。 x2 =gART(x1) x1 =fART(x3) (9) この軌跡は時間に独立でなければならないし、それがシ
ステム・パラメータの予想される範囲に亘る場合、シス
テム動作エンベロープ内に任意に特定することが出来
る。システム性能のあらゆる変動が、入力プロセス・パ
ラメータによって調整基準軌跡に対して定量化され、式
(8)に適正に取り込まれる。パラメトリック・マッピ
ング関数は時間に独立であると仮定したから、そのまま
適用し続ける為には、パラメトリック・マッピング関数
に対する調整の影響を正しく評価することが必要であ
る。システム性能の十分に大きな変動に対し、新しいシ
ステム・ベースライン・モデル及びそれに伴うパラメト
リック・マッピング関数及び調整基準軌跡が必要であ
る。
【0029】調整が必要な時、調整基準軌跡に沿って集
められた新しい基準点を持つベースライン・データに基
づいて、入力プロセス・パラメータに対する調整の補正
を設定する。新しいデータは、x2 =gART (x1 )(式
(9)参照)によって定義された軌跡に沿って、又はこ
の軌跡に対して正規化して収集される。このデータによ
り、調整測定軌跡と呼ぶ新しい軌跡が得られる。
【0030】 x2 =gART(x1) xt =fAMT(x3) (10) システム暗黙パラメータの値x1 を保存することによ
り、測定された入力プロセ
【0031】
【外2】
【0032】来る。
【0033】
【数1】
【0034】これを図4に示す。次に、式(8)を一般
化して、式(11)で設定された調整補正量を取り入れ
ることにより、システム性能の任意の変化に対する補償
を含むようにする。
【0035】
【数2】
【0036】パラメトリック・マッピング関数を引続い
て使う為の判断基準は、基準点を含むシステム・モデル
が、式(5)に基づいて下記の性質を満たすことを条件
とするように形成することが出来る。
【0037】
【数3】
【0038】これはx3′ の任意の値に対して成立し、
ここでεは十分小さい。x2 (解析)及びx2 (経験)
は、x3′ の共通の値に於けるシステム設定点パラメー
タの解析的なシステム・モデルの値及び測定値を表わ
す。この結果、パラメトリック・マッピング関数に関し
て言えば、式(5)の解析モデルによって定められるシ
ステム動作面上の軌跡は、x1′ 及びx2′ が任意の共
通の点を表わし、δが式(13)のεに見合って限定さ
れているとして、
【0039】
【数4】
【0040】であれば、入力プロセス・パラメータの経
験的な値と同等である。式(13)及び(14)が、解
析的なパラメトリック・マッピング関数と実際の制御シ
ステムの入力信号との間のインターフェースの必要条件
を定める。上に述べたIPM方法は、元の全体的な単一
入力/単一出力のアーキテクチュアとの制御システムの
両立性を保ち、しかも不確実さ及び近似の大幅な減少を
実現する可能性を持ち、それに伴って、保守的傾向が除
かれる。具体的に言うと、上に述べたIPM方法は、シ
ステム・プロセス変数の間のパラメトリック依存性を考
慮に入れることによって、制御システムに対するモデル
作成の精度を改善すると共に、現存の制御システムのア
ーキテクチュアの制約の範囲内で、プラント・システム
のモデル作成に於ける重要なパラメトリック依存性を処
理し、制御システムの不必要な保守的傾向を厳密に除
く。
【0041】 上に述べたIPM方法を次に沸騰水形原子炉(BWR)
制御システムの変更についてこれから説明する。具体的
に言うと、BWRは、原子炉冷却材再循環流量の関数と
しての原子炉トリップ設定点で構成される過出力状態に
対する保護システムを持っている。これから説明する
が、IPMを実施して、流量依存性を持つ過出力トリッ
プ設定点関数から過度の不確実さ並びにそれに伴う保守
的傾向を除く。
【0042】現存の設計では、設定点の不確実さが、設
定点方式内で使われる2つのシステム・パラメータの間
に想定した比例関係によって出て来る。この現存の方式
は、安全性に関係のなかった制御システムの元の使い方
では十分であった。しかし、この特定の変更では、制御
システムに安全性に関係する役割を割当て、この役割に
はトリップ設定点関数の更に正確な仕様が必要である。
現存の方式で生ずる不正確さは、モデル作成に用いるシ
ステム・パラメータ相互間の関係の近似の結果である。
【0043】原子炉動作面 BWR流量再循環の性能は主に炉心流量WT 、炉心出力
P及び再循環駆動流量WD で構成される大域原子炉シス
テム・パラメータに関係する。これらのパラメータが、
原子炉の熱的−流体圧的特性によって関数関係を持ち、
定常状態システムの動作面を形成する。この面は次の式
によって3次元動作空間内の原子炉状態パラメータを関
係づける。
【0044】 WT =fSURF(P,WD) (15) 図5に示すように、この面は、原子炉動作面と呼ばれる
が、炉心流量、炉心出力及び駆動流量の間の関係を一意
的に定める。これらのパラメータは、式(4)のIPM
一般式のパラメータx1 、x2 及びx3 に対応する。図
5の暗い陰影を施した区域はシステム動作エンベロープ
を表わしており、原子炉動作領域と呼ばれる。
【0045】現存の制御システムの設計 図6は解析的な方法と、流量依存性を持つ過出力トリッ
プ設定点関数、即ち、IPM一般式システム設定点関数
を発生するのに使われる計装のアーキテクチュアとの関
係を示す。流量依存性を持つトリップ設定点関数を作成
するのに使われる現存のプラント計装は、保護作用の安
全性解析に関係する原子炉システム・パラメータである
炉心流量の比例的な比例近似として、原子炉再循環シス
テム駆動流量を利用している。この方式の結果、実際の
計装トリップ設定点、解析的な設定点及び動作予想の間
に食違いが生ずる。この食違いは、ジェット・ポンプが
低い駆動流量の時には効率が悪く、全体の流量に影響を
与える為には、駆動流量に大きな変化を必要とすること
に由る。炉心流量と駆動流量との間の関係は、駆動流量
の関数であるだけでなく、炉心出力の関数でもある。出
力に関係する冷却材密度の差及び2相流量の目減りが、
外部の影響が存在しなくても、原子炉システムの熱的−
流体圧的挙動を変える。その結果、所定の駆動流量に対
して観測される全炉心流量は、炉心出力の強い関数にな
ることがある。こういう非直線性が、BWR流量依存性
の原子炉トリップ設定点関数に対し、図7に示されてい
る。
【0046】流量マッピングへのIPM応用プロセス 現存の計装設定点の精度を改善する為、図8に示すよう
に、最初に関連するシステム・パラメータの間の定常状
態依存性を決定する。こういう依存性を考慮に入れて、
計装入力信号と、再循環システム駆動流量(WD )と、
トリップ設定点を定める独立変数、即ち、炉心流量(W
T )との間の関係を設定する。これによってIPM一般
式のパラメトリック・マッピング関数関係が得られ、こ
れは流量マッピング関数と呼ばれるが、式(7)に従っ
てトリップ設定点炉心出力に於けるWD とWT とを関係
づける。
【0047】
【数5】
【0048】流量マッピング関数は、トリップ設定点関
数の出力に於ける原子炉システム・モデルを評価するこ
とにより、1つの制約条件を使って導き出される。この
出力レベルでこの関係を定めると、制御システムの条件
に見合う形で、出力に対するWT 及びWD のパラメトリ
ック依存性を暗黙的に取り上げるメカニズムが得られ
る。次に、この流量マッピング関数を、安全性の解析か
ら炉心流量の関数として解析的に導かれた設定点トリッ
プ関数(式(3)参照)に対する式に挿入する。
【0049】 P(設定点)=gSP(WT) (17) その結果得られる閉じた形の関数は、トリップ基準関数
と呼ばれ、即ち、IPM一般式の設定点基準関数である
が、これは次の式で表わされる。 P(設定点)=gSP(fFMF(WD)) (18) トリップ基準関数は式(8)を用途に特定の形にしたも
のである。トリップ設定点関数を決定する際の炉心流量
パラメータの暗黙モデル作成により、図7に示した設定
点偏差を完全に補償する正確な設定点の表示が得られ
る。
【0050】炉心の負荷、運転方式及び原子炉システム
の経年数の変化により、準定常状態システムの圧力降下
分布及び部品の形状の目減りに影響があることがあるの
で、原子炉動作領域に長期的な変化が起ることがある。
再循環システムの性能の時間依存性を持つ変化に対処す
る為、式(11)に見合って、駆動流量調整アルゴリズ
ムを導き出す。このアルゴリズムは、流量マッピング関
数を決定する時に利用した基準点を設けたベースライン
性能特性からの測定された偏差に基づいて、計装入力信
号を調節する。計装信号処理を調節する別個の手段を設
けたことにより、流量マッピング関数を時間に独立なま
まにすることが出来る。駆動流量調整アルゴリズムは次
の式で表わされる。
【0051】 WD(調整)=WD(入力)+ΔWD (19) ここでΔWD は、基準点を設けた原子炉ベースライン性
能に対する監視試験データの比較に基づいて設定され
る。その結果得られた更新された原子炉ベースライン流
量性能が、式(19)の調整された駆動流量を式(1
8)に用いてトリップ基準関数を決定する時に、炉心流
量パラメータの暗黙モデル作成に取り入れられる。
【0052】 P(設定点)=gSP(fFMF(WD(入力)+ΔWD)) (20) 調整されたトリップ基準関数は式(12)を用途に特定
の形にしたものである。図9はBWR過出力保護システ
ムの計装に暗黙パラメトリック・モデル作成を用いる時
の全体図を示す。トリップ基準設定点が、入力再循環駆
動流量の関数として、計装制御システムによって明示的
に導き出される。炉心流量パラメータが、時間に独立な
流量マッピング関数及び駆動流量調整アルゴリズムによ
って、暗黙的に計算に入れられる。駆動流量調整アルゴ
リズムに適切な調節を加えることにより、原子炉流量性
能の時間依存変動があっても、それに対処することが出
来る。
【0053】流量マッピング要素 IPM方法をBWR流量マッピングに使い易くする為、
図5の原子炉動作面が単一の独立パラメータの2つの関
連する関数に分解される。これらの関数は式(9)の調
整基準軌跡に対応する。最初に原子炉動作面を標準的な
2次元炉心出力/炉心流量動作領域に還元する。設定点
関数、即ち、流量をバイアスとするトリップ基準設定点
を炉心流量に解析的に関係づけるIPM一般式のシステ
ム設定点関数が、原子炉の運転をこの領域内に保つよう
に定められる。抑圧された原子炉動作面の次元、即ち、
駆動流量が、炉心出力/炉心流量動作面上で、駆動流量
一定の曲線として表わされ、これが出力制御線と呼ばれ
る。この用途では、流量マッピング方法内で駆動流量に
対する原子炉動作面の依存性を表わす選ばれた出力制御
線を確認することが適当であり実用的である。これらの
線は基準出力制御線と呼ばれる。第2に、原子炉動作領
域が、炉心流量及び駆動流量によって定められた2次元
の関係に還元される。BWR流量マッピング応用方法
は、炉心流量/駆動流量動作空間の内、原子炉動作領域
内の一意的な軌跡を基準とした時に、炉心流量の値を対
応する駆動流量の値に関係づける基準流量線を定める。
この軌跡は、基準流量制御線と呼ぶが、基準流量線上の
各点に対する炉心出力を定める。この式は、IPM一般
式の調整基準軌跡(式(9)参照)に対応する。
【0054】代表的な基準出力制御線及び基準流量制御
線を含む典型的な炉心出力/炉心流量原子炉動作領域が
図10に示されている。一例の設定点関数も図10に示
されている。炉心流量対駆動流量空間内の典型的な基準
流量線が図11に示されている。基準出力制御線と、基
準流量制御線及び基準流量線によって定められる基準流
量関数とが、駆動流量と炉心流量のマッピング関係を作
成するのに使われる流量マッピング要素を構成する。
【0055】基準出力制御線が動作領域内の状態点を領
域外にあるトリップ基準関数に関係づける。従って、基
準出力制御線は原子炉動作面に関連する解析モデルに基
づいている。
【0056】
【数6】
【0057】他方、原子炉動作領域の内側に限定された
基準流量関数は、実際の動作状態に直接的に関係づける
ことが出来る。経験的な炉心動作面として表わされた動
作面上の基準流量関数を定義するのが有利である。
【0058】
【数7】
【0059】この方式は、こと実上、最も最近の原子炉
の経験データに基づいて解析モデルを更新することによ
り、システムのベースラインの用途に対する制御システ
ムの調整過程を最適にする。解析的な原子炉動作面は一
般的には経験的な原子炉動作面と一致しない。2つの面
の間の差は主にモデル作成時の近似と、実際の原子炉圧
力降下分布及び部品の形状効率をモデルに取り入れる程
度とによるものである。
【0060】流量マッピングの数式化 IPM方法に従って作られた一般式を使って、BWR流
量マッピング用途の詳しい式を形成する。前に述べた解
析的な原子炉動作面は、自然循環から最大炉心流量迄の
再循環流量範囲全体に亘る。この面の曲率の駆動流量に
対する依存性は弱く、挙動も良く、式(13)及び(1
4)による厳密な判断基準に従うことが示されている。
プラントに特定の基準出力制御線が、解析的な原子炉動
作面上の予定の駆動流量の値に対して明示的に設定され
る。流量マッピング関数を設定する過程で、設定点の接
続部に於ける出力制御線が評価されるから、設定点関数
に沿った重要な点の場所に基づいた基準出力制御線の集
合が選ばれる。今の例の用途では、これらの状態に関連
する5つの基準出力制御線が図10に示されており、次
の式で表わされる。
【0061】
【数8】
【0062】基準出力制御線によって定められた以外の
状態に対する出力制御線が、この例の用途では、精度を
犠牲にすることなく、隣接する2つの基準出力制御線の
一次補間によって設定される。隣接する2つの基準出力
制御線をfRPCL n 及びfRPCL n+1で表わすと、対応する
2つの一定の駆動流量の値WD n 及びWD n+1の間の任意
の駆動流量WD に対する一次補間された出力制御線は次
のようになる。
【0063】
【数9】
【0064】ここでn=1,2,3又は4である。この
式が駆動流量に対してパラメトリックな炉心出力及び炉
心流量の間の関係を定める。基準流量関数の形は、炉心
出力/炉心流量動作領域内の一意的な原子炉状態軌跡に
関係する。流量マッピングの用途に選ばれた軌跡は、基
準流量線の関数の形を単純化しており、100%流量制
御線と定められている。炉心流量と駆動流量との間の一
意的な時間に独立な関係である基準流量線が、この基準
流量制御線に沿って定められる。基準流量線を数式化す
る為に使われたデータは一般的に、基準流量制御線上に
はないから、式(24)を使ってその上にマッピングさ
れる。その結果は、基準流量線を作成するモデルにした
基準流量制御線に沿った調節済みの経験的な炉心流量対
駆動流量データの集合である。
【0065】流量マッピング関数が、基準流量関数駆動
流量に関連する設定点関数炉心流量を定める。このIP
M方法に従って、炉心出力パラメータを炉心流量パラメ
ータに関係づける式(17)の設定点関数を式(24)
の基準出力制御線関数に代入して炉心出力の変数を除く
ことにより、流量マッピング関数が作成される。
【0066】
【数10】
【0067】i個の異なる設定点関数を表わす為に、式
(17)の設定点関数gSPがgsp iと一般化されてい
る。表式fRPCL n(gsp i)は、設定点関数iと基準出力
制御線nとの交点に於ける炉心流量の値を表わす。式
(25)の一定駆動流量の値WD n及びWD n+1が、対応す
る基準出力制御線n及びn+1と基準流量制御線との交
点に於ける基準流量線によって定められる。
【0068】設定点関数iと基準出力制御線nの交点に
於ける炉心流量の値であるfRPCL n(gsp i)をWT i,n
と定義することにより、式(25)を簡単にする。整理
すると
【0069】
【数11】
【0070】式(26)は、流量でバイアスされたトリ
ップ基準設定点に於ける炉心流量を基準流量関数駆動流
量に関係づける設定点に特定の流量マッピング関数であ
る。トリップ基準設定点の作成 APRM流量依存性トリップ基準関数は、式(26)の
流量マッピング関数を設定点関数gSP i の式(17)に
代入することによって求められる。
【0071】
【数12】
【0072】ここで一定駆動流量の値WD n 及びWD n+1
は、対応する基準出力制御線の交点に於ける基準流量線
によって定められる。各々のAPRM流量依存性トリッ
プ基準関数は、最初に基準出力制御線の選択に見合った
設定点関数をセグメント分割し、その後、各々のセグメ
ントに別々に流量マッピング関数を適用することによっ
て作成される。一例として、この使い方を、勾配mで交
点Iの設定点関数の線形勾配セグメントに対して示す。
【0073】 P=I+m・WT (28) 式(26)の流量マッピング関数を式(28)に代入し
て、次のように、真直ぐな設定点関数のセグメントに対
するトリップ基準関数を形成する。
【0074】
【数13】
【0075】流量マッピング過程を実施し易くする為、
式(29)は、炉心流量の値WT i,n及びWT i,n+1の代り
に、設定点関数のセグメントの終点に於ける出力の値P
n i及びPn+1 iで表わす。この変換は、不連続な設定点関
数、即ち、定まらない勾配を持つ垂直線セグメントを含
む関数の特殊な場合にも対処出来る。炉心出力及び流量
は、式(28)によって設定点関数に沿って関係づけら
れており、特に直線セグメントの終点では次の式で関係
づけられる。
【0076】
【数14】
【0077】この関係を代入して、セグメントの終点に
於ける炉心出力の値で式(29)を表わす。
【0078】
【数15】
【0079】炉心流量の関数として表わされたAPRM
流量依存性設定点関数は、一般的に幾つかの区域で構成
される。各々の区域は、その区域の設定点に対する解析
を根拠に導き出した一意的な設定点アルゴリズムを持っ
ている。各々の設定点関数の区域が、基準出力制御線の
補間条件に見合った多数の設定点関数のセグメントに分
割される。必要な流量マッピングの種類は、セグメント
の関数の形と、そのセグメントに対するトリップ基準関
数を作成するのに使われる基準出力制御線とに関係す
る。
【0080】図12は、IPM方法を用いて、システム
暗黙パラメータである炉心流量を、システム設定点関数
に於ける入力プロセス・パラメータ、即ち駆動流量にマ
ッピングしたことによって得られる一例のAPRM流量
依存性トリップ基準関数を示している。図10の設定点
関数とは比較すると、IPMマッピング過程の影響が分
る。APRM流量依存性トリップ基準関数によって開始
された原子炉のトリップは、解析条件に従っており、不
確実さはかなり減少する。この精度の改善が、図10及
び11に示したシステム・パラメータの間のパラメトリ
ック依存性を取り上げた直接的な結果である。
【0081】駆動流量の調整 2つの状態に於ける更新された原子炉性能データの例を
用いて、駆動流量の調整にこの方法を用いた場合を例示
する。更新された原子炉状態情報は40%の炉心流量及
び定格100%の炉心出力の近くに選び、基準流量制御
線に対して正規化する。このデータが監視流量線を定
め、それを基準流量線と比較して、基準流量線駆動流量
にパラメトリックな駆動流量のバイアスを作成する。駆
動流量のバイアスの値を40%及び100%定格炉心流
量で評価する。
【0082】駆動流量調整過程は、基準流量関数からの
長期的な再循環システムの流量性能の偏差の確認に基づ
く。流量性能の偏差を、基準流量線の勾配を持つセグメ
ントに対して定量化する。基準流量制御線に於ける自然
循環炉心流量は不変と仮定する。基準流量線の勾配を持
つセグメントは次の線形関数によって記述される。 WT=a+b・WD (32) 再循環システムの性能のこのベースライン基準からの時
間的な変化を、適当な基準出力制御線を使って基準流量
制御線に対して正規化した原子炉システム流量性能デー
タを用いて定量化する。その結果得られた調節済みのデ
ータが、基準流量制御線上の現在の原子炉状態を反映す
る。こういう状態が、次に基準流量線に直接的に比較さ
れ、基準ベースラインからのプラントの性能の偏差を評
価する。調節済みのデータに対応する原子炉状態点は、
一般的には、再循環システムの性能が変化する為に、式
(32)で記述する基準流量線上には無い。従って、監
視流量線を次のように定義する。
【0083】 WT=α+β・WD (33) ここでα及びβは正規化流量性能データに基づいて決定
される。監視流量線及び基準流量線上の共通の炉心流量
は、異なる駆動流量の値に関連している。駆動流量のこ
の差は駆動流量バイアスΔWD と定義されている。時間
に独立な流量マッピング関数が基準流量線に基づいてい
るので、監視流量線は基準流量線に対して調整して、適
当な(暗黙の)炉心流量、従って、流量がバイアスされ
たトリップ基準設定点が制御システムによって確認され
るようにする。駆動流量のバイアスは、式(11)に従
って、同じ炉心流量に対する基準流量線と監視流量線と
は等しいとおくことによって導き出され、基準流量線駆
動流量の関数として次のように表わされる。
【0084】
【数16】
【0085】計装制御システムが、この例の用途では、
40%及び100%定格炉心流量に対応して、駆動流量
調整設定値ΔD 40 及びΔD 100の個別の選択に基づいて入
力駆動流量を調整する。こういう設定値は、2つの駆動
流量のバイアスの値ΔWD 40 及びΔWD 100を利用し得る
最も近い設定値に丸めることによって決定される。ΔW
D 40 及びΔWD 100は、式(34)から、それぞれ40及
び100%定格炉心流量に対応する基準流量線駆動流量
D 40 及びWD 100を代入することによって計算される。
D 40 及びWD 100は、式(32)の基準流量関数から得
られる時間に独立なパラメータであり、駆動流量調整定
数と呼ばれる。調整された駆動流量WDは、次のよう
に、駆動流量調整設定値及び定数によって、入力駆動流
量WD に関係づけられることを示すことが出来る。
【0086】
【数17】
【0087】本発明について以上説明したところから、
本発明の目的が達成されたことは明らかである。本発明
を詳しく説明し図面に示したが、これは例示の為であっ
て、例にすぎず、本発明を制約するものと解してはなら
ないことを承知されたい。従って、本発明の範囲は特許
請求の範囲のみによって定められることを承知された
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプロセス工程を示すフロー
チャートである。
【図2】システム動作面を示す図である。
【図3】システム設定点関数の余裕を示す図である。
【図4】入力プロセス・パラメータ調整過程を示すグラ
フである。
【図5】BWR動作面を示す図である。
【図6】BWRバイアス式過出力保護を示す図である。
【図7】流量バイアス式トリップ基準設定点の偏差を示
す図である。
【図8】原子炉動作面の図である。
【図9】暗黙パラメトリック・モデル作成をBWR保護
システムの計装に用いた場合を示す図である。
【図10】基準出力及び流量制御線を示すグラフであ
る。
【図11】基準流量線を示すグラフである。
【図12】トリップ基準関数を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 準定常状態システムのシステム設定点基
    準関数を作成する方法に於いて、 システムのパラメトリック・モデルを作成する工程(1
    2)、および時間に独立なパラメトリック・マッピング
    関数を定める工程(14)を含むことを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 前記パラメトリック・モデルを作成する
    時にシステム暗黙パラメータ、システム設定点パラメー
    タ及び入力プロセス・パラメータを利用する請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 システム設定点関数に於けるシステム設
    定点パラメータを、システム暗黙パラメータに暗に含ま
    れている入力プロセス・パラメータに関係づける為に、
    前記パラメトリック・モデルを用いて前記マッピング関
    数を作成する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記システム設定点パラメータを前記入
    力プロセス・パラメータに関係づけることが、3次元シ
    ステム動作面を、制御システムの入力プロセス・パラメ
    ータ及びシステム設定点パラメータによって定義された
    2次元空間へ崩壊させる工程を含む請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記3次元システム動作面を崩壊させる
    ことが、前記システム設定点関数に沿って実施される請
    求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 更に、入力プロセス・パラメータと暗黙
    システム・パラメータとの間の時間依存変動を考慮する
    ために時間に独立なパラメトリック・マッピング関数を
    調節するインターフェース・プロトコルを作成する工程
    (16)を含む請求項1記載の方法。
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