JPH1020072A - 炉心性能計算装置 - Google Patents

炉心性能計算装置

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JPH1020072A
JPH1020072A JP8171985A JP17198596A JPH1020072A JP H1020072 A JPH1020072 A JP H1020072A JP 8171985 A JP8171985 A JP 8171985A JP 17198596 A JP17198596 A JP 17198596A JP H1020072 A JPH1020072 A JP H1020072A
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JP
Japan
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core
calculation
fuel
parameter
reactor
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Application number
JP8171985A
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English (en)
Inventor
Kenji Tominaga
堅治 冨永
Hiroki Sano
広樹 佐野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトルミスマッチが増大する炉心構成で
も、従来と同程度の処理時間でより高精度の炉心性能計
算を実行する炉心性能計算装置10を提供する。 【解決手段】 燃料集合体間パラメータを用いて炉心性
能計算をする炉心計算手段11と、炉心計算手段11よ
り少ない回数ではあるが炉心計算手段11よりも高精度
の炉心計算を実行可能な詳細炉心計算手段12と、詳細
炉心計算手段12による炉心計算の結果から燃料集合体
間の相互関係を表現したパラメータを導出する燃料集合
体間パラメータ計算手段13と、燃料集合体間パラメー
タ計算手段13で計算した各種燃料集合体間パラメータ
を記憶する燃料集合体間パラメータ記憶手段14と、炉
心性能計算時の原子炉の状態に適応するように上記燃料
集合体間パラメータを調整する燃料集合体間パラメータ
調整手段15とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の運転管理
業務として炉心の挙動を監視し予測する炉心性能計算装
置に係り、特に、スペクトルミスマッチが増大する炉心
構成に対しても、従来と同程度の処理時間で炉心性能計
算の精度を上げる手段に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の炉心性能計算では、原子炉から
オンラインで、炉心流量,炉圧,制御棒位置,炉内中性
子検出器による中性子束等の測定値を入力し、炉心の適
当な物理モデルに基づいて運転に必要な各種パラメータ
を計算し、原子炉の挙動を監視し予測する運転管理業務
に役立てている。
【0003】原子炉運転では、特に、燃料集合体の熱的
制限値を正確に把握することが重要である。そこで、炉
心性能計算においては、オンラインで中性子検出器から
中性子束の測定値を入力し、内蔵する炉心の物理モデル
に基づいて計算される出力分布を補正している。
【0004】ところが、炉内に設置してある中性子検出
器の数は、一般に物理モデルで評価する計算点よりも少
ない。例えば、110万kW級のBWRでは、燃料集合
体数が764体であるから、炉心計算のため各燃料集合
体を軸方向に24分割すると仮定すれば、約18000もの
計算点が生じる。これに対して、出力領域を監視するL
PRM(Local Power Range Monitor:局所出力領域モニ
タ)としては、4つの中性子検出器を持ったストリング
が43体あるので、それらから得られる測定値は、17
2点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】限られた数の中性子検
出器による測定値を炉心計算に精度よく反映させるため
には、実験や経験による知見に基づいた仮定や物理モデ
ル化等を炉心性能計算のアルゴリズムに施す必要があ
る。炉心性能計算のアルゴリズムには、例えば、中性子
検出器の測定値をそれを取り囲む燃料集合体の炉心計算
による情報で推定する方法や、中性子検出器の測定値を
使って炉心計算で求めた出力分布を補正する方法等があ
り、これら方法の良否が炉心性能計算の精度に大きく影
響する。
【0006】まず、中性子検出器を取り囲む燃料集合体
の炉心計算による情報で中性子検出器の測定値を推定す
るには、中性子検出器が4つの燃料集合体に囲まれるコ
ーナー部の水ギャップに位置するので、熱中性子束を考
慮する必要がある。従来は、特公平7−031270号公報に
記載されているように、燃料集合体の無限格子系で計算
した熱中性子束を炉心計算で求めた出力分布で補正し、
中性子検出器位置の熱中性子束を推定していた。
【0007】また、中性子検出器の測定値を使って炉心
計算で求めた出力分布を補正するには、中性子検出器位
置での測定値と上記方法で求めた推定値との誤差を用い
て、全炉心出力分布の計算値を補正する必要がある。従
来は、上記特公平7−031270号公報にあるように、炉心
計算で求めた出力分布に対し、炉心軸方向の出力分布に
ついては、中性子検出器位置での測定値と推定値との誤
差をゲインとして出力分布の計算値に係数を掛けて補正
し、炉心径方向の出力分布については、炉心計算の計算
値を保存するように補正している。
【0008】ところで、近年は、炉心の高燃焼度化に伴
い、濃縮度の異なる燃料が隣接することになり、炉心内
部の非均質性が拡大し、燃料集合体間の熱中性子束レベ
ルの差により生じる熱中性子流が出力分布に影響する効
果すなわちスペクトルミスマッチが増大する傾向にあ
る。さらに、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料であ
るMOX燃料が従来燃料と混在するような炉心構成にお
いても、燃料集合体間のスペクトルミスマッチが増大す
ると見込まれている。
【0009】従来の炉心性能計算では、現在の炉心管理
業務用プロセスコンピュータの処理能力と原子炉の運転
管理業務の運用上の時間的な制約により、炉心の物理モ
デルとしては、上記特公平7−031270号公報にあるよう
に、粗メッシュ修正1群中性子拡散計算を採用してい
る。この炉心の物理モデルは、基本的に、高速中性子束
について燃料集合体内部の分布を簡略化して、拡散方程
式を解くモデルである。
【0010】一方、中性子検出器の測定値を使って炉心
計算で求めた出力分布を補正する方法としては、特開昭
56−140294号公報に記載のように、原子炉の2次元平面
出力分布を計算する手段と、原子炉の高さ方向の出力分
布を計算する手段と、計算された平面および高さ方向の
出力分布から3次元空間出力分布の補正値を求めて、前
記各計算手段にフィードバックする方式が知られてい
る。
【0011】この方式は、3次元拡散計算に基づいて出
力分布を計算すると計算に時間がかかることを回避する
ためのいわば苦肉の策であった。
【0012】燃料集合体間のスペクトルミスマッチが増
大する上記の炉心構成に対しては、燃料集合体間の相互
作用、すなわち、中性子エネルギーの多群の効果と燃料
集合体内部の分布の効果とによる相互作用を従来の炉心
性能計算に追加すると、出力分布や実効増倍率に対して
高精度の計算結果が得られ、炉心性能計算で実行してい
る中性子検出器の測定値を用いた炉心計算による出力分
布の補正についても精度の向上が見込まれる。
【0013】上記特公平7−031270号公報では、中性子
検出器の測定値を炉心計算で推定する際、修正1群近似
による出力分布を用いて熱中性子束を近似している。こ
こに多群計算で評価した熱中性子束の情報を用いると、
中性子検出器位置での熱中性子束の近似値の精度を向上
させることができるはずである。また、中性子検出器の
測定値を使って炉心計算で求めた出力分布を補正すると
きには、径方向の出力分布を炉心計算の計算値を保存し
ている。ここに詳細メッシュで多群計算の情報を用いる
と、出力分布の補正の精度を向上させることができるは
ずである。
【0014】しかし、炉心の物理モデルを詳細メッシュ
の多群中性子拡散方程式に単純に置き換えようとして
も、現在の炉心管理業務用プロセスコンピュータの処理
能力では、オンライン監視している関係上、現実の処理
時間内でより高精度の炉心性能計算を実行することは、
困難である。
【0015】本発明の目的は、スペクトルミスマッチが
増大する炉心構成に対しても、従来と同程度の処理時間
でより高精度の炉心性能計算を実行可能な炉心性能計算
装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、燃料集合体間パラメータを用いて炉心性
能計算をする炉心計算手段を有し、原子炉の炉心流量,
炉圧,制御棒位置,炉内中性子検出器からの中性子束な
どの各種炉心パラメータに基づき原子炉の挙動を監視し
予測するための炉心性能計算を実行する炉心性能計算装
置において、炉心計算手段よりも詳細なモデルを用いて
炉心計算手段の炉心性能計算よりも少ない回数の高精度
な炉心計算を実行する詳細炉心計算手段と、詳細炉心計
算手段による炉心計算の結果から燃料集合体間の相互関
係を表わすパラメータを導き出す燃料集合体間パラメー
タ計算手段と、燃料集合体間パラメータ計算手段で導き
出した各種燃料集合体間パラメータを記憶する燃料集合
体間パラメータ記憶手段と、炉心性能計算時の原子炉の
状態に適応するように炉心計算手段で用いる燃料集合体
間パラメータを調整する燃料集合体間パラメータ調整手
段とを備えた炉心性能計算装置を提案する。
【0017】詳細炉心計算手段は、多群の中性子エネル
ギーについて炉心性能計算を実行する計算手段とするこ
とができる。
【0018】詳細炉心計算手段は、また、炉心計算手段
よりも多数の計算点を扱う計算手段としてもよいし、炉
心計算手段と同数の計算点での中性子分布関数を用いる
計算手段としてもよい。
【0019】上記いずれかの炉心性能計算装置におい
て、燃料集合体間パラメータ計算手段は、炉内中性子検
出器位置における中性子束と当該炉内中性子検出器に隣
接する燃料集合体の情報とを関係付けるパラメータを燃
料集合体間パラメータとする計算手段である。
【0020】燃料集合体間パラメータ計算手段は、詳細
炉心計算手段で求めた各燃料集合体のバックリングを参
照して、炉心計算手段で用いるバックリングを決定する
計算手段とすることができ、熱群の中性子束に注目し
て、燃料集合体間パラメータを計算する計算手段を含む
こともできる。
【0021】本発明においては、従来の炉心性能計算よ
りも計算頻度は少ないが高精度の詳細炉心性能計算に基
づいて作成した燃料集合体間パラメータを用いて炉心性
能計算を実行するので、スペクトルミスマッチが増大す
る炉心構成に対しても、従来と同程度の処理時間で高精
度の炉心性能計算が可能な炉心性能計算装置が得られ
る。
【0022】また、燃料集合体間パラメータとして、中
性子検出器位置での中性子束の測定値と当該中性子検出
器に隣接する燃料集合体の熱中性子束とを関係付けるレ
スポンスファクタを用いることから、炉心計算の計算値
を中性子検出器の測定値と精度よく比較し、近似させる
ことができる。
【0023】さらに、詳細炉心性能計算で求めた各燃料
集合体のバックリングを参照して、炉心計算で用いるバ
ックリングを決定するので、詳細炉心性能計算に相当す
る高精度の出力分布をオンラインの炉心性能計算で得ら
れる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図5を参照して、本
発明による炉心性能計算装置の実施例を説明する。図1
は、本発明による炉心性能計算装置の一実施例の構成を
示すブロック図である。本実施例の炉心性能計算装置1
0は、原子炉1の炉心2に設置された炉内中性子検出器
3および各種プロセス検出器からオンラインデータ収集
装置4を介して取り込まれたデータに基づいて炉心性能
を計算する炉心計算手段11と、詳細炉心計算手段12
と、燃料集合体間パラメータ計算手段13と、燃料集合
体間パラメータ記憶手段14と、燃料集合体間パラメー
タ調整手段15と、マンマシンインタフェース16とを
含んでいる。
【0025】このような構成の炉心性能計算装置10に
対して、オペレータが、マンマシンインタフェース16
から、炉心性能計算の実行を要求すると、炉心性能計算
装置10は、炉心2および中性子検出器3からオンライ
ンデータ収集装置4を介して原子炉1の情報を獲得す
る。次に、この炉心状態に対して、出力分布や実効増倍
率を評価する炉心性能計算に移行する。
【0026】図2は、本発明による炉心性能計算の処理
手順を示すフローチャートである。全体の処理手順のう
ち前半の処理Aが、本発明により新たに追加された処理
手順である。後半の処理Bは、従来の炉心性能計算で既
に実行されている処理と本質的には変わらない。後半の
処理Bは、本実施例においては、炉心計算手段11が担
当する。処理Bを実行する従来例には、例えば、『Kern
technik 52』(1988),No.4, S.P.Congdon らの 「Use of
adaptive diffusion theory based monitorsin optimi
zing boiling water reactor core designs」 がある。
【0027】まず、Congdonらの従来例に基づいて、処
理Bについて説明する。処理Bは、オンラインで中性子
検出器から入力した中性子束の測定値が、(粗メッシュ
修正1群中性子拡散計算を採用する)炉心計算手段11
の炉心計算手順で実行されるように、計算定数を調整し
て出力分布の収束を図る。このように計算定数を調整す
ると、炉心性能計算の精度を大幅に高めることができる
とされている。
【0028】図3は、図1の炉心性能計算装置10にお
ける計算定数の調整すなわち図2の処理Bにおける計算
定数の調整手順を示すフローチャートである。初めに、
収束計算中の出力分布から中性子検出器の測定値を推定
する。測定値の推定は、当該中性子検出器に隣接する燃
料集合体の修正1群近似に基づいた出力分布の重み付き
平均として実行する。中性子検出器が水ギャップ中に位
置するために、熱中性子束で評価する方が、良い計算精
度が得られる。
【0029】次に、上記方法で求めた中性子検出器の推
定値と実際の測定値との誤差をゲインとして、修正1群
近似で扱っている高速中性子束の前回値に掛けて、更新
値とする。ただし、ここでゲインを掛ける高速中性子束
は、中性子検出器に隣接する計算点のみとし、それ以外
の高速中性子束の更新値は、前回の高速中性子束の値の
ままである。
【0030】さらに、中性子検出器に隣接する計算点の
中性子束分布のバックリングを決定するために、数式1
として示す修正1群中性子拡散計算式の中で、中性子検
出器に隣接する計算点のバックリングと関係のある高速
中性子束の項に、上記処理手順で求めた高速中性子束の
更新値を代入し、未知数であるΔBi 2について解く。な
お、ΔBi 2は、本炉心性能計算において炉心計算手段1
1で中性子検出器の測定値を実現するように調整する計
算定数でもある。
【0031】
【数1】
【0032】最後に、中性子検出器に隣接しない計算点
に対して、ΔBi 2を求める。この値は、当該計算点に最
も近い中性子検出器に隣接する4点のΔBi 2を、事前に
仮定した割合により線形内挿して求められる。しかし、
本来のΔBi 2は、計算点にある燃料集合体の燃焼度,ボ
イド率,制御棒の挿入長さ等に関係してさまざまな値を
とるはずであり、上記の仮定には必ずしもあてはまらな
い。
【0033】以上の手続きで、全ての計算点に対し数式
1のバックリングすなわち第2項の( )内の値が決まる
ので、次に炉心計算を実行し、出力分布の収束判定によ
り、もし条件が満たされなければ、この出力分布に基づ
いて中性子検出器の測定値の推定値を求め、測定値との
誤差から計算定数ΔBi 2を再び調整し、炉心計算を実行
する。ここまでが、従来の炉心性能計算で採られている
計算定数を調整する手法である。
【0034】炉心の高燃焼度化やMOX燃料と従来燃料
との混在炉心においてみられるように、スペクトルミス
マッチが増大する炉心に対しては、燃料集合体間の相互
作用すなわち中性子エネルギーの多群の効果と、燃料集
合体内部の分布の効果による相互作用とを従来の炉心性
能計算に追加すると、出力分布や実効増倍率に対して優
れた計算精度を得ることができる。
【0035】そこで、本発明による処理Aは、上記処理
Bで実行する炉心計算の精度を高めるために、燃料集合
体間の相互作用を表わす燃料集合体間パラメータを作成
して補正する役割を果たす。燃料集合体間パラメータ計
算手段13は、通常の原子炉運転で約1ヵ月に1度実施
するTIP(Traveling In-core Probe:移動式炉心内プ
ローブ) 操作のときに、詳細炉心計算手段12での詳細
炉心計算の結果に基づいて、燃料集合体間パラメータを
作成し、次回のTIP操作までの燃料集合体間パラメー
タのベースとして、燃料集合体間パラメータ記憶手段1
4に格納する。また、燃料集合体間パラメータ調整手段
15は、TIP操作時とLPRMによる炉心性能計算時
点の原子炉の状態とのずれに基づいて、燃料集合体間パ
ラメータ記憶手段14に格納した燃料集合体間パラメー
タを補正する。
【0036】処理Aで扱う燃料集合体間パラメータとし
ては、具体的には、 中性子検出器位置の中性子束を当該中性子検出器に隣
接する燃料集合体の熱中性子束で関係付けるレスポンス
ファクタ 詳細炉心計算の情報を内包したバックリングの補正分
に注目する。従来は、のレスポンスファクタについて
は、修正1群近似のため出力分布を利用していた。の
バックリングの補正分については、他に制約条件がない
ため、適当なバックリングの分布を仮定していた。これ
らの従来のパラメータに代えて、本発明の詳細炉心計算
によるパラメータを利用すると、これらのパラメータ
は、炉心計算の精度を大幅に高める。
【0037】《熱中性子束に基づいたレスポンスファク
タの作成》ここでは、炉心計算手段よりも高精度な炉心
計算が可能な詳細炉心計算手段として、ノード法を用い
た多群中性子拡散計算を採用し、各燃料集合体間パラメ
ータを具体的に作成する方式を説明する。
【0038】まず、詳細炉心計算の結果から中性子検出
器の測定値を近似する。図4は、中性子検出器と隣接す
る4個の燃料集合体の熱中性子束の関係を模式的に示す
平面図である。図4に示すように、ある中性子検出器位
置の熱中性子束をΦTIPとして、当該中性子検出器に隣
接する4体の燃料集合体のノード表面の熱中性子束をΦ
3siとおくと、中性子検出器位置の熱中性子束は、当該
中性子検出器に隣接する4体の燃料集合体のノード表面
の熱中性子束の平均値で近似すれば、数式2を得る。
【0039】
【数2】
【0040】さらに、ノード表面の熱中性子束Φ
3siは、ノード法で仮定しているノード内中性子束分布
を通じてノード平均熱中性子束Φ3aiと関係付けられる
ので、数式2は、数式3となる。
【0041】
【数3】
【0042】数式3における各ノード平均熱中性子束の
係数C1からC4が、当該中性子検出器位置における詳細
炉心計算に基づいたレスポンスファクタであり、炉心性
能計算ではこれを参照する。
【0043】《詳細炉心計算に基づいたバックリングの
補正分の作成》図5は、中性子検出器周りのノードにお
けるバックリングの相対値を基準として中性子検出器に
隣接しないノードにおけるバックリングの相対値を計算
するための燃料集合体の関係を模式的に示す平面図であ
る。詳細炉心計算の結果から、各ノードにおける各エネ
ルギー群のバックリングを計算できるので、各ノードの
バックリング間の相対関係を定義可能である。図5に示
すように、中性子検出器に隣接するノードのバックリン
グを基準として、中性子検出器に隣接しないノードのバ
ックリングの相対値を計算する。
【0044】次に、出力分布の収束計算で、数式1のΔ
i 2に対して、従来と同様に中性子検出器に隣接するノ
ードiのバックリングを計算する。そこで、隣接してい
ないノードjのバックリングBj 2を、詳細炉心計算で求
めたバックリングの相対値αjを用いて、数式4のよう
に計算する。したがって、隣接していないノードjのバ
ックリングΔBj 2は、数式5のようになる。数式4およ
び数式5よって、すべてのノードにおける数式1のバッ
クリングすなわち第2項の( )内の値が決まるので、炉
心計算が実行可能となる。
【0045】
【数4】
【0046】
【0047】
【数5】
【0048】以上のように、処理Aでは、詳細炉心計算
に基づき、燃料集合体間パラメータとしてレスポンスフ
ァクタとバックリングとを用意し、処理Bでは、用意さ
れたレスポンスファクタとバックリングとを利用し、炉
心性能計算を実行する。
【0049】例えば約1ヵ月に1度行なうべき処理Aを
例えば高速のワークステーションに実行させれば、詳細
炉心計算に伴う計算の負担をその高速のワークステーシ
ョンに分散させることが可能となり、現在の炉心管理業
務用プロセスコンピュータを使用している場合でも、本
発明による炉心性能計算を実現できる。したがって、全
体の系統構成を大幅には変えなくとも、高精度の炉心性
能計算が実現する。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来の炉心性能計算よ
りも計算頻度は少ないが高精度の詳細炉心性能計算に基
づいて作成した燃料集合体間パラメータを用いて炉心性
能計算を実行することにより、スペクトルミスマッチが
増大する炉心構成に対しても、従来と同程度の処理時間
で高精度の炉心性能計算が可能な炉心性能計算装置が得
られる。特に、燃料集合体間パラメータとして、中性子
検出器位置での中性子束の測定値と当該中性子検出器に
隣接する燃料集合体の熱中性子束とを関係付けるレスポ
ンスファクタを用いると、炉心計算の計算値を中性子検
出器の測定値と精度よく比較し、近似させることができ
る。また、詳細炉心性能計算で求めた各燃料集合体のバ
ックリングを参照し、炉心計算で用いるバックリングを
決定するので、詳細炉心性能計算に相当する高精度の出
力分布をオンラインの炉心性能計算で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炉心性能計算装置の一実施例の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1の炉心性能計算装置における炉心性能計算
の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1の炉心性能計算装置における計算定数の調
整手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】中性子検出器と隣接する4個の燃料集合体の熱
中性子束の関係を模式的に示す平面図である。
【図5】中性子検出器周りのノードにおけるバックリン
グの相対値を基準として中性子検出器に隣接しないノー
ドにおけるバックリングの相対値を計算するための燃料
集合体の関係を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉 2 炉心 3 炉内中性子検出器 4 オンラインデータ収集装置 10 本発明による炉心性能計算装置 11 炉心計算手段 12 詳細炉心計算手段 13 燃料集合体間パラメータ計算手段 14 燃料集合体間パラメータ記憶手段 15 燃料集合体間パラメータ調整手段 16 マンマシンインタフェース

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料集合体間パラメータを用いて炉心性
    能計算をする炉心計算手段を有し、原子炉の炉心流量,
    炉圧,制御棒位置,炉内中性子検出器からの中性子束な
    どの各種炉心パラメータに基づき原子炉の挙動を監視し
    予測するための炉心性能計算を実行する炉心性能計算装
    置において、 前記炉心計算手段よりも詳細なモデルを用いて前記炉心
    計算手段の炉心性能計算よりも少ない回数の高精度な炉
    心計算を実行する詳細炉心計算手段と、 前記詳細炉心計算手段による炉心計算の結果から燃料集
    合体間の相互関係を表わすパラメータを導き出す燃料集
    合体間パラメータ計算手段と、 前記燃料集合体間パラメータ計算手段で導き出した各種
    燃料集合体間パラメータを記憶する燃料集合体間パラメ
    ータ記憶手段と、 炉心性能計算時の原子炉の状態に適応するように前記炉
    心計算手段で用いる燃料集合体間パラメータを調整する
    燃料集合体間パラメータ調整手段とを備えたことを特徴
    とする炉心性能計算装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の炉心性能計算装置にお
    いて、 前記詳細炉心計算手段が、多群の中性子エネルギーにつ
    いて炉心性能計算を実行する計算手段であることを特徴
    とする炉心性能計算装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の炉心性能計算
    装置において、 前記詳細炉心計算手段が、炉心計算手段よりも多数の計
    算点を扱う計算手段であることを特徴とする炉心性能計
    算装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の炉心性能計算
    装置において、 前記詳細炉心計算手段が、前記炉心計算手段と同数の計
    算点での中性子分布関数を用いる計算手段であることを
    特徴とする炉心性能計算装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の炉心性能計算装置において、 前記燃料集合体間パラメータ計算手段が、炉内中性子検
    出器位置における中性子束と当該炉内中性子検出器に隣
    接する燃料集合体の情報とを関係付けるパラメータを燃
    料集合体間パラメータとする計算手段であることを特徴
    とする炉心性能計算装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の炉心性能計算装置において、 前記燃料集合体間パラメータ計算手段が、詳細炉心計算
    手段で求めた各燃料集合体のバックリングを参照して、
    炉心計算手段で用いるバックリングを決定する計算手段
    であることを特徴とする炉心性能計算装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記燃料集合体間パラメータ計算手段が、熱群の中性子
    束に注目して、燃料集合体間パラメータを計算する計算
    手段を含むことを特徴とする炉心性能計算装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001033581A (ja) * 1999-07-05 2001-02-09 Framatome Et Cogema <Fragema> 原子炉の炉心の少なくとも一つの動作パラメータをモニターする方法および装置
JP2001042079A (ja) * 1999-07-05 2001-02-16 Framatome Et Cogema <Fragema> 原子炉の炉心の少なくとも1つの動作パラメタを監視する方法及びシステム
JP2016156739A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 三菱重工業株式会社 核定数算出プログラム及び解析装置
JP2017020881A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 株式会社東芝 炉心監視システム及び炉心監視方法
JP2021039024A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 原子燃料工業株式会社 炉心計算方法、炉心計算プログラムおよび炉心計算装置

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