JP2001004780A - 原子炉炉心監視装置 - Google Patents

原子炉炉心監視装置

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JP2001004780A
JP2001004780A JP11172897A JP17289799A JP2001004780A JP 2001004780 A JP2001004780 A JP 2001004780A JP 11172897 A JP11172897 A JP 11172897A JP 17289799 A JP17289799 A JP 17289799A JP 2001004780 A JP2001004780 A JP 2001004780A
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Akihiro Yamanaka
章広 山中
Hisashi Shiragami
久之 白神
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Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉炉心の状態を適切に反映してスクラム
反応度を評価できる運転監視装置を提供する。 【解決手段】 原子炉炉心の炉心流量や中性子束分布等
の計測量を取り込み、定められた核熱水力モデルに基づ
く炉心シミュレータ11により原子炉の運転状態を監視
する監視装置に、炉心のスクラム反応度を監視するスク
ラム反応度計算シミュレータ機能17を組み込むととも
に、スクラム反応度計算シミュレータ17における初期
の出力分布を補正する調整パラメータを、上述の炉心シ
ミュレータ11の結果として得られる中性子束分布に基
づいて作成する機能16を加えることにより、その解析
精度を向上させ種々のプロセス計測量及び上述の監視装
置によって算出される燃焼度履歴、ボイド履歴、中性子
スペクトル履歴などの履歴パラメータや炉心内中性子束
分布を用いて各運転状態に対応したスクラム反応度を監
視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉炉心運転状
態の監視装置に係り、特にスクラム反応度を監視する監
視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用原子炉においては、原子炉の運転
状態を確認するために、運転中の原子炉の状態を常時監
視する装置が備え付けられている。この技術は、特開昭
50−94393号公報に紹介されている。
【0003】この監視装置は、運転中の原子炉から得ら
れる各種プロセス計測量(例えば、炉心流量や炉心圧力
などの物理量を指していう)を用いて、定められた三次
元核熱水力モデルに基づいて炉心内の出力分布やボイド
分布を計算する機能を有している。こういった仕組み、
すなわちプラントに直結した炉心監視装置によって、運
転中の原子炉から得られる各種プロセス計測量を直接取
り込んで、所定の解析を実施する方法を、オンラインに
よる計算と呼ぶ。一方、プラントに直結していない装置
で解析する方法をオフラインによる計算と呼ぶ。オフラ
インによる解析では、オンラインによる計算結果を取り
込むことにより精度の良い解析となるが、その一方で解
析の効率は悪い。
【0004】上述の監視装置に備わっている三次元核熱
水力モデルには、炉心内に設置された中性子計測器また
はガンマ線検出器より得られた中性子束分布やガンマ線
束分布に基づいて計算モデルを補正するパラメータを作
成する機能を有している。従ってこのような機能を有す
る炉心監視装置から得られる出力分布やボイド分布は極
めて精度の高いものとなる。また、燃焼の履歴や、それ
に伴うボイド履歴や中性子スペクトルの履歴を記憶し、
あらかじめこれらの変数によってフィッティングされた
核定数を用いることで、更なる解析精度向上を図ってい
る。
【0005】さらに、この炉心監視装置は原子炉内の熱
的特性を示すパラメータを計算する機能も有しており、
運転中の原子炉が熱的制限値を守って運転しているかど
うかを常時監視することが出来る。この機能により炉心
状態を監視することにより、運転中の原子炉において熱
的制限値が上昇傾向を示した場合などは、事前に制御棒
挿入量や制御棒挿入位置(以下、制御棒パターンと称す
る)などの運転条件を変更することで熱的制限値を守っ
た運転を継続するような措置を講ずることが可能となっ
ている。すなわち、常時原子炉の運転状態を監視するこ
とにより、制御棒パターンなどの運転条件に過度の余裕
を見込むことなく、原子炉の運転を継続することが可能
となるので、運転の融通性の拡大にもつながっている。
【0006】また、運転監視装置は、現在の炉心の状態
を知るだけでなく、将来の炉心状態を予測する機能も備
えている。すなわち、炉心流量、制御棒パターンを変更
して運転状態を変化させる場合において、想定される運
転操作に伴って変化する炉心状態を予測することが可能
である。この機能を用いれば、想定される運転操作を行
なった後でも運転制限値を守った運転が出来るかを確認
することが出来、仮にその想定される操作によって運転
制限値を満足しなくなることが示された場合は、事前に
運転条件を変更して再度確認するといった操作を迅速に
行なうことが可能となる。
【0007】時々刻々変化する炉心の現在の状態及び将
来の状態を正確に早く知ることは原子炉炉心管理上重要
であり、上述の監視装置は炉心監視上の点からも大きな
意義がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】炉心の運転状態を規定
するパラメータには、最大線出力密度や最小限界出力比
といった熱的制限値のほかに、スクラム反応度がある。
原子炉は、運転状態の異常を検知した場合において、制
御棒を一斉かつ迅速に炉心内に挿入することで原子炉の
運転を速やかに停止する機能を有しており、この機能を
スクラム機能と呼ぶ。またスクラム反応度とは、このス
クラムに伴って原子炉炉心に投入される負の反応度を指
す。すなわち、運転状態にある原子炉を確実に停止する
ためにこのスクラム反応度は、常に所定以上の値を保っ
ていなければいけない。
【0009】従来の炉心監視装置においては、各種プロ
セス計測量(炉心流量、制御棒パターン、炉内中性子束
分布、炉内ガンマ線束分布など)を用いて時々刻々変化
する炉心状態を反映して原子炉の運転状態を監視してい
るが、上述のスクラム反応度に関してはオンライン計算
の機能は有していなかった。そのため、スクラム反応度
に関してはオフラインで解析を実施して、各々の運転状
態における値を算出していた。
【0010】そのため、運転時のスクラム反応度を確認
する場合は、オフラインで運転状態を再現した解析を用
いることになり、各運転状態にリアルタイムに対応した
スクラム反応度は得られなかった。
【0011】また、運転状態の炉心におけるスクラム反
応度を確認することは、運転員にとって相当の手間と時
間を要するものであった。運転条件を変更した後の炉心
でのスクラム反応度を予測する解析を実施する場合にお
いても、このような課題は存在していた。また、スクラ
ム反応度をオフラインで計算していたので、運転中の炉
心において常にスクラム反応度が満足されていることを
担保するため、スクラム反応度にはある程度の余裕を持
たせた運転を行っており、原子炉運転上の制約にもなっ
ていた。
【0012】本発明の目的は、炉心の状態を適切に反映
してオンラインでスクラム反応度を評価できる運転監視
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、調整パラ
メータ及び前記炉心状態の各種プロセス計測量及び前記
炉心監視結果の出力を用いて各運転状態に対応したスク
ラム反応度を監視する手段と、前記炉心監視結果の出力
分布を用いて前記スクラム反応度監視手段によって算出
される初期の出力分布を調整するための前記調整パラメ
ータを作成する手段とを備えたことによって達成され
る。
【0014】また上記の目的は、原子炉炉心の運転条件
を変更した場合に、前記原子炉運転状態監視装置は、炉
心状態を予測する機能を有し、前記スクラム反応度監視
手段は、前記予測される炉心状態に基づいてスクラム反
応度を予測する機能を有するものであることによって達
成される。
【0015】上記手段によると、炉心監視装置にスクラ
ム反応度監視機能を組み込み、オンラインによる解析を
可能とするとともに、そのスクラム反応度の解析に必要
な入力パラメータとして種々のプロセス計測量や炉心監
視の結果を用いることで時々刻々変化する炉心状態に対
応したスクラム反応度を監視することを実現している。
さらに、スクラム反応度計算部においてその初期出力分
布を炉心シミュレータの三次元中性子束分布に基づいて
算出された軸方向平均出力分布に一致するように調整す
るパラメータを作成する機能を付加することにより、解
析精度の向上を図っている。これにより、個々の炉心状
態を正確に反映したスクラム反応度をオンラインで求め
ることが可能となる。
【0016】また、運転条件の変更をした後の炉心状態
におけるスクラム反応度を予測する機能を付加すること
で、運転条件変更後のスクラム反応度の予測も迅速且つ
精度良く行なうことが可能となる。さらには、スクラム
反応度をオンラインにより監視することによって、従来
技術によりスクラム反応度を評価していた際のように、
スクラム反応度に過度の余裕を持たせる必要もなくな
り、運転の融通性も拡大する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0018】図1に示すように、炉心監視装置はあらか
じめ定められた核熱水力モデルを組み込んだシミュレー
タ部(1c)において各々の運転状態に対応した出力分
布を計算する。このシミュレータはその解析精度を高め
るために、実際の炉心内部において測定された出力分布
を利用して学習する機能を有している。すなわち、炉心
監視装置は炉内に配置されている複数の計測器(1d)
(中性子検出器またはガンマ線検出器)によって測定さ
れた中性子束分布あるいはガンマ線束分布と、炉心監視
装置によって計算された中性子束分布あるいはガンマ線
束分布(1g)を比較器(1e)において定期的に比較
し、双方が一致するような補正パラメータ(1f)を作
成する機能を有している。
【0019】この補正方法の一例としては、軸方向の出
力分布を一致させるために、バックリングを補正する方
法が考えられ、この際の補正パラメータとは炉心のバッ
クリングを補正することにより炉心からの中性子の漏れ
量を補正するパラメータを指していう。もちろん他の定
数を適切に補正する方法も考えられる。このような補正
パラメータを作成する機能を学習機能と称し、これによ
って作成された補正パラメータは、常にシミュレータが
炉心内部の中性子束分布を正確に計算できるように逐次
蓄積(1k)されていく。
【0020】一方、スクラム反応度の解析は、解析の対
象となる炉心の初期の状態(制御棒パターン、燃焼度や
ボイド、中性子スペクトル履歴など)を入力として、核
熱水力動特性計算を実施してスクラム挿入による反応度
印加量を算出するものである。そのスクラム反応度計算
はシミュレータ部(1n)において計算される。
【0021】一般にスクラム反応度解析では、原子炉軸
方向に制御棒が挿入されることによる反応度投入を扱う
ので、その初期状態の出力分布や制御棒パターンに対す
る感度が大きいことが知られている。
【0022】本発明では、このスクラム反応度計算機能
をオンラインの炉心監視装置に組み込むとともに、スク
ラム反応度計算部においてその初期出力分布を炉心シミ
ュレータの三次元中性子束分布に基づいて算出された軸
方向平均出力分布に一致するように調整するパラメータ
を作成する機能(1t)を付加することにより、スクラ
ム反応度の解析精度を向上させることを特徴としてい
る。
【0023】つまり、このスクラム反応度の計算におい
ても、実際の炉心の中性子束分布を反映した炉心監視装
置の結果を参照し、炉心の状態を正確に反映した核定数
(1h)を用いることで、より精度のよいスクラム反応
度を求めることが出来るとともに、その時々に即応した
スクラム反応度を迅速に算出することが可能となってい
る。また、従来技術のようにオフラインによる方法でス
クラム反応度を評価していた際のように、スクラム反応
度に過度の余裕を持たせる必要もなくなるメリットもあ
る。
【0024】図1は、本発明を採用した炉心監視装置の
第1の実施形態である。すでに説明したように炉心監視
装置1に備わっているシミュレータ11は炉心状態デー
タ(1a)(炉心圧力、炉心流量、制御棒パターン等)
4を入力として、あらかじめ定められた核熱水力モデル
にしたがってシミュレータ結果(1m)15の炉心内の
三次元中性子束や、燃焼に伴う履歴パラメータを算出す
る。
【0025】本実施形態では、シミュレータ17によっ
てスクラム反応度(1n)を計算する際に、上述のシミ
ュレータ11の出力として得られた三次元中性子束や燃
焼に伴う履歴パラメータ(ボイド履歴、燃焼度履歴、中
性子スペクトル履歴など)(1m)及び炉心状態データ
(1a)、核定数(1h)18を用いることを特徴とし
ている。これにより、炉心の状態を正確に反映したスク
ラム反応度を算出することが可能となる。
【0026】スクラム反応度の解析は、核熱水力動特性
計算モデルに基づいて、スクラム反応度計算シミュレー
タ17で行われる。本実施形態においては、まず本該熱
水力動特性計算モデルに基づいて算出される初期出力分
布(定常状態)と、上記シミュレータ11の三次元中性
子束分布に基づいて算出された軸方向平均出力分布が一
致するような計算を実施する。
【0027】この際にスクラム反応度の解析コードにお
いてはその出力分布を一致させるために、調整パラメー
タ(1t)16を作成する。このパラメータの一例とし
ては、炉心からの中性子の漏れを調整するパラメータで
あるバックリングを挙げることが出来、このバックリン
グを調整することでその出力分布を一致させる。もちろ
ん、他のパラメータを適切に調整して双方の出力分布を
一致させる方法も考えられる。
【0028】次に、シミュレータ11の算出した出力分
布とスクラム反応度計算シミュレータ17の算出した初
期出力分布が一致した後に、動特性計算を行うことによ
りスクラム反応度を算出する。つまり、スクラム反応度
の解析における初期の出力分布を、炉心の状態を正確に
反映したシミュレータ11の出力値にあわせることによ
って、より正確なスクラム反応度の解析が可能となるの
である。また、この解析に用いられる核定数(1h)及
び燃焼に伴なう履歴パラメータ(1m)などはシミュレ
ータ11によって求められた実際の炉心の状態に即応し
た燃焼度やボイド履歴、あるいは中性子スペクトル履歴
を反映しているので、この方法によって求められるスク
ラム反応度は精度の高いものとなる。
【0029】このスクラム反応度の解析は、運転員の要
求19があるたびに実行することが可能であり、本発明
に示されるように、オンライン機能としてスクラム反応
度解析を実行できるようにすれば、必要な際にはいつで
も迅速にその炉心の状態を適切に反映したスクラム反応
度を評価することが可能となり、運転中の原子炉が所定
のスクラム反応度を有していることを迅速かつ正確に確
認することが出来る。このように常時オンラインにて精
度良くスクラム反応度を監視することにより、運転中の
原子炉におけるスクラム反応度が悪化する傾向を示し始
めた場合においても、事前に制御棒パターンなどを変更
することにより、常に所定のスクラム反応度を満足した
運転を継続するよう適切な措置を講ずることが可能とな
る。従って、従来技術によるオフラインでのスクラム反
応度監視時のように、スクラム反応度に過度の余裕を持
たせた運転を行う必要もなくなり、運転の融通性も拡大
するという利点もある。
【0030】なお、炉心シミュレータ部11とスクラム
反応度計算シミュレータ部17は、前者が炉心の静特性
を解析するのに対し、後者は動特性を解析するといった
具合に、異なる物理モデルに基づいているために、通常
別々の部分にて解析を行なうことになる。
【0031】図2は、本発明を採用した炉心監視装置の
第2の実施形態である。本実施形態で示す炉心監視装置
2には、炉心の流量や制御棒パターンなどの変更に伴う
運転状態の変更条件(1p)(炉心流量、制御棒パター
ンなど)6を入力として、その変更を適用した場合の炉
心状態におけるスクラム反応度を、運転員の要求27が
あった際に予測する機能を備えている。すなわち、原子
炉運転条件が変更された場合、炉心シミュレータ21は
変更条件(1p)を入力して、条件を変更した場合の炉
心状態を予測する。これによりスクラム反応度計算シミ
ュレータ25は前記炉心シミュレータ21によって予測
される炉心状態に基づいてスクラム反応度を予測する。
【0032】スクラム反応度は、炉心流量の変化に伴う
軸方向出力分布の変化や制御棒パターンの変更といった
炉心の状態変化によって変動するため、こういったスク
ラム反応度の予測機能を備えることによって、運転状態
を変更した場合でも必要なスクラム反応度を確保した状
態での運転が可能であるかを、適宜精度よく予測するこ
とが可能となる。これは、シミュレータ21が予測する
運転条件変更後の出力分布は、現在の炉心の最新の状態
を反映したものであること、また解析に用いる核定数も
運転の履歴(燃焼度履歴やボイド履歴、中性子スペクト
ル履歴)を反映したものであることにより、その精度は
オフラインによる解析結果よりも良いことに起因する。
【0033】仮に、予測計算の結果において、運転状態
を変更要求に従って変化させた後の炉心においてスクラ
ム反応度が所定の要求量を満足していないことが示され
た場合は、別の制御棒パターンや流量の組み合わせを再
度設定し、これに伴う炉心状態の変化後においてもスク
ラム反応度が所定の要求量を満たすことを確認すること
ができる。従来のオフラインによるスクラム反応度の解
析方法と比較して、本発明のオンラインによる確認方法
ではこの確認を迅速に行うことが出来るため、運転員の
負担低減にもつながる。また、従来技術でのオフライン
による解析方法を適用していた際に見込んでいた過度の
余裕を考慮する必要もなくなる利点もある。
【0034】図3は、本発明を採用した炉心監視装置の
第3の実施形態である。本実施形態では、第1の実施形
態で説明したスクラム反応度計算機能を有する炉心監視
装置3において、そのスクラム反応度計算シミュレータ
37によって算出されたある炉心状態におけるスクラム
反応度と、あらかじめ設定されている炉心が満足しなけ
ればいけないスクラム反応度の制限値とを比較するスク
ラム反応度比較部38を有すると共に、この比較結果を
表示する表示部41を有することを特徴としている。こ
れにより、原子炉の運転員40は、運転中の原子炉がど
の程度スクラム反応度の余裕を持った運転をしているか
を容易に認識することが出来ると共に、このスクラム反
応度の余裕が減少する傾向を示した場合には、必要な措
置を迅速に講じることが出来ることになる。この実施例
に示されるような、スクラム反応度比較機能は、前述の
第2の実施形態に付加してもよい。
【0035】以上の各実施形態で示されたように、本発
明を適用しオンラインでスクラム反応度を予測できる炉
心監視装置によれば、個々の炉心状態に対応したスクラ
ム反応度を精度良く、迅速に求めることが可能となる。
また、従来技術によりスクラム反応度をオフラインで解
析していた際のように、運転中の炉心において常にスク
ラム反応度が満足されていることを担保するために見込
んでいた、スクラム反応度に対する余裕が不用になり、
運転方法にも融通性が得られるようになる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、原子炉の運転状態を監
視する炉心監視装置に、オンラインでスクラム反応度を
監視する機能を設けて、スクラム反応度をオンライン状
態にて監視できるようにするとともに、スクラム反応度
計算部においてその初期出力分布を炉心シミュレータの
三次元中性子束分布に基づいて算出された軸方向平均出
力分布に一致するように調整するパラメータを作成する
機能を付加したことにより、運転中の炉心状態を正確に
反映したスクラム反応度の評価をリアルタイムで実施す
ることが可能となり、しかも、スクラム反応度の解析結
果の精度が向上する。
【0037】また、制御棒パターンや炉心流量などの運
転条件を変更させた際に、スクラム反応度が要求量を満
足するかを確認する予測機能を付加したことで、運転条
件の変更後の炉心においてもスクラム反応度を満足した
運転が可能であるかの確認を迅速かつ正確に行うことが
出来る。
【0038】また、従来技術によりスクラム反応度をオ
フラインで解析していた際のように、運転中の炉心にお
いて常にスクラム反応度が満足されていることを担保す
るために見込んでいた、スクラム反応度に対する余裕が
不要になり、運転方法にも融通性が得られるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成図。
【符号の説明】
1,2,3…炉心監視装置(1b)、4…炉心状態デー
タ(1a)、5…計測器(1d)、6…炉心状態変更条
件(1p)、11,21,31…炉心シミュレータ(1
c)、12,32…比較器(1l)、13,33…補正
パラメータ(1f)、14,22,34…蓄積補正パラ
メータ(1k)、15.23,35…シミュレータ結果
(1m)、16,24,36…調整パラメータ作成(1
t)、17,25,37…スクラム反応度計算シミュレ
ータ(1n)、18,26,39…核定数(1h)、1
9,27,40…運転員による計算要求(1r)、38
…スクラム反応度比較部(1w)、41…スクラム反応
度比較結果表示部(1x)。
フロントページの続き (72)発明者 白神 久之 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング 株式会社内 Fターム(参考) 2G075 AA03 BA03 CA08 CA38 CA39 DA18 FA20 FB05 FB07 FB17 FB18 FC06 FC11 GA15 GA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉炉心の炉心流量や中性子束分布あ
    るいはガンマ線束分布その他の炉心状態の各種プロセス
    計測量を取り込み、それに基づいて炉心計算モデルを補
    正するパラメータを作成し、該補正パラメータによって
    補正された炉心計算モデルに基づいて原子炉の運転状態
    を監視する炉心監視装置において、調整パラメータ及び
    前記炉心状態の各種プロセス計測量及び前記炉心監視結
    果を用いて各運転状態に対応したスクラム反応度を監視
    する手段と、前記炉心監視結果の出力分布を用いて前記
    スクラム反応度監視手段によって算出される初期の出力
    分布を調整するための前記調整パラメータを作成する手
    段とを有する原子炉炉心監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子炉炉心監視装置にお
    いて、前記原子炉炉心の運転条件を変更した場合に、前
    記原子炉運転状態監視装置は、炉心状態を予測する機能
    を有し、前記スクラム反応度監視手段は、前記予測され
    る炉心状態に基づいて、スクラム反応度を予測する機能
    を有するものであることを特徴とする原子炉炉心監視装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の原子炉炉心監視
    装置において、前記スクラム反応度監視手段の出力する
    スクラム反応度をあらかじめ定められたスクラム反応度
    の制限値と比較する手段を有することを特徴とする原子
    炉炉心監視装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の原子
    炉炉心監視装置において、上記スクラム反応度監視手段
    は、運転員の要求があるたびにオンラインでスクラム反
    応度解析を実行する機能を有するものであることを特徴
    とする原子炉炉心監視装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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