JP7384843B2 - 高収率でのmmaの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタクロレインの直接酸化的エステル化により、従来技術よりも高収率でメチルメタクリレートを製造する方法に関する。メチルメタクリレートは、ポリマーおよびコポリマーを製造するために、他の重合性化合物と一緒に大量に使用される。さらに、メチルメタクリレートは、相応するアルコールとのエステル交換により製造可能な様々なメタクリル酸(MAA)系特殊エステルの重要な構成要素である。このことから、この出発物質のための可能な限り簡便で、経済的かつ環境に優しい製造方法に大きな関心が寄せられている。
特に、本発明は、メタクロレインの酸化的エステル化の反応器排出物を最適に後処理することに関し、この後処理によれば、特定の副生成物を単離し、さらに続いて、アルキルメタクリレート、特にMMAに反応させることができる。
背景技術
今日では、メチルメタクリレート(MMA)は、C、CまたはC構成要素から出発する様々な方法を用いて製造されている。これらの方法のうちの1つにおいて、MMAは、不均一系触媒を用いて気相中でイソブチレンまたはtert-ブタノールを空気中の酸素と酸化させてメタクロレイン(MAL)にし、続いて、メタノールを使用してメタクロレインを酸化的エステル化反応させることより得られる。ASAHIにより開発されたこの方法は、特に、米国特許第5,969,178号明細書および米国特許第7,012,039号明細書に記載されている。この方法の欠点は、特に、エネルギー需要量が非常に高いことである。
以下のスキーム1には、C(イソブテンまたはtert-ブタノール)から出発するいわゆるAsahi法によるMMAの製造が概略的に図示されており、これは、MALを中間単離し、続いて、副生成物としてのメタクリル酸(MAA)を形成しながら、MALをメタノールによりMMAへと酸化的エステル化(略して「DOE」)するステップを有する。
Figure 0007384843000001
この方法のさらなる発展形態では、メタクロレインは、第1の段階でプロパナールおよびホルマリンから得られる。そのような方法は、国際公開第2014/170223号に記載されている。
米国特許第5,969,178号明細書には、イソブテンまたはtert-ブタノールを酸化的に反応させてメタクロレインにし、続いて酸化的エステル化してMMAにする方法が記載されている。この第2の段階では、含水量が減少したメタクロレインとメタノールとの液体混合物を、分子状酸素およびパラジウム触媒により反応させ、その際、このパラジウム触媒は、たいていの場合、パラジウム-鉛触媒として担体上に存在する。その後、第1の蒸留段階で、メタクロレインとメタノールとの混合物は、カラム頂部よりも下方で酸化的エステル化の粗生成物から分離され、その一方で、低沸点成分は、頂部を経由して除去される。その後、MMA含有缶出液は、第2蒸留段階に送られ、そこでメタノールと飽和炭化水素との共沸混合物が頂部を経由して分離される。粗MMA含有缶出液は、さらなる後処理に送られ、その一方で、頂部を介して得られた画分からは、相分離器および第3の蒸留カラムによりメタノールが単離され、反応器に返送される。その際、メタノールは、共沸混合物が形成されることから比較的多くの水を含有する可能性があるため、脱水に送られる必要があることを考慮すべきである。
この方法の代替として、米国特許第5,969,178号明細書には、1つのカラムのみでの後処理が開示されているが、このカラムにおいて、供給物は底部よりも上方になくてはならない。反応器排出物からの低沸点成分が、頂部を介してこのカラムから取り出される。底部には、粗MMAと水との混合物が残り、この混合物は、さらなる後処理に送られる必要がある。最終的に、メタクロレインとメタノールとの混合物は、反応器へ返送することを予定して側流を介してカラムから取り出されるが、この側流の正確な位置を最初に決定する必要があり、またその位置を様々なシーブトレイの追加により調整することができる。ここで、米国特許第5,969,178号明細書自体が、そのような方法は様々な共沸混合物を理由に実施困難であることを指摘している。さらにここでは、副生成物として常に存在するメタクリル酸が特に大きな役割を果たす。この方法によれば、たとえ米国特許第5,969,178号明細書において言及されていないとしても、メタクリル酸を分離すれば、廃棄に送るべき相中にメタクリル酸が残留し、単離の有益性が限られることになるであろう。しかしそれにより、この方法のメタクリル生成物の全体的な収率は低下する。
米国特許第7,012,039号明細書には、酸化的エステル化の反応器排出物について若干異なる後処理が開示されている。ここでは、第1の蒸留段階において、メタクロレインがシーブトレイを介して頂部を経由して留去され、MMA含有水性混合物が、底部から相分離器に送られる。この内部で、混合物は、硫酸の添加により、約2のpH値に調整される。次に、硫酸酸性水は、遠心分離により有機相または油相から分離される。この有機相は、さらなる蒸留において、高沸点成分と、頂部を介して抜き取られるMMA含有相とに分離される。その後、MMA含有相は、第3の蒸留において低沸点成分から分離される。その後、最終精製のために第4の蒸留がさらに行われる。この方法の問題は、大量に添加される必要があり、かつ設備の部品に腐食作用を及ぼす可能性のある硫酸である。したがって、これらの部品、例えば、特に相分離器または同じく第2の蒸留カラムは、これに適した材料から作製されている必要がある。さらに、米国特許第7,012,039号明細書では、同様に生じるメタクリル酸または生成物中に残っている残留メタノールの取り扱いについても触れられていない。しかしながら、前者は蒸留段階で一緒に分離され、その一方で、メタノールは部分的にしかメタクロレインと一緒に取得および返送することができず、残りはおそらく第3の蒸留段階で失われると考えられる。
国際公開第2014/170223号には、米国特許第7,012,039号明細書と類似した方法が記載されている。唯一の相違点は、本来の反応では、メタノール性水酸化ナトリウム溶液を循環路に添加することによりpH値が調整される点にある。挙げられた2つの公報に記載されているように、この方法がpH調整なしで実施されると、反応が「酸性化」する。7未満のpH範囲では、これによりメタクロレインのアセタールの形成が増加し、これは、手間をかけて分離または加水分解により開裂させる必要がある。さらに、酸化触媒の活性は、特にpH値に依存する。pH7未満の条件の場合、触媒は、反応マトリックスのpH値が低下するにつれて次第に活性の低下を示すが、これは望ましくない。さらに、pH調整は、特に触媒の保護に役立つ。さらに、相分離における水相の分離は、塩含有量を理由に、より容易である。ただし、これは、生成されるメタクリル酸がナトリウム塩として存在し、後に水相とともに分離されて廃棄されることにも繋がる。相分離において硫酸を添加する変形形態の場合、遊離酸はたしかに回収されるものの、生じる硫酸(水素)ナトリウムが犠牲になり、これは、廃棄において他の問題を引き起こす可能性がある。
基本的に、また従来技術を総括すると、アルコールとしてのメタノールの存在下でのメタクロレインまたは同じくアクロレインの酸化的エステル化では、総じて、不飽和アルデヒドの直接酸化的エステル化の場合、様々な高沸点成分が生じる。これらの高沸点物質は、生成物として望ましいメチルメタクリレート(MMA)よりも沸点が高いので、99質量%を大幅に上回る適切な純度のモノマーを生成するための後のMMAの単離において、MMAから分離される必要がある。これらの副生成物、特にメタクリル酸、メトキシイソ酪酸メチルエステル、二量体メタクロレイン(アルデヒド)および二量体メタクロレインの相応するエステルは、かなりの量で生成し、所望のMMAの収率に著しく悪影響を及ぼす可能性がある。これらは生成されるMMAから分離される必要があるので、同様に、これらの物質を、廃棄、最も単純な場合では、焼却、蒸気回収を伴う熱利用、または浄水設備における生物学的分解に送る必要性が生じる。
副生成物のうちの1つは、水の存在下でDOE反応において形成されるメタクリル酸であり、これは通常、連続的な反応実施時に、2~20質量%の定常濃度で反応器内に存在する。DOE反応が一定のpHで実施される場合、この形成されるメタクリル酸は、アルカリ性または塩基性の助剤、最も単純な場合はアルカリ金属化合物で少なくとも部分的に中和される。
この反応では、メタノールとメタクロレインとのマイケル付加生成物であるメトキシイソブチラールも同様に形成される。このメトキシイソブチラールは、副反応として、DOE条件のもと、酸素含有ガスおよび例えばメタノールの存在下で、少なくとも部分的にメトキシイソ酪酸メチルエステル(MMIB)へと反応される。この反応は、アルカリ触媒されており、すなわち、DOE反応のpHを制御するために使用される塩基を添加することにより必然的に形成される。総じて、メトキシイソブチラールの形成、ひいてはMMIBの連続的な形成は、pHが増加するにつれてより顕著になることが観察されている。使用される触媒と、反応器内におけるDOE反応の定常pHの選択とに応じて、この副生成物は、0.1%~5%まで形成される。
従来技術、例えば、Knoerr等の独国出願公告第1279015号明細書には、アルコキシプロピオン酸アルキルエステルを熱的および触媒的に開裂させて不飽和アクリル酸エステルを得る方法が記載されている。ここでは、出発物質として純粋な物質が使用され、また純粋なβ脱離が記載されている。
国際公開第2016166525号の出願において、Luciteは、メトキシイソ酪酸メチルエステルをメタノールおよびメチルメタクリレートへと触媒的に塩基誘導性開裂させることを記載している。ここでは、出発物質としての純粋な物質が、95℃の保護ガス雰囲気のもとで使用される。しかしながら、反応率はわずか37%である。
以下のスキーム2には、反応マトリックス(例えば、エチレン、合成ガスおよびホルマリンを用いてメタクロレインを得る。記載のように、イソブテンまたはtert-ブタノールからメタクロレインを得ることも可能である)が図示されており、特に目的生成物MMA、ならびに高沸点副生成物MAA、MMIB、DIMALおよびDIMALエステルの形成が示されている:
Figure 0007384843000002
DOE反応の生成物マトリックス中には、アルカリ中和されたメタクリル酸、例えばメタクリル酸ナトリウム、ならびにスキーム2に記載のさらなる副生成物に加えて水、メタノール、MMA、遊離メタクリル酸を含有する混合物が生じる。
総括すると、従来技術による方法の以下の態様は、特に互いに組み合わせて改善する余地がある。
- MMA収率が可能な限り高いこと
- 副生成物であるメタクリル酸をメチルメタクリレートへと反応させて単離すること
- 副生成物であるメトキシイソ酪酸メチルエステル(MMIB)をメタノールおよびMMAへと反応させて、生成されたメタノールを返送すること、またはMAAをMMAへと反応させるクロスエステル交換(Kreuzumesterung)の意味合いでMMIBを使用すること
- 二量体メタクロレインおよび相応するDIMALエステルをMMAおよびメタクロレインへと少なくとも部分的に反応させること
- 副生成物の再循環の度合いが可能な限り高いこと
- 廃棄流および排気ガスが可能な限り清浄であること。
課題
したがって、従来技術を考慮した上で本発明の課題は、従来の方法の欠点がなく、かつ従来技術に比べてより高い収率をもたらす、メタクロレインの酸化的エステル化のための技術的に改善された方法を提供することであった。
特に、本発明の課題は、メタクロレインをメタノールによりMMAにする酸化的エステル化の粗生成物の後処理の改善を実現し、それにより、従来技術に比べてそのようなプロセスの全体的な収率を改善することであった。
さらに、プロセスにおいて形成される可能な限り多くの副生成物、特に、メトキシイソ酪酸アルキルエステルおよびメタクリル酸を、可能な限り多く単離し、アルキルメタクリレートの製造のために収率を上げて提供することが課題であった。本発明のさらなる明示的な課題は、これらの副生成物のうちの複数種を単一のプロセスステップでMMAに反応させることをできる限り可能にし、かつ好ましくは粗生成物の後処理において、いずれの場合もMMAの単離に必要である方法ステップに基づいて構築されているプロセスを見出すことであった。特に、これは、すでに他の理由から存在するカラム、相分離器、抽出器、または一般的な機器に基づいて課題を解決することを指す。
特に廃棄物流中の有機成分および酸の生成を低減することにより可能な限り低い廃棄コストで実施することが可能な方法を提供することも、特に課題であった。
解決策
これらの課題は、反応器I内での第1の反応段階にてメタクロレインが生成され、これが、反応器II内での第2の反応段階にて、アルコール、好ましくはメタノールにより、アルキルメタクリレート、好ましくは相応してMMAへと酸化的エステル化される、アルキルメタクリレートの製造方法により解決され、この方法は、本発明によると、a.反応器IIの反応器排出物が、大部分のアルキルメタクリレートを含有する画分と、メタクリル酸およびアルコキシイソ酪酸アルキルエステル(MAIB)を含有する第2の画分とに分離される点で優れている。アルコールがメタノールである好ましい場合において、MAIBはメトキシイソ酪酸メチルエステル(MMIB)である。
さらに、本発明による方法は、b.MAIBおよびメタクリル酸からさらなるアルキルメタクリレートが形成されるように、この第2の画分が反応器III内で反応される点で優れている。この化学変換は、スキーム3に図示されており、ここでは、この反応は、例えばMAAおよびMMIBを用いて示されている:
Figure 0007384843000003
ここで非常に有利なことに、1つの副生成物(MMIB)の開裂によりメタノールが放出されることを示すことができ、これは、第2の副生成物、すなわちメタクリル酸MAAを反応させてMMAを形成するクロスエステル交換の意味合いで必要とされる。痕跡量で形成される3-メトキシイソ酪酸も、この反応において反応されて、まず3-MMIBになり、次にMMAになる。
これらの反応はすべて、同時に、好ましくは単一の装置または個別の反応器内で行われるので、最終的には、多くの副生成物がターゲット生成物MMAに反応される。
上記の2つの反応段階を有するMMA合成法は、特に米国特許第5,969,178号明細書、米国特許第7,012,039号明細書および国際公開第2014/170223号において参照することができる。本発明による可能なフロー図は、図1に示されている。
ここでは、本発明によると、メタクロレイン合成法の第1の段階は自由に選択可能である。本発明による方法は、tert-ブタノールまたはイソブチレンに基づく第1の段階の合成と、プロパナールおよびホルマリンに基づく第1の段階の合成のどちらにも適用することができる。
プロパナールおよびホルマリンに基づくメタクロレインの製造においても、原則として方法変形形態が2つあり、これらは、本発明によると、DOE反応で使用可能なメタクロレイン品質をもたらす。一方では、プロパナールおよびホルマリンを、撹拌式またはポンプ輸送式の反応器内にて、20℃~120℃の温度、1bar~10barの圧力で反応させることができる。その際、十分な反応率を達成するには、10分超の反応時間が必要とされる。他方では、これらの出発材料からMALを生成することができ、その際、反応は、10~100barの中程度の圧力、120℃~250℃の間の比較的高い温度、2秒~20秒の反応時間で、所望の高収率になる。
酸化的エステル化は、液相中で、2~100barの圧力、好ましくは2~50barの範囲の圧力、および10~200℃の範囲の温度で、不均一系触媒を用いて実施されることが好ましい。不均一系触媒は、原則的に、20nm未満、好ましくは0.2~20nmの粒径を有する担持された金含有ナノ粒子である。反応段階(A)は、残りのプロパナールなどの低沸点物質および/または二量体メタクロレインなどの高沸点物質を分離するための、任意かつ好ましさがより低い蒸留カラムIIを有していてもよい。
ステップaで、少なくとも1回の抽出および/または蒸留による分離が行われることが特に好ましい。その際、複数回の蒸留ステップまたは抽出ステップ、また同様に少なくとも1回の蒸留と少なくとも1回の抽出との組み合わせも使用することが可能である。
本発明による方法において、本方法は、第1の蒸留カラム内で、反応器IIの反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールが除去され、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、MMIB、ならびにアルコールを含有する流を得るように実施されることが極めて特に好ましいと判明した。続いて、この流が、強酸と混合され、抽出にて、アルキルメタクリレート、MAAおよびMMIBを含有する疎水性相と、水、アルコール、ならびに反応における残りのより少量の主要生成物および副生成物を含有する親水性相とに分離される。
その代わりに、かつ同様に好ましくは、本発明による方法は、第1の蒸留カラム内で、反応器IIの反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールが除去され、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、MMIB、ならびにアルコールを含有する流を得るように実行される。メタクリル酸は、本方法のこの時点において、遊離有機酸の形態で、またはアルカリ金属塩として、または遊離酸とアルカリ金属塩との混合物の形態で存在し得る。任意選択的に、酸性化により、例えば混合物をブレンステッド酸と混ぜることにより、塩として存在する酸が遊離酸になる。
続いて、この流は抽出に供され、この抽出において、主にMMAを含有しているが部分的に有機副生成物MAAおよびMMIBも含有している有機相が得られる。抽出後に得られる有機相は、第2の蒸留において、アルキルメタクリレートおよびアルコールを含有する低沸点相と、水、MMIBおよびメタクリル酸を含有する高沸点相とに分離される。
したがって、本発明による方法では、特に反応器II内での、DOE反応の副生成物からの有価物質MMAの分離が、特に有利である。驚くべきことに、特に、MAA、MMIB、DIMALおよびDIMALエステル、ならびにHIBA異性体からのMMAの分離が、本発明により実現可能である。
その後、本発明の第2の態様によると、この上記の高沸点相は、さらなる反応に供され、DOEの副生成物は、所望の主要生成物MMAに反応される。反応器III内で追加的に形成されたMMAにより、方法の全体的な収率が大幅に向上する。有利には、反応器III内で得られたMMA粗生成物は、主要プロセスの1つ以上の後処理カラムに送られる。
反応器III内での反応もまた、好ましくは少なくとも90℃、特に好ましくは少なくとも110℃、極めて特に好ましくは120℃~170℃の温度で行われる。したがって、この反応は、触媒を添加せずに純粋に熱的に実施することが可能である。この反応は、特にブレンステッド酸であり得る触媒の存在下で熱的に行われることが特に好ましい。
第3の代替形態では、この反応は、そのような触媒の存在下で、130℃未満の温度でも行うことも可能である。
ブレンステッド酸が強酸であると特に好ましい。本発明によると、強酸とは、メタクリル酸よりも強い酸であると理解される。これは、この酸が通常条件のもとメタクリル酸よりも低いpKa値を有することを意味する。ここで、特に好ましい無機酸は硫酸である。好ましさがより低い有機酸は、例えば、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸であり得る。さらなる適切な鉱酸の例はリン酸である。ここでは、硫酸が特に適切な触媒であると判明している。総じて、酸性化してアルカリ金属メタクリレートからMAAを放出させるために使用される酸と同一の触媒酸を反応器IIIで使用することが有利である。
この方法における酸の第3の機能は、メタクロレインの障害となるアセタールを分解することである。したがって、最良の場合、複合設備内で1つの酸で済む。そのような汎用的に使用可能な酸の特に適切な例は硫酸であり、これは、使用機能に応じて異なる強度で濃縮されているか、または調整される。
さらに、反応器IIIの反応器排出物を、MMIBおよびメタクリル酸の分離後に得られるアルキルメタクリレート含有画分とともに、さらなる後処理にまとめて送ることが好ましいと判明した。ここで、この第2の画分は、一方では、方法ステップa)における本発明による分離後の、MMIBを含有していない流であり得る。しかしながら、この流をまず1つ以上のステップで最初に予備精製して、それから2つの画分をさらなる精製にまとめて送ることがより都合がよい。予備精製の選択は、例えば、反応器Iにおける第1の方法ステップについて選択されるプロセスおよびそこで使用される原料に依存する。実際の粗アルキルメタクリレートのこの予備精製は、例えば、高沸点物質のカラムであっても、低沸点物質のカラムであっても、または双方の直列接続された蒸留であってもよい。当然のことながら、その代わりに、またはそれと同時に、まず反応器IIIからの反応器排出物を予備精製して、それから、この画分を先に挙げた他の画分とまとめて送ることも可能である。また、この精製は、1回以上の抽出もしくは蒸留またはそれらの組み合わせであってもよい。この目的のために、精製から得られた使用済みの酸を、任意選択的に再び反応器IIIに再循環させてもよい。MALを分離するための蒸留カラムは、反応器IIの直後に配置されていることが特に好ましい。次に、これを反応器IIまたは上流の精製ステップに返送することができる。
本発明の部分的な態様としては、記載されている反応器I内でメタクロレインを製造することが本方法に即している。メタクロレインを製造する手法および方法についての概要は、Ullmanns Encyclopedia of industrial chemistry, 2012, Wiley-VCH Verlag GmbH, Weinheim, DOI: 10.1002/14356007.a01_149.pub2に十分に記載されている。
複数の方法変形形態がメタクロレインを製造するのに原理的に適していることを示すことができた。これらは、例えば以下の通りである:
a. 触媒、好ましくは、均一な酸(鉱酸または有機酸)および有機アミンの存在下で、2bar超の絶対圧力のもと、プロパナールおよびホルマリンからメタクロレインを製造すること。例は、特に、欧州特許出願公開第2998284号明細書または米国特許第7,141,702号明細書、特許第3069420号公報、特許第4173757号公報、欧州特許第0317909号明細書または米国特許第2,848,499号明細書に記載されている。DE32113681に準拠した方法も適しており、秒範囲の滞留時間で高い反応率および収率が達成される。ただし、後者の公報では、二量体メタクロレイン(「DIMAL」)の生成についても言及されており、これは最終的に損失を示す。これらの方法は、高温および高圧で行われ、反応物の滞留時間が短く、したがって反応器の容積が比較的小さいという利点がある。
b. 米国特許第4,408,079号明細書は、先に挙げた前述の方法とは対照的に、いくらかより低い温度および著しく長い滞留時間を有するプロセスを表し、したがってこれは、より大きな反応器の容積を必要とする。これらの方法は、2bar超の絶対圧力で実施される。ただし、同時にかなりより多くの量の触媒量(一部では50mol%にもなる)が必要になるが、その際、触媒溶液は再循環されてもよい。これらの方法変形形態では、通常、撹拌式もしくはポンプ輸送式の撹拌タンクまたはこれらのタンクのカスケードが使用されることが一般的である。この方法変形形態では、副生成物としてのDIMAL含有量がいくらかより多いことが特徴的であり、これは、比較的長い滞留時間と、それによりメタクロレインのディールス・アドラー反応がより多く生じることに起因する。
c. メタクロレインを製造するための第3の方法変形形態は、不均一系触媒を用いて気相中でイソブテンまたはtert-ブタノールを300℃超の温度で水蒸気および酸素含有ガスにより反応させ、続いて単離することを特徴とする。多くの下位の変形形態および使用可能な触媒系、ならびに単離の選択肢が、関連する従来技術に記載されている。これに関する概要は、以下の参照に十分に記載されている:Trends and Future of Monomer-MMA Technologies, K. Nagai & T. Ui, Sumitomo Chemical Co., Ltd., Basic Chemicals Research Laboratory, 2005, http://ww.sumitomochem.co.jp/english/rd/report/theses/docs/20040200_30a.pdf。C材料を用いたこれらの方法は、特にアジアにおいて大規模工業的に実施されている。
反応器I内での第1の反応段階は、プロパナールとホルマリンとの反応であることが好ましい。この場合、第1の蒸留カラム内で、反応器IIの反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールが除去され、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、MMIB、ならびにアルコールを含有する流を得ることがさらに好ましい。続いて、この流は、第2の蒸留において、アルキルメタクリレートおよびアルコールを含有する軽質相と、水、MMIB、メタクリル酸、二量体メタクロレインおよび任意選択的に二量体メタクロレインのアルキルエステルを含有する重質相とに分離される。
続いて、この方法変形形態における反応器III内の二量体メタクロレインをメタクロレインへと開裂させることができる。またここでは、二量体メタクロレインの場合によって存在するアルキルエステルを、メタクロレインと、使用されるアルコールに相応するアルキルメタクリレートとに開裂させることも可能である。次に、そのようにして得られたメタクロレインは、後の蒸留段階においてアルキルメタクリレートから分離され、反応器IIに返送され得る。
また、この第1の反応段階は、反応器I内での第1の反応段階がプロパナールとホルマリンとの反応である記載された方法変形形態ではなく、tert-ブタノールおよび/またはイソブテンの酸化であってもよい。
そのような変形形態では、第1の蒸留カラム内で、反応器IIの反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールが除去されることが特に好ましい。その際、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、MMIBおよびアルコールを含有する流が得られる。この流は、まず酸により、例えば、硫酸などの鉱酸により処理され、その際、アルカリ金属メタクリレートの主要部分が中和され、それにより遊離メタクリル酸が形成されることが一般的である。
続いて、この流は、第2の蒸留および/または抽出において、アルキルメタクリレートと、反応副生成物、すなわち、形成される大部分のメタクリル酸、MMIB、ならびにDIMAL、DIMALエステル、およびより少ない量の水およびメタノールとを含有する軽質相または疎水性の相と、重質親水性相とに分離される。この主に水性の第2の相は、当然のことながら、有機生成物をそれほど含有しておらず、主に水およびメタノールからなり、中和によるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有している。
本発明の部分的な態様として、メタクロレインを、酸素含有ガスの存在下、20~150℃の中程度の温度、1~20barの間の中程度の圧力、不均一な球状の貴金属含有触媒の存在下で反応させる。MALをメタノールによりMMAにするこの酸化的エステル化のために、多くの触媒が使用可能である:
MALをメタノールによりMMAにする直接酸化的エステル化は、酸化物担体上に存在するPd-Pb触媒を用いてAsahiにより初めて公に適用された。米国特許第6,040,472号明細書には、これらの触媒が記載されているが、これらは、比較すると、不十分な活性とMMAに対する選択率としかもたらさない。この場合、これはシェル構造を有するPd-Pb含有触媒である。MMAに対する選択率は91%まで、空時収率は5.3molまでと報告されている。ここでも、鉛のドープは、活性酸化種の形成に決定的であるが、鉛イオンが徐々に失われることにより、上記の欠点が生じる。これらの触媒の副生成物は、他の系すべてと同様に、メタクリル酸および他の副生成物である。
欧州特許出願公開第1393800号明細書には、活性酸化種として記載されている触媒金粒子が特に6nm未満の平均直径を有する必要のある金含有触媒が記載されている。前述の金粒子は、酸化ケイ素またはTiO/SiO担体上に分布して存在している。この触媒は、金以外のさらなる活性成分として、特に酸化物形態の他の金属も含有する。相乗的で、活性および選択率を向上させる効果は、これらのドープ成分に起因する。
この製造は、金塩およびさらなる金属塩を酸化担体に施与することにより行われる。
Haruta等は、J.Catal.1993、第144巻、175~192頁において、遷移金属酸化担体、例えば、TiO、FeまたはCOに施与された金ナノ粒子が活性酸化触媒であると述べている。ここで、金と遷移金属との間の相互作用が、触媒活性にとって重要な役割を果たす。
欧州特許出願公開第2177267号明細書および欧州特許出願公開第2210664号明細書には、シェル構造を有するニッケル含有触媒が記載されている。これらの触媒において、MMAに対する選択率は97%までである。空時収率は、金割合が触媒中で約1質量%である場合、9.7molMMA(kgh)であると記載されている。例によると、NiOx/Au触媒は、他の組み合わせ、例えばCuOまたはCOを有するAuがはるかに低い活性および選択率を有する一方で、著しくより良好な活性およびMMAに対する選択率を示す。基本的に、これは、先に記載の触媒のさらなる発展形態であり、ここで、金-Ni酸化物複合粒子の分布が不均一であることおよび触媒シェルが非活性であることが、これらの新たな触媒の特徴を表している。これらにおいても、副生成物としてのメタクリル酸の形成について言及されている。
欧州特許出願公開第2210664号明細書には、外部領域において、いわゆるエッグ・シェル構造(Egg-Shell-Struktur)の形態で、酸化ニッケルおよび金ナノ粒子を、SiO、Alおよび塩基性元素、殊にアルカリ金属またはアルカリ土類金属からの担体上に有する触媒が開示されている。ここで、酸化ニッケルは、表面に豊富であるが、触媒粒子のより深い層にもより低い濃度で含有されている。
国際公開第2017/084969号には、担体としての複数の混合酸化物をベースとする触媒系が記載されており、これも同様に、活性成分としての酸化コバルトに加えてナノ粒子状の金を有する。触媒活性成分、すなわち金およびコバルトの分布は、粒子の断面全体に異方分布している。前述の反応のためのさらなるより新しい触媒は、米国特許第9,676,699号明細書に記載されている。ここには、ビスマスに加えて異なる第3のドーパントとともにパラジウムを有する、シリカ、アルミナ、アルカリ土類金属の酸化物混合物をベースとする類似した担体系が記載されている。ここでも、水分濃度と副生成物として形成されるメタクリル酸との関係について言及されている。
これらの触媒系が、使用される担体材料について異なるのと同様に、それらの調製、ならびに最終的には反応率および選択率についての性能も異なる。それにもかかわらず、これらの触媒系はすべて、類似した副生成物特性をもたらす。定常操作の場合に、所望のアルキルメタクリレートに加えて、より多い、またはより少ない量のメタクリル酸、アルコキシイソ酪酸エステル(MAIB)、ならびに使用されるメタクロレインの二量体、およびこれらの二量体のアルキルエステルも形成されることが、すべての触媒に共通している。さらに、ヒドロキシイソ酪酸およびその相応するエステルなどのさらなる副生成物が形成される。これらの副生成物は、これらが所望のアルキルメタクリレートに比べて沸点が高く、かつ後処理においてMMAよりも高沸点の画分中に蓄積し、最終的に収集されるので、特に適切である。
図1は、MMIBおよびMAAからMMAを得るための反応器を含む、本発明によるMMA法の可能なフロー図の例である。
図1の参照符号
(1)MAL合成用の反応器I
(2)蒸留カラム
(3)DOE反応用の反応器II
(4)MAL分離
(5)中間カラムおよび/または抽出
(6)メタノール分離用のカラム
(7)MMA精製用のカラム-高沸点物質
(8)MMA精製用の第2のカラム-低沸点物質
(9)MMA精製用の第3のカラム-精製カラム
(10)精製されたMMA
(11)(7)からの缶出液流からのMMA量を減らすための任意選択的なカラム
(12)(13)への酸およびMeOHの添加
(13)MMIBをMMAへと開裂させ、DIMALエステルをMALおよびMMAへと開裂させ、MAAをMMAへとエステル化するための反応器III
(14)高沸点物質および硫酸から有価物質を分離するための任意選択的なカラム
(15)廃水
(16)メタクロレインおよびメタノールの返送。
実験項の部:
実施例1:供給バッチとして新品の出発物質、MAAおよびMMIBを用いて常圧で反応を実施
この反応は、カラムが取り付けられたガラス製三ツ口フラスコ内で実施する。
三ツ口フラスコには、KPG撹拌機と、自由直径40mmの高さ1mのカラムとが備えられており、加熱は油浴により行われる。カラムにはラシヒリングが充填されており、還流および取り出しを制御可能にするために、カラム部の頂部に還流分配器が取り付けられている。1Lの三ツ口フラスコ内に、2molのMMIBおよび2molのメタクリル酸、ならびに0.2molの水を装入する。
反応条件のもと、安定剤として、または(メタ)アクリル出発物質および生成物のラジカル重合を阻害するために、200ppmのフェノチアジンおよび50ppmのテンポールそれぞれをこの混合物に添加する。反応混合物を油浴により150℃に加熱するが、この温度は、予熱した油浴の場合、10分後に到達される。カラムを全還流に設定し、まず留出液が生じないようにする。内部温度が150℃に達した後に、MMIB、MAAおよびMeOHと、水と、硫酸との混合物を、150g/hの計量供給速度で、浸漬されたキャピラリーを介して反応混合物に連続的に供給する。供給混合物の計量供給はHPLCポンプを介して行い、得られる反応缶出液は、反応が定常状態に入った後に、キャピラリーを介して第2のHPLCポンプにより排出される。
出発物質、ならびに触媒、アルコールおよび水を、個別に予備混合し、撹拌機の下まで導かれるキャピラリーを介して反応に導入する。供給混合物の組成:
Figure 0007384843000004
したがって、C副生成物MAAおよびMMIBのモル比は、1:1に相当する。含水量は、MMIBに対して49mol%であり、MeOHは、MMIBに対して142mol%である。
供給物の計量供給が始まったら油浴を160℃に加熱し、反応器内の内部温度は、徐々に約150℃まで上昇し、カラム頂部には、MeOHとMMAとの、またはMMAと水との二成分共沸混合物の共沸組成物からなる混合物が集まる。カラム頂部が69℃の安定した温度に達したらすぐに、0.8の還流比に設定し、留出液を取り出す。
この反応を、まず6時間にわたり連続的に行い、その際、留出液の量を1時間ごとに定量化および分析する。供給された出発物質の質量の平均約90%が1時間あたりに頂部で留出液として抜き取られ、その一方で、反応缶出液も同様に連続的に排出され、供給された供給流の平均約10%がHPLCポンプにより除去されるように、設備を操作する。したがって、平均でフラスコ内の充填レベルは維持され、反応は、この段階において体積または質量が定常状態にあると考えられる。カラム頂部では、冷却水温度約18℃の水道水で動作する凝縮器の下流に、揮発性成分を捕捉するためのコールドトラップが設置されており、コールドトラップは、ほぼマイナス60℃にてアセトン/ドライアイスの混合物で動作し、コールドトラップは、揮発性成分を吸収して定性的に解明および測定するために、THFが充填されている。
缶出液は、まず黄色に変色し、6時間以内に薄い橙色になり、粘度の上昇は、ほとんど見られない。
定常状態で留出液として得られたカラムの頂部生成物は、134.9g/hの重さがあり、GCクロマトグラフィーによると、以下のような組成である:
Figure 0007384843000005
定常状態で得られた排出底部生成物は、15.1g/hの重さがあり、以下のような組成である:
Figure 0007384843000006
これは、供給された出発物質の量に対して、MMAの計算上の収率が、MMIBの場合は96%に相当し、MMAへとエステル化されるメタクリル酸の場合は95%に相当し、また93%のメタノール回収率に相当する。
コールドトラップでは、吸収剤THFとして使用される溶媒に加えて、少量のジメチルエーテルがガスクロマトグラフィー(沸点-24℃)により検出される。
この実験は、化学量論量の硫酸の存在下かつMeOHおよび水の存在下でMAAおよびMMIBを含有する混合物から、選択された条件のもと、粗MMAが非常に効率的かつ(出発材料に対して)高い反応率で製造可能であることを示す。
実施例2~9:
プロパナールおよびホルマリンからのメタクロレインの製造:メタクロレインを、欧州特許出願公開第2998284号明細書に従って製造および単離した。
ホルマリン含有量が実施例に応じて37質量%または55質量%のホルマリン溶液とプロパナールとを、スタティックミキサを使用して混合(以下、アルデヒド溶液と称する)し、続いて、油で加熱された熱交換器により所望の温度(表1を参照)に加熱する。実施例に応じたホルマリンの正確な含水量は重要ではない。というのも、この含水量は完全に、表1に記載の新品の供給物の含水量に含まれるからである。管状反応器に接続されている生成物カラムの底部からの再循環流を、(40%の水溶液として)酢酸およびジメチルアミンと混合し、同様に所望の温度に予熱する。予熱したアルデヒド溶液および予熱した触媒溶液を、さらなるスタティックミキサ内で混合する。次に、この出発物質混合物を、油により温度調整された管状反応器に供給する。この反応は、約35~40barの圧力で実施されることが一般的である。
管状反応器の出口の生成物混合物は、バルブを介して放出され、蒸留用の生成物カラムに入る。このカラムの頂部では、凝縮および相分離の後に、メタクロレインと水相との二相混合物が得られる。水相は、カラムに返送される。有機相は、生成物容器に入る。カラムの底部では、部分流が再循環物として反応に返送される。さらなる部分流が、水性生成物としてさらなる生成物容器内に排出される。実施例1~4では、0.2質量%未満のDIMAL含有量を有する品質のメタクロレインが得られる。含水量は、約56質量%であり、供給物中の水分を基準としたジメチルアミン含有量は、約2.7質量%である。反応器内の温度は、入口温度としての122℃~出口温度としての153℃の間にある。著しい温度スパイクは発生しない。
実施例5~7は、0.4質量%未満ではあるが0.2質量%未満ではない二量体MAL含有量がここで実現できたことから、反応レジームのパラメータが反応率およびDIMAL含有量に決定的な影響を及ぼすことを示す。実施例1~4との違いは、ここでは、入口温度が部分的により高いことに加えて、特に最高温度および出口温度がより高いことである。
実施例8および9は、0.5質量%未満の二量体MAL含有量を有する品質のメタクロレインを作製する実施形態を示す。ここでは、入口温度、特に最高温度がさらに高かった。特に、最高温度は、165℃または170℃の好ましい最高温度をさえ上回っていた。
Figure 0007384843000007
上記のように製造されたメタクロレインを、反応後に減圧し(任意選択的にフラッシュボックス内で部分的に蒸発させ)、蒸留カラムに送る。蒸留カラムの頂部では、凝縮後に二相混合物が得られ(温度に応じて、より多い、またはより少ない量の水相が分離される)、ここで、上側の相は、97%超の品質のメタクロレインを含有し、含水量は、1~3質量%である。メタクロレイン中のホルマリン含有量は、2000ppm未満であり、メタノール含有量は、使用されるホルマリンのメタノール含有量に応じて0.1~1.0質量%である。先の実施例によると、メタクロレインは、0.18質量%~1質量%未満のDIMAL含有量を含む。この品質は、以下の実験において、メタノールによる直接酸化的エステル化のために使用される。
実施例10:液相での直接酸化的エステル化の実施
スラリー密度を触媒8重量パーセントにして、スパージング撹拌機を備えた20Lの反応器に、36重量パーセントのメタクロレインがメタノール中に入った反応混合物を充填する。反応混合物を撹拌しながら80℃で5barにし、凝縮器後の残留ガスにおける酸素濃度が4.0体積パーセントになるように空気を計量供給する。メタノール溶液に4重量パーセントのNaOHを連続的に導入することにより、pH値を7に調整する。触媒空間速度が11molのMAL/kg触媒/hになるように、反応混合物を反応器から連続的に排出する。実施時間は、それぞれ1000時間である。
a) 触媒としては金-コバルト酸化物触媒(国際公開第2017084969号)が使用され、94.1%のMMAの選択率の場合、76%のMALの反応率が得られる。MAAに対する選択率は3.1%であり、MMIBに対する選択率は1.2%である。
b) 触媒としては金-ニッケル酸化物触媒(米国特許第8450235号明細書)が使用され、94.4%のMMAの選択率の場合、75%のMALの反応率が得られる。MAAに対する選択率は2.5%であり、MMIBに対する選択率は1.2%である。
c) 触媒としてはパラジウム-鉛触媒(米国特許第5969178号明細書)が使用され、反応のpH値は6.3に調整され、89%のMMAの選択率の場合、60%のMALの反応率が得られる。MAAに対する選択率は7%であり、MMIBに対する選択率は0.1%未満である。
d) 触媒としてはパラジウム-ビスマス-テルル触媒(米国特許出願公開第20160168072号明細書)が使用され、条件および化学量論は、米国特許出願公開第20160168072号明細書に記載のように実施例2および3に従って調整される。92%のMMAの選択率の場合、89%の反応率が得られる。MAAに対する選択率は0.2%未満であり、MMIBに対する選択率は1.2%である。
実施例11:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。触媒としては硫酸。
実施例3aから得られた反応混合物を後処理後に取り出した:
この後処理は例示的に説明されており、各組成は、表1に記載されている。
反応器IIからの排出物(1000g/h)を、MAL回収カラムへと、22段のうちの11段目に送った。底部の温度は、930mbarの圧力で70℃であった。缶出液流を硫酸でpH2に酸性化し、デカンタ内で分離し、有機物を抽出カラムの底部に流し込み、その際、水相を30段の抽出カラムの頂部に導入した。抽出カラムの底部温度は、1013mbarの圧力で43.9℃であった。抽出カラムの頂部流を、高沸点物質用カラムの10段のうちの6段目に導入した。底部温度は、235mbarの圧力で85.4℃であった。
Figure 0007384843000008
高沸点物質用カラムの缶出液を収集し、MAAをMeOHによりMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびMeOHへと、またDIMALエステルをMALおよびMMAへと開裂させるために使用した。
500mLの三ツ口フラスコにカラムおよびガラス温度計を取り付けた。連続添加によりカラム内での重合を防止するために、カラムの頂部において、フェノチアジン(約500ppm)を含む50gのMeOHを滴下漏斗に入れた。熱電対を油浴(T(油)=165℃)内に配置した。
300gの供給物(1当量、0.73molの3-MMIB;1.17当量、0.85molのMAA;0.34molのMMA、0.23molのDIMALエステル)、
2.84g(0.04当量、0.029mol)のHSO、および
13.42gのHO(1.02当量、0.75mol)
を三ツ口フラスコに装入し、油浴(目標温度=165℃)に通した。
この混合物を3時間で165℃(油浴目標)に加熱し、151℃の缶出液温度が達成された。留出液を連続的に取り出し、HPLCにより分析した。3時間の反応の過程にわたり、メタノール安定剤溶液(6.54g/h、0.20mol)を添加した。
以下の番号2の表は、硫酸、水、メタノールおよび供給物サンプルの使用量を示す。3-MMIB、MAAおよびMMAについての供給物サンプルの組成もモル質量と一緒に記載されている。
Figure 0007384843000009
番号7の表は、上記の出発物質の使用された質量の回収率を示す。
Figure 0007384843000010
質量収支は、回収率98.90%である。番号8の表は、留出液および缶出液中の成分のモル分布を示す。
Figure 0007384843000011
実験は成功裏に終わり、MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。
MMAに対する3-MMIBの反応率は96.0%であり、MMAに対するMAAの反応率は87.3%であった。MMAに対する選択率は、MAAおよび3-MMIBの場合、合計99.16%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.26%であった。
実施例12:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。触媒としてはリン酸。
この反応は、実施例11と同様に実施し、硫酸の代わりにリン酸を使用した。
実験は成功裏に終わり、MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。MMAに対する3-MMIBの反応率は94.2%であり、MMAに対するMAAの反応率は86.8%であった。MMAに対する選択率は、MAAおよび3-MMIBの場合、合計99.0%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.25%であった。
実施例13:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。触媒としてはメタンスルホン酸。
この反応は、実施例11と同様に実施し、硫酸の代わりにメタンスルホン酸を使用した。
実験は成功裏に終わり、MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。MMAに対する3-MMIBの反応率は92.6%であり、MMAに対するMAAの反応率は84.7%であった。MMAに対する選択率は、MAAおよび3-MMIBの場合、合計98.8%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.20%であった。
実施例14:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。温度は120℃。
この反応は、実施例11と同様に実施し、温度は120℃であった。
MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。
MMAに対する3-MMIBの反応率は60.4%であり、MMAに対するMAAの反応率は87.3%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.20%であった。
実施例15:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。温度は90℃。
この反応は、実施例11と同様に実施し、温度は90℃であった。
MMAに対する3-MMIBの高い反応率は生じなかったが、MMAに対するMAAの高い反応率は生じた。
MMAに対する3-MMIBの反応率は1%未満であり、MMAに対するMAAの反応率は88%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂は起こらなかった。
実施例16:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。硫酸の量は増加。
この反応は、実施例11と同様に実施し、40mol%の増加した硫酸量を用いた。
実験は成功裏に終わり、MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。MMAに対する3-MMIBの反応率は95.9%であり、MMAに対するMAAの反応率は87.4%であった。MMAに対する選択率は、MAAおよび3-MMIBの場合、合計99.14%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.16%であった。
比較例1:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。温度は23℃。
この反応は、実施例11と同様に実施し、温度は23℃であった。
MMAに対する3-MMIBの高い反応率およびMMAに対するMAAの高い反応率は生じなかった。
MMAに対する3-MMIBの反応率は1%未満であり、MMAに対するMAAの反応率は20%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂は起こらなかった。
比較例2:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと開裂。触媒としての硫酸は添加しない。
この反応は、触媒としての硫酸を添加することなく、実施例11と同様に実施した。
MMAに対する3-MMIBの高い反応率は生じたが、MMAに対するMAAの高い反応率は生じなかった。MMAに対する3-MMIBの反応率は94%であり、MMAに対するMAAの反応率は生じなかった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂は、8.0%であった。
実施例17:本発明によりメタクロレインおよびメチルメタクリレートを分離した後に、実施例3からの反応混合物を用いてMAAをMMAへとエステル化すると同時に、MMIBをMMAおよびメタノールへと連続的に開裂。
この反応は、実施例11と同様に実施した。さらに、151℃の底部温度に達した後に、57g/hの供給混合物の連続的な供給が開始した。この実験は、6時間にわたり行われた。
実験は成功裏に終わり、MMAに対する3-MMIBおよびMAAの高い反応率が生じた。MMAに対する3-MMIBの反応率は95.5%であり、MMAに対するMAAの反応率は87.5%であった。MMAに対する選択率は、MAAおよび3-MMIBの場合、合計98.7%であった。DIMALエステルのMALおよびMMAへの熱開裂の反応率は、8.05%であった。

Claims (19)

  1. 反応器I内での第1の反応段階にてメタクロレインを製造し、前記メタクロレインを、反応器II内での第2の反応段階にて、アルコールによりアルキルメタクリレートへと酸化的エステル化させる、アルキルメタクリレートの製造方法において、
    ステップa. 前記反応器IIの反応器排出物を、前記アルキルメタクリレートの大部分を含有する画分と、メタクリル酸およびアルコキシイソ酪酸アルキルエステルを含有する第2の画分とに分離することと、
    ステップb. 前記アルコキシイソ酪酸アルキルエステルおよび前記メタクリル酸から、さらなるアルキルメタクリレートが形成されるように、前記第2の画分を反応器III内で反応させることと
    を特徴とする、方法。
  2. ステップaで、少なくとも1回の抽出および/または蒸留による分離を行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. ステップbによる前記反応を、前記反応器II内での酸化的反応以上の温度で実施することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. ステップbによる前記反応を、アルコキシイソ酪酸アルキルエステルに加えて、メタクリル酸、ならびに二量体メタクロレイン(DIMAL)およびDIMALエステル、ならびに水および遊離アルコールも含有する反応混合物を用いて実施することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記第2の画分を、前記反応器III内にて、少なくとも90℃の温度で反応させることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記第2の画分を、ステップbに従って、前記反応器III内にて、触媒の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記触媒がブレンステッド酸であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 第1の蒸留カラム内で、前記反応器IIの前記反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールを除去し、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、ならびにアルコールを含有する流を取得し、続いて、前記流を強酸と混合し、抽出にて、アルキルメタクリレート、より大きな画分のMAAおよびアルコキシイソ酪酸アルキルエステルを含有する疎水性相と、水、アルコール、一部のアルキルメタクリレートおよびメタクリル酸を含有する親水性相とに分離することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 第1の蒸留カラム内で、前記反応器IIの前記反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールを除去し、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、およびアルコールを含有する流を取得し、続いて、前記流を、第2の蒸留にて、アルキルメタクリレートおよびアルコールを含有する軽質相と、水、アルコキシイソ酪酸アルキルエステルおよびメタクリル酸を含有する重質相とに分離することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記アルコールがメタノールであり、前記アルキルメタクリレートがメチルメタクリレート(MMA)であり、前記アルコキシイソ酪酸アルキルエステルがメトキシイソ酪酸メチルエステル(MMIB)であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記反応器IIIでの前記反応を、80~170℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記反応器III内の前記ブレンステッド酸が、硫酸であることを特徴とする、請求項記載の方法。
  13. 前記反応器I内での前記第1の反応段階が、プロパナールとホルマリンとの反応であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記反応器I内での前記第1の反応段階が、不均一系触媒の存在下で300~500℃の温度にてイソブテンおよび/またはtert-ブタノールを空気中の酸素と反応させてメタクロレインを生成することであり、前記メタクロレインを、凝縮させ、少なくとも80%の純度になるまで後処理し、液状で単離し、続いて、酸化的エステル化の反応器II内でのさらなる反応に送ることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  15. 第1の蒸留カラム内で、前記反応器IIの前記反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールを除去し、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、およびアルコールを含有する流を取得し、続いて、前記流を、第2の蒸留にて、アルキルメタクリレートおよびアルコールを含有する軽質相と、水、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、メタクリル酸、二量体メタクロレインおよび任意選択的に二量体メタクロレインのアルキルエステルを含有する重質相とに分離することを特徴とする、請求項13記載の方法。
  16. 反応器III内の前記二量体メタクロレインをメタクロレインへと開裂させ、前記二量体メタクロレインの前記任意選択的に存在するアルキルエステルをメタクロレインおよびアルキルメタクリレートへと開裂させることを特徴とする、請求項6、7および12のいずれか1項記載の方法。
  17. 前記メタクロレインを、後の蒸留段階においてアルキルメタクリレートから分離し、反応器IIに返送することを特徴とする、請求項15または16記載の方法。
  18. 第1の蒸留カラム内で、前記反応器IIの前記反応器排出物から、メタクロレインおよび部分的にアルコールを除去し、アルキルメタクリレート、水、アルカリ金属メタクリレートおよび/またはメタクリル酸、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、およびアルコールを含有する流を取得し、続いて、前記流を、第2の蒸留または抽出にて、アルキルメタクリレートを含有する軽質相もしくは疎水性の相と、水、アルコキシイソ酪酸アルキルエステル、メタクリル酸およびテレフタル酸を含有する重質相もしくは親水性の相とに分離し、前記反応器IIIからの前記反応器排出物からの前記テレフタル酸を、蒸留により高沸点成分として、または抽出により親水性成分として除去することを特徴とする、請求項17記載の方法。
  19. 前記使用されたブレンステッド酸を、前記反応器IIIまたは他の後処理ステップに再循環させることを特徴とする、請求項記載の方法。
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