JP7384369B1 - 樹脂複合体及び成形体並びに樹脂複合体の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱硬化性の粉体塗料を含む、熱成形が可能な熱可塑性樹脂複合体の提供を目的とする。【解決手段】本発明の樹脂複合体10は、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体20と、無機アルカリ30と、熱可塑性樹脂40と、を含み、熱成形が可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂複合体及び成形体並びに樹脂複合体の製造方法及び成形体の製造方法に関する。
環境負荷低減の意識が高まり、環境配慮型商品への置換が求められている、塗料組成物においても、有機溶剤を含まず、低公害でかつ作業性の高く、環境への負荷がより小さい粉体塗料が注目されている。静電塗装法や流動浸漬法により用いられる、このような粉体塗料は比較的安価であること、更に、熱硬化性である粉体塗料は、着色が容易で、基材への密着性が高く、防さび性、耐候性、耐久性の高い熱硬化膜となることから、電子部品、OA機器、家電製品、建材、自動車部品等への需要が旺盛である。
静電塗装法とは、電気的に接合した塗装対象物と塗料噴霧装置との間に電圧をかけ、双方間に静電界を形成し、粉体塗料を帯電させて、塗装対象物上に粉体塗料の膜を形成させる方法である。流動浸漬法とは、粉体塗料をエアーなどにより舞い上げて、この領域に予め加熱した塗装対象の表面に粉体塗料膜を形成させる方法である。
このような塗装法に用いられる熱硬化性の粉体塗料は、基本的に加熱より溶融・成膜し架橋点を有するオリゴマー又はポリマー粒子と、このポリマーに相溶する架橋剤粒子との組み合わせで構成され、塗装対象物の表面に定着させて成膜処理及び硬化処理が施される。架橋方法の種類によりε―カプロラクタムを用いたブロックイソシアネートと水酸基の反応を利用するもの、ブロックイソシアネートと両末端にエポキシ基を有するビスフェノールA型のエポキシ樹脂を、オキサゾリドン環を形成し硬化させるもの(非特許文献1)、同じく両末端にエポキシを有したビスフェノールA型のエポキシ樹脂を、ε―カプロタクタムで架橋するもの(非特許文献2)や、エポキシ基とジシアンジアミドの結合反応を利用するもの(非特許文献3)、ポリエステルの両末端のカルボン酸を利用して、例えばトリグリジルイソシヌルレートのような多官能エポキシ化合物で硬化させるもの(非特許文献4)、エステル化反応を利用するものなどがある。
しかし、エポキシ系材料やε―カプロラクタムなどはタンパク質等の生体構成物質とも反応することから環境毒性があることが知られており、近年より環境負荷の小さな化合物としてβ―ヒドロキシアルキルアミド(特許文献1)が開発されるに及んで、この材料と多価カルボン型のポリエステルを脱水縮合反応で架橋させる方法(通称 プリミド硬化型 非特許文献2)が主流となりつつある。
非常に利点の多い粉体塗料ではあるが、塗装中に、基材上に定着できなかった粉体粒子は再利用して用いることができるものの、粒子同士や被塗物との衝突などにより、粒子サイズが次第に小さくなり、適度な塗設量が得られなくなると、廃棄処分となる。この量は、投入された粉体塗料の1割から2割を越えており、大きな問題となっていた。更に、ポリマー粒子と架橋剤粒子は、一度と混合してしまうと、再分離することは難しく、特許文献2のように残渣物は硬化させて別の目的物と用いる他、利用方法は知られていないのが現状であった。
一方、汎用型の熱可塑性樹脂は射出成形、押出し成形、真空成形など多用な成形方法が可能で、配送用の包材、商品展示棚、簡易構造物などその利用範囲は非常に広範囲に亘り、このような用途に粉体塗料を利用できれば、従来の廃棄処理分を再利用できることになる。特許文献3には、ポリエステルを用いた粉体塗料に、レベリング剤や顔料などと同じく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABSなどの熱可塑性樹脂などを添加してもよいとの記載があるが、目的は熱硬化膜に関するものであり、熱成形が可能となるような複合体、即ち粉体塗料を熱可塑性樹脂の増量剤として用いることを目的とするものではなかった。しかし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、PETなどの汎用型熱可塑性に粉体塗料を複合させた場合、まず、混練時の温度域が180℃から300℃程度となるために、架橋剤を含む粉体塗料は、それ自体で硬化が進み、熱可塑性樹脂から分離、固化するという問題があり、複合体を製造することが困難であった。
熱硬化性樹脂、vol.6、No.2、p87-93(1985) ネットワークポリマー、vol.38、No.2(2017) 熱硬化性樹脂、vol.8、No.3、p141-151(1987) DNTコーティング技報、vol.10、p32-37、(2010)
特表2010-508424号公報 特許第6564988号公報 特公昭62-236870号公報
本発明は、熱硬化性の粉体塗料を含む、熱成形が可能な熱可塑性樹脂複合体を提供することにある。
本発明は、熱硬化性粉体塗料、無機アルカリ及び熱可塑性樹脂を複合化することを特徴とする。
より具体的には、以下のとおりである。
第1態様の樹脂複合体は、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と、無機アルカリと、熱可塑性樹脂と、を含み、熱成形が可能である。
第2態様の樹脂複合体は、第1態様の樹脂複合体において、前記塗料用粉体は、熱成膜性樹脂と、架橋剤とを含む。
一態様の成形体は、第2態様の樹脂複合体を含んで構成され、定められた形状を有する。
第1態様の樹脂複合体の製造方法は、第1態様又は第2態様の樹脂複合体の製造方法であって、水溶性の無機アルカリを水に溶解させた溶解水を、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と混合させた混合体を生成する第1工程と、前記混合体に熱可塑性樹脂を混合させる第2工程と、を含む。
第2態様の樹脂複合体の製造方法は、第1態様又は第2態様の樹脂複合体の製造方法であって、水溶性の無機アルカリを水に溶解させた溶解水を、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と混合させた混合体を生成する第1工程と、前記混合体を乾燥させて乾燥体を生成する第2工程と、前記乾燥体に熱可塑性樹脂を混合させる第3工程と、を含む。
第1態様の構造体の製造方法は、第1態様の方法により樹脂複合体を製造する工程と、当該工程で製造された樹脂複合体を、定められた形状を有する構造体にする工程と、を含む。
第2態様の構造体の製造方法は、第2態様の方法により樹脂複合体を製造する工程と、当該工程で製造された樹脂複合体を、定められた形状を有する構造体にする工程と、を含む。
また、第3態様の樹脂複合体は、熱硬化性粉体塗料と無機アルカリとを含有し、熱成形が可能である。
また、さらに、第4態様の樹脂複合体は、第3態様の樹脂複合体において、前記熱硬化性粉体塗料が、カルボン酸を有するポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
また、さらに、第3態様の樹脂複合体の製造方法は、熱硬化性粉体塗料に、無機アルカリ水溶液を含有させて、その後熱可塑性樹脂と複合化する。
本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)の樹脂複合体の図である。 本実施形態の樹脂複合体の製造方法のフロー図である。 本実施形態の樹脂複合体の製造方法の他のフロー図である。 塗装前の粉体塗料のマイクロスコープ画像(写真)である。 塗装後廃棄された粉体塗料のマイクロスコープ画像(写真)である。 成形された樹脂複合体のマイクロスコープ画像(写真)である。 射出成形により成形された成形体の写真である。
本実施形態における熱可塑性樹脂複合体(樹脂複合体:図中の符号10参照)とは、熱硬化性粉体塗料(塗料用粉体の一例:図中の符号20参照)と、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、生分解性などの性能を有する脂肪族ポリエステル、PET、PBTなどの半芳香族ポリエステル、更に脂肪族・芳香族複合ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ナイロン、フッ素樹脂などの各種熱可塑性樹脂(図中の符号40参照)との複合体である。
本実施形態における熱硬化性粉体塗料とは、溶剤や水などの媒体を含まない塗料であって、ポリエステルを加熱成膜後(ポリエステルに加熱成膜処理をして、加熱成膜処理済ポリエステル(熱成膜性樹脂の一例、図中の符号26参照)とした後、)、ポリエステルに予め含有されている架橋剤(図中の符号24参照)で熱硬化させて高い耐久性や耐候性、密着性などを保証する塗料である。架橋構造を形成する方法としてブロックイソシアネート系、エポキシ系、水酸基とカルボン酸の脱水縮合型が知られているが、β-ヒドロキシアルキルアミドが架橋剤として知られるに及んで現在はこれを用いた脱水縮合型が主流となりつつある。粉体塗料には、主剤、架橋剤の他に、シリカ、アルミナ、炭酸カルシムなどの無機粒子、酸化チタンなどの紫外線防止剤、更にカーボンや各種色剤などが添加されてもよい。
なお、図中の符号22は、熱硬化性粉体塗料に含まれる顔料である。
本実施形態におけるポリエステルとは、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオールと、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、1,4-シクロヘサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの多価カルボン酸化合物との脱水縮合物であって、選ばれる化合物の構成、分子量、残留するカルボン酸基数などにより、融点や架橋密度などがコントロールされる。
本実施形態に用いられる、無機アルカリ(図中の符号30参照)とは、水溶性或いは吸湿性の必要があり、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの水酸化物、リチウム、ナトリウム、カリウムの炭酸塩、ギ酸塩などを用いのが好ましい。保存、取り扱いなどの点から、水酸化ナトリウムや、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩が更に好ましい化合物である。無機アルカリは水酸基とカルボン酸の脱水縮合反応を抑制する他、高温で水或いは水蒸気の存在下でエステル結合を乖離させ、ポリマーマトリクスを分解することができる。一方アミンに代表される有機アルカリ化合物はアルカリではあるが、カルボン酸と反応し、多価アミンの場合は、エステル結合より更に安定なアミド結合を形成するため、本発明には好ましくない化合物である。
無機アルカリは、粉体の状態或いは水溶液の状態で添加される。先に述べたように、水は粉体塗料の硬化抑制には必須であるので、粉体で用いる場合は、少量の水を添加するか、あるいは吸湿した状態で使用するのが好ましい。添加する水の量は、無機アルカリに100質量部に対して、0.1質量部から200質量部、更に好ましくは0.2質量部から40質量部である。この方法は、余剰水を出さずに、粉体塗料と無機アルカリを少量の水を使って練る方法である。粉体塗料は疎水性なので、練る際に、界面活性剤や、微細セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩など、保水性の高い材料を添加してもよい。
水溶液の状態で添加する場合は、濃度は水100質量部に対して0.01質量部から30質量部で、添加量は粉体塗料100質量部に対して1質量部から500質量部が好ましく、無機アルカリ濃度が低すぎると効果が得にくく、濃度が高すぎると作業性が悪くなるので、更に好ましくは濃度0.1質量部から10質量部、添加量は多く過ぎると、余剰水により流動性が高くなり取り扱いが難しくなるので、更に好ましくは添加量5質量部から50質量部である。粉体塗料は疎水性であるので、濡れ性を改善するために、例えばドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩などの各種活性剤を添加してもよい。
無機アルカリを添加した粉体塗料混合物(混合体の一例)は、粉体用混練機やミキサーなどにより充分に混練、撹拌された後、樹脂用混練機で熱可塑性樹脂と混練されて、熱可塑性樹脂複合体となる(図2参照)。無機アルカリを粉体で用いる場合は、充分な練り工程が必要となる為、余剰水に注意すれば、水溶液を用いる場合の方が作業性がよい。但し、作業工程で無機アルカリ濃度を引き下げて用いる場合には、製造工程を増やすものの、余剰水を除くために、混合物を加熱乾燥させてもよい(図3参照)。
本実施形態における熱成形とは、前述の製造方法により製造された樹脂複合体10を成形して定められた形状の成形体(一例として、図7の符号50参照)にする方法であって、射出成形、ブロー成形、押出し成形、真空成形など、汎用熱可塑性樹脂を利用する成形方法である。特に再利用として有用な成形方法は、射出成形と押出し成形で、輸送用や展示用のトレイ、パネル、テーブルや椅子、台車の荷台などに加工ができ、更に、これらは粉砕すれば、再利用が可能である。
成形体とは、定められた形状を有する構造体の一例である。上記の説明では、樹脂複合体10を成形して定められた形状の成形体にすることとしたが、樹脂複合体10を成形以外の加工方法(接着、融着、切断その他の加工方法)を用いて、樹脂複合体10を含んで構成される構造体を製造してもよい。
なお、輸送用や展示用のトレイ、パネル、テーブルや椅子、台車の荷台などの形状は、定められた形状の一例である。
予備実験
市販されている粉体塗料
日本ペイント・インダストリアルコーティングス会社製 ビリューシア(登録商標)PL7000(ポリエステルをβ―ヒドロキシアルキルアミドで硬化させる粉体塗料)を粉体塗料1として静電塗装前後での粒子状態を観察するために、株式会社キーエンス製マイクロスコープVHX-2000を用いて粒子状態を観察した。静電塗工前の状態を図4に、静電塗装後の状態を図5に与えた。
更に、アントパール社製乾式粒度測定器PSA1190L/Dで、その粒度を測定したところ、体積平均の際の粒子サイズは塗工前で33μm、塗工後で22μmと減少しており、マイクロスコープの観察結果同様、粒子サイズは減少の傾向が見受けられる。塗工後の粉体塗料を粉体塗料2とする。
実施例に用いた熱可塑性樹脂は以下のとおりである。
ポリプロピレン 日本ポリプロ株式会社製 ノバテックPP BC-06C
ABS デンカ株式会社製 GR-2000
(実施例1)
粉体塗料2を100質量部取り出し、これに炭酸ナトリウムパウダーを1質量部、水15質量部及び微細セルロース1質量部を添加して、粉体用混練機で充分に混練した。この混練物20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ良好な状態で複合体1を取り出すことができた。射出成形機を使って、この複合体1を板状体に成形することができた。
(実施例2)
粉体塗料2を100質量部取り出し、濃度が2質量%に調整された炭酸ナトリウム水溶液を25質量部、及び濃度2質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSと略す)水溶液を4質量部添加して、撹拌した。この撹拌物20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ良好な状態で複合体2を取り出すことができた。射出成形機を使って、この複合体2を板状体に成形することができた。
(実施例3)
粉体塗料2を100質量部取り出し、濃度1質量%に調整された炭酸ナトリウム水溶液を80質量部、濃度2質量%のDBSを4質量部添加して、撹拌した。撹拌物を130℃で2時間乾燥させた。乾燥物20部とABS 80部を樹脂用混練機で混練したところ、良好な状態で複合体3を得ることができた。更に射出成形機を使って、この複合体3を板状体に成形することできた。
(実施例4)
粉体塗料1を100質量部取り出し、濃度が2質量%に調整された炭酸ナトリウム水溶液を25質量部、及び濃度2質量%のDBS水溶液を4質量部添加して、撹拌した。この混合体20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ良好な状態で複合体4を取り出すことができた。射出成形機を使って、この複合体4を板状体に成形することができた。
(実施例5)
粉体塗料2を100質量部取り出し、濃度が2質量%に調整された炭酸ナトリウム水溶液を25質量部、及び濃度2質量%のDBS水溶液を4部添加して、撹拌した。この撹拌物50質量部とポリプロピレン50質量部を樹脂用混練機で混練したところ良好な状態で複合体5を取り出すことができた。この射出成形機を用いて複合体5を板状体に成形することができた。更にこの成形体か薄片を取り出し、これをマイクロスコープVHX-2000で表面の観察を行った。図6は、この観察の結果、得られた画像である。この図に示されるように、混練後のブレーク状の複合体及び球形状のポリエステルが観察される。
(実施例6)
日本ペイント・インダストリアルコーティングス会社製 ビリューシアPL1000(ビスフェノールA型エポキシ樹脂をブロックイソシアネートにより硬化させる粉体塗料)の静電塗装後の粉体を粉体塗料3として、これを100質量部取り出し、濃度2質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部、及び濃度2質量%のDBS4質量部を添加し、撹拌したのち、この撹拌物15部とポリプロピレン85部を樹脂用混練機で混練し、複合体6を得た。射出成形機により、複合体6を板状体に成形することができた。
比較例
(比較例1)
(ポリプロピレンに粉体塗料をそのまま混練した場合(1))
粉体塗料1を20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が分離析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例2)
(ポリプロピレンに粉体塗料をそのまま混練した場合(2))
粉体塗料2を20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が分離析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例3)
(ポリプロピレンに粉体塗料をそのまま混練した場合(3))
粉体塗料3を20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が分離析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例4)
(水を添加した場合(1))
粉体塗料1を100質量部取り出し、水25質量部、及び濃度2質量%のDBS水溶液を4部添加して、撹拌した。この撹拌物20部とポリプロピレン80部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例5)
(水を添加した場合(2))
粉体塗料2を100質量部取り出し、水25質量部、及び濃度2質量%のDBS水溶液を4部添加して、撹拌した。この撹拌物20部とポリプロピレン80部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例6)
(水を添加した場合(3))
粉体塗料3を100質量部取り出し、水25質量部、及び濃度2質量%のDBS水溶液を4部添加して、撹拌した。この撹拌物20部とポリプロピレン80部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例7)
(有機アルカリとしてエチレンジアミンを用いた場合(1))
粉体塗料1を100質量部取り出し、濃度が4質量%に調整されたエチレンジアミン25質量部、および濃度2質量%のDBS水溶液を4質量部添加して、撹拌した。この撹拌物20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例8)
(有機アルカリとしてエチレンジアミンを用いた場合(2))
粉体塗料2を100質量部取り出し、濃度が4質量%に調整されたエチレンジアミン25質量部、および濃度2質量%のDBS水溶液を4質量部添加して、撹拌した。この撹拌物20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(比較例9)
(有機アルカリとしてエチレンジアミンを用いた場合(3))
粉体塗料3を100質量部取り出し、濃度が4質量%に調整されたエチレンジアミン25質量部、および濃度2質量%のDBS水溶液を4質量部添加して、撹拌した。この撹拌物20質量部とポリプロピレン80質量部を樹脂用混練機で混練したところ、固化物が析出して、複合体を取り出すことができなかった。
(考察)
実施例は粉体塗料に無機アルカリを添加した場合であるが、いずれも複合体及びこれを用いた成形体が得られた。一方、比較例1~3は粉体塗料と熱可塑性樹脂を直接複合した結果、比較例4~6は混練時に水のみを添加した結果、比較例7~9は有機アルカリを用いた結果であるが、いずれの場合でも、混練後、複合体を得ることができず、無機アルカリの併用が本発明の目的、粉体塗料を含有する熱可塑性樹脂複合体を得る方法に非常に有効であることが明らかにされた。
10 樹脂複合体
20 塗料用粉体
22 顔料
24 添加剤
26 熱成膜性樹脂
30 無機アルカリ
40 熱可塑性樹脂
50 成形体

Claims (6)

  1. 静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と、
    無機アルカリと、
    熱可塑性樹脂と、
    を含み、
    前記塗料用粉体は、熱成膜性樹脂と、架橋剤とを含
    射出成形方法、ブロー成形方法、押出し成形方法及び真空成形方法のいずれか一つの成形方法により成形可能である、
    脂複合体。
  2. 請求項に記載の樹脂複合体を含んで構成され、定められた形状を有する、
    構造体。
  3. 水溶性の無機アルカリを水に溶解させた溶解水を、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と混合させた混合体を生成する第1工程と、
    前記混合体に熱可塑性樹脂を混合させる第2工程と、
    を含む、
    請求項1に記載の樹脂複合体の製造方法。
  4. 水溶性の無機アルカリを水に溶解させた溶解水を、静電塗装法又は流動浸漬法に用いられる塗料用粉体と混合させた混合体を生成する第1工程と、
    前記混合体を乾燥させて乾燥体を生成する第2工程と、
    前記乾燥体に熱可塑性樹脂を混合させる第3工程と、
    を含む、
    請求項1に記載の樹脂複合体の製造方法。
  5. 請求項に記載の方法により樹脂複合体を製造する工程と、
    当該工程で製造された樹脂複合体を、定められた形状を有する構造体にする工程と、
    を含む、
    構造体の製造方法。
  6. 請求項に記載の方法により樹脂複合体を製造する工程と、
    当該工程で製造された樹脂複合体を、定められた形状を有する構造体にする工程と、
    を含む、
    構造体の製造方法。
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