JP7382372B2 - 作業支援装置、作業支援システム及び作業支援プログラム - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、熟練作業者のノウハウを現場の非熟練作業者に臨機応変に提供することを目的とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
図1は、作業支援装置1の構成等を示す図である。作業支援装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、マイクロフォン、アイトラッカ、マウス、キーボード等の入力装置12、スピーカ、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、通信履歴情報31及び資料32(詳細後記)を格納している。
図2は、ウエアラブルデバイス3の構成を説明する図である。ウエアラブルデバイス3は、ヘッドマウント形である。図2の上図は、ウエアラブルデバイス3を装着した作業者2の頭部を正面から見た図である。下図は、頭部を横から見た図である。ウエアラブルデバイス3は、スマートグラス(ディスプレイ)41、カメラ42、マイクロフォン43、スピーカ44及び通信装置45を備える。
図3は、作業者2が視認する画像の一例である。図3の上図に注目する。図3の上図は、作業者2が現在視認している実像である。いま、作業者2は、スマートグラス41を介して肉眼で配電盤7を視認している。当然のことながら、配電盤7及び背景からなるこの像は、拡張現実ではなく実像である。この実像は、配電盤7上に配置されたメータ51a、51b及び51c、並びに、継電器52a、52b及び52cを含む。メータ51c付近の×印55は、作業者2が現在注視している箇所(網膜黄斑上に結ぶ実像に対応する箇所)を示す。つまり、カメラ42は、作業者2の肉眼を観察し視線の方向を検出する機能も併せ持つ。なお、×印55自身は拡張現実である。
図4は、支援画面61の一例である。作業支援装置1は、支援画面61を作業支援装置1の出力装置13に表示する。熟練作業者は、支援画面61を視認する。支援画面61は、作業者2がスマートグラス41を介して現在視認している実像及び×印55を表示するほか、作業者氏名62、作業場所63及び現在の時刻も表示している。作業者2がスマートグラス41を介して視認している実像及び×印55は、図3の上図と同じである。支援画面61は、図3の下図のように、案内音声53a及び53b、並びに、案内画像54a及び54bを併せて支援画面61に表示してもよい。
図5は、検索画面71の一例である。作業支援装置1は、検索画面71を作業支援装置1の出力装置13に表示する。熟練作業者は、検索画面71を視認する。熟練作業者は、作業者2との会話の中で、作業者2の理解が不足している概念を“検索キー”として考え出す。そして、熟練作業者は、その検索キーを使用して資料32を検索し、作業者2に視認させるべき情報を取得する。会話をしながら的確な検索キーを考え出すことは、容易ではない。
図6は、モードを説明する図である。モードとは、作業支援装置1の使用形態であり、対人モード、自動モード及び模範モードの3つのモードが存在する。
対人モードでは、現場9にいる作業者2が、オフィス等の遠隔地にいる熟練作業者と会話する。熟練作業者は、作業者2と会話をするだけでなく、作業支援装置1を操作する。前記の図1~図5の説明は、対人モードを前提とする説明である。
自動モードでは、現場9にいる作業者2が、作業支援装置1と直接、情報の遣り取りをする。熟練作業者は、この遣り取りに直接的には関与しない。作業者2から作業支援装置1に、作業画像及び作業音声が送信される。作業支援装置1から作業者2に、支援音声及び参照資料が送信される。より具体的には、作業支援装置1は、受信した作業情報及び作業音声に応じた適当な支援音声及び参照資料を作業者に自動的に返信する。このとき、作業支援装置1は、通信履歴情報31に蓄積された過去の支援音声等を返信してもよいし、検索キーを自動的に作成して資料32及び参照資料を自動的に取得してもよい。自動モードは、作業者2の経験年数が対人モードよりも長い場合に好適である。
模範モードでは、現場9にいる熟練作業者が、作業支援装置1と直接、情報の遣り取りをする。当然のことながら、熟練作業者は、現場9において他者の支援を必要としない。模範モードでは、熟練作業者は、現場9で非熟練作業者の立場で作業を行う。つまり、熟練作業者は、非熟練作業者を演じ自身と自問自答する(非熟練作業者の立場を兼ねる)ことによって作業支援装置1を稼働させ通信履歴情報31を蓄積・充実させる。
検索部22(図1)は、以下の入力データが入力されると以下の出力データを出力する関数機能を有する。
入力データ:作業画像、作業音声、作業種類、作業位置、作業者ID
出力データ:検索キー、参照資料、支援音声
図7は、通信履歴情報31の一例である。当該通信履歴情報31aは、対人モードにおいて作成される例である。通信履歴情報31においては、作業者ID欄101に記憶された作業者IDに関連付けて、作業種類欄102には作業種類が、作業位置欄103には作業位置が、作業画像欄104には作業画像が、作業音声欄105には作業音声が、時刻欄106には時刻が、支援者ID欄107には支援者IDが、支援音声欄108には支援音声が、参照資料(検索キー)欄109には参照資料及び検索キーが記憶されている。
作業種類欄102の作業種類は、作業者2の作業内容を簡潔に示した文字列である。
作業位置欄103の作業位置は、作業者2の現在位置の経度及び緯度である。作業者端末装置4は、例えばGPS機能を使用して自身の経度及び緯度を取得することができる。作業支援装置1は、現場地図(図示せず)を補助記憶装置15に格納しており、作業者端末装置4から受信した経度及び緯度に基づき、作業場所63(図4)を特定する。
作業音声欄105の作業音声は、その時刻においてマイクロフォン43が取得した作業者2の音声である。このうち“yy1.wav”等は、音声波形自身に紐付けられた“名称+拡張子”であり、“メータがたくさんあります”等は、音声波形が示す自然言語の文字列である。音声波形自身は、補助記憶装置15又は他の任意の装置に格納されている(後記する支援音声及び参照資料についても同様)。
支援者ID欄107の支援者IDは、作業者2を支援する立場にある熟練作業者を一意に特定する識別子である。
支援音声欄108の支援音声は、その時刻において作業支援装置1の入力装置(マイクロフォン)12が取得した熟練作業者の音声である。
・2021年8月10日、非熟練の作業者Y01は、配電盤点検を行った。熟練作業者X01は、現場から離れたオフィスから作業者Y01を監視していた。
・配電盤点検は、現場の配電盤に配置された電圧計が示す値を確認する作業である。
・同日の10時00分00秒、作業者Y01は、“メータがたくさんあります”と熟練作業者X01に発声した。おそらく作業者Y01は、メータの数の多さに気後れし一瞬戸惑っていた。熟練作業者X01は、“メータがたくさんあります”を聞くとともに作業画像“yy1.jpg”を視認してそれを感じ取っていた。
・10時00分10秒、作業者Y01は、“どのメータですか”と熟練作業者X01に発声した。おそらく作業者Y01は、複数の電圧計を区別することができずにいた。熟練作業者X01は、“どのメータですか”を聞くとともに作業画像“yy3.jpg”を視認してそれを感じ取っていた。
図9は、処理手順のフローチャートである。図9の処理手順は、対人モードの処理手順である。図9において破線で囲まれた“作業支援装置1”等は、その下の各ステップの処理主体である。
ステップS201において、作業者端末装置4は、画像を受け付ける。具体的には、作業者端末装置4は、カメラ42が取得した作業者2の視野の画像(作業画像)をウエアラブルデバイス3から受け付ける。
第2に、作業支援部21は、支援画面61(図4)を出力装置13に表示する。
第2に、検索部22は、熟練作業者が資料の一部68を参照資料として選択するのを受け付ける。
第2に、作業者端末装置4は、カメラ(プロジェクタ)42を介してスマートグラス(ディスプレイ)41に、ステップS210の“第1”において受信した参照資料を投影する。このとき投影される参照資料は、拡張現実としての案内画像54a(図3)である。
第2に、作業者端末装置4は、カメラ(プロジェクタ)42を介してスマートグラス(ディスプレイ)41に、ステップS213の“第1”において受信した支援音声を投影するとともに、スピーカ44を介して再生する。このとき投影される支援音声は、拡張現実としての案内音声53a(図3)である。
模範モードの処理手順は、対人モードの処理手順(図9)に準ずる。但し、作業者端末装置4を操作するのは、熟練作業者である。熟練作業者は、作業者端末装置4を介して、作業支援装置1を遠隔操作する。
自動モードの処理手順もまた、対人モードの処理手順(図9)に準ずる。但し、作業支援装置1は、検索部22の関数機能等を活用し自動で各処理を実行するので、熟練作業者による操作は不要である。
本実施形態の作業支援装置等の効果は以下の通りである。
(1)作業支援装置は、非熟練作業者が遠隔地の熟練作業者のノウハウを臨機応変に活用することを可能にする。
(2)作業支援装置は、非熟練作業者向けの参照資料を熟練作業者が自ら取得することを可能にする。
(3)作業支援装置は、過去に蓄積された熟練作業者のノウハウを活用することができる。
(5)作業支援装置は、熟練作業者が容易に学習データを作成することを可能にする。
(6)作業支援装置は、熟練作業者が存在しなくても稼働することができる。
(7)作業支援システムは、非熟練作業者が熟練作業者のノウハウをハンズフリーで視認することを可能にする。
(8)作業支援プログラムは、既にコンピュータを使用しているユーザが、そのコンピュータによって、非熟練作業者が遠隔地の熟練作業者のノウハウを臨機応変に活用することを可能とする。
2 作業者
3 ウエアラブルデバイス
4 作業者端末装置
5 外部サーバ
6 無線基地局
7 配電盤
8 ネットワーク
9 現場
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 作業支援部
22 検索部
31、31a、31b 通信履歴情報
32 資料
41 スマートグラス(ディスプレイ)
42 カメラ
43 マイクロフォン
44 スピーカ
45 通信装置
61 支援画面
71 検索画面
Claims (3)
- 現場において非熟練作業者が行う作業を撮像した作業画像、及び、前記作業を行うに際し前記非熟練作業者が発した作業音声を受信し、
前記現場から離れた熟練作業者が前記作業画像及び前記作業音声に応じて発した支援音声、及び、前記作業画像及び前記作業音声に応じて前記熟練作業者が選択した参照資料を前記非熟練作業者が携帯する作業者端末装置に送信し、
前記非熟練作業者が現在視認している実像に重ねて、前記非熟練作業者の視線の方向から検出された前記非熟練作業者が現在注視している箇所を示す図形を拡張現実として前記熟練作業者が視認する出力装置に表示する作業支援部と、
前記熟練作業者が検索キーを入力するのを受け付け、
前記受け付けた検索キーに基づき資料を検索し、
前記検索した資料のうち前記熟練作業者が画面上で選択した一部を前記参照資料とし、
過去に蓄積された前記支援音声及び前記参照資料が使用可能である場合、前記作業画像又は前記作業音声に応じて、前記過去に蓄積された支援音声及び参照資料のうちから前記非熟練作業者に送信するものを取得し、
前記作業画像及び前記作業音声を入力とし、前記支援音声及び前記参照資料を出力とする関数機能を有し、
過去における前記作業画像、前記作業音声、前記支援音声及び前記参照資料の通信履歴を学習データとして、前記関数機能を学習する検索部と、
を備えること、
を特徴とする作業支援装置。 - 作業支援装置と、非熟練作業者が装着するウエアラブルデバイスを備える作業支援システムであって、
前記作業支援装置は、
現場において前記非熟練作業者が行う作業を撮像した作業画像、及び、前記作業を行うに際し前記非熟練作業者が発した作業音声を受信し、
前記現場から離れた熟練作業者が前記作業画像及び前記作業音声に応じて発した支援音声、及び、前記作業画像及び前記作業音声に応じて前記熟練作業者が選択した参照資料を前記非熟練作業者が携帯する作業者端末装置に送信し、
前記非熟練作業者が現在視認している実像に重ねて、前記非熟練作業者の視線の方向から検出された前記非熟練作業者が現在注視している箇所を示す図形を拡張現実として前記熟練作業者が視認する出力装置に表示する作業支援部と、
前記熟練作業者が検索キーを入力するのを受け付け、
前記受け付けた検索キーに基づき資料を検索し、
前記検索した資料のうち前記熟練作業者が画面上で選択した一部を前記参照資料とし、
過去に蓄積された前記支援音声及び前記参照資料が使用可能である場合、前記作業画像又は前記作業音声に応じて、前記過去に蓄積された支援音声及び参照資料のうちから前記非熟練作業者に送信するものを取得し、
前記作業画像及び前記作業音声を入力とし、前記支援音声及び前記参照資料を出力とする関数機能を有し、
過去における前記作業画像、前記作業音声、前記支援音声及び前記参照資料の通信履歴を学習データとして、前記関数機能を学習する検索部と、
を備え、
前記ウエアラブルデバイスは、
前記送信された支援音声及び参照資料を、前記非熟練作業者に拡張現実として示すヘッドマウント形のウエアラブルデバイスであること、
を特徴とする作業支援システム。 - コンピュータを、
現場において非熟練作業者が行う作業を撮像した作業画像、及び、前記作業を行うに際し前記非熟練作業者が発した作業音声を受信し、
前記現場から離れた熟練作業者が前記作業画像及び前記作業音声に応じて発した支援音声、及び、前記作業画像及び前記作業音声に応じて前記熟練作業者が選択した参照資料を前記非熟練作業者が携帯する作業者端末装置に送信し、
前記非熟練作業者が現在視認している実像に重ねて、前記非熟練作業者の視線の方向から検出された前記非熟練作業者が現在注視している箇所を示す図形を拡張現実として前記熟練作業者が視認する出力装置に表示する作業支援部と、
前記熟練作業者が検索キーを入力するのを受け付け、
前記受け付けた検索キーに基づき資料を検索し、
前記検索した資料のうち前記熟練作業者が画面上で選択した一部を前記参照資料とし、
過去に蓄積された前記支援音声及び前記参照資料が使用可能である場合、前記作業画像又は前記作業音声に応じて、前記過去に蓄積された支援音声及び参照資料のうちから前記非熟練作業者に送信するものを取得し、
前記作業画像及び前記作業音声を入力とし、前記支援音声及び前記参照資料を出力とする関数機能を有し、
過去における前記作業画像、前記作業音声、前記支援音声及び前記参照資料の通信履歴を学習データとして、前記関数機能を学習する検索部と、
して機能させるための作業支援プログラム。
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