以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
ゲームシステム1は、ネットワークを介して複数の電子装置が接続されるシステムによって実現することができるが、1台の電子装置によっても実現することもできる。第1及び第2の実施形態として最初にネットワークに接続されたシステムを用いた実施形態について説明し、その後、第3の実施形態として1台の電子装置で実現する実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムの全体構成の一例を示す。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の電子装置10と、サーバ20とを備え、電子装置10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ-クライアントシステムを想定して説明する。
図2は本発明の一実施形態による電子装置10及びサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。電子装置10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、電子装置10はスマートフォンである。ただし、電子装置10は、上記の構成を備えるものであれば、タブレット型コンピュータ、タッチパッド等の接触型入力装置を備えるコンピュータなどの端末とすることができる。
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
プロセッサ11、21は、電子装置10ないしサーバ20全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21は、記憶装置14、24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11、21は、複数のプロセッサから構成される。
表示装置(ディスプレイ)12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などを電子装置10のユーザ(プレイヤ)ないしサーバ20のユーザ(管理者)に表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。
入力装置13、23は、電子装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態において電子装置10はスマートフォンであるため、電子装置10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。
記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROMを含む、一般的なスマートフォンないしコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ゲームアプリケーションを記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームアプリケーションを記憶する。ゲームアプリケーションは、ゲームを実行するためのゲームプログラム及び該ゲームプログラム実行時に参照する各種データを含む。ゲームプログラムは、電子装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、電子装置10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームアプリケーションはクライアントである各電子装置において実行されゲームプログラムが適切に実行されるように管理するための機能及び各種データを含む。
1つの例では、記憶装置14、24は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11、21が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11、21が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。補助記憶装置は、例えば、オペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に伴って参照され得る各種データなどを格納する。
通信装置15、25は、ネットワーク2(図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。電子装置10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。
図3は本発明の一実施形態による電子装置10及びサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。電子装置10は、入力部31、表示部32、通信部33及びゲーム制御部34を備え、サーバ20は、入力部41、表示部42、通信部43及びゲーム管理部44を備える。本実施形態においては、プロセッサ11及び21がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24に記憶されているゲームプログラム及びゲーム管理用プログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
入力部31、41は、入力装置13、23を用いて構成されるものであり、電子装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付ける。電子装置10及びサーバ20は、入力部31、41によりユーザ入力を受け付ける。本実施形態では、電子装置10においてはタッチパネルを備えるスマートフォンが一般的に有しているタッチ検出機能を用いることができる。
表示部32は、ゲームフィールド50を含むゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作に応じたゲーム用画面を表示する。ゲーム制御部34は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理を行う。
表示部42は、必要に応じてゲーム管理者のための管理用画面を表示装置22に表示する。ゲーム管理部44は、本実施形態の電子装置10において実行されるゲームの管理のための処理を行う。1つの例では、ゲーム管理部44は、電子装置10においてゲームアプリケーションが実行されると、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。例えばゲーム管理部44は、電子装置10において実行されたゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶し、適宜電子装置10に提供する。複数のプレイヤが協力してゲームを進行させるマルチプレイヤの場合には、プレイヤのゲーム進行についてのデータを他のプレイヤの電子装置10へ提供する。各電子装置10のゲーム制御部34は自己のゲーム状態及び他の電子装置10から送信されてきたゲーム状態に基づいてゲームを進行させる。
図4は、ゲーム用画面の一例を示す図である。ゲーム制御部34は、ゲームの進行のための仮想空間としてゲームフィールド50を設定する。図4に示すゲーム用画面は、電子装置10の入力部31及び表示部32として機能するタッチパネル17の画面全体に表示される画面である。ゲームフィールド50は、好ましくは、図4に示すように、タッチパネル17の画面全体の大部分に表示される。タッチパネル17は、縦軸方向及び横軸方向からなる座標平面を用いて、座標により位置が指定される。ゲーム制御部34は、座標を用いてゲームフィールド50内の位置を特定する。ゲーム制御部34は、ゲーム用画面の縦軸方向及び横軸方向の長さを所定の長さ、例えば1920ピクセル及び1080ピクセルに定め、タッチパネルのサイズや画面解像度に関わらず、ゲームフィールド50内の距離や位置を特定する際には該ピクセルの値を用いる。なおゲームフィールド50内の位置の特定は上記に限定されず、ゲーム制御部34は、異なるサイズや画面解像度のタッチパネル上のゲーム用画面の大きさに対応した大きさで表示されるゲームフィールド50内の位置を特定可能な既知の方法を用いることができる。
ゲーム制御部34は、仮想的な壁58で囲まれた仮想空間として構成されるゲームフィールド50を生成し、ゲームの進行に応じて、各種オブジェクトを配置する。図4に示すゲームフィールド50内には、パーティーオブジェクト51、敵オブジェクト54、及び操作オブジェクト55が配置されている。パーティーオブジェクト51は、ゲームフィールド50内を移動するメインオブジェクト52及び該メインオブジェクト52に追従して移動するサブオブジェクト53を含んで構成される。例えば、ゲーム制御部34は、ゲーム開始時におけるゲームフィールド50内には、パーティーオブジェクト51や敵オブジェクト54を配置せず、ゲームの進行に応じて、これらのオブジェクトを配置する。
図4はパーティーオブジェクト51の一例を示し、先頭で移動する1つのメインオブジェクト52と、2番目で先頭に追従して移動する1つのサブオブジェクト53と、3番目で2番目に追従して移動する1つのサブオブジェクト53から構成される。パーティーオブジェクト51を構成するメインオブジェクト52及びサブオブジェクト53は、プレイヤキャラクタに対応するプレイヤオブジェクトから各々選択されたオブジェクトであり、各々がプレイヤオブジェクトのうちの1つである。
プレイヤキャラクタは、ユーザが直接的又は間接的に操作可能なキャラクタである。本実施形態のゲームにおいては、ゲーム管理者などにより、複数のプレイヤキャラクタが予め設定され、各プレイヤキャラクタに、各々対応する個別パラメータが設定される。例えばプレイヤキャラクタに設定される個別パラメータは、レベル、攻撃力、守備力、ヒットポイント、特殊能力などを含む。パーティーオブジェクト51を構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のキャラクタの一群がRPGゲームにおけるパーティーに対応する。
なお、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52等のオブジェクトに対応付けたプレイヤキャラクタ等にパラメータを設定してもよいし、該オブジェクトにプレイヤキャラクタ等に対応するパラメータを設定してもよい。本実施形態では、ゲーム制御部34のオブジェクトに対するパラメータ設定方法は、いずれの方法でも行うことができる。他のオブジェクトについても同様である。また、特に言及がない限り、単にパラメータと表現したときは、パラメータは個別パラメータを意味するものとする。
サブオブジェクト53は、メインオブジェクト52とは異なるプレイヤキャラクタに対応付けられ、サブオブジェクト53同士も異なるプレイヤキャラクタに対応付けられる。図4は、パーティーオブジェクト51が2つのサブオブジェクト53を含む様子を示すが、サブオブジェクト53は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
1つの例では、ゲーム制御部34は、ユーザ(プレイヤ)により選択可能なプレイヤオブジェクトから1つのメインオブジェクト52をユーザに選択させ、当該選択を受け付ける。ゲーム制御部34は、プレイヤオブジェクトから、選択を受け付けたメインオブジェクト52とは異なるサブオブジェクト53をユーザに選択させ、当該選択を受け付ける。
敵オブジェクト54は、衝突オブジェクトのうちの1つであり、敵キャラクタに対応する。本実施形態のゲームにおいては、ゲーム管理者などにより、衝突オブジェクトに対応付けられたキャラクタ等の各々又は衝突オブジェクトの各々には、対応する個別パラメータが設定される。例えば敵オブジェクト54に対応付けられた敵キャラクタは、プレイヤキャラクタと同様にして、敵キャラクタ各々に対応する個別パラメータが設定される。例えば敵キャラクタに設定される個別パラメータは、攻撃力、守備力、ヒットポイント、特殊能力などを含む。
本実施形態のゲームは、複数のゲームステージに対応する複数のゲームフィールド50を含み、ゲーム制御部34は、ゲームフィールド50毎に、各オブジェクトを異なる位置に配置することができる。図4に示すゲームフィールド50は、1つの例示である。
ゲーム制御部34は、ゲームフィールド50に、仮想的な重力を設定する。仮想的な重力とは、現実世界の重力と同様の現象を仮想空間にて再現したものである。ゲーム制御部34は、仮想的な重力及び反発係数を含む力学的パラメータを用いた物理演算を行う。物理演算には、既知の物理エンジンを用いることができる。ゲーム制御部34は、プレイヤオブジェクト、衝突オブジェクト、及び操作オブジェクト55の各々について、質量、形状、位置、速度、反発係数などの力学的パラメータを設定する。これらの力学的パラメータは、プレイヤキャラクタに対応する個別パラメータ等とは異なる、物理演算用のパラメータである。質量、形状、反発係数などの力学的パラメータは、ゲーム管理者などにより予め定められる。
メインオブジェクト52は、パーティーオブジェクト51の先頭で移動するオブジェクトであり、ピンボールゲームにおけるボールに相当するオブジェクトである。そのため、メインオブジェクト52は、ボールと同様に移動することが可能なオブジェクトである。ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52が仮想的な重力に従ってゲームフィールド50内を移動するように動作を制御し、メインオブジェクト52は、仮想的な重力の影響を受けて重力方向に加速する。図4に示すゲームフィールド50において、重力方向は下方向である。
ゲーム制御部34は、サブオブジェクト53が、ゲームフィールド50内において、メインオブジェクト52の軌道を追従して移動するように動作を制御する。したがって、パーティーオブジェクト51は全体として一列で移動する。好ましくは、ゲーム制御部34は、サブオブジェクト53がメインオブジェクト52と一定の間隔を保って追従して移動するように制御する。また好ましくは、ゲーム制御部34は、サブオブジェクト53同士も一定の間隔を保って追従して移動するように制御する。
ゲーム制御部34は、パーティーオブジェクト51のうちのメインオブジェクト52と敵オブジェクト54を含む衝突オブジェクトとの衝突を判定する。衝突判定(当たり判定)は、既知の方法を用いることができる。
ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54が衝突したと判定した場合、各オブジェクトの力学的パラメータを用いて、衝突したときにメインオブジェクト52に作用する物理量を演算する。ゲーム制御部34は、演算結果の物理量を用いてメインオブジェクト52の速度を決定し、メインオブジェクト52を移動させる。このように、ゲーム制御部34は、衝突したときのメインオブジェクト52の跳ね返り動作に関する物理演算を行う。メインオブジェクト52が操作オブジェクト55又は仮想的な壁58と衝突するときも同様である。
ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54が衝突したと判定したとき、メインオブジェクト52及び敵オブジェクト54の少なくとも一方に、物理演算による効果とは異なる追加の効果を与える。
1つの例では、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54が衝突したと判定した場合、メインオブジェクト52に設定された個別パラメータに基づいて、衝突したと判定した敵オブジェクト54に設定された個別パラメータを変化させる。
1つの例では、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54が衝突したと判定した場合、メインオブジェクト52に対応付けられたプレイヤキャラクタが敵オブジェクト54に対応付けられた敵キャラクタにダメージを与えたと判定する。このとき、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52に対応付けられたプレイヤキャラクタに設定された攻撃力などの個別パラメータからダメージ量を算出する。続いてゲーム制御部34は、算出されたダメージ量を用いて、衝突したと判定した敵オブジェクト54に対応付けられた敵キャラクタのヒットポイントを減少させるなど、該敵キャラクタの個別パラメータを変化させる。
敵オブジェクト54を含む衝突オブジェクトは、仮想的な重力の影響を受けないオブジェクトである。これにより、ゲーム制御部34は、敵オブジェクト54をゲーム性がより高くなる位置に継続的に配置することが可能となる。1つの例では、敵オブジェクト54(敵キャラクタ)は、攻撃オブジェクト56を発し、ゲーム制御部34は、パーティーオブジェクト51のいずれかのプレイヤオブジェクトが該攻撃オブジェクトと衝突するとき、衝突したプレイヤキャラクタはダメージを受けたと判定する。このとき、ゲーム制御部34は、プレイヤオブジェクトに対応付けられたプレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させるなど、該プレイヤキャラクタのパラメータを変化させる。衝突オブジェクトは、メインオブジェクト52が衝突可能なものであればよく、例えば仮想的な壁58も衝突オブジェクトである。ただし、衝突オブジェクトは、仮想的な重力の影響を受けるオブジェクトとすることもできる。
操作オブジェクト55は、ユーザにより操作されるオブジェクトであり、ピンボールゲームにおけるフリッパーに相当する打球オブジェクト55である。図4に示すように、操作オブジェクト55は、一対の打球オブジェクト55である。一対の打球オブジェクト55は、外側の一端部55aを中心として他端側55bを上下に変位するように構成される。
1つの例では、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52と打球オブジェクト55が衝突したと判定したとき、衝突したときの跳ね返り動作に関する物理演算を行い、物理演算結果を用いてメインオブジェクト52の速度を決定する。好ましくは、ゲーム制御部34は、ユーザの操作性を考慮して、操作オブジェクト55からメインオブジェクト52に対して加えられる力及び角度を補正する。なお、操作オブジェクト55は、1つの打球オブジェクト55としてもよいし、3以上の打球オブジェクト55としてもよい。
ゲーム制御部34は、タッチパネル17が検出したタッチに基づいて操作オブジェクト55を動作させる。具体的には、タッチパネル17がタッチを受け付けたとき、ゲーム制御部34は、図5に示すように、打球オブジェクト55の各々の他端側55bを、タッチパネル17がタッチを検出していないときに比べて、上側の所定位置に変位させる。ゲーム制御部34は、タッチパネル17がタッチを受け付けている間は、打球オブジェクト55の他端側55bを所定位置に保持する。図4に示す打球オブジェクト55は、タッチパネルがタッチを受け付けていない状態を示すものである。
1つの例では、左側の打球オブジェクト55が、タッチパネルがタッチを受け付けて図4から図5の状態となるとき、ゲーム制御部34は、他端側55bの先端が、一端部55aを中心として、所定距離又は所定角度反時計回りに変位するように制御する。1つの例では、ゲーム制御部34は、タッチパネル17で検出可能なすべての位置のタッチを受け付けて、同様の処理を実行する。操作オブジェクト55は、衝突オブジェクトのうちの1つと考えることもできるが、ユーザの入力により動作する点で、衝突オブジェクトと異なる。
本実施形態のゲームにおいては、プレイヤはスキルを発動することにより特殊効果を発生させることができる。スキルは各プレイヤキャラクタに対応付けられ、すべてのプレイヤキャラクタが1つだけ保有しているものとする。スキルは、敵キャラクタに大きなダメージを与えるスキルや、プレイヤキャラクタのヒットポイントを回復させる等の効果を発生させるものとすることができる。スキルは、例えば、所定の速度で蓄積されるスキルゲージが最大まで貯まっているときに、スキルゲージを全て消費して発動させることができる。
さらに、本実施形態においては、スキル連鎖の数(スキル連鎖数)に基づいて追加効果を発動することが可能である。より具体的には、スキル連鎖受付状態がオンの間に2以上の所定数のスキルが発動されると、その発動されたスキルの数に基づいて追加効果を発動することができる。スキル連鎖受付状態は、典型的には、最初にスキルが発動されてから所定の時間が経過するまでオン状態となり、所定の時間を経過するとオフとなる。スキル連鎖受付状態がオンの間に、次のスキルが発動される度に、経過時間を測定するタイマーをリセットすることで、スキル連鎖受付状態オンを延長させることを可能とする。これにより、スキル連鎖の機会を増やすことができる。そして、プレイヤは、スキルゲージの蓄積度合いを考慮しつつ、スキル発動の効果的なタイミングを考えてプレイすることになり、ゲームへの没入感を高めることができる。
スキル連鎖による追加効果の発動は、追加効果発動条件が満たされると実行される。追加効果発動条件は、スキル連鎖受付状態をオンとしてから所定時間が経過し且つスキル連鎖数が最低スキル連鎖数以上となった場合か、スキル連鎖数が最大スキル連鎖数となった場合に、満たされたものと判定することができる。最低スキル連鎖数は、マルチプレイヤの場合には、1人のプレイヤでは実行できないスキル数より大きい値とすることが好ましい。例えば、1人のプレイヤが発動可能な最大スキル連鎖数が3であるとすると、最低スキル連鎖数を4とする。これにより、2以上のプレイヤの協力によってのみ追加効果を発動させることを可能とし、協力プレイ特有の楽しみを提供することができる。
次に、本実施形態のゲームの一例を簡単に説明する。ここでは、複数のプレイヤが一つのチームとなって協力してゲームを進行させるマルチプレイヤの場合を例にとって説明するが、各ユーザが単独でプレイするシングルプレイヤとして実行することも可能である。同一チームに所属する複数のプレイヤが個々の電子装置10を用いてネットワーク2及びサーバ20を介して通信を行いながら、協力してゲームを進行させる。サーバ20のゲーム管理部44が、各チームに識別番号を割り当てて記憶し、各チームに所属するプレイヤの識別番号を記憶して、チーム及びプレイヤを管理する。これらの情報はゲームを開始する前に、電子装置10を用いてサーバ20にアクセスしてプレイヤ及びチーム登録処理を行うことにより実現することができる。
各電子装置10のゲーム制御部34は、ユーザにより選択可能なプレイヤキャラクタから、メインオブジェクト52に対応付けるキャラクタをユーザに選択させ、当該選択を受け付ける。続いてゲーム制御部34は、プレイヤキャラクタから、サブオブジェクト53に対応付けるキャラクタをユーザに選択させ、当該選択を受け付ける。
各プレイヤの電子装置10のゲーム制御部34は、1つのゲームフィールド50を含むゲーム画面をタッチパネルに表示する。ゲームフィールド50には、1つのメインオブジェクト52及び1又は複数のサブオブジェクト53を含んで構成されるパーティーオブジェクト51、1又は複数の敵オブジェクト54、並びに一対の打球オブジェクト55が配置される。パーティーオブジェクト51を構成する各オブジェクトは、選択を受け付けたプレイヤキャラクタに各々対応し、敵オブジェクト54は敵キャラクタに対応する。メインオブジェクト52は、ピンボールゲームのボールのように仮想的な重力に従って、ゲームフィールド50内を移動し、サブオブジェクト53は、メインオブジェクト52の軌道を追従して移動し、パーティーオブジェクト51は全体として一列で移動する。打球オブジェクト55は、落下するメインオブジェクト52を、ユーザ操作に応じて一端部55aを中心にして上下に動作させて弾くことができるように、重力方向下部に配置される。
ゲーム制御部34は、プレイヤキャラクタに対応するメインオブジェクト52が敵キャラクタに対応する敵オブジェクト54に衝突したと判定したとき、該プレイヤキャラクタが該敵キャラクタを攻撃したと判定し、該敵キャラクタのヒットポイントを減少させる。更に、ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52が敵キャラクタに衝突したと判定された点を衝突点60とし、プレイヤキャラクタに対応するサブオブジェクト53が衝突点60を通過したとき、該プレイヤキャラクタが当該敵キャラクタを攻撃したと判定し、該敵キャラクタのヒットポイントを減少させる。一方、プレイヤキャラクタに対応するメインオブジェクト52又はサブオブジェクト53が攻撃オブジェクト56に衝突したとき、ゲーム制御部34は、プレイヤキャラクタが攻撃を受けたと判定し、攻撃を受けたプレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させる。
更に、各プレイヤキャラクタにスキルが対応付けられ、メインオブジェクト52及びサブオブジェクト53に対応付けられたプレイヤキャラクタのスキルをゲーム中に発動することができる。スキルによって発生される効果は例えば敵キャラクタへダメージを与える効果を有するものや、プレイヤキャラクタのヒットポイントを回復する効果を有するものなどプレイヤに有利な様々な効果とすることができる。スキル連鎖数に基づいて追加効果を発動することも可能である。追加効果もまたプレイヤに有利な様々な効果とすることができる。
またゲームフィールド50には、一対の打球オブジェクト55の間に、メインオブジェクト52が通過できる空隙が形成され、更に重力方向下部には穴59が形成される。ゲーム制御部34は、メインオブジェクト52が穴59に落下したとき、すなわちパーティーオブジェクト51が穴59に落下したとき、各オブジェクトに対応付けられたプレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させたり、ゲームオーバとするなどのマイナスの効果を与える。
このように、本実施形態のゲームの目的の1つは、パーティーオブジェクト51が攻撃オブジェクト56に当たらないように、かつ穴59に落下しないようにして、メインオブジェクト52を敵オブジェクト54に当てたり、スキルや追加効果を発動することにより、プレイヤキャラクタのヒットポイントがゼロとなる前に敵キャラクタのヒットポイントをゼロとすることである。マルチプレイヤの場合には、複数のプレイヤがこの目的を果たすために協力して敵キャラクタへの攻撃を行う。この場合、他のプレイヤのパーティーオブジェクトをもゲームフィールド50に表示してもかまわないが、簡略化のためここでは自己の操作するオブジェクトのみを表示するものとして説明する。
次に、図6を用いて、本発明の一実施形態による電子装置10において実行されるメイン処理100について説明する。なお本実施形態においては電子装置10としてスマートフォンを用いているが、一般的にスマートフォンは30fps、60fpsなどのフレームレートが設定される。電子装置10は、好ましくは、フレームレートに対応させて一定時間毎に処理を実行する。
電子装置10は、ゲームを開始すると、図4に示すようなゲームフィールド50を含むゲーム用画面を表示する(S101)。次に電子装置10は、入力部31として機能するタッチパネル17へのプレイヤによるタッチ入力についての情報を取得するための操作情報取得処理を実行する(S102)。ゲーム制御部34は更に、後述するスキル関連処理200をメイン処理100と並行してゲームが終了するまで継続的に実行する。メイン処理100において取得された操作情報に基づいて、スキル関連処理200が実行される。
次に電子装置10は、ゲーム状態を更新する(S104)。ゲーム状態は、各種オブジェクトの力学的パラメータ及び個別パラメータ、衝突判定並びにスキルに関連する状態を含む。例えば、電子装置10は、1つ前のフレームにおける力学的パラメータ、前フレームからの経過時間、仮想的な重力、及び1つ前のフレームにおける衝突判定結果などから各種オブジェクトの力学的パラメータを更新することで、各種オブジェクトの位置及び速度を更新する。例えば経過時間は、フレームレートと経過フレーム数から算出される。
電子装置10は、更新された各種オブジェクトの力学的パラメータから衝突判定を行う。更に、電子装置10は、当該フレームにおける衝突判定結果、発動されたスキルや追加効果及び1つ前のフレームにおける個別パラメータなどから各種オブジェクトの個別パラメータを更新する。衝突判定は種々の方法により、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54の力学的パラメータを用いて、メインオブジェクト52と敵オブジェクト54が衝突したかどうかを判定することができることは当業者には理解される。
スキルに関連する状態は、発動されたスキル及び追加効果、スキル連鎖受付状態、スキル連鎖数及びスキル連鎖受付状態タイマーを含む。本実施形態において、これらの情報は、スキル関連処理200における電子装置10における処理、及び、スキル連鎖受付状態オン/オフ通知、発動スキル通知等のサーバ20から送信される信号によって取得、記憶され、電子装置10のゲーム制御部34が当該電子装置10におけるゲーム状態を更新する。ゲーム状態は、ゲームフィールド50に関する情報なども含むが、本明細書では説明を省略する。
次に電子装置10は、更新されたゲーム状態に基づいて、ゲーム用画面を描画することにより、ゲーム用画面を更新する(S106)。例えば、電子装置10は、更新された各種オブジェクトの力学的パラメータ及び個別パラメータから各種オブジェクトの位置及び状態を確定して、ゲーム用画面を描画することにより、更新されたゲーム用画面を表示装置12に表示する。例えば、更新された敵オブジェクト54の個別パラメータのヒットポイントがゼロのとき、当該敵オブジェクト54は更新されたゲーム用画面が含むゲームフィールド50から消滅する。
S108において、ゲームが終了しない限り、本処理はS102へ戻る。本処理は、必要に応じて、衝突判定処理等の他の処理との同期を持たせつつ、並行して実行することができる。
なお、本フローチャートにおける各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて又は代えて別の処理が実行されてもよい。例えば、S101~108の処理の順序は入れ替えることができる。
図7は、本発明の一実施形態による電子装置10及びサーバ20において実行されるスキル関連処理200の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、プレイヤによる操作情報としてのタッチ入力に基づく、フリッパー55の制御のための処理、スキル発動及びスキル連鎖数に基づく追加効果の発動処理も含まれる。
まず、電子装置10のゲーム制御部34は、S102においてタッチパネル17から取得された操作情報に基づいて、フリッパー55を操作する(S201)。プレイヤによるタッチパネル17へのタッチが検出されたと判定された場合には、操作オブジェクトであるフリッパー55を振り上げて、先端部をタッチパネルがタッチを検出していないときに比べて、上側の所定位置に移動させる。検出されたタッチが継続的なタッチの場合には振り上げられたフリッパー55の先端部は上側の所定位置で保持する。一方、タッチが検出されない場合には、フリッパー55の先端部を下側の所定位置で保持する。また、継続的なタッチが終了して、タッチが検出されなくなった場合には、フリッパー55を振り下ろして、先端部を下側の所定位置で保持する。
次に、電子装置10及びサーバ20は操作情報に基づいて、スキル発動処理を実行する。まず、電子装置10のゲーム制御部34は検出されたタッチパネル17へのタッチ入力がスワイプ入力であるか否かを判定する(S202)。スワイプ入力とはプレイヤの指等をタッチパネル17に接触させ、当該接触を維持したまま移動させた後、タッチパネルから離す操作入力である。例えば、スライドやフリック操作はスワイプ入力に含まれる。スワイプ入力でなければS228へ移行し、スキル発動のための処理をスキップする。
タッチ入力がスワイプ入力であればスワイプ方向を判定する(S204)。本実施形態においては、スワイプ方向に基づいて発動するスキルを決定する。スワイプ方向は例えば、図8に示すようにスワイプ方向が4つの領域のいずれの領域に含まれるかに基づいて決定することができる。ここではタッチパネル17におけるプレイヤの指86のタッチ開始位置81を中心として水平右方向(88)を0°としたとき、330°≦角度α<50°の領域を右方向領域82とし、50°≦角度α<130°を上方向領域83、130°≦角度α<210°を左方向領域84、210°≦角度α<330°を下方向領域85とする。プレイヤの指86のタッチ位置がタッチ開始位置81からスライドして、離された位置が属する領域に基づいてスワイプ方向を決定する。例えば、図8の矢印89の方向へスライドし、上方向領域83内の位置87において離された場合、スワイプ方向は上方向であると判定する。スワイプ方向を方向領域によって判定することにより、プレイヤのスワイプ操作が意図した方向から若干ずれたとしても、プレイヤの意図に則したスワイプ方向として認識することが可能となる。
本実施形態において、各プレイヤキャラクタは1つのスキルに対応付けられる。各スキルは互いに異なるものであってもよいし、重複してもよい。ここでは、スワイプ方向の右方向はメインオブジェクト52に対応付けられたメインキャラクタのスキル1に対応付けられ、上方向は2番目で先頭に追従するサブオブジェクト53に対応付けられたサブキャラクタ1のスキル2に対応付けられ、左方向は3番目で追従するサブオブジェクト53に対応付けられたサブキャラクタ2のスキル3に対応付けられる。更に、ここでは下方向はスキルではなく、パワーフリップ機能に対応付けられる。パワーフリップ機能とは、下方向へスワイプした後、当該タッチを所定時間以上継続することにより、フリッパーに特殊効果を生じさせ、フリッパーの振り上げ動作に際してパーティーオブジェクトがフリッパーに衝突すると、パーティーオブジェクトの一定時間攻撃力を強化する。
スワイプ方向は4つの方向に限られず、2以上の方向であればいかなる数の方向とすることもできる。また、すべてのスワイプ方向にスキルを対応付けてもよいし、一部の方向をパワーフリップ以外の特殊効果に対応付けてもよい。
図8は説明図であり、方向領域を示す線等は表示しないことが好ましい。一方で、図9に示すように、プレイヤがタッチパネルにタッチした際にいずれの方向へのスワイプがどのような効果をもたらすかを提示するための情報を表示することができる。ここでは、上左右方向に対応付けられたスキル名及びパワーフリップを表示するが(91~94)、スワイプ方向へ対応付けられたキャラクタやパワーフリップを示す画像を表示することもできる。これにより、プレイヤは意図に適した方向へのスワイプを行うことが可能となる。
スワイプ方向が判定されると(S204)、スワイプ入力の方向がスキル発動のための方向である、右方向、上方向及び左方向のいずれかであるか否かを判定する(S206)。ここで、下方向であれば、パワーフリップのためのスワイプ入力であるから、パワーフリップ処理(S212)を実行した後、S228へ移行し、スキル発動処理をスキップする。
スワイプ方向がスキル発動のための方向である場合には、スワイプ方向に基づいてスキルが発動される(S208)。スワイプ方向が右方向である場合にはメインキャラクタのスキル1が発動され、上方向である場合にはサブキャラクタ1のスキル2が発動され、左方向である場合にはサブキャラクタ2のスキル3が発動される。例えば、メインキャラクタのスキル1が一定量のダメージを敵キャラクタに与えるものである場合に、右方向へスワイプ入力を行うと、パーティーオブジェクトが敵オブジェクト54に衝突しなくとも、敵キャラクタへダメージを与えることができる。
スキルが発動されると、スキルが発動されたことを示す情報(スキル発動通知)がサーバ20へ送信される(S210)。サーバ20はスキル発動通知の受信を待ち受けており(S214)、スキル発動通知を受信すると、サーバ20のゲーム管理部44がスキル連鎖受付状態がオンであるか否かを判定する(S216)。ここではゲーム管理部44はチームの識別子に対応付けてスキル連鎖受付状態を管理する。すなわち、同一チームに所属する複数プレイヤに共通の状態としてスキル連鎖受付状態を管理する。ゲーム管理部44は、電子装置10から受信したスキル発動通知に含まれるプレイヤ識別情報に基づいて、プレイヤが所属するチームを特定し、特定されたチームのスキル連鎖受付状態を参照し、オンかオフかを判定することができる。ゲーム管理部44は、スキル連鎖受付状態をプレイヤ識別情報毎に管理し、同一チームに所属するプレイヤのスキル連鎖受付状態の変化を他のプレイヤのスキル連鎖受付状態に反映することで、共通したスキル連鎖受付状態とすることもできる。
スキル連鎖受付状態がオフである場合には、当該プレイヤが所属するチームのスキル連鎖受付状態をオンに設定し、スキル連鎖受付状態タイマーを開始させるとともに、スキル連鎖数を1にカウントアップする(S218)。スキル連鎖受付状態タイマー及びスキル連鎖数もチーム内で共通とし、チーム識別情報に対応付けて記憶する。本実施形態においては、タイマーが開始してから6.0秒でタイマーは満了するものとする。そして、同一チームに所属するすべてのプレイヤの電子装置10に対して発動されたスキル、スキル連鎖数及びスキル連鎖受付状態がオンになったことを示す情報(スキル連鎖受付状態オン通知)を送信する(S220)。
電子装置10はスキル連鎖受付状態オン通知を受信すると、ゲーム制御部34がスキルに関連する状態を更新する(S228)。より具体的には、スキル連鎖受付状態をオンに設定するとともに、スキル連鎖数及び発動されたスキルを記憶する。ここでは、スキル連鎖数を記憶することによりスキル連鎖数をカウントアップしたものとする。スキル連鎖数受付状態オン通知を受けた場合のスキル連鎖数は1であるから、スキル連鎖受付状態オン通知にスキル連鎖数を含ませずに、通知を受信するとスキル連鎖数を1にカウントアップしてもよい。この記憶された情報に基づいて、メイン処理100におけるゲーム状態更新ステップ(S104)においてゲーム状態が更新される。通知に基づいて記憶された情報を読み出して、現在の状態を書き換えることにより、更新してもよいし、ゲーム状態に直接記憶することをもってゲーム状態を更新したものとしてもよい。
ゲーム用画面更新ステップ(S106)において図10に示すように、タッチパネル17にスキル連鎖受付状態がオンになったこと(1001)、発動されたスキル及びスキル連鎖数が表示される(1002)。これにより、他のプレイヤによってスキルが発動された場合であっても、発動されたスキル、スキル連鎖数及びスキル連鎖受付状態がオンになったことを知ることができ、自分がどのスキルをどのタイミングで発動するかの戦略を立てることを可能とする。
スキル連鎖受付状態オン通知は、スキルを発動した電子装置10だけでなく、同一チームに所属する他のプレイヤの電子装置10においても受信される。これにより、スキルを発動していない電子装置10においてもスキル連鎖受付状態を共有することができる。スキルを発動した電子装置10においてはスキル連鎖受付状態がオンになったことは既知であるから、スキル連鎖受付状態オン通知の受信を省略してもよい。この場合、スキルを発動した電子装置10は発動したスキルを記憶して、発動されたスキル、スキル連鎖数及びスキル連鎖受付状態オンとなったことをプレイヤに提示することができる。
スキル連鎖受付状態がオンであった場合には(S216)、スキル連鎖受付状態タイマーをリセットし(S222)、スキル連鎖数を1つカウントアップし(S224)、発動されたスキル及びスキル連鎖数を示す情報(発動スキル通知)を同一チームの電子装置10へ送信する(S226)。発動スキル通知は、スキルを発動した電子装置10だけでなく、同一チームに所属する他のプレイヤの電子装置10においても受信される。これにより、スキルを発動していない電子装置10においても発動されたスキルについての情報を共有することができる。
発動スキル通知を受信した電子装置10はスキルに関連する状態を記憶し(S228)、ゲーム状態更新処理(S104)においてゲーム状態を更新し、これに基づいてスキルに関連する状態を表示する(S106)。例えば、図11に示すように、発動されたスキルを示す情報(1101)を表示するとともに、スキル連鎖数及びこれまでに発動されたスキルを示す情報(1102)を提示することができる。これにより、他のプレイヤによってスキルが発動された場合であっても、発動されたスキル及びスキル連鎖数を知ることができ、自分がどのスキルをどのタイミングで発動するかの戦略を立てることを可能とする。
次に、サーバ20のゲーム管理部44はスキル連鎖による追加効果発動条件を満たしているか否かを判定する(S230)。スキル連鎖受付状態がオンになってからの経過時間及びスキル連鎖数に基づいて追加効果発動条件が満たされたと判定される。ここではスキル連鎖受付状態タイマーが満了し、スキル連鎖数が最低スキル連鎖数以上である場合には追加効果発動条件が満たされたと判定する。例えば、最低スキル連鎖数が4である場合に、プレイヤA、B、C及びDがそれぞれ1つずつスキルを発動し、タイマーが満了した場合、スキル連鎖数=4≧最低スキル連鎖数=4であり、タイマーが満了したから追加効果発動条件が満たされたと判定される。
さらにスキル連鎖数が最大スキル連鎖数に到達した場合にはタイマーが満了する前であっても追加効果発動条件が満たされたと判定することができる。例えば、1人のプレイヤが発動できるスキルは最大3つであり、2人のプレイヤが協力してゲームを進行している場合には、最大スキル連鎖数は6であるから、スキル連鎖数が6になったときには、追加効果発動条件が満たされる。それ以上スキルを発動することが不可能であるため、タイマー満了を待つ必要がないからである。これによってスピーディーにゲームを進行させ、ゲームの興趣性を高めることができる。
また、スキル連鎖数受付状態タイマーが満了する前に、パーティーオブジェクト51が敵オブジェクト54に衝突する等により敵キャラクタにダメージを与え、敵キャラクタのヒットポイントがゼロとなった場合、スキル連鎖数が最低スキル連鎖数以上であれば、追加効果発動条件が満たされたと判定することもできる。この場合、敵キャラクタは既にヒットポイントがゼロとなっているため、本来であればこれ以上はダメージを与えることができないが、いわゆるオーバーキルとして、追加効果によるダメージを与えることにより、プレイヤにボーナスポイントを与えることが可能となる。
追加効果発動条件が満たされたと判定された場合には、サーバ20はスキル連鎖受付状態をオフに設定するとともに、スキル連鎖受付状態オフ通知を電子装置10へ送信し(SS232)、電子装置10はスキル連鎖受付状態をオフに変更して記憶する(S240)。
スキル関連状態記憶ステップ(S228及びS240)は、説明のためにスキル関連処理200のフローチャートの一部として説明したが、他の並列処理される処理として、通知の受信を常に監視し、通知を受信した際に実行してもよい。また、スキル関連状態の記憶を持ってスキル関連状態の更新とすることができる。
そして、スキル連鎖数に基づいて追加効果を発動するための指示(追加効果発動指示)がゲーム管理部44から同一チームのすべての電子装置10へ送信され(S234)、共通の追加効果が発動される。追加効果はスキル連鎖数に対応付けてゲーム管理部44に予め記憶されている。追加効果はスキル連鎖数だけでなく、発動されたスキルに基づいて変化させてもよい。電子装置10は追加効果発動指示を受信したと判定すると(S242)、この指示に基づいて追加効果を発動させる(S244)。追加効果は例えば、スキル連鎖数が大きいほど敵キャラクタへ大きなダメージを与えるものとすることができる。
スキル連鎖数が最大スキル連鎖数に到達していない場合には、スキル連鎖受付状態をオフにした後、追加効果発動指示を送信するまで所定の期間、例えば1.5秒間、追加効果発動待機状態としてもよい。追加効果発動待機状態の間にいずれかのプレイヤがスキルを発動した場合には、スキル連鎖数をカウントアップさせるが、タイマーのリセットは行わない。ネットワークを介したオンラインゲームの場合には、各電子装置による処理遅延や通信遅延等により電子装置間でタイムラグが生じる場合がある。例えば、サーバ20においてはタイマー満了によりスキル連鎖受付状態がオフになっているにもかかわらず、一つの電子装置10はスキル連鎖受付状態をオフに更新しておらず、プレイヤはこれを認識できない場合がある。このような場合に、厳密にスキル連鎖受付状態を管理すると、プレイヤはタイマー満了前にスキルを発動したにもかかわらず、正しくスキル連鎖数にカウントされなかったと認識する。そこで、発動待機状態の間であればタイマー満了後であっても所定の期間であればスキル連鎖にカウントすることにより、このようなタイムラグの問題を解消することができる。
追加効果発動条件が満たされていないと判定された場合には、タイマーが満了しているか否かを判定する(S236)。タイマーが満了していない場合には、サーバ20は次のスキル発動通知を待ち受けるためにS214へ戻る。タイマーが満了している場合にはスキル連鎖受付状態をオフに設定し、電子装置10に通知して(S238)、次のスキル発動通知を待ち受ける(S214)。すなわち、タイマーが満了するまでにスキル連鎖数が最低スキル連鎖数に到達しない場合には、追加効果を発動することはできない。
本実施形態においては、フリッパーを用いたゲームを一例として説明したが、スキルが発動される形式のゲームであればいかなるゲームであってもかまわない。
本実施形態を用いることにより、時々刻々と状況が変化するゲームにおいて、複数の選択可能なスキルから、スワイプ方向に基づいて、プレイヤの意図したタイミングで状況に適したスキルを選択して発動させることができる。更に、スキル連鎖数に基づく追加効果を発動することが可能であるため、興趣性をより高めることができる。
複数のプレイヤキャラクタに様々なスキル及び追加効果を与えることにより、必ずしも追加効果を発動させることが最も有利にゲームを進行させることにならない場合を生じさせることで、より高度な戦術をプレイヤが楽しむことができる。例えば、スキル連鎖数の大きい追加効果は敵キャラクタへ与えるダメージが大となるが、スキルが回復効果であった場合、プレイヤキャラクタのヒットポイントが十分残っていれば、その時点で当該スキルを発動することが必ずしも有利とはならない。友達などと協力プレイをしている場合には、各々のキャラクタが有するスキルと追加効果を相談しながらゲームを進めることができる。プレイヤはより戦略的なスキル発動を要求され、ゲームへの没入感を高めることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態と同様に同一チームに含まれる複数のプレイヤが協力してゲームを進行させるマルチプレイヤを例にとって説明する。第1の実施形態においては、サーバ20のゲーム管理部44が発動スキル、スキル連鎖数及びスキル連鎖受付状態等のスキル関連状態を管理するものとしたが、本実施形態においては、各電子装置10がこれを管理するとともに、スキルに関連する情報の送信を各電子装置10の間でピアツーピア(PtoP)通信によって送受信する点で第1の実施形態と異なる。各プレイヤはゲームを開始する前に協力してプレイするためのチームに所属するようにサーバ20のゲーム管理部44にプレイヤ登録する点においては第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ゲームが開始されると、各電子装置10のゲーム制御部34は、定期的に、又は必要に応じて互いにデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。例えばゲーム制御部34は、電子装置10において実行されたゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶し、適宜他の協力プレイヤの電子装置10にPtoP通信によって提供する。メイン処理は第1の実施形態と同様である。
図12及び13は、各電子装置10において実行される本発明の一実施形態による電子装置10において実行されるスキル発動処理300及び追加効果発動処理400の一例を示すフローチャートである。両処理は並行して実行される。第1の実施形態と異なり、すべての処理が電子装置10において実行する。フリッパー操作処理(S301)からスキル発動(S308)は第1の実施形態と同様である。プレイヤのスワイプ方向に基づいてスキルが発動された後、本実施形態においては、スキル発動通知をサーバ20ではなく、他の協力プレイヤの電子装置10へPtoPにて直接送信する。スキル発動通知を送信すると、S301に戻り、次のプレイヤ入力を待ち受ける。
各電子装置10は、追加効果発動処理400において、スキル連鎖受付状態を管理しつつ、追加効果発動条件が満たされた場合には追加効果を発動する。まず、電子装置10は自己の電子装置10又は他の電子装置10においてスキルが発動されたかを判定する(S401)。自己の電子装置10においてスキルが発動されたか否かは、例えば、スキル発動ステップ(S306)において発動スキルの履歴を記憶することにより判定可能とする。他の電子装置10においてスキルが発動されたか否かは、スキル通知を受信することにより判定することが可能となる。スキルが発動されていない場合は、スキル連鎖受付状態オンに関連する処理(S402~S410)をスキップする。
スキルが発動されたと判定された場合には、スキル連鎖受付状態がオンであるか否かを判定する(S402)。スキル連鎖受付状態及びスキル連鎖数は、ゲーム制御部34が記憶し、これを参照することにより判定する。スキル連鎖受付状態がオフである場合には、スキル連鎖受付状態タイマーを開始させるとともに、スキル連鎖数を1にカウントアップする(S404)。他の電子装置10においてスキルが発動された場合であっても、スキル連鎖受付状態はオンにされ、スキル連鎖受付状態タイマー及びスキル連鎖数もチーム内で共通とされる。スキル連鎖受付状態タイマーの開始時刻を正確に共有するために、スキル発動通知に、スキル発動時刻を含ませ、この時刻をタイマーの開始時刻とすることができる。又は、スキルを発動した電子装置10がスキル発動連鎖受付状態がオンとなったこと及びタイマーの開始時刻を通知するスキル連鎖受付状態オン通知を送信し、これを受信した他の電子装置10はスキル連鎖受付状態をオンとするとともに受信されたタイマー開始時刻に基づいてタイマーを開始してもよい。
スキル連鎖受付状態がオンであった場合には(S402)、スキル連鎖受付状態タイマーをリセットし(S408)、スキル連鎖数を1つカウントアップする(S410)。タイマーのリセットの時刻を正確に共有するために、スキル発動通知にスキル発動時刻を含ませ、これを受信した電子装置10は、受信されたスキル発動時刻からタイマーを再開させることができる。
次に、電子装置10は、第1の実施形態と同様に、スキル連鎖による追加効果発動条件を満たしているか否かを判定する(S412)。スキル連鎖受付状態がオンになってからの経過時間及びスキル連鎖数に基づいて追加効果発動条件が満たされたと判定される。追加効果発動条件が満たされていると判定されれば、スキル連鎖受付状態をオフにして(S414)、追加効果を発動させる(S416)。追加効果はスキル連鎖数に基づいて各電子装置10において決定することができる。いずれかの電子装置10がスキル連鎖数に基づいて選択可能な追加効果の中から適宜選択し、追加効果発動指示を他の電子装置10に送信し、これに基づいて追加効果を発動してもよい。発動条件が満たされていない場合には、タイマーが満了しているか否かを判定し(S418)、満了している場合には、受付状態をオフにして(S420)、追加効果を発動することなくS401へ戻る。タイマーが満了している場合には、受付状態を変更することなく、S401へ戻る。
本実施形態を用いることにより、サーバ20がスキル連鎖受付状態等のスキルに関連する状態を管理する必要がなくなるため、サーバ20の負荷を軽減することができる。
本実施形態はマルチプレイヤの場合を例にとって説明したが、シングルプレイヤの場合であっても同様の処理によって実行可能である。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態においては、電子装置10がサーバ20及び他の電子装置10と通信を行いながらスキル関連状態を管理するものとしたが、本実施形態においては、サーバ及び他の電子装置10とは通信を行わず、スタンドアロンで動作し、シングルプレイヤの場合に電子装置10がスキルに関連する状態を管理する処理を実行する。第2の実施形態においては、他の電子装置10とスキル連鎖受付状態等を共有する必要があったため、スキル発動通知等を送受信したが、本実施形態においてはこれらの処理は行わない。また、最低スキル連鎖数は1人のプレイヤが発動可能な最大スキル連鎖数以下としなければならない。その他は、第2の実施形態と同様の処理により実施可能である。
本実施形態を用いることにより、サーバ20や他の電子装置10を必要とすることなく、本発明を実施することが可能となる。
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。