JP7379105B2 - 車両用燃料タンクカバーおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料タンクを覆う燃料タンクカバーおよびこの燃料タンクカバーの製造方法に関するものである。
車両用の燃料タンクは、車両本体の底部に配置されることが多い。このため、外気温が高くなると道路の照り返しによる輻射熱を受けて燃料タンクの温度が上昇し、温度影響を受けた燃料タンクの内圧が上がって、揮発した燃料成分がリリーフ弁から大気中へ放出される。これは環境問題を悪化させる一因になっており、また燃料タンクの燃料が減少することで燃費にも影響を及ぼしている。
そこで、燃料タンクが地面側に露出するのを抑えて熱影響を回避するべく、断熱材により燃料タンクを被覆することが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の燃料タンクカバーは、燃料タンク下側の外面に沿って碗状に真空成形された発泡体からなるプロテクターと、プロテクターの外面に沿って碗状に射出成形された樹脂からなるアンダーカバーとから構成されている。このように、プロテクターとアンダーカバーとは、成形方法が異なるので、それぞれ異なる設備で成形される。特許文献1のアンダーカバーには、立壁に被係止部が設けられると共に、アンダーカバーの外周縁からインテグラルヒンジを介して延在する係止部付き帯状片が設けられている。そして、インテグラルヒンジにて屈曲させた帯状片で、プロテクターの一部を抱き込んで、係止部を被係止部に係止することで、アンダーカバーにプロテクターを取り付けている。
特開2016-124434号公報
特許文献1の燃料タンクカバーは、アンダーカバーとプロテクターとの組み付け構造が複雑であるので、より簡単にすることが求められている。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、断熱材を取り付けるための構造が簡単である燃料タンクカバーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る燃料タンクカバーは、
燃料タンクを覆う燃料タンクカバーであって、
一方に開口する凹形状に形成された外殻部と、
前記外殻部における凹形状の内側に配置され、繊維で構成された断熱材と、
前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように配置され、該外殻部に接合された内覆部と、を備えていることを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る燃料タンクカバーの製造方法は、
燃料タンクを覆う燃料タンクカバーの製造方法であって、
第1の樹脂を射出成形することで、一方に開口する凹形状に外殻部を形成し、
前記外殻部における凹形状の内側に、繊維で構成された断熱材を配置し、
第2の樹脂を射出成形することで、前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように内覆部を形成すると共に、該内覆部を該外殻部と接合することを要旨とする。
本発明に係る燃料タンクカバーによれば、断熱材を取り付けるための構造が簡単である。
本発明に係る燃料タンクカバーの製造方法によれば、断熱材を取り付けるための構造が簡単であるので、容易に得ることができる。
本発明の実施例に係る燃料タンクカバーを示す断面図である。 実施例の燃料タンクカバーを示す概略斜視図である。なお、内覆本体の一部を切断して、断熱材および支持部を示している。 別例の燃料タンクカバーを示す概略斜視図である。 実施例の燃料タンクカバーにおいて、外殻本体、断熱材、保護層および内覆本体との関係を模式的に示す断面図である。(a)は一例であり、(b)は別例である。 実施例の燃料タンクカバーにおいて、外殻鍔部、保護層および内覆鍔部との関係を模式的に示す断面図である。(a)は一例であり、(b)は別例である。 実施例の燃料タンクカバーの製造工程を示す説明図である。 実施例の燃料タンクカバーの製造工程を示す説明図である。 変更例1の燃料タンクカバーの製造工程を示す説明図である。 変更例2の燃料タンクカバーの製造工程を示す説明図である。 実施例の燃料タンクカバーの使用態様の変更例を示す断面図であり、(a)は一例であり、(b)は別例である。
次に、本発明に係る燃料タンクカバーおよびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1~図3に示すように、実施例に係る燃料タンクカバー20は、燃料タンク10の全体(下部から上部まで)を収容可能な凹形状に形成されている。燃料タンクカバー20は、凹形状の上端から外方へ延出する鍔部20aを車体パネルP(図1参照)に当てて、鍔部20aを車体パネルPに取り付けることで固定される。このとき、燃料タンクカバー20は、燃料タンクカバー20における凹形状と車体パネルPとの間に燃料タンク10を収容して、燃料タンク10全体を覆うようになっている。そして、燃料タンクカバー20は、収容した燃料タンク10への熱影響を抑制するように断熱する。なお、燃料タンクカバー20の車体パネルPへの固定方法は、特に限定されず、例えば、ボルト・ナットによる機械締結などが挙られる。
図1~図3に示すように、燃料タンクカバー20は、上方に開口した凹形状に形成された外殻部22と、外殻部22における凹形状の内側に配置された断熱材24と、外殻部22との間に断熱材24を挟んで外殻部22に接合された内覆部26とを備えている。燃料タンクカバー20は、外殻部22が燃料タンクカバー20の外面を構成し、収容する燃料タンク10側を構成する内覆部26が、断熱材24を外殻部22との間に保持するための蓋となっている。また、燃料タンクカバー20は、内覆部26と断熱材24との間の少なくとも一部に、液密性を有する保護層27を設けてもよい(図1参照)。
外殻部22は、第1の樹脂からなる射出成形品である。第1の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂を採用可能である。図1に示すように、外殻部22は、上方へ開口する凹形状の外殻本体28と、この外殻本体28の上縁から外方へ延びる外殻鍔部30とを備えている。また、外殻部22は、外殻本体28の内側に設けられた支持部32を備えている。支持部32は、外殻本体28の内面から上方へ立ち上がるように形成され、上端が内覆部26に接している。実施例の外殻部22には、壁状の支持部32が、外殻本体28の内側面の間に亘って延びるように形成され、複数の支持部32が互いに交差するように配置されている。
断熱材24は、繊維から構成されたものが用いられ、例えば、グラスウールやロックウールなどの無機質系断熱材、セルロースファイバーなどの木質繊維系断熱材などを採用可能であるが、断熱性や耐熱性やコストなどの観点からグラスウールが好ましい。図1に示すように、断熱材24は、外殻本体28の内側面および内底面に沿って配置されて、外殻鍔部30を除く外殻部22の内側を全体的に覆っている。断熱材24は、外殻本体28の内面形状に沿わせて断熱材24自身を曲げて配置しても、外殻本体28の内面形状に合わせて予め成形したものを配置してもよい。
内覆部26は、第2の樹脂からなる射出成形品である。第2の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂を採用可能である。第2の樹脂は、第1の樹脂と同種であっても、異種であってもよい。例えば、第1の樹脂および第2の樹脂を同種のポリプロピレンとする場合でも、燃料タンクカバー20の外側を構成する外殻部22を構成する第1の樹脂にタルク等の補強材を添加することで、外殻部22を内覆部26よりも強度を向上させることができる。
図1に示すように、内覆部26は、上方に開口する凹形状に全体として形成され、燃料タンク10全体を収容可能な内覆本体34と、内覆本体34の上縁から外方へ延びる内覆鍔部36とを備えている。内覆部26は、内覆本体34が外殻本体28の内側に重なるように外殻本体28から離して配置され、内覆鍔部36が外殻鍔部30の上側に重ねて配置されている。ここで、内覆鍔部36の少なくとも一部を、外殻鍔部30に接するように構成し、内覆鍔部36と外殻鍔部30とを直接接合することが好ましい。内覆部26の内覆本体34は、支持部32によって、保護層27を介してあるいは直接支持されている。なお、内覆本体34と支持部32とを接するように配置する場合、内覆本体34と支持部32とを接合するとよい。
図2に示すように、内覆部26は、内覆本体34を板状に形成して、外殻本体28の内側全体(断熱材24の上面全体)を覆うようにすることができる。また、図3に示すように、内覆部26は、断熱材24に相対する部位である内覆本体34を網目形状に形成して、外殻本体28の内側全体(断熱材24の上面全体)を覆わず、内覆本体34の間から断熱材24(あるいは保護層27)が露出していてもよい。内覆本体34は、網目形状を構成する枠部分が、外殻部22の内側を区切るように延びる支持部32と交差するように形成され、枠部分が支持部32の間に配置された断熱材24の上側に重なるように配置されている。内覆部26は、外殻本体28の内側に配置された断熱材24に内覆本体34が重なって、断熱材24を外殻本体28との間で挟んで保持している。
保護層27としては、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプレピレン(PP)等の熱可塑性樹脂製のフィルムなどのシート材Sから構成することができる。保護層27(シート材S)の厚みとしては、特に限定されないが、例えば、50μm~200μmの範囲とすることが好ましい。
保護層27を設ける場合、図4(a)に示すように、保護層27を、断熱材24の全体を覆うように設けて、保護層27を断熱材24と内覆部26との間の全体に亘って形成してもよい。この場合、燃料タンクカバー20における保護層27が存在する部位では、内覆部26と断熱材24とが保護層27によって区分されており、内覆部26を構成する第2の樹脂が断熱材24に食い込んでいない。また、支持部32と内覆本体34との間に保護層27が設けられることで、保護層27を介して内覆本体34が支持部32によって支持される。
保護層27を設ける場合、図4(b)に示すように、保護層27を、断熱材24の一部を覆うように設けて、保護層27を断熱材24と内覆部26との間の一部領域に形成してもよい。この場合、例えば、保護層27(保護層27を構成するシート材S)に、スリット状や円形などの適宜形状の貫通孔27aを断熱材24の配置位置に対応して設けて、貫通孔27aを介して内覆本体34と断熱材24とが接するように構成される(図4(b)参照)。そして、内覆部26は、内覆本体34と断熱材24とが接する部位において、内覆本体34を構成する第2の樹脂が、繊維からなる断熱材24の表面の浅い領域に食い込むように形成されており、内覆本体34が断熱材24に接合されている。また、保護層27における支持部32に対応する部位に貫通孔27aを設けて、貫通孔27aを介して内覆本体34と支持部32とを接するようにしてもよい。そして、貫通孔27aを介して接する内覆本体34と支持部32とを接合するとよい。
図5(a)に示すように、鍔部20aは、保護層27を構成するシート材Sを鍔部20aよりも短く設定し、鍔部20aの外縁部において外殻鍔部30と内覆鍔部36とが接すると共に互いに接合するようにしてもよい。また、図5(b)に示すように、鍔部20aは、保護層27を構成するシート材Sを鍔部20aよりも長く、あるいは同じ長さで設定し、鍔部20aにおいて外殻鍔部30と内覆鍔部36とが保護層27に形成された貫通孔27aを介して接すると共に互いに接合するようにしてもよい。このように、保護層27を設ける場合であっても、外殻部22と内覆部26とが接する部位を形成して、当該部位で互いに接合するとよい。
前述した燃料タンクカバー20は、例えば以下のように製造することができる。第1型部40と第2型部42とを型閉じして形成された第1キャビティ44に、第1の樹脂を射出成形することで、第1の樹脂から外殻部22を形成する(図6参照)。第1型部40に外殻部22を残すように第1型部40と第2型部42とを型開きし、第1型部40に保持された外殻部22の外殻本体28の内側に、複数の断熱材24を配置する(図7(a)参照)。次に、保護層27となるシート材Sを、断熱材24に被せるように配置する。なお、シート材Sは、断熱材24、支持部32又は外殻鍔部30などに合わせて貫通孔27aを形成したり、寸法調整したりするなど、所定の加工が予め施されている。例えば、シート材Sを外殻鍔部30よりも小さくしておけば、第2の樹脂が外殻鍔部30とシート材Sの両方に接した状態で内覆鍔部36が形成されるため、内覆鍔部36を外殻鍔部30および保護層27の両方に接合することができる(図5(a)参照)。また、シート材Sが外殻鍔部30よりも長いまたは同じであっても、外殻鍔部30に対応する部位に貫通孔27aを形成しておけば、上記と同様に、内覆鍔部36を外殻鍔部30および保護層27の両方に接合することができる(図5(b)参照)。なお、実施例の断熱材24は、保護層27となるシート材Sと別体のシート状であるが、シート材Sと一体化したものを用いてもよい。
第2型部42に替えて第3型部46と第1型部40とを型閉じすることで、外殻部22(支持部32の先端面および外殻鍔部30)および断熱材24と第3型部46との間に、第2キャビティ48が形成される。第2キャビティ48に、第2の樹脂を射出成形することで、第2の樹脂から内覆部26を形成する(図7(b)参照)。このとき、第2の樹脂を、第2キャビティ48における断熱材24から外れた部位より充填する。具体的には、第2キャビティ48において、外殻鍔部30がある部位や、支持部32がある部位や、シート材Sがある部位などの断熱材24から外れた部位にゲート(図示せず)が設けられて、断熱材24に相対する部位から第2の樹脂を充填しないようにしている。
第2キャビティ48に充填された第2の樹脂の一部が、外殻鍔部30に接した状態で内覆鍔部36に成形されることで、外殻鍔部30と内覆鍔部36とが接合する。また、第2の樹脂の一部が、シート材Sに接した状態で内覆本体34または内覆鍔部36に成形されることで、シート材Sからなる保護層27と内覆本体34および内覆鍔部36とが接合する。更に、シート材Sに断熱材24に合わせて貫通孔27aを形成すれば、第2キャビティ48に充填された第2の樹脂の一部が、シート材Sの貫通孔27aを介して断熱材24の上側にまわりこんで断熱材24に接した状態で内覆本体34に成形されて、断熱材24と内覆本体34とが接合する。シート材Sに支持部32に合わせて貫通孔27aを形成すれば、第2の樹脂の一部が、シート材Sの貫通孔27aを介して支持部32に接した状態で内覆本体34に成形されて、支持部32と内覆本体34とを接合することができる。前記した第1型部40を共通とする二色成形によって、外殻部22と、外殻部22の内側に配置された断熱材24と、外殻部22との間に断熱材24を挟むように配置され、外殻部22に接合された内覆部26とを備えた燃料タンクカバー20を得ることができる(図7(c)参照)。
前記製造方法によれば、真空成形した発泡体からなるプロテクターと射出成形したアンダーカバーとを組み合わせて構成される従来の燃料タンクカバーと比べて、射出成形だけで燃料タンクカバー20を得ることができ、製造工程を簡略にして製造コストを抑えることができる。前述した従来のプロテクターは、独立気泡タイプの熱可塑性フォームシートを加熱軟化させて型にセットした後、真空成形や圧空成形で燃料タンク下側の外面に沿う形状に成形して得られる。真空成形や圧空成形であると、熱可塑性フォームシートが面方向に引き伸ばされて椀状形状とされるため、得られたプロテクターの板厚が全体的に薄くなり、また、側面(縦壁部)の板厚が底面に比べて薄くなるなど、部位毎で板厚が異なってしまう。このため、従来の燃料タンクカバーは、断熱性能が一定にならない。これに対して、本開示の燃料タンクカバー20は、断熱材24を一定の厚さで配置することができるので、各部分で断熱性能を一定にすることができる。また、真空成形と異なって、断熱材24の端材の発生を抑えることができ、外殻部22および内覆部26が射出成形であるので、バリの発生を抑えることができる。そして、前述した製造方法であれば、外殻部22の成形、断熱材24の配置および内覆部26の成形の自動化が可能である。
第2の樹脂を、第2キャビティ48において先に成形した外殻部22が存在する部位などの断熱材24から外した部位より充填することで、第2の樹脂の充填圧力を断熱材24に直接加わり難くすることができる。これにより、第2の樹脂が断熱材24に過剰に入り込んでしまうことを抑えることができる。
前述したように、第2の樹脂をキャビティに充填する前に、液密性を有するシート材Sを、断熱材24におけるキャビティ側の少なくとも一部を覆うように配置することで、内覆部26と断熱材24との間に保護層27を形成している。このように、断熱材24の上側(キャビティに臨む側)の少なくとも一部に、液密性を有するシート材Sを配置しておけば、第2の樹脂が断熱材24に過剰に含浸することを防止できる。この場合、第2の樹脂を充填するゲート及びその周辺にシート材Sを配置しておけば、第2の樹脂の断熱材24への含浸をより効果的に防止することができる。
得られた燃料タンクカバー20は、外殻部22と内覆部26との間に挟んで断熱材24を保持する構成なので、従来に必要であった断熱部分と外殻部分とを組み合わせる工程や、断熱部分と外殻部分と組み合わせるための爪嵌合などの固定構造を、省略することができる。従って、燃料タンクカバー20は、外殻部22および内覆部26の構成を大幅に簡単にすることができる。前述したように固定構造を省略することができるので、外殻部22および内覆部26を成形する型構造を簡単にすることができる。そして、断熱材24を取り付け構造で取り付ける工程を省略することも可能であるので、燃料タンクカバー20を容易に得ることができる。また、燃料タンクカバー20は、繊維からなる断熱材24を用いているので、発泡体よりも断熱性能を向上させることができる。
前記製造方法は、断熱材24で区画された第2キャビティ48で第2の樹脂から内覆部26を成形するので、内覆部26を構成する樹脂の一部を、断熱材24の一部領域に含浸させることができる。このように、燃料タンクカバー20は、内覆部26を断熱材24に食い込むように形成することで、断熱材24を内覆部26で適切に保持することができる。
燃料タンクカバー20は、外殻部22における凹形状の内側に立ち上がるように形成された支持部32によって内覆部26が支持されているので、内覆部26が補強されている。そして、支持部32をリブのように立ち上がる壁形状とすることで、外殻部22を支持部32によって補強することができる。このように、燃料タンクカバー20は、支持部32を設けることで剛性を向上することができる。しかも、支持部32によって断熱材24を位置決めして、断熱材24の偏りなどを防止することができる。
内覆部26の内覆本体34を、外殻部22の内側を区切るように延びる支持部32と交差する網目形状に形成することで、第2の樹脂の量を減らすことができ、燃料タンクカバー20を軽量化することができる。また、製造過程において、断熱材24と第2の樹脂との接触範囲を小さくすることができる。これにより、第2の樹脂が断熱材24に過剰に入り込んでしまうことを抑えることができる。
(変更例)
前述した事項に限らず、例えば以下のようにしてもよい。
(1)支持部は、壁(リブ)形状に限らず、例えば、円柱状や角柱状や裁頭円錐状や裁頭角錐状など、その他の形状であってもよい。そして、支持部は、互いに繋がるように連続して設けても、互いに離して非連続に設けてもよい。なお、支持部を省略することも可能である。
(2)内覆部の内覆本体を網目状に形成する場合、網目形状の枠部分を支持部に重ねて配置すると共に、枠部分を支持部よりも断熱材の上側に張り出すように幅広に形成して断熱材を保持する構成であってもよい。
(3)実施例では、支持部により区画された空間の形状に合わせて、複数の断熱材を配置しているが、これに限らず、例えば、1枚のシート状の断熱材を複数の支持部を跨るように配置してもよい。この場合、断熱材における支持部に当接する部位をプレスなどにより凹ませたり、あるいはスリットを設けたりするなどで、断熱材を位置決めできるようにしてもよい。
(4)実施例では、断熱材およびシート材を別体のものを用いる場合を説明したが、これに限らず、例えば、シート材に複数の断熱材を接着剤や振動溶着などによって固定し、シート材と断熱材とを一体化してもよい。
(5)実施例では、1枚のシート材を用いたが、これに限らず、複数枚のシート材を組み合わせて保護層を形成してもよい。なお、保護層を省略してもよい。
(6)内覆本体を網目状に形成する場合、内覆本体の網目形状に対応して保護層を設けても、網目形状の内覆本体よりも広い範囲に保護層を形成しても、何れであってもよい。
(7)実施例では、燃料タンクカバーを、燃料タンクを収容可能な凹形状に形成し、鍔部で車体パネルに固定した1つの燃料タンクカバーで燃料タンクを覆ったが、これに限らず、複数の燃料タンクカバーを組み合わせて燃料タンクを覆う構成であってもよい。例えば、凹形状に形成した2つの燃料タンクカバー20の開口を向かい合わせて配置し、両者の間に燃料タンク10を収容する構成を採用可能である(図10(a)参照)。また、凹形状に形成した1つの燃料タンクカバー20に燃料タンク10を収容し、凹形状の燃料タンクカバー20の開口を塞ぐように板状の燃料タンクカバーを配置する構成であってもよい(図10(b)参照)。
(8)実施例では、二色成形によって燃料タンクカバーを製造したが、例えば、外殻部および内覆部を別々に射出成形し、間に断熱材を配置した外殻部および内覆部を互いに接合して、燃料タンクカバーを得てもよい。この場合、接合方法としては、ボルト・ナット等の機械的接合、接着剤等による化学接合、振動溶着やインパルス溶着等の樹脂同士の溶融による接合等を採用可能である。
前述した製造方法では、第3型部46に第2の樹脂を充填するゲートを設けたが、図8に示すように、第1型部40にゲート50を設けてもよい。第1型部40の型面から立ち上がる突部40aを形成し、この突部40aを通してゲート50を設ける。第1型部40と第2型部42とを型閉じして形成された第1キャビティ44に、第1の樹脂を射出成形することで、第1の樹脂から外殻部22を形成する(図8(a)~(c)参照)。このとき、突部40aと第2型部42との間で支持部32を形成する。第1型部40に外殻部22を残すように第1型部40と第2型部42とを型開きし、第1型部40に保持された外殻部22の外殻本体28の内側に断熱材24を配置する(図8(d)参照)。第2型部42に替えて第3型部46と第1型部40とを型閉じすることで、外殻部22(支持部32の先端面および外殻鍔部30)および断熱材24と第3型部46との間に、第2キャビティ48が形成される。第2キャビティ48に、第1型部40のゲート50を介して第2の樹脂を射出成形することで、第2の樹脂から内覆部26を形成する(図8(e)参照)。なお、第3型部46には、ゲート50に相対して案内突起46aが設けられており、ゲート50から充填した第2の樹脂が案内突起46aの傾斜に案内されて、断熱材24の上面に沿って流動する。第1型部40を共通とする二色成形によって、外殻部22と、外殻部22の内側に配置された断熱材24と、外殻部22との間に断熱材24を挟むように配置され、外殻部22に接合された内覆部26とを備えた燃料タンクカバー20を得ることができる(図8(f)参照)。このように第2の樹脂を充填するゲート50を第1型部40に設けることで、断熱材24に第2の樹脂の充填圧力が直接加わることを回避できる。この製造方法であっても、各ゲート50に対応する位置に貫通孔27aを開けたシート材Sを断熱材24の上側(第3型部46側)に配置しておけば、第2の樹脂が断熱材24に過剰に含浸することを防止することができる。
燃料タンクカバー20は、以下のように製造してもよい。第1型部40と第2型部42とを型閉じして形成された第1キャビティ44に、第1の樹脂を射出成形することで、第1の樹脂から外殻部22を形成する(図9(a)参照)。第1型部40に外殻部22を残すように第1型部40と第2型部42とを型開きし、第1型部40に保持された外殻部22の外殻本体28の内側に断熱材24を配置する(図9(b)参照)。第2型部42と第1型部40とを型閉じすることで、外殻部22(外殻鍔部30)および断熱材24と第2型部42との間に、第2キャビティ48を形成する。第2キャビティ48に、第2の樹脂を射出成形することで、第2の樹脂から内覆部26を形成する(図9(c)参照)。第1型部40および第2型部42を共通とする二色成形によって、外殻部22と、外殻部22の内側に配置された断熱材24と、外殻部22との間に断熱材24を挟むように配置され、外殻部22に接合された内覆部26とを備えた燃料タンクカバー20を得ることができる(図9(d)参照)。このようにすることで型構造をより簡略化することができる。この場合、シート材Sを断熱材24の上側(第2型部42側)に配置しておけば、第2の樹脂の充填圧力により断熱材24が変形したり、位置がずれたり、過剰に含浸することを防止できる。また、保護層27(シート材S)の一部に貫通孔27aを設けておけば、断熱材24と内覆部26とを接合することができる。
10 燃料タンク,20 燃料タンクカバー,22 外殻部,24 断熱材,
26 内覆部,27 保護層,32 支持部,40 第1型部,42 第2型部,
46 第3型部,S シート材

Claims (6)

  1. 車両の燃料タンクを覆う車両用燃料タンクカバーであって、
    一方に開口する凹形状に形成された外殻部と、
    前記外殻部における凹形状の内側に配置され、繊維で構成された断熱材と、
    前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように配置され、該外殻部に接合された内覆部と、を備え
    液密性を有する保護層が、前記断熱材と前記内覆部との間の少なくとも一部に設けられている
    ことを特徴とする車両用燃料タンクカバー。
  2. 車両の燃料タンクを覆う車両用燃料タンクカバーであって、
    一方に開口する凹形状に形成された外殻部と、
    前記外殻部における凹形状の内側に配置され、繊維で構成された断熱材と、
    前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように配置され、該外殻部に接合された内覆部と、を備え、
    前記内覆部を構成する樹脂が、前記断熱材の一部領域に入り込んでいる
    ことを特徴とする車両用燃料タンクカバー。
  3. 車両の燃料タンクを覆う車両用燃料タンクカバーであって、
    一方に開口する凹形状に形成された外殻部と、
    前記外殻部における凹形状の内側に配置され、繊維で構成された断熱材と、
    前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように配置され、該外殻部に接合された内覆部と、を備え、
    前記内覆部は、前記外殻部における凹形状の内側に立ち上がるように形成された支持部で支持されている
    ことを特徴とする車両用燃料タンクカバー。
  4. 前記内覆部は、前記断熱材に相対する部位が、前記外殻部の内側を区切るように延びる前記支持部と交差する網目形状に形成されている請求項3記載の車両用燃料タンクカバー。
  5. 車両の燃料タンクを覆う車両用燃料タンクカバーであって、
    一方に開口する凹形状に形成された樹脂の射出成形品である外殻部と、
    前記外殻部における凹形状の内側に配置され、繊維で構成された断熱材と、
    前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように配置され、該外殻部に接合された樹脂の射出成形品である内覆部と、を備えている
    ことを特徴とする車両用燃料タンクカバー。
  6. 車両の燃料タンクを覆う車両用燃料タンクカバーの製造方法であって、
    第1の樹脂を射出成形することで、一方に開口する凹形状に外殻部を形成し、
    前記外殻部における凹形状の内側に、繊維で構成された断熱材を配置し、
    第2の樹脂を射出成形することで、前記外殻部との間に前記断熱材を挟むように内覆部を形成すると共に、該内覆部を該外殻部と接合する
    ことを特徴とする車両用燃料タンクカバーの製造方法。
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