JP7377540B2 - 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る新株予約権管理システムの動作の概略を説明するブロック図である。まず、図1を参照して、本実施形態における新株予約権の管理に関するスキームについて説明する。
なお、本実施形態では、新株予約権の管理について説明するが、本発明は他の権利にも適用することができる。例えば、本発明は、権利行使価格で株式を取得できる権利であるコールオプションの管理を行うコールオプション管理システムにも適用することができる。新株予約権は、現在の権利行使価額で株式を発行会社から取得できる権利であるが、コールオプションは、発行会社というよりは株主から権利行使価格で株式を取得できる権利であり、請求できる相手方が異なる。コールオプションの場合、大株主(通常はオーナー経営者)が、自分の持っている株式を将来的に貢献した者に渡すためにコールオプションを信託する(コールオプションを信託することもあれば、金銭を信託して、自分が設定したコールオプションを受託者に取得させるために、自分に対して払い込ませることもある)というスキームになる。また、本発明は、仮想通貨の管理を行う仮想通貨管理システムにも適用することができる。仮想通貨は、発行者が発行し、一般的により高い流動性を持つことにより、より高い価値を持つことになるため、インフルエンサーや協力者(発行する法人の役職員等を含む。)に配布し、また、仮想通貨交換所においてより多くの取引を行われるようにするニーズがある。仮想通貨の場合、発行者又は仮想通貨を多く持つ者が、自分の持っている仮想通貨を将来的に貢献した者に渡すために信託する(仮想通貨を信託することもあれば、金銭その他の資産を信託して、受託者をして委託者又はその他の第三者から仮想通貨を取得させることもある)というスキームになる。さらに、本発明は、投資ファンドの基礎となる合同会社や組合、信託の持分の管理を行うファンド持分管理システムに適用することができる。ファンド持分は、通常投資ファンドを組成した無限責任組合員や有限責任組合員などにより保有されるが、例えばこの持分の全部又は一部を、将来的に社員や投資先へ派遣するプロ経営者に渡すことができるようにすることで、社員・プロ経営者などの投資ファンドの投資先の企業価値向上に向けたコミットメントを高めるニーズがある。ファンド持分の場合、ファンド持分を保有する者が、自分の持っているファンド持分を将来的に貢献した者に渡すために信託する(ファンド持分を信託することもあれば、金銭その他の資産を信託して、受託者をしてファンド持分を取得させることもある)というスキームになる。
(1)第1の信託において受益者指定事由が発生したときに、受益者指定権者14は、第1の受託者12に信託している新株予約権のすべてについて、放棄してもよい。また、具体的な付与対象者及びその付与対象者に付与する数を決定し、その決定した付与対象者に新株予約権を付与してもよい。受益者13は、付与対象者であって、新株予約権を付与された者である。
(2)また、第1の信託において受益者指定事由が発生したときに、受益者指定権者14は、第1の受託者12に信託している新株予約権のうちの所定数について、具体的な付与対象者及びその付与対象者に付与する数を決定し、その決定した付与対象者に新株予約権を付与してもよい。受益者指定権者14は、第1の受託者12に信託している新株予約権のうちの、具体的な付与対象者に付与しない残りの分については、第2の受託者15を受益者として指定してもよい。
(3)また、第1の信託において受益者指定事由が発生したときに、受益者指定権者14は、第1の受託者12に信託している新株予約権のすべてについて、第2の受託者15を受益者として指定してもよい。
(4)また、第1の信託において受益者指定事由が発生したときに、受益者指定権者14は、第1の受託者12に信託している新株予約権のすべてについて、(1)乃至(3)の方法により受益者を指定する代わりに、具体的な付与対象者を仮に決定した上で、その者のために設定された信託における受託者(第3の受託者18)を受益者として指定してもよい。この場合、当該付与対象者が当該付与対象者のために設定された信託(第3の信託)における受益者19として確定する条件を予め定め、条件が成立した場合には、仮に決定されていた付与対象者が受益者指定事由の発生を待たずして確定的な受益者19となるようにし、新株予約権を与えてもよい。また、この条件が成立しなかった場合には、その時点で存続する他の信託における受託者を含む他の受益者に新株予約権を与えるようにしてもよい。確定条件が不成立の場合、第3の信託における受益者指定権者14が改めて受益者を指定するものであっても良い。確定条件が不成立の場合、第3の受託者に信託された新株予約権は委託者11又は発行会社10に返還されるようにしてもよい。
図1では、図示を省略しているが、第3の信託において条件の成就により受益者19が受益者として確定した場合も、受益者13と同様に、発行会社10に対して新株予約権の権利行使をして株式を取得でき、株式市場20において株式を売却することができる。第1の受託者、第2の受託者及び第3の受託者は、新株予約権を管理している期間中に、新株予約権の権利行使を行うことで、受益者13及び受益者19に対して株式を与えてもよい。
図4の信託IDが「1」のレコードは、受益者指定事由が発生したときに信託された新株予約権のすべてについて同時かつ一括で受益者を指定する信託(以下「一括交付型信託」という)のレコードである。通常、信託された新株予約権は受益者指定事由が発生するまでは受益者が存在しない。この場合は、受益者不特定タイプの信託である。
図4の信託IDが「2」のレコードは、新株予約権が信託され、受益者指定事由が発生した後に再度信託されることを繰り返す信託(以下「多重型信託」という)のレコードである。多重型信託も受益者指定事由が一定期日で連鎖する特性を除けば、当初は一括交付型信託と内容は異ならない。この場合は、受益者不特定タイプの信託である。
図4の信託IDが「2-1」のレコードは、多重型信託のレコードであって、受益者指定事由発生後の確定した受益者についてのレコードである。このレコードでは、多重型信託で受益者指定事由が到来したパターンであり、受益者が決まっていて信託が終了していないパターンを示している。
図4の信託IDが「2-2」のレコードは、多重型信託のレコードであって、受益者指定事由が発生した信託から新株予約権を引き継いだ第2の信託についてのレコードである。このレコードでは、第1の信託から、発行会社ID、行使価格、帳簿価格、及び新株予約権の回号を引き継ぐ。新株予約権の個数は、引き継ぐ個数を登録する。
信託情報において、受益者を確定せずに仮に付与者を決定した場合には、受益者の欄に仮のものとして登録されることになるが、受益者としてはあくまでも受託者を登録し、それを第3の信託としてそちらに移行させ、そちらの受益者を付与対象者にしたうえで、受益者確定の条件と期限を登録する。
ステップS503では、情報処理装置16aは、まず、委託者11又は受益者指定権者14に対して、受益者指定を依頼する処理を実行する。この依頼する処理は、例えばメールなどで依頼を送信する処理である。ステップS503では、情報処理装置16aは、この依頼に応じて、委託者11又は受益者指定権者14が受益者を全部指定するかを判定する。
委託者11又は受益者指定権者14が受益者を全部指定する場合には、情報処理装置16aは、ステップS504に進む。全部指定しない場合には、情報処理装置16aは、ステップS506に進む。
ステップS506では、情報処理装置16aは、第2の信託に引き継ぐかを問い合わせる。この問い合わせに対し、委託者11又は受益者指定権者が第2の信託に引き継ぐと応答した場合には、ステップS507に進む。この問い合わせに対し、委託者11又は受益者指定権者が第2の信託に引き継がないと応答した場合には、ステップS503に戻り、受益者指定事由が発生するまでの間、受益者全部指定(S503でYES)か第2の信託への引継ぎ(S506でYES)となることを待つ。受益者指定事由が発生しても、受益者全部指定も第2の信託への引継ぎもされなかった場合は、信託されていた新株予約権のうち受益者が指定されていない分は放棄されることになる。
ステップS507では、情報処理装置16aは、別途、金銭等を信託するなどにより、第2の信託の設定の手続きを進める。例えば、情報処理装置11a又は情報処理装置14aにおいて、委託者11又は受益者指定権者14が確定ボタンを押すと、これを受けた情報処理装置16aは、第2の信託の契約締結に必要なプロセスを進める処理を実行する。例えば、電子署名により信託契約を締結する処理や、金銭の受託者への拠出を促す通知を出力する処理を実行する。
情報処理装置16aは、信託情報に予約登録された受益者を、受益者指定事由が発生した時点で最終的な受益者であるとして受託者に対して通知し、もって、受益者が確定する。
ステップS507に続くステップS508では、情報処理装置16aは、当該信託の信託情報から帳簿価格を読み出す。続いて、ステップS509において、情報処理装置16aは、当該信託について、第2の信託情報として図4の信託情報の各情報を登録する。第2の信託の信託情報に対しては、新たな信託IDが付与される。情報処理装置16aは、第2の信託の信託情報の帳簿価格として、ステップS508で読み出した帳簿価格を用いる。第2の信託の受託者は、第1の信託から受益者として信託財産である新株予約権の引継ぎをすることができる。ステップS509では、情報処理装置16aは、例えば、信託情報に対し、今回受益者指定されなかった分の新株予約権のうち、放棄されなかった部分についての信託について、第2の信託への引継ぎがされ、第1の信託が終了したことを登録する。
以下、図6を参照して、仮の付与対象者を指定する例の処理について説明する。
(1)受益者指定権の行使不足があるときに第2の信託の組成を促す処理(契約締結プロセスに移行)。
(2)(契約締結プロセスが完了し)第2の信託の組成が完了した場合に、
・第2の信託の受託者を、第1の信託の受益者として指定する旨の予約登録を実行する処理、
・第1の信託の受益者を指定しない場合で、新株予約権の放棄を希望しない場合には自動的に第2の信託の受託者を第1の信託の受益者として指定する予約登録をする旨のリクエストを受け付ける処理、及び、受益者指定事由が発生した時点で、それを受益者指定通知とみなし、受益者指定事由が発生した新株予約権のうちの第2の信託への引継ぎ対象の新株予約権については情報を引き継ぐ処理。
(3)受益者指定の内容に従って、第三者対抗要件として必要になる譲渡承認請求や信託財産状況報告書を、自動的に委託者や発行会社に送信する処理。
(1)自動的に第3の信託(専用信託口座創設のための信託)の作成を促す処理、
(2)この信託が組成されたあとは、受益者指定事由の到来をもって、受益者指定通知が発行会社から受託者へ行われたものとみなす処理、
(3)当該受益者指定の内容に従って、第三者対抗要件として必要になる譲渡承認請求や信託財産状況報告書を自動的に委託者や発行会社に送付する処理。
受益者指定権者は、操作する情報処理装置によって、
(1)誰を無条件に受益者にするか、
(2)誰を条件付きの受益者にするか(=第3の信託を組成するか)、
(3)受益者を全員指定せずに第2の信託に移すか、
(4)放棄するか、
を選択することができる。
そして、(2)の第3の信託については、一人ずつ1信託を作らなければならないので、信託の組成数が激増する原因となるが、新株予約権管理システム50は、
・自動的に第1の信託の信託情報を引き継ぐ手段を有する、
・予約登録を期限到来により受益者指定通知とみなして権利移転を行う手段を有する、
・人ごとに組成される第3の信託ごとに税務申告や信託財産状況報告書を自動で作成する手段を有する。
従って、本発明によれば、手作業ではできないくらいにおびただしい数の信託の処理をスムーズに実現できる、という効果を奏する。
(1)受益者指定事由の接近に伴い、委託者又は受益者指定権者が操作する情報処理装置に対し、受益者指定を促すメール等を送信する手段、
(2)第1の信託の信託情報から、第2の信託及び第3の信託の信託情報に情報を引き継ぐ手段(例えば帳簿価格の引継ぎ)、
(3)受益者指定に伴い、全受益者を無条件で指定する場合以外に、
(i)(放棄)
(ii)第2の信託の組成による新たな受託者への引継ぎ、
(iii)第3の信託の組成による条件付き付与対象者のための新たな受託者への引継ぎ、のいずれかを委託者又は受益者指定権者が選択可能なように、委託者又は受益者指定権者が操作する情報処理装置に問い合わせる手段、及び、その応答を受け付ける手段、
(4)第2の信託及び第3の信託の組成に必要な手続きの案内を、第2の信託及び第3の信託を組成するタイミングで、委託者又は受益者指定権者が操作する情報処理装置に送信する手段、
(5)第2の信託及び第3の信託の組成が出来たら、最終的にその第2、第3の信託の受託者を受益者指定可能とする手段、
(6)新たな信託の組成に伴って必要になる信託財産状況報告書・税務申告書などの必要書類を、信託情報等に基づいて生成する手段、
また本発明によれば、委託者及び受益者指定権者の受益者指定の状況に応じて、次の信託の準備(案内、書類生成等)を自動化し、受益者指定権者による受益者指定(予約登録)の後に、受益者指定事由が発生すると自動的に受益者が指定され、財産が引き継がれ、必要書類が準備されるという効果を奏し、時短効果、コスト削減効果を有する。
また、本発明は、新株予約権が委託者から第1の受託者に信託されたことに関する情報である第1の信託情報を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の信託情報が示す信託の受益者指定事由の発生に先立つ一定期間前に全部又は一部の新株予約権について受益者を指定するか(あるいは放棄を行うか)を問い合わせる問合せ手段と、前記問合せ手段による問い合わせに対する応答を受け付ける応答受付手段と、前記応答受付手段で受け付けた応答が放棄されるものを除いた全ての新株予約権について受益者を指定するものでなかった場合、予め第1の信託の受益者指定事由よりも後に受益者指定事由の発生を迎える第2の信託又は第3の信託を設定することを可能とする第1の情報処理手段と、前記第1の信託情報に係る新株予約権のうち受益者が指定されなかったものについて、前記第1の情報処理手段により設定された第2の信託における受託者(第2の受託者)又は第3の信託における受託者(第3の受託者)を受益者として指定することを可能とする第2の情報処理手段と、第2の受託者又は第3の受託者を受益者として指定した場合、第1の信託の信託財産となっている新株予約権を第2の信託又は第3の信託における信託財産として引き継いだことに関する情報である第2の信託情報又は第3の信託情報を記憶する第2の記憶手段又は第3の記憶手段と、を有する、ものであってもよい。
また、本発明は、すべての新株予約権について受益者を指定した場合に、その新株予約権の名義を受託者から受益者名義に変更する手段を備えてもよい。
また、第2の信託又は第3の信託の受託者を、第1の信託の受益者として指定するのは、第2の信託又は第3の信託の組成後である。
11 委託者
12 第1の受託者
13 受益者
14 受益者指定権者
15 第2の受託者
18 第3の受託者
19 受益者
20 株式市場
Claims (5)
- 新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分の管理に使用される情報処理装置であって、
新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分が委託者から第1の受託者に信託されたことに関する情報である第1の信託情報を記憶する第1の記憶処理と、
前記第1の信託情報が示す信託の受益者指定事由の発生に先立つ一定期間前であるか否かを、担当者からの入力、または信託期間の経過により判定し、前記第1の信託情報が示す信託の受益者指定事由の発生に先立つ一定期間前であると判定された場合に、全部又は一部の新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分について受益者を指定するか否かの問い合わせを行う問合せ処理と、
前記問合せ処理による問い合わせに対する応答の受け付けを行う応答受付処理と、
前記応答受付処理で受け付けた応答について判定し、全部の新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分について受益者を指定するものでなかったと判定された場合に、前記第1の信託情報に係る新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分のうち、受益者が指定されなかったものについて、前記委託者から第2の受託者に信託されたことに関する情報である第2の信託情報を記憶する第2の記憶処理と、を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1の記憶処理によって記憶された、前記第1の信託情報に含まれる、前記第1の信託情報に係る新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分の帳簿価格を読み出す読出処理を実行し、
前記第2の記憶処理では、前記第2の信託情報に含まれる、前記第2の信託情報に係る新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分の帳簿価格として、前記読出処理で読み出した帳簿価格をそのまま引き継いで記憶する、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
受益者の指定において、仮の付与対象者が指定された場合、その後の処理で、仮の付与対象者を受益者として確定させるための確定条件が成立したと判定されたときに、仮の付与対象者を受益者として確定させる、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分の管理に使用される情報処理装置の制御方法であって、
新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分が委託者から第1の受託者に信託されたことに関する情報である第1の信託情報を記憶する処理を実行する第1の記憶工程と、
前記第1の信託情報が示す信託の受益者指定事由の発生に先立つ一定期間前であるか否かを、担当者からの入力、または信託期間の経過により判定し、前記第1の信託情報が示す信託の受益者指定事由の発生に先立つ一定期間前であると判定された場合に、全部又は一部の新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分について受益者を指定するか否かの問い合わせ処理を実行する問合せ工程と、
前記問合せ工程による問い合わせに対する応答の受け付け処理を実行する応答受付工程と、
前記応答受付工程で受け付けた応答について判定し、全部の新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分について受益者を指定するものでなかったと判定された場合に、前記第1の信託情報に係る新株予約権、コールオプション、株式又はファンド持分のうち、受益者が指定されなかったものについて、前記委託者から第2の受託者に信託されたことに関する情報である第2の信託情報を記憶する処理を実行する第2の記憶工程と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。 - コンピュータを請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
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