JP7329929B2 - 学習データ拡張装置、学習装置、翻訳装置、およびプログラム - Google Patents
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(1)前記入力文対に含まれる前記ソース言語によって記述された文、に含まれる文脈であって、第1表現と第2表現とが所定の関係を有して成るところの文脈である、ソース言語文脈が、前記ソース言語の文一般において出現する頻度に基づく数値であるソース言語文脈スコアと、
(2)前記ソース言語文脈に含まれる前記第1表現と前記第2表現とが前記ソース言語の文一般において共起する頻度に基づく数値であるソース言語共起スコアと、
(3)前記入力文対に含まれる前記ターゲット言語によって記述された文、に含まれる文脈であって、第3表現と第4表現とが所定の関係を有して成るところの文脈である、ターゲット言語文脈が、前記ターゲット言語の文一般において出現する頻度に基づく数値であるターゲット言語文脈スコアと、
(4)前記ターゲット言語文脈に含まれる前記第3表現と前記第4表現とが前記ターゲット言語の文一般において共起する頻度に基づく数値であるターゲット言語共起スコアと、
の少なくともいずれかに基づく数値である。
次に、学習データ拡張装置1の詳細な処理手順について説明する。図3は、本実施形態による学習データ拡張処理の手順を示すフローチャートである。機械翻訳のための学習データは、通常、数十万から数百万の対訳文対で構成されている。学習データ拡張装置1の拡張処理部3は、入力学習データ記憶部2が記憶する対訳文対から、1文対ずつ、同図のフローチャートの処理を実行する。以下、このフローチャートに沿って処理の詳細を説明する。
・・・(2)
(1)置換候補の表現が主語の場合、主語+動詞が文脈であり得る。
(2)置換候補の表現が目的語の場合、目的語+助詞+動詞が文脈であり得る。
(3)置換候補の表現が「の格」による連体修飾節の場合、名詞+「の」(助詞)+名詞が文脈であり得る。
なお、上述した実施形態における学習データ拡張装置や、学習装置や、翻訳装置の少なくとも一部の機能をコンピューターで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。なお、組み合わせることが可能な限りにおいて、下の変形例の複数を組み合わせて実施してもよい。
上記の実施形態の説明の一部において、ソース言語が日本語であり、ターゲット言語が英語である例を用いた。この両者が逆で、例えば、ソース言語が英語であり、ターゲット言語が日本語であってもよい。また、ソース言語やターゲット言語は、日本語や英語に限らず、他の言語であってもよい。ソース言語やターゲット言語は、例えば、ドイツ語や、フランス語や、イタリア語や、スペイン語や、ロシア語や、中国語や、韓国語や、その他のいかなる言語であってもよい。
上記の実施形態では、ソース言語とターゲット言語のそれぞれにおける、置換候補の、文脈のスコアおよび共起のスコアを算出し、それらのスコアを用いて置換候補の文らしさ(あるいは文の構成要素らしさ)を評価した。本変形例として、ソース言語における文脈スコア、ソース言語における共起スコア、ターゲット言語における文脈スコア、ターゲット言語における共起スコアの4種類の全部を利用せず、その一部のスコアのみを利用して置換候補を評価するようにしてもよい。さらに、置換候補の文らしさ等を評価するために、言語資源を基にした統計情報等に基づいて、他のスコアを算出して利用するようにしてもよい。
上記の実施形態で説明した学習データ拡張装置を、翻訳以外の目的で利用してもよい。翻訳のための学習データとして用いること以外の用途であっても、上で説明した学習データ拡張装置を、単に文対の集合を豊富にする目的で使用することができる。
上記の実施形態では、図3ステップS27における処理で、与えられた文対に含まれる表現の一部を削除することによる学習データの拡張も行った。変形例として、この表現の一部を削除することによる学習データの拡張を行わないようにしてもよい。
与えられた文対に含まれる表現を置換することによって得られた文対を対象として、図3ステップS27に記載した処理、即ち文対に含まれる表現の一部を削除することによって、さらなる文対の生成(即ち、学習データの拡張)を行ってもよい。言い換えれば、本変形例における拡張処理部3は、元の入力文対に基づいて表現の置換によって生成した新たな文対である置換拡張文対について、前記置換拡張文対に含まれる、ソース言語側の文とターゲット言語側の文とから、それぞれ表現を削除しても、前記ソース言語側の表現削除後の文と前記ターゲット言語側の表現削除後の文とがそれぞれ文として成立するように、上記の削除を行うことによって、新たな文対を生成する。
各装置における機能分割のしかたは任意である。例えば、上で説明した実施形態では、ソース言語文脈スコア算出部51やターゲット言語文脈スコア算出部56のそれぞれが、各言語における置換候補の文脈を抽出していた。変形例の一つとして、例えば、拡張処理部3がソース言語およびターゲット言語における置換候補の文脈を抽出し、ソース言語文脈スコア算出部51やターゲット言語文脈スコア算出部56は各言語における文脈スコアを算出するのみとしてもよい。
上で説明した実施形態において、自然言語による文を扱うために、既存の字句解析ツールや既存の構文解析ツールや、その他の既存の自然言語処理ツールを用いるようにしてもよい。
上で説明した実施形態においては、シソーラス情報等に基づいて、ソース言語側の表現(単語等)を置換する置換候補をまず求めていた。そして、ソース言語側の置換候補に対応するターゲット言語側の置換候補を、辞書情報(ソース言語からターゲット言語への単語等の変換を可能とする辞書情報)に基づいて求めていた。そして、それら両言語の置換候補について、スコアを算出して評価を行い、文対の置換による拡張を行っていた。変形例として、この向きを逆にしてもよい。即ち、本変形例では、シソーラス情報等に基づいて、ターゲット言語側の表現(単語等)を置換する置換候補をまず求める。そして、ターゲット言語側の置換候補に対応するソース言語側の置換候補を、辞書情報(ターゲット言語からソース言語への単語等の変換を可能とする辞書情報)に基づいて求める。そして、それら両言語の置換候補について、スコアを算出して評価を行い、文対の置換による拡張を行うようにする。
上で説明した実施形態において、言語資源情報記憶部6の少なくとも一部が、学習データ拡張装置1の外部に存在するものであってもよい。例えば、言語資源情報記憶部6の一部が、インターネットを介してアクセス可能な辞書情報サイトであってもよい。また、一般的な文の統計情報を所定のウェブサイトから得てもよい。また、一般的な文の統計情報が、所謂検索エンジンサイトから取得可能なものであったり、検索エンジンサイトで得られる検索結果を数値的に分析したものであったりしてもよい。
2 入力学習データ記憶部
3 拡張処理部
4 拡張学習データ記憶部
5 スコア算出部
6 言語資源情報記憶部
9 翻訳システム(翻訳装置)
51 ソース言語文脈スコア算出部
52 ソース言語共起スコア算出部
56 ターゲット言語文脈スコア算出部
57 ターゲット言語共起スコア算出部
61 ソース言語シソーラス記憶部
62 ソース言語辞書記憶部
63 ソース言語文脈頻度記憶部
64 ソース言語共起頻度記憶部
66 ターゲット言語シソーラス記憶部
67 ターゲット言語辞書記憶部
68 ターゲット言語文脈頻度記憶部
69 ターゲット言語共起頻度記憶部
170 学習装置
180 翻訳装置
181 機械翻訳モデル記憶部
182 入力文データ記憶部
183 翻訳処理部
184 出力文データ記憶部
Claims (8)
- ソース言語の表現に関する辞書情報およびターゲット言語の表現に関する辞書情報を記憶することにより前記ソース言語による表現と前記ターゲット言語による表現との間の変換を可能とする言語辞書記憶部と、
前記ソース言語によって記述された文と、前記ターゲット言語によって記述された文とにより構成された対訳である入力文対を基に、前記ソース言語側の文に含まれる言語表現と前記ターゲット言語側の文に含まれる言語表現との対応付けを行い、前記ソース言語または前記ターゲット言語の少なくともいずれかのシソーラス情報を用いて前記ソース言語または前記ターゲット言語の置換候補を抽出し、前記ソース言語側の文に含まれる言語表現と前記ターゲット言語側の文に含まれる言語表現との前記対応付けに基づいて前記ソース言語側または前記ターゲット言語側の前記置換候補の対訳側の置換候補を抽出し、前記文対に含まれる前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の言語表現の置換候補を選択し、選択された前記置換候補により前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の前記言語表現を置換し、前記ソース言語によって記述された文と前記ターゲット言語によって記述された文とにより構成された新たな対訳である文対を生成する拡張処理部と、
前記置換候補が前記文に含まれることの適合の度合いを表すスコアを算出するスコア算出部と、
を備え、
前記拡張処理部は、前記文対に含まれる前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の言語表現の置換候補を選択するために、前記ソース言語または前記ターゲット言語のシソーラス情報を用いて抽出した置換候補の対訳側の置換候補の情報を獲得する際には、前記言語辞書記憶部を参照し、
前記拡張処理部は、前記置換候補に関して前記スコア算出部が算出した前記スコアが予め定めた基準を満たす場合にのみ前記置換候補による置換を行うことによって、前記新たな文対を生成する、
学習データ拡張装置。 - 前記スコアは、
(1)前記入力文対に含まれる前記ソース言語によって記述された文に含まれる文脈であって、第1表現と第2表現とが所定の関係を有して成るところの文脈である、ソース言語文脈が、前記ソース言語の文一般において出現する頻度に基づく数値であるソース言語文脈スコアと、
(2)前記ソース言語文脈に含まれる前記第1表現と前記第2表現とが前記ソース言語の文一般において共起する頻度に基づく数値であるソース言語共起スコアと、
(3)前記入力文対に含まれる前記ターゲット言語によって記述された文、に含まれる文脈であって、第3表現と第4表現とが所定の関係を有して成るところの文脈である、ターゲット言語文脈が、前記ターゲット言語の文一般において出現する頻度に基づく数値であるターゲット言語文脈スコアと、
(4)前記ターゲット言語文脈に含まれる前記第3表現と前記第4表現とが前記ターゲット言語の文一般において共起する頻度に基づく数値であるターゲット言語共起スコアと、の少なくともいずれかに基づく数値であり、
前記ソース言語が日本語である場合には、
(1)前記置換候補の表現が主語の場合、当該主語+動詞が前記文脈であり得、且つ当該主語および当該動詞がそれぞれ前記第1表現および前記第2表現のいずれか一方であり、
(2)前記置換候補の表現が目的語の場合、当該目的語+助詞+動詞が文脈であり得、且つ当該目的語および当該動詞がそれぞれ前記第1表現および前記第2表現のいずれか一方であり、
(3)置換候補の表現が「の格」による連体修飾節の場合、第1名詞+当該「の」(助詞)+第2名詞が文脈であり得、且つ当該第1名詞および当該第2名詞がそれぞれ前記第1表現および前記第2表現のいずれか一方であり、
前記ソース言語が日本語以外の言語(非日本語言語)である場合には、当該非日本語言語の構文構造に応じた、前記置換候補と当該置換候補に関連付けられる他の表現との組合せが前記文脈であり得、且つ当該置換候補および当該他の表現がそれぞれ前記第1表現および前記第2表現のいずれか一方であり、
前記ターゲット言語が日本語である場合には、
(1)前記置換候補の表現が主語の場合、当該主語+動詞が前記文脈であり得、且つ当該主語および当該動詞がそれぞれ前記第3表現および前記第4表現のいずれか一方であり、
(2)前記置換候補の表現が目的語の場合、当該目的語+助詞+動詞が文脈であり得、且つ当該目的語および当該動詞がそれぞれ前記第3表現および前記第4表現のいずれか一方であり、
(3)置換候補の表現が「の格」による連体修飾節の場合、第1名詞+当該「の」(助詞)+第2名詞が文脈であり得、且つ当該第1名詞および当該第2名詞がそれぞれ前記第3表現および前記第4表現のいずれか一方であり、
前記ターゲット言語が日本語以外の言語(非日本語言語)である場合には、当該非日本語言語の構文構造に応じた、前記置換候補と当該置換候補に関連付けられる他の表現との組合せが前記文脈であり得、且つ当該置換候補および当該他の表現がそれぞれ前記第3表現および前記第4表現のいずれか一方である、
請求項1に記載の学習データ拡張装置。 - 前記スコア算出部は、前記ソース言語文脈スコアと、前記ソース言語共起スコアと、前記ターゲット言語文脈スコアと、前記ターゲット言語共起スコアとを算出するものであり、
前記拡張処理部は、
前記ソース言語文脈スコアと、前記ソース言語共起スコアと、前記ターゲット言語文脈スコアと、前記ターゲット言語共起スコアとの、重み付きの和または重み付きの積として算出される統合スコアが所定の閾値以上である場合にのみ、前記置換候補による置換を行うことによって、前記新たな文対を生成する、
請求項2に記載の学習データ拡張装置。 - 前記拡張処理部は、前記入力文対に含まれる、前記ソース言語側の文と前記ターゲット言語側の文とから、それぞれ表現を削除しても、前記ソース言語側の表現削除後の文と前記ターゲット言語側の表現削除後の文とがそれぞれ文として成立するように、前記削除を行うことによって、新たな文対を生成するものであり、
前記拡張処理部は、前記ソース言語側の文から削除可能な表現を削除するとともに、前記ソース言語側に文から削除した表現に対応する表現を前記ターゲット言語側の文からも削除するものであり、
前記削除可能な表現は、形容詞と、副詞と、従属節となる連体修飾節と、従属節となる連用修飾節とである、
請求項1から3までのいずれか一項に記載の学習データ拡張装置。 - 前記拡張処理部は、前記入力文対に基づいて表現の置換によって生成した新たな文対である置換拡張文対について、前記置換拡張文対に含まれる、前記ソース言語側の文と前記ターゲット言語側の文とから、それぞれ表現を削除しても、前記ソース言語側の表現削除後の文と前記ターゲット言語側の表現削除後の文とがそれぞれ文として成立するように、前記削除を行うことによって、新たな文対を生成するものであり、
前記拡張処理部は、前記ソース言語側の文から削除可能な表現を削除するとともに、前記ソース言語側に文から削除した表現に対応する表現を前記ターゲット言語側の文からも削除する、
前記削除可能な表現は、形容詞と、副詞と、従属節となる連体修飾節と、従属節となる連用修飾節とである、
請求項1から4までのいずれか一項に記載の学習データ拡張装置。 - ソース言語の表現に関する辞書情報およびターゲット言語の表現に関する辞書情報を記憶することにより前記ソース言語による表現と前記ターゲット言語による表現との間の変換を可能とする言語辞書記憶部、
を備えるコンピューターに、
前記ソース言語によって記述された文と、前記ターゲット言語によって記述された文とにより構成された対訳である入力文対を基に、前記ソース言語側の文に含まれる言語表現と前記ターゲット言語側の文に含まれる言語表現との対応付けを行い、前記ソース言語または前記ターゲット言語の少なくともいずれかのシソーラス情報を用いて前記ソース言語または前記ターゲット言語の置換候補を抽出し、前記ソース言語側の文に含まれる言語表現と前記ターゲット言語側の文に含まれる言語表現との前記対応付けに基づいて前記ソース言語側または前記ターゲット言語側の前記置換候補の対訳側の置換候補を抽出し、前記文対に含まれる前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の言語表現の置換候補を選択し、選択された前記置換候補により前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の前記言語表現を置換し、前記ソース言語によって記述された文と前記ターゲット言語によって記述された文とにより構成された新たな対訳である文対を生成する、拡張処理過程と、
前記置換候補が前記文に含まれることの適合の度合いを表すスコアを算出する、スコア算出過程と、
を実行させるプログラムであって、
前記拡張処理過程では、前記文対に含まれる前記ソース言語側および前記ターゲット言語側の言語表現の置換候補を選択するために、前記ソース言語または前記ターゲット言語のシソーラス情報を用いて抽出した置換候補の対訳側の置換候補の情報を獲得する際には、前記言語辞書記憶部を参照し、
前記拡張処理過程では、前記置換候補に関して前記スコア算出過程で算出した前記スコアが予め定めた基準を満たす場合にのみ前記置換候補による置換を行うことによって、前記新たな文対を生成する、
プログラム。 - 請求項1から5までのいずれか一項に記載の学習データ拡張装置によって生成された前記新たな文対と、前記入力文対とで成る拡張学習データを用いて、前記ソース言語で記述された文と前記ターゲット言語で記述された文との関係についての機械学習処理を行い、この機械学習処理の結果であるモデルを出力する、学習装置。
- 請求項7に記載の学習装置が行った機械学習処理の結果として出力された前記モデルに基づいて、前記ソース言語で記述された文を、前記ターゲット言語で記述された文に機械翻訳する処理を行う、翻訳装置。
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