JP7377068B2 - 端末成形物品の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
基材の端部に射出成形により端末樹脂部を形成する端末成形物品の製造装置であって、
前記端末樹脂部を成形する射出成形部と、
複数の前記基材を端部から離間した位置で保持可能に構成されると共に、前記射出成形部に向けて保持した基材を前進および後退移動するよう搬送する搬送保持手段と、
前記搬送保持手段が前記基材を保持する保持位置より前記射出成形部側に配置され、前記搬送保持手段で搬送される基材の下方から上昇移動可能な第1の支持手段と、
前記第1の支持手段との間に空間を空けるように当該第1の支持手段より前記射出成形部側に配置され、前記搬送保持手段で搬送される基材の下方から上昇移動可能な第2の支持手段と、
前記基材の移動軌道より上方の上昇位置と当該基材の移動軌道上に臨むように前記空間内に位置する下降位置との間で昇降可能に構成された昇降移動手段と、を備え、
前記射出成形部は、キャビティに臨む前記基材の端部と反対側に、当該キャビティへの樹脂注入用のゲートが位置するよう設けられており、
前記基材を保持した前記搬送保持手段を前進移動する際に前記昇降移動手段を下降位置に位置させて各基材の端部を昇降移動手段に突き当てると共に、当該昇降移動手段を上昇位置に移動した後に前記搬送保持手段を前進移動して基材の端部を前記射出成形部のキャビティに位置付けて前記端末樹脂部を成形するよう構成し、
前記ゲートで硬化した樹脂を介して前記端末樹脂部に不要樹脂部が連結した基材を射出成形部から取り出すように前記搬送保持手段を後退移動すると共に、上昇移動した前記第1の支持手段で前記基材を下側から支持すると共に上昇移動した前記第2の支持手段で前記不要樹脂部を下側から支持した状態で、上昇位置から下降位置に移動した前記昇降移動手段を不要樹脂部に押し当てて前記端末樹脂部と前記不要樹脂部との連結部を切断するよう構成したことを要旨とする。
このように、複数の基材の端部位置を射出成形部に搬送する過程で揃えることができるから、端末樹脂部を形成する端部を射出成形部のキャビティに正確に位置付けて端末樹脂部を効率良く射出成形することができる。また、端末樹脂部を形成した複数の基材を射出成形部から取り出す過程で端末樹脂部の成形に伴って残留する不要樹脂部を除去ができるから、該基材を別の作業場所へ移動させる必要がなく、不要樹脂部を効率良く除去することが可能になる。また、複数の基材の端部の位置揃えと不要樹脂部の除去とを、同じ昇降移動手段を利用して実現でき、装置自体の簡略化を図り得る。
前記第1の支持手段は、前記搬送保持手段で保持した前記基材の両側部を位置決めする位置決め凹部が設けられていることを要旨とする。
このように、第1の支持手段に設けた位置決め凹部により搬送保持手段で保持した基材の両側部を位置決めすることで、基材の位置ずれを防止することができるから、昇降移動手段を不要樹脂部に押し当てて端末樹脂部と不要樹脂部との連結部を正確に切断することが可能になる。また、基材の位置ずれを防止することで、昇降移動手段が端末樹脂部に接触することを防止して、端末樹脂部を良好な成形状態に維持することができる。
前記第1の支持手段および前記第2の支持手段は、前記搬送保持手段の移動軌道から退避した退避位置と、前記第1の支持手段の前記位置決め凹部が基材の下方に臨む待機位置と、当該待機位置から上昇して該位置決め凹部に基材が臨む支持位置とに一体的に移動可能に構成したことを要旨とする。
このように、基材を支持する第1の支持手段と、不要樹脂部を支持する第2の支持手段の夫々を各位置に一体的に移動するようにすることで、装置の簡略化を図り得る。また、第1の支持手段と第2の支持手段とが一体的に移動することで、基材および不要樹脂部を確実に支持したもとで昇降移動手段を不要樹脂部に押し当てて連結部を切断することができる。
基材の端部に射出成形により端末樹脂部を形成した端末成形物品の製造方法であって、
複数の基材を保持した搬送保持手段を射出成形部に向けて前進移動すると共に、当該基材の移動軌道上に位置させた昇降移動手段に各基材の端部を突き当てて各基材の端部位置を揃え、
前記昇降移動手段を前記基材の移動軌道から離れるように上昇移動した後に、前記搬送保持手段を前記射出成形部に向けて前進移動して基材の端部を該射出成形部のキャビティに位置付け、当該基材の端部と反対側に位置するゲートを介して当該キャビティ内に樹脂を注入して基材の端部に端末樹脂部を成形し、
前記射出成形部の開放後に前記搬送保持手段を後退移動して前記ゲートで硬化した樹脂で不要樹脂部が前記端末樹脂部に繋がる基材を射出成形部から取り出し、
第1の支持手段および当該第1の支持手段より射出成形部側に配置した第2の支持手段を基材の下方から上昇移動して、当該第1の支持手段で基材を下側から支持すると共に当該第2の支持手段で不要樹脂部を下側から支持し、
前記第1の支持手段および第2の支持手段の間の空間に向けて下降移動した前記昇降移動手段を前記不要樹脂部に押し当てて、前記端末樹脂部と不要樹脂部との連結部を切断するようにしたことを要旨とする。
このように、複数の基材の端部位置を射出成形部に搬送する過程で揃えることができるから、端末樹脂部を形成する端部を射出成形部のキャビティに正確に位置付けて端末樹脂部を効率良く射出成形することができる。また、端末樹脂部を形成した複数の基材を射出成形部から取り出す過程で端末樹脂部の成形に伴って残留する不要樹脂部を除去ができるから、該基材を別の作業場所へ移動させる必要がなく、不要樹脂部を効率良く除去することが可能になる。また、複数の基材の端部の位置揃えと不要樹脂部の除去とを、同じ昇降移動手段を利用して実現でき、装置自体の簡略化を図り得る。
前記基材の下方から上昇移動した前記第1の支持手段の位置決め凹部に基材が嵌まり込むようにして、当該第1の支持手段で基材の両側部を位置決めしつつ下側から支持するようにしたことを要旨とする。
このように、第1の支持手段に設けた位置決め凹部により搬送保持手段で保持した基材の両側部を位置決めすることで、基材の位置ずれを防止することができるから、昇降移動手段を不要樹脂部に押し当てて端末樹脂部と不要樹脂部との連結部を正確に切断することが可能になる。また、基材の位置ずれを防止することで、昇降移動手段が端末樹脂部に接触することを防止して、端末樹脂部を良好な成形状態に維持することができる。
前記第1の支持手段および前記第2の支持手段を、前記搬送保持手段の移動軌道から退避した退避位置と、前記第1の支持手段の前記位置決め凹部が基材の下方に臨む待機位置と、当該待機位置から上昇して該位置決め凹部に基材が臨む位置決め位置とに一体的に移動するようにしたことを要旨とする。
このように、基材を支持する第1の支持手段と、不要樹脂部を支持する第2の支持手段の夫々を各位置に一体的に移動するようにすることで、装置の簡略化を図り得る。また、第1の支持手段と第2の支持手段とが一体的に移動することで、基材および不要樹脂部を確実に支持したもとで昇降移動手段を不要樹脂部に押し当てて連結部を切断することができる。
先ず、実施例の端末成形物品(ルーフモール)RMの製造装置の概略的な配置を、図1に示す。この製造装置では、端末成形物品RMの本体をなす長尺な基材10を載置可能なトレー(載置部)14がガイドレール16に沿って移動可能になっており、図示しないアクチュエータにより基材10の各端部に端末樹脂部12を成形可能な位置にトレー14を移動するよう構成されている。具体的には、トレー14に基材10を載置する載置ステーションS1と、基材10の一方(図1では左側)の端部に端末樹脂部12を成形可能な第1成形ステーションS2と、基材10の他方(図1では右側)の端部に端末樹脂部12を成形可能な第2成形ステーションS3と、基材10の両端に端末樹脂部12が形成された端末成形物品RMを搬出する搬出ステーションS4との間を、トレー14が順に間欠的に移動するよう構成してある。
成形ステーションS2,S3には、図1~図3に示すように、当該ステーションS2,S3に合わせて停止したトレー14に載置した基材10を保持して射出成形部50に対して前進移動および後退移動するように搬送する搬送保持部(搬送保持手段)18が設けられている。この搬送保持部18は、基材10を保持する保持体20が基材10の数に合わせて複数(実施例では4基)設けられている。各保持体20は、基材10の幅方向に近接離間移動可能な一対の保持爪22を備えており、対応の基材10を保持爪22の間に臨ませた状態で開放状態にあった一対の保持爪22を閉じることで、該基材10の端部から離間した側部を幅方向から挟むようにして保持するようになっている。なお、図2に示すように、複数の保持体20は、隣接するもの同士で干渉しないよう、基材10の長手方向に互い違いに配置されている。
また、図1、図2に示すように、成形ステーションS2,S3には、トレー14と射出成形部50との間に整列除去部26が設けられており、端末樹脂部12の射出成形前に基材10の端部位置を当該整列除去部26で揃えると共に、射出成形後には基材10の端末樹脂部12に繋がる不要樹脂部100を整列除去部26で除去するようになっている。この整列除去部26は、搬送保持部18で搬送される基材10および不要樹脂部100を下方から受け支える支持部材(支持手段)28,30と、当該基材10の移動軌道上に臨むように昇降移動可能な昇降移動体(昇降移動手段)42とを備えており、当該支持部材28,30および昇降移動体42が協働して基材10の端部位置を揃えると共に、不要樹脂部100を除去するようになっている。
図2、図4~図6に示すように、前記支持部材28,30は、基材10の幅方向に相互に近接および離間するように移動し得ると共に上下に昇降移動可能な第1の支持部材28と第2の支持部材30とから構成されており、保持位置にある搬送保持部18よりも射出成形部50側に配置されている。この第1の支持部材28および第2の支持部材30の夫々は、基材10の長手方向に離間して位置する第1支持部(第1の支持手段)32と第2支持部(第2の支持手段)34とを備えた対称な形状に形成され、トレー14側に配置された第1支持部32により搬送保持部18で保持した基材10を下方から支持可能に構成されると共に、当該第2支持部34により不要樹脂部100を下側から支持可能に構成されている。
図7、図8に示すように、昇降移動体42は、第1の支持部材28および第2の支持部材30の第1支持部32および第2支持部34の間に形成される差込空間36に非接触で差し込み可能な板状部44を備えている。この昇降移動体42は、第1の支持部材28および第2の支持部材30が支持位置にある状態で、各基材10の移動軌道から離れるように差込空間36の上方側に板状部44が臨む上昇位置と、搬送保持部18で保持した各基材10の移動軌道を遮るように当該差込空間36内に板状部44が臨む下降位置との間で昇降移動可能に構成されており、図示しないアクチュエータの駆動により各位置に移動するようになっている。すなわち、図8に示すように、昇降移動体42が下降位置にある状態で各基材10を前進移動することで、各基材10の端部が板状部44に突き当たるようになっている。また、下降位置にある板状部44の下端は、第1の支持部材28および第2の支持部材30における第1支持部32および第2支持部34の支持面32b,34aより下方に位置するよう構成される。
図9に示すように、射出成形部50は、上型52aおよび下型52bから構成された成形型52と、当該成形型52のキャビティ54内に溶融樹脂を注入する樹脂供給部60とを備えている。この成形型52には、上型52aおよび下型52bを型閉めした状態で基材10に対応する数(実施例では4つ)のキャビティ54が形成されて、各基材10に対して端末樹脂部12を成形し得るようになっている。ここで、成形型52を型閉めして形成されるキャビティ54は搬送保持部18の配置側に開口するようになっており、射出成形部50の外側に延出するようにキャビティ54内に端部を臨ませた基材10により、この成形型52の開口が塞がれた状態となる要構成されている。また、射出成形部50は、成形型52においてキャビティ54に臨む基材10の端部と反対側にゲート56が位置するよう設けられており、当該ゲート56を介してキャビティ54内に樹脂を注入し得るようになっている。ここで、成形型52には、複数のキャビティ54に対して一度の射出により樹脂を注入し得るように樹脂流路58(スプルー、ランナー、ゲート)が形成されている。すなわち、端末樹脂部12の射出成形後に成形型52を型開きした際には、各基材10に成形された端末樹脂部12の端部に樹脂流路58で硬化した樹脂からなる不要樹脂部100が繋がった状態となっている(図10参照)。
次に、端末成形物品RMの製造方法について、前述した製造装置の動作に基づいて説明する。先ず、載置ステーションS1においてトレー14の位置決め用凸部14aの間に基材10を嵌めるようにして載置し、基材10を載置したトレー14を第1成形ステーションS2に移動する。このとき複数の基材10の端部は、該トレー14の端縁部から外側に延出するように載置される。そして、トレー14が移動した第1成形ステーションS2では、トレー14に載置した基材10を搬送保持部18で保持する保持工程と、搬送保持部18で保持した基材10を射出成形部50に搬送する過程で基材10の端部を備える端部揃え工程と、基材10の端部に端末樹脂部12を射出成形する成形工程と、成形工程において端末樹脂部12に繋がるように成形される不要樹脂部100を除去する除去工程とが行われる。第1成形ステーションS2で基材10の一方の端部に端末樹脂部12が形成されると、トレー14が第2成形ステーションS3に移動し、当該第2成形ステーションS3において同様に保持工程と、端部揃え工程と、成形工程と、除去工程とが行われて、基材10の他方の端部に端末樹脂部12が形成される。基材10の両端部に端末樹脂部12が形成されると、トレー14が搬出ステーションに移動して基材10の両端に端末樹脂部12が形成された端末成形物品RMが搬出された後に、トレー14が載置ステーションS1に戻るように移動する。
本発明に係る端末成形物品の製造装置および製造方法は、前述した実施例の構成に限定されるものではなく、例えば以下のような変更が可能である。
(1) 実施例では、基材10を載置したトレー14を複数のステーションに移動するようにしたが、トレー14を所定位置に保持するようにしてもよい。
(2) 実施例では、基材10の両端部に端末樹脂部12を設けるようにしたが、少なくとも1つの端部に端末樹脂部12を設ける構成に採用することができる。
(3) 実施例では、基材10を第1の支持部材28および第2の支持部材30で支持するようにしたが、支持部材を1つだけ備えるようにしてもよく、また3つ以上の支持部材を組み合わせるようにしてよい。すなわち、基材10を支持する数に合わせて支持部材を適宜の数に分割するように構成することができる。
(4) 実施例では、第1の支持部材28および第2の支持部材30の夫々に、基材10を下側から支持する第1支持部32(第1の支持手段)および不要樹脂部100を下側から支持する第2支持部34(第2の支持手段)を設けるようにしたが、第1支持部32(第1の支持手段)および第2支持部34(第2の支持手段)を別部材として構成し、これらを個別に退避位置と、待機位置と、支持位置とに移動するよう構成しても良い。
32 第1支持部(第1の支持手段),32a 位置決め凹部
34 第2支持部(第2の支持手段),36 差込空間(空間)
42昇降移動体(昇降移動手段),50 射出成形部,54 キャビティ
56 ゲート,100 不要樹脂部,RM 端末成形物品
Claims (4)
- 基材の端部に射出成形により端末樹脂部を形成する端末成形物品の製造装置であって、
前記端末樹脂部を成形する射出成形部と、
複数の前記基材を端部から離間した位置で保持可能に構成されると共に、前記射出成形部に向けて保持した基材を前進移動するよう搬送する搬送保持手段と、
前記基材の移動軌道より上方の上昇位置と当該基材の移動軌道上に臨む下降位置との間で昇降可能に構成された昇降移動手段と、を備え、
前記基材を保持した前記搬送保持手段を前進移動する際に前記昇降移動手段を下降位置に位置させて各基材の端部を昇降移動手段に突き当てて、複数の前記基材の端部を揃えた後、複数の前記基材の端部を前記射出成形部のキャビティに位置付けて前記端末樹脂部を成形するよう構成した
ことを特徴とする端末成形物品の製造装置。 - 複数の前記基材を並列に載置可能な載置部と、
載置された前記基材の長手方向と交差する方向に前記載置部を移動可能なガイドレールと、
前記基材の一方の端部の端末樹脂部を成形する射出成形部を有する第1成形ステーションと、
前記基材の他方の端部の端末樹脂部を成形する射出成形部を有する第2成形ステーションと、を備え、
前記ガイドレールは、前記第1成形ステーションから前記第2成形ステーションへ前記載置部を移動可能に構成した請求項1記載の端末成形品の製造装置。 - 基材の端部に射出成形により端末樹脂部を形成した端末成形物品の製造方法であって、
複数の基材を保持した搬送保持手段を射出成形部に向けて前進移動すると共に、当該基材の移動軌道上に位置させた昇降移動手段に各基材の端部を突き当てて各基材の端部位置を揃えた後、
複数の前記基材の端部を該射出成形部のキャビティに位置付け、当該キャビティ内に樹脂を注入して基材の端部に端末樹脂部を成形する
ことを特徴とする端末成形物品の製造方法。 - 前記射出成形部によって複数の前記基材の端部に端末樹脂部を成形後、該射出成形部を開放して不要樹脂部で繋がる複数の前記基材の端末樹脂部を該射出成形部から取り出し、次に、前記端末樹脂部と前記不要樹脂部との連結部を切断する請求項3記載の端末成形物品の製造方法。
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