JP7377032B2 - 回転電機のステータの製造方法、回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、品質が基準を満たしていないセグメントコイルが見つかった場合、出来るだけ短時間で品質悪化の原因を見つけ出すことが可能な回転電機のステータの製造方法、回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法を提供することにある。
図1は、実施形態1に係る回転電機1のロータ10及びステータ11を示す分解斜視図、図2は、実施形態1に係るステータ11の斜視図である。回転電機1は、例えば図示しない電動車両の駆動輪を駆動もしくは、駆動輪からの回生制動力によって発電する3相(U相、V相、W相)8極の交流型の永久磁石同期モータとして構成される。回転電機1は、円筒状のステータ11と、ステータ11の内部に回転自在に収容されるロータ10とを備える。
ステータ11は、複数の円環状の電磁鋼板を積層して構成されるステータコア12と、ステータコア12に波巻き状に巻回される平角線により形成された3相分のステータコイル13U、13V、13W(総称してステータコイル13とも記載する。)と、を備える。ステータコア12にはそれぞれ、多数のティースおよびスロットが周方向(回転電機1の回転方向に同じ)に等間隔で交互に形成され、端部に3相分の端子が接続されている。
セグメントコイル131の松葉の頂点側の折曲部は、周方向に延びて松葉の頂点部で隣のレイヤーにシフトする。セグメントコイル131は、周方向に斜めに延びているので、1ピッチずれたセグメントコイルとは、上下に重なって延びることができる。隣のレイヤーにシフトする頂点も1ピッチずれているので、干渉することがなく、上下が入れ替わる交差がなされる。隣接するコイルエンド131a(図4(b)参照)間の溶接位置で前述とは逆のレイヤーにシフトする。ここでも1ピッチずれたセグメントコイル131と上下が入れ替わる。
ステップS1では、ステータコア12を供給する。
ステップS2では、ステータコア12に製造番号を刻印する。
ステップS3では、絶縁紙であるスロットライナ12aを成形し、ステータコア12の内周に形成されたスロットに沿って挿入する。
ステップS7では、コイルエンド131aを切断し、所望の適切な長さにする。
ステップS9では、コイルの所定のセグメントコイル131に端子を接続する。
ステップS10では、周方向二列に並んだ溶接部分の外側層と内側層との間に絶縁紙である段間紙を挿入する。
ステップS11では、ステータとコイルとの間の隙間にワニスを流し込み、ステータコア12とコイルとを固定するワニス処理を行い、ステータ製造工程を終了する。
ステップS102では、アンコイラにより巻線材料の歪を取りながらコイル線を送り出す。
ステップS103では、コイル線が巻線材料として巻かれていた際に付与された歪の水平及び垂直方向の矯正を行い、真っ直ぐなコイル線とする。
ステップS104では、コイル線の端部(溶接される部分)の絶縁膜300を剥離する。
ステップS107では、ステータ組立工程(図3のステップS4)へ移行する。
また、特開2006-247489号公報のように、識別情報を印刷で形成しようとすると、印刷後に他の部材と接触することで剥がれたり、消失したりすることで、識別できなくなるおそれがあった。
(1)複数のスロットを備えたステータコア12と、
夫々に識別情報である二次元コード200が表示された複数のセグメントコイル131が各スロット内に配置され、コイルエンドにてセグメントコイル131同士を接合することによって構成されるステータコイル13と、
を備えた回転電機のステータである。
よって、品質が基準を満たしていないセグメントコイル131が見つかった場合、出来るだけ短時間で品質悪化の原因を見つけ出すことができる。
(3)セグメントコイル131の識別情報は、絶縁膜300に溝として形成されている。よって、他の部材との接触によって剥がれたり、消失したりすることを回避することができる。
(4)絶縁膜300は、ポリイミド系樹脂もしくはポリアミド系樹脂の層である。よって、導体金属材料301と樹脂材料との線膨張係数のち外によって生じる伸延配向現象により分子配列を一方向に整えることができ、直線偏光されたUVレーザー光によって絶縁膜300の奥にはUVレーザー光を届かせることなく、絶縁膜300の表面のみに加工を施すことで識別情報を表示できる。
(6)セグメントコイル131は、断面が四角形である。よって、平らな部分に識別情報を表示することができ、識別情報の表示性及び読み取り容易性を確保できる。
所定の形状に成形され、表面に絶縁膜300(絶縁層)が塗布された複数のセグメントコイル131の絶縁膜300に識別情報を表示する工程と、
識別情報が表示されたセグメントコイル131が、品質を満たしているか否かを判別し、品質を満たしていないセグメントコイル131を排除し、排除されたセグメントコイル131の識別情報を管理する工程と、
品質を満たした複数のセグメントコイル131をステータコア12の各スロット内に配置し、先端を所定の位置まで変形させる工程と、
セグメントコイル131の先端を他のセグメントコイル131の先端と接合する工程と、
を含む。
よって、品質が基準を満たしていないセグメントコイル131が見つかった場合、出来るだけ短時間で品質悪化の原因を見つけ出すことができる。
(9)絶縁膜300は、ポリイミド系樹脂もしくはポリアミド系樹脂であり、絶縁膜300の表面に、セグメントコイル131の軸線方向に対して、異なる方向に直線偏光されたUVレーザー光を照射して溝を形成する。よって絶縁膜300の奥にはUVレーザー光を届きにくくなり、絶縁膜300の表面に精度良く加工を施すことができる。
(10)UVレーザー光の偏光方向は、セグメントコイル131の軸線方向に対して、ほぼ垂直としている。よって、絶縁膜300の奥にはUVレーザー光が届くことがなく、絶縁膜300の表面に精度良く加工を施すことができる。
(11)UVレーザー光は、紫外線レーザーであり、グランレーザープリズムを用いて直線偏光されている。すなわち、偏光プリズムを透過波長に応じて選択することで、容易に直線偏光させることができる。
接合される前の夫々のセグメントコイル131には、識別情報が表示されており、
所定の形状に成形されたセグメントコイル131の品質を検査し、
検査の結果、品質が悪化した場合、識別情報に基づいて、品質悪化の原因を解析する。
よって、品質が基準を満たしていないセグメントコイル131が見つかった場合、出来るだけ短時間で品質悪化の原因を見つけ出すことができる。
(13)接合される前の夫々のセグメントコイル131は、複数の製造ラインで成型されると共に、識別情報と製造ラインの関係が管理されており、
セグメントコイル131の品質が悪化した場合、識別情報により製造ラインを特定する。よって、不具合が生じた製造ラインを特定することができる。
(14)接合される前の夫々のセグメントコイル131は、識別情報毎に製造するための作業を行った時刻が管理されており、
セグメントコイル131の品質が悪化した場合、識別情報により作業を行った時刻を特定する。よって、不具合が生じた際の時刻を特定することができ、時刻に紐付けられた加工量や加工条件を補正できる。
(15)セグメントコイル131の品質が悪化した場合、品質悪化の原因を解析した結果に基づいて、製造設備に対して製造条件の補正を行う。よって、品質が悪化した場合、加工量や加工条件を随時補正することで、品質が悪化した製品の製造を抑制できる。
(17)製造設備は、セグメントコイル131のプレス機を備え、セグメントコイル131の品質状態に応じて、プレス機のプレス加工条件の補正を行う。よって、プレス機によるプレス加工の品質悪化を随時修正できる。
以上、本発明を実現するための実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施形態1では、回転電機としてトルクを発生するモータに適用した例を示したが、オルタネータのような発電機でもよいし、ハイブリッド車両や電動車両に適用される制駆動トルクを発生可能なモータジェネレータに適用してもよい。
(19)セグメントコイルの識別情報部分は、着色された液体を塗布し、乾燥させて表示させる。よって、実施形態1に比べて簡易な装置で識別情報を付与できる。
10 ロータ
11 ステータ
12 ステータコア
13 ステータコイル
131 セグメントコイル
131a コイルエンド
200 二次元コード
300 絶縁膜
301 導体金属材料
Claims (8)
- 複数の金属製のセグメントコイルがステータコアに設けられたスロット内に配置され、コイルエンドにて前記セグメントコイル同士が接合された回転電機のステータの製造方法であって、
所定の形状に成形され、表面に絶縁層が塗布された複数の前記セグメントコイルの前記絶縁層に識別情報を表示する工程と、
前記識別情報が表示された前記セグメントコイルが、品質を満たしているか否かを判別し、品質を満たしていない前記セグメントコイルを排除し、排除された前記セグメントコイルの前記識別情報を管理する工程と、
品質を満たした複数の前記セグメントコイルを前記ステータコアの各スロット内に配置し、先端を所定の位置まで変形させる工程と、
前記セグメントコイルの先端を他のセグメントコイルの先端と接合する工程と、
を含み、
前記絶縁層は、ポリイミド系樹脂もしくはポリアミド系樹脂であり、
前記セグメントコイルの識別情報部分は、前記樹脂層の表面に、前記セグメントコイルの軸線方向に対して、ほぼ垂直方向に直線偏光されたレーザーを照射して溝を形成することで表示させることを特徴とする回転電機のステータの製造方法。 - 前記レーザーは、紫外線レーザーであり、プリズムを用いて直線偏光されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータの製造方法。
- 複数のセグメントコイルがステータコアに設けられたスロット内に配置され、コイルエンドにて前記セグメントコイル同士が接合された回転電機に用いられるコイルセグメントの管理方法であって、
接合される前の夫々の前記セグメントコイルには、識別情報が表示されており、
所定の形状に成形された前記セグメントコイルが前記ステータコアの前記スロット内に挿入可能か否かに基づいて、前記セグメントコイルの品質を検査し、
検査の結果、品質が悪化した場合、前記識別情報に基づいて、品質悪化の原因を解析することを特徴とする回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。 - 接合される前の夫々の前記セグメントコイルは、複数の製造ラインで成型されると共に、前記識別情報と製造ラインの関係が管理されており、
前記セグメントコイルの品質が悪化した場合、前記識別情報により製造ラインを特定することを特徴とする請求項3に記載の回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。 - 接合される前の夫々の前記セグメントコイルは、前記識別情報毎に製造するための作業を行った時刻が管理されており、
前記セグメントコイルの品質が悪化した場合、前記識別情報により作業を行った時刻を特定することを特徴とする請求項3に記載の回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。 - 前記セグメントコイルの品質が悪化した場合、品質悪化の原因を解析した結果に基づいて、製造設備に対して製造条件の補正を行うことを特徴とする請求項3に記載の回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。
- 前記製造設備は、前記セグメントコイルの折り曲げ機を備え、前記セグメントコイルの品質状態に応じて、折り曲げ加工量の補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。
- 前記製造設備は、前記セグメントコイルのプレス機を備え、前記セグメントコイルの品質状態に応じて、プレス機のプレス加工条件の補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の回転電機に用いられるセグメントコイルの管理方法。
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