JP7445914B2 - 巻枠部材及びそれを備えた固定子、モータ、巻枠部材の製造方法 - Google Patents

巻枠部材及びそれを備えた固定子、モータ、巻枠部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、巻枠部材及びそれを備えた固定子、モータ、巻枠部材の製造方法に関する。
従来、巻枠部材は、モータの固定子等において、コイルを構成するマグネットワイヤとティースとの間で絶縁を保つために設けられている。巻枠部材は、例えば、ガラス繊維やセラミック等のフィラーが添加された樹脂を金型に注入して成形することで得られる(例えば、特許文献1参照)。フィラーは、巻枠部材の強度や熱伝導性を高めるために添加される。
特開2016-152743号公報
ところで、モータの効率を向上させるために、固定子のスロット内に配置されるコイルの占積率を向上させることが知られている。コイルの占積率を高めることで、モータの駆動時に、コイルに流れる電流に起因する損失を抑制できる。
一方、コイルの占積率を高めるためには、コイルを構成するマグネットワイヤの巻き崩れを防止する必要がある。これを実現するため、例えば、巻枠部材の表面に複数の溝等を設ける手法が知られている。この溝等により、巻枠部材の表面でマグネットワイヤが所定の位置に位置決めして保持される。しかし、この手法では、マグネットワイヤの線径や形状毎に専用の金型が必要となっていた。
特に、マグネットワイヤの線径が小さい場合、金型を用いて巻枠部材の表面に溝等を形成することが困難であり、巻き付けられたマグネットワイヤの位置が巻枠部材の表面で安定せず、マグネットワイヤの巻き崩れが起こるおそれがあった。また、固定子の量産において、ロット毎のマグネットワイヤの巻回形状が安定しないおそれがあった。これらのことにより、コイルの占積率が十分に向上できず、また、複数の固定子間で占積率がばらつくことでモータの効率もばらつくおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、巻き回されるマグネットワイヤの巻き崩れを抑制可能な巻枠部材及びそれを備えた固定子、モータ、巻枠部材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る巻枠部材は、フィラーが添加された樹脂材料からなる巻枠部材であって、マグネットワイヤが巻回されるワイヤ巻回部と、前記ワイヤ巻回部の両端部に設けられたフランジ部とを有し、前記ワイヤ巻回部の表面に形成された複数の溝部と、を少なくとも備え、前記溝部の表面には前記フィラーが露出し、前記フィラーの露出率は、互いに隣り合う前記溝部の間に位置する前記ワイヤ巻回部の表面よりも前記溝部の表面で高いことを特徴とする。
本発明に係る固定子は、前記巻枠部材と、前記複数の溝部に沿って前記巻枠部材に巻回されたマグネットワイヤと、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明に係るモータは、前記固定子と、前記固定子と所定の間隔をあけて設けられた回転子と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明に係る巻枠部材の製造方法は、マグネットワイヤが巻回される巻枠部材の製造方法であって、ワイヤ巻回部を有し、フィラーが添加された樹脂材料からなる巻枠母材を準備する巻枠母材準備工程と、前記ワイヤ巻回部にレーザ光を照射して複数の溝部を形成する溝部形成工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明の巻枠部材によれば、ワイヤ巻回部に巻回されたマグネットワイヤの整列状態を維持しやすくなり、マグネットワイヤの巻き崩れを防止できる。また、本発明の固定子によれば、マグネットワイヤの巻き崩れを防止できるため、スロット内でのコイルの占積率を高められる。本発明のモータによれば、スロット内でのコイルの占積率を高められるため、モータの効率を高められる。本発明の巻枠部材の製造方法によれば、マグネットワイヤの線径を変える毎に専用の金型を起こす必要がなく、巻枠部材の製造コストが上昇するのを抑制できる。
本発明の実施形態1に係るモータの上面図である。 モータ内の固定子の部分断面図である。 巻枠部材の斜視図である。 巻枠部材の斜視図である。 巻枠部材の表面の電子顕微鏡写真である。 溝部の表面の拡大写真である。 固定子の要部の斜視図である。 図4のV-V線での断面模式図である。 実施形態1に係る巻枠部材の製造方法の工程説明図である。 実施形態1に係る別の巻枠部材の斜視図である。 本発明の実施形態2に係る固定子の要部の断面模式図である。 実施形態2に係る巻枠部材の製造方法の工程説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
[モータの構成]
図1Aは、本実施形態に係るモータの上面図を、図1Bは、モータ内の固定子の部分断面図を示す。なお、図1Aにおいて、コイル40間の渡し線や外部電源との接続部となる外部端子については図示及び説明を省略している。
また、以降の説明において、モータ1000の半径方向を「径方向」と、外周方向を「周方向」と、モータ1000の出力軸220の延びる方向(図1Aにおける紙面と垂直な方向)を「軸方向」とそれぞれ呼ぶことがある。また、径方向において、モータ1000の中心側を径方向内側と、外周側を径方向外側と呼ぶことがある。
モータ1000は、固定子100と回転子200とを有している。なお、モータ1000は、これら以外の構成部品、例えば、出力軸220を軸支する軸受やモータケース等の部品を有しているが、説明の便宜上、その図示及び説明を省略する。モータ1000は、いわゆるインナーロータ型のモータであるが特にこれに限定されず、アウターロータ型のモータであってもよい。
固定子100は、円環状のヨーク20と、ヨーク20の内周に接続され、当該内周に沿って等間隔に設けられた複数のティース10(図1B参照)と、複数のティース10のそれぞれに装着された複数の巻枠部材50と、周方向に隣り合うティース10の間の空間として構成される複数のスロット30(図1B参照)と、複数のスロット30内にそれぞれ収容された複数のコイル40とを有しており、回転子200の径方向外側に、回転子200と一定の間隔をあけて配置されている。
なお、以降の説明において、単数であることを意味する場合はトゥース(Tooth)10と呼び、複数であることを意味する場合はティース(Teeth)10と呼ぶこととする。また、単数、複数いずれでもよい場合は、ティース10と呼ぶこととする。
ティース10は、例えば、ケイ素等を含有した電磁鋼板を積層後に打ち抜き加工して形成される。ヨーク20は、複数の分割ヨーク21(図1B参照)を周方向に接続してなる円環状の部材である。分割ヨーク21は、ティース10と同様に、電磁鋼板を積層後に打ち抜き加工して形成される。分割ヨーク21のそれぞれにトゥース10が配設されている。
コイル40は、断面が円形状のマグネットワイヤ41(図1B参照)が巻回されてなる部品であり、コイル40は、巻枠部材50を挟んでトゥース10に装着されて、スロット30内に収容されている。巻枠部材50はトゥース10及び分割ヨーク21に装着された絶縁材料からなる部品であり、コイル40とティース10及びヨーク20とを電気的に分離している。巻枠部材50の構造については後で詳述する。なお、本実施形態では、巻枠部材50は、軸方向に二分割されているが(図2参照)、分割されていなくてもよい。また、コイル40に流れる電流の位相に応じて、コイル40をコイルU1~U4,V1~V4,W1~W4とそれぞれ呼ぶことがある。また、コイル40を構成するマグネットワイヤ41はトゥース10に装着された巻枠部材50に対して整列巻きかつ多層巻きされている(図1B参照)。
回転子200は、軸心に貫通孔を有する略円筒状の回転子コア210と、回転子コア210の貫通孔に挿通された出力軸220と、固定子100に対向してN極、S極が回転子コア210の外周方向に沿って交互に配置された磁石230とを有している。なお、磁石230の材料や形状や材質については、モータ1000の出力等に応じて適宜変更しうる。なお、回転子コア210も、ヨーク20やティース10と同様に、電磁鋼板を積層後に打ち抜き加工して形成される。
コイルU1~U4,V1~V4,W1~W4はそれぞれ直列に接続されており、互いに電気角で120°の位相差を有するU,V,W相の3相の電流がそれぞれコイルU1~U4,V1~V4,W1~W4に供給されて励磁され、固定子100に回転磁界が発生する。この回転磁界と、回転子200に設けられた磁石230が発生する磁界とが相互作用して、回転子200にトルクが発生し、出力軸220が図示しない軸受に支持されて回転する。
[巻枠部材及び固定子の要部の構成]
図2A及び図2Bは、巻枠部材を模式的に示した斜視図を示す。図2Bは、図2Aに示す巻枠部材50を径方向と平行な軸回りに所定の角度回転させた斜視図である。
図3Aは、巻枠部材の表面の電子顕微鏡写真を、図3Bは、溝部の表面の拡大写真をそれぞれ示す。図4は、固定子の要部の斜視図を、図5は、図4のV-V線での断面模式図をそれぞれ示す。
なお、説明の便宜上、図2A,2B、図4及び後で示す図6,7において、二分割された巻枠部材50の一方のみを図示している。また、図5において、1層目のマグネットワイヤ411のみを図示している。
図2A,2Bに示すように、巻枠部材50は、ワイヤ巻回部51とその両端にフランジ部55a,55bとを有しており、フィラー60(図3A,3B参照)が添加された樹脂からなる絶縁部材である。後で述べるレーザ光に対して零よりも大きい有限の吸収率を有するように樹脂の材質等が選択されている。本実施形態において、樹脂の材質はポリエチレンテレフタレート(PET)であり、フィラー60としてガラス繊維が30重量%添加されている。ただし、特にこれに限定されず、モータ1000や固定子100に要求される用途や仕様等に応じて適宜、他の樹脂材料やフィラーを適用しうる。なお、ガラス繊維の直径は10μm程度であるが、特にこれに限定されない。
ワイヤ巻回部51は略角筒状であり、トゥース10の断面形状に対応している。ワイヤ巻回部51の周方向に対向する両側面には、複数の溝部52が径方向に所定の間隔をあけて形成されている。本実施形態において、溝部52の各種寸法は以下の値に設定されている。まず、溝部52の配列ピッチL(以下、単にピッチLと呼ぶことがある)は、0.6mmであり、この値はマグネットワイヤ41の線径Dに略等しい。なお、各溝部52のピッチLのばらつき(以下、ピッチ精度と呼ぶことがある)が、±5μm以内となるように、後で述べるレーザ加工が行われる。
なお、本願明細書において、「略等しい」や「略同じ」とは、各部品や部材の製造公差や組立公差を含んで等しいまたは同じという意味であり、比較対象同士が厳密な意味で等しいまたは同じであることまでを意味するものではない。
また、溝部52の深さは、100μm~150μmに設定されている。この値は、ワイヤ巻回部51の厚さ(=300μm~500μm)に比べて十分小さく設定されている。
溝部52は、ワイヤ巻回部51の表面に所定の出力のレーザ光を照射して加工することで形成されている。レーザ光の照射により樹脂の一部が蒸発するため、図3Aに示すように、溝部52の表面凹凸は、樹脂が蒸発していない部分、例えば、互いに隣り合う溝部52の間の表面の表面凹凸よりも大きくなっている。
このことを定量化するために、評価長さを2mmとして、溝部52の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さと、互いに隣り合う溝部52の間の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さをそれぞれ測定した。なお、測定方向は溝部52と平行な方向である。
その結果、溝部52の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さは、それぞれ、0.020mmと0.119mmであったのに対し、互いに隣り合う溝部52の間の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さは、それぞれ、0.002mmと0.013mmであった。
つまり、溝部52の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さは、互いに隣り合う溝部52の間の表面の算術平均粗さ及び十点平均粗さよりの、それぞれ1桁程度大きくなっていると言える。
また、溝部52の表面に存在する元素をそれぞれエネルギー分散型X線分析法(EDS法:Energy Dispersive X-ray Spectrometer)により分析すると、シリコン(Si)とカルシウム(Ca)のピークがそれぞれ確認された。また、それぞれのピーク強度は、樹脂が蒸発していない部分、例えば、互いに隣り合う溝部52の間の表面をEDS法により分析した結果よりもかなり高い値を示した。Siに関しては、溝部52の表面で確認されたピーク強度は、互いに隣り合う溝部52の間の表面で確認されたピーク強度の27.2倍であった。Caに関しては、溝部52の表面で確認されたピーク強度は、互いに隣り合う溝部52の間の表面で確認されたピーク強度の72.4倍であった。
Siは、フィラー60であるガラス繊維の主成分である。したがって、溝部52の表面でSiのピーク強度が高くなっているのは、樹脂が蒸発することで残存したフィラー60が露出しているためだと考えられた。また、PET樹脂を成形する際、核となる物質としてCa化合物を混入させている。溝部52の表面でCaのピーク強度が高くなっているのは、樹脂が蒸発して、表面にCa化合物が残存しているためだと考えられた。
以上のことから、図3A,3Bに見られる、溝部52の表面の凹凸は、巻枠部材50を構成する樹脂内のフィラー60が露出して見えているものと結論付けられる。
また、図3Bに示すように、溝部52の表面に露出したフィラー60の多くは、先端が球状に丸まった球状部61となっていた。これは、レーザ光が照射された際に、フィラー60の先端部分でレーザ光の一部が吸収され、当該先端部分が溶融または軟化するためと考えられた。
また、溝部52の表面においてフィラー60が露出している割合(以下、フィラー60の露出率という)は、樹脂が蒸発していない部分、例えば、互いに隣り合う溝部52の間の表面におけるフィラー60の露出率よりも高くなっている。
本実施形態において、フィラー60が露出していることやフィラー50の露出率は、具体的には次に説明する方法で評価する。まず、エネルギー分散形X線分析装置(Energy Dispersive X-ray Spectrometer:EDS)を装着した走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)にて試料の表面におけるシリコン(Si)を分析定量し、フィラー60の露出量とした。また、EDSに付属の解析ソフトウエアを用いた。使用した装置及び解析ソフトウエアを以下に示す。
・エネルギー分散形X線分析装置:日本電子株式会社(JEOL Ltd.)製 型番JSM-6610A
・走査型電子顕微鏡:日本電子株式会社(JEOL Ltd.)製 型番JED-2300 Analysis Station
・解析ソフトウエア:日本電子株式会社(JEOL Ltd.)製 製品名JED-2300 Analysis Station 標準ソフトウェア ZAF法 定量分析
なお、フィラー60がシリコン(Si)ではなく他の元素を含有している場合は、シリコン(Si)に替えて当該元素を使ってフィラー60の露出及び露出率を判断することができる。
フランジ部55a,55bは、ワイヤ巻回部51の径方向両端部にそれぞれ設けられている。フランジ部55a,55bはワイヤ巻回部51と一体に成形されている。一対のフランジ部55a,55bのうち、径方向外側に位置するフランジ部55aにワイヤ案内溝56が形成されている。ワイヤ案内溝56は、マグネットワイヤ41をワイヤ巻回部51に案内するとともに、マグネットワイヤ41の巻き始め部分、または巻き終わり部分を固定、保持し、マグネットワイヤ41を巻枠部材50に整列して巻回するために設けられる。
図5に示すように、多層巻きされたマグネットワイヤ41のうち1層目のマグネットワイヤ411が、溝部52に沿うようにワイヤ巻回部51に巻き回されている。溝部52の表面に露出したフィラー60は、巻回時にマグネットワイヤ41が径方向に移動するのを防止する抵抗として機能する。このことにより、巻枠部材50の表面に1層目のマグネットワイヤ411が位置決めされた上で保持される。また、マグネットワイヤ41の2層目以降は、1層目のマグネットワイヤ411のうち、互いに隣り合う線間に保持されるため、マグネットワイヤ41の巻き崩れが発生せず、結果としてコイル40の占積率が高められる。
[巻枠部材の製造方法]
図6は、本実施形態に係る巻枠部材の製造方法の工程説明図を示す。
図6の(a)図に示すように、巻枠母材50aを準備する(巻枠母材準備工程)。この巻枠母材50aは、前述したように、フィラー60が添加された樹脂を金型に注入して成形加工することで得られる。また、この時点でワイヤ巻回部51とフランジ部55a,55bとが形成されている。また、ワイヤ巻回部51の表面には、所定の間隔をあけて凸部54が形成されている。この凸部54は、巻枠部材50に巻回される予定の複数種類のマグネットワイヤ41に対し、各々の線径の最小公倍数に対応するピッチで形成されている。また、一方のフランジ部55aには、ワイヤ案内溝56が形成されている。なお、凸部54に替えて凹部を形成することもできる。この場合、隣接する凹部の間に位置する部分が凸部54として機能する。
次に、図6の(b)図に示すように、巻枠部材50に巻回されるマグネットワイヤ41を準備し、その線径Dを測定する(線径測定工程)。線径Dはカメラ300等の測定機器により測定される。マグネットワイヤ41の線径Dは、所定の長さ毎に、または1つの巻枠部材50へのワイヤ巻回作業が終了する毎に測定される。また、この値は、記憶部400に保存される。
次に、図6の(c)図に示すように、巻枠母材50aのワイヤ巻回部51、具体的には凸部54にレーザ光を照射して溝部52を形成する(溝部形成工程)。このとき、制御部500は、線径測定工程で測定され、記憶部400に保存されたマグネットワイヤ41の線径Dに応じて、溝部52の幅や深さの目標値を決定する。その後にレーザヘッド600からレーザ光を巻枠部材50に照射して、溝部52の加工が行われる。
また、ワイヤ巻回部51の周方向に対向する両側面に、それぞれレーザ光が照射される。1つの溝部52が形成されると、レーザヘッド600を所定のピッチで径方向に送り、溝部52を順次形成する。このとき、溝部52のピッチLが、マグネットワイヤ41の線径Dに略等しくなるように、溝部52を形成する。なお、本実施形態におけるワイヤ巻回部51の厚さは、300μm~500μm程度であるが、特にこれに限定されない。ただしレーザ光がワイヤ巻回部51を貫通しないように、溝部52の深さよりも所定値以上に厚くする必要がある。また、レーザ光が照射された部分の温度上昇やレーザ光の吸収率等を考慮して、レーザ光の出力及び照射時間が制御される。
なお、図7に示すように、複数の溝部53は、ワイヤ巻回部51の角部にのみ形成されていてもよい。このようにしても、複数の溝部53により、1層目のマグネットワイヤ411が位置決めされた上で保持されるため、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。このことにより、スロット30内でのコイル40の占積率、ひいては、モータ1000の効率を高められる。
また、図2において、複数の溝部52は、ワイヤ巻回部51の軸方向に対向する両端面にも形成されていてもよい。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係る巻枠部材50は、フィラー60が添加された樹脂材料からなる。巻枠部材50は、マグネットワイヤ41が巻回されるワイヤ巻回部51と、ワイヤ巻回部51の両端に設けられたフランジ部55a,55bとを有している。
ワイヤ巻回部51の表面には、径方向に所定の間隔をあけて複数の溝部52が形成されている。溝部52の表面にはフィラー60が露出している。
巻枠部材50をこのように構成することで、溝部52の表面に露出したフィラー60が、1層目のマグネットワイヤ411が径方向に移動するのを抑制するため、複数の溝部52に沿ってワイヤ巻回部51に巻回された1層目のマグネットワイヤ411の整列状態を維持しやすくなる。また、1層目のマグネットワイヤ411の整列状態が維持されることで、2層目以降マグネットワイヤ41も整列した状態で巻枠部材50に巻回され、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。
フィラー60の露出率は、互いに隣り合う溝部52の間に位置するワイヤ巻回部51の表面よりも溝部52の表面で高いことが好ましい。
また、溝部52の表面の算術平均粗さは、互いに隣り合う溝部52の間に位置するワイヤ巻回部51の表面の算術平均粗さよりも大きいことが好ましい。
このようにすることで、複数の溝部52に沿ってワイヤ巻回部51に巻回されるマグネットワイヤ41の整列状態をより維持しやすくなり、ひいては、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。
溝部52の表面に露出したフィラー60の端部は、球状部61を有しているのが好ましい。
このようにすることで、複数の溝部52に沿ってワイヤ巻回部51に巻回されるマグネットワイヤ41の整列状態をより維持しやすくなり、ひいては、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。また、マグネットワイヤ41の表面に設けられた絶縁被膜(図示せず)の損傷を抑制でき、コイル40の絶縁性を維持できる。
本実施形態に係る固定子100は、巻枠部材50と、複数の溝部52に沿って巻枠部材50に巻回されたマグネットワイヤ41と、を少なくとも備えている。
固定子100をこのように構成することで、巻枠部材50に巻回されたマグネットワイヤ41の整列状態を維持しやすくなり、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。このことにより、スロット30内でのコイル40の占積率を高められる。
溝部52の深さは、マグネットワイヤ41の線径Dの50%以下であることが好ましく、マグネットワイヤ41の線径Dの10%以上でかつ15%以下であることがより好ましい。
このようにすることで、1層目のマグネットワイヤ411を溝部52で安定して保持できる。なお、本実施形態では、マグネットワイヤ41の線径Dを0.6mmとしているが、特にこれに限定されない。例えば、線径Dが0.1mm程度であってもよいし、3mm程度であってもよい。マグネットワイヤ41の線径Dが0.1mm~3mm程度であることが好ましい。
また、溝部52のピッチLは、マグネットワイヤ41の線径Dと略同じであることが好ましい。
このようにすることで、1層目のマグネットワイヤ411を巻枠部材50に隙間なく巻回でき、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止しつつ、コイル40の占積率を高められる。
本実施形態のモータ1000は、固定子100と、固定子100と所定の間隔、この場合は、径方向内側に所定の間隔をあけて設けられた回転子200と、を少なくとも備えている。
モータ1000をこのように構成することで、スロット30内でのコイル40の占積率、ひいては、モータ1000の効率を高められる。
本実施形態に係る巻枠部材50の製造方法は、マグネットワイヤ41が巻回される巻枠部材50の製造方法であって、ワイヤ巻回部51を有し、フィラー60が添加された樹脂材料からなる巻枠母材50aを準備する巻枠母材準備工程と、ワイヤ巻回部51の表面にレーザ光を照射して複数の溝部52を形成する溝部形成工程と、を少なくとも備えている。
本実施形態によれば、マグネットワイヤ41の線径Dに対応させたピッチLで、溝部52を後から形成できるため、マグネットワイヤ41の線径Dを変える毎に専用の金型を起こす必要がなく、巻枠部材50の製造コストが上昇するのを抑制できる。また、金型では形成が難しい細幅の溝もレーザ光を用いることで容易に形成できる。また、溝部52の表面にフィラー60を露出させられるため、1層目のマグネットワイヤ411が径方向に移動するのを抑制でき、マグネットワイヤ41を巻枠部材50に対して整列した状態で巻回することが容易となる。
また、例えば、この巻枠部材50の製造工程を固定子100の製造工程に組み込むことで、巻枠部材50とマグネットワイヤ41との寸法がミスマッチするといった部品間違いを無くすことが可能となる。
溝部形成工程の前に、ワイヤ巻回部51に巻回される予定のマグネットワイヤ41の線径Dを測定する線径測定工程をさらに備え、線径測定工程で測定されたマグネットワイヤ41の線径Dに基づいて、溝部52の幅や深さの目標値を設定した後に、溝部形成工程を実行することが好ましい。
例えば、異なる固定子100の製造毎に、あるいは、異なる巻枠部材50へのマグネットワイヤ41の巻回作業毎に、マグネットワイヤ41の線径Dがばらつくことがある。このような場合、マグネットワイヤ41の線径Dの設計値にあわせて溝部52を形成すると、溝部52とマグネットワイヤ41とのサイズがマッチせず、マグネットワイヤ41の巻き崩れが起こるおそれがあった。
一方、本実施形態に示すように、線径測定工程での測定結果に基づいて、溝部52を形成することで、マグネットワイヤ41の線径Dがばらつく場合にも、溝部52に沿ってマグネットワイヤ41を整列した状態で巻き回すことが可能となる。
巻枠母材50aのワイヤ巻回部51には、複数の溝部52が配列される予定の方向、本実施形態で言えば、径方向に所定のピッチで複数の凸部54が形成されており、溝部形成工程において、凸部54にレーザ光を照射することで、複数の溝部52を形成するのが好ましい。
このように、金型で予め凸部54を形成しておくことで、レーザ光の照射回数を短縮でき、巻枠部材50の製造コストを低減できる。
また、前述したように、所定のピッチは、巻枠部材50に巻回される予定の複数種類のマグネットワイヤ41に対し、各々の線径の最小公倍数に対応している。
よって、マグネットワイヤ41の線径が異なる場合にも、レーザ光の照射回数を短縮しつつ、複数の溝部52を形成するのが容易となる。
また、巻枠母材50aに凸部54を設ける場合、互いに隣り合う凸部54の間隔は、巻枠部材50に巻回される予定の複数種類のマグネットワイヤ41のうち、最小の線径にあわせるのがより好ましい。
このようにすることで、マグネットワイヤ41の線径が異なる場合にも、マグネットワイヤ41を隙間なく巻枠部材50に巻回することができる。また、マグネットワイヤ41の線径が太くなる場合は、凸部54の径方向の端部を除去することで、互いに隣り合う凸部54の間隔をマグネットワイヤ41の線径にあわせることができる。
なお、前述したように、金型で形成するのが難しい細幅の溝部52を巻枠部材50に形成する場合は、巻枠母材50aに凸部54を設けなくてもよい。
(実施形態2)
図8は、本実施形態に係る固定子の要部の断面模式図を示し、図9は、巻枠部材の製造方法の工程説明図を示す。図8は、具体的には、マグネットワイヤ41が巻回された巻枠部材50の断面模式図を示している。なお、図8,9において、実施形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、説明の便宜上、図9において、巻枠母材50aの一部のみを図示している。また、1層目のマグネットワイヤ411の一部のみを図示している。
図8に示すように、本実施形態の巻枠部材50は、ワイヤ巻回部51とフランジ部55aとがなすコーナー部57が曲面となっており、当該曲面は、断面視で曲率半径Rを有している。また、曲率半径Rは、マグネットワイヤ41の半径、つまり、マグネットワイヤ41の線径Dの1/2よりも小さくなるように設定されている。
本実施形態の巻枠部材50を製造するにあたって、図9の(a)図に示すように、巻枠母材50aを準備する。この工程は、図6の(a)図に示すのと同じ工程である。また、図示しないが、図9に示す巻枠母材50aには、図6に示す凸部54が形成されている。
次に、図9の(b)図に示すように、ワイヤ巻回部51とフランジ部55aとがなすコーナー部57にレーザ光を照射する。レーザ光の照射により、樹脂の一部が蒸発してコーナー部57の形状が変化する。さらに、レーザ光の出力や照射時間や照射角度を調整して、図9の(c)図に示すように、コーナー部57の曲率半径が所定値Rになるように巻枠母材50aを加工する(コーナー部加工工程)。コーナー部加工工程の終了後、図6に示す線径測定工程と溝部測定工程を経て、巻枠部材50が形成される。
図9の(a)図に示すように、巻枠母材50aが準備された時点では、コーナー部57の曲率半径R1は図8に示す曲率半径Rよりも大きい。前述したように、巻枠母材50aは、金型で成形されるため、成形時に圧力が加わる。また、金型から取り出すときにも巻枠母材50aに圧力が加わる。この時点でのコーナー部57の曲率半径R1が小さいと、これらの圧力がコーナー部57に集中して、巻枠母材50aが変形したり破損したりおそれがあるからである。
一方、本実施形態によれば、コーナー部57にレーザ光を照射し、図8や図9の(c)図に示す形状とすることで、コーナー部57の曲率半径Rを小さくすることができる。このことにより、ワイヤ巻回部51の端部でのマグネットワイヤ41の巻き乱れを抑制できる。このことについてさらに説明する。
図9の(a)図に示すように、コーナー部57の曲率半径R1がマグネットワイヤ41の線径Dよりも大きいと、コーナー部57において、1層目のマグネットワイヤ411は、ワイヤ巻回部51かフランジ部55aのいずれかにしか当接しない。このため、コーナー部57に配置された1層目のマグネットワイヤ411は、外力を受けると容易に移動してしまう。このように、1層目のマグネットワイヤ411の位置が定まらないと、ワイヤ巻回部51の端部でマグネットワイヤ41の巻き乱れを生じ、マグネットワイヤ41が巻き崩れてしまう。
一方、コーナー部57にレーザ光を照射して加工し、コーナー部57の曲率半径Rを調整することで、線径の小さいマグネットワイヤ41を用いる場合にも、図9の(c)図に示すように、コーナー部57に配置された1層目のマグネットワイヤ411がワイヤ巻回部51とフランジ部55aの両方に当接して、その位置が定められる。このことにより、ワイヤ巻回部51の端部でのマグネットワイヤ41の巻き乱れを抑制でき、巻枠部材50に巻回されたマグネットワイヤ41の整列状態を維持しやすくなり、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。
また、レーザ加工前のコーナー部57の曲率半径R1が大きいため、マグネットワイヤ41の線径が太い場合にも容易に対応できる。この観点で言えば、巻枠母材準備工程で準備される巻枠母材50aのコーナー部57の曲率半径R1は、巻回される予定のマグネットワイヤ41における最大半径以上であるのが好ましい。コーナー部加工工程において、コーナー部57の曲率半径Rを小さくできるため、巻回される予定のすべてのマグネットワイヤ41に対し、適切な形状のコーナー部57を形成できる。
なお、線径測定工程は、コーナー部加工工程の前に行ってもよい。その場合、線径測定工程で測定されたマグネットワイヤ41の線径Dに応じて、図6に示す制御部500が、コーナー部加工工程における曲率半径Rの目標値を設定し、レーザ加工を行ってもよい。このようにすることで、ワイヤ巻回部51の端部でのマグネットワイヤ41の巻き乱れをより確実に抑制できる。また、巻枠部材50に巻回されたマグネットワイヤ41の整列状態を維持しやすくなり、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。
(その他の実施形態)
実施形態1,2において、フランジ部55a,55bは、ワイヤ巻回部51の一方の端部のみに設けられていてもよい。その場合、ワイヤ巻回部51の径方向外側の端部にフランジ部55aが設けられているのが好ましい。また、ワイヤ案内溝56が設けられたフランジ部55aが、ワイヤ巻回部51の径方向内側の端部に設けられていてもよい。
フランジ部55aがワイヤ巻回部51の一方の端部のみに設けられる場合にも、フランジ部55aにワイヤ案内溝56が設けられていることが好ましい。マグネットワイヤ41をワイヤ巻回部51に案内するとともに、マグネットワイヤ41の巻き始め部分、または巻き終わり部分を固定、保持し、マグネットワイヤ41を巻枠部材50に整列して巻回することができる。
フランジ部55aにレーザ光を照射することで、ワイヤ案内溝56を形成するようにしてもよい。このようにすることで、ワイヤ案内溝56の表面に、先端に球状部61を有するフィラー60が露出し、マグネットワイヤ41が移動するのを防止する抵抗として機能する。このことにより、ワイヤ巻回部51に巻回されるマグネットワイヤ41の整列状態を維持しやすくなり、ひいては、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。
また、実施形態2において、ワイヤ巻回部51とフランジ部55bとがなすコーナー部をレーザ加工して、その曲率半径をマグネットワイヤ41の線径Dよりも小さくなるようにしてもよい。この場合も、1層目のマグネットワイヤ411がワイヤ巻回部51とフランジ部55bの両方に当接して、その位置が定められる。このことにより、ワイヤ巻回部51の端部でのマグネットワイヤ41の巻き乱れを抑制でき、巻枠部材50に巻回されたマグネットワイヤ41の整列状態を維持しやすくなり、マグネットワイヤ41の巻き崩れを防止できる。ワイヤ巻回部51とフランジ部55aとがなすコーナー部57と、ワイヤ巻回部51とフランジ部55bとがなすコーナー部のそれぞれをレーザ加工して、それぞれの曲率半径がマグネットワイヤ41の線径Dよりも小さくなるようにしてもよい。
なお、マグネットワイヤ41の断面形状は円形に限定されず、モータ1000の仕様等に応じて、適宜他の形状を取りうる。例えば、マグネットワイヤ41の断面形状が楕円形であってもよいし、四角形であってもよい。つまり、マグネットワイヤ41が通常の平角線であってもよい。
また、本願明細書では、固定子100のティース10に巻枠部材50が装着され、さらにマグネットワイヤ41が巻回されて、コイル40が構成される例を説明したが、本発明の巻枠部材50は、他の用途にも適用しうる。例えば、DCモータの電機子に適用されてもよい。その場合も、線径が異なるマグネットワイヤ41を巻枠部材50に整列した状態で巻回することができるため、電機子のスロット内でのコイルの占積率が高められ、ひいては、DCモータの効率を向上できる。
本発明の巻枠部材は、線径が異なる場合にもマグネットワイヤを整列した状態で巻回できるため、コイルの占積率を高められ、高効率のモータを実現する上で有用である。
10 ティース
20 ヨーク
21 分割ヨーク
30 スロット
40 コイル
41 マグネットワイヤ
411 1層目のマグネットワイヤ
50 巻枠部材
50a 巻枠母材
51 ワイヤ巻回部
52,53 溝部
54 凸部
55a,55b フランジ部
56 ワイヤ案内溝
57 コーナー部
60 フィラー
61 球状部
100 固定子
200 回転子
210 回転子コア
220 出力軸
230 磁石
300 カメラ
400 記憶部
500 制御部
600 レーザヘッド
1000 モータ

Claims (14)

  1. フィラーが添加された樹脂材料からなる巻枠部材であって、
    マグネットワイヤが巻回されるワイヤ巻回部と、前記ワイヤ巻回部の両端部に設けられたフランジ部とを有し、
    前記ワイヤ巻回部の表面に形成された複数の溝部と、を少なくとも備え、
    前記溝部の表面には前記フィラーが露出し、
    前記フィラーの露出率は、互いに隣り合う前記溝部の間に位置する前記ワイヤ巻回部の表面よりも前記溝部の表面で高いことを特徴とする巻枠部材。
  2. 請求項に記載の巻枠部材において、
    前記溝部の表面の算術平均粗さは、互いに隣り合う前記溝部の間に位置する前記ワイヤ巻回部の表面の算術平均粗さよりも大きいことを特徴とする巻枠部材。
  3. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の巻枠部材において、
    前記溝部の表面に露出した前記フィラーの先端は、球状部を有していることを特徴とする巻枠部材。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の巻枠部材と、
    前記複数の溝部に沿って前記巻枠部材に巻回されたマグネットワイヤと、を少なくとも備えたことを特徴とする固定子。
  5. 請求項に記載の固定子において、
    前記溝部の深さは、前記マグネットワイヤの線径の50%以下であることを特徴とする固定子。
  6. 請求項に記載の固定子において、
    前記溝部の深さは、前記マグネットワイヤの線径の10%以上でかつ15%以下であることを特徴とする固定子。
  7. 請求項ないしのいずれか1項に記載の固定子において、
    前記ワイヤ巻回部は、前記複数の溝部の配列方向に沿った両端部のうちの少なくとも一方にフランジ部を有しており、
    前記ワイヤ巻回部と前記フランジ部とがなすコーナー部の曲率半径は、前記マグネットワイヤの半径よりも小さいことを特徴とする固定子。
  8. 請求項ないしのいずれか1項に記載の固定子と、
    前記固定子と所定の間隔をあけて設けられた回転子と、を少なくとも備えたことを特徴とするモータ。
  9. マグネットワイヤが巻回される巻枠部材の製造方法であって、
    ワイヤ巻回部を有し、フィラーが添加された樹脂材料からなる巻枠母材を準備する巻枠母材準備工程と、
    前記ワイヤ巻回部にレーザ光を照射して複数の溝部を形成する溝部形成工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする巻枠部材の製造方法。
  10. マグネットワイヤが巻回される巻枠部材の製造方法であって、
    ワイヤ巻回部とその両端部の少なくとも一方にフランジ部とを有し、フィラーが添加された樹脂材料からなる巻枠母材を準備する巻枠母材準備工程と、
    前記ワイヤ巻回部と前記フランジ部とがなすコーナー部にレーザ光を照射して、前記コーナー部が所定の曲率半径を有するように加工するコーナー部加工工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする巻枠部材の製造方法。
  11. 請求項10に記載の巻枠部材の製造方法において、
    前記コーナー部の曲率半径は、前記ワイヤ巻回部に巻回される予定のマグネットワイヤの半径よりも小さいことを特徴とする巻枠部材の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の巻枠部材の製造方法において、
    前記ワイヤ巻回部にレーザ光を照射して複数の溝部を形成する溝部形成工程と、をさらに備えたことを特徴とする巻枠部材の製造方法。
  13. 請求項または12に記載の巻枠部材の製造方法において、
    前記溝部形成工程の前に、前記ワイヤ巻回部に巻回される予定のマグネットワイヤの線径を測定する線径測定工程をさらに備え、
    前記線径測定工程で測定された前記マグネットワイヤの線径に基づいて、前記溝部の幅や深さの目標値を設定した後に、前記溝部形成工程を実行することを特徴とする巻枠部材の製造方法。
  14. 請求項13に記載の巻枠部材の製造方法において、
    前記巻枠母材の前記ワイヤ巻回部には、前記複数の溝部が配列される予定の方向に所定のピッチで複数の凸部が形成されており、
    前記溝部形成工程において、前記凸部に前記レーザ光を照射することで、前記複数の溝部を形成することを特徴とする巻枠部材の製造方法。
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