以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<基板処理装置の概略構成>
図1は、基板処理装置100の構成の一例を概略的に示す平面図である。図1で示されるように、基板処理装置100は、例えば、基板の一例としての半導体基板(ウエハ)Wの表面に付着した有機系のゴミを除去する処理に用いることができる枚葉式の装置である。有機系の残渣としては、例えば、基板Wの表面に不純物を注入するイオン注入処理等の後において基板Wの表面に残っている不要になったレジスト、あるいは基板Wの表面のうちの外周部の近傍に付着しているレジスト等に由来する有機系のゴミ等、が含まれる。また、基板処理装置100は無機系の残渣除去および基板Wのエッチングにも用いることができる。
基板処理装置100は、収容器としての複数のキャリアCを保持する収容器保持機構としてのロードポートLPと、基板Wを処理する複数(この実施の形態では、12台)の処理ユニット10とを含む。具体的には、例えば、平面的に配置されている4台の処理ユニット10でそれぞれ構成されている3組の処理ユニット10が、鉛直方向に積層するように配置されている。
基板処理装置100は、さらに、例えば、インデクサロボットIRと、センターロボットCRと、制御部90とを含む。インデクサロボットIRは、例えば、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送することができる。センターロボットCRは、例えば、インデクサロボットIRと各処理ユニット10との間で基板Wを搬送することができる。制御部90は、例えば、基板処理装置100に備えられた各部の動作およびバルブの開閉等を制御することができる。
ここでは、図1で示されるように、ロードポートLPと各処理ユニット10とは、水平方向に間隔を空けて配置されている。ロードポートLPにおいて、複数枚の基板Wを収容する複数のキャリアCは、平面視したときに水平な配列方向Dに沿って配列されている。ロードポートLPは、基板Wを搬入する搬入部として機能する。ここで、インデクサロボットIRは、例えば、キャリアCから基板載置部110に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送することができるとともに、基板載置部110からキャリアCに複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送することができる。基板載置部110は、基板Wを載置する載置台を含む。
センターロボットCRは、例えば、基板載置部110から各処理ユニット10に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送することができるとともに、各処理ユニット10から基板載置部110に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送することができる。また、例えば、センターロボットCRは、必要に応じて複数の処理ユニット10の間において基板Wを搬送することができる。インデクサロボットIR、基板載置部110およびセンターロボットCRは、基板Wを搬入部(ロードポートLP)から受け取り、処理ユニット10に受け渡す基板受渡部として機能する。
図1の例では、インデクサロボットIRは、平面視U字状のハンドHを有している。ここでは、インデクサロボットIRは2つのハンドHを有する。2つのハンドHは、互いに異なる高さに配置される。各ハンドHは基板Wを水平な姿勢で支持することができる。インデクサロボットIRはハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることができる。さらに、インデクサロボットIRは、鉛直方向に沿った軸を中心として回転(自転)することで、ハンドHの向きを変更することができる。インデクサロボットIRは、受渡位置(図1でインデクサロボットIRが描かれている位置)を通る経路において配列方向Dに沿って移動する。受渡位置は、平面視したときにインデクサロボットIRと基板載置部110とが配列方向Dに直交する方向において対向する位置である。インデクサロボットIRは、任意のキャリアCおよび基板載置部110にそれぞれハンドHを対向させることができる。ここで、例えば、インデクサロボットIRはハンドHを移動させることにより、キャリアCに基板Wを搬入する搬入動作と、キャリアCから基板Wを搬出する搬出動作とを行うことができる。また、例えば、インデクサロボットIRは受渡位置においてハンドHを移動させることにより、基板載置部110に基板Wを搬入する搬入動作と、基板載置部110ら基板Wを搬出する搬出動作とを行うことができる。
図1の例では、センターロボットCRは、インデクサロボットIRと同様に、平面視U字状のハンドHを有している。ここでは、センターロボットCRは2つのハンドHを有する。2つのハンドHは、互いに異なる高さに配置される。各ハンドHは基板Wを水平な姿勢で支持することができる。センターロボットCRは各ハンドHを水平方向および鉛直方向に移動させることができる。さらに、センターロボットCRは、鉛直方向に沿った軸を中心として回転(自転)することで、ハンドHの向きを変更することができる。センターロボットCRは、平面視したときに、複数台の処理ユニット10に取り囲まれている。センターロボットCRは、任意の処理ユニット10および基板載置部110のいずれかにハンドHを対向させることができる。ここで、例えば、センターロボットCRはハンドHを移動させることにより、各処理ユニット10に基板Wを搬入する搬入動作と、各処理ユニット10から基板Wを搬出する搬出動作とを行うことができる。また、例えば、センターロボットCRはハンドHを移動させることにより、基板載置部110に基板Wを搬入する搬入動作と、基板載置部110から基板Wを搬出する搬出動作とを行うことができる。
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボットIRによって取り出され、基板載置部110を経由してセンターロボットCRに受け渡される。センターロボットCRはこの未処理の基板Wを処理ユニット10に搬入する。処理ユニット10は基板Wに対して処理を行う。処理済みの基板WはセンターロボットCRによって処理ユニット10から取り出され、必要に応じて他の処理ユニット10を経由した上で、基板載置部110を介してインデクサロボットIRに受け渡される。インデクサロボットIRは処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上により、基板Wに対する処理が行われる。
図1の例では、ユーザインターフェース94が設けられている。ユーザインターフェース94は例えばいずれも不図示のディスプレイおよび入力デバイスを有している。ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイなどのディスプレイである。ディスプレイは制御部90によって制御されて、各種情報を表示する。入力デバイスは、例えば、キーボードおよびマウスなどのデバイスである。入力デバイスはユーザによって入力された情報を制御部90に出力する。例えばユーザは入力デバイスを用いて、基板処理装置100の動作開始を指示することができる。
<処理ユニット>
図2は、基板処理装置100の構成の一例を概略的に示す図である。各処理ユニット10は、例えば、処理チャンバ11と、基板保持部12と、ノズル13と、カップ14とを含む。処理チャンバ11は処理室を形成しており、基板保持部12、ノズル13およびカップ14を収納する。
基板保持部12は基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの法線が鉛直方向に沿う姿勢である。また、基板保持部12は、基板Wの中心部を通って鉛直方向に沿って延在する回転軸線のまわりで、基板Wを回転させる。基板保持部12はスピンチャックとも呼ばれる。基板保持部12は、基板Wの端部を複数の保持ピンで保持してもよいし、基板Wの裏面を真空吸着により保持してもよい。
ノズル13は、基板保持部12によって保持された基板Wの主面に向かって処理液を吐出する。回転中の基板Wの主面に処理液が着液すると、処理液は遠心力を受けて基板Wの主面上を外側に向かって流れ、基板Wの周縁から外側に飛散する。処理液が基板Wの主面に作用することで、基板Wに対する処理が行われる。
カップ14は、基板保持部12を囲む筒状の形状を有しており、基板Wの周縁から飛散した処理液を受け止める。
<供給ユニット>
図2で示されるように、基板処理装置100は、処理ユニット10に処理液を供給する供給ユニット20を含んでいる。この供給ユニット20は適宜に流体ボックス120および処理液キャビネット130(図1参照)に跨って設けられる。供給ユニット20は第1タンク21aを含んでいる。第1タンク21a内には処理液が貯留されており、この処理液がユニット給液管30を通じて処理ユニット10に供給される。処理液は、例えば、エッチング液等の薬液、当該薬液を洗い流すリンス液、および、基板Wを除電する除電液の少なくともいずれか一つを含む。より具体的な一例として、処理液は、フッ酸と過酸化水素と水とを混合して得られるフッ酸過酸化水素水溶液(FPM)、フッ酸(HF)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)、アンモニア水、および、アンモニアと過酸化水素と水との混合液(SC-1)の少なくともいずれか一つを含む。なお、処理液は混合液ではなく、単液でもよい。例えば、フッ酸、過酸化水素水および硫酸などの単液を処理液として採用できる。
<ユニット給液管系>
図2の具体例では、第1タンク21a内の処理液は複数の処理ユニット10に供給され得るものの、以下ではまず、第1タンク21aから1つの処理ユニット10へ向かって処理液が流れるユニット給液管30について述べる。
図2の具体例では、ユニット給液管30は、後述のように、共通管301、分岐管302Aおよび分岐管303Aによって構成される。ユニット給液管30の上流端30aは第1タンク21aに接続されており、図2の具体例では、第1タンク21aの底部に接続されている。つまり、ユニット給液管30の上流端30aは第1タンク21aの底面において開口している。ユニット給液管30の下流端30bはノズル13に接続される。
ユニット給液管30には、第1送液部31および給液バルブ34が設けられている。第1送液部31は、第1タンク21aからノズル13に向かって処理液を流す駆動機構であり、例えばポンプである。給液バルブ34は第1送液部31よりも下流側に設けられている。給液バルブ34はユニット給液管30の流路を開閉する。
図2の具体例では、ユニット給液管30には、さらに第1ヒータ32、フィルタ33およびバルブ35が設けられている。第1ヒータ32は、ユニット給液管30の内部を流れる処理液を加熱する。具体的には、第1ヒータ32は、処理液の温度が基板Wの処理に適した温度範囲内となるように当該処理液を加熱する。第1ヒータ32は例えば電熱線を有していてもよい。図2の具体例では、第1ヒータ32は第1送液部31よりも上流側に設けられている。フィルタ33は、処理液に含まれる不純物を捕捉する。これにより、フィルタ33よりも下流側の処理液の不純物濃度を低減させることができる。図2の具体例では、フィルタ33は第1送液部31と給液バルブ34との間に設けられている。バルブ35も給液バルブ34と同様に、ユニット給液管30の開閉を切り替える。図2の具体例では、バルブ35は第1タンク21aの直後に設けられている。つまり、バルブ35は第1ヒータ32よりも上流側に設けられている。
給液バルブ34およびバルブ35が開いた状態で第1送液部31が作動することにより、第1タンク21a内の処理液がユニット給液管30の内部を処理ユニット10に向かって流れる。当該処理液は処理ユニット10内のノズル13の吐出口から基板Wに向かって吐出される。
次に、複数の処理ユニット10に処理液を供給するユニット給液管30の構成の一例について述べる。図2の具体例では、ユニット給液管30は、共通管301と、分岐管302A,302Bと、分岐管303A~303Dとを含んでいる。共通管301の上流端はユニット給液管30の上流端30aに相当し、第1タンク21aに接続されている。共通管301の下流端は、分岐管302A,302Bの上流端に共通して接続されている。分岐管302Aの下流端は分岐管303A,303Bの上流端に共通して接続されており、分岐管302Bの下流端は分岐管303C,303Dの上流端に共通して接続されている。分岐管303Aの下流端はユニット給液管30の下流端30bに相当し、対応する処理ユニット10のノズル13に接続される。分岐管303B~303Dの下流端も同様である。
以上のように、図2の具体例では、ユニット給液管30は第1タンク21aと、4つの処理ユニット10の各々とを接続することができる。
図2の具体例では、2つの第1ヒータ32およびバルブ35が共通管301に設けられている。第1ヒータ32は一つでもよい。また図2の具体例では、第1送液部31は第1送液部31A,31Bを含んでおり、第1送液部31Aは分岐管302Aに設けられ、第1送液部31Bは分岐管302Bに設けられる。また図2の具体例では、フィルタ33はフィルタ33A~33Dを含んでおり、フィルタ33Aは分岐管303Aに設けられ、フィルタ33B~33Dも同様に、それぞれ分岐管303B~303Dに設けられる。図2では図示を省略しているものの、4つの給液バルブ34が設けられ、これらの給液バルブ34は、それぞれ分岐管303A~303Dに設けられる。
なお、ユニット給液管30の構成は図2の具体例に限らず、種々の変形が可能である。例えば、1つの第1送液部31が共通管301に設けられていてもよく、あるいは、4つの第1送液部31が分岐管303A~303Dにそれぞれ設けられてもよい。第1ヒータ32およびフィルタ33も同様である。
<循環配管系>
図2の具体例では、ユニット給液管30内の処理液を第1タンク21aに戻すための、循環渡り配管402および循環戻り配管403が設けられている。以下では、代表的に、第1タンク21aから1つの処理ユニット10に向かう処理液が流れるユニット給液管30に着目して説明する。循環渡り配管402の上流端は、ユニット給液管30の分岐点30cに接続されている。分岐点30cは、例えば給液バルブ34の直前に位置している。具体的には、分岐点30cは、第1送液部31、第1ヒータ32およびフィルタ33の一組と、給液バルブ34との間に位置している。循環渡り配管402の下流端は循環戻り配管403に接続されている。循環戻り配管403の下流端40aは第1タンク21aに接続されており、図2の具体例では、第1タンク21aの底部に接続されている。つまり、循環戻り配管403の下流端40aは第1タンク21aの底面において開口している。
図2の具体例では、循環渡り配管402には第1循環バルブ41が設けられており、循環戻り配管403には第2循環バルブ42が設けられている。第1循環バルブ41は循環渡り配管402の流路の開閉を切り替える。第2循環バルブ42は循環戻り配管403の流路の開閉を切り替える。
以下では、ユニット給液管30のうち上流端30aから分岐点30cまでの配管(送液管に相当)を循環往き配管401とも呼ぶ。循環往き配管401、循環渡り配管402および循環戻り配管403は循環配管40を構成する。上流端30aは循環配管40の上流端に相当し、下流端40aは循環配管40の下流端に相当する。
バルブ35、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42が開いた状態で第1送液部31が作動することにより、第1タンク21aから上流端30aに流入した処理液は循環配管40の内部を流れて再び第1タンク21aに戻る。
図2に示されるように、第1ヒータ32は循環配管40に設けられるので、第1ヒータ32によって加熱された高温の処理液が循環配管40の内部を流れて循環する。これにより、第1タンク21aおよび循環配管40内の処理液の温度を規定の温度範囲に維持することができる。
図2の具体例では、循環渡り配管402として循環渡り配管402A~402Dが設けられている。循環渡り配管402Aの上流端は、対応する給液バルブ34の直前の分岐点30cにおいて分岐管303Aに接続される。循環渡り配管402B~402Dの上流端も同様に、それぞれ、対応する給液バルブ34の直前において分岐管304B~304Dに接続される。循環渡り配管402Aの下流端は循環戻り配管403に接続されており、循環渡り配管402B~402Dの下流端も同様に、循環戻り配管403に接続されている。図2では図示省略されているものの、循環渡り配管402B~402Dにも、循環渡り配管402Aと同様に、第1循環バルブ41が設けられる。
なお、図2の具体例では、4つの循環渡り配管402が1つの循環戻り配管403に共通して接続されているものの、必ずしもこれに限らない。例えば、4つの循環戻り配管403が設けられ、4つの循環戻り配管403の下流端40aが個別に第1タンク21aに接続され、循環戻り配管403の各上流端が対応する循環渡り配管402の下流端に接続されてもよい。この場合、互いに接続された循環渡り配管402および循環戻り配管403は1本の配管を構成する。
<回収配管系>
図2の具体例では、処理ユニット10のノズル13から吐出された処理液を第1タンク21aに戻すための回収管22も設けられている。図2の具体例では、回収管22の上流端は処理ユニット10に接続され、回収管22の下流端は第1タンク21aの内側に位置しており、第1タンク21aの底部と間隔を空けて対向している。回収管22の下流端は吐出口として機能する。回収管22には回収バルブ23が設けられている。回収バルブ23は回収管22の流路の開閉を切り替える。
ノズル13から吐出された処理液は、基板Wの主面を流れて基板Wの周縁から外側に飛散し、カップ14の内周面で受け止められて、回収管22の上流端へと導かれる。回収バルブ23が開いているときには、処理液は回収管22の内部を流れて、第1タンク21a内に供給される。これにより、処理液を再利用することができる。なお、回収管22から回収される処理液は、基板Wに対する処理によって不純物をより多く含んでいたり、あるいは、基板Wの処理に必要な成分の濃度が低下していたりする。つまり、回収された処理液は劣化している。
<タンク供給部>
図2で示されるように、供給ユニット20はタンク供給部60も含んでいる。タンク供給部60は処理液を第1タンク21aに供給する。タンク供給部60が供給する処理液は新液であり、ほとんど劣化していない。
タンク供給部60は第1タンク21aに処理液を供給できればよく、その構成は特に制限されないものの、以下、タンク供給部60の構成の具体的な一例についても説明する。図2の具体例では、タンク供給部60は第2タンク21bを含んでいる。第2タンク21b内の処理液は第1タンク給液管61を通じて第1タンク21aに供給される。第1タンク給液管61の上流端61aは第2タンク21bに接続されており、図2の具体例では、第2タンク21bの底部に接続されている。第1タンク給液管61の下流端61bは第1タンク21aの内側において開口する。第1タンク給液管61の下流端61bは、処理液を吐出する吐出口として機能する。
図2の具体例では、第1タンク給液管61には第2送液部62、第2ヒータ63、給液バルブ64およびバルブ65が設けられている。第2送液部62は、第2タンク21bから第1タンク21aに向かって処理液を流す駆動機構であり、例えばポンプである。給液バルブ64は第2送液部62よりも下流側に設けられており、第1タンク給液管61の流路を開閉する。第2ヒータ63は、第1タンク給液管61の内部を流れる処理液を加熱する。第2ヒータ63は例えば電熱線を有していてもよい。図2の具体例では、2つの第2ヒータ63が設けられている。2つの第2ヒータ63は第2送液部62よりも上流側に設けられている。バルブ65は第2タンク21bの直後に設けられている。つまり、バルブ65は第2ヒータ63よりも上流側に設けられている。
バルブ65および給液バルブ64の両方が開いた状態で第2送液部62が作動することにより、処理液が第2タンク21bから第1タンク給液管61の内部を流れて第1タンク21aに供給される。
図2の具体例では、第1タンク給液管61内の処理液を第2タンク21bに戻すための循環戻り配管66も設けられている。循環戻り配管66の上流端は、第2送液部62および第2ヒータ63と一組と、給液バルブ64との間の分岐点61cにおいて、第1タンク給液管61に接続されている。循環戻り配管66の下流端は第2タンク21b内において開口している。循環戻り配管66の下流端は、処理液を吐出する吐出口として機能する。循環戻り配管66には循環バルブ67が設けられている。循環バルブ67は循環戻り配管66の流路の開閉を切り替える。バルブ65および循環バルブ67の両方が開いた状態で第2送液部62が作動することにより、第1タンク給液管61からの処理液が循環戻り配管66を流れて第2タンク21bに戻る。
つまり、第2タンク21bからの処理液は、第1タンク給液管61のうち上流端61aから分岐点61cまでの配管(以下、循環往き配管68と呼ぶ)および循環戻り配管66を順に経由して再び第2タンク21bに流入する。よって、循環往き配管68は循環戻り配管66とともに循環配管69を構成する。
第2ヒータ63は循環配管69に設けられるので、第2ヒータ63によって加熱された高温の処理液が循環配管69の内部を流れて循環する。これにより、第2タンク21bおよび循環配管69内の処理液の温度を規定の温度範囲に維持することができる。
第2タンク21bには、処理液供給源73から第2タンク給液管71を通じて処理液が供給される。処理液供給源73から供給される処理液は新液であって、ほとんど劣化していない。第2タンク給液管71には、給液バルブ72が設けられている。給液バルブ72は第2タンク給液管71の流路の開閉を切り替える。給液バルブ72が開くと、処理液供給源73からの処理液が第2タンク給液管71の内部を流れて第2タンク21bに供給される。
<排液系>
図2で示されるように、第1タンク21aには、第1タンク排液管80の上流端が接続されている。図2の具体例では、第1タンク排液管80の上流端は第1タンク21aの底部に接続される。つまり、第1タンク排液管80の上流端は第1タンク21aの底面において開口している。また、第1タンク排液管80の下流端は外部の排液部88に接続される。第1タンク排液管80には排液バルブ81が設けられている。排液バルブ81は第1タンク排液管80の流路の開閉を切り替える。排液バルブ81が開くと、第1タンク21a内の処理液が第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出される。排液部88は例えば工場の排液設備である。
図2の具体例では、循環配管40の分岐点40bには、循環排液管82の上流端が接続されている。分岐点40bは、循環戻り配管403のうち第2循環バルブ42よりも上流側に位置している。また、循環排液管82の下流端は排液部88に接続される。循環排液管82には排液バルブ83が設けられている。排液バルブ83は循環排液管82の流路の開閉を切り替える。排液バルブ83が開くと、循環配管40内の処理液が循環排液管82を通じて排液部88に排出される。
図2の具体例では、第2タンク21bには、第2タンク排液管84の上流端が接続されている。図2の具体例では、第2タンク排液管84の上流端は第2タンク21bの底部に接続される。また、第2タンク排液管84の下流端は排液部88に接続される。第2タンク排液管84には排液バルブ85が設けられている。排液バルブ85は第2タンク排液管84の流路の開閉を切り替える。排液バルブ85が開くと、第2タンク21b内の処理液が第2タンク排液管84を通じて排液部88に排出される。
図2の具体例では、回収管22の分岐点22aには、回収排液管24の上流端が接続されている。分岐点22aは、回収バルブ23よりも上流側に位置している。回収排液管24の下流端は排液部88に接続されている。回収排液管24には排液バルブ25が設けられている。排液バルブ25は回収排液管24の流路の開閉を切り替える。排液バルブ25が開くと、回収管22内の処理液が回収排液管24を通じて排液部88に排出される。
<センサ>
図2の具体例では、第1タンク21a内にはセンサ50が設けられている。センサ50は、第1タンク21a内の処理液の貯留量を検出するためのセンサである。具体的な一例として、センサ50は液面センサを含む。液面センサはレベルセンサとも呼ばれる。液面センサは例えばフロート式のレベルセンサまたは静電容量式のレベルセンサであってもよい。
図2の具体例では、センサ50は、第1液面センサ51、第2液面センサ52および第3液面センサ53を含んでいる。第1液面センサ51、第2液面センサ52および第3液面センサ53は、第1タンク21a内において異なる高さ位置に設けられている。図2の具体例では、第1液面センサ51は最も低い位置に設けられており、第3液面センサ53は最も高い位置に設けられており、第2液面センサ52は第1液面センサ51と第3液面センサ53との間の高さ位置に設けられている。
第1液面センサ51は、処理液の液面が第1高さ基準値H1になったことを検出することができる。言い換えれば、第1液面センサ51が処理液の液面を検出する時、第1タンク21a内の処理液の液面の高さは第1高さ基準値H1に一致している(図6も参照)。以下では、処理液の液面の高さが第1高さ基準値H1と一致したときの処理液の貯留量を第1規定量M1とも呼ぶ。
第2液面センサ52は、処理液の液面が第2高さ基準値H2になったことを検出することができる。言い換えれば、第2液面センサ52が処理液の液面を検出する時、第1タンク21a内の処理液の液面の高さは第2高さ基準値H2に一致している。以下では、処理液の液面の高さが第2高さ基準値H2と一致したときの処理液の貯留量を第2規定量M2とも呼ぶ。第2高さ基準値H2は第1高さ基準値H1よりも高いので、第2規定量M2は第1規定量M1よりも大きい。
第3液面センサ53は、処理液の液面が第3高さ基準値H3になったことを検出することができる。言い換えれば、第3液面センサ53が処理液の液面を検出する時、第1タンク21a内の処理液の液面の高さは第3高さ基準値H3に一致している。以下では、処理液の液面の高さが第3高さ基準値H3と一致したときの処理液の貯留量を第3規定量M3とも呼ぶ。第3高さ基準値H3は第2高さ基準値H2よりも高いので、第3規定量M3は第2規定量M2よりも大きい。
第3高さ基準値H3と第2高さ基準値H2との差は、例えば、第2高さ基準値H2と第1高さ基準値H1との差よりも大きく設定される。つまり、第3規定量M3と第2規定量M2との差は、例えば、第2規定量M2と第1規定量M1との差よりも大きく設定される。
センサ50は、検出結果を示す信号を制御部90に出力する。具体的には、第1液面センサ51、第2液面センサ52および第3液面センサ53の各々は、検出結果を示す信号を制御部90に出力する。
<制御部>
制御部90は基板処理装置100を統括的に制御することができる。例えば、制御部90は、インデクサロボットIRの搬送制御、センターロボットCRの搬送制御、各処理ユニット10の基板保持部12の回転制御、供給ユニット20の各バルブの開閉制御、各送液部の駆動制御、各ヒータの加熱制御を行うことができる。また、制御部90はセンサ50からの信号を受け取ることができる。
図3は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶媒体92を有している。図3の具体例では、データ処理部91と記憶媒体92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶媒体92は非一時的な記憶媒体(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)921および一時的な記憶媒体(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶媒体921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。図3の具体例では、処理ユニット10および供給ユニット20がバス93に接続された態様が一例として概略的に示されている。
なお、記憶媒体92以外の他の記憶媒体が制御部90に接続されていてもよい。記憶媒体92に記憶される各種情報は当該他の記憶媒体に記憶されていてもよい。
<通常動作>
次に、基板処理装置100の通常動作の一例について概説する。ここでいう通常動作とは、基板処理装置100が基板Wを処理する動作をいう。ここでは、通常動作において、バルブ35、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42は常時開いており、第1送液部31および第1ヒータ32は常時作動しているものとする。これにより、第1タンク21a内の処理液は循環配管40を流れて循環し、第1タンク21aおよび循環配管40内の処理液の温度が規定の温度範囲内に維持される。バルブ65および循環バルブ67も常時開いており、第2送液部62および第2ヒータ63も常時作動している。
基板WがセンターロボットCRから処理ユニット10に搬入されると、基板保持部12が基板Wを水平姿勢で保持する。基板保持部12が基板Wを回転させ、給液バルブ34が開くことにより、回転中の基板Wの主面に向かってノズル13から処理液が吐出される。基板Wの主面に着液した処理液は、遠心力により基板Wの主面上を外側に向かって流れ、基板Wの周縁から飛散する。処理液が基板Wの主面に作用することにより、基板Wに対する処理が行われる。
基板Wの周縁から飛散した処理液はカップ14によって受け止められ、回収管22の上流端に導かれる。ここでは、回収バルブ23は開いており、当該処理液は回収管22を通じて、第1タンク21aに流入する。これにより、処理ユニット10に供給された処理液の一部は回収管22を通じて第1タンク21aに回収される。
基板Wに対する処理を終了する際には、制御部90は給液バルブ34を閉じる。これにより、ノズル13から基板Wへの処理液の吐出が停止する。その後、処理ユニット10は必要に応じて他の処理液を基板Wに供給し、基板Wに対する種々の処理を行う。その後、処理ユニット10は基板Wに対する乾燥処理を行う。例えば、基板保持部12が回転速度を高めて、基板Wに対するスピン乾燥処理を行う。これにより、基板Wに対する処理が終了する。そして、センターロボットCRによって処理ユニット10から処理済みの基板Wが搬出され、次の基板Wが処理ユニット10に搬入される。以後、同様の動作が繰り返される。
<補充処理>
上述の一例では、処理ユニット10に供給された処理液が回収管22を通じて第1タンク21aに回収される。しかしながら、処理液の全量が回収される訳ではないので、第1タンク21a内の処理液の貯留量は徐々に低下する。
第1タンク21a内の処理液が低下すると、補充処理が行われる。ここでは、一例として、第1タンク21a内の処理液の貯留量がほぼ第3規定量M3以上となるように、制御部90は給液バルブ64を制御する。より具体的には、制御部90は、貯留量が第3規定量M3を下回るタイミングを、第3液面センサ53の検出結果に基づいて特定する。制御部90は、貯留量が第3規定量M3よりも下回ったと判断すると、給液バルブ64を開く。これにより、第2タンク21b内の処理液が第1タンク給液管61を通じて第1タンク21aに供給される。よって、第1タンク21aの貯留量が時間の経過とともに徐々に増加する。
制御部90は、例えば貯留量が第3規定量M3以上であるか否かを、第3液面センサ53の検出結果に基づいて判断する。貯留量が第3規定量M3以上であるときには、制御部90は給液バルブ64を閉じる。これにより、第2タンク21bから第1タンク21aへの処理液の供給が停止する。なお、給液バルブ64の開閉が頻繁に行われると、給液バルブ64の寿命が短くなる。そこで、第3規定量M3にヒステリシスを設けてもよい。例えば制御部90は、処理液が第3規定量M3を下回った時点から所定時間が経過したときに給液バルブ64を開き、処理液が第3規定量M3を上回った時点から所定時間が経過したときに給液バルブ64を閉じてもよい。時間の計測はタイマ回路(不図示)を用いて行うことができる。
これにより、第1タンク21a内の処理液の貯留量を、第3規定量M3を含む所定範囲内に維持することができる。ただし、本実施の形態はこれに限らない。第1タンク21a内の処理液の貯留量がより少ない規定量を下回ったときに、タンク供給部60が第1タンク21aに処理液を供給しても構わない。例えば、貯留量が第2規定量M2または第1規定量M1を下回ったときに、タンク供給部60が第1タンク21aに処理液を供給しても構わない。
<処理液の交換処理の第1具体例>
上述の一例では、処理ユニット10に供給された処理液の一部が回収管22を通じて第1タンク21aに回収される。処理ユニット10から回収された処理液には、基板Wの処理によって不純物が混入していたり、あるいは、処理に必要な成分の濃度が低下していたりする。つまり、回収された処理液は、回収前の処理液に比して劣化する。そして、処理液が処理ユニット10に繰り返し供給されることにより、第1タンク21a内の処理液の劣化の程度は大きくなる。
そこで、本基板処理装置100においては、第1タンク21a内の古い処理液を、新たな処理液(交換液に相当)に交換する交換処理が行われる。この交換処理は、例えば、前回の交換処理からの基板Wの処理枚数が所定枚数以上になったときに行われる。あるいは、この交換処理は、前回の交換処理から所定期間が経過したときに行われてもよい。なお交換処理を行うための条件は適宜に変更してもよい。
図4は、交換処理の第1具体例を示すフローチャートであり、図5は、交換処理の第1具体例における各工程を示すタイミングチャートである。ここでは一例として、交換処理の実行中において、給液バルブ34は常時閉じており、供給ユニット20は処理ユニット10に処理液を供給しない。また初期的には、第1送液部31および第1ヒータ32は作動しておらず、給液バルブ64は閉じており、バルブ35、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42は開いているものとする。また、以下では、説明の簡単のために、1つの処理ユニット10に対応する構成に着目して説明を行う。
まず、供給ユニット20は第1タンク21a内の処理液を排出する(ステップS1:タンク排液工程)。図6は、タンク排液工程を説明するための図である。具体的には、供給ユニット20は、循環配管40の内部を処理液で満たした状態を維持しながら、第1タンク排液管80を通じて第1タンク21a内の処理液を排出する。より具体的な一例として、制御部90は、第1送液部31が停止し且つ排液バルブ83が閉じた状態で、排液バルブ81を開く。第1送液部31が停止し且つ排液バルブ83が閉じていれば、循環配管40内の処理液は静止しており、循環配管40の内部は処理液で満たされたままとなる。図6の例では、循環配管40の内部が処理液で満たされていることを、模式的に太線で示している。この点は以下で参照する各図面においても同様である。
一方、排液バルブ81が開くことにより、第1タンク21a内の処理液は第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出される。第1タンク21a内の処理液が排液部88に排出されることにより、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに低下する。なお、図6の例では、処理液の流れる方向を破線の矢印で示している。この点は以下で参照する各図面においても同様である。
ここでは一例として、供給ユニット20は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1よりも小さくなった状態で、タンク排液工程を終了する。例えば、供給ユニット20は貯留量がほぼゼロとなるまで、タンク排液工程を行う。これより、第1タンク21a内の古い処理液をほぼ全て排出することができる。より具体的な一例として、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出した時点から所定のタンク排液時間が経過したときに、排液バルブ81を閉じる。タンク排液時間は、第1タンク21a内の処理液の貯留量がほぼゼロとなるのに十分な時間であり、例えば予め設定される。例えば、ユーザはユーザインターフェース94にタンク排液時間の情報を入力してもよい。ユーザインターフェース94は、入力されたタンク排液時間の情報を制御部90に出力する。制御部90はタンク排液時間の情報を例えば記憶媒体92に記憶する。
上述のタンク排液工程によって、第1タンク21a内の古い処理液をほぼ全て排出することができる。その一方で、タンク排液工程においては循環配管40内の処理液は静止しているので、タンク排液工程後でも、循環配管40の内部には古い処理液が満ちている。
次に、タンク供給部60は第1タンク21aに新しい処理液(交換液に相当)を供給し始める(ステップS2:タンク給液工程の開始)。具体的には、制御部90は給液バルブ64を開く。図7は、タンク給液工程を説明するための図である。給液バルブ64が開くことにより、第2タンク21bからの新しい処理液が第1タンク給液管61を通じて第1タンク21aに供給される。これにより、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。
このタンク給液工程の初期において第1送液部31は停止している(図5参照)。よって、タンク給液工程の初期において循環配管40内の処理液は静止している。したがって、循環配管40の内部には未だ古い処理液が満ちている。
供給ユニット20は、例えば第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上となる状態で、後述の配管処理液交換工程を行う(ステップS3)。例えば制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上であるか否かをセンサ50の検出結果に基づいて判断し、貯留量が第2規定量M2以上であると判断したときに、配管処理液交換工程を行う。より具体的な一例として、制御部90は、第2液面センサ52が処理液の液面を検出したときに、配管処理液交換工程を行う。
図8は、配管処理液交換工程を説明するための図である。供給ユニット20は、循環配管40の内部を処理液で満たした状態を維持しながら、第1送液部31の作動により、第1タンク21aから循環配管40を通じて処理液を排液部88に排出する。より具体的には、制御部90は第2循環バルブ42を閉じ排液バルブ83を開きつつ、第1送液部31を作動させる。これにより、第1タンク21a内の新たな処理液が循環配管40の上流端30aに流入しつつ、循環配管40内に残留していた古い処理液が分岐点40bから循環排液管82を通じて排液部88に排出される。
この排出により、循環配管40内の処理液は、その上流側から順次に新たな処理液に交換される。
そして、循環配管40内に残留していた古い処理液がほぼ全て排出されると、循環配管40の内部は新しい処理液で満たされる。なお、排液バルブ83が開いている限り、この循環配管40内の新しい処理液は循環排液管82を通じて順次に排出され得る。
制御部90は、例えば配管処理液交換工程の開始時点から所定の交換時間t1が経過したときに、排液バルブ83を閉じる。これにより、循環配管40内の処理液の排出が終了する。つまり、配管処理液交換工程が終了する。交換時間t1は、例えば、循環配管40内の古い処理液のほぼ全てを新たな処理液に交換するのに十分な時間であり、例えば予め設定される。例えば、交換時間t1は、第1送液部31による処理液の流量F1と交換時間t1との積が循環配管40の容量以上となるように設定されてもよい。交換時間t1は例えば記憶媒体92に記憶されてもよい。例えば、ユーザはユーザインターフェース94に交換時間t1の情報を入力してもよい。ユーザインターフェース94は、入力された交換時間t1の情報を制御部90に出力する。制御部90は交換時間t1の情報を例えば記憶媒体92に記憶する。
配管処理液交換工程の終了後に、第2循環バルブ42を開く場合には、第1送液部31は作動し続けてもよい(図5参照)。これによれば、配管処理液交換工程後に、処理液は循環配管40の内部を流れて循環する。また、図4および図5に例示されるように、配管処理液交換工程の終了後に、制御部90は第1ヒータ32を作動させ始めてもよい(ステップS4:循環加熱工程の開始)。図9は、循環加熱工程を説明するための図である。第1送液部31および第1ヒータ32が作動することにより、処理液は循環配管40の内部を流れつつ第1ヒータ32によって加熱される。したがって、循環配管40内の処理液の温度は時間の経過とともに徐々に増加する。
ところで、給液バルブ64は、配管処理液交換工程でも開き続けており(図5)、また配管処理液交換工程後にも開いている。よって、第1タンク21a内の処理液の貯留量は増加する。図5の例では、循環加熱工程の初期はタンク給液工程と並行して実行される。
タンク供給部60は、例えば第1タンク21a内の処理液の貯留量が第3規定量M3以上となったときに、第1タンク21aへの処理液の供給を停止してもよい(ステップS5:タンク給液工程の終了)。具体的な一例として、制御部90は、第3液面センサ53が処理液の液面を検出したときに、給液バルブ64を閉じる。これにより、タンク給液工程が終了する。
図4の例では、タンク給液工程の終了後にノズル排液工程(ステップS6)が行われているものの、これについては後に述べる。
以上のように、本交換処理の第1具体例によって、第1タンク21aおよび循環配管40内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。
しかも、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内に貯留された新たな処理液が循環配管40を通じて排液部88に排出される。これにより、循環配管40内に残留していた古い処理液を新しい処理液で押し出して排出し、循環配管40内を新たな処理液で満たすことができる。つまり、循環配管40の内部を処理液で満たした状態を維持しつつ、循環配管40内の処理液が交換されるので、気体が循環配管40内に混入しにくい。言い換えれば、循環配管40内の混入する気体の量を抑制しつつ、処理液を交換することができる。
したがって、処理液の交換直後であっても、給液バルブ34を開いたときに、処理液をスムーズに処理ユニット10に供給できる。具体的には、循環配管40内の気体(特に循環往き配管401内の気体)に起因した処理液の流量変動を低減することができる。つまり、処理液の交換直後であっても、流量変動が抑制された状態で適切に処理液を処理ユニット10に供給することができる。よって、処理液の交換直後でも、処理ユニット10が基板Wの処理を行うことができる。
また、図4および図5の第1具体例では、配管処理液交換工程はタンク給液工程と並行して実行される。つまり、配管処理液交換工程においても、タンク供給部60は第1タンク21aに処理液を供給し続けている。これによれば、配管処理液交換工程中にタンク給液工程を中断する場合に比して、交換処理に要する時間を短縮することができる。
しかも、配管処理液交換工程において第1タンク21a内の処理液の貯留量がゼロになる可能性を低減できる。配管処理液交換工程の全期間において第1タンク21a内の処理液の貯留量がゼロにならなければ、循環排液工程の全期間において第1タンク21aから循環配管40に新しい処理液を供給し続けることができる。これによれば、循環配管40内に混入する気体の量を最小化させることができる。なお、配管処理液交換工程の全期間において貯留量をゼロよりも大きく維持する具体的な手法については、後に詳述する。
また上述の第1具体例では、タンク排液工程(ステップS1)は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1よりも少ない状態で終了する。より具体的な一例として、タンク排液工程は、貯留量がほぼゼロとなる状態で終了する。ここでいう貯留量がほぼゼロな状態とは、例えば、第1タンク21aの底面の少なくとも一部が処理液によって覆われていない状態を意味する。これによれば、第1タンク21a内の古い処理液のほぼ全てを排出できる。この状態で新しい処理液が第1タンク21aに供給されると、第1タンク21a内のほぼ全てを新しい処理液で満たすことができる。これによれば、交換処理後に残留する古い処理液の量を低減させることができる。
また上述の第1具体例では、供給ユニット20は第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1よりも大きな第2規定量M2以上となる状態で、配管処理液交換工程を開始する。これにより、予めより多くの処理液を第1タンク21a内に確保した状態で、配管処理液交換工程を開始することができる。よって、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の処理液の貯留量がゼロになる可能性を低減させることができる。
また上述の第1具体例では、配管処理液交換工程(ステップS3)はタンク給液工程の開始(ステップS2)の後に行われる。よって、配管処理液交換工程の初期から、第1タンク21a内の新しい処理液を循環配管40内に供給できる。
また上述の第1具体例では、配管処理液交換工程の直後に第1ヒータ32の作動を開始している。つまり、循環配管40内の処理液を加熱する循環加熱工程を、タンク給液工程と並行して行っている。これによれば、配管処理液交換工程後、早期に処理液の加熱を開始しているので、交換処理後において、処理液の温度が所定の規定温度に達するタイミングを早めることができる。よって、より早いタイミングで、処理ユニット10に処理液の供給を許可することができる。
また上述の第1具体例では、配管処理液交換工程の終了トリガとして、交換時間t1の経過を採用している。これによれば、より簡易に終了判定を行うことができる。言い換えれば、簡易な条件で配管処理液交換工程を終了できる。
<混入気体の最小化>
ところで、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21a内の処理液が循環配管40内に流入し続ければ、循環配管40内に混入する気体の量を最小化することができる。そこで、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21a内に処理液が貯留された状態を維持できることが望ましい。第1タンク21a内に処理液が貯留されていれば、その処理液が循環配管40内に流入するからである。つまり、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21a内の処理液の貯留量がゼロよりも大きい状態を維持できることが望ましい。
<処理液の貯留量>
具体的な一例として、配管処理液交換工程の開始時点において十分な処理液を第1タンク21a内に確保してもよい。ここでは、貯留量が第2規定量M2以上であるときに、配管処理液交換工程を行う。図10は、配管処理液交換工程を開始する動作の具体的な一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えばタンク給液工程の開始(ステップS2)後に開始される。制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上であるか否かを、センサ50の検出結果に基づいて判断する(ステップS20)。
第2規定量M2は、配管処理液交換工程において循環配管40の容量以上の処理液を第1タンク21aから循環配管40に供給可能な量、以上に設定される。具体的には、第2規定量M2は循環配管40の容量以上に設定される。循環配管40の容量は例えば2~20L(リットル)程度であり、第2規定量M2は例えば循環配管40の容量よりも数L(例えば5L)だけ大きく設定される。
例えば制御部90は、第2液面センサ52が処理液の液面を検出したか否かを判断する。制御部90は、第2液面センサ52が処理液の液面を検出したときに、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上であると判断する。一方で、制御部90は、第2液面センサ52が未だ処理液の液面を検出していないときには、貯留量が第2規定量M2未満であると判断する。第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2未満であるときには、制御部90は再びステップS20を実行し、貯留量が第2規定量M2以上であるときに、制御部90は配管処理液交換工程を開始する(ステップS21)。
これによれば、配管処理液交換工程の開始時において、循環配管40内の古い処理液を押し出すのに十分な量の処理液が既に第1タンク21aに貯留されている。よって、配管処理液交換工程において、より確実に循環配管40内の古い処理液の全てを新たな処理液に交換することができる。
これによれば、たとえ配管処理液交換工程においてタンク給液工程が中断する場合であっても、交換時間t1を適切に設定することにより、循環配管40の内部を処理液で満たした状態を維持しつつ、循環配管40内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。図5の例では、配管処理液交換工程中に給液バルブ64が閉じた状態を二点鎖線で示している。
<流量設定>
上述のように、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21a内の処理液の貯留量がゼロにならなければ、循環配管40に混入する気体の量を最小化することができる。そのため、上述の一例では、第1タンク21a内の処理液の貯留量が循環配管40の容量以上であることを、配管処理液交換工程の開始条件に採用した。具体的には、第2規定量M2を循環配管40の容量以上に設定した。しかしながら、必ずしもこれに限らない。
タンク供給部60が配管処理液交換工程において第1タンク21aへ処理液を供給し続けている場合には、第2規定量M2は循環配管40の容量未満であってもよい。例えば図8で示されるように、配管処理液交換工程においてタンク供給部60から第1タンク21aへ供給される処理液の流量F2が、第1タンク21aから循環配管40内に供給される処理液の流量F1以上となるように、制御部90が第1送液部31および第2送液部62を制御してもよい。これによれば、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の処理液の貯留量は低下しない。よって、配管処理液交換工程の全期間おいて第1タンク21a内の貯留量がゼロになることを回避できる。なお、図8の例では、流量F1および流量F2の大きさを、模式的に破線のブロック矢印の太さで示している。流量F1は例えば5~15L/min程度に設定され、流量F2は例えば5~25L/min程度に設定される。
<流量および貯留量設定>
なお、流量F1は必ずしも流量F2以下である必要はなく、要するに、配管処理液交換工程の全期間において貯留量がゼロよりも大きな状態を維持できるように、第2規定量M2、流量F1および流量F2を設定すればよい。より具体的には、流量F1が流量F2よりも大きい場合には、第2規定量M2が、交換時間t1を用いて(F1-F2)×t1以上に設定されるとよい。これにより、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21a内の処理液の貯留量をゼロよりも大きな状態に維持することができる。
<流量F1>
制御部90は、配管処理液交換工程における流量F1が、通常動作中に循環配管40を流れる処理液の循環流量よりも小さくなるように、第1送液部31を制御してもよい。通常動作における循環流量は例えば15~30L/min程度に設定され、流量F1は例えば5~15L/min程度に設定される。通常動作中の流量を大きく設定することにより、処理ユニット10に対して十分な流量で処理液を供給することができる。一方で、配管処理液交換工程における流量F1を小さく設定することにより、気体の混入を低減させることができる。つまり、流量F1が大きい場合には、処理液の流れが乱れやすく、気体が生じる可能性が高まるものの、流量F1を小さく設定することにより、そのような可能性を低減させることができる。
<ユニット給液管30および回収管22の排液工程>
さて、上述の交換処理(ステップS1~S5)によっても、ユニット給液管30のうち分岐点30cよりも下流側の部分では、古い処理液が残留している可能性がある。なぜなら、上記のステップS1~S5において当該部分の処理液が排出されないからである。
そこで、図4の例では、タンク給液工程の終了(ステップS5)後に、ノズル排液工程(ステップS6)が行われる。このノズル排液工程では、供給ユニット20は、処理ユニット10に基板Wが搬入されていない状態で、処理液を処理ユニット10に供給する。より具体的には、制御部90は、処理ユニット10に基板Wが搬入されていない状態で給液バルブ34を開く。給液バルブ34が開くことにより、第1タンク21a内の新しい処理液がユニット給液管30を通じて処理ユニット10に供給され、ノズル13から吐出される。
このノズル排液工程によれば、新しい処理液がユニット給液管30を通じてノズル13から吐出されるので、ユニット給液管30内に古い処理液が残留していたとしても、新しい処理液でその古い処理液を押し出して、ノズル13から吐出させることができる。
また、このノズル排液工程において、制御部90は回収バルブ23を閉じ、排液バルブ25を開く。ノズル13から吐出された処理液は回収管22の上流端に流入し、分岐点22aから回収排液管24を通じて排液部88に排出される。これにより、回収管22のうち分岐点22aよりも上流側の部分に古い処理液が残留していたとしても、その古い処理液を排出させることができる。
そして、供給ユニット20は、例えば、ノズル排液工程の開始から所定の排液時間が経過したときに、ノズル排液工程を終了する。排液時間は、ユニット給液管30および回収管22内の古い処理液を排出するのに十分な時間であり、例えば予め設定される。排液時間は例えば記憶媒体92に記憶されてもよい。例えば、ユーザはユーザインターフェース94に排液時間の情報を入力してもよい。ユーザインターフェース94は、入力された排液時間の情報を制御部90に出力する。制御部90は排液時間の情報を例えば記憶媒体92に記憶する。なお、ノズル排液工程(ステップS6)は以下で述べる種々の交換処理で採用することができる。
<複数の処理ユニット>
また、上述の例では、1つの処理ユニット10に着目して説明しているものの、図2の具体例では、ユニット給液管30は第1タンク21aと複数の処理ユニット10とを接続しており、循環配管40は複数の処理ユニット10に対応して設けられている。
この場合、配管処理液交換工程においては、各循環配管40の処理液の交換を並行して行ってもよく、循環配管40ごとに処理液の交換を順次に行ってもよい。第2規定量M2は、第1タンク21aに連通する複数の循環配管40の容量の総和以上に設定されてもよい。また、配管処理液交換工程において、循環配管40を流れる処理液の流量F1の総和が、第1タンク21aに供給される処理液の流量F2以下となるように、第1送液部31および第2送液部62が制御されてもよい。
<循環配管の他の例>
図2の例では、循環配管40の上流端30a(つまり、ユニット給液管30の上流端30a)は第1タンク21aに接続されている。しかしながら、必ずしもこれに限らない。図11は、供給ユニット20の構成の他の一例を概略的に示す図である。以下では、図11の供給ユニット20を供給ユニット20Aとも呼ぶ。
供給ユニット20Aにおいて、上流端30aは第1タンク21aの底部よりも鉛直上方に位置しており、第1タンク21aの底部から離れている。上流端30aは鉛直方向において第1タンク21aの底部と向かい合う位置に設けられており、例えば鉛直下方に向けて開口する。上流端30aは、第1タンク21a内の処理液に浸漬する。図11の具体例では、循環往き配管401は、上流端30aから鉛直上方に延在している。以下では、図11の循環配管40を循環配管40Aとも呼ぶ。
第1送液部31が作動することにより、第1タンク21a内の処理液が上流端30aに流入し、第1送液部31によって吸い上げられる。つまり、循環配管40Aの上流端30aは、処理液を吸入する吸入口として機能する。第1循環バルブ41および第2循環バルブ42が開いている場合には、処理液は循環配管40Aの内部を流れて循環する。また、給液バルブ34が開いている場合には、当該処理液の一部が分岐点30cからノズル13に向かってユニット給液管30の内部を流れて、処理ユニット10に供給される。
このような構成であっても、図4および図5に示された交換処理を行うことができる。例えば制御部90が排液バルブ81が開いてタンク排液工程(ステップS1)を行うと、第1タンク21a内の処理液は第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出される。よって、第1タンク21a内の処理液の液面は時間の経過と共に下降する。ところで、図5の例では、タンク排液工程において第1送液部31が停止している。ここでは、第1送液部31の停止により、第1送液部31の内部流路が閉じるものとする。
タンク排液工程において処理液の液面は下降するので、当該液面はいずれ循環配管40Aの上流端30aを下回る。タンク排液工程では、第1送液部31の内部流路が閉じているので、たとえ第1タンク21a内の処理液の液面が上流端30aを下回っても、循環配管40A内の処理液は上流端30aから流下しない。よって、タンク排液工程において、循環配管40Aの内部を古い処理液で満たした状態を維持できる。
処理液の液面がさらに下降し、第1タンク21a内の処理液の貯留量が例えばほぼゼロになると、制御部90は排液バルブ81を閉じてタンク排液工程を終了する。
次に、供給ユニット20Aはタンク給液工程を開始する(ステップS2)。このタンク給液工程により、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。よって、処理液の液面はいずれ循環配管40Aの上流端30aよりも高くなる。言い換えれば、循環配管40Aの上流端30aは第1タンク21a内の処理液に浸漬する。
供給ユニット20Aは、循環配管40Aの上流端30aが処理液に浸漬した状態で、配管処理液交換工程を開始する(ステップS3)。ここで、臨界高さ位置CH1を導入する。臨界高さ位置CH1とは、第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回ると、上流端30aが処理液に浸漬していた状態から処理液に浸漬しない状態に遷移する臨界位置を意味する。以下では、処理液の液面が臨界高さ位置CH1に位置するときの第1タンク21a内の処理液の貯留量を、臨界量CM1とも呼ぶ。つまり、臨界量CM1は、循環配管40Aの上流端30aが処理液に浸漬可能な貯留量の最小値である。図11の具体例では、臨界高さ位置CH1は第1高さ基準値H1よりも低い。つまり、臨界量CM1は第1規定量M1よりも小さい。
例えば、供給ユニット20Aは、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1以上であるときに、配管処理液交換工程を開始する。具体的には、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出した以後に、排液バルブ83を開きつつ第1送液部31を作動させる。これにより、上流端30aが処理液に浸漬した状態で配管処理液交換工程を開始できる。
配管処理液交換工程においては、第1送液部31の作動により、第1タンク21a内の新しい処理液が循環配管40Aの上流端30aに吸入され、循環配管40A内の古い処理液を押し出し、循環排液管82を通じて排出する。これにより、循環配管40A内の古い処理液を新しい処理液に交換できる。そして、供給ユニット20Aは、例えば交換時間t1が経過したときに、配管処理液交換工程を終了する。具体的には、制御部90は排液バルブ83を閉じる。
なお、この配管処理液交換工程において、もし第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回ると、循環配管40A内の処理液に上流端30aから気体が流入し、循環配管40A内に気体が混入してしまう。したがって、配管処理液交換工程の全期間において、第1タンク21aの処理液の液面が臨界高さ位置CH1よりも高くなる状態を維持することが望ましい。
具体的な一例として、供給ユニット20Aは、予め十分な量の処理液が第1タンク21a内に貯留された状態で配管処理液交換工程を開始する。例えば供給ユニット20Aは、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上であるときに、配管処理液交換工程を開始する。第2規定量M2は臨界量CM1および循環配管40Aの容量の和以上に設定される。
これによれば、配管処理液交換工程の開始時において、循環配管40A内の古い処理液を押し出すのに十分な量の処理液が第1タンク21a内に貯留されている。よって、配管処理液交換工程において、処理液の液面を臨界高さ位置CH1よりも高い状態を維持しながら、循環配管40A内の古い処理液の全てを新たな処理液で交換することができる。
あるいは、配管処理液交換工程において、流量F1を流量F2以下に設定してもよい。具体的には、制御部90は、第1タンク21aから循環配管40に供給される流量F1が、タンク供給部60から第1タンク21aに供給される処理液の流量F2以下となるように、第1送液部31および第2送液部62を制御するとよい。これによっても、配管処理液交換工程において、処理液の液面が臨界高さ位置CH1よりも高い状態を維持することができる。
なお、流量F1は流量F2よりも大きくてもよい。要するに、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回らないように、第2規定量M2、流量F1および流量F2を設定すればよい。
また上述の一例では、第1送液部31が停止した状態において第1送液部31の内部流路が閉じる。しかしながら、第1送液部31が停止した状態で第1送液部31の内部流路が開いても構わない。この場合には、タンク排液工程において、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42の少なくとも一方を閉じればよい。これにより、第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回っても、循環配管40Aの処理液は上流端30aから流出しない。これによって、循環配管40Aの内部を処理液で満たした状態を維持しつつ、第1タンク21a内の古い処理をほぼ全て排出できる。
図4および図5の例では、供給ユニット20Aは配管処理液交換工程の後に、循環加熱工程(ステップS4)を行う。具体的には、制御部90は第1送液部31に作動を継続させ、第1ヒータ32に作動させる。これにより、処理液を循環させながら加熱することができる。
また、供給ユニット20Aは、配管処理液交換工程(ステップS3)が終了した後も、タンク給液工程を継続するので、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。そして、供給ユニット20Aは、例えば第1タンク21a内の処理液の貯留量が第3規定量M3以上になると、タンク給液工程を終了する(ステップS5)。
以上のように、供給ユニット20Aも交換処理の第1具体例を実行することができる。これによれば、循環配管40A内に混入する気体の量を抑制させつつ、第1タンク21aおよび循環配管40A内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。
<交換処理の他の具体例>
以下、交換処理の他の具体例について述べる。以下の第2具体例から第5具体例は、循環配管40および循環配管40Aの両方に適用可能であるものの、一例として、第2具体例から第4具体例では、循環配管40を用いて説明し、第5具体例では、循環配管40Aを用いて説明する。
<第2具体例>
上述の第1具体例では、タンク排液工程(ステップS1)において、第1送液部31は停止している(図5も参照)。しかしながら、第1送液部31はタンク排液工程の初期において作動してもよい。なぜなら、第1送液部31が作動しても、第1タンク21a内の処理液が循環配管40の上流端30aに流入する限り、循環配管40の内部を処理液で満たした状態を維持できるからである。図5の例では、タンク排液工程中に第1送液部31が作動している状態を二点鎖線で示している。具体的な一例として、制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1以下となったか否かを、センサ50の検出結果に基づいて判断し、貯留量が第1規定量M1以下であると判断したときに、第1送液部31を停止させてもよい。つまり、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出したときに、第1送液部31を停止させてもよい。
<第3具体例>
供給ユニット20は配管処理液交換工程の実行中にタンク給液工程を中断しても構わない。図5の例では、配管処理液交換工程中に給液バルブ64が閉じた状態を二点鎖線で示している。この場合、既述のように、第2規定量M2は循環配管40の容量以上に設定される。
<第4具体例>
図12は、交換処理の第4具体例を示すタイミングチャートである。図12の例では、供給ユニット20は、タンク排液工程の終了後にタンク給液工程を開始し、タンク給液工程の終了後に配管処理液交換工程を行う。この場合、タンク給液工程は、より多くの処理液が貯留された状態で終了するとよい。例えば供給ユニット20は、第1タンク21aの処理液の貯留量が第3規定量M3に到達すると、タンク給液工程を終了する。具体的な一例として、制御部90は、第3液面センサ53が処理液を検出したときに、給液バルブ64を閉じる。
これによっても、配管処理液交換工程において、循環配管40内の古い処理液を全て排出することができる。
また図12の例では、供給ユニット20は配管処理液交換工程の終了の直後に循環加熱工程を行う。具体的には、制御部90は第1送液部31の作動を継続させつつ、第1ヒータ32も作動させる。これにより、処理液が循環配管40の内部を流れつつ、第1ヒータ32によって加熱される。
このような交換処理の第4具体例でも、配管処理液交換工程では、第1タンク21aからの処理液が循環配管40に供給され続けるので、循環配管40への気体の混入を抑制しつつ、循環配管40内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。
<第5具体例>
上述の例では、古い処理液のほぼ全てを新しい処理液に交換した。しかしながら、例えば処理液の種類によっては、古い処理液が少し残留していてもよい場合がある。このような場合には、交換処理の第5具体例を採用してもよい。
図13は、交換処理の第5具体例を示すフローチャートであり、図14は、交換処理の第5具体例の各工程を示すタイミングチャートである。また初期的には、第1送液部31および第1ヒータ32は作動しておらず、給液バルブ64は閉じており、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42は開いているものとする。
まず、供給ユニット20Aは、循環配管40Aの内部を古い処理液で満たした状態を維持しながら、第1タンク21a内の処理液を、第1タンク排液管80を通じて排液する(ステップS11:第1タンク排液工程)。具体的には、制御部90は、排液バルブ83を閉じたまま排液バルブ81を開く。図14の例では、制御部90は、第1タンク排液工程の初期において第1送液部31を作動させている。
図15および図16は、第1タンク排液工程を説明するための図である。第1タンク排液工程の初期では、排液バルブ81が開き、第1送液部31が作動しているので、循環配管40Aの内部を古い処理液が流れて循環しつつ、第1タンク21a内の古い処理液が第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出される(図15参照)。これにより、第1タンク21a内の処理液の液面は時間の経過とともに下降する。
制御部90は、処理液の液面が未だ臨界高さ位置CH1を下回っていない状態で、第1送液部31を停止させる。例えば制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1以下であるか否かをセンサ50の検出結果に基づいて判断し、貯留量が第1規定量M1以下であると判断したときに、第1送液部31を停止させる。より具体的には、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出したときに、第1送液部31を停止させる。これにより、第1送液部31の内部流路が閉じる。
第1送液部31の停止後も排液バルブ81は開いているので、第1タンク21a内の処理液の液面は下降し続け、いずれ臨界高さ位置CH1を下回る。しかしながら、第1送液部31の内部流路が閉じているので、循環配管40A内の処理液は上流端30aから流下しない。なお、もし第1送液部31の停止中に第1送液部31の内部流路が開いている場合には、制御部90は第1送液部31の停止とともに、第1循環バルブ41および第2循環バルブ42の少なくともいずれか一方を閉じればよい。これによっても、循環配管40A内の処理液は上流端30aから流下しない。
ここでは一例として、供給ユニット20は第1タンク21a内の処理液の貯留量がほぼゼロとなるまで、第1タンク排液工程を行う。これより、図16で例示されるように、第1タンク21a内の古い処理液をほぼ全て排出することができる。より具体的な一例として、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出した時点から所定のタンク排液時間が経過したときに、排液バルブ81を閉じる。
次に、タンク供給部60は新しい処理液を第1タンク21a内に供給する(ステップS12:第1タンク給液工程)。具体的には、制御部90は給液バルブ64を開く。図17は、第1タンク給液工程を説明するための図である。給液バルブ64を開くことにより、第2タンク21bから第1タンク給液管61を通じて第1タンク21a内に新しい処理液が供給される。これにより、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。よって、第1タンク21a内の処理液の液面が時間の経過とともに上昇し、いずれ臨界高さ位置CH1よりも高くなる。つまり、循環配管40Aの上流端30aが再び第1タンク21a内の処理液に浸漬する。
制御部90は、例えば、第1タンク給液工程の開始から所定の給液時間が経過したときに、給液バルブ64を閉じる。給液時間は、例えば、第1タンク21a内の処理液の貯留量が、第1規定量M1と循環配管40Aの配管容量との和以上となるのに十分な時間であり、例えば予め設定される。
次に、供給ユニット20は、循環配管40Aの内部を処理液で満たした状態を維持しながら、第1送液部31の駆動により、第1タンク21aから循環配管40Aを通じて処理液を排液する(ステップS13:配管処理液交換工程)。具体的には、制御部90は、排液バルブ81を開きつつ、第1送液部31を作動させる。これにより、第1タンク21a内の新しい処理液の一部は上流端30aから循環配管40A内に吸入され、循環配管40Aの内部の古い処理液を押し出して下流端40aから第1タンク21a内に流出させる。循環配管40Aの下流端40aから第1タンク21a内に流出した古い処理液の一部は、第1タンク21a内の新しい処理液に混ざりつつ、第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出される。循環配管40Aの下流端40aから流出した古い処理液の他の一部は、再び循環配管40Aの上流端30aに吸入され得る。
第1タンク21a内の処理液は第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出されるので、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに低下する。制御部90は、処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回るまでに、第1送液部31を停止させる。例えば制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第1規定量M1以下であると、センサ50の検出結果に基づいて判断したときに、第1送液部31を停止させる。具体的には、制御部90は、第1液面センサ51が処理液の液面を検出したときに、第1送液部31を停止させる。これにより、配管処理液交換工程が終了する。第1送液部31の内部流路が開いている場合には、制御部90は第1循環バルブ41および第2循環バルブ42の少なくともいずれか一方を閉じる。
この配管処理液交換工程では、初期的に循環配管40Aの内部に残留していた古い処理液のほぼ全てを、一旦は第1タンク21aに流出できることが望ましい。つまり、第1タンク21a内の処理液の液面が第1規定量M1を下回るまでに、循環配管40Aの容量以上の処理液を循環配管40Aに流すことが望ましい。例えば、配管処理液交換工程の開始のトリガとなる第2規定量M2が大きいほど、液面が第1規定量M1を下回るまでに要する時間、つまり、配管処理液交換工程の所要時間が長くなる。また、配管処理液交換工程において循環配管40Aを流れる処理液の流量F1を大きくするほど、当該所要時間内に循環配管40Aに流すことができる処理液の総量を大きくできる。つまり、第2規定量M2および流量F1を適宜に設定することで、循環配管40A内の古い処理液のほぼ全てを第1タンク21aに流出させることができる。要するに、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2から第1規定量M1に下降するまでに、循環配管40Aの古い処理液のほぼ全てが流出するように、第2規定量M2および流量F1を設定すればよい。
配管処理液交換工程の終了後に、供給ユニット20は、循環配管40Aの内部を処理液で満たした状態を維持ながら、第1タンク21a内の処理液を第1タンク排液管80を通じて排液部88に排出する(ステップS14:第2タンク排液工程)。つまり、制御部90は排液バルブ81が開いた状態を維持する。図19は、第2タンク排液工程を説明するための図である。第1タンク21a内の処理液は第1タンク排液管80を通じて排出されるので、処理液の液面は時間の経過とともに下降する。ただし、第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回っても、循環配管40Aの内部の処理液は上流端30aから流下しない。
ここでは一例として、供給ユニット20Aは、第1タンク21a内の貯留量がほぼゼロとなるまで、第2タンク排液工程を行う。これより、第1タンク21a内の新旧が混ざった処理液をほぼ全て排出することができる。
次に、タンク供給部60は再び第1タンク21a内に新しい処理液を供給する(ステップS15:第2タンク給液工程)。具体的には、制御部90は給液バルブ64を開く。図20は、第2タンク給液工程を説明するための図である。給液バルブ64が開くので、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が第3規定量M3以上であると、センサ50の検出結果に基づいて判断したときに、給液バルブ64を閉じる。これにより、第2タンク給液工程が終了する。
以上のように、本交換処理の第5具体例によっても、第1タンク21aおよび循環配管40A内に残留した古い処理液を新しい処理液に交換することができる。しかも、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の新しい処理液の一部が循環配管40Aを通じて排出される(ステップS13)。具体的には、当該一部の処理液は循環配管40Aを通じて第1タンク21aに戻り、第1タンク排液管80を通じて排出される。この配管処理液交換工程においても、循環配管40Aの上流端30aには処理液が流入するので、循環配管40A内に混入する気体の量を低減させることができる。つまり、本交換処理によっても、循環配管40A内に混入する気体の量を抑制させつつ、第1タンク21aおよび循環配管40A内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。
ただし、配管処理液交換工程において、新旧が混ざった処理液が循環配管40Aの上流端30aに流入し得るので、交換処理後の循環配管40Aの内部には、古い処理液が少し残留し得る。
古い処理液の割合を低減するには、例えば、第1タンク給液工程(ステップS11)、配管処理液交換工程(ステップS13)および第2タンク排液工程(ステップS14)の組を複数回繰り返してもよい。これにより、古い処理液の割合を低減させることができる。
交換処理の第5具体例は、循環排液管82および排液バルブ83を利用しないので、これらが設けられていない基板処理装置100にも適用できる。
また図14の例では、供給ユニット20Aは第2タンク給液工程の開始後に、第2タンク給液工程と並行して循環加熱工程を行っている。具体的には、制御部90は、第1タンク21a内の処理液の貯留量が臨界高さ位置CH1を上回ったときに、第1送液部31および第1ヒータ32を作動させる。より具体的な一例として、制御部90は、貯留量が第1規定量M1以上であるとセンサ50の検出結果に基づいて判断したときに、第1送液部31および第1ヒータ32を作動させる。これにより、循環配管40Aの上流端30aが処理液に浸漬した状態で、第1送液部31および第1ヒータ32が作動する。よって、第1タンク21a内の処理液が循環配管40Aの上流端30aに吸入され、循環配管40Aの内部を流れて循環しつつ、第1ヒータ32によって加熱される。これによれば、配管処理液交換工程後、早期に処理液の加熱を開始しているので、交換処理後において、処理液の温度が所定の規定量に達するタイミングを早めることができる。なお、制御部90は、貯留量が第2規定量M2以上であるとセンサ50の検出結果に基づいて判断したときに、第1送液部31および第1ヒータ32を作動させてもよい。
<第6具体例>
図14の第5具体例では、第1タンク排液工程の初期において、第1送液部31が作動しているものの、第1送液部31は停止していてもよい。図14の例では、第1送液部31が停止した状態を二点鎖線で示している。
<第7具体例>
図14の第5具体例では、配管処理液交換工程において給液バルブ64は閉じている。しかしながら、給液バルブ64は開いていても構わない。つまり、配管処理液交換工程は第1タンク給液工程と並行して行われてもよい。図14の例では、給液バルブ64が開いた状態を二点鎖線で示している。配管処理液交換工程が第1タンク給液工程と並行して実行される場合には、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の処理液の液面が臨界高さ位置CH1を下回る可能性を低減させることができる。
<複数の交換処理の切り替え>
上述の第1具体例から第4具体例では、配管処理液交換工程において、循環配管40内の処理液を、第1タンク21aを経由せずに循環排液管82を通じて排出した。このような交換処理を、以下では第1交換処理と総称する。第5具体例から第7具体例では、配管処理液交換工程において、循環配管40内の処理液を第1タンク21aおよび第1タンク排液管80を通じて排出した。このような交換処理を、以下では第2交換処理と総称する。
制御部90は、第1交換処理および第2交換処理を設定情報に基づいて切り替えて実行してもよい。設定情報は例えば記憶媒体92に記憶される。設定情報は、例えば、ユーザによってユーザインターフェース94に入力されてもよい。
<供給ユニットの配管構成の他の例>
上述の各具体例では、循環配管40(循環配管40Aを含む、以下同様)が設けられていた。しかしながら、循環配管40は設けられなくてもよい。図21は、供給ユニット20の構成の他の具体例を概略的に示す図である。以下では、図21の供給ユニット20を供給ユニット20Bとも呼ぶ。図21の例では、供給ユニット20Bにおいて循環配管40が設けられておらず、また第1ヒータ32も設けられていない。図21の例では、供給ユニット20Bにはユニット排液管86が設けられている。ユニット排液管86の上流端はユニット給液管30の分岐点30cに接続されており、ユニット排液管86の下流端は排液部88に接続されている。ユニット排液管86には排液バルブ87が設けられている。排液バルブ87はユニット排液管86の流路の開閉を切り替える。排液バルブ87が開くことにより、ユニット給液管30の内部の処理液がユニット排液管86を通じて排液部88に排出される。
図21の例では、ユニット給液管30の上流端30aは第1タンク21aの底部に接続されているものの、供給ユニット20Aと同様に、第1タンク21aの底部よりも鉛直上方に位置していてもよい。
このような供給ユニット20Bにおいて、通常動作の終了後には、ユニット給液管30には処理液が残留し得る。具体的には、ユニット給液管30のうち上流端30aから給液バルブ34までの部分に処理液が残留し得る。このユニット給液管30の当該部分の内部は処理液で満たされている。
このような供給ユニット20Bにも、上述の交換処理と同様の処理を適用することができる。図22は、交換処理の第8具体例を示すフローチャートであり、図23は、交換処理の第8具体例の各工程を示すタイミングチャートである。
まず、供給ユニット20Bはタンク排液工程(ステップS21)を行う。以下では、ユニット給液管30のうち上流端30aから分岐点30cまでの配管(送液管に相当)を給液管305とも呼ぶ。供給ユニット20Bは、給液管305の内部を古い処理液で満たした状態を維持しつつ、第1タンク21a内の古い処理液を第1タンク排液管80を通じて排出する。より具体的な一例として、制御部90は、第1送液部31の停止状態および排液バルブ87の閉止状態を継続しつつ、排液バルブ81を開く。第1送液部31が停止し排液バルブ87が閉じているので、給液管305の内部の古い処理液は静止しており、給液管305の内部は古い処理液で満ちている。また排液バルブ81が開いているので、第1タンク21a内の古い処理液は第1タンク排液管80を通じて排出される。タンク排液工程は、ステップS1と同様に、例えば、第1タンク21a内の処理液の貯留量がほぼゼロになるまで行われる。制御部90が排液バルブ81を閉じることにより、タンク排液工程が終了する。
次に、供給ユニット20BはステップS2と同様に、タンク給液工程を開始する(ステップS22)。具体的には制御部90は給液バルブ64を開く。これにより、第1タンク21a内には新しい処理液が供給される。これにより、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。
供給ユニット20Bは、例えば第1タンク21a内の処理液の貯留量が第2規定量M2以上となると、ステップS3と同様に、配管処理液交換工程を行う(ステップS23)。第2規定量M2は、例えば、給液管305の容量以上に設定される。配管処理液交換工程では、供給ユニット20Bは、給液管305の内部を処理液で満たした状態を維持しつつ、第1タンク21a内の処理液を給液管305を通じて排出する。具体的には、制御部90は第1送液部31を作動させつつ排液バルブ87を開く。これにより、第1タンク21a内の新しい処理液が給液管305の上流端30aに流入しつつ、給液管305内に残留していた古い処理液がユニット排液管86を通じて排液部88に排出される。この排出により、給液管305内の処理液は、その上流側から順次に新たな処理液に交換される。そして、給液管305内に残留していた古い処理液がほぼ全て排出されると、給液管305の内部は新しい処理液で満たされる。なお、排液バルブ87が開いている限り、給液管305内の新しい処理液はユニット排液管86を通じて順次に排出され得る。
制御部90は、例えば配管処理液交換工程の開始時点から所定の交換時間t1が経過したときに、第1送液部31を停止させつつ排液バルブ87を閉じる。これにより、給液管305内の処理液の排出が終了する。つまり、配管処理液交換工程が終了する。交換時間t1は、例えば、給液管305内の古い処理液のほぼ全てを新たな処理液に交換するのに十分な時間であり、例えば予め設定される。
図23の例では、配管処理液交換工程およびその後においても給液バルブ64が開いている。よって、第1タンク21a内の処理液の貯留量は時間の経過とともに増加する。
タンク供給部60は、ステップS5と同様に、例えば第1タンク21a内の処理液の貯留量が第3規定量M3以上となったときに、第1タンク21aへの処理液の供給を停止する(ステップS24:タンク給液工程の終了)。具体的な一例として、制御部90は、第3液面センサ53が処理液の液面を検出したときに、給液バルブ64を閉じる。これにより、タンク給液工程が終了する。
以上のように、本交換処理の第8具体例によって、第1タンク21aおよび給液管305内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。また、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内に貯留された新たな処理液が給液管305を通じて排液部88に排出される。これにより、給液管305内に残留していた古い処理液を新しい処理液で押し出して排出し、給液管305内を新たな処理液で満たすことができる。つまり、給液管305の内部を処理液で満たした状態を維持しつつ、給液管305内の処理液が交換されるので、気体が給液管305内に混入しにくい。言い換えれば、給液管305内の混入する気体の量を低減しつつ、処理液を交換することができる。
配管処理液交換工程において、第1タンク21aから給液管305に処理液を常時供給することができれば、給液管305に混入する気体の量を最小化することができる。そこで、これを実現できるように、配管処理液交換工程の開始トリガとなる第2規定量M2、配管処理液交換工程において給液管305からユニット排液管86に流れる処理液の流量F1、および、第1タンク21aに供給される流量F2を、適宜に設定してもよい。
また、交換処理の第3具体例および第4具体例を供給ユニット20Bに適用しても構わない。
また上述の例では、配管処理液交換工程において、第1タンク21a内の処理液を給液管305およびユニット排液管86を通じて排出しているものの、必ずしもこれに限らない。例えば、処理液をノズル13から吐出してもよい。図24は、交換処理の第9具体例の各工程を示すタイミングチャートである。図24の例では、配管処理液交換工程において、第1送液部31が作動し、ユニット給液管30の給液バルブ34が開き、回収排液管24の排液バルブ25が開いている。この場合、第1タンク21a内の処理液がユニット給液管30の上流端30aに流入しつつ、給液管305内に残留していた古い処理液が処理ユニット10のノズル13に向かってユニット給液管30の内部を流れる。処理液はノズル13から吐出されて、回収管22および回収排液管24を通じて排出される。
これによっても、第1タンク21aからの新しい処理液を給液管305内に供給しながら、給液管305内の古い処理液を回収管22および回収排液管24を通じて排液部88に排出することができる。これにより、給液管305内に混入する気体の量を低減させつつも、給液管305内の古い処理液を新しい処理液に交換することができる。
以上のように、処理液の交換方法および基板処理装置100は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、この基板処理装置がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施の形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。