JP7373316B2 - ヤーン、グランドパッキン、及びヤーンの製造方法 - Google Patents

ヤーン、グランドパッキン、及びヤーンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヤーン、グランドパッキン、及びヤーンの製造方法に関する。
従来、ポンプ又はバルブ等の流体機器には、軸封部品であるグランドパッキンが備えられている。このようなグランドパッキンとしては、断面真円状の複数本のヤーン(編み糸)を編組したものが用いられる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のヤーンは、線材をニット編みしてなる筒状部材に、短冊状に形成された複数の充填材を充填して構成されている。筒状部材の線材は、その使用量を削減するため、筒状部材の軸線に対して所定角度で傾斜した編目が形成されるようにニット編みされている。
特開2016-98440号公報
前記ヤーンを編組して構成されたグランドパッキンは、流体機器のパッキンボックス内に装着された後、パッキンボックスに挿入されたパッキン押えにより軸方向に押圧されることで、流体機器内の被シール面をシールするようになっている。しかし、グランドパッキンを構成する複数本のヤーンは断面真円状に形成されているので、ヤーン同士が点接触により緩く絡み合った状態となり、グランドパッキンは外力が作用すると変形しやすい。このため、グランドパッキンがパッキン押えに押圧されると、グランドパッキンの一部(ヤーンを構成する線材や充填材)が、パッキンボックスとパッキン押えとの間に形成された隙間にはみ出す場合がある。このようなはみ出しが生じると、パッキン押えによるグランドパッキンの押圧力が不足し、シール性能が低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数本のヤーンを編組してなるグランドパッキンが押圧されても、ヤーンを構成する線材や充填材がはみ出すのを抑制できるようにすることを目的とする。
(1)本発明は、筒状部材と、当該筒状部材に充填された短冊状の複数の充填材と、を備え、前記筒状部材は、当該筒状部材の軸線に対して所定角度で傾斜した編目が形成されるように線材をニット編みして構成されているヤーンであって、前記ヤーンにおける前記軸線と直交する断面形状が扁平円状に形成されている、ヤーンである。
本発明のヤーンによれば、断面形状が扁平円状に形成されたヤーンを複数本編組させてグランドパッキンを構成することで、ヤーン同士が面接触して強く絡み合うため、グランドパッキン全体の強度を向上させることができる。これにより、グランドパッキンが押圧されても、ヤーンを構成する線材や充填材が隙間にはみ出すのを抑えることができる。その結果、グランドパッキンのシール性能が低下するのを抑制することができる。
(2)前記断面形状の扁平率は0.10以上0.60以下であるのが好ましい。
この場合、ヤーンを構成する線材や充填材が隙間にはみ出すのをさらに抑えることができる。その結果、グランドパッキンのシール性能が低下するのをさらに抑制することができる。
(3)他の観点からみた本発明は、前記(1)又は(2)に記載のヤーンが複数本編組されることによって構成されたグランドパッキンである。
本発明のグランドパッキンによれば、上記ヤーンと同様の作用効果を奏する。
(4)他の観点からみた本発明は、筒状部材に短冊状の複数の充填材を充填してなるヤーンの製造方法であって、前記筒状部材の軸線に対して所定角度で傾斜した編目が形成されるように線材をニット編みして前記筒状部材を形成しながら、当該筒状部材に前記複数の充填材を充填し、前記軸線と直交する断面形状が真円状に形成されたヤーン素材を得る工程と、前記ヤーン素材を一対のロール間に挟み込みながら通過させ、前記断面形状を扁平円状に変形させる工程と、を含むヤーンの製造方法である。
本発明のヤーンの製造方法によれば、ヤーン素材の断面形状を扁平円状に変形させてなるヤーンを複数本編組させてグランドパッキンを構成することで、ヤーン同士が面接触して強く絡み合うため、グランドパッキン全体の強度を向上させることができる。これにより、例えばパッキン押えによりグランドパッキンが押圧されても、ヤーンを構成する線材や充填材が隙間にはみ出すのを抑えることができる。その結果、グランドパッキンのシール性能が低下するのを抑制することができる。
また、本発明のヤーンの製造方法によれば、断面形状が真円状に形成されたヤーン素材を一対のロール間に挟み込みながら通過させることによって、前記断面形状を扁平円状に変形させるので、断面形状が扁平円状に形成されたヤーンを容易に製造することができる。
本発明によれば、複数本のヤーンを編組してなるグランドパッキンが押圧されても、ヤーンを構成する線材や充填材がはみ出すのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るグランドパッキンを備えた流体機器の一部を示す断面図である。 グランドパッキンを示す斜視図である。 ヤーンの一部を示す正面図である。 ヤーンを示す断面図である。 従来のヤーンと本実施形態のヤーンとを比較した表である。 ヤーンを製造する製造装置の一例を示す模式図である。 ロール機構の一例を示す模式図である。 図1のB部拡大図である。 評価試験の試験結果を示すグラフである。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[グランドパッキンの構成]
図1は、本発明の実施形態に係るグランドパッキンを備えた流体機器の一部を示す断面図である。流体機器は、例えばポンプ又はバルブ、ドレッサージョイント等であり、パッキンボックス1と、パッキンボックス1内に配置された軸2と、パッキンボックス1と軸2との間をシールする複数のグランドパッキン3とを備えている。
軸2は、パッキンボックス1に対して、軸2の軸線C回りに回転したり、軸方向に往復移動したりするようになっている。なお、本実施形態の流体機器では、軸2の軸線Cを鉛直方向に配置しているが、当該軸線Cを水平方向に配置してもよい。
複数のグランドパッキン3は、それぞれ環状に形成されており、パッキンボックス1内に形成された環状空間Aにおいて軸方向に並べて配置されている。環状空間Aは、パッキンボックス1の大気側の内周面1a及び段差面1bと、軸2の外周面2aとによって区画形成されている。
複数のグランドパッキン3は、環状空間Aの大気側(図1の上側)に配置されたパッキン押え4により機内側(図1の下側)に押圧されている。パッキン押え4は、円筒状に形成されており、円環状のフランジ部4aを有している。フランジ部4aには、周方向に複数(図1では1個のみ図示)のボルト5が軸方向に貫通しており、これらの各ボルト5は、パッキンボックス1の大気側の端面に形成されたねじ孔6に螺合されている。
パッキン押え4は、ボルト5を締め付けることで機内側へ移動し、各グランドパッキン3を機内側に押圧する。そうすると、各グランドパッキン3が軸方向に押し潰され、各グランドパッキン3の外周面3a及び内周面3bは、径方向に対向するパッキンボックス1の内周面1a及び軸2の外周面2aにそれぞれ密着する。これにより、各グランドパッキン3は、流体機器内の被密封流体が大気側へ漏れるのを防いでいる。
図2は、グランドパッキン3を示す斜視図である。グランドパッキン3は、芯材11の周りで複数本のヤーン12を編組してなる紐状部材3’を環状に丸めて圧縮成形することによって構成されている。これにより、グランドパッキン3は、断面形状が矩形で全体形状が環状に形成されている。
[ヤーンの構成]
図3は、ヤーン12の一部を示す正面図である。ヤーン12は、筒状部材13と、筒状部材13に充填された複数の充填材14とを備えている。充填材14は、例えば膨張黒鉛材からなり、筒状部材13に収容するために短冊状に形成されている。ヤーン12は、充填材14の長手方向を筒状部材13の軸方向に沿わせた状態で、複数の充填材14を筒状部材13に充填することにより構成されている。
筒状部材13は、編目15が形成されるように線材16をニット編みして構成されている。線材16としては、例えば、ステンレス線等の鉄を主成分とする合金等から構成される金属線が用いられる。線材16は、ニット編みされることにより、円弧状に形成された複数の円弧部16aと、各円弧部16aの両端から直線状に延びる直線部16bとを有している。
円弧部16aは、筒状部材13の周方向において螺旋状に連続して複数配置されており、周方向に隣り合う円弧部16a同士は、互いに突出方向が逆向きとなるように配置されている。直線部16bは、筒状部材13の周方向において所定間隔をあけて螺旋状に配置されている。
編目15は、周方向に隣り合う一対の直線部16bと、これら直線部16bの長手方向の一方端同士を連結する円弧部16aと、これら直線部16bの長手方向の他方端を跨いで配置された他の円弧部16aとによって形成されている。これにより、筒状部材13には、その周方向において螺旋状に連続して配置された複数の編目15が形成されており、これらの編目15は概ね均一の大きさに形成されている。
各編目15の長手方向に延びる中心線Kは、筒状部材13の軸線Pに対して所定角度θをなしており、各編目15は、筒状部材13の軸線Pに対して所定角度θで傾斜して形成されている。この構成により、各編目15は、筒状部材13に充填された充填材14に対して傾斜した状態に配置されるので、充填材14の長手方向の端部が全体的に編目15から筒状部材13の外部に露出しにくくなる。
図4は、ヤーン12を示す断面図である。なお、図4では、充填材14の図示を省略している。ヤーン12における筒状部材13の軸線Pと直交する断面形状は、扁平円状に形成されている。なお、ヤーン12の前記断面形状は、図4に示す形状に限定されるものではなく、扁平円状であれば楕円状等の他の形状に形成されていてもよい。
ヤーン12の断面形状の扁平率δは、ヤーン12の厚み(短半径)t、及びヤーン12の幅(長半径)wを用いて、下記の計算式で表すことができる。
δ=t/w
扁平率δは、0.90以下に設定されるのが好ましく、0.10以上0.60以下に設定されるのがより好ましく、0.25以上0.50以下に設定されるのがさらにより好ましい。
図5は、断面形状が真円状に形成された従来のヤーンと、断面形状が扁平円状に形成された本実施形態のヤーン12とを比較した表である。図5に示すように、ヤーンの断面形状が従来の真円状の場合、複数本のヤーンを編組してグランドパッキン等を成形するときにヤーン同士は点接触して緩く絡み合った状態となる。これに対して、本実施形態のようにヤーン12の断面形状が扁平円状の場合、複数本のヤーン12を編組してグランドパッキン3等を成形するときにヤーン12同士が面接触し、断面形状が真円状のヤーン同士が点接触するよりも接触面積が大きくなるので、複数本のヤーン12は、編組された状態で、従来のヤーンよりも強く絡み合った状態となる。
[ヤーンの製造装置]
図6は、ヤーン12を製造する製造装置の一例を示す模式図である。この製造装置30は、供給機構31、搬送機構32、切断機構33、案内供給機構34、編み機35、ロール機構36、及び制御部37を備えている。
供給機構31は、リール41を有している。リール41は、回転軸43に回転自在に設けられている。リール41の外周面には、所定の幅を有するシート状部材(帯状の膨張黒鉛シート)42が巻回されている。図6に示す矢印A方向にリール41を回転させると、これに巻回されたシート状部材42が徐々に引き出されるようになっている。
搬送機構32は、供給機構31と切断機構33との間に配置されており、一対のローラ45,46と、搬送駆動部47とを備えている。一対のローラ45,46は、供給機構31から引き出されたシート状部材42の一部を上下から挟持できるように配置されている。搬送駆動部47は、一対のローラ45,46のうちの少なくとも一方を回転駆動させるように構成されている。これにより、搬送駆動部47により回転駆動された一対のローラ45,46は、両者の間で挟持しているシート状部材42を引っ張り、リール41から引き出されたシート状部材42を切断機構33に向かって送り出す。
切断機構33は、切断刃50と、切断駆動部51と、受台52とを有している。切断刃50は、シート状部材42をその搬送方向と略直交する平面で切断できるように構成されている。切断駆動部51は、切断刃50を上下方向に往復移動させるように構成されている。受台52は、切断刃50の下方に配置されている。切断駆動部51により切断刃を往復移動させると、搬送駆動部47により送り出されたシート状部材42の端部が切断され、当該端部から短冊状の充填材14が形成される。
案内供給機構34は、漏斗55を有している。漏斗55は、その大径側の開口部56を上向きにして受台52の下方に配置されている。漏斗55の小径側の開口部57は、編み機35の上面に形成された投入口58に挿入されている。これにより、切断機構33で形成された充填材14は、漏斗55によって充填材14の長手方向が上下方向を向いた状態で編み機35に案内供給される。
編み機35は、図示しない複数の編針を備えており、これらの編針により線材16をニット編みして筒状部材13を形成するように構成されている。編み機35は、筒状部材13における軸線Pと直交する断面形状が真円状となるように線材16をニット編みする。
編み機35は、筒状部材13の上端開口が漏斗55の開口部57の真下で保持されるように線材16のニット編みを続け、筒状部分(筒状部材13の一部)を形成しながら下方へ送り出す。これにより、編み機35は、軸方向の長さが所定寸法となる筒状部材13をかたちづくる。
その際、案内供給機構34により編み機35の投入口58に案内された充填材14は、筒状部材13の形成途中の段階から、筒状部材13の上端開口からその内部に順次投入される。これにより、筒状部材13に複数の充填材14が充填して構成されたヤーン素材59が形成される。ヤーン素材59は、軸方向の長さが所定寸法とされ、筒状部材13の軸線Pと直交する断面形状が真円状に形成されたものである。
図7は、ロール機構36の一例を示す模式図である。ロール機構36は、ヤーン素材59の断面形状を真円状から扁平円状に変形させてヤーン12を形成するように構成されている。具体的には、ロール機構36は、第1ロール61と、第2ロール62と、リンク部63とを有している。
第1ロール61は、回転駆動軸64に回転自在に支持されており、第1ロール61の外周面には、ヤーン素材59の長手方向の一部が巻き付けられる。第2ロール62は、第1ロール61に隣接する位置において、図中の上下方向に延びて形成されたリンク部63の下端部に固定されている。
リンク部63の中央部は、固定軸65に対して揺動自在に支持されている。リンク部63の上端部には、連結棒66の一端部が連結されている。連結棒66の他端側には図示しない錘が取り付けられている。このため、リンク部63は、前記錘の荷重により固定軸65を中心として図中の反時計回り方向に揺動するように付勢されている。
上記構成により、第2ロール62の外周面の一部は、第1ロール61に巻き付けられたヤーン素材59を常に第1ロール61側に強く押し付ける押し付け面62aとして機能する。したがって、第1ロール61にヤーン素材59を巻き付けた状態で回転駆動軸64を図中の時計回り方向に回転させると、ヤーン素材59は、第1ロール61の外周面と第2ロール62の押し付け面62aとの間で強く挟み込まれながら通過する。これにより、ヤーン素材59の前記断面形状を真円状から扁平円状に変形させることができる。
図6等に示すように、制御部37は、搬送機構32の搬送駆動部47、切断機構33の切断駆動部51、編み機35、及びロール機構36の回転駆動軸64の各駆動を制御するように構成されている。
以上のように構成された製造装置30では、編み機35において、線材16をニット編みして筒状部材13を形成しながら当該筒状部材13に複数の充填材14を充填し、筒状部材13の軸線Pと直交する断面形状が真円状に形成されたヤーン素材59を得る工程が行われる。そして、ロール機構36において、ヤーン素材59を第1ロール61と第2ロール62との間に挟み込みながら通過させることで、ヤーン素材59における前記軸線Pと直交する断面形状を扁平円状に変形させる工程が行われる。これにより、ヤーン12を製造することができる。
なお、ロール機構36は、ヤーン素材59を一対のロール間に挟み込みながら通過させて扁平円状の断面形状に変形させるものであれば、本実施形態に限定されるものではない。また、製造装置30は、ロール機構36を備えていなくてもよい。この場合、製造装置30により一旦、真円状のヤーン素材59を製造したのち、製造装置30とは別に設けたロール成形装置等にてヤーン素材59を扁平円状に変形させてもよい。
[評価試験]
図8は、図1のB部拡大図である。本発明者らは、本実施形態のグランドパッキン3により得られる効果を検証するための評価試験を行った。図1及び図8に示すように、本評価試験では、流体機器のパッキンボックス1内にグランドパッキン3を配置し、パッキン押え4により一定の締付圧力でグランドパッキン3を押圧したときに、軸2の外周面2aとパッキン押え4との間に形成された隙間7にはみ出したグランドパッキン3のはみ出し高さhを測定した。
本評価試験では、隙間7の幅寸法dが0.3mm、0.5mm、及び1.0mmとなる3種類の流体機器それぞれにおいて試験を行った。そして、各流体機器には、断面形状が真円状のヤーンからなる従来のグランドパッキンを装着した場合と、断面形状が扁平円状のヤーン12からなる本実施形態のグランドパッキン3を装着した場合のそれぞれについて試験を行った。他の試験条件は以下の通りである。
パッキン押え4の締付圧力:80N/mm
本実施形態のグランドパッキン3を構成するヤーン12の扁平率δ:0.4
図9は、上記評価試験の試験結果を示すグラフである。図9に示すように、隙間7の幅寸法dが0.3mm、0.5mm、及び1.0mmのいずれの場合においても、はみ出し高さhは、断面形状が扁平円状のヤーン12からなる本実施形態のグランドパッキン3のほうが、断面形状が真円状のヤーンからなる従来のグランドパッキンよりも低い値を示している。しかも、前記幅寸法dが大きくなるほど、本実施形態のグランドパッキン3と従来のグランドパッキンとのはみ出し高さhの差が大きくなっている。
以上の試験結果により、本実施形態のグランドパッキン3は、上述のように従来のグランドパッキンに比べてヤーン12同士が強く絡み合うことで、パッキン押え4に押圧されても隙間7へのはみ出しを抑制できるのが分かる。そして、その抑制効果は、隙間7の幅寸法dが大きくなるほど顕著に表れることが分かる。
[作用効果]
本実施形態によれば、断面形状が扁平円状に形成されたヤーン12を複数本編組させてグランドパッキン3を構成することで、ヤーン12同士が面接触して強く絡み合うため、グランドパッキン3全体の強度を向上させることができる。これにより、グランドパッキン3がパッキン押え4により押圧されても、ヤーン12を構成する線材16や充填材14が隙間7にはみ出すのを抑えることができる。その結果、グランドパッキン3のシール性能が低下するのを抑制することができる。なお、言うまでもないが、上記実施形態のグランドパッキン3は、軸2の外周面2aとパッキン押え4との間に形成された隙間7へのはみ出しだけでなく、パッキンボックス1の内周面1aとパッキン押え4との間に形成された隙間へのはみ出しも抑えることができる。
また、ヤーン12の断面形状の扁平率が0.1以上0.6以下にすることで、ヤーン12を構成する線材16や充填材14が隙間7にはみ出すのをさらに抑えることができる。その結果、グランドパッキン3のシール性能が低下するのをさらに抑制することができる。仮に、前記扁平率が0.1未満になると、線材16を必要以上に潰す必要がり、その結果、充填材14が線材16からはみ出す。また、前記扁平率が0.6を超えると、ヤーン12の断面形状が真円に近くなるので、ヤーン12同士が点接触になり、グランドパッキン3のシール性能を満足しない。
また、本実施形態のヤーン12の製造方法によれば、ロール機構36において、断面形状が真円状に形成されたヤーン素材59を第1ロール61と第2ロール62との間に挟み込みながら通過させることによって、ヤーン素材59の断面形状を扁平円状に変形させるので、断面形状が扁平円状に形成されたヤーン12をさらに容易に製造することができる。
[その他]
上記実施形態のヤーン12を構成する充填材14は、膨張黒鉛材以外の他の材質(例えば、セラミックファイバー等の無機繊維)により構成されていてもよい。また、筒状部材13を構成する線材16は、金属線以外に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂、コットンなどの有機繊維、セラミック、ガラスなどの無機繊維等により構成されていてもよい。また、グランドパッキン3は、上記実施形態のヤーン12を複数本編組して構成されるものであれば、上記実施形態に限定されるものではない。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
3 グランドパッキン
12 ヤーン
13 筒状部材
14 充填材
15 編目
16 線材
59 ヤーン素材
61 第1ロール(ロール)
62 第2ロール(ロール)
P 軸線
θ 所定角度

Claims (4)

  1. 筒状部材と、当該筒状部材に充填された短冊状の複数の充填材と、を備え、
    前記筒状部材は、当該筒状部材の軸線に対して所定角度で傾斜した編目が形成されるように線材をニット編みして構成されているヤーンであって、
    前記ヤーンにおける前記軸線と直交する断面形状が扁平円状に形成され
    前記断面形状の扁平率は0.10以上0.60以下である、ヤーン。
  2. 請求項1記載のヤーンが複数本編組されることによって構成されたグランドパッキン。
  3. 筒状部材に短冊状の複数の充填材を充填してなるヤーンの製造方法であって、
    前記筒状部材の軸線に対して所定角度で傾斜した編目が形成されるように線材をニット編みして前記筒状部材を形成しながら、当該筒状部材に前記複数の充填材を充填し、前記軸線と直交する断面形状が真円状に形成されたヤーン素材を得る工程と、
    前記ヤーン素材を一対のロール間に挟み込みながら通過させ、前記断面形状を、扁平率が0.10以上0.60以下の扁平円状に変形させる工程と、を含むヤーンの製造方法。
  4. 前記変形させる工程では、前記一対のロールのうち、一方のロールの外周面に前記ヤーン素材の一部を巻き付け、他方のロールの外周面により前記ヤーン素材の一部を前記一方のロール側に押し付けながら、前記一方のロールを回転させることで、前記ヤーン素材を前記一対のロール間に挟み込みながら通過させる、請求項に記載のヤーンの製造方法。
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