JP7372887B2 - 開閉体制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1においては、主に、バックドア(開閉体)を開閉駆動させるドア開閉装置(駆動部)、バックドアに設けられたストライカと係合して当該バックドアを閉状態に保持する施錠動作と、ストライカとの係合状態を開放してバックドアの開閉動作を可能にする解錠動作とを行うドアラッチ装置(ラッチ機構)、及びこれらのドア開閉装置やドアラッチ装置の動作を制御する電子制御装置(制御装置)などを備えるドア開閉制御システム(開閉体制御装置)が開示されている。
また、ラッチ機構は、施錠動作の完了後、閉端に到達したセクタギアを開端側に向かって中立位置検知手段が検知するまで回動させて、当該セクタギアを中立位置に復帰させる。
例えば、前述した特許文献1におけるドア開閉制御システム(開閉体制御装置)においては、施錠動作の完了後、閉端(施錠位置)に位置するセクタギアを中立位置に復帰させる際に中立位置検出SW(中立位置検知手段)が故障していた場合、以下のような制御を実行することで、セクタギアを中立位置に復帰させることとしている。
即ち、中立位置検出SWの故障によって検出されずに、中立位置を通過したセクタギアは、引き続き開端(解錠位置)まで一旦回動された後、再び閉端側に向かって回動され、中立位置近傍の位置であって、前述したリリースレバー(ラチェット)がラッチを係止した状態(ハーフラッチ状態)となる位置にて一時的に停止する。この際、セクタギアが開端まで回動されることで、閉状態にあったバックドアは、一旦開状態となる。
また、その一方において、セクタギアが開端に到達したタイミングをもって、前述したドア開閉装置(駆動部)の閉動作を開始し、セクタギアが開端まで回動されることで開状態となったバックドアを、再び閉状態に戻す。
また、セクタギアが閉端側への回動を再開した後、バックドアは直ちに閉状態となるとともに、リリースレバーとラッチとの係止状態(フルラッチ状態)が保持され、ドア開閉装置の閉動作を停止する。
しかしながら、上記のようなドア開閉制御システムでは、中立位置を通過したセクタギアが開端まで回動される際、施錠動作の完了によって閉状態となっていたバックドアが、一時的に開状態となる。
従って、ユーザ側から見れば、バックドアの施錠動作の完了後、意図せず不意に当該バックドアが開くこととなるため、たとえ中立位置検知手段が故障していた場合であっても、このようなバックドアの一時的な開状態を伴うことなく、閉端に位置するセクタギアの中立位置への復帰を可能とする、さらなる技術が望まれていた。
即ち、本発明に係る開閉体制御装置によれば、セクタギアが中立位置に位置することを検知する中立位置検知手段が故障していた場合であっても、開閉体の施錠動作の完了後、開閉体の一時的な開状態を伴うことなく、セクタギアを中立位置に復帰させることができる。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1、図3乃至図6に示した矢印の方向によって、車両100、またはラッチ機構3の上下方向、前後方向、左右方向を規定して記述する。
先ず、開閉体制御装置1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態における開閉体制御装置1は、駆動モータを備える駆動部によって、対象物である開閉体を、所定方向に移動させて開閉する装置である。
このような開閉体制御装置1の一例として、例えば図1に示すような、車両100の車体101において、後背面の開口部101aを開閉するバックドア102を開閉体とし、当該バックドア102を上下方向に移動(回動)させるバックドア開閉装置が挙げられる。
また、開閉体制御装置1は、例えば、店舗やガレージ等の構造物に設置されるシャッター、引き戸、開き扉、或いは、構造物正面の開口の上方に配置される折り畳み式の庇等を開閉体とする開閉装置としても採用することができる。
即ち、本発明の実施形態である開閉体制御装置1は、上述したような、バックドア102を開閉させるバックドア開閉装置に限定されるものではなく、移動対象物である物品または構造を、上下方向、左右方向、または斜め方向に移動させる、様々な装置に適用することが可能である。
一方、駆動部2は、車体101の天井部であって、当該ヒンジ103の近傍に設けられており、旋回アーム21やリンクアーム22等によって構成されるリンク機構を介して、バックドア102に連結されている。
例えば、駆動部2の別実施形態として、軸方向の一方側に配置される駆動本体部、及び軸方向の他方側に配置され、当該駆動本体部から出没可能に設けられる進退部などにより構成された、伸縮可能な棒状のアクチュエータなどを採用してもよい。
また、車体101の左右両側、且つヒンジ103の近傍に、2基の駆動部2をそれぞれ配置することとしてもよく、或いは、当該2基の駆動部2の何れか一方を、ダンパー機構等によって代替することとしてもよい。
また、ラッチ機構3は、ラッチ駆動モータ34(図3を参照)を備え、当該ラッチ駆動モータ34によってラッチ31(図4を参照)を変位させることにより、ストライカ104との係合状態を開放し、バックドア102を開動作可能な状態とする。
つまり、ラッチ機構3は、ストライカ104と係合し、バックドア102を閉状態に保持する施錠動作、及びストライカ104を開放し、駆動部2によるバックドア102の開閉動作を可能とする解錠動作を行う。
制御装置4は、図2に示すように、駆動部2及びラッチ機構3と、配線等を介して電気的に接続されており、例えば、車体101(図1を参照)後部の車内側に配置される。
また、制御装置4は、開操作部5及び閉操作部6と、配線等を介して電気的に接続されている。
その結果、開操作部5からの指示信号を受信した制御装置4は、駆動部2に電気信号を送信してPBDモータ23を駆動させ、バックドア102を開方向に移動(回動)させる。
その結果、閉操作部6からの閉動作信号を受信した制御装置4は、駆動部2に電気信号を送信してPBDモータ23を駆動させ、バックドア102を閉方向に移動(回動)させる。
また、演算処理部41は、各種判定処理を実行する判定処理部41a、並びに駆動部2及びラッチ機構3の各駆動制御を実行する駆動制御部41bなどを備える。
また、制御装置4は、バックドア102の開閉操作の指示信号を、開操作部5または閉操作部6から受信する。
これにより、制御装置4は、これらの受信した各信号をもとにして、PBDモータ23及びラッチ駆動モータ34を適宜制御し、バックドア102の開閉動作を制御する。
次に、ラッチ機構3の構成について、図3、図4、及び図6を用いて具体的に説明する。
ラッチ機構3は、図3に示すように、主にラッチ31、ラチェット32(図4を参照)、セクタギア33、駆動源であるラッチ駆動モータ34、並びに、これらラッチ31、ラチェット32、及びセクタギア33の状態を各々検出する検出スイッチ群60等を有する。
ラッチ31は、図4に示すように、例えば、外周部の一部に凹状の係合溝31A1が設けられた略「C」字状の板状部材からなるラッチ本体部31A、ラッチ本体部31Aの平面中央部において直交方向に貫設されるラッチ軸部31B、及びラッチ本体部31Aの平面部であって、ラッチ軸部31Bに対して係合溝31A1側との対向側において、ラッチ本体部31Aの外縁に沿って突設されるラッチカム部31Cなどにより構成される。
その結果、ロアカバー50のストライカ案内溝50bは、ラッチ31の係合溝31A1によって隔絶されることとなり、当該係合溝31A1内において、ストライカ104は、ラッチ31によって係合される。
ラチェット32は、例えば、略「L」字状の板状部材からなるラチェット本体部32A、ラチェット本体部32Aの平面中央部において直交方向に貫設されるラチェット軸部32B、ラチェット本体部32Aの一端部に設けられる掛止部32C、及びラチェット本体部32Aの他端部において当該ラチェット軸部32Bと平行に突出する突起部32Dなどにより構成される。
また、ラチェット32は、ロアカバー50の上面において、ストライカ案内溝50bを間に挟んで、ラッチ31と隣接して配置されるとともに、ラチェット軸部32Bの軸方向を上下方向としつつ、掛止部32Cをラッチ31側に向け、且つ突起部32Dを上方に突出させた状態で、当該ラチェット軸部32Bを中心として回動可能に設けられる。
また、ラッチ31がフルラッチ位置Pb3(図6(c)を参照)まで回動した状態において、ラチェット32は、掛止部32Cを介して、ラッチ本体部31Aのフルラッチ掛止部31A3と掛合し、上記と同じく、第一捩じりコイルばね51の付勢力によるラッチ31の回動動作を制限する。
その結果、上述したようなラッチ31とラチェット32との掛合状態が開放され、ラッチ31は、ラッチ軸部31Bを中心として回動可能な状態となる。
セクタギア33は、例えば、略扇形状の板状部材からなるセクタギア本体部33A、並びにセクタギア本体部33Aの平面部において、中心角部の近傍に直交方向に貫設されるセクタギア軸部33B、及び円弧部の近傍に突出して設けられるセクタカム部33Cなどにより構成される。
その結果、回動されたリリースレバー38は、レバー部32Eを介して、ラチェット32を上記の解除方向に回動させる。
ここで、「中立位置Pa1」とは、後述する施錠位置Pa2と解錠位置Pa3との間に位置するセクタギア33の回動位置であって、当該セクタギア33が、ラッチ31及びラチェット32の何れをも回動させない待機位置を意味する。
ここで、「ハーフラッチ位置Pb2」とは、バックドア102(図1を参照)が完全な閉状態となる手前の段階であって、ラッチ31によってストライカ104を係合可能な状態(所謂半ドア状態)とする回動位置を意味する。
ここで、「フルラッチ位置Pb3」とは、バックドア102が完全な閉状態となる段階であって、ハーフラッチ位置Pb2を通過して、ラッチ31によってストライカ104を係合可能な状態とする回動位置を意味する。
具体的には、ラチェット検出SW64は、ハーフラッチ位置Pb2またはフルラッチ位置Pb3に到達したラッチ31を、ラチェット32が掛止した状態であるか否かを検知するための、検知手段である。
次に、バックドア102の開閉動作を行う際の、ラッチ機構3の動作手順について、図5及び図6を用いて説明する。
先ず始めに、図5(a)に示すように、例えば、制御装置4(図2を参照)からの指示信号を、ラッチ駆動モータ34(図3を参照)が未だ受信していない初期状態において、セクタギア33は通常、中立位置Pa1にて停止した状態となっている。
この状態において、セクタピン37は、ラッチピン36とリリースレバー38との間に位置し、これら両部材36・37の何れとも当接していない。
ここで、「アンラッチ位置Pb1」とは、ストライカ104がストライカ案内溝50bから離脱可能な状態となる、ラッチ31の回動位置を意味する。
また、ラチェット検出SW64は、突起部32Dによる押圧状態から開放された状態にあり、ON状態となっている。
これにより、ラッチ31は、ストライカ104と係合した第一の係合状態となるハーフラッチ位置Pb2にて停止し、ラチェット32によって開放方向への回動動作を規制された状態となる。
その結果、バックドア102は、完全な閉状態となる手前の段階である、所謂半ドア状態に保持された状態となる。
また、ラチェット32が掛止部32Cを介してラッチ本体部31Aのハーフラッチ掛止部31A2と掛合すると、ラチェット検出SW64は、突起部32Dによる押圧状態から再び開放された状態となり、ON状態に切り替る。
具体的には、図5(a)において、制御装置4は、ラッチ駆動モータ34(図3を参照)に指示信号を送信し、ピニオンギア39を所定側(以下、「正転側」と記載する)に回転駆動させて、セクタギア33をラッチ31側(以下、「施錠側」と記載する)に向って回動させる。
その後、さらにセクタギア33の回動動作が進むと、ラッチ31は、セクタピン37によってラッチピン36を押されながら、第一捩じりコイルばね51の付勢力に抗して、再び徐々に係合方向に回動されるとともに、ラチェット32は、ラッチ本体部31A(図6(b)を参照)の上記外縁部に形成される第二湾曲部31A5に沿って掛止部32Cを摺動させながら、第二捩じりコイルばね52の付勢力に抗して、再び徐々に解除方向に回動される。
これにより、ラッチ31は、ストライカ104と係合した第二の係合状態となるフルラッチ位置Pb3にて停止し、ラチェット32によって開放方向への回動動作を規制された状態となる。
その結果、バックドア102は、完全な閉状態に保持された施錠状態となる。
また、ラチェット32が掛止部32Cを介してラッチ本体部31Aのフルラッチ掛止部31A3と掛合すると、ラチェット検出SW64は、突起部32Dによる押圧状態から再び開放された状態となり、ON状態に切り替る。
その結果、図5(b)に示すように、セクタギア33は、施錠位置Pa2にて停止した状態となる。
ここで、「施錠位置Pa2」とは、ラッチ31をラッチ位置(より具体的には、フルラッチ位置Pb3)に保持した状態となる、セクタギア33の回動位置を意味する。
具体的には、制御装置4は、再びラッチ駆動モータ34に指示信号を送信し、ピニオンギア39を、正転側との反対側(以下、「逆転側」と記載する)に回転駆動させて、セクタギア33をラチェット32側(以下、「解錠側」と記載する)に向って回動させる。
これにより、ラッチ機構3による施錠動作が終了し、バックドア102の閉動作が完了する。
即ち、バックドア102の開動作を行う場合、図6(c)に示すように、ラッチ31は、初期状態としてフルラッチ位置Pb3にて停止した状態となっており、係合溝31A1によってストライカ104が係合された状態となっている。
つまり、ラッチ31は、ラチェット32によって開放方向への回動動作を規制された状態となっている。
また、ラチェット検出SW64は、ラチェット32の突起部32Dによる押圧状態から開放された状態にあり、ON状態となっている。
具体的には、制御装置4は、ラッチ駆動モータ34に指示信号を送信し、ピニオンギア39を逆転側に回転駆動させて、セクタギア33を解錠側に向って回動させる。
その後、さらにセクタギア33の回動動作が進むと、リリースレバー38は、セクタピン37によって押されながら、レバー軸部38Aを中心として所定側に回動される。
その結果、ラチェット32は、リリースレバー38の下端部によってレバー部32Eを押されながら、第二捩じりコイルばね52の付勢力に抗して、徐々に解除方向に回動される。
また、ラッチ31の当該回動動作に伴い、フルラッチ位置検出SW63及びハーフラッチ位置検出SW62は、ラッチカム部31Cによって順に押圧されてON状態に切り替る。
これにより、ストライカ104は、ストライカ案内溝50bから離脱可能な状態となり、ラッチ機構3によるストライカ104の施錠状態を開放し、バックドア102の開閉動作を可能とする解錠状態となる。
その結果、図5(c)に示すように、セクタギア33は、解錠位置Pa3にて停止した状態となる。
ここで、「解錠位置Pa3」とは、ラチェット32による回動動作の規制からラッチ31を開放し、当該ラッチ31をアンラッチ位置Pb1に変位可能な状態とする、セクタギア33の回動位置を意味する。
具体的には、制御装置4は、再びラッチ駆動モータ34に指示信号を送信し、ピニオンギア39を正転側に回転駆動させて、セクタギア33を施錠側に向って回動させる。
また、リリースレバー38の回動動作が停止することにより、セクタギア33は、セクタピン37をリリースレバー38から離して、さらに施錠側に向って回動する。
これにより、ラッチ機構3による解錠動作が終了し、バックドア102の開動作が完了する。
次に、中立位置検出SW61が故障している状況下において、バックドア102の閉動作を行う場合の動作手順について、図5乃至図8を用いて説明する。
先ず始めに、図7に示すように、中立位置検出SW61は故障しており、ラッチ機構3の各動作(後述するイベントE01~E06)に関わることなく、常にON状態となっている。
なお、中立位置検出SW61の故障状況については、本実施形態に限定されるものではなく、ラッチ機構3の各動作に関わることなく、常にOFF状態となる場合であってもよい。
従って、図7に示すように、ハーフラッチ位置検出SW62及びフルラッチ位置検出SW63は、ともにON状態となっており、ラチェット検出SW64も、ON状態となっている。
また、ラッチ31の回動動作に伴い、ラチェット32は、解除方向へと回動される。
また、ラチェット検出SW64がOFF状態に切り替るのと略同時に、ラッチ31のラッチカム部31Cは、ハーフラッチ位置検出SW62から離脱する。これにより、ハーフラッチ位置検出SW62は、OFF状態に切り替る。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、ラッチ機構3とストライカ104を嵌合させることで、バックドア102の施錠動作を行うための閉状態(CLOSE状態)となる。
その結果、図6(b)に示すように、ラチェット32の掛止部32Cは、ラッチ本体部31Aの第一湾曲部31A4を乗り越えて、ハーフラッチ掛止部31A2を掛止した状態となり、ラチェット検出SW64がON状態に切り替る。
その結果、ラチェット32は、再び解除方向に回動され、ラチェット検出SW64が、OFF状態に切り替る。
また、ラチェット検出SW64がOFF状態に切り替るのと略同時に、ラッチ31のラッチカム部31Cは、フルラッチ位置検出SW63から離脱する。これにより、フルラッチ位置検出SW63は、OFF状態に切り替る。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、停止状態(OFF状態)となる。
これにより、ラッチ機構3による施錠動作が完了し、イベントE01が終了するとともに、続いて、所定の待ち時間(タイムラグ)であるイベントE02が経過した時間t3のタイミングによって、イベントE03が実行される。
具体的には、制御装置4は、時間t3のタイミングをもって、当該ラッチ駆動モータ34に指示信号を送信し、セクタギア33を解錠側(図8を参照)に向って回動させる。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、ラッチ機構3を解錠させることで、バックドア102の解錠動作を行うための開状態(OPEN状態)となる。
例えば、常に中立位置検出SW61がOFF状態であることで異常判定を行った際は、次に中立位置検出SW61のON状態が検出されるまで異常と判定し続ける。
従って、上記中立復帰動作において、セクタギア33は、中立位置Pa1にて回動動作を停止することなく、当該中立位置Pa1を解錠側に向って通過することとなる。
そして、制御装置4は、中立位置検出SW61が異常状態であると判断すると、セクタギア33の回動動作を停止させることなく、引続きイベントE04を実行し、当該セクタギア33の回動動作を継続する(即ち、セクタギア33の中立位置Pa1への復帰操作を再度試みる「リトライ動作」を開始する)。
このような場合、時間t4が経過する前(イベントE03が完了する前)であっても、中立位置Pa1を通り越し、その結果として、解錠位置Pa3まで到達したにも関わらず、中立位置検出SW61が、ON状態からOFF状態に切り替ることがなかったとして、イベントE03が完了しなくても、イベントE04が完了した時点で「中立位置検出SW61が異常状態である(故障している)」と判断する。
つまり、PBDモータ23の動作状態は、バックドア102の閉動作を行うための閉状態(CLOSE状態)となる。
これにより、ラッチ31は、ストライカ104を介してフルラッチ位置Pb3に保持された状態となり、ハーフラッチ位置検出SW62及びフルラッチ位置検出SW63は、ともにOFF状態を保持される。
また、上述のように常に時間t3もしくは所定時間(t3+Δt)のタイミングから、PBDモータ23を閉状態に回動させてもよく、前述の異常判定プログラムが異常状態の判定を判定状態が継続している時にのみPBDモータ23を閉状態に回動させてもよい。
これにより、ラチェット検出SW64は、OFF状態に切り替る。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、停止状態(OFF状態)となる。
これにより、イベントE04が終了し、続いて、所定の待ち時間(タイムラグ)であるイベントE05が経過した時間t6のタイミングによって、イベントE06が実行される。
従って、イベントE04において、セクタギア33が施錠位置Pa2から解錠位置Pa3まで回動されることにより、意図せず不意にバックドア102が開くことはない。
即ち、セクタギア33の回動動作によってラチェット32が解除方向に回動され、ラッチ31が、当該ラチェット32による回動動作の規制から解放された状態となっても、上述したように、PBDモータ23によるバックドア102の閉動作が依然として継続された状態にあるため、ラッチ31は、ストライカ104からの押力により、引き続き相対的に閉方向に力を受け続けることになり、開方向に回動しないため、通常の場合と異なり、フルラッチ位置検出SW63及びハーフラッチ位置検出SW62はOFF状態のままとなるためである。
なお、上記の中立復帰時間Tは、後述するイベントE06によるリトライ動作を実行する際に用いられるリトライ時間である。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、再び閉状態(CLOSE状態)となる。
これにより、ラチェット検出SW64は、ON状態に切り替る。
つまり、ラッチ駆動モータ34の動作状態は、停止状態(OFF状態)となる。
つまり、PBDモータ23の動作状態は、停止状態(OFF状態)となる。
具体的には、中立位置Pa1を通過したセクタギア33を、解錠位置Pa3まで一旦回動させ(イベントE04)、その後、所定の中立復帰時間(リトライ時間)Tが経過するまでの間、解錠位置Pa3から施錠位置Pa2に向かって回動させる(イベントE06)リトライ動作を行うこととしている。
また、セクタギア33が施錠位置Pa2に到達し、通常の中立復帰動作(イベントE03)を開始する時(時間t3)から、或いは当該中立復帰動作中(所定時間(t3+Δt))から上記リトライ動作(イベントE04~E06)が完了する時(時間t7)までの間、駆動部2(PBDモータ23)の閉駆動を継続させることとしている。
以上のように、本実施形態における開閉体制御装置1は、バックドア(開閉体)102を開閉駆動させる駆動部2と、ストライカ104と係合し、バックドア102を閉状態に保持する施錠動作、及びストライカ104を開放し、駆動部2によるバックドア102の開閉駆動を可能とする解錠動作を行うラッチ機構3と、駆動部2及びラッチ機構3の動作を制御する制御装置4とを備える。
また、セクタギア33は、ラッチ31をラッチ位置(ハーフラッチ位置Pb2及びフルラッチ位置Pb3)に保持する施錠位置Pa2、ラッチ31をアンラッチ位置Pb1に変位可能な状態とする解錠位置Pa2、及び施錠位置Pa2と解錠位置Pa3との間の中立位置Pa1に回動可能に設けられる。
この際、上記中立復帰動作においてセクタギア33が中立位置Pa1を通過した場合、解錠位置Pa3まで一旦回動させ(イベントE04)、その後、所定の中立復帰時間Tが経過するまでの間、解錠位置Pa3から施錠位置Pa2に向かってセクタギア33を回動させる(イベントE06)リトライ動作を行うとともに、セクタギア33が施錠位置Pa2に到達し、前記中立復帰動作を開始する時(時間t3)から、或いは前記中立復帰動作中(所定時間(t3+Δt))から上記リトライ動作が完了する時(時間t7)までの間、駆動部2のPBDモータ23による、バックドア102の閉駆動を継続させることを特徴としている。
また、前記中立復帰動作を開始する時から、或いは前記中立復帰動作中から、前記リトライ動作が完了するまでの間、駆動部2は、バックドア102に対して閉駆動を継続させることとしている。
しかしながら、セクタギア33が施錠位置Pa2と解錠位置Pa3との間を回動する際の総回動時間に対する上記回動時間の比率は、このようなラッチ駆動モータ34の印加電圧の変化や、周囲の温度変化、ラッチ機構3の個体バラつきなどの影響を受け難く、略一定である。
従って、本実施形態の開閉体制御装置1によれば、リトライ動作によって、より正確に、セクタギア33を中立位置Pa1に復帰させることができる。
2 駆動部
3 ラッチ機構
4 制御装置
23 PBDモータ
31 ラッチ
33 セクタギア
61 中立位置検出SW(中立位置検知手段)
102 バックドア(開閉体)
104 ストライカ
Pa1 中立位置
Pa2 施錠位置
Pa3 解錠位置
Pb1 アンラッチ位置
Pb2 ハーフラッチ位置(ラッチ位置)
Pb3 フルラッチ位置(ラッチ位置)
T 中立復帰時間
ta 実回動時間
α 所定比率
Claims (3)
- 開閉体を開閉駆動させる駆動部と、
ストライカと係合し、開閉体を閉状態に保持する施錠動作、及びストライカを開放し、前記駆動部による開閉体の開閉駆動を可能とする解錠動作を行うラッチ機構と、
前記駆動部及び前記ラッチ機構の動作を制御する制御装置とを備える開閉体制御装置であって、
前記ラッチ機構は、
前記ストライカと係合した係合状態となるラッチ位置、及び前記ストライカが離脱可能な状態となるアンラッチ位置の間を回動可能に設けられるラッチと、
前記ラッチの回動動作を制御するセクタギアとを有し、
前記セクタギアは、
前記ラッチを前記ラッチ位置に保持する施錠位置、前記ラッチを前記アンラッチ位置に変位可能な状態とする解錠位置、及び前記施錠位置と前記解錠位置との間の中立位置に回動可能に設けられ、
前記制御装置は、
前記ラッチ機構の前記施錠動作を行う場合、
前記施錠動作の完了後に、前記施錠位置に到達した前記セクタギアを回動させて前記中立位置に復帰させる中立復帰動作を行い、
前記中立復帰動作において前記セクタギアが前記中立位置を通過した場合、
前記解錠位置まで一旦回動させ、その後、所定の中立復帰時間が経過するまでの間、前記解錠位置から前記施錠位置に向かって前記セクタギアを回動させるリトライ動作を行うとともに、
前記セクタギアが前記施錠位置に到達し、前記中立復帰動作を開始する時から、或いは前記中立復帰動作中から前記リトライ動作が完了するまでの間、前記駆動部の閉駆動を継続させる、
開閉体制御装置。 - 前記制御装置は、
前記リトライ動作において、
再び前記施錠位置に到達した前記セクタギアが、前記解錠位置に回動するまでの実回動時間を取得し、
当該実回動時間に所定比率を掛けることにより、前記中立復帰時間を算出する、
請求項1に記載の開閉体制御装置。 - 前記ラッチ機構は、
前記セクタギアが前記中立位置に到達したことを検知する中立位置検知手段を有し、
前記制御装置は、
前記中立復帰動作において、
前記中立位置検知手段が、前記施錠位置から回動される前記セクタギアを検知した場合、前記中立位置検知手段の検知したタイミングによって前記セクタギアの回動動作を停止し、
前記中立位置検知手段が、所定時間が経過しても、或いは前記解錠位置に到達したことを検知しても、前記セクタギアを検知しなかった場合、前記中立位置検知手段が故障していると判断して、前記リトライ動作を行う、
請求項1または請求項2に記載の開閉体制御装置。
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