JP7372398B1 - ヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法は、直線状の導体材料の先端部位を曲げて所定の2次元形状に成形する工程と、2次元形状に成形された部分を型で挟持して成形して3次元形状とした後、所定長さに切断してヘアピンコンダクタとする工程と、を有する。
従って、一つのヘアピンコンダクタを成形する2次元加工及び3次元加工が終わって切断が完了しないと、次のヘアピンコンダクタの2次元加工を開始できない。
また、特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法において、3次元形状が異なるヘアピンコンダクタを成形しようとすると、成形装置を異なる型を搭載した別の成形装置に交換するか、あらたに別のラインを設置する必要がある。そのため、一つのラインで異なる形状のヘアピンコンダクタを混在させて製造するいわゆる混流生産が実質的に困難である。そのため、特許文献1に記載されたヘアピンコンダクタの製造方法は高い生産性を得にくいという点で改善の余地がある。
すなわち、生産性の高いヘアピンコンダクタの製造装置及び製造方法が望まれている。
1) 鉛直に延びる回動軸線まわりに間欠回動するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに前記回動軸線を中心とする所定の角度ピッチで取り付けられて、所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持可能な複数のグリッパと、
前記インデックステーブルのまわりに前記回動軸線を中心とする前記角度ピッチで設置され、前記グリッパで把持された前記切断線材を段階的に加工して3次元形状のヘアピンコンダクタに成形する複数のステーション装置と、
を備え、
前記複数のステーション装置は、前記インデックステーブルの回動方向に沿う設置順で、曲げ加工装置とプレス装置とを含んで構成され、
前記プレス装置は、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能とされて回動する金型テーブルを有し、前記金型テーブルを回動させて前記複数の金型の組のうちの一つをプレス加工位置に選択的にセットするよう構成されているヘアピンコンダクタの製造装置である。
2) 間欠回動するインデックステーブルの周囲に所定の角度ピッチで切断線材を3次元形状のヘアピンコンダクタに段階的に加工する曲げ加工装置及びプレス装置を前記インデックステーブルの回動方向に沿ってこの順に配置しておき、
前記インデックステーブルに前記角度ピッチで取り付けられた複数のグリッパで所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持し、
前記インデックステーブルの間欠回動における停止期間中に、前記グリッパで把持した前記切断線材を前記曲げ加工装置で2次元曲げ加工し、
次の停止期間中に、前記曲げ加工した前記切断線材を前記プレス装置で3次元形状の前記ヘアピンコンダクタに成形し、
前記プレス装置に、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能で回動する金型テーブルを設け、前記金型テーブルを回動させてプレス加工位置に前記複数の金型の組のうちの一つを選択的にセットして、前記3次元形状の前記ヘアピンコンダクタを成形するヘアピンコンダクタの製造方法である。
本発明の実施の形態に係るヘアピンコンダクタの製造装置の実施例は、線材加工装置91である。
ヘアピンコンダクタは、平角線に、曲げ加工及びプレス加工を施してヘアピン状に形成した導体である。複数のヘアピンコンダクタが接続されてヘアピンコイルが形成される。ヘアピンコイルは自動車の駆動用及び回生用モータなどに使用される。
製造システムSTにおいて、前処理装置群80は、工程の上流側からアンコイラ81,線材直線矯正機(ストレ-トナ-)82,剥離装置83,及び送り切断装置84を有する。
剥離装置83は、線材直線矯正機82から送出された平角線材Waに対し、プレス或いは別の加工方法によって所定長さの範囲の被覆Wb2を剥離する。
剥離装置83によって、平角線材Waは、図2に示されるように、所定長さ範囲で芯線が露出した芯線露出部Wb1を所定ピッチで繰り返し有する部分剥離線材Wbとされて送出する。
図2Bは、部分剥離線材Wbの芯線露出部Wb1における断面図である。芯線露出部Wb1の角部には、面取りが施されていてもよい。
インデックス部7は、床FLに設置されるベース部73,インデックステーブル71,支柱711,及びカメラ712を有する。
インデックステーブル71は、送り切断装置84から送出された切断された切断線材Wcを把持するグリッパ721を含むグリッパ群72が取り付けられている。
次に線材加工装置91の詳細構成を図3~図5、及び図11~図13を参照して説明する。
図3は、製造システムSTにおける線材加工装置91のインデックステーブル71を示す上面図である。図4は、線材加工装置91における第1ステーション装置1を示す上面図である。図5は、第1ステーション装置1の側面図である。図11は、線材加工装置91のブロック図である。図12は、第1~第3ステーション装置1~3のブロック図である。図13は、第4ステーション装置4のブロック図である。
図5に示されるように、床FLに設置されるベース部73の内部には、鉛直方向に延びる回動軸線CL7を軸心として、インデックス軸モータ730,シャフト731,スリップリング732,スリップリング軸モータ733が設置されている。
図11に示されるように、インデックス軸モータ730及びスリップリング軸モータ733の動作は、制御部93によって制御される。
インデックステーブル71は、図3に示されるように、周方向に所定の角度ピッチθpで径方向外方に突出する6つの突出部71aを有する。この例において所定の角度ピッチθpは60°である。
6つの突出部71aそれぞれの上面には、グリッパ721~726が取り付けられている。グリッパ721~726をまとめてグリッパ群72とも称する。
グリッパ722~726及びそれぞれに対応したクランプ軸線CL2~CL6についても同様である。クランプ軸線CL1は、グリッパ721で把持した切断線材Wcの中心軸線と一致する。
グリッパ721~726のグリップジョー72a,72bの動作、及びクランプ軸線CL1まわりの回動は、グリッパ駆動部721D~726Dによって行われる。図11に示されるように、グリッパ駆動部721D~726Dの動作は、制御部93によって制御される。
制御部93とグリッパ駆動部721D~726Dとの電気的接続は、グリッパ駆動部721D~726Dを備えたインデックステーブル71がベース部73に対して間欠回動することから、スリップリング732を介して行われる(図5参照)。
この例では、スリップリング732の軸を回動させるスリップリング軸モータ733を用い、制御部93による制御の下、インデックステーブル71の軸の回動に対しスリップリング732の軸の回動を同期させている。これにより、グリッパ駆動部721D~726Dからのケーブルは、間欠回動で捩れないようになっている。
詳しくは、図3におけるグリッパ726に対応した位置が供給位置とされ、グリッパ721~725に対応した位置がそれぞれ第1~第5ステーション位置である。第1~第5ステーション位置には、それぞれ第1~第5ステーション装置1~5が設置されている。
制御部93は、予め設定された所定の時間間隔及び停止時間で、インデックステーブル71を間欠回動させる(図3の時計回り方向:矢印DR参照)。
間欠回動の停止時間内で、グリッパ721~725それぞれが把持した被加工材に対し第1~第5ステーション装置1~5によって加工などが行われる。
すなわち、図3で示されるグリッパ721~726それぞれの把持状態は、第1ステーション位置で把持された被加工材が、5回の間欠動作をして第5ステーション位置まで回動した状態で示されている。
第1ステーション装置1~第3ステーション装置3は、同じ構成の曲げ加工装置であり、被加工材を水平面内で2次元曲げ加工する。
図3において、第6ステーション位置(供給位置)から間欠回動で第1ステーション位置に移動しグリッパ726で把持された切断線材Wcは、第1ステーション装置1によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Wdとされる。
曲げ線材Wdは、グリッパ726で把持されたまま次の間欠回動で第2ステーション位置に送られ、第2ステーション装置2によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Weとされる。
曲げ線材Weは、グリッパ726で把持されたまま次の間欠回動で第3ステーション位置に送られ、第3ステーション装置3によって2次元曲げ加工されて曲げ線材Wfとされる。
曲げ線材Wfは、次の間欠動作で第4ステーション位置に送られると、第4ステーション装置4によるプレス加工によって立体形状のヘアピンコンダクタWgに成形される。
第4ステーション装置4で得られたヘアピンコンダクタWgは、第5ステーション装置5において良品と判定されたら、グリッパ725は把持を解除し、排出部92に排出する。
不良と判定されたら、その不良内容に応じて補正の曲げ加工を行ってヘアピンコンダクタWhとし、再測定で良品と判定されたらグリッパ725は把持を解除し排出部92に良品として排出する。
再測定で不良品とされたら、良品とは別区分にして排出部92に排出する。
同期部932は、前処理装置群80の動作と線材加工装置91の動作との同期,及び線材加工装置91におけるインデックステーブル71の間欠動作と第1~第5ステーション装置1~5との加工動作との同期をとる。
計測判定部933は、カメラ712からの画像に基づいて、第5ステーション位置における補正加工の実行有無を判定する。また、センサ1S2からの検出信号に基づいて第1~第3ステーション装置1~3における曲げ動作の停止指示を出す。
記憶部934は、被加工材から加工するヘアピンコンダクタの形状,及びヘアピンコンダクタにおける良品と判定する寸法範囲などを記憶する。
曲げ制御部935は、第1~第3ステーション装置1~3の2次元曲げ加工動作を制御する。
プレス制御部936は、第4ステーション装置4の3次元曲げ加工動作を制御する。
補正動作部937は、第5ステーション装置5の補正部51の補正動作を制御する。
構造については、第1~第3ステーション装置1~3の構造は実質的に共通であるので第1ステーション装置1を代表として説明する。以下の説明において、クランプ軸線CL1~CL6それぞれに平行な方向をX軸方向とし、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。また、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向である鉛直方向をZ軸方向とする。
(加工部1M)
加工部1Mは、X軸アーム11,Y軸アーム12,ベース部13,サポータ14,及び二軸回動部15を有する。
X軸アーム11は、クランプ軸線CL1に対するインデックステーブル71の回動方向(矢印DR方向)側に配置されている。X軸アーム11は、クランプ軸線CL1よりも下方において、クランプ軸線CL1と平行に延びるレール状部材である。
Y軸アーム12は、Y軸方向に延びるアームであってX軸アーム11によってX軸方向に移動可能(矢印DR1参照)に支持されている。Y軸アーム12は、X軸駆動部MXの動作によってX軸方向に移動する。
また、ベース部13は、Z軸駆動部MZによって、Z軸方向に移動可能(矢印DR3参照)になっている。
これにより、ベース部13は、X,Y,Z方向の3軸方向に移動可能となっている。
サポータ14は、サポータ駆動部M14の動作によって、グリッパ721によって把持されたクランプ軸線CL1上に延びる切断線材Wcを、その幅方向(Y軸方向)に挟んで保持できるようになっている。
内側回動部151は、上方に突出し、上方視で180°ずれた位置にある一対の内側ピン151aを有する。内側回動部151は、内輪駆動部M151の動作によって任意の回動角度及び回動方向で回動する。
一対の内側ピン151aの内法距離は、切断線材Wcの幅よりも大きい。
外側回動部152は、上方に突出する外側ピン152aを有する。外側回動部152は、外輪駆動部M152の動作によって任意の回動角度及び回動方向で回動する。
ベース部13は、Z軸駆動部MZの動作によって昇降する(矢印DR3参照)。
センサ1S2は、支持アーム1S1に備えられたXYZ軸駆動部1S3によってX,Y,Zの各軸方向に独立して移動可能となっている(矢印DR4~矢印DR6参照)。センサ1S2は、水平面SF上の直下の位置における切断線材の有無を検出する。
また、センサ1S2は、切断線材を検出したら、検出情報を制御部93に向け出力する。制御部93の計測判定部933は、センサ1S2からの検出情報を把握したら、外輪駆動部M152を停止する。
この加工行程について図6A~図6Dを参照して詳述する。
次いで、サポータ14及び二軸回動部15は、切断線材Wcの先端に近い所定位置に移動して上昇する。これにより、切断線材Wcは、一対の内側ピン151aの間に位置する。サポータ14は、二軸回動部15に対しインデックステーブル71側にあって切断線材Wcを保持する。
次いで、外輪駆動部M152の動作によって外側回動部152が時計まわりに回動し(矢印DR7b参照)、外側ピン152aによって外側ピン152aに近い側の内側ピン151aを支点として切断線材Wcを図6Bの下方に曲げる(矢印DR7c参照)。
さらに、サポータ14は切断線材Wcに対して摺動可能な程度に挟む力を弱め、図6Cに示されるように、二軸回動部15をX軸と平行にインデックステーブル71に向け移動させ、所定位置で停止する(矢印DR7d参照)。
これにより、切断線材Wcには、二軸回動部15がX軸と平行に移動した範囲AR1で湾曲部Wc1が形成される。湾曲部Wc1ではないインデックステーブル71側の直線状の部分を腕部Wm1とする。
曲げ制御部935の指示によってサポータ14及び二軸回動部15は下方に退避し、曲げ線材Wdは、第2ステーション位置に移動可能となる。
切断線材Wcが第1ステーション位置に移動してから二軸回動部15が下方に退避完了するまでの時間をT1とする。
第2ステーション位置では、第2ステーション装置2によって曲げ線材Wdに対し2次元曲げ加工が行われる。以下の説明では符号の煩雑化を防ぐ便宜上、第2ステーション装置2の各部材の符号を第1ステーション装置1の各部材の符号で説明する。
第1ステーション位置での2次元曲げ工程と同様に、二軸回動部15を上昇させ、内輪駆動部M151を動作させて内側回動部151を時計まわりに回動させ、一対の内側ピン151aで湾曲部Wc1を挟持する(矢印DR8a参照)。
次いで、外輪駆動部M152を動作させて外側回動部152を反時計まわりに回動し(矢印DR8b参照)、外側ピン152aによって湾曲部Wc1における先端側の部分をインデックステーブル71側に折り曲げる(矢印DR8c参照)。
これにより、曲げ線材Wdは、第2ステーション装置2によって、湾曲部Wc1の中央位置に屈曲部BP2が形成された曲げ線材Weとされる。
曲げ線材Wdが第2ステーション位置に移動してから曲げ線材Weとして第3ステーション位置に移動可能になるまでの時間をT2とする。
第3ステーション位置では、第3ステーション装置3によって曲げ線材Weに対し2次元曲げ加工が行われる。第3ステーション装置3の説明においても、符号の煩雑化を防ぐ便宜上、第3ステーション装置3の各部材の符号を第1ステーション装置1の各部材の符号で説明する。
曲げ制御部935は、第1ステーション位置での2次元曲げ工程と同様に、二軸回動部15を上昇させ、内輪駆動部M151の動作により内側回動部151を時計回りに回動させて一対の内側ピン151aで湾曲部Wc1を挟持する(矢印DR9a参照)。
次いで、曲げ制御部935は、外輪駆動部M152を動作させて外側回動部152を反時計回りに回動する(矢印DR9b参照)。
このように回動する外側ピン152aによって湾曲部Wc1から先端側の直線状の部分(以下、腕部Wm2)は、所定の折り曲げ角度になるよう折り曲げられる(矢印DR9c参照)。
この例において、腕部Wm2は、腕部Wm1と平行とされる。
曲げ線材Wfは、平行な腕部Wm1及び腕部Wm2と、それぞれの一端部にある屈曲部BP1及び屈曲部BP3を連結する連結部Wm3とを有する門型を呈する。
曲げ制御部935は、外輪駆動部M152を停止させたら、二軸回動部15を下方に退避させる。これにより、曲げ線材Wfは第4ステーション位置に移動可能となる。
曲げ線材Weが第3ステーション位置に移動してから曲げ線材Wfとして第4ステーション位置に移動可能になるまでの時間をT3とする。
第4ステーション装置4の構成と動作について、図9A~図9Fを参照して説明する。
図9Aは、第4ステーション装置4におけるプレス加工を示す図である。図9Bは、第4ステーション装置4の加工で得られるヘアピンコンダクタWgを示す平面図である。図9Cは、第4ステーション装置4の加工における曲げ線材Wfの腕部Wm1の変形を示す図であり、図9Aに示されたC部に対応する図である。図9Dは、腕部Wm1の変形に対応する動作を示す図である。図9Eは、第4ステーション装置4の側面図である。図9Fは、第4ステーション装置4の金型テーブルを示す上面図である。
図9Fに示されるように、金型テーブル43は上面が水平となる姿勢で配置され、鉛直に延びるテーブル回動軸線CL4Pを中心に回動可能となっている(矢印DR11a参照)。
金型テーブル43には、下型41及び上型42の組である複数の金型の組4Pが着脱自在に取り付けられている。この例では、金型の組4Pは8組の金型の組4Pa~4Phとされ、金型テーブル43の上面に、テーブル回動軸線CL4Pまわりに45°ピッチで装着可能となっている。
複数の金型の組4Pのうち、所望の一つの金型の組4P(図9Fにおいて金型の組4Pa)の曲げ線材Wfのプレス加工位置への割り出しは、金型テーブル43を手動で回動させて行う。
プレス加工位置において金型の組4Pの位置は、ロック及びロック解除可能となっている。
図9Fにおいて、8個の金型の組4Pのうちのプレス加工位置にセットされた金型の組4Paの上型42は、プレス駆動部44によって昇降して上型42と下型41との間にセットされた曲げ線材Wfに対し3次元プレス加工が施される。
これにより、ヘアピンコンダクタの製造装置91は、3次元形状が異なる複数種類のヘアピンコンダクタそれぞれの3次元形状に対応した金型の組を、あらかじめ金型テーブル43に装着しておき、金型テーブル43を回動させることで容易に任意の金型の組4Pを選択してプレス加工に用いることができる。
そのため、異なる3次元形状の複数種類のヘアピンコンダクタを、一つのインデックス部7、すなわち一つのヘアピンコンダクタの製造装置91で容易に製造可能である。
これにより、ヘアピンコンダクタの製造装置91は、ヘアピンコンダクタの生産性が高い。
上型42は、プレス駆動部44によって下型41に対し昇降し(矢印DR10a参照)、下降したときに下型41の上面41a(図9A参照)との間にセットされた曲げ線材Wfの連結部Wm3に対し3次元プレス加工を施す。
補助クランプ部46は、Z軸駆動部461の動作によって昇降し、Y軸方向に互いに接近及び離隔する一対のクランパ463によって腕部Wm1を緩やかに把持する。腕部Wm1に対する一対のクランパ463の把持動作及び解放動作は、クランプ動作部462によって行われる。
曲げ線材Wfが第4ステーション位置に移動すると、XYZ軸駆動部45の動作により、金型テーブル43が所定位置に移動する。また、金型テーブル43に装着された複数の金型の組4Pのうち、あらかじめ選択された金型の組4Paがプレス加工位置にセットされる。この状態で、図9Aに示されるように、下型41の上面41aのプレス面は、下方に抉れた所定の曲面になっているので、二点鎖線で示された曲げ線材Wfは、下型41の上面41aに腕部Wm1及び腕部Wm2の外側の下縁部が当接して水平姿勢で載置される。
下型41の上面41aは、下方に抉れた面とされている。そのため、上型42が下降してプレス加工が実行されると、一対の腕部Wm1,Wm2は、図9Cにも示されるように、Y軸方向で互いに接近しつつ下方に移動して位置が少し下がると共に、外縁が高くなるように角度θaだけ傾いた腕部Wg1,Wg2となる。
そのため、グリッパ721は、プレス加工による曲げ線材Wfの塑性変形で生じる腕部Wg1の傾きに追従するよう、クランプ軸線CL4まわりの同じ方向に角度θaだけ傾けられる。
曲げ線材Wfが第4ステーション位置に移動してからヘアピンコンダクタWgとして第5ステーション位置に移動可能となるまでの時間をT4とする。
ヘアピンコンダクタWgは、X軸方向に延びる腕部Wg1,Wg2と腕部Wg1,Wg2の一方の端部同士を連結する連結部Wg3とを有する門型形状を呈する。
ヘアピンコンダクタWgが第5ステーション位置に移動すると、カメラ712は、ヘアピンコンダクタWgを平面視で撮影し、撮影された画像を制御部93に送出する。制御部93の計測判定部933は、その画像に基づいてヘアピンコンダクタWgの一対の腕部Wg1,Wg2の姿勢状態を検出し合否判定する。
詳しくは、一対の腕部Wg1,Wg2の先端から所定距離だけ連結部Wg3側に寄った位置における内法Daを画像から測定し、この内法DaとヘアピンコンダクタWgの仕様で規定される寸法の許容範囲とを比較し、許容範囲内の場合に合格とする合否判定をする。
計測判定部933が、内法Daは許容範囲未満又は許容範囲超えであると判定したら、補正動作部937は、補正加工を実行する。
補正加工は、図10に示されるように、グリッパ721によって腕部Wg1が把持されたヘアピンコンダクタWgの腕部Wg2を、接触子511,512によってY軸方向に強制的に移動変形させて行う。
ヘアピンコンダクタWhは、計測判定部933により合格と判定されたら排出部92の良品受けに排出され、内法Daが許容範囲外として不合格と判定されたら排出部92の不良受けに排出される。
第5ステーション装置5の補正加工動作の時間T5は、時間T1~時間T4のうちの最も長い時間を越えないように設定される。
そして、各ステーション位置に、それぞれの加工を行うステーション装置が配置され、被加工材として前処理装置群80において切断された所定長さの平角線材を把持するグリッパ群72を所定の角度ピッチθpで備えたインデックステーブル71を、グリッパ群72が各ステーション位置に対応して停止するよう角度ピッチθpで間欠回動させる。
インデックステーブル71の間欠回動における停止期間内に、n箇所の内の1箇所のステーション位置で所定長さの切断線材が把持されると共に(n-1)箇所のステーション位置で(n-1)個の被加工材に対して同時に加工などの処理が行われる。
そのため、線材加工装置91は、各曲げ加工とプレス加工とを、異なる被加工材に対し同じタイミングで実行できるので、生産性が向上する。
また、3次元プレス加工に要する時間が顕著に長い、などの場合は、3次元プレス加工の工程を分割してもよい。また、2次元曲げ加工に要する時間が顕著に短い、などの場合は、複数の曲げ加工の工程を1つのステーションに纏めてもよい。
1M 加工部
11 X軸アーム
12 Y軸アーム
13 ベース部
14 サポータ
15 二軸回動部
151 内側回動部
151a 内側ピン
152 外側回動部
152a 外側ピン
1S 計測部
1S1 支持アーム
1S2 センサ
2 第2ステーション装置
3 第3ステーション装置
4 第4ステーション装置
4P,4Pa~4Ph 金型の組
41 下型
41a 上面
42 上型
43 金型テーブル
44 プレス駆動部
45 XYZ軸駆動部
46 補助クランプ部
461 Z軸駆動部
462 クランプ動作部
463 クランパ
5 第5ステーション装置
51 補正部
511,512 接触子
52 XZ駆動部
7 インデックス部
71 インデックステーブル
71a 突出部
711 支柱
712 カメラ
72 グリッパ群
721~726 グリッパ
72a,72b グリップジョー
721D~726D グリッパ駆動部
73 ベース部
730 インデックス軸モータ
731 シャフト
732 スリップリング
733 スリップリング軸モータ
80 前処理装置群
81 アンコイラ
82 線材直線矯正機(ストレートナ―)
83 剥離装置
84 送り切断装置
91 線材加工装置(ヘアピンコンダクタの製造装置)
92 排出部
93 制御部
931 CPU(中央処理装置)
932 同期部
933 計測判定部
934 記憶部
935 曲げ制御部
936 プレス制御部
937 補正動作部
AR1 範囲
BP1,BP2,BP3 屈曲部
CL1~CL6 クランプ軸線
CL4g,CL4m 中心位置
CL4P テーブル回動軸線
CL7 回動軸線
Da 内法
FL 床
MX X軸駆動部
MY Y軸駆動部
MZ Z軸駆動部
M14 サポータ駆動部
M151 内輪駆動部
M152 外輪駆動部
SF 水平面
ST 製造システム
T1~T5 時間
Wa 平角線材
Wb 部分剥離線材
Wb1 芯線露出部
Wb2 被覆
Wc 切断線材
Wc1 湾曲部
Wd,We,Wf 曲げ線材
Wg,Wh ヘアピンコンダクタ
Wm1,Wm2,Wg1,Wg2 腕部
Wm3,Wg3 連結部
θa 角度
θp 角度ピッチ
Claims (2)
- 鉛直に延びる回動軸線まわりに間欠回動するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに前記回動軸線を中心とする所定の角度ピッチで取り付けられて、所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持可能な複数のグリッパと、
前記インデックステーブルのまわりに前記回動軸線を中心とする前記角度ピッチで設置され、前記グリッパで把持された前記切断線材を段階的に加工して3次元形状のヘアピンコンダクタに成形する複数のステーション装置と、
を備え、
前記複数のステーション装置は、前記インデックステーブルの回動方向に沿う設置順で、曲げ加工装置とプレス装置とを含んで構成され、
前記プレス装置は、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能とされて回動する金型テーブルを有し、前記金型テーブルを回動させて前記複数の金型の組のうちの一つをプレス加工位置に選択的にセットするよう構成されているヘアピンコンダクタの製造装置。 - 間欠回動するインデックステーブルの周囲に所定の角度ピッチで切断線材を3次元形状のヘアピンコンダクタに段階的に加工する曲げ加工装置及びプレス装置を前記インデックステーブルの回動方向に沿ってこの順に配置しておき、
前記インデックステーブルに前記角度ピッチで取り付けられた複数のグリッパで所定長さの直線状の切断線材を放射状に延びる水平姿勢で把持し、
前記インデックステーブルの間欠回動における停止期間中に、前記グリッパで把持した前記切断線材を前記曲げ加工装置で2次元曲げ加工し、
次の停止期間中に、前記曲げ加工した前記切断線材を前記プレス装置で3次元形状の前記ヘアピンコンダクタに成形し、
前記プレス装置に、上型と下型とからなる複数の金型の組を周方向に並べて着脱可能で回動する金型テーブルを設け、前記金型テーブルを回動させてプレス加工位置に前記複数の金型の組のうちの一つを選択的にセットして、前記3次元形状の前記ヘアピンコンダクタを成形するヘアピンコンダクタの製造方法。
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