JP7369582B2 - 消火装置及びこれが搭載された車両 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧式と蓄圧式の両方の特徴を備えた消火装置と、これが搭載された車両に関する。
一般的な消火器は、主として、消火薬剤が充填された薬剤容器と、薬剤容器の放出口を開放するためのレバーと、薬剤容器の放出口に接続されたホースと、ホースの先端に取り付けられたノズルとを備える。レバーが操作されると、薬剤容器の放出口が開放され、薬剤容器の内圧によって消火薬剤が開放口からホース、ノズルへ送り出される。
一般的な消火器は、薬剤容器に内圧を付与する方法の違いに基づき、加圧式と蓄圧式とに分類される。加圧式消火器は、薬剤容器とは別の加圧容器を備える。加圧容器には、薬剤容器内を加圧するためのガスが充填される。加圧式消火器のレバーが操作されると、加圧容器と薬剤容器とが同時に開放される。加圧容器から放出されたガスは、消火薬剤を撹拌しながら、薬剤容器の内圧を上昇させる。一方、蓄圧式消火器は、あらかじめ薬剤容器内にガスを充填することにより、薬剤容器の内圧を上昇させる。
ここで、日本は、1998年に「国連の車両・装置等の型式認定相互承認協定(1958年協定)」に加盟した。2014年6月現在、1958年協定は、自動車の構造及び装置に関する132の規則(UN/ECE規則)を規定する。このうち、規則番号R107「2階建てバスの構造」は、バスのエンジンルームに所定の性能条件を満たす消火装置を設置することを規定する。従来のバスのエンジンルーム用消火装置には、上述した消火器の基本構造が採用されていた。
例えば、特開平8-215333号公報(特許文献1)には、加圧式消火器の基本構造を採用したバスのエンジンルーム用消火装置が開示されている。特許文献1の消火装置は、薬剤容器内の消火薬剤をエアタンクの空気圧によってノズルに供給する構成となっている。エアタンクは、バスのブレーキに用いられるエアタンクを兼用してもよい。
また、実開平5-18550号公報(特許文献2)には、一般的な消火器をそのまま用いたバスのエンジンルーム用消火装置が開示されている。特許文献2の消火装置は、バスの運転席に警報装置と消火作動用スイッチとを備える。バスの運転手は、警報装置から発せられた警報に基づいて、消火作動用スイッチを手動操作する。これにより、エンジンルーム内に設置された消火器のレバーが自動で操作される。
特開平8-215333号公報 実開平5-18550号公報
<加圧式の問題>
加圧式消火器の基本構造は、バスのエンジンルーム用消火装置に採用した場合、十分な圧力が得られないという問題がある。その理由として、第1に、加圧式消火器は、加圧容器によるガスの供給開始と同時に、薬剤容器の放出口が開放される。このため、薬剤容器内に供給されたガスの圧力が、薬剤容器の放出口の開放によって損失される。第2に、バスは、余分なスペースがないように設計されており、消火装置を搭載するためのスペースが制限される。このため、加圧容器の容積及び数が制限される。第3に、バスのエンジンルームは、車両の最も後部に位置しており、エンジンルームの付近に薬剤容器及び加圧容器を設置できるとは限らない。薬剤容器及び加圧容器の設置位置がエンジンルームから離れた場合は、ノズルまでの配管が長くなり、消火薬剤をノズルに到達させるまでの間に圧力が損失してしまう。このような理由により、加圧式消火器の基本構造では、十分な消火薬剤を放出するために必要な圧力が得られず、バスのエンジンルームで発生した火災を短時間で消火することができない。加圧式消火器の基本構造では、UN/ECE規則番号R107に規定された消火試験の条件をクリアすることは難しい。
<蓄圧式の問題>
本発明者らが鋭意検討した結果、UN/ECE規則番号R107に規定された消火試験の条件をクリアするためには、少なくとも薬剤容器の内圧を1MPa以上にすることが有効であることを知見した。蓄圧式消火器の基本構造を採用して、あらかじめ薬剤容器の内圧を1MPa以上にすることが可能である。しかし、薬剤容器の内圧を1MPa以上にした場合は、消火装置が日本の高圧ガス保安法の適用を受けることとなる。したがって、バスのエンジンルーム用消火装置に、1MPa以上に蓄圧した薬剤容器を用いることは現実的ではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、加圧式と蓄圧式の両方の特徴を備えた消火装置と、これが搭載された車両を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の消火装置は、消火薬剤が充填された薬剤容器と、前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された加圧容器と、前記薬剤容器の放出口を開放するための第1作動手段と、前記加圧容器の放出口を開放するための第2作動手段と、消火対象となる防護区画内に設置されるノズルと、前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる配管と、前記防護区画内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段と、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される。
(2)好ましくは、上記(1)の消火装置が、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる。
(3)好ましくは、上記(1)の消火装置が、前記第1作動手段としての封板を備え、前記封板が、前記薬剤容器内の圧力に起因して破壊される。
(4)好ましくは、上記(1)の消火装置が、前記第1作動手段としてのラプチャーディスクを備え、前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する。
(5)好ましくは、上記(1)の消火装置が、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる。
(6)好ましくは、上記(1)の消火装置が、前記第2作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記イニシエータに点火させる。
(7)好ましくは、上記(1)~(6)のいずれかの消火装置において、前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する。
(8)好ましくは、上記(7)の消火装置において、内容積が1デシリットル以下の前記加圧容器を複数備える。
(9)好ましくは、上記(1)~(8)のいずれかの消火装置において、前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である。
(10)好ましくは、上記(1)~(9)のいずれかの消火装置において、前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である。
(11)好ましくは、上記(1)~(9)のいずれかの消火装置において、前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い。
(12)好ましくは、上記(1)~(11)のいずれかの消火装置において、前記制御手段に電気的に接続された操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる。
(13)上記目的を達成するために、本発明の車両は、上記(12)に記載された消火装置が搭載された車両であって、前記ノズルが前記車両の内部における前記防護区画内に設置され、且つ前記操作盤が運転席の近傍に配置される。
(14)好ましくは、上記(13)の車両がバス又は2階建てバスであり、前記防護区画がエンジンルームである。
(15)好ましくは、上記(14)の前記防護区画が前記エンジンルームに加えて、黒煙浄化装置室、プレヒーター室及びバッテリー室のうちの少なくとも1つを含むものである。
(16)上記目的を達成するために、本発明の消火装置は、消火薬剤が充填された複数の薬剤容器と、複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された複数の加圧容器と、複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口を開放するための複数の第1作動手段と、複数の前記加圧容器のそれぞれに対応し、前記加圧容器の放出口を開放するための複数の第2作動手段と、消火対象となる1つの防護区画内に設置される複数のノズルと、複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる複数の配管と、前記防護区画内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段と、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される。
(17)好ましくは、上記(16)の消火装置において、複数の前記薬剤容器のうちの少なくとも1つに充填される消火薬剤の量が3kg以下である。
(18)好ましくは、上記(16)の消火装置において、複数の前記配管のうちの少なくとも1の全長が4mを超える。
(19)好ましくは、上記(18)の消火装置において、前記薬剤容器の放出口から前記ノズルまでの間における前記配管の曲げ部分及び/又は分岐部分の数が9以下である。
(20)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる。
(21)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第1作動手段としての封板を備え、前記封板が、前記薬剤容器内の圧力に起因して破壊される。
(22)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第1作動手段としてのラプチャーディスクを備え、前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する。
(23)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる。
(24)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第2作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記イニシエータに点火させる。
(25)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する。
(26)好ましくは、上記(25)の消火装置において、前記加圧容器の内容積が1デシリットル以下である。
(27)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である。
(28)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である。
(29)好ましくは、上記(16)の消火装置において、前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い。
(30)好ましくは、上記(16)~(29)のいずれかの消火装置において、前記制御手段に電気的に接続された操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる。
(31)上記目的を達成するために、本発明の車両は、上記(30)に記載された消火装置が搭載された車両であって、複数の前記ノズルが前記車両の内部における1つの前記防護区画内に設置され、且つ前記操作盤が運転席の近傍に配置される。
(32)好ましくは、上記(31)の車両がバス又は2階建てバスであり、前記防護区画がエンジンルームである。
本発明の消火装置は、加圧容器から薬剤容器内にガスが供給された後、時間差をもって薬剤容器の放出口が開放される。薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられる。これにより、薬剤容器の内圧が1MPa以上になり、薬剤容器から離れた場所、例えば、バスのエンジンルームに設置されたノズルから十分な消火薬剤を放出させることが可能となる。
第1実施形態の消火装置が搭載されたバスを示す概略図である。 第1実施形態の消火装置を示す概略図である。 第1実施形態の消火装置を示すブロック図である。 第1実施形態の消火装置の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の消火装置を構成するノズルを示すものであり、図5(a)は正面図、図5(b)は底面図、図5(c)は図5(a)のA-A線断面図、図5(d)は消火薬剤の放出状態を示す側面図である。 第2実施形態の消火装置を示す概略図である。 第2実施形態の消火装置を構成する消火装置本体を示す概略図である。 図8(a)は第2実施形態の消火装置を構成する第1薬剤容器及び第1配管の圧力波形を示すグラフであり、図8(b)は第2実施形態の消火装置を構成する第2薬剤容器及び第2配管の圧力波形を示すグラフである。 図9(a)は第1実施形態の消火装置を構成する単一の薬剤容器及び単一の配管の圧力波形を示すグラフであり、図9(b)は第2実施形態の消火装置を構成する第2薬剤容器及び第2配管の圧力波形を示すグラフである。
以下、本発明の第1実施形態に係る消火装置、及びこれが搭載された車両について、図面を参照しつつ説明する。
1.消火装置の配置
図1に示すように、第1実施形態の消火装置2は、大型車両であるバス1の内部に搭載されており、エンジンルーム13で発生した火災の消火を目的とする。消火装置2を動作させるための電力は、バス1の図示しないバッテリーから供給される。消火装置2は、主として、消火装置本体20、4つのノズル24、2つの温度センサー(熱の検出手段)25、操作盤26、配管27及び配線28で構成される。
消火装置本体20は、例えば、バス1のトランクルーム12内に設置される。ノズル24及び温度センサー25は、いずれもバス1のエンジンルーム13内に設置される。操作盤26は、バス1の運転席11の近傍に配置される。消火装置本体20は、図2に示す薬剤容器21と制御手段23とを備える。薬剤容器21は、配管27を介して、トランクルーム12からエンジンルーム13内のノズル24に連絡される。制御手段23は、配線28を介して、トランクルーム12からエンジンルーム13内の温度センサー25に電気的に接続される。また、制御手段23は、配線28を介して、トランクルーム12から運転席11の近傍の操作盤26に電気的に接続される。図1及び図2において、配管27を実線で示し、配線28を点線で示す。
2.消火装置の構成
まず、消火装置本体20の構成要素について説明する。図2に示すように、消火装置本体20は、薬剤容器21、電動弁(第1作動手段)21a、2つの加圧容器22、イニシエータ(第2作動手段)22a及び制御手段23を備える。
<薬剤容器>
薬剤容器21は、1MPa以上の内圧に耐え得る、完全に密閉することが可能なボンベである。薬剤容器21の素材は、金属、特にアルミニウムが好ましい。アルミニウムは、軽量であり、耐久性に優れ、且つリサイクルが容易であるという利点がある。
薬剤容器21内には、消火薬剤が常圧で充填される。消火薬剤は、特に限定されるものではなく、水、強化液、泡、ガス又は粉末などのいずれであってもよい。ここで、本発明者らは、粉末の消火薬剤がエンジンルーム13で発生した火災の消火に特に適していると考える。粉末の消火薬剤は、換気口や換気ファンが設けられたエンジンルーム13内の雰囲気中に拡散し、エンジンルーム13内の全域を消火することが可能だからである。消火薬剤は、リン酸アンモニウムを含むものが好ましい。リン酸アンモニウムは、再燃防止作用と負触媒作用とを有し、普通火災及び油火災に高い消火能力を発揮する。リン酸アンモニウムの含有量は、少なくとも40%程度、より好ましくは90%以上とする。また、薬剤容器21内に消火薬剤を充填した後にガスを充填して、薬剤容器21の内圧を1Mpa未満に加圧してもよい。この構成により、薬剤容器21から放出されるガス量を増大させることが可能である。薬剤容器21内に充填するガスは空気でもよいが、不活性ガスである炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスがより好ましい。
<電動弁>
薬剤容器21は、消火薬剤が放出される放出口を有する。薬剤容器21の放出口は、電動弁21aの入口に結合される。電動弁21aの出口は、ノズル24に連絡する配管27の入口に結合される。電動弁21aは、弁を開閉させるためのモータを備える。電動弁21aのモータは、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。電動弁21aとして、例えば、電気制御によって球状の弁を90°回転させる構成のボールバルブを用いる。
<加圧容器>
加圧容器22は、日本の高圧ガス保安法の適用を受けない内容積1デシリットル以下の小型の圧力容器であり、薬剤容器21内を加圧するためのガスが充填される。本実施形態の消火装置2は、2つの加圧容器22を用いて薬剤容器21内を加圧する構成となっている。各加圧容器22の放出口は、イニシエータ22a及び配管27を介して、薬剤容器21の内部に連絡する。各加圧容器22には、例えば、不活性ガスである炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスが充填される。第1実施形態では、2つの加圧容器22から供給されるガスの合計により、薬剤容器21内が1MPa以上に加圧される。加圧容器22の充填圧力は、20~30Mpaの範囲内が好ましい。例えば、第1実施形態では、加圧容器22内に26Mpaの充填圧力で上述した不活性ガスが充填される。
<イニシエータ>
2つの加圧容器22の放出口は、それぞれ図示しない封板によって封鎖される。各加圧容器22の放出口には、封板を破くためのイニシエータ22aが結合される。イニシエータ22aは、電気発火式の点火具である。各イニシエータ22aは、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。イニシエータ22aは、制御手段23から供給された電流によって火薬を爆発させ、封板を破くための機械的要素(例えば、ニードル)を動かす。これにより、封板が瞬時に破かれ、各加圧容器22の放出口から薬剤容器21内にガスが供給される。
<制御手段>
消火装置2の全ての動作は、制御手段23によって制御される。制御手段23は、図3に示す回路診断23a、温度警報判定23b、自動起動判定23c、起動制御23d、回路復旧23e、ランプ制御23f及び音声制御23gを実行する。制御手段23の制御処理については、後に図4を参照して具体的に説明する。
<操作盤>
操作盤26は、消火装置2のユーザインターフェースであり、バス1の運転手による消火装置2の遠隔操作を可能とするとともに、バス1の運転手にシステム情報及び警報を提供する。操作盤26は、図3に示す電源ランプ26a、自動起動ランプ26b、手動起動ランプ26c、システム異常警報ランプ26d、断線警報ランプ26e、温度警報ランプ26f、起動ランプ26g、自動起動スイッチ26h、手動起動スイッチ26i、復旧スイッチ26j、ブザー音停止スイッチ26k及びスピーカー26mを備える。操作盤26の動作については、制御手段23の制御処理とともに、後に図4を参照して具体的に説明する。
<ノズル>
図2に示すように、4つのノズル24は、電動弁21aを介して薬剤容器21の放出口に連絡する配管27の出口に結合される。各ノズル24は、例えば、エンジンルーム13内におけるエンジン131、換気口、換気ファンなどのレイアウトに応じて、消火に最も効果的な位置に配置することが望ましい。例えば、第1実施形態の各ノズル24は、エンジンルーム13内において、エンジン131の上方に等間隔で配置される。
図5(a)~(d)は、第1実施形態に用いられるノズル24の具体的な構成を示す。図5(a)、(b)において、ノズル24は、金属製の第1及び第2部品241、242で構成される。ノズル24の外形は、ボルトやナットと同様の正6角形であり、レンチやスパナなどの一般的な工具を用いて、配管27の出口に取り付けることが可能である。
第1部品241は、ノズル24の本体を構成するものであり、雄ねじ241aと貫通孔241bを備える。雄ねじ241aは、配管27の出口の内側に設けられた雌ねじに螺合する。貫通孔241bは、第1部品241を長手方向(図5(a)、(b)における左右方向)に貫通する。
第2部品242は、第1部品241の貫通孔241bの出口側(図5(a)、(b)における雄ねじ241aの反対側)にスリット242aを形成する。スリット242aの幅Wは、例えば、3mm~6mmの範囲内とする。図5(c)に示すように、スリット242aの奥行は、V字形壁部242bによって画定される。また、V字形壁部242bの開き角は60°~90°の範囲内とする。図5(d)中の下に向かって広がる放射状の細線は、スリット242aから放出される消火薬剤の範囲を示す。消火薬剤は、スリット242aから放射状に広がって放出され、且つスリット242aの直下の方向にも放出される。
ここで、図5(d)に示すノズル24は、スリット242aが鉛直下向きとなるように設置されているが、この構成に限定されるものではない。第1に、ノズル24の向きは、鉛直下向きに限定されるものではなく、鉛直から+15°~+45°又は-15°~-45°の範囲内で傾けて配置することが好ましい。発明者らが実験を行った結果、ノズル24を鉛直下向きに設置した場合よりも、+15°~+45°又は-15°~-45°の範囲内で傾けて配置した場合の方が高い消火効果が認められた。第2に、複数のノズル24の向きは、互いに相違してもよい。例えば、第1実施形態では、図2に示す4つのノズル24の向きを交互に+30°と-30°とに傾けて配置してある。
なお、第1実施形態では、スリット242aの幅Wを一定にしているが、これに限定されるものではない。例えば、スリット242aの中央部分の幅を、他の部分の幅よりも広くして、消火薬剤の散布範囲に特徴を持たせてもよい。
<温度センサー>
2つの温度センサー25は、例えば、サーミスタであり、所定の間隔をおいてエンジンルーム13内に設置される。各温度センサー25は、耐熱電線を介して、制御手段23に電気的に接続されている。各温度センサー25は、エンジンルーム13内の空気の温度を常時検出し、検出結果を制御手段23に送信する。
3.消火装置の制御処理
次に、消火装置2の制御処理について、図3及び図4を参照しつつ説明する。既に述べたように、消火装置2の全ての動作は、制御手段23によって制御される。また、バス1の運転手は、操作盤26によって、消火装置2を遠隔操作し、及びシステム情報や警報を知覚することが可能である。
以下の説明において、制御手段23の制御処理の呼び名は、図3の符号23a~23gに示される。操作盤26のランプ、スイッチ及びスピーカーは、図3の符号26a~26mに示される。制御手段23の制御処理の流れは、図4のステップS1~S20に示される。以下、図2、図3の符号を引用しつつ、図4のステップS1~S20に沿って、制御手段23の制御処理を説明する。
<回路診断>
消火装置2は、バス1の図示しないバッテリーから供給される電力によって動作する。ステップS1において、バス1の運転手がメインスイッチ11aをONにすると、制御手段23が起動し、ステップS2の回路診断23aが実行される。ステップS2において、制御手段23は、システム異常及び断線が有るか否かを判断する。システム異常及び断線のいずれもが無いと判断した場合(NO)、制御手段23は、ステップS3に進み、操作盤26の電源ランプ26aを点灯させる。その後、制御手段23は、ステップS7に進み、温度警報判定23bを実行する。
一方、ステップS2において、システム異常が有ると判断した場合(YES)、制御手段23は、ステップS4に進み、操作盤26のシステム異常警報ランプ26dを点灯させ、スピーカー26mからブザー音を出力させる。また、断線が有ると判断した場合(YES)、制御手段23は、ステップS5に進み、操作盤26の断線警報ランプ26eを点灯させ、スピーカー26mからブザー音を出力させる。
ステップS4、S5のブザー音は、操作盤26のブザー音停止スイッチ26kをONにすることにより停止される(ステップS18~S20)。システム異常及び断線が解消された場合は、操作盤26の復旧スイッチ26jをONにすると(ステップS16)、制御手段23が回路復旧23eの処理を実行する(ステップS17)。その後、制御手段23は、再びステップS2の回路診断23aを開始する。
<温度警報判定>
ステップS7の温度警報判定23bにおいて、制御手段23は、2つの温度センサー25によって検出されたエンジンルーム13内の温度(ステップS6)が、あらかじめ定められた第1設定温度以上か否かを判断する。第1設定温度は、火災の発生段階を検出するための閾値である。第1設定温度として、例えば、100℃~120℃の範囲内の温度を設定するとよい。エンジンルーム13内の温度が第1設定温度未満の場合(NO)、制御手段23は、ステップS7の温度警報判定23bを繰り返す。
一方、ステップS7において、エンジンルーム13内の温度が第1設定温度以上の場合(YES)、制御手段23は、ステップS8に進み、操作盤26の温度警報ランプ26fを点灯させ、スピーカー26mからブザー音を出力させる。その後、制御手段23は、ステップS10に進み、自動起動判定23cを実行する。
<自動起動判定>
ステップS10の自動起動判定23cにおいて、まず、制御手段23は、操作盤26の自動起動スイッチ26hがON(ステップS9)になっているか否かを判断する。自動起動スイッチ26hがONになっていると判断した場合(YES)、制御手段23は、2つの温度センサー25によって検出されたエンジンルーム13内の温度(ステップS11)が、あらかじめ定められた第2設定温度以上か否かを判断する。第2設定温度は、火災の初期段階を検出するための閾値である。第2設定温度は、第1設定温度を超える値、例えば、140℃~200℃の範囲内の値に設定することができ、好ましくは、170℃に設定するとよい。エンジンルーム13内の温度が第2設定温度未満の場合(NO)、制御手段23は、ステップS10の自動起動判定23cを繰り返す。その後、エンジンルーム13内の温度が第2設定温度以上になった場合(YES)、制御手段23は、ステップS13の起動制御23dを実行する。
一方、ステップS10において、自動起動スイッチ26hがONになっていないと判断した場合(NO)、制御手段23は、ステップS7の温度警報判定23bを繰り返す。この場合、ステップS8の温度警報ランプ26fの点灯及びブザー音の出力は、操作盤26の復旧スイッチ26j及びブザー音停止スイッチ26kが操作されない限り、継続して実行される。
<起動制御>
ステップS13の起動制御23dは、操作盤26の自動起動スイッチ26h又は手動起動スイッチ26iがONになっている場合に実行される。すなわち、制御手段23は、操作盤26の自動起動スイッチ26hがONになっており、且つエンジンルーム13内の温度が第2設定温度以上になった場合(ステップS10)に、ステップS13の起動制御23dを実行する。また、制御手段23は、手動起動スイッチ26iがONになった場合(ステップS12)に、無条件でステップS13の起動制御23dを実行する。
ステップS13において、まず、制御手段23は、2つのイニシエータ22aのそれぞれに電流を供給する。この電流によって、各イニシエータ22aが瞬時に作動し、各加圧容器22の放出口を封鎖する封板が破かれる。これにより、各加圧容器22内に充填されたガスが、いずれも薬剤容器21内に供給される。
ステップS13において、次に、制御手段23は、あらかじめ設定された時間をカウントする。この時間は、イニシエータ22aに電流を供給してから電動弁21aを開動作させるまでの待機時間である。この待機時間は、例えば、2秒以上に設定することができる。2秒のカウントが終了するまでの間、各加圧容器22から供給されるガスの圧力が薬剤容器21内に蓄えられる。第1実施形態では、2秒のカウントが終了するまでに、薬剤容器21の内圧が1MPa以上、好ましくは1.5MPa以上に達するようにしてある。
ステップS13において、2秒のカウントが終了すると、制御手段23は、電動弁21aのモータに信号を送信し、弁を開動作させる。これにより、1MPa以上に加圧された薬剤容器21内の消火薬剤が、配管27を通って4つのノズル24のそれぞれに供給される。消火薬剤は、各ノズル24からエンジンルーム13内に設置されたエンジン131に向けて均等に放出される(ステップS14)。
制御手段23は、ステップS13の起動制御23dを実行する際に、操作盤26の起動ランプ26gを点灯させ、スピーカー26mからブザー音を出力させる(ステップS15)。ステップS15のブザー音は、操作盤26のブザー音停止スイッチ26kをONにすることにより停止される(ステップS18~S20)。エンジンルーム13の消火が完了した後は、薬剤容器21、各加圧容器22及び各イニシエータ22aを新しいものに交換し、操作盤26の復旧スイッチ26jをONにする(ステップS16)。これにより、回路復旧23eの処理が実行され(ステップS17)、消火装置2は、バス1のエンジンルーム13の消火に再使用することが可能となる。
4.消火装置の作用効果
第1実施形態の消火装置2は、加圧式及び蓄圧式の両方の特徴を備える。したがって、消火装置2をバス1のエンジンルーム13の消火に適用した場合は、加圧式及び蓄圧式の両方の作用効果を享受することができる。
<蓄圧式の作用効果>
第1実施形態の消火装置2は、各加圧容器22によるガスの供給開始から時間差をもって薬剤容器21の放出口を開放させる。これにより、各加圧容器22から供給されるガスの圧力が薬剤容器21内に蓄えられ、バス1のエンジンルーム13で発生した火災を消火するために十分な圧力(例えば、薬剤容器21の内圧が1MPa以上)が得られる。
第1実施形態の消火装置2は、各加圧容器22と薬剤容器21とを開放させるタイミングに時間差を設けることで、薬剤容器21の内圧を高めている。これにより、加圧容器22の容積及び数を増大させることなく、エンジンルーム13の消火に十分な圧力が得られる。この結果、消火装置本体20を小型化することができ、バス1の内部の比較的小さなスペースに消火装置本体20を設置することが可能である。
<加圧式の作用効果>
第1実施形態の消火装置2は、エンジンルーム13で火災が発生した直後の僅かな時間だけ、薬剤容器21内を1MPa以上の高圧に加圧する。一方、火災が発生していない通常時において、薬剤容器21内は常圧であり、且つ各加圧容器22の内容積は1デシリットル以下であり、日本の高圧ガス保安法の適用を受けない。つまり、消火装置2は、高圧ガス保安法の適用を受けない安全性を有し、高圧ガス保安法に規定された基準に制限されない。
<ノズルの作用効果>
図5(a)~(c)に示すノズル24の構成によれば、図5(d)に示すように、消火薬剤が、スリット242aから放射状に広がって放出され、且つスリット242aの直下の方向にも放出される。これにより、消火薬剤をエンジン131の真上から真下に向けて放出させることが可能となり、エンジンルーム13で発生した火災を効果的に消火することが可能となる。
5.その他
本発明の消火装置及びこれが搭載された車両は、上述した第1実施形態の構成に限定されるものではない。
本発明の消火装置が搭載される車両は、図1に示すバス1に限定されるものではない。本発明の消火装置は、貨物自動車、鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの大型車両又は航空機に広く適用することが可能である。
本発明の消火装置の消火対象となる防護区画は、車両のエンジンルームに限定されるものではない。例えば、図1に示すバス1において、エンジンルーム13に加えて、黒煙浄化装置室14、プレヒーター室15、及び図示しないバッテリー室などを防護区画とし、複数の防護区画のそれぞれに、ノズル24及び温度センサー25を設置することが可能である。また、一又は複数の防護区画に設置されるノズル24及び温度センサー25の数も、上述した第1実施形態に限定されるものではない。一又は複数の防護区画のそれぞれの消火に適した数のノズル24及び温度センサー25を配置すればよい。さらに、図1に示すバス1において、消火装置本体20の設置場所は、トランクルーム12に限定されるものではない。例えば、黒煙浄化装置室14内又はプレヒーター室15内の空きスペースに消火装置本体20を設置してもよい。
本発明の消火装置は、車両に限らず、例えば、屋内駐車場、病院、福祉施設、変電設備、工場、美術館、サーバールーム、飲食店の厨房などの建築物に設置することが可能である。
薬剤容器を時間差で開放させるための手段は、図2に示す電動弁21aに限定させるものではない。例えば、薬剤容器の内圧が所定の圧力に達したときに自ら破ける封板又はラプチャーディスクを用いてもよい。また、薬剤容器の放出口を封鎖する封板を図2に示すイニシエータ22aで破く構成としてもよい。
消火装置を構成する温度センサーは、サーミスタに限定されるものではない。例えば、熱電対、測温抵抗体又はバイメタル・サーモスタットなどの温度センサーを用いてもよい。
さらに、消火装置を自動で起動させるためのセンサーは、温度センサーに限定されるものではなく、エンジンルーム13内において、熱、煙、炎のいずれかを検出するセンサーに基づいて、消火装置が自動で起動する構成としてもよい。エンジンルーム13内において生じた煙は、例えば、発光部と受光部とを備えた光センサーによって検出することが可能である。また、エンジンルーム13内において生じた炎は、例えば、紫外線又は赤外線の感知器によって検出することができる。
6.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態に係る消火装置について、図6~図9を参照しつつ説明する。
<技術課題>
上述した第1実施形態の消火装置2は、エンジンルーム13の消火に十分な圧力を得ることができる。しかし、図1及び図2に示すように、第1実施形態の消火装置2は、単一の配管27によって複数のノズル24に消火薬剤を供給する構成となっている。このため、消火装置2が搭載される実際のバス1の構造によっては、配管27の全長を長くしなければならず、また、配管27に形成される曲げ部分や分岐部分の数を多くしなければならない場合がある。このような場合は、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失が大きくなる。大きな圧力損失は、消火薬剤がノズル24に到達するまでの時間を遅らせ、この結果、ノズル24からの消火薬剤の放出開始を遅らせる。また、大きな圧力損失は、ノズル24から放出される消火薬剤の拡散を不十分にする。
<第2実施形態の消火装置>
第2実施形態の消火装置は、上述した技術課題を解決することを目的とする。この目的を達成するために、第2実施形態の消火装置は、1つの防護区画に設置された複数のノズルに消火薬剤を供給するための2つの薬剤容器、2つの加圧容器、2つの第1作動手段、2つの第2作動手段及び2つの配管を含むことを特徴とする。
第2実施形態の消火装置3の特徴的な構成は、図6及び図7に示される。図6に示すように、消火装置3は、消火器本体30、第1及び第2配管37A、37B、エンジンルーム13に設置された4つのノズル24を含む。図7に示すように、消火器本体30は、第1及び第2薬剤容器31A、31B、第1及び第2加圧容器32A、32B、第1及び第2電動弁311、312、第1及び第2イニシエータ321、322を備える。
なお、第2実施形態の消火装置3は、第1実施形態と同様に、図3に示す温度センサ25及び操作盤26に電気的に接続されており、制御手段23によって、図4に示す制御処理が実行される。
図7において、第1及び第2薬剤容器31A、31Bのそれぞれには、消火薬剤が充填される。第1及び第2薬剤容器31A、31Bのそれぞれに充填される消火薬剤の量は、第1実施形態の単一の薬剤容器21に充填される消火薬剤の量よりも少なくてよい。例えば、単一の薬剤容器21には、6kgの消火薬剤が充填される。これに対し、第1及び第2薬剤容器31A、31Bには、それぞれ3kgの消火薬剤が充填される。
第1薬剤容器31Aの放出口には、第1電動弁311が結合される。第2薬剤容器31Bの放出口には、第2電動弁312が結合される。第1及び第2電動弁311、312の構成は、第1実施形態の電動弁21aと同様であり、弁を開閉させるためのモータを備える。第1及び第2電動弁311、312のそれぞれのモータは、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。
第1及び第2加圧容器32A、32Bの構成は、第1実施形態の加圧容器22と同様であり、第1及び第2薬剤容器31A、31Bのそれぞれの内部を1MPa以上に加圧するためのガスが充填される。第1及び第2加圧容器32A、32Bのそれぞれの放出口は、図示しない封板によって封鎖される。
第1加圧容器32Aの放出口には、第1イニシエータ321が結合される。第2加圧容器32Bの放出口には、第2イニシエータ322が結合される。第1及び第2イニシエータ321、322は、第1実施形態と同様に、封板を破くための機械的要素(例えば、ニードル)を備える。
第1イニシエータ321は、自動又は手動で起動させることが可能である。第1イニシエータ321は、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。第1実施形態と同様に、制御手段23は、エンジンルーム13内に設置された温度センサー25(図2を参照)に電気的に接続される。制御手段23は、温度センサー25によって検出されたエンジンルーム13内の温度が第2設定温度以上になった場合(図4のステップS11を参照)、第1イニシエータ321に電流を供給する。第1イニシエータ321は、制御手段23から供給された電流によって起動する。また、第1イニシエータ321には、レバー323が設けられており、レバー323の手動操作によって起動させることも可能である。
第2イニシエータ322は、第1イニシエータ321に連動して起動する。第1イニシエータ321には、T字形継手324の入口が結合される。T字形継手324は、1つの前記入口と2つの出口とを有する。T字形継手324の第1出口は、小径の銅管325を介して、第1薬剤容器31Aの内部に連絡する。T字形継手324の第2出口は、小径の銅管325を介して、第2イニシエータ322に結合される。第2イニシエータ322は、小径の銅管325を介して、第2薬剤容器31Bの内部に連絡する。
第1イニシエータ321が起動すると、第1加圧容器32Aの放出口を塞ぐ封板が破かれる。これにより、第1加圧容器32A内のガスが、T字形継手324及び銅管325を介して、第1薬剤容器31A及び第2イニシエータ322に供給される。第2イニシエータ322は、第1加圧容器32Aから供給されるガスの圧力を受けて起動し、第2加圧容器32Bの放出口を塞ぐ封板が破かれる。これにより、第2加圧容器32B内のガスが、銅管325を介して、第2薬剤容器31Bに供給される。
第1及び第2加圧容器32A、32Bからのガスが供給されることにより、第1及び第2薬剤容器31A、31Bのそれぞれの内部は、1MPa以上に加圧される。その後は第1実施形態と同様に、制御手段23が、第1イニシエータ321の起動から時間差をもって第1及び第2電動弁311、312のそれぞれを開動作させる。これにより、第1及び第2薬剤容器31A、31Bのそれぞれの内部に充填された消火薬剤が放出される。
図6において、第1薬剤容器31Aから放出された消火薬剤は、第1配管37Aを通って、エンジンルーム13の左側に設置された2つのノズル24に供給される。第2薬剤容器31Bから放出された消火薬剤は、第2配管37Bを通って、エンジンルーム13の右側に設置された2つのノズル24に供給される。
第1及び第2配管37A、37Bとしては、例えば、銅管を用いることが好ましい。銅管は、可撓性に優れ、バス1の内部スペースに設置するときの曲げ加工が容易である。より好ましくは、リン脱酸銅からなる銅管を用いる。リン脱酸銅は、高温に加熱された場合でも水素脆化を起こさない。例えば、第1及び第2配管37A、37Bとして、肉厚1.0mm、外径19.05mm、内径18.05mm、最高使用圧力6.7MPa、許容引張応力61MPaのリン脱酸銅製の銅管を用いる。
第1及び第2配管37A、37Bのそれぞれの全長が短いほど、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失は小さくなる。例えば、第1及び第2配管37A、37Bの外径が19.05mmである場合、第1及び第2配管37A、37Bのそれぞれの全長は、7m以下とすることが好ましい。なお、第1及び第2配管37A、37Bの外径を大きくすれば、7mを超える全長とすることが可能である。
図6中の丸で囲まれた数字は、第1及び第2配管37A、37Bのそれぞれに形成された曲げ部分及び分岐部分を示す。曲げ部分及び分岐部分は、第1及び第2配管37A、37Bの入口から出口までの間に形成される。曲げ部分及び分岐部分の数が少ないほど、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失は小さくなる。第1及び第2配管37A、37Bのそれぞれに形成される曲げ部分及び分岐部分の数は、9以下とすることが好ましい。
次に述べる圧力の測定結果が示すように、第1及び第2配管37A、37Bは、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失が小さい。このため、第1及び第2配管37A、37Bの一方又は両方に、エンジンルーム13以外の防護区画に設置される新たなノズル24Aを追加してもよい。新たに追加したノズル24Aは、例えば、図1に示すバス1の黒煙浄化装置室14、プレヒーター室15又は図示しないバッテリールームなどに設置される。
<圧力の測定結果>
第1実施形態の消火装置2と、第2実施形態の消火装置3との各部の圧力を測定し、その結果を比較した。圧力の測定条件を下記の表1に示す。
Figure 0007369582000001

但し、表1中の「D61」は、日本ドライケミカル株式会社(登録商標)が販売するCOとN混合ガスが61g充填された加圧用ボンベの製品名である。
表1に示す消火装置2、3を起動させ、電動弁が開放してから7秒が経過するまでの間における薬剤容器内、配管入口、配管出口の3か所の圧力を測定した。図8(a)は、消火装置3を構成する第1薬剤容器31A及び第1配管37Aの測定結果を示す。図8(b)は、消火装置3を構成する第2薬剤容器31B及び第2配管37Bの測定結果を示す。図9(a)は、消火装置2を構成する単一の薬剤容器21及び単一の配管27の測定結果を示す。なお、図9(b)は、図8(b)と同じグラフに圧力損失を示すハッチングを追加したものである。
図8(a)に示すように、消火装置3の第1消火薬剤容器31A内の最大圧力は、第1電動弁311が開放する約1.5秒前の時点で約1.4MPaであった。消火装置3の第1配管37Aの入口の最大圧力は、第1電動弁311が開放してから約0.3秒後の時点で約0.8MPaであった。消火装置3の第1配管37Aの出口の最大圧力は、第1電動弁311が開放してから約1秒後の時点で0.4MPa強であった。つまり、第1配管37Aの入口から出口までの間における圧力損失の最大値は約0.4MPaである。
図8(b)に示すように、消火装置3の第2消火薬剤容器31B内の最大圧力は、第2電動弁312が開放する約1.5秒前の時点で約1.3MPaであった。消火装置3の第2配管37Bの入口の最大圧力は、第2電動弁312が開放してから約0.3秒後の時点で約0.8MPaであった。消火装置3の第2配管37Bの出口の最大圧力は、第2電動弁312が開放してから約0.6秒後の時点で0.4MPa弱であった。つまり、第配管37の入口から出口までの間における圧力損失の最大値は約0.4MPaである。
図9(a)に示すように、消火装置2の単一の消火薬剤容器21内の最大圧力は、電動弁21aが開放する直前で約1.5MPaであった。消火装置2の単一の配管27の入口の最大圧力は、電動弁21aが開放してから約0.3秒後の時点で約1.0MPaであった。消火装置2の単一の配管27の出口の最大圧力は、電動弁21aが開放してから約1.0秒後の時点で約0.3MPaであった。つまり、単一の配管27の入口から出口までの間における圧力損失の最大値は約0.7MPaである。
次に、第1実施形態の単一の配管27の出口の最大圧力と、第2実施形態の第1及び第2配管37A、37Bの各出口の最大圧力とを複数回測定し、その結果を比較した。測定条件は、表1と同じである。単一の配管27の出口の最大圧力を下記の表2に示す。第1及び第2配管37A、37Bの各出口の最大圧力を下記の表3に示す。
Figure 0007369582000002
Figure 0007369582000003
<作用効果>
・圧力損失の減少
図9(a)、(b)中のハッチングによって示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失を減少させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の入口から出口までの間における圧力損失の最大値は、約0.7MPaである。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの入口から出口までの間における圧力損失の最大値は、共に約0.4MPaである。
・配管の出口における最大圧力の増大
表2、3の最大圧力[MPa]の平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、第1及び第2配管37A、37Bの各出口における最大圧力を増大させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の出口における最大圧力の平均は、0.294MPaである。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1配管37Aの出口における最大圧力の平均は、0.442MPaであり、第2配管37Bの出口における最大圧力の平均は、0.379MPaである。また、表3の最大圧力[MPa]の総平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力の総平均は、0.411MPaである。
・配管の出口における最大圧力到達時間の短縮
表2、3の最大圧力到達時間[秒]の平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、第1及び第2配管37A、37Bの各出口における最大圧力到達時間を短縮させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の出口における最大圧力到達時間の平均は、1.03秒である。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1配管37Aの出口における最大圧力到達時間の平均は、0.90秒であり、第2配管37Bの出口における最大圧力到達時間の平均は、0.87秒である。また、表3の最大圧力到達時間[秒]の総平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力到達時間の総平均は、0.88秒である。
・まとめ
以上のように、第2実施形態の消火装置3によれば、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失を減少させることができる。これにより、第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力が増大し、且つ最大圧力到達時間が短縮する。この結果、防護区画であるエンジンルーム13内に大量の消火薬剤を瞬時に拡散させることが可能となる。
さらに、圧力損失が減少する結果として、第2実施形態の消火装置3は、第1及び第2配管37A、37Bの全長を長くし、及び第1及び第2配管37A、37Bの曲げ部分や分岐部分の数を多くすることが可能となる。これにより、1及び第2配管37A、37Bをバス1の内部に設置する際のレイアウトの自由度が高くなる。
1 バス(車両)
11 運転席
11a バスメインスイッチ
12 トランクルーム
13 エンジンルーム
131 エンジン
14 黒煙浄化装置室
15 プレヒーター室
2 消火装置
20 消火装置本体
21 薬剤容器
21a 電動弁(第1作動手段)
22 加圧容器
22a イニシエータ(第2作動手段)
23 制御手段
23a 回路診断
23b 温度警報判定
23c 自動起動判定
23d 起動制御
23e 回路復旧
23f ランプ制御
23g 音声制御
24、24A ノズル
241 第1部品
241a 雄ねじ
241b 貫通孔
242 第2部品
242a スリット
242b V字形壁部
25 温度センサ(熱の検出手段)
26 操作盤
26a 電源ランプ
26b 自動起動ランプ
26c 手動起動ランプ
26d システム異常警報ランプ
26e 断線警報ランプ
26f 温度警報ランプ(報知手段)
26g 起動ランプ(報知手段)
26h 自動起動スイッチ
26i 手動起動スイッチ(起動手段)
26j 復旧スイッチ
26k ブザー音停止スイッチ
26m スピーカー(報知手段)
27 配管
28 配線
3 消火装置
30 消火装置本体
31A 第1薬剤容器
31B 第2薬剤容器
311 第1電動弁(第1作動手段)
312 第2電動弁(第1作動手段)
32A 第1加圧容器
32B 第2加圧容器
321 第1イニシエータ(第2作動手段)
322 第2イニシエータ(第2作動手段)
323 レバー
324 T字形継手
325 銅管
37A 第1配管
37B 第2配管

Claims (28)

  1. エンジンルームが最も後部に位置するバス又は2階建てバスの車両であって、
    前記エンジンルームで発生した火災を消火するための消火装置が搭載され、
    前記消火装置は、
    消火薬剤が充填された薬剤容器と、
    前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された加圧容器と、
    前記薬剤容器の放出口を開放するための第1作動手段と、
    前記加圧容器の放出口を開放するための第2作動手段と、
    前記エンジンルーム内に設置されるノズルと、
    前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる配管と、
    少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、
    前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される、車両
  2. 前記消火装置は、前記制御手段に電気的に接続された運転席の近傍の操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項1に記載の車両。
  3. 前記消火装置は、前記エンジンルーム内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段をさらに含み、前記制御手段が、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記消火装置は、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる請求項1~3のいずれか1項に記載の車両
  5. 前記消火装置は、前記第1作動手段としての封板又はラプチャーディスクを備え、前記封板又は前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する請求項1~3のいずれか1項に記載の車両
  6. 前記消火装置は、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる請求項1~3のいずれか1項に記載の車両
  7. 前記消火装置は、前記第2作動手段としてのイニシエータを備え請求項1~6のいずれか1項に記載の車両
  8. 前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する請求項1~7のいずれか1項に記載の車両
  9. 前記消火装置は、内容積が1デシリットル以下の前記加圧容器を複数備える請求項に記載の車両
  10. 前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である請求項1~9のいずれか1項に記載の車両
  11. 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である請求項1~10のいずれか1項に記載の車両
  12. 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い請求項1~10のいずれか1項に記載の車両
  13. 前記消火装置は、複数の前記ノズルを備え、前記ノズル前記エンジンルームに加えて、黒煙浄化装置室、プレヒーター室及びバッテリー室のうちの少なくとも1つに設置される請求項1~12のいずれか1項に記載の車両。
  14. エンジンルームが最も後部に位置するバス又は2階建てバスの車両であって、
    前記エンジンルームで発生した火災を消火するための消火装置が搭載され、
    前記消火装置は、
    消火薬剤が充填された複数の薬剤容器と、
    複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された複数の加圧容器と、
    複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口を開放するための複数の第1作動手段と、
    複数の前記加圧容器のそれぞれに対応し、前記加圧容器の放出口を開放するための複数の第2作動手段と、
    前記エンジンルーム内に設置される複数のノズルと、
    複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる複数の配管と、
    少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、
    前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される、車両
  15. 前記消火装置は、前記制御手段に電気的に接続された運転席の近傍の操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項14に記載の車両。
  16. 前記消火装置は、前記エンジンルーム内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段をさらに含み、前記制御手段が、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項14又は15に記載の車両。
  17. 複数の前記薬剤容器のうちの少なくとも1つに充填される消火薬剤の量が3kg以下である請求項14~1のいずれか1項に記載の車両
  18. 複数の前記配管のうちの少なくとも1の全長が4mを超える請求項14~17のいずれか1項に記載の車両
  19. 前記薬剤容器の放出口から前記ノズルまでの間における前記配管の曲げ部分及び/又は分岐部分の数が9以下である請求項18に記載の車両
  20. 前記消火装置は、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる請求項14~19のいずれか1項に記載の車両
  21. 前記消火装置は、前記第1作動手段としての封板又はラプチャーディスクを備え、前記封板又は前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する請求項14~19のいずれか1項に記載の車両
  22. 前記消火装置は、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる請求項14~19のいずれか1項に記載の車両
  23. 前記消火装置は、前記第2作動手段としてのイニシエータを備え請求項14~22のいずれか1項に記載の車両
  24. 前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する請求項14~23のいずれか1項に記載の車両
  25. 前記加圧容器の内容積が1デシリットル以下である請求項2に記載の車両
  26. 前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である請求項14~25のいずれか1項に記載の車両
  27. 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である請求項14~26のいずれか1項に記載の車両
  28. 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い請求項14~26のいずれか1項に記載の車両
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