JP7369582B2 - 消火装置及びこれが搭載された車両 - Google Patents
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Description
加圧式消火器の基本構造は、バスのエンジンルーム用消火装置に採用した場合、十分な圧力が得られないという問題がある。その理由として、第1に、加圧式消火器は、加圧容器によるガスの供給開始と同時に、薬剤容器の放出口が開放される。このため、薬剤容器内に供給されたガスの圧力が、薬剤容器の放出口の開放によって損失される。第2に、バスは、余分なスペースがないように設計されており、消火装置を搭載するためのスペースが制限される。このため、加圧容器の容積及び数が制限される。第3に、バスのエンジンルームは、車両の最も後部に位置しており、エンジンルームの付近に薬剤容器及び加圧容器を設置できるとは限らない。薬剤容器及び加圧容器の設置位置がエンジンルームから離れた場合は、ノズルまでの配管が長くなり、消火薬剤をノズルに到達させるまでの間に圧力が損失してしまう。このような理由により、加圧式消火器の基本構造では、十分な消火薬剤を放出するために必要な圧力が得られず、バスのエンジンルームで発生した火災を短時間で消火することができない。加圧式消火器の基本構造では、UN/ECE規則番号R107に規定された消火試験の条件をクリアすることは難しい。
本発明者らが鋭意検討した結果、UN/ECE規則番号R107に規定された消火試験の条件をクリアするためには、少なくとも薬剤容器の内圧を1MPa以上にすることが有効であることを知見した。蓄圧式消火器の基本構造を採用して、あらかじめ薬剤容器の内圧を1MPa以上にすることが可能である。しかし、薬剤容器の内圧を1MPa以上にした場合は、消火装置が日本の高圧ガス保安法の適用を受けることとなる。したがって、バスのエンジンルーム用消火装置に、1MPa以上に蓄圧した薬剤容器を用いることは現実的ではない。
図1に示すように、第1実施形態の消火装置2は、大型車両であるバス1の内部に搭載されており、エンジンルーム13で発生した火災の消火を目的とする。消火装置2を動作させるための電力は、バス1の図示しないバッテリーから供給される。消火装置2は、主として、消火装置本体20、4つのノズル24、2つの温度センサー(熱の検出手段)25、操作盤26、配管27及び配線28で構成される。
まず、消火装置本体20の構成要素について説明する。図2に示すように、消火装置本体20は、薬剤容器21、電動弁(第1作動手段)21a、2つの加圧容器22、イニシエータ(第2作動手段)22a及び制御手段23を備える。
薬剤容器21は、1MPa以上の内圧に耐え得る、完全に密閉することが可能なボンベである。薬剤容器21の素材は、金属、特にアルミニウムが好ましい。アルミニウムは、軽量であり、耐久性に優れ、且つリサイクルが容易であるという利点がある。
薬剤容器21は、消火薬剤が放出される放出口を有する。薬剤容器21の放出口は、電動弁21aの入口に結合される。電動弁21aの出口は、ノズル24に連絡する配管27の入口に結合される。電動弁21aは、弁を開閉させるためのモータを備える。電動弁21aのモータは、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。電動弁21aとして、例えば、電気制御によって球状の弁を90°回転させる構成のボールバルブを用いる。
加圧容器22は、日本の高圧ガス保安法の適用を受けない内容積1デシリットル以下の小型の圧力容器であり、薬剤容器21内を加圧するためのガスが充填される。本実施形態の消火装置2は、2つの加圧容器22を用いて薬剤容器21内を加圧する構成となっている。各加圧容器22の放出口は、イニシエータ22a及び配管27を介して、薬剤容器21の内部に連絡する。各加圧容器22には、例えば、不活性ガスである炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスが充填される。第1実施形態では、2つの加圧容器22から供給されるガスの合計により、薬剤容器21内が1MPa以上に加圧される。加圧容器22の充填圧力は、20~30Mpaの範囲内が好ましい。例えば、第1実施形態では、加圧容器22内に26Mpaの充填圧力で上述した不活性ガスが充填される。
2つの加圧容器22の放出口は、それぞれ図示しない封板によって封鎖される。各加圧容器22の放出口には、封板を破くためのイニシエータ22aが結合される。イニシエータ22aは、電気発火式の点火具である。各イニシエータ22aは、配線28を介して、制御手段23に電気的に接続される。イニシエータ22aは、制御手段23から供給された電流によって火薬を爆発させ、封板を破くための機械的要素(例えば、ニードル)を動かす。これにより、封板が瞬時に破かれ、各加圧容器22の放出口から薬剤容器21内にガスが供給される。
消火装置2の全ての動作は、制御手段23によって制御される。制御手段23は、図3に示す回路診断23a、温度警報判定23b、自動起動判定23c、起動制御23d、回路復旧23e、ランプ制御23f及び音声制御23gを実行する。制御手段23の制御処理については、後に図4を参照して具体的に説明する。
操作盤26は、消火装置2のユーザインターフェースであり、バス1の運転手による消火装置2の遠隔操作を可能とするとともに、バス1の運転手にシステム情報及び警報を提供する。操作盤26は、図3に示す電源ランプ26a、自動起動ランプ26b、手動起動ランプ26c、システム異常警報ランプ26d、断線警報ランプ26e、温度警報ランプ26f、起動ランプ26g、自動起動スイッチ26h、手動起動スイッチ26i、復旧スイッチ26j、ブザー音停止スイッチ26k及びスピーカー26mを備える。操作盤26の動作については、制御手段23の制御処理とともに、後に図4を参照して具体的に説明する。
図2に示すように、4つのノズル24は、電動弁21aを介して薬剤容器21の放出口に連絡する配管27の出口に結合される。各ノズル24は、例えば、エンジンルーム13内におけるエンジン131、換気口、換気ファンなどのレイアウトに応じて、消火に最も効果的な位置に配置することが望ましい。例えば、第1実施形態の各ノズル24は、エンジンルーム13内において、エンジン131の上方に等間隔で配置される。
2つの温度センサー25は、例えば、サーミスタであり、所定の間隔をおいてエンジンルーム13内に設置される。各温度センサー25は、耐熱電線を介して、制御手段23に電気的に接続されている。各温度センサー25は、エンジンルーム13内の空気の温度を常時検出し、検出結果を制御手段23に送信する。
次に、消火装置2の制御処理について、図3及び図4を参照しつつ説明する。既に述べたように、消火装置2の全ての動作は、制御手段23によって制御される。また、バス1の運転手は、操作盤26によって、消火装置2を遠隔操作し、及びシステム情報や警報を知覚することが可能である。
消火装置2は、バス1の図示しないバッテリーから供給される電力によって動作する。ステップS1において、バス1の運転手がメインスイッチ11aをONにすると、制御手段23が起動し、ステップS2の回路診断23aが実行される。ステップS2において、制御手段23は、システム異常及び断線が有るか否かを判断する。システム異常及び断線のいずれもが無いと判断した場合(NO)、制御手段23は、ステップS3に進み、操作盤26の電源ランプ26aを点灯させる。その後、制御手段23は、ステップS7に進み、温度警報判定23bを実行する。
ステップS7の温度警報判定23bにおいて、制御手段23は、2つの温度センサー25によって検出されたエンジンルーム13内の温度(ステップS6)が、あらかじめ定められた第1設定温度以上か否かを判断する。第1設定温度は、火災の発生段階を検出するための閾値である。第1設定温度として、例えば、100℃~120℃の範囲内の温度を設定するとよい。エンジンルーム13内の温度が第1設定温度未満の場合(NO)、制御手段23は、ステップS7の温度警報判定23bを繰り返す。
ステップS10の自動起動判定23cにおいて、まず、制御手段23は、操作盤26の自動起動スイッチ26hがON(ステップS9)になっているか否かを判断する。自動起動スイッチ26hがONになっていると判断した場合(YES)、制御手段23は、2つの温度センサー25によって検出されたエンジンルーム13内の温度(ステップS11)が、あらかじめ定められた第2設定温度以上か否かを判断する。第2設定温度は、火災の初期段階を検出するための閾値である。第2設定温度は、第1設定温度を超える値、例えば、140℃~200℃の範囲内の値に設定することができ、好ましくは、170℃に設定するとよい。エンジンルーム13内の温度が第2設定温度未満の場合(NO)、制御手段23は、ステップS10の自動起動判定23cを繰り返す。その後、エンジンルーム13内の温度が第2設定温度以上になった場合(YES)、制御手段23は、ステップS13の起動制御23dを実行する。
ステップS13の起動制御23dは、操作盤26の自動起動スイッチ26h又は手動起動スイッチ26iがONになっている場合に実行される。すなわち、制御手段23は、操作盤26の自動起動スイッチ26hがONになっており、且つエンジンルーム13内の温度が第2設定温度以上になった場合(ステップS10)に、ステップS13の起動制御23dを実行する。また、制御手段23は、手動起動スイッチ26iがONになった場合(ステップS12)に、無条件でステップS13の起動制御23dを実行する。
第1実施形態の消火装置2は、加圧式及び蓄圧式の両方の特徴を備える。したがって、消火装置2をバス1のエンジンルーム13の消火に適用した場合は、加圧式及び蓄圧式の両方の作用効果を享受することができる。
第1実施形態の消火装置2は、各加圧容器22によるガスの供給開始から時間差をもって薬剤容器21の放出口を開放させる。これにより、各加圧容器22から供給されるガスの圧力が薬剤容器21内に蓄えられ、バス1のエンジンルーム13で発生した火災を消火するために十分な圧力(例えば、薬剤容器21の内圧が1MPa以上)が得られる。
第1実施形態の消火装置2は、エンジンルーム13で火災が発生した直後の僅かな時間だけ、薬剤容器21内を1MPa以上の高圧に加圧する。一方、火災が発生していない通常時において、薬剤容器21内は常圧であり、且つ各加圧容器22の内容積は1デシリットル以下であり、日本の高圧ガス保安法の適用を受けない。つまり、消火装置2は、高圧ガス保安法の適用を受けない安全性を有し、高圧ガス保安法に規定された基準に制限されない。
図5(a)~(c)に示すノズル24の構成によれば、図5(d)に示すように、消火薬剤が、スリット242aから放射状に広がって放出され、且つスリット242aの直下の方向にも放出される。これにより、消火薬剤をエンジン131の真上から真下に向けて放出させることが可能となり、エンジンルーム13で発生した火災を効果的に消火することが可能となる。
本発明の消火装置及びこれが搭載された車両は、上述した第1実施形態の構成に限定されるものではない。
以下、本発明の第2実施形態に係る消火装置について、図6~図9を参照しつつ説明する。
上述した第1実施形態の消火装置2は、エンジンルーム13の消火に十分な圧力を得ることができる。しかし、図1及び図2に示すように、第1実施形態の消火装置2は、単一の配管27によって複数のノズル24に消火薬剤を供給する構成となっている。このため、消火装置2が搭載される実際のバス1の構造によっては、配管27の全長を長くしなければならず、また、配管27に形成される曲げ部分や分岐部分の数を多くしなければならない場合がある。このような場合は、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失が大きくなる。大きな圧力損失は、消火薬剤がノズル24に到達するまでの時間を遅らせ、この結果、ノズル24からの消火薬剤の放出開始を遅らせる。また、大きな圧力損失は、ノズル24から放出される消火薬剤の拡散を不十分にする。
第2実施形態の消火装置は、上述した技術課題を解決することを目的とする。この目的を達成するために、第2実施形態の消火装置は、1つの防護区画に設置された複数のノズルに消火薬剤を供給するための2つの薬剤容器、2つの加圧容器、2つの第1作動手段、2つの第2作動手段及び2つの配管を含むことを特徴とする。
第1実施形態の消火装置2と、第2実施形態の消火装置3との各部の圧力を測定し、その結果を比較した。圧力の測定条件を下記の表1に示す。
・圧力損失の減少
図9(a)、(b)中のハッチングによって示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失を減少させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の入口から出口までの間における圧力損失の最大値は、約0.7MPaである。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの入口から出口までの間における圧力損失の最大値は、共に約0.4MPaである。
表2、3の最大圧力[MPa]の平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、第1及び第2配管37A、37Bの各出口における最大圧力を増大させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の出口における最大圧力の平均は、0.294MPaである。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1配管37Aの出口における最大圧力の平均は、0.442MPaであり、第2配管37Bの出口における最大圧力の平均は、0.379MPaである。また、表3の最大圧力[MPa]の総平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力の総平均は、0.411MPaである。
表2、3の最大圧力到達時間[秒]の平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3によれば、第1及び第2配管37A、37Bの各出口における最大圧力到達時間を短縮させることが可能となる。具体的には、第1実施形態の消火装置2における単一の配管27の出口における最大圧力到達時間の平均は、1.03秒である。これに対し、第2実施形態の消火装置3における第1配管37Aの出口における最大圧力到達時間の平均は、0.90秒であり、第2配管37Bの出口における最大圧力到達時間の平均は、0.87秒である。また、表3の最大圧力到達時間[秒]の総平均に示されるように、第2実施形態の消火装置3における第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力到達時間の総平均は、0.88秒である。
以上のように、第2実施形態の消火装置3によれば、消火薬剤がノズル24に到達するまでの間における圧力損失を減少させることができる。これにより、第1及び第2配管37A、37Bの出口における最大圧力が増大し、且つ最大圧力到達時間が短縮する。この結果、防護区画であるエンジンルーム13内に大量の消火薬剤を瞬時に拡散させることが可能となる。
11 運転席
11a バスメインスイッチ
12 トランクルーム
13 エンジンルーム
131 エンジン
14 黒煙浄化装置室
15 プレヒーター室
2 消火装置
20 消火装置本体
21 薬剤容器
21a 電動弁(第1作動手段)
22 加圧容器
22a イニシエータ(第2作動手段)
23 制御手段
23a 回路診断
23b 温度警報判定
23c 自動起動判定
23d 起動制御
23e 回路復旧
23f ランプ制御
23g 音声制御
24、24A ノズル
241 第1部品
241a 雄ねじ
241b 貫通孔
242 第2部品
242a スリット
242b V字形壁部
25 温度センサ(熱の検出手段)
26 操作盤
26a 電源ランプ
26b 自動起動ランプ
26c 手動起動ランプ
26d システム異常警報ランプ
26e 断線警報ランプ
26f 温度警報ランプ(報知手段)
26g 起動ランプ(報知手段)
26h 自動起動スイッチ
26i 手動起動スイッチ(起動手段)
26j 復旧スイッチ
26k ブザー音停止スイッチ
26m スピーカー(報知手段)
27 配管
28 配線
3 消火装置
30 消火装置本体
31A 第1薬剤容器
31B 第2薬剤容器
311 第1電動弁(第1作動手段)
312 第2電動弁(第1作動手段)
32A 第1加圧容器
32B 第2加圧容器
321 第1イニシエータ(第2作動手段)
322 第2イニシエータ(第2作動手段)
323 レバー
324 T字形継手
325 銅管
37A 第1配管
37B 第2配管
Claims (28)
- エンジンルームが最も後部に位置するバス又は2階建てバスの車両であって、
前記エンジンルームで発生した火災を消火するための消火装置が搭載され、
前記消火装置は、
消火薬剤が充填された薬剤容器と、
前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された加圧容器と、
前記薬剤容器の放出口を開放するための第1作動手段と、
前記加圧容器の放出口を開放するための第2作動手段と、
前記エンジンルーム内に設置されるノズルと、
前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる配管と、
少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、
前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される、車両。 - 前記消火装置は、前記制御手段に電気的に接続された運転席の近傍の操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項1に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記エンジンルーム内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段をさらに含み、前記制御手段が、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項1又は2に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる請求項1~3のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としての封板又はラプチャーディスクを備え、前記封板又は前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する請求項1~3のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる請求項1~3のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第2作動手段としてのイニシエータを備える請求項1~6のいずれか1項に記載の車両。
- 前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する請求項1~7のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、内容積が1デシリットル以下の前記加圧容器を複数備える請求項8に記載の車両。
- 前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である請求項1~9のいずれか1項に記載の車両。
- 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である請求項1~10のいずれか1項に記載の車両。
- 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い請求項1~10のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、複数の前記ノズルを備え、前記ノズルが、前記エンジンルームに加えて、黒煙浄化装置室、プレヒーター室及びバッテリー室のうちの少なくとも1つに設置される請求項1~12のいずれか1項に記載の車両。
- エンジンルームが最も後部に位置するバス又は2階建てバスの車両であって、
前記エンジンルームで発生した火災を消火するための消火装置が搭載され、
前記消火装置は、
消火薬剤が充填された複数の薬剤容器と、
複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器内を加圧するためのガスが充填された複数の加圧容器と、
複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口を開放するための複数の第1作動手段と、
複数の前記加圧容器のそれぞれに対応し、前記加圧容器の放出口を開放するための複数の第2作動手段と、
前記エンジンルーム内に設置される複数のノズルと、
複数の前記薬剤容器のそれぞれに対応し、前記薬剤容器の放出口と前記ノズルとを連絡させる複数の配管と、
少なくとも前記第2作動手段を動作させる制御手段と、を含み、
前記第2作動手段が動作した後、前記第1作動手段が時間差をもって作動し、前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間、前記加圧容器から供給されるガスの圧力が前記薬剤容器内に蓄えられるように構成される、車両。 - 前記消火装置は、前記制御手段に電気的に接続された運転席の近傍の操作盤をさらに含み、前記操作盤が、火災の発生を視覚的及び/又は聴覚的に報知するための報知手段と、前記制御手段に信号を出力するための起動手段とを備え、前記制御手段が、前記操作盤から出力された信号に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項14に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記エンジンルーム内において生じた熱、煙、炎の少なくとも1つを検出する検出手段をさらに含み、前記制御手段が、前記検出手段に電気的に接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて、少なくとも前記第2作動手段を動作させる請求項14又は15に記載の車両。
- 複数の前記薬剤容器のうちの少なくとも1つに充填される消火薬剤の量が3kg以下である請求項14~16のいずれか1項に記載の車両。
- 複数の前記配管のうちの少なくとも1つの全長が4mを超える請求項14~17のいずれか1項に記載の車両。
- 前記薬剤容器の放出口から前記ノズルまでの間における前記配管の曲げ部分及び/又は分岐部分の数が9以下である請求項18に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としての電動弁を備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記電動弁を動作させる請求項14~19のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としての封板又はラプチャーディスクを備え、前記封板又は前記ラプチャーディスクが、前記薬剤容器内の圧力に起因して破裂する請求項14~19のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第1作動手段としてのイニシエータを備え、前記制御手段が、時間の経過に基づいて、前記イニシエータに点火させる請求項14~19のいずれか1項に記載の車両。
- 前記消火装置は、前記第2作動手段としてのイニシエータを備える請求項14~22のいずれか1項に記載の車両。
- 前記第2作動手段が動作してから前記薬剤容器の放出口が開放されるまでの間に、前記薬剤容器内の圧力が1MPa以上に達する請求項14~23のいずれか1項に記載の車両。
- 前記加圧容器の内容積が1デシリットル以下である請求項24に記載の車両。
- 前記薬剤容器に充填される消火薬剤が、リン酸アンモニウムを90%以上含有する粉末である請求項14~25のいずれか1項に記載の車両。
- 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は一端から他端にわたって一定の幅である請求項14~26のいずれか1項に記載の車両。
- 前記ノズルが、末広がりの内部空間と、前記内部空間の末端で開口するスリット状の噴射口とを備え、前記噴射口は中央部分の幅が他の部分の幅よりも広い請求項14~26のいずれか1項に記載の車両。
Priority Applications (4)
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