JP7369020B2 - 電流検出器及びパワーモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、電流検出器及びパワーモジュールに関する。
従来、電力損失の少ない電流検出器として、コイルを備える電流検出器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の電流検出器700は、図11に示すように、検出対象電流が流れる導体部材720と離隔した位置で導体部材720を取り囲む位置に配置されたコイル730(いわゆるロゴスキーコイル)を備えている。
このようなコイルを備えた電流検出器をパワーモジュールに適用することも知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示のパワーモジュール800は、図12に示すように、回路基板810と、回路基板810上に配置されたチップ(IGBT)820と、チップ820の電極と電気的に接続されたクリップリード830(導体部材)と、クリップリード830が貫通孔内を通るように配置され、クリップリード830を流れる電流を検出する電流検出器700とを備えている。電流検出器700においては、クリップリード830の所定の箇所(主電流導通路Cを囲む位置)にコイル730が配置されている。このようなパワーモジュール800によれば、クリップリード830の所定の箇所(主電流導通路Cを囲む位置)にコイル730が配置されているため、検出対象電流が抵抗を流れることに起因した電力損失が発生せず、電流検出器としてシャント抵抗を用いた場合と比較して電力損失が少なくて済む。
ところで近年、電源装置(電力変換回路)やパワーモジュールの小型化の要請に伴い、パワーモジュール内に組み込まれる電流検出器のより一層の小型化が求められている。そこで、シリコン基板等の基体に微細加工を施すMEMS技術を適用することにより、コイルを備える電流検出器をより一層小型化することが考えられている。
本発明の発明者らは、微細加工を施すMEMS技術を電流検出器に適用することを目的として鋭意研究を行った結果、基体にコイルが形成された電流検出器を発明し、特願2019―084827号としてすでに出願している。その先願に係る電流検出器900は、図13に示すように、高抵抗基体910と、高抵抗基体910に形成され、高抵抗基体910を貫通するように検出対象電流が流れる主電流導通部920と、高抵抗基体910に形成され、主電流導通部920と離隔して主電流導通部920を取り囲む位置に配置されたコイル930とを備える。コイル930は、高抵抗基体910の両面に形成された導体膜932,933を、高抵抗基体910の厚さ方向に形成されたビア934を介して接続することによって形成されたロゴスキーコイルである。図13(b)において、符号914は酸化膜を示し、符号922は導体膜を示し、符号931は戻し線を示す。このような電流検出器900によれば、コイル930を基板(高抵抗基体910)に形成するため、MEMS技術を適用することができ、電流検出器の小型化を実現できる。また、電流検出器900によれば、基板として高抵抗基体(例えば、高抵抗のシリコン基板)を用いるため、接地線から主電流導通部920に入り込むノイズの影響を低減することができる。
特開2006-189319号公報 特開2000-171491号公報
しかしながら、先願に係る電流検出器900において、高温動作となった場合には、温度特性によって高抵抗基体910のインピーダンスが低下してしまう場合があることがわかった。この場合には、接地線から主電流導通部920に入り込むノイズの影響を低減する効果が薄れ、電流を高い精度で測定することが難しくなるおそれがある。これは、検出対象電流が流れる主電流導通部920を高抵抗基体910に形成したため、熱が主電流導通部920から高抵抗基体910に伝わり易くなり、高抵抗基体910が高温になってしまうことが原因であると考えられる。
そこで、主電流導通部を形成する代わりに基体の中央部をくり抜いて貫通孔を形成したリング形状の電流検出器とし、基体の中央部の貫通孔内を通るように主電流導通路となる導体部材を配置して、導体部材と基体との間を離隔する(主電流導通路から基体に直接熱伝達しないようにする)ことが考えられるが、このようなリング状の電流検出器を回路基板上に安定して実装することは容易ではない、という問題がある。
そこで、本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、小型でありながら、主電流導通路としての導体部材に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが容易な電流検出器を提供することを目的とする。また、このような電流検出器を有するパワーモジュールを提供することを目的とする。
本発明の電流検出器は、貫通孔を有する基体と、前記基体に形成され、前記貫通孔と離隔して前記貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルと、前記基体の少なくとも一方面側に設けられた絶縁部と、前記絶縁部の表面に設けられた接合部と、前記接合部に接合され、回路基板に取り付けるための取付部とを備え、前記貫通孔内を通して配置される導体部材を流れる電流を検出することを特徴とする。
本発明のパワーモジュールは、回路基板と、前記回路基板上に配置され、電極を有するチップと、前記チップの前記電極と電気的に接続された導体部材と、貫通孔が形成されており、前記貫通孔内を前記導体部材が通るように配置され、前記導体部材を流れる電流を検出する本発明の電流検出器とを備え、前記電流検出器は、前記電流検出器の取付部を介して前記回路基板と接合されていることを特徴とする。
本発明の電流検出器及びパワーモジュールによれば、コイルを基体(基板)に形成するため、MEMS技術を適用した加工が可能となる。従って、基体の厚さが直径となるコイルを形成することができ、薄型化することや接地面積を狭くすることができる。その結果、コイルを用いた電流検出器を小型化することができる。
また、本発明の電流検出器及びパワーモジュールによれば、貫通孔を有する基体と、基体に形成され、貫通孔から離隔して貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルとを備えるため、貫通孔内を通る導体部材から基体に直接熱伝達しないようにすることができる。従って、高温動作となった場合であっても、導体部材から基体に熱が伝わり難くなり、温度特性による基体のインピーダンスの低下を防ぐことができる。従って、高温動作となった場合であっても、接地線から導体部材に入り込むノイズの影響を低減する効果を維持することができ、その結果、導体部材を流れる電流を高い精度で測定することができる。
また、本発明の電流検出器及びパワーモジュールによれば、基体及びコイルを支持するための取付部を備えるため、リング形状の電流検出器を安定して実装することができる。
従って、本発明の電流検出器及びパワーモジュールによれば、電流検出器は、小型でありながら、導体部材に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能な電流検出器となる。
ところで、基体にコイルを形成して樹脂封止したものを直接回路基板に載置する(下面全体が回路基板に直接接合される)と、高温動作等で回路基板に反りが生じる方向に応力が働いたときに、当該応力が基体及びコイルに伝達され易く、電流検出器が破壊され易くなるおそれがある。これに対して、本発明の電流検出器及びパワーモジュールによれば、回路基板に取り付けるための取付部を備えるため、高温動作等で回路基板に反りが生じる方向に応力が働いたときでも、当該取付部によって基体及びコイルに伝達される応力を緩和することができ、電流検出器が破壊され難くなる。また、基体として、比較的外部の応力の影響に弱い素材からなる基体(例えば、外部の応力の影響で割れやすいシリコン基体等)を用いることができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1の斜視図である。 実施形態1に係る電流検出器100を示す図である。 図1のIII-III断面図である。 実施形態1に係る電流検出器100の基体110及びコイル120を説明するための図である。 変形例1に係る電流検出器101を示す断面図である。 変形例2に係るパワーモジュール2の斜視図である。 実施形態2に係るパワーモジュール3を示す図である。 実施形態3に係るパワーモジュール4を示す図である。 変形例3に係るパワーモジュール5の斜視図である。 変形例4として、実施形態1に係る電流検出器100の実装例を示す断面図である。 特許文献1に記載の電流検出器700を説明するために示す図である。 特許文献2に記載のパワーモジュール800を説明するために示す図である。 先願に係る電流検出器900を説明するための図である。
以下、本発明の電流検出器及びパワーモジュールについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の寸法を厳密に反映したものではない。以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。各実施形態においては、基本的な構成、特徴、機能等が同じ構成、要素(形状等が完全に同一ではない構成要素を含む。)については、実施形態をまたいで同じ符号を使用するとともに再度の説明を省略することがある。
[実施形態1]
1.実施形態1に係るパワーモジュール1の構成
図1は、実施形態1に係るパワーモジュール1の斜視図である。図2は、実施形態1に係る電流検出器100を示す図である。
実施形態1に係るパワーモジュール1は、図1に示すように、回路基板10と、チップ20と、導体部材としてのクリップリード30,31と、実施形態1に係る電流検出器100と、端子T1~T5とを備える。回路基板10、チップ20、クリップリード30,31、及び、電流検出器100は、図示しない同一の樹脂で封止されている。なお、樹脂は樹脂側貫通孔A内にも充填されている。電流検出器100は、電流検出器100の後述する取付部150(取付部150における回路基板10との接触面152)を介して回路基板10と接合されている(図3参照。)。
実施形態1に係るパワーモジュール1においては、電流検出器100の後述するコイル120に流れる電流を積分器200で増幅することにより、クリップリード30,31に流れる電流を検出する。電流検出器100の電流検出結果は制御部(図示せず。)に送られ、制御部(図示せず。)は、当該検出結果に基づいてスイッチング素子(チップ20)のオンオフを制御する。
回路基板10は、絶縁性基板11の一方面に配線パターン12~17が形成された基板である。回路基板10としては、DCB(Direct Copper Bonding)基板を用いるが、一般的なプリント基板でもよいし、その他適宜の基板でもよい。
チップ20は、回路基板10の配線パターン14上に配置され、表面(図1の上側の面)にソース電極及びゲート電極を有し、裏面(図1の下側の面)にドレイン電極を有するスイッチング素子である。ドレイン電極は配線パターン14と電気的に接続されている。実施形態1においては、チップ20としてMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を用いるが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いてもよいし、その他適宜のスイッチング素子を用いてもよいし、スイッチング素子以外の(ダイオード等の)素子を用いてもよい。
電流検出器100は、図1及び図2に示すように、中央部に矩形形状の樹脂側貫通孔Aが形成されたリング形状をしており、外周は矩形形状(略矩形形状)をしている。電流検出器100は、樹脂側貫通孔A内をクリップリード30,31が通るように配置され、クリップリード30,31を流れる電流を検出する。このような構成とすることにより、電流検出器100でソース電流及びゲート電流の合計の電流を検出することができることから、高い精度でドレイン電流(=ソース電流+ゲート電流)を検出することができる。
電流検出器100は、樹脂160で封止されており、表面には電極170,171が、裏面には電極172,173がそれぞれ、樹脂160から露出した状態で形成されている。電流検出器100の裏面における矩形の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)には、後述する取付部150における回路基板10(配線パターン14)との接触面152が、それぞれ樹脂160から露出した状態で形成されている。電流検出器100の詳細については後述する。なお、樹脂側貫通孔Aは、回路基板10、チップ20、クリップリード30,31、及び、電流検出器100を封止する樹脂に設けられており、基体110の基体側貫通孔112に対応した領域に形成されている。
クリップリード30は、図1に示すように、電流検出器100を跨ぐように配置されており、一方端がチップ20のソース電極と接続されており、他方端が回路基板10の配線パターン13と接続されている。クリップリード31は、電流検出器100を跨ぐように配置されており、一方端がチップ20のゲート電極と接続されており、他方端が回路基板10の配線パターン12と接続されている。
端子T1~T5は、回路基板10の配線パターン12,13,14,15,16にそれぞれ接続されている。端子T1は配線パターン12と接続されており、配線パターン12はクリップリード31を介してチップ20のゲート電極と電気的に接続されている。すなわち、端子T1はゲート電極端子である。端子T2は配線パターン13と接続されており、配線パターン13はクリップリード30を介してチップ20のソース電極と電気的に接続されている。すなわち、端子T2はソース電極端子である。
端子T3は配線パターン14と接続されており、配線パターン14はチップ20のドレイン電極と接続されている。すなわち、端子T3はドレイン電極端子である。端子T4、端子T5はそれぞれ配線パターン15,16と接続されており、配線パターン15,16はそれぞれ電流検出器100の電極172,173と接続されている。なお、端子T4,T5は積分器200と電気的に接続されている。積分器200は、電流検出器100の後述するコイル120に流れる誘導電流を増幅し、電流検出を行う。
2.実施形態1に係る電流検出器100の構成
実施形態1に係る電流検出器100は、図3に示すように、基体110と、コイル120と、戻し線121と、絶縁部130と、接合部140と、取付部150と、電極170~173(図2参照)とを備える。基体110、コイル120、戻し線121、絶縁部130、接合部140及び取付部150は、樹脂160で封止されている。
基体110は、図4に示すように、矩形平板状の高抵抗のシリコン基体であり、矩形状の基体側貫通孔112を有している。基体110は、具体的には、FZ(Floating Zone)法で形成されたシリコン基体である。基体110を高抵抗のシリコン基体としているため、従来から一般的に用いられてきたシリコン基体に用いるMEMS技術を十分に活用することができる。
基体110の比抵抗は、100Ωcm~1×10Ωcmの範囲内にあり、100Ωcm~220000Ωcmであることがより好ましい。これにより、接地線を介してクリップリード30にノイズ(コモンモードノイズ)が入り込んだ場合であっても、ノイズが基体110を通してコイル120、ひいては積分器200に入り込むことを確実に防ぐことができる。すなわち、基体110そのものがノイズフィルタとしての役割をすることになり、一般的にノイズ対策として必要なYコンデンサやコモンモードチョーク等を用いなくても(用いた場合にはより一層)電流検出におけるノイズの影響を低減することができる。
基体110の比抵抗を100Ωcm~1×10Ωcmの範囲内としたのは以下の理由による。すなわち、基体110の比抵抗が100Ωcm未満の場合には、電流検出器を電源装置(電力変換回路)に組み込んで使用した場合において接地線を介してクリップリード30にノイズ(コモンモードノイズ)が入り込んだときに、クリップリード30に入り込んだノイズが基体110を通してコイル120(及び積分器200)に入り込んでしまい、クリップリード30に流れる電流を高い精度で測定することが難しいからである。また、基体110の比抵抗を1×10Ωcm以下としたのは、1×10Ωcmを超える高抵抗のシリコン基体を製造するのは実際上困難であるからである。
図4(b)に示すように、基体110の表面(基体110とコイル120との間を含む)には絶縁膜114が形成されている。絶縁膜114の厚さは、0.1μm~10μmの範囲内にある。
コイル120は、基体110に形成され、基体側貫通孔112と離隔して基体側貫通孔112を取り囲む位置に配置されている。コイル120において、一方の端部が電極接続片125と接続されており、そこから基体110の周縁部(基体側貫通孔112の周囲)に沿って、らせん状(進行方向に向かって時計回りに旋回するらせん状)に基体110の厚さを径としたコイルが形成されている。そして、基体110の周縁部(基体側貫通孔112の周囲)に沿ってほぼ一周した位置で、コイル120の他方の端部が戻し線121と接続されている。
コイル120は、基体110の両面にそれぞれ形成された導体膜122,123を、基体110の厚さ方向に並列に複数形成されたビア124を介して接続することによって形成されたものである(図4(a)の右下図参照)。コイル120は、空芯コイルであるロゴスキーコイルである。このため、インピーダンスが小さく、電流測定による電力損失が小さくなる。また、磁束が飽和せず大電流の測定に対応することができる。
戻し線121は、一方の端部がコイル120と接続され、平面的に見て基体110の基体側貫通孔112及びコイル120の外側位置(コイル120よりも基体110の周端部側)に配置されている。また、戻し線121の他方の端部が、電極接続片125と並んで配置されている電極接続片126と接続されている。従って、コイル120は、電極接続片125から基体側貫通孔112を囲むようにほぼ一周し、そこから折り返して、戻し線121は、コイル120の外側位置(コイル120よりも基体110の周端部側)をほぼ一周して電極接続片125の外側位置を過ぎた位置で、コイル120の内側位置に入り込み、電極接続片126と接続されている。
なお、ロゴスキーコイルの特性上、コイル120で囲まれた面積を貫く磁束に対応した誘導電流が生じるが、戻し線121によって、戻し線121で囲まれた面積を貫く逆向きの磁束に対応した逆方向成分の誘導電流が生じて打ち消しあうため、基体側貫通孔112内を通して配置されるクリップリード30,31に導通する電流を正確に検出することができる。
図3に示すように、絶縁部130は、基体110、コイル120及び戻し線121の表面全体を覆っている。絶縁部130は、基体側貫通孔112に対応した開口を維持した状態で配置されており、基体側貫通孔112の内側面にも絶縁部130が配置されている。絶縁部130は、例えば、酸化膜又はポリイミドからなる。なお、絶縁部130は、基体110、コイル120及び戻し線121の表面全体ではなく、一方面のみを覆っていてもよい。
接合部140は、絶縁部130の表面に設けられた金属膜142と、金属膜142の表面に設けられた接合材144とを有する。金属膜142は、取付部150と絶縁部130とを接合させるために、絶縁部130の表面に設けられている。金属膜142は、例えば蒸着で形成した銅膜である。接合材144は、適宜の接合材を用いることができ、実施形態1でははんだを用いる。
取付部150は、接合部140に(金属膜142に接合材144を介して)接合された、回路基板10に取り付けるための部材である。取付部150は、基体110側とは反対側に向かって突出する脚部154を有するリードフレームである。取付部150は、導電性部材からなり、回路基板10に実装したときに基体110及びコイル120を支持する部材となる。脚部154は、板材(リードフレーム)をたたき出して凸状に突出させることによって形成されたものである。凸状に突出させた頂点部分が回路基板10との接触面152となる。取付部150は、基体側貫通孔112を挟んで対称な位置に配置されており、脚部154(接触面152)は平面的に見て略矩形の電流検出器100の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)にそれぞれ配置されている(図2(c)参照)。
図2に示すように、取付部150は、全体として樹脂160に覆われているが、取付部150における脚部154の接触面152(回路基板10に接合される面)は、樹脂160から露出している。平面的に見て、取付部150における脚部154の接触面152の面積は、電流検出器の外周(平面的に見て樹脂160の最外周)で囲まれた面積の4%~16%の範囲内にある。
樹脂160は、耐熱性・高絶縁性の樹脂やセラミックス等により形成されている。
電極172,173は、図1及び図2に示すように、配線パターン15、16とそれぞれ接続されており、端子T4,T5を介して積分器200と接続されている。電極170,171は、樹脂160の表面(回路基板10と対向する側の面とは反対側の面)に並んで配置されている。電極170は、電極接続片126と接続されており、電極171は、電極接続片127と接続されている。電極172,173は、樹脂160の裏面(回路基板10と対向する側の面)に並んで配置されている。
図4(c)に示すように、電極接続片125には接続部材180が接続されている。接続部材180は、接続部材180の一端が中央付近で電極接続片125と接続され、そこから樹脂160の表面まで延びて樹脂160の表面から一部が露出し、基体110の端部を迂回するように(「C」の字形状となるように)回り込み、樹脂160の裏面で再び露出するように配置する。この接続部材180において、樹脂160の表面から露出した部分が電極170となり、樹脂160の裏面から露出した部分が電極172となる。図示は省略するが同様に、電極接続片126にも接続部材180(電極接続片125に接続された接続部材180とは別の接続部材180)が接続されている。当該接続部材180は、一端が中央付近で電極接続片126と接続され、そこから樹脂160の表面まで延びて樹脂160の表面から一部が露出し、基体110の端部を迂回するように(「C」の字形状となるように)回り込み、樹脂160の裏面で再び露出する接続部材180を配置する。当該接続部材180において、樹脂160の表面から露出した部分が電極171となり、樹脂160の裏面から露出した部分が電極173となる。
このような構成とすることにより、電流検出器100の表面及び裏面の両方に電極を有することとなり、裏面(回路基板側)の電極172,173で回路基板と接続するとともに、表面の電極170,171を別の配線と接続することができる。このため、設計自由度を高くすることができる。
なお、図3からもわかるように、クリップリード30とコイル120との間は離隔しており、コイル120から見て基体110、絶縁部130、樹脂160、樹脂側貫通孔A内に充填された樹脂(樹脂封止の際に樹脂側貫通孔Aに入り込んだ樹脂、図示せず)の順で配置されている。この絶縁部130等によって、クリップリード30とコイル120との間には浮遊容量が存在することとなる。当該浮遊容量は、0.1pF~20pFの範囲内にあることが好ましく、この場合には、クリップリード30に混入することがあるノイズがコイル120に透過し難くすることができる。
なお、クリップリード30とコイル120との間の領域の浮遊容量を0.1pF以上としたのは、当該浮遊容量が0.1pF未満の電流検出器を作成するのが実際上困難であるからであり、クリップリード30とコイル120との間の領域の浮遊容量を20pF以上としたのは、当該浮遊容量が20pFを超えた場合には、基体110をノイズが通過しやすくなってしまうからである。
3.実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1の効果
実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1によれば、基体110にコイルを形成するため、MEMS技術を適用した加工が可能となる。従って、基体110の厚さが直径となるコイル120を形成することができ、薄型化することや接地面積を狭くすることができる。その結果、コイルを用いた電流検出器を小型化することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1によれば、基体側貫通孔112を有する基体110と、基体110に形成され、基体側貫通孔112から離隔して基体側貫通孔112を取り囲む位置に配置されたコイル120とを備えるため、基体側貫通孔112内を通るクリップリード30から基体110に直接熱伝達しないようにすることができる。従って、高温動作となった場合であっても、クリップリード30から基体110に熱が伝わり難くなり、温度特性による基体110のインピーダンスの低下を防ぐことができる。従って、高温動作となった場合であっても、接地線からクリップリード30に入り込むノイズの影響を低減する効果を維持することができ、その結果、クリップリード30を流れる電流を高い精度で測定することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1によれば、基体110及びコイル120を支持するための取付部150を備えるため、リング形状の電流検出器を安定して実装することができる。
従って、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1によれば、電流検出器100は、小型でありながら、クリップリード30に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能な電流検出器となる。
また、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1によれば、回路基板10に取り付けるための取付部150を備えるため、高温動作等で回路基板に反りが生じる方向に応力が働いたときでも、当該取付部150によって基体110及びコイル120に伝達される応力を緩和することができ、電流検出器が破壊され難くなる。また、基体110として、比較的外部の応力の影響に弱い素材からなる基体(例えば、外部の応力の影響で割れやすいシリコン基体等)を用いることができる。
ところで、電流検出器100は以下のような手順で製造される。まず、基体110及びコイル120の表面全体に絶縁部130を設け、当該絶縁部130の表面に接合部140を形成した組立体を形成し、当該組立体をリードフレーム上に接合材(はんだ等)を介して接合する。次に、組立体が載置されたリードフレームを金型に入れ、脚部154で下金型上に載置して樹脂モールドする。実施形態1に係る電流検出器100によれば、取付部150は、基体110及びコイル120を回路基板10上に支持するための脚部154を有するリードフレームであるため、封止する樹脂(樹脂160)を形成する際に、リードフレーム上に基体110及びコイル120を配置することにより基体110及びコイル120を位置決めすることができる。従って、絶縁部130や樹脂160を形成する際に、基体110及びコイル120が位置ずれし難く、高い位置決め精度で絶縁部130や樹脂160を形成することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、取付部150は、リードフレームであるため、平板のリードフレームの一部をたたき出し等で突出させることにより容易に脚部154を形成することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、取付部150は、基体110及びコイル120を回路基板10上に支持するための脚部154を有するリードフレームであるため、製造過程において、高温動作等で回路基板に反りが生じる方向に応力が働いたときでも、当該応力を脚部154に集中させることができ、その結果、基体110及びコイル120に伝わる応力を緩和することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、基体110、コイル120、絶縁部130、接合部140、及び、取付部150は樹脂160で封止されているため、安全性が高く、取り扱いが容易で、回路基板10に配置しやすい電流検出器となる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、取付部150における回路基板10との接触面152は、樹脂160から露出しているため、導電性接合材(例えば、はんだ)を用いて脚部154と樹脂160とで回路基板10上に安定して平面実装することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、取付部150は、基体側貫通孔112を挟んで対称な位置に配置されているため、電流検出器100が傾き難く、より安定した状態で回路基板10上に配置することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、平面的に見て、脚部154における回路基板10との接触面152の面積は、電流検出器100における樹脂160の外周で囲まれた面積の4%~16%の範囲内にあるため、回路基板10に反りが生じたときでも基体110及びコイル120に伝達される応力を緩和することができ、かつ、高い接合強度で回路基板10と電流検出器100とを接合することができる。
また、実施形態1に係る電流検出器100によれば、コイル120は、基体110の両面に形成された導体膜122,123を、基体110の厚さ方向に形成されたビア124を介して接続することによって形成されたロゴスキーコイルであり、基体110の厚みを利用してコイルを形成することとなるため、基体110上にコイル120を配置した電流検出器の場合と比較して、電流検出器(コイル)の厚みを薄くする(基体110とほぼ同じ厚さ)ことができる。また、平板の厚みが比較的一定であることからコイル120の径を均一に形成し易くなる。
[変形例1]
図5は、変形例1に係る電流検出器101を示す断面図である。
変形例1に係る電流検出器101においては、基本的に実施形態1に係る電流検出器100と同様の構成を有するが、図5に示すように、脚部154aが樹脂160の表面から突出した状態となるように構成されている点で実施形態1に係る電流検出器100とは異なる。
このように、変形例1に係る電流検出器101は、脚部が樹脂の表面から突出した状態となるように構成されている点が実施形態1に係る電流検出器100の場合とは異なるが、実施形態1に係る電流検出器100の場合と同様に、小型でありながら、電流導通路としてのクリップリード30に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能な電流検出器となる。
また、変形例1に係る電流検出器101によれば、脚部154aが樹脂160の表面から突出した状態となるように構成されているため、回路基板10との接触面積が小さくなる。従って、高温動作等で回路基板に反りが生じる方向に応力が働いたときでも、当該応力を脚部154aに集中させて、基体110及びコイル120に伝わる応力を緩和することができる。
また、変形例1に係る電流検出器101によれば、脚部154aが樹脂160の表面から突出した状態となるように構成されているため、設計段階においてコイル120の高さ位置を調整することができ、設計自由度の高い電流検出器となる。
なお、変形例1に係る電流検出器101は、脚部154aが樹脂160の表面から突出した状態となるように構成されている点以外の点においては実施形態1に係る電流検出器100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る電流検出器100が有する効果のうち該当する効果を有する。
[変形例2]
図6は、変形例2に係るパワーモジュール2の斜視図である。
変形例2に係るパワーモジュール2においては、基本的に実施形態1に係るパワーモジュール1と同様の構成を有するが、樹脂側貫通孔A内を通して配置される導体部材の構成が実施形態1に係るパワーモジュール1とは異なる。図6に示すように、変形例2に係るパワーモジュール2においては、チップ20のドレイン電極と回路基板10との間に配置された台座部18が、電流検出器100の樹脂側貫通孔A内に配置されている。このパワーモジュール2における電流検出器100は、台座部18を流れる電流(ドレイン電流)を検出する。
このように、変形例2に係るパワーモジュール2は、樹脂側貫通孔A内を通して配置される導体部材の構成が実施形態1に係るパワーモジュール1の場合とは異なるが、実施形態1に係るパワーモジュール1の場合と同様に、電流検出器が、小型でありながら、導体部材(台座部18)を流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能な電流検出器となる。
変形例2に係るパワーモジュール2においては、チップ20のドレイン電極と回路基板10との間に配置された台座部18が樹脂側貫通孔A内に配置されており、電流検出器100は台座部18を流れるドレイン電流を直接検出することができ、ドレイン電流を高い精度で検出することができる。
なお、変形例2に係るパワーモジュール2は、樹脂側貫通孔A内を通して配置される導体部材の構成以外の点においては実施形態1に係るパワーモジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係るパワーモジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係るパワーモジュール3の断面図である。
実施形態2に係る電流検出器102及びパワーモジュール3においては、基本的には実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1と同様の構成を有するが、取付部の構成が実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る電流検出器102及びパワーモジュール3において、図7に示すように、取付部150bは、導電性部材からなり、回路基板10に実装したときに基体110及びコイル120を支持する支持部となる。
取付部150bは電流検出器102の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)に設けられている。取付部150bにおいては、平面的に見て、取付部150bにおける回路基板10と接合される接触面152bの面積は、電流検出器102における絶縁部130aの外周で囲まれた面積の4%~16%の範囲内にある。
絶縁部130aは、基体110及びコイル120を封止する樹脂であり、接合部140及び取付部150bは絶縁部130aの外側にある。ところで、実施形態1においては、図3に示すように、絶縁部130として、基体110、コイル120及び戻し線121の表面全体を覆っている酸化膜やポリイミドからなるものを用い、基体110、コイル120、戻し線121、絶縁部130、接合部140及び取付部150は、別の樹脂160で封止した。これに対して、実施形態2においては、絶縁部130aとして、基体110、コイル120及び戻し線121を封止する樹脂を用い、別の樹脂160で基体110、コイル120、戻し線121、絶縁部130a、接合部140及び取付部150を覆っていない。しかし、実施形態2においても、別の樹脂160で基体110、コイル120、戻し線121、絶縁部130、接合部140及び取付部150を覆ってもよい。
このように、実施形態2に係る電流検出器102及びパワーモジュール3は、取付部及び絶縁部の構成が実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1の場合とは異なるが、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1の場合と同様に、電流検出器は、小型でありながら、電流導通路としてのクリップリード30に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能となる。
また、実施形態2に係る電流検出器102及びパワーモジュール3によれば、取付部150bは、導電性部材の脚部からなり、絶縁部130aは、基体110及びコイル120を封止する樹脂であるため、取付部150bの構成を比較的自由に決定することができ、設計自由度が高い電流検出器となる。
なお、実施形態2に係る電流検出器102及びパワーモジュール3は、取付部及び絶縁部の構成以外の点においては実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る電流検出器100及びパワーモジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係るパワーモジュール4を示す図である。
実施形態3に係るパワーモジュール4においては、基本的には実施形態2に係るパワーモジュール3と同様の構成を有するが、電流検出器において、絶縁部が基体の一方面側にのみ設けられ、かつ、基体及びコイルを封止する樹脂がない点で実施形態2に係るパワーモジュール3の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係るパワーモジュール4においては、図8(d)に示すように、絶縁部130bが基体110の一方面側(回路基板側)にのみ設けられ、電流検出器103のみを封止する樹脂がない。なお、絶縁部130bは、基体110及びコイル120の一方面側にのみ形成されているが、基体110及びコイル120の他方面側や側面、基体側貫通孔112の表面に形成されていてもよい。
実施形態3に係るパワーモジュール4においては、図8(b)及び図8(c)に示すように、6つのチップが2列に3個ずつ配置されており、各チップを囲むように電流検出器103がそれぞれ配置されている。チップ20からはチップ20の電極と接続されたクリップリード30が電流検出器103を跨ぐように配置されており、電流検出器103は、各クリップリード30を流れる電流を検出する。実施形態3に係るパワーモジュール4においては、各チップに対応した、基体110、コイル120、絶縁部130、接合部140、取付部150c、回路基板10、チップ20及びクリップリード30,31がすべて同一の樹脂160bで封止されている。
このように、実施形態3に係るパワーモジュール4は、電流検出器において、絶縁部が基体の一方面側に設けられ、かつ、基体及びコイルを封止する樹脂がない点で実施形態2に係るパワーモジュール3の場合とは異なるが、実施形態2に係るパワーモジュール3の場合と同様に、電流検出器は、小型でありながら、電流導通路としてのクリップリード30に流れる電流を高い精度で測定することができ、かつ、安定して実装することが可能となる。
また、実施形態3に係るパワーモジュール4によれば、基体110、コイル120、絶縁部130、接合部140、取付部150c、回路基板10、チップ20及びクリップリード30,31が同一の樹脂160bで封止されているため、電流検出器ごとに樹脂封止するのではなく一括して樹脂で封止できる。従って、作業工程が少なくなり、高い生産性でパワーモジュールを製造することができる。
また、実施形態3に係るパワーモジュール4によれば、基体110、コイル120、絶縁部130、接合部140、取付部150c、回路基板10、チップ20及びクリップリード30,31が同一の樹脂160bで封止されているため、基体110及びコイル120ごとに樹脂封止する必要がないだけでなく、基体110及びコイル120を取付部150c上に載置することで比較的容易に基体110及びコイル120の位置決めをすることができる。その結果、比較的簡便にパワーモジュールを製造することができる。
なお、実施形態3に係るパワーモジュール4は、電流検出器において、絶縁部が基体の一方面側にのみ設けられ、かつ、基体及びコイルを封止する樹脂がない点以外の点においては実施形態2に係るパワーモジュール3と同様の構成を有するため、実施形態2に係るパワーモジュール3が有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態において記載した構成要素の数、形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記実施形態1においては、取付部としてリードフレームを用い、上記実施形態2及び3においては、取付部として、実装したときに基体及びコイルを支持する支持部となる取付部を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。実施形態1において、取付部として、実施形態2で用いた取付部を用いてもよいし、実施形態2及び3において、取付部として、実施形態1で用いた取付部を用いてもよい。
(3)上記実施形態2においては、取付部として導電性部材からなる取付部を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部として非導電性部材からなる取付部を用いてもよい。この場合、回路基板と電流検出器とは適宜の接着剤を用いて接合する。
(4)上記各実施形態においては、導体部材としてクリップリードを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。導体部材として、導線を用いてもよいし、その他、電流が流れる適宜の導体を用いてもよい。
(5)上記各実施形態において、取付部(実施形態1においては脚部)を電流検出器の矩形の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)にそれぞれ設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部を矩形の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)以外の箇所に設けてもよい。また、隣接する矩形の四隅の領域(矩形の角部近傍の領域)の取付部を接続して直線状やリング状の取付部としてもよい。
(6)上記各実施形態においては、電流検出器をパワーモジュールに実装したが、本発明はこれに限定されるものではない。一般的な電力変換回路、電気回路、電気機器等、導体部材に流れる適宜の回路、機器等に実装してもよいし、実装せずに独立した電流検出器として用いてもよい。
(7)上記各実施形態において、貫通孔が矩形の電流検出器を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。図9は、変形例3に係るパワーモジュール5の斜視図である。貫通孔が多角形の電流検出器や円形の電流検出器(図9に示す変形例3に係る電流検出器104及びパワーモジュール5参照)等その他適宜の形状の貫通孔を有する電流検出器を用いてもよい。
(8)上記各実施形態において、外形が矩形の電流検出器を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。外形が多角形の電流検出器や円形の電流検出器等その他適宜の形状の外形を有する電流検出器を用いてもよい。
(9)図10は、変形例4として、実施形態1に係る電流検出器100の実装例を示す断面図である。なお、符号10aは、上側に配置された基板を示し、符号19は上側に配置された基板上の配線を示す。上記各実施形態においては、電流検出器を平面実装したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、電流検出器100をクリップリード32の中途に配置してもよい。
(10)上記各実施形態において、基体として、FZ法で形成された高抵抗のシリコン基体を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。基体として、MCZ法で形成されたシリコン基体を用いてもよいし、比抵抗が100Ωcm~220000Ωcmの範囲内にある、その他の方法で形成されたシリコン基体であってもよい。なお、シリコン基体の比抵抗の上限を220000Ωcmとしたのは、物性的にこれ以上の比抵抗を有するシリコン基体を製造することが困難だからである。
(11)上記各実施形態において、基体をシリコン基体としたが、本発明はこれに限定されるものではない。基体をSiC基体としてもよい。この場合には、基体のうち少なくとも導体部材とコイルとの間の領域の比抵抗が100Ωcm~1×10Ωcmの範囲内にある必要がある。基体がSiC基体である場合にはバンドギャップが広く比抵抗が高い基体としやすいだけでなく、近年、SiC基体に対するMEMS加工技術も進んできており、加工しやすい。また、GaN基体、サファイア基体等のシリコン基体やSiC基体以外の半導体基体であってもよい。
(12)上記各実施形態において、戻し線を、平面的に見て、コイルで囲まれている領域の外側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。戻し線を、平面的に見て、コイルで囲まれている領域の内側に配置してもよいし、コイルで囲まれている領域の内側と外側とを横断するように配置してもよい。コイルで囲まれている領域の内側と外側とを横断するように配置した場合には、平面的に見て、戻し線がコイルで囲まれている領域の内側に配置されている部分における戻し線とコイルとの間の領域の面積を、戻し線がコイルで囲まれている領域の外側に配置されている部分における戻し線とコイルとの間の領域の面積と等しくする方が好ましい。この場合には、コイルで囲まれた領域を貫く磁束によって生じる誘導電流と、戻し線で囲まれた面積を貫く磁束によって生じる誘導電流とをより均等に打ち消しあうため、導体部材に導通する電流をより正確に検出することができる。
1,2,3,4,5,800…パワーモジュール、10…回路基板、20,820…チップ、30,31,830…導体部材(クリップリード)、100,101,102,103,104,700,700a,900…電流検出器、110、810…基体、112…貫通孔、120,730,730a,930…コイル、123,124,933,934…導体膜、125,935…ビア、130,130a,130b…絶縁部、140…金属膜、150,150a…取付部、152,152a…脚部

Claims (8)

  1. 貫通孔を有する基体と、
    前記基体に形成され、前記貫通孔と離隔して前記貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルと、
    前記基体の少なくとも一方面側に設けられた絶縁部と、
    前記絶縁部の表面に設けられた接合部と、
    前記接合部に接合され、回路基板に取り付けるための取付部とを備え、
    前記貫通孔内を通して配置される導体部材を流れる電流を検出し、
    前記取付部は、前記基体側とは反対側に向かって突出する脚部を有するリードフレームであることを特徴とする電流検出器。
  2. 貫通孔を有する基体と、
    前記基体に形成され、前記貫通孔と離隔して前記貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルと、
    前記基体の少なくとも一方面側に設けられた絶縁部と、
    前記絶縁部の表面に設けられた接合部と、
    前記接合部に接合され、回路基板に取り付けるための取付部とを備え、
    前記貫通孔内を通して配置される導体部材を流れる電流を検出し、
    前記基体、前記コイル、前記絶縁部、前記接合部、及び、前記取付部は樹脂で封止されており、
    前記取付部における前記回路基板との接触面は、前記樹脂から露出していることを特徴とする電流検出器。
  3. 貫通孔を有する基体と、
    前記基体に形成され、前記貫通孔と離隔して前記貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルと、
    前記基体の少なくとも一方面側に設けられた絶縁部と、
    前記絶縁部の表面に設けられた接合部と、
    前記接合部に接合され、回路基板に取り付けるための取付部とを備え、
    前記貫通孔内を通して配置される導体部材を流れる電流を検出し、
    前記基体、前記コイル、前記絶縁部、前記接合部、及び、前記取付部は樹脂で封止されており、
    前記取付部は、前記樹脂の表面から突出した状態となるように構成されていることを特徴とする電流検出器。
  4. 貫通孔を有する基体と、
    前記基体に形成され、前記貫通孔と離隔して前記貫通孔を取り囲む位置に配置されたコイルと、
    前記基体の少なくとも一方面側に設けられた絶縁部と、
    前記絶縁部の表面に設けられた接合部と、
    前記接合部に接合され、回路基板に取り付けるための取付部とを備え、
    前記貫通孔内を通して配置される導体部材を流れる電流を検出し、
    前記取付部における前記回路基板との接触面は、前記貫通孔を挟んで対称な位置に配置されていることを特徴とする電流検出器。
  5. 前記接合部は、前記絶縁部の表面に設けられた金属膜と、前記金属膜の表面に設けられた接合材とを有する請求項1~4のいずれかに記載の電流検出器。
  6. 前記コイルは、前記基体の両面に形成された導体膜を、前記基体の厚さ方向に形成されたビアを介して接続することによって形成されたロゴスキーコイルであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の電流検出器。
  7. 回路基板と、
    前記回路基板上に配置され、電極を有するチップと、
    前記チップの前記電極と電気的に接続された導体部材と、
    貫通孔が形成されており、前記貫通孔内を前記導体部材が通るように配置され、前記導体部材を流れる電流を検出する請求項1~のいずれかに記載の電流検出器とを備え、
    前記電流検出器は、前記電流検出器の取付部を介して前記回路基板と接合されていることを特徴とするパワーモジュール。
  8. 前記回路基板、前記チップ、前記導体部材、及び、前記電流検出器は、同一の樹脂で封止されていることを特徴とする請求項に記載のパワーモジュール。
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