JP7367291B2 - 地盤の液状化抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤の液状化抑制方法に関する。
従来、地盤の液状化を抑制する方法の一例として、地盤中に柱状ドレーンを形成し、地震時にこの柱状ドレーンを通して地盤中の過剰間隙水を地盤上へ排水する方法が知られている。例えば特許文献1には、地盤中に設けられたドレーンと、地表部に設けられ、ドレーンを覆う不透水性あるいは難透水性の被覆層と、を有する液状化対策構造が開示されている。
特開2016-000940号公報
特許文献1に示す液状化対策構造では、地表部に被覆層が設けられていることにより、地盤の液状化に伴う噴砂を抑制することができる。しかしながら、被覆層は不透水性あるいは難透水性とされているため、地盤中の過剰間隙水を地表部から排水することが難しく、液状化時の過剰間隙水を早期に消散させることが困難である。
このため、ドレーンに導水した過剰間隙水を地表部に排水するための排水升(排水処理手段)を、被覆層に形成する必要があり、被覆層の施工が容易ではなかった。さらに、地盤の液状化によって被覆層が損傷した場合には、改めて地表部を舗装し直す必要があり、地震後の復旧が容易ではなかった。
本発明は上記事実に鑑み、過剰間隙水の排水と噴砂の抑制を両立することができるとともに、地震後の復旧を容易とすることができる地盤の液状化抑制方法を提供することを目的とする。
第1態様に係る地盤の液状化抑制構造は、地盤中に設けられた柱状ドレーンと、前記地盤の表層上に設けられ、前記柱状ドレーンを覆う植物層と、前記植物層を前記柱状ドレーン上に保持する保持手段と、を有する。
上記構成によれば、地盤中に柱状ドレーンが配置されており、地盤の表層上において、柱状ドレーンを覆う植物層が設けられている。これにより、地震時に柱状ドレーンを通じて過剰間隙水を地盤上へと排水することで、地盤の液状化を抑制することができる。また、水を透過しつつ砂の透過を抑制するフィルター効果を有する植物層の植物の根により、過剰間隙水圧を早期に消散しつつ、柱状ドレーンの天端部からの噴砂を抑制することができる。
ここで、植物層は、保持手段によって柱状ドレーン上に保持されている。このため、地盤の液状化時の植物層の浮き上がりを抑制することができ、植物層を構成する植物の根による地盤の押さえ込みにより、液状化した地盤の側方流動を抑制することができる。また、植物層を構成する植物は自己再生能力を有しているため、植物層の維持が容易となり、植物層の部分的な補修や液状化発生後の段階的な復旧も容易となる。
第2態様に係る地盤の液状化抑制構造は、第1態様に係る地盤の液状化抑制構造であって、前記保持手段は、前記柱状ドレーンの周囲に打ち込まれた鋼管と、前記鋼管の上部に設けられ、前記植物層に係止される押さえ部材と、を有する。
上記構成によれば、鋼管を柱状ドレーンの周囲に打ち込み、鋼管の上部に設けられた押さえ部材を植物層に係止させることで、押さえ部材によって植物層を押さえ込んで柱状ドレーン上に保持することができる。また、地盤の液状化時には、柱状ドレーンの周囲の地盤との間の摩擦力によって鋼管の引き抜きが抑制されることにより、植物層の浮き上がりを抑制することができる。
第3態様に係る地盤の液状化抑制構造は、第1態様に係る地盤の液状化抑制構造であって、前記保持手段は、前記柱状ドレーンの周囲における前記地盤の表層に打ち込まれた複数のアンカーと、複数の前記アンカー同士を連結するとともに前記植物層に係止される連結部材と、を有する。
上記構成によれば、柱状ドレーンの周囲における地盤の表層に複数のアンカーを打ち込み、アンカー同士を連結する連結部材を植物層に係止させることで、連結部材によって植物層を押さえ込んで柱状ドレーン上に保持することができる。また、地盤の液状化時には、柱状ドレーンの周囲の地盤との間の摩擦力の総和によって複数のアンカーの引き抜きが抑制されることにより、植物層の浮き上がりを抑制することができる。
本発明に係る地盤の液状化抑制方法によれば、過剰間隙水の排水と噴砂の抑制を両立することができるとともに、地震後の復旧を容易とすることができる。
(A)は第1実施形態に係る地盤の液状化抑制構造を示す全体斜視図であり、(B)は地盤の液状化抑制構造の保持手段を示す斜視図である。 第1実施形態に係る地盤の液状化抑制構造を示す立断面図である。 第2実施形態に係る地盤の液状化抑制構造を示す部分断面斜視図である。 第3実施形態に係る地盤の液状化抑制構造を示す部分断面斜視図である。 第4実施形態に係る地盤の液状化抑制構造を示す部分断面斜視図である。 (A)、(B)は変形例に係る地盤の液状化抑制構造を示す部分断面斜視図である。
以下、本発明の第1~第4実施形態、及び変形例に係る地盤の液状化抑制構造について、図1~図6を用いて説明する。なお、図中において矢印X、Yは水平2方向、矢印Zは鉛直方向を指す。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る地盤の液状化抑制構造について、図1、図2を用いて説明する。
(構造)
図1(A)、図2に示すように、本実施形態の地盤の液状化抑制構造が適用される地盤10は、例えば表層12と、表層12の下層に存在する液状化層14と、液状化層14の下層に存在する非液状化層16と、を有している。
ここで、液状化層14とは、例えば含水状態の砂質土からなり、地震時の振動によって土粒子間に飽和していた間隙水が流動し、土粒子の粒子間結合が破られて液体状となる可能性が高い層である。一方、非液状化層16とは、例えば粘性土や岩盤等からなり、地震時の振動によって液体状となる可能性が低い層である。
本実施形態の地盤の液状化抑制構造は、地盤10中に設けられた複数の柱状ドレーン18を有している。図2に示すように、柱状ドレーン18は、例えば地盤10に構築された円筒状のドレーン孔20と、ドレーン孔20内に充填されたドレーン材22と、によって構成されている。ドレーン孔20に充填されるドレーン材22としては、砕石や礫、砂、圧搾紙等、公知の材料を用いることが可能である。
なお、柱状ドレーン18は、外周面に複数の穴が形成された樹脂製又は金属製の図示しないパイプ等にドレーン材22を充填することによって構成されていてもよい。また、柱状ドレーン18の天端部18Aに、柱状ドレーン18の目詰まりを抑制するための図示しないフィルター層(礫層)が設けられていてもよい。
柱状ドレーン18(ドレーン孔20)は、地盤10中に鉛直方向に延びており、天端部18Aが地盤10の表層12上に開口しているとともに、底端部が液状化層14を貫通して非液状化層16に達している。
また、図1(A)に示すように、柱状ドレーン18は、地盤10中にそれぞれ所定の間隔をあけて水平2方向(図1(A)における矢印X方向及び矢印Y方向)に平面視で格子状に配置されている。柱状ドレーン18の直径は、例えば40mm~600mm程度とされており、柱状ドレーン18の間隔は、例えば1.0m~40.0m程度とされている。
また、本実施形態の地盤の液状化抑制構造は、地盤10の表層12上に設けられた植物層24を有している。植物層24は、面状に、すなわち水平2方向(図1(A)における矢印X方向及び矢印Y方向)に広がっており、複数の柱状ドレーン18を覆っている。これにより、図2に示すように、隣合う柱状ドレーン18間に植物層24が掛け渡されている。
植物層24は、地盤10の表層12上に形成された砂層26と、砂層26上に植栽された例えば地被植物からなる植物28と、を有している。なお、地被植物とは、地盤10の表層12を覆い隠す植物の総称であり、草丈が低く、かつ性質強健な木本及び草本類を指す。また、植物層24は、砂層26及び植物28の他、砂層26と植物28との間に設けられた根絡み材としての不織布等からなる層を有していてもよい。
植物層24において、植物28は砂層26全体を覆うように密植されており、植物28の根28Aが砂層26を目土として網目状に延びている。この網目状に延びる植物28の根28Aは、水を透過しつつ砂の透過を抑制するフィルター効果を有している。
なお、植物層24を構成する植物28は、年間を通じて十分な耐圧能力(強度)を維持できる根28Aを有していることが好ましい。年間を通じて十分な耐圧能力を維持できる根28Aを有する地被植物としては、例えば芝草類や低木類、ツル物類、ササ類、草本類、シダ類等が挙げられる。
また、本実施形態の地盤の液状化抑制構造は、植物層24を柱状ドレーン18上に保持する保持手段30を有している。本実施形態では、図1(B)に示すように、保持手段30は、鋼管32と、鋼管32の上部に設けられた押さえ部材34と、によって構成されている。
鋼管32は、例えば円筒状とされており、内径が柱状ドレーン18の直径より一回り大きくされている。また、鋼管32の外周面には、複数の孔32Aが形成されており、鋼管32の外部から鋼管32内に水が流出入可能とされている。
また、鋼管32の高さは、必要とされる地盤10と鋼管32の外周面との間の摩擦力の大きさによって適宜定められる。ここで、地盤10と鋼管32の外周面との間の摩擦力(極限摩擦力)R(kN)は、極限摩擦応力度τ(kN/m)×鋼管32の外周面の面積A(m)によって求められる。なお、極限摩擦応力度τ(kN/m)は、地盤10の地質(砂質土、粘性土)等によって定まる数値である。
一方、押さえ部材34は、鋼管32の上端面に溶接等によって固着された複数の線材によって構成されており、本実施形態では、例えば3本の線材が互いに中央部で交差することにより、押さえ部材34が平面視でアスタリスク形状とされている。
なお、押さえ部材34は、鋼管32の上部からの水の流出入を許容しつつ、植物層24に係止可能な構成であればどのような形状とされていてもよく、例えば平面視で十字形状やメッシュ形状とされていてもよい。
保持手段30は、植物層24を構成する植物28を上から押さえ込むことにより、柱状ドレーン18の天端部18A上に植物層24を保持している。具体的には、図1(A)、図2に示すように、植物層24の上から地盤10の表層12における柱状ドレーン18の周囲に鋼管32を打ち込み、鋼管32の上部に設けられた押さえ部材34を植物層24の植物28に係止させる。これにより、保持手段30の押さえ部材34によって植物層24の植物28を上から押さえ込むことができる。
(降雨時の作用)
本実施形態の地盤の液状化抑制構造では、地盤10の表層12上に設けられた植物層24を構成する植物28の根28Aが、水を透過しつつ砂の透過を抑制するフィルター効果を有している。
このため、降雨時には、地盤10の表層12上に降った雨水が植物層24及び柱状ドレーン18に一時的に貯留され、植物層24及び柱状ドレーン18を介して時間をかけて地盤10中に浸透される。これにより、下水道に流れ込む雨水をピークカットすることができる。
(地震時の作用)
一方、地震時には、地盤10の液状化層14において、間隙水圧が上昇して過剰間隙水が発生する。ここで、地盤10中には柱状ドレーン18が設けられているため、図2に矢印Pで示すように、柱状ドレーン18の周囲の過剰間隙水は柱状ドレーン18に流入し、柱状ドレーン18内を上昇する。
ここで、柱状ドレーン18上に設けられた植物層24を構成する植物28の根28Aは、水を透過する性質を有しているため、柱状ドレーン18内を上昇した過剰間隙水は植物層24を透過して地盤10の表層12上に排水される。これにより、地盤10中の間隙水圧の上昇が抑制される。
また、過剰間隙水が柱状ドレーン18内を上昇する際、過剰間隙水とともに地盤10中の土粒子が噴砂となって柱状ドレーン18内を上昇する。しかし、柱状ドレーン18上に設けられた植物層24を構成する植物28の根28Aは、砂の透過を抑制する性質を有しているため、柱状ドレーン18内を上昇した土粒子は植物層24によって阻まれ、柱状ドレーン18の天端部18Aからの噴砂が抑制される。
上述したように、柱状ドレーン18の周囲では、地盤10中の間隙水圧の上昇が抑制される。これにより、図2に示すように、柱状ドレーン18の周囲には、地盤10の液状化層14の液状化が抑制される液状化抑制領域36が形成される。なお、地盤10における液状化抑制領域36が形成される範囲は、柱状ドレーン18の直径や地盤10の地質等によって定められる。
一方、液状化抑制領域36の周囲では、柱状ドレーン18から離れているため、液状化層14に発生した過剰間隙水が柱状ドレーン18に流入し難く、地盤10中の間隙水圧が上昇して液状化が生じ易い。このため、図2に矢印Qで示すように、過剰間隙水及び噴砂によって地盤10の表層12に鉛直方向上向き、すなわち表層12が隆起する方向に力が加わる。
ここで、本実施形態では、隣合う柱状ドレーン18間に植物層24が掛け渡されている。また、柱状ドレーン18の周囲に保持手段30の鋼管32が打ち込まれ、保持手段30の押さえ部材34が植物層24に係止されている。
このため、植物層24に鉛直方向上向きの力Qが加わった際、図2に矢印Sで示すように、柱状ドレーン18の周囲の地盤10との間の摩擦力によって保持手段30の鋼管32に力Qに抵抗する力が加わる。これにより、保持手段30の引き抜きが抑制され、柱状ドレーン18上において保持手段30によって植物層24の浮き上がりが抑制される。
また、柱状ドレーン18上(液状化抑制領域36)に両端が保持された植物層24の植物28の根28Aによって地盤10の表層12を押さえ込むことで、地盤10の隆起等の不陸が低減される。すなわち、液状化抑制領域36の周囲に、地盤10の不陸が低減される不陸低減領域38が形成される。なお、地盤10における不陸低減領域38が形成される範囲は、植物層24を構成する植物28の根28Aの耐圧能力(強度)等によって定められる。
(効果)
上述したように、本実施形態によれば、地盤10中にそれぞれ間隔をあけて水平2方向に複数の柱状ドレーン18が配置されており、地盤10の表層12上において、柱状ドレーン18上に植物層24が設けられている。このため、地震時に柱状ドレーン18を通じて過剰間隙水を地盤10の表層12上へと排水することで、地盤10の液状化層14の液状化を抑制することができる。
また、水を透過しつつ砂の透過を抑制するフィルター効果を有する植物層24の植物28の根28Aにより、過剰間隙水圧を早期に消散しつつ、柱状ドレーン18の天端部18Aからの噴砂を抑制することができる。
このように、地盤10の表層12上に植物層24を設ける構成とすることで、表層12を舗装することによって被覆層を設ける従来の構成と比較して、降雨時の雨水貯留機能(ピークカット機能)と地震時の噴砂抑制機能とを併せ持たせることができる。
また、植物層24を構成する植物28は自己再生能力を有しているため、一部に損傷が生じても自然に修復される。このため、表層12を舗装することによって被覆層を設ける従来の構成と比較して、植物層24の維持が容易となり、植物層24の部分的な補修や地震による液状化発生後の段階的な復旧も容易となる。
また、本実施形態によれば、植物層24が面状とされているため、柱状ドレーン18上に植物層24が点状又は線状に設けられている構成と比較して、植物層24を構成する植物28の根28Aの耐圧能力(強度)を高めることができる。このため、植物層24を構成する植物28の根28Aによって地盤10を押さえ込むことで、柱状ドレーン18間における液状化時の地盤10の不陸を抑制することができ、柱状ドレーン18の設置間隔を広くする(設置本数を減らす)ことができる。
さらに、本実施形態によれば、保持手段30によって植物層24が柱状ドレーン18上に保持されている。これにより、液状化時の植物層24の浮き上がりを抑制することができ、植物28の根28Aによる地盤10の押さえ込みによって液状化地盤の側方流動を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、柱状ドレーンの周囲の地盤10、すなわち液状化抑制領域36に打ち込まれた鋼管32と、鋼管32の上部に設けられて植物層24に係止された押さえ部材34と、によって保持手段30が構成されている。
このため、地盤10の液状化時には、液状化抑制領域36の地盤10との間の摩擦力Sによって鋼管32の引き抜きが抑制されることにより、植物層24の浮き上がりを抑制することができる。なお、本実施形態の保持手段30は、地盤10が比較的固く、柱状ドレーン18の周囲の地盤10に十分な摩擦力Sを確保することができる場合に、特に好適である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る地盤の液状化抑制構造について、図3を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、ドレーン孔20とドレーン材22とによって柱状ドレーン18が構成されており、地盤10の表層12における柱状ドレーン18の周囲に保持手段30の鋼管32が打ち込まれていた。これに対し、本実施形態では、図3に示すように、鋼管42と、鋼管42内に充填されたドレーン材22とによって柱状ドレーン48が構成されており、柱状ドレーン48を構成する鋼管42が、植物層24を保持する保持手段50を構成している。
鋼管42は、地盤10中に鉛直方向に延びており、下端部が非液状化層16まで達しているとともに、上端部が地盤10の表層12上に設けられた植物層24の砂層26を貫通して植物28の下まで延びている。
鋼管42の上端部には、第1実施形態と同様に、複数の線材で構成された押さえ部材34が設けられており、押さえ部材34が植物層24の植物28に係止されている。また、鋼管42の外周面には複数の孔42Aが形成されており、鋼管42の外部から鋼管42内に水が流出入可能とされている。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、保持手段50の押さえ部材34によって植物28を上から押さえ込むことにより、植物層24が柱状ドレーン48上に保持されている。これにより、液状化時の植物層24の浮き上がりを抑制することができ、植物28の根28A(図2参照)による地盤10の押さえ込みによって液状化地盤の側方流動を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、保持手段50の鋼管42の下端部が非液状化層16まで達しているため、地盤10と鋼管42との間の摩擦力Sを高めることができる。これにより、鋼管42の引き抜きをより抑制することができ、保持手段50によって植物層24の浮き上がりをより抑制することができる。
また、柱状ドレーン48が鋼管42によって構成されているため、第1実施形態の柱状ドレーン18と比較して、柱状ドレーン48の強度を高めることができ、地震時に柱状ドレーン48が破断する虞を低減することができる。
さらに、柱状ドレーン48を構成する鋼管42が保持手段50と兼用されているため、柱状ドレーン48を構成する鋼管42とは別に保持手段50を設ける構成と比較して、部材点数を削減することができる。なお、本実施形態の保持手段50は、地盤10が軟弱であり、柱状ドレーン48の周囲の地盤10に十分な摩擦力Sを確保することができない場合に、特に好適である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る地盤の液状化抑制構造について、図4を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、鋼管32と、鋼管32の上部に設けられた押さえ部材34と、によって保持手段30が構成されていたのに対し、本実施形態では、図4に示すように、地盤10上に設けられた構造物58によって保持手段60が構成されている。
構造物58は、例えば植物層24の植物28上に設置されたベンチ等であり、植物層24を押さえ込める程度の重量、すなわち鉛直方向上向きの力Q(図2参照)に抵抗できる程度の重量を有している。
なお、例えば礫等の水が透過可能な材料によって構造物58を構成することにより、柱状ドレーン18の天端部18Aから構造物58内を透過して過剰間隙水が排水可能とされていることが好ましい。また、例えば図示しない緊結部材により、構造物58を柱状ドレーン18の天端部18Aに緊結する構成としてもよい。
本実施形態によれば、保持手段60によって植物層24の植物28を上から押さえ込むことで、柱状ドレーン18の天端部18A上に植物層24を保持することができる。これにより、液状化時の植物層24の浮き上がりを抑制することができ、植物28の根28A(図2参照)による地盤10の押さえ込みによって液状化地盤の側方流動を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、地盤10上に設置された構造物58によって保持手段60が構成されているため、保持手段60をベンチ等として利用することができる。また、地盤10上に構造物58を設置するだけで植物層24の浮き上がりを抑制することができるため、第1、第2実施形態のように鋼管32、42を地盤10に打ち込む構成と比較して、施工が容易となる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る地盤の液状化抑制構造について、図5を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、鋼管32と、鋼管32の上部に設けられた押さえ部材34と、によって保持手段30が構成されていた。これに対し、本実施形態では、図5に示すように、柱状ドレーン18の周囲における地盤10の表層12に打ち込まれた複数のアンカー66と、アンカー66同士を連結する連結部材68と、によって保持手段70が構成されている。
複数のアンカー66は、柱状ドレーン18の周囲に形成された液状化抑制領域36(図2参照)において、それぞれ所定の間隔をあけて水平2方向(図5における矢印X方向及び矢印Y方向)に平面視で格子状に配置されている。
また、アンカー66は、下端部が地盤10の表層12に打ち込まれるとともに、上端部が植物層24の砂層26の上に露出している。一方、連結部材68は、例えばワイヤであり、砂層26の上に露出したアンカー66の上端部同士を連結している。
本実施形態によれば、地盤10に複数のアンカー66を打ち込み、アンカー66同士を連結する連結部材68を植物層24に係止させることで、保持手段70によって植物層24を押さえ込んで柱状ドレーン18上に保持することができる。
また、地盤の液状化時には、柱状ドレーン18の周囲の地盤10との間の摩擦力Tの総和によって複数のアンカー66の引き抜きが抑制されることにより、植物層24の浮き上がりを抑制することができる。これにより、植物層24の植物28の根28A(図2参照)による地盤10の押さえ込みによって、液状化地盤の側方流動を抑制することができる。
特に本実施形態によれば、保持手段70として複数のアンカー66を用いているため、第1、第2実施形態のように鋼管32、42を用いる場合と比較して、地盤10の表層12へのアンカー66の打ち込みが容易であり、施工性を高めることができる。また、地盤10の液状化抑制領域36(図2参照)に複数のアンカー66を打ち込むため、植物層24とともに保持手段70(アンカー66)が浮き上がることを抑制することができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の第1~第4実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。また、各実施形態の構成は適宜組み合わせることが可能である。
例えば第1実施形態では、鋼管32と鋼管32の上部に設けられた押さえ部材34と、によって保持手段30が構成されていた。しかし、図6(A)に示すように、下端部が柱状ドレーン18の底端部(非液状化層16)に固定されたワイヤ76と、ワイヤ76の上端部に接合された押さえ部材78と、によって保持手段80を構成してもよい。
図6(A)に示す構成によれば、保持手段80のワイヤ76は、柱状ドレーン18内に挿通され、下端部が例えば根固め液82等によって柱状ドレーン18の底端部に固定されている。これにより、鋼管等を用いることなく、押さえ部材78を植物層24に係止させることができ、保持手段80によって植物層24の浮き上がりを抑制することができる。
また、例えば第2実施形態と第4実施形態の構成を組み合わせることにより、図6(B)に示すように、複数のアンカー66と、アンカー66同士を連結する連結部材68と、柱状ドレーン48を構成する鋼管42と、によって保持手段90を構成してもよい。
図6(B)に示す構成によれば、アンカー66同士を連結する連結部材68は、鋼管42の上端面に接合されている。このため、周囲の地盤10と複数のアンカー66との間の摩擦力T、及び周囲の地盤10と鋼管42との間の摩擦力Sの総和によって保持手段90の引き抜きが抑制される。
これにより、例えば地盤10の表層12が軟弱で、アンカー66の摩擦力Tのみでは鉛直方向上向きの力Q(図2参照)に十分に抵抗できない場合であっても、保持手段90によって植物層24の浮き上がりを抑制することが可能となる。
また、例えば第1実施形態では、水平2方向に配置された複数の柱状ドレーン18を面状の植物層24によって覆う構成とされていた。しかし、植物層24は、少なくとも柱状ドレーン18の天端部18Aを覆う構成とされていればよく、地盤10の表層12上に点状又は線状に設けられていてもよい。さらに、複数の柱状ドレーン18が水平2方向に平面視で格子状に配置されていたが、柱状ドレーン18を水平2方向に平面視で千鳥状に配置する構成としてもよい。
10 地盤
12 表層
18、48 柱状ドレーン
24 植物層
30、50、60、70、80、90 保持手段
32、42 鋼管
34、78 押さえ部材
66 アンカー
68 連結部材

Claims (2)

  1. 液状化地盤中に鉛直方向へ延びる複数の柱状ドレーンを設け、
    複数の前記柱状ドレーンが設けられた前記液状化地盤の表層上の全面を砂層で面状に覆い、前記砂層の全面に前記砂層に根が網目状に延びる芝草類、低木類、ツル物類、ササ類、草本類、及びシダ類のいずれかの種類の地被植物を植栽して植物層を設け、
    前記植物層を前記柱状ドレーン上に保持する保持手段を設け
    前記保持手段は、
    外周面に複数の孔が形成され、前記柱状ドレーンの周囲に打ち込まれた鋼管と、
    平面視にて、前記鋼管の上端部の開口上で互いに交差するとともに、前記鋼管の上端部に固着された複数の線材を有し、前記植物層に係止される押さえ部材と、
    を有する、
    地盤の液状化抑制方法。
  2. 液状化地盤中に鉛直方向へ延びる複数の柱状ドレーンを設け、
    複数の前記柱状ドレーンが設けられた前記液状化地盤の表層上の全面を砂層で面状に覆い、前記砂層の全面に前記砂層に根が網目状に延びる芝草類、低木類、ツル物類、ササ類、草本類、及びシダ類のいずれかの種類の地被植物を植栽して植物層を設け、
    前記植物層を前記柱状ドレーン上に保持する保持手段を設け、
    前記保持手段は、
    平面視にて前記柱状ドレーンの周囲に水平二方向に配置され、前記柱状ドレーンの周囲における前記液状化地盤の表層に打ち込まれた複数のアンカーと、
    平面視にて格子状を成し、隣り合う前記アンカー同士を連結するとともに前記植物層に係止される連結部材と、
    を有する、
    盤の液状化抑制方法。
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