JP2016146787A - 遮水緑化シート - Google Patents

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Abstract

【課題】施工対象面上において遮水性と緑化促進効果を同時に発揮する遮水緑化シートを提供する。
【解決手段】長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その目付量が30〜100g/mの範囲内であり、その厚みが5〜20mmの範囲内である第1層2と、この第1層の下に配置され、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その嵩密度が5〜15kg/mの範囲内である第2層3と、を有し、第1層2は、第2層3よりも嵩密度が小さく、かつ、前記第2層よりもその厚みが厚く、第1層2及び第2層3は、種子からの芽及び根が透過可能であることを特徴とする遮水緑化シート1による。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路建設、農地や宅地造成、自然災害などによって生じる裸地や法面を被覆してその遮水機能により、降雨時に液状化しやすい土質や砂質土等の易侵食性土壌を保護しつつ、緑化機能を併せて持つことで植生定着を促進して裸地や法面の地盤を恒久的に強化する遮水緑化シートに関する。
我が国は、過去の火山活動の変成や隆起にともない、シラス、泥岩、砂質土、花崗岩、ローム層等、各種の易侵食性土質や、降雨により液状化し易い土質が各地に点在している。
その一方、地球の異常気象の影響で局地的にゲリラ型の集中豪雨が発生しており、通常では考えられない土壌においても土砂災害が発生するケースが相次いでいる。
このような事情に鑑み、様々な機能が付加された侵食防止機能を有する資材が開発されている。
例えば、特許文献1には「植生防水シート」という名称で、防水シート本体の一側表面にメッシュ状固定材を固着すると共に、メッシュ状固定材を介して防水シート本体の一側表面に植生培地材を固定し、植生培地材に種子を保持させる技術が開示されている。
特許文献1に開示される植生防水シートは、植生防水シートの表面を植生可能として、これを載置するテントや物の屋根(屋上)やテラス、法面などを緑化し、省エネと快適な環境等を維持するというものである。
また、特許文献2には「遮水シート表面の緑化構造」という名称で、遮水シートの表面を緑化するためにその表面を覆って敷設される植生マットを備える技術が開示されている。
特許文献2に開示される遮水シートの表面には、滑り止め用の突起が設けられており、植生マットのズレを防止することができる。
さらに、特許文献3には「遮水シート被覆法面の緑化構造」という名称で、遮水シートの表面に配置された補強シートと、補強シートの表面に配置された多数のループをなして絡み合うヘチマ構造からなる網状マットと、この網状マットと補強シートを介して遮水シートの表面に堆積保持される植物種子を含む緑化基盤を備える技術が開示されている。
この特許文献3に開示される発明においては、補強シートとその表面に配置される網状マットの上側に緑化基盤を堆積保持させるため、緑化基盤を厚く堆積させても安定して法面に堆積保持させることが可能である。
加えて、特許文献4には、「遮水緑化シート」という名称で、短繊維不織布によって形成される第1層と、この下層に撥水性を有する長繊維不織布によって形成される第2層を備え、この第1層と第2層の間に種子を保持した遮水緑化シートに関する発明が開示されている。
この特許文献4に開示される発明は、本願発明と同一の出願人によるものであり、特許文献4に開示された発明には、第2層を降雨水の浸透を可及的に抑制するとともに、種子の根を透過させるようにしたものであり、遮水機能によって法面表土を豪雨から保護するとともに、緑化機能によって種子を発芽させて第2層を透過させて裸地表土や法面表土に根を張らせて植物を育成して、裸地や法面の浸食を防止しながら地盤強度を高めることができる。
特開2003−325047号公報 特開平10−168885号公報 特開平11−190027号公報 特開2011−239682号公報
しかしながら、特許文献1に開示される発明においては、防水シートの一側表面に固着したメッシュ状固定材を介して植生培地材を固定して、その植生培地材に種子を保持させる構成となっている。このため、この種子は植生培地材内で生育するものの、防水シートを貫通してその下の地層等に根を張って育つことはできない。
従って、その種子から生育する植物は芝生や草花であり、木本系の植物の生育については想定されていない。このため、特許文献1に開示される発明においては、植物が土壌や地盤に根を張ることで、その土壌や地盤の強度を改善しながら、土砂災害を防止するような法面を形成することはできないという課題があった。
また、特許文献2に開示される発明においては、法面に設置するような場合も想定されており、遮水シートの表面には植生マットのずれを防止するための突起が設けられているものの、植生マットで生育する植物の根が遮水シートを貫通して法面内に張っていくことは想定されていない。
従って、豪雨時には植生マットが遮水シートと分離して流されてしまう可能性があり、結局のところ、特許文献1に開示される発明のように植物が根を張ることで土壌や地盤の強度を改善しながら土砂災害を防止する法面を形成させることはできないという課題があった。
さらに、特許文献3に開示される発明においても、補強マット上に網状マットを配置して、その上に緑化基盤である覆土を設ける構成となっているが、せっかく植物が発芽して根を伸ばしてもその根は緑化基盤内に留まり、補強シートの下側に配置された遮水シートを貫通してその根を伸ばすことはできないという課題があった。
この場合、特許文献1や、特許文献2に開示される発明と同様に土砂、災害を防止できるような法面を形成することができないという課題があった。
上述のように、特許文献1乃至3に開示される発明に共通な課題として、設置対象である土壌や地盤に植物の根が侵入して伸びていくことがないという課題があった。
このため、これらの発明品を法面に施して、植物を一定期間育成させたとしても、法面保護材と土壌又は地盤とが一体化しないので、植物の根による土壌又は地盤の保持又は保護機能を活用して土砂災害を防止することはできなかった。
このため、特許文献1乃至3に開示される発明を用いる場合は、施工後、いつまで経っても、土壌又は地盤に敷設される防水シートあるいは遮水シートによって地盤に浸透する水を排除して土壌又は地盤を保護しなくてはならず、これら防水シートや遮水シートは時間の経過とともに劣化するため、一定期間ごとに交換する必要が生じるため、問題の根本的な解決には至らなかった。
他方、特許文献1乃至3に開示される発明に共通な課題を解決すべく特許文献4に開示される発明が本願出願人により開発された。
特許文献4に開示される発明においては、遮水層として機能する第2層を長繊維不織布とし、その透水係数を、遮水性能を考慮して10−4cm/秒以下に設定するとともに、種子からの根を透過可能にするという観点から、その透水係数を10−6cm/秒以上に設定している。
また、この第2層は、長繊維不織布であることから、透水係数を上述のように特定した場合は、種子からの根を透過可能にするために第2層の厚みを大きくできなかった。
この場合、より地表面に近い第2層の保水性能を十分に高めることが難しかった。このため、特許文献4に開示される発明では、種子の発芽、土壌又は地盤への根張りを促進して確実な緑化を実現するために、第2層の保水性能を補う必要性が生じ、このために、第2層の上に長繊維不織布からなる保水層を設けることが好ましかった。加えて、第2層の下に短繊維不織布からなる表土保護層を設けることが好ましかった。
このように、特許文献4に開示される発明においては、土壌又は地盤を被覆する部材が、遮水性と種子の生育を促進(保水性の向上)するという相反する目的を同時に実現する必要性がある。その一方で、上記範囲に透水係数を特定するだけでは、これら2つの目的を十分に達成することはできなかった。このため、特許文献4に開示される発明では、保水層や表土保護層等の補助的な構成を別途付加する必要性が生じていた。
特に、特許文献4に開示される第2層は、表土との接触面における馴染みや、表土上における保持性を考慮すると、それのみでは十分な機能が発揮されなかったので、これらの機能を補うために様々な構成を付加していた。この場合、製造工程が複雑化したり、製造コストが上昇して好ましくなかった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、降雨時に液状化し易い土質の裸地や法面において、土壌又は地盤への遮水と緑化を同時に行える遮水緑化シートを提供することにある。
より詳細には、このような遮水緑化シートの遮水機能として、降雨水の大部分が表土に浸透するのを防ぎつつ、緑化機能としては、法面等の表土をある程度湿潤な状態に維持して、法面上における種子の発芽と、法面表土内部への根張りを促進し、法面表土上に定着した植物によって法面がさらに保護されて土砂災害を確実に防止することができ、しかも、その構成がシンプルな遮水緑化シートを提供するにある。
上記目的を達成するため第1の発明である遮水緑化シートは、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その目付量が30〜100g/mの範囲内であり、その厚みが5〜20mmの範囲内である第1層と、この第1層の下に配置され、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その嵩密度が5〜15kg/mの範囲内である第2層と、を有し、第1層は、第2層よりも嵩密度が小さく、かつ、第2層よりもその厚みが厚く、第1層及び第2層は、種子からの芽及び根が透過可能であることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、第1層の綿状撥水性繊維不織布を目付量30〜100g/mの範囲内に特定することで、第1層に必要な排水性能を付与しつつ、種子から生じる芽が第1層を透過するのを妨げないようにするという作用を有する。
また、第2層は、第1層と同じ材質からなるものの、第1層と比較してより密になるように構成されている。これにより、第1の発明に係る遮水緑化シートに降り注ぐ大部分の降雨水が土壌又は地盤に浸透するのを遮断しつつ、種子の芽及び/又はその根の透過は妨げないという作用を有する。
これにより、第1の発明に係る遮水緑化シート上、遮水緑化シート中、あるいは、遮水緑化シート下において発芽した種子の芽が、遮水緑化シート上に伸びたり、その根が第1の発明に係る遮水緑化シートの下の土壌又は地盤中に伸びることを可能にするという作用を有する。
さらに、第2層は綿状の不織布であるので、施工対象である土壌又は地盤上を被覆する際に裸地表土や法面表土と第2層との接触面積が大きくなり、これにより表土がしっかりと保護される。
加えて、第1の発明においては、第1層と第2層を構成する撥水性繊維不織布の嵩密度が相違することで、その界面において透水性の微妙な差が生じる。
そして、特に、第1の発明が傾斜面に敷設される場合は、この透水性の微妙な差のせいで、第1層に浸透した降雨水が第2層にスムーズに浸透できず、降雨水はこの界面近傍を流下する。
この時、降雨水は、表土の表面を流下するのではなく、そのほとんどが第1の発明に係る遮水緑化シートの断面中を流下するので、降雨水の流下による表土の浸食を防ぐことができる。
なお、本願特許請求の範囲及び明細書において、数値範囲を、例えば、P〜Qの様に記載する場合は、その値がP以上Q以下であることを意味している。また、本願特許請求の範囲及び明細書において、短繊維不織布とは、100mm以下の繊維によって形成される不織布をいい、長繊維不織布とは、100mmより長い繊維によって形成される不織布をいう。
第2の発明である遮水緑化シートは、第1の発明であって、第1層と第2層の間には種子が保持されていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、第1の発明と同じ作用に加えて、第1層と第2層の間に種子を保持させることで、第2の発明に係る遮水緑化シートを敷設するだけで、その施工面である裸地表土上又は法面表土上に、所望の種子の散布も完了したのと同じ状態にするという作用を有する。
また、この種子として施工面である裸地表土又は法面表土がある地域の気候条件に適合したものを適宜選択することで、より自然な植生を早期に実現可能にするという作用を有する。
つまり、緑化植物として所望の種類の植物を導入することが容易になる。
第3の発明である遮水緑化シートは、第1の発明であって、第1層と第2層は、加熱処理により一体化されてなることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、第1の発明と同じ作用に加えて、第1層と第2層を一体化させておくことで、施工時の取り扱いを容易にするという作用を有する。またその方法を、加熱処理に特定することで、広い面積の第1層と第2層を、効率良く一体化させるという作用を有する。これにより、第3の発明の生産効率を高めるという作用を有する。
また、第3の発明においては、第1層と第2層の界面付近の短繊維同士が加熱処理により部分的に捲縮するため、その接合部分において適度な接合強度を有する積層シートを形成させるという作用も有する。
この時、第1層と第2層の界面付近には、第1層や第2層と異なる透水性を有する領域が生じる。この結果、第1層と第2層の界面付近での降雨水の過度の浸透が一層妨げられて、降雨水の排出が良好になり、遮水緑化シート全体としての遮水性能が向上する。
その一方で、第1層と第2層を加熱処理により一体化する場合は、第1層と第2層の間に種子を保持させるのに適さない。これは、第1層と第2層を一体化させようとして熱を作用させた際に、その熱が種子に致命的なダメージを与えてしまうためである。
このため、第3の発明に予め種子を付加する必要がある場合は、第2層の下に種子を含む層を別途設けて一体化させて使用すればよい。
また、第3の発明に予め種子を付加しない場合は、予め、施工面上に散布、吹き付け等の手段により適用したのちに敷設することもできる。また、そのまま施工面上に敷設し、この後に所望の種子や、必要に応じて種子の生育に必要な植生基材等を併せて第3の発明の表面に散布または吹き付けてもよい。あるいは、第3の発明の表面に所望の種子や、必要に応じて資材等を散布又は吹き付けたものを、施工面に敷設してもよい。
さらに、別の方法としては、第3の発明に種子を付加しないまま施工対象面上に敷設し、施工対象面にもともと存在していた種子や、第3の発明の敷設後、周囲から飛来する種子を自然に発芽させて、人為的でない自然な緑化を期待することもできる。
第4の発明である遮水緑化シートは、第1又は第2の発明であって、ニードルパンチ処理及び/又は縫合により一体化されてなることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、第1又は第2の発明と同じ作用に加えて、第1層と第2層がニードルパンチ処理及び/又は縫合に一体化されて確実に積層保持される。
また、第1層と第2層を一体化する手段としてニードルパンチ処理及び/又は縫合を採用する場合は、熱処理を行う場合のように種子が致命的なダメージを受ける恐れが少ないので、第1層と第2層の間に種子や、必要に応じて植生基盤材を保持させた状態で双方を一体化することが可能になる。
このような第4の発明では、特に第1層と第2層の間に種子や、必要に応じて植生基盤材が保持される場合に、これらが第1層と第2層の間を移動して偏在したり、第4の発明である遮水緑化シートから脱落するのを妨げるという作用を有する。つまり、第4の発明を均質化するという作用を有する。よって、高品質で付加価値の高い製品の製造を可能にするという作用を有する。
第5の発明である遮水緑化シートは、第1乃至第4のいずれかの発明であって、第1層の表面上に補強ネットが被覆されてなることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、第1乃至第4の発明と同じ作用に加えて、補強ネットは、第2層よりも嵩密度が小さくて相対的に強度が低い第1層を補強しながら保護するという作用を有する。
また、本発明に係る遮水緑化シートが種子を保持している場合は、補強ネットは本発明に係る遮水緑化シートからの種子の脱落を防ぐという作用も有する。
なお、補強ネットは、第1層及び第2層からなる積層体に一体に固定されていてもよい。その固定方法としては、第1層及び第2層を縫合する際に補強ネットを併せて縫合してもよいし、第1層及び第2層からなる積層体の最上面に接着剤等を用いて補強ネットを貼設してもよい。
このような第1の発明によれば、第1層と第2層の積層体を備えることで、遮水機能だけでなく緑化機能をも発揮させることができる。すなわち、第1の発明の遮水機能によって法面表土を豪雨から保護するとともに、その緑化機能によって種子を発芽させて裸地表土や法面表土に根を張らせて植物を育生して、裸地や法面の侵食を防止しながら地盤強度を高めることができる。
つまり、第1の発明を敷設した直後は、第1の発明自体の物理的な効果により施工対象面が保護されるが、この第1の発明に植物が生育すると、第1発明と植物の根系と施工対象面を構成する表土が一体化して、最終的にはそこに自生する植物の根茎により施工対象面が恒久的に保護される。
そして、この場合、この第1の発明は、特許文献4に開示される発明と比較して、遮水緑化シートの構造がシンプルでありながら、それによる遮水機能及び保水機能が向上されている。
この結果、第1の発明により、裸地や法面における土砂災害を防止することができる。また、第1の発明は、遮水と緑化を同時に実現可能な一体の遮水緑化シートであるので、それぞれを別々に準備して施工対象面上に敷設する場合に比べて、作業性を向上できるだけでなく、経済性にも優れている。
さらに、第1の発明によれば、第1層、第2層の二層の構成のみで上述のような2つの機能を発揮させることができるので、従来技術に係る遮水緑化シート(例えば、特許文献4を参照)と比較して、その製造工程を簡素化できることはもちろんのこと、必要な機能を単体の材料に付与しつつそれらを積層して2層以上の多層構造にする場合よりも廉価に提供できる。
また、第1の発明が施工対象面上を被覆することによる直接的な遮水効果のみならず、第1の発明が有する独自の層構造に基づく遮水効果(第1層及び第2層の界面における遮水効果)も発揮される。
従って、このような第1の発明によれば、第1層,第2層のそれぞれの遮水性や保水性、あるいは、種子から生じる芽や根の透過性、及び、そのバランスを考慮しながら、第1層,第2層のそれぞれの嵩密度、厚み等を、従来技術と比較してより自由に設定することが可能になる。
この結果、第1の発明を敷設する施工対象面のニーズに応じて、目的とする機能がより発揮されやすいように第1層及び第2層の嵩密度や厚みを上記範囲内において自由にアレンジすることができる。
このように、第1の発明によれば、より高性能な製品を、より効率良くかつ廉価に製造して提供することができる。
第2の発明は、上述の第1の発明と同じ効果に加えて、第1層と第2層の間に種子を保持してなるものであるので、施工対象面において目的とする種子による緑化が可能になる。
この場合、施工面上において意図しない外来種の生育を妨げることができるので、外来種の規制に対する対応が容易になる。
このような第2の発明によれば、環境問題に配慮しつつ施工対象面を遮水しながら緑化することができる。
また、第2の発明は、施工対象面を遮水するためのシートと、施工対象面を緑化するためのシートが、層構造を成す1枚のシートにより構成されているので、別々の機能を有するそれぞれのシートを個別に敷設する場合に比べて、作業性及びコストを大幅に改善できる。
より具体的には、第2の発明を敷設するだけで、施工対象面の直接的な保護を実現できるだけでなく、緑化用の種子の散布作業や、施工対象面をその種子の生育に適した環境に整える作業をも同時に完了できる。
従って、施工対象面をスピーディーにかつ確実に、しかも恒久的に緑化しながら保護することができる。
また、第2の発明を敷設した後に、第2の発明において生育する植物は、施工対象面に容易に根を張ることができるので、第2の発明を敷設した後に同様の構造のものを定期的に交換したり、あるいは、緑化用植物の種子を新たに散布したりする等のメンテナンス作業を行う必要が全くない。
このため、第2の発明を敷設した後のランニングコストを極めて廉価にできるという効果も有する。
第3の発明は、上述の第1の発明と同じ効果に加えて、第1層と第2層の界面付近の短繊維同士が加熱処理により部分的に捲縮することで、その接合面に適度な接合強度を有する積層シート体を形成することができる。
この場合、第3の発明を施工した後に、第1層と第2層が分離してしまうリスクを小さくできる。この結果、より耐久性の高い積層シート体からなる遮水緑化シートを製造して提供することができる。
また、第3の発明によれば、第1層と第2層の界面付近に形成される短繊維同士の捲縮構造が、より遮水性の高い遮水面としても機能するので、上述の第1の発明が有する遮水効果が一層向上されたものとなる。
従って、第3の発明によれば、より耐久性と遮水性に優れた遮水緑化シートを提供することができる。
また、加熱処理により第1層と第2層を一体化させる場合は、一度に広範な面積を処理することが可能になる。これにより、第3の発明の生産性も向上できる。
第4の発明は、上述の第1又は第2の発明と同じ効果に加えて、特に第1層と第2層の間に種子を保持させる場合に、種子に熱によるダメージを与えることなく第1層と第2層を一体化させることができる。
また、第4の発明は、特に第1層と第2層の間に種子や、必要に応じて植生基盤材を保持させる場合に、第1層と第2層からなる積層シート体を傾斜させたり、巻回した際に、これらの層間に保持される種子や、植生基盤材が移動して偏在したり脱落するのを防止できる。
この結果、第4の発明によれば、製品製造後の品質を好適に維持することができる。この場合、第4の発明の保管時や運搬時の状態に制約が少なくなるので、運搬や保管が容易になるというメリットがある。
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明と同じ効果に加えて、補強ネットを備えることで遮水緑化シートの強度を向上することができる。この結果、第5の発明の耐久性を向上することができる。
また、補強ネットを備えることで、第1層と第2層の間に収容される種子や、植生基盤材の脱落を一層好適に防止できる。この結果、第5の発明の施工前及び施工後の品質を好適に維持することができる。
よって、第5の発明によれば、耐久性に優れかつ高品質な遮水緑化シートを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートの概念図である。 本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートの断面図である。 遮水試験装置を模式的に示した概念図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートについて図1,2を参照しながら詳細に説明する。
図1,2を参照しながら本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートの構造について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートの概念図であり、図2は本発明の実施の形態に係る遮水緑化シートの断面図である。なお、図2は図1中のA−A線矢視断面図である。
図1,2に示すように、本発明に係る遮水緑化シート1は、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その目付量が30〜100g/mの範囲内であり、その厚みが5〜20mmの範囲内である第1層2と、この第1層2の下に配置され、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その嵩密度が5〜15kg/mの範囲内である第2層3とにより構成されるものである
また、上述のような本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第1層2は、第2層3よりも嵩密度が小さく、かつ、第2層3よりもその厚みが厚くなるよう構成されている。
つまり、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第1層2の嵩密度よりも第2層3の嵩密度が大きく、かつ、第2層3の厚みは第1層2よりも薄くなっている。
なお、第1層2及び第2層3を構成する綿状撥水性短繊維不織布を構成する素材としては、合成樹脂である、例えば、ポリエステル繊維(PE)、ポリプロピレン繊維(PP)、PPとPEを混紡して成るもの等の各種繊維を用いることができる。
また、本実施の形態に係る遮水緑化シート1の第1層2及び第2層3を構成する綿状撥水性短繊維不織布の特性が上述のように特定されることで、第1層2及び第2層3はともに、種子4から生じる芽及び根が容易に透過できる。
ここで、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を構成する第1層2及び第2層3についてより詳細に説明する。
本実施の形態に係る遮水緑化シート1の第1層2を構成する綿状撥水性短繊維不織布は、その目付量が30〜100g/mの範囲内に設定されている。
第1層2の厚さ等の他の条件によっても異なるが、第1層2の目付量が30g/mを下回る場合は、土壌侵食防止機能が十分に発揮されなくなるという不具合が生じる。また、この場合、第1層2の降雨水の透過性が高すぎて、第2層3の排水機能の負担が大きくなり、結果として、遮水緑化シート1への降雨水を好適に排出できないという不具合も生じる。
さらに、後段において詳細に説明するが、第1層2と第2層3の層間に、種子4や、保水材7あるいは植生基盤材8を単独で、あるいは、これらのうちの複数種類を所望に組み合わせて保持させる場合は、第1層2がこれらを保持する機能も担うことになる。
この場合、第1層2の目付量が30g/mを下回ると、これらの保持機能が低下する。つまり、第1層2と第2層3の層間に、保持される種子4や、保水材7あるいは植生基盤材8が、第1層2を透過して散逸しやすくなるという不具合が生じる。
他方、第1層2の目付量が100g/mを超えると、種子4からの芽や根の透過性が損なわれてしまい好ましくない。
また、第1層2の厚みは、5〜20mmの範囲内に設定することが好ましい。この厚みも当然に、第1層2の目付量等の他の条件によって異なるが、通常、第1層2の厚みが5mmを下回ると、第1層2において雨滴衝撃を十分に吸収することができなくなるという不具合が生じる。また、第1層2の厚みが、20mmを超える場合は、種子4からの芽や根の透過性が損なわれるという不具合が生じる。
他方、第2層4を構成する綿状撥水性短繊維不織布としては、上述の第1層2よりも嵩密度が大きいものが用いられる。これにより、第1層2から第2層3への降雨水の浸透を緩慢にできる。そして、これにより施工対象面に対する遮水機能が発揮される。なお、その詳細なメカニズムについては、後段において詳細に説明する。
本実施の形態に係る遮水緑化シート1の第2層3の嵩密度は、上述のような第1層2を透過した降雨水の浸透を緩慢にするという機能を確実に発揮させるために5〜15kg/mの範囲に設定する必要がある。
なお、第2層3の嵩密度が、上記範囲に満たない場合は、その厚みにもよるが第2層3による遮水性能が十分に発揮されなくなる。つまり、第1層2を透過した降雨水が、第2層3も容易に透過してしまい、施工面である土壌又は地盤に多量の降雨水が短時間のうちに供給されてしまう。この場合、施工対象面の保護効果が劣るものとなる。
上述のような第1層2及び第2層3からなる本実施の形態に係る遮水緑化シート1は、施工対象面である土壌や地盤の表面を被覆するように敷設されて用いられるものである。
また、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第1層2と第2層3の嵩密度が相違することで、より具体的には、第2層3の嵩密度が、第1層2の嵩密度よりも大きく設定されていることで、これらの界面9において透水性に微妙な差が生じる。
そして、上述のような透水性の微妙な差が生じる場合は、第1層2を透過した降雨水が、第2層3中にスムーズに浸透せず、降雨水は第1層2と第2層3の界面9近傍を流下することになる。このような界面9における遮水機能は、第2層3単体で発揮されるものではなく、この第2層3上に積層される第1層2との物性の差、特に嵩密度(見かけ充填密度、空隙率)の違いによりもたらされる。
そして、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第1層2と第2層3の上述のような物性の差を極端に大きくするのではなく、あえて「微差」にしておくことで、遮水緑化シート1の断面方向への降雨水の浸透を許容しながらも、界面9における大幅な遮水効果の向上が実現されている。
このように、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、主に第2層3がその遮水機能を担っているが、このような遮水機能を発揮させるための第2層3の嵩密度(見かけ充填密度、空隙率)は、植物の芽や根の透過を妨げないように設定される必要がある。
そして、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第1層2及び第2層3を上述のように構成することで、土壌又は地盤への降雨水の急激な浸透が抑制されるものの、植生に必要な水分は遮水緑化シート1の下に十分に供給されるので、緑化植物の生育が可能になる。
従って、第2層3の嵩密度が、第1層2の嵩密度よりも顕著に大きい場合は、本実施の形態に係る遮水緑化シート1の下に、十分に降雨水が浸透しないので、目的とする緑化機能が発揮されなくなる。しかも、このような第2層3は、緑化植物の種子4からの芽や根が容易に透過できないので、遮水シートとして機能しても、緑化シートとしては機能しない。
さらに、第2層3を綿状の不織布とすることで、裸地表土や法面表土との接触面積を大きくなり、これにより表土がしっかりと被覆されるのでその保護効果も高まる。
そして、上述のような第1層2及び第2層3を備えた本実施の形態に係る遮水緑化シート1を施工対象面に敷設することで、その遮水性及び排水性により表土の侵食を抑制することができる。これにより、易侵食性土壌をしっかりと保護することができる。しかも、表土の侵食を抑制しながら植生定着も促進できるので、裸地や法面の表土を恒久的に強化できる。
つまり、本実施の形態に係る遮水緑化シート1によれば、第1層2と第2層3からなる積層構造によって顕著に遮水機能が発揮されるので、豪雨時に遮水緑化シート1の下面側に配される法面や裸地の液状化の防止を図ることができる。しかも、第2層3は、適度な透水性も有しているので、緑化植物の種子4の発芽及び発根、並びに、その生育を促進させることができる。
より具体的には、本実施の形態に係る遮水緑化シート1は、遮水機能に加えて緑化促進機能を備えているので、遮水緑化シート1を施工面上に敷設した直後から、植物根による十分な表土又は土壌の緊縛効果、あるいは、遮水効果が発揮されるまでの間、それ自体の遮水機能により直接裸地や法面の侵食を防止して地盤強度を保持することができる。そして、これと同時に、緑化植物の種子4の発芽及び発根、並びに、その生育を促すことができる。そして、遮水緑化シート1の下に緑化植物が十分に根を張ると、今度はその植物により施工対象面である表土又は土壌が保護されることになる。このとき、本実施の形態に係る遮水緑化シート1と緑化植物の根系とは一体化した状態になる。
この結果、経年変化により本実施の形態に係る遮水緑化シート1が劣化しても遮水緑化シート1を透過して生長した植物によってその施工対象面は保護され続けることになる。
つまり、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を一旦敷設した後は、遮水緑化シート1を交換したり、新たに緑化植物の種子4を散布する等のメンテナンスを行う必要がなくなる。
そして、本実施の形態に係る遮水緑化シート1が敷設される場合は、その独自の層構造により、短時間に多量の降雨水がもたらされた場合でも、遮水緑化シート1の真下の表土又は土壌が、この降雨水の流動により浸食されたり、多量の降雨水を含んで軟弱化することを防止することができる。
通常、このような表土の保護効果は、表土又は地盤上に形成される腐葉土等の有機質層や植物の根系が担っている。しかしながら、このような有機質層や植物の根系を備えない裸地では、表土の保護効果が十分に発揮されないために、降雨水による表土又は地盤の浸食が急速に進行してしまう。
このような事情に鑑み、施工対象面上に十分に植物が繁茂してそれによる表土の保護効果が発揮されるまでの間、その代替品として表土を降雨水の浸食から確実に保護しつつ植生回復を促進させるべく発明されたものが本実施の形態に係る遮水緑化シート1である。
さらに、先にも述べたが、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を構成する第1層2及び第2層3の不織布を構成する繊維長、目付量、厚み、さらには、嵩密度が上述のように特定されることで、第1層2及び第2層3はともに種子からの芽及び根を透過可能である。
このため、本実施の形態に係る遮水緑化シート1が敷設される前から自然に存在していた種子4又は人工的に施工面上に散布された種子4は、遮水緑化シート1が敷設された後も支障なくその芽や根が遮水緑化シート1を透過して生育することができる。
この時、本実施の形態に係る遮水緑化シート1は、施工対象面に十分な降雨水を供給するだけでなく、施工対象面から水分が急激に蒸発するのを好適に抑制することで、遮水緑化シート1の下に自然に又は人為的に散布される種子4や、遮水緑化シート1上に自然に又は人為的に散布される種子4から植物が十分に生育するまでの間、その生育に適した環境を提供し続けるという効果も有する。
つまり、第2層3の降雨水を浸透し難くするという効果は、表土や土壌から水分が蒸散するスピードを遅らせて、そこに生育する植物に十分な水分を供給するという効果でもある。
このように、本実施の形態に係る遮水緑化シート1は、施工対象面における遮水機能のみならず、緑化促進効果も有している。
また、本実施の形態に係る遮水緑化シート1においては、図1,2に示すように、第1層2及び第2層3の層間に緑化植物の種子4を散在させた状態で保持させてもよい。
この場合、施工対象面である表土又は地盤に、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を敷設するだけで、緑化用植物の散布作業も完了することができる。
この場合、目的とする種類の種子を施工対象面上に確実に導入できるので、その施工対象面の緑化を計画的に行うことができる。
とりわけ、その施工対象面において外来種の導入が規制されている場合は、その規制に適合するような所望の種子4を自由に選定して遮水緑化シート1とともに施工対象面に導入することができる。このため、周囲の環境に配慮した確実で計画的な緑化が可能になる。
さらに、第1層2と第2層3の層間に、種子4だけでなく必要に応じて保水材7や植生基盤材8を単独であるいは組み合わせて保持させてもよい。なお、保水材7としては粒状又は固形状のものを使用できる。
このような保水材としては、例えば、高吸水性樹脂である、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系やポリアルギン酸塩系のもの等を使用できる。
この、保水材7の粒の大きさとしては、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を構成する第1層2及び第2層3を容易に透過できない程度の大きさに設定しておく必要がある。
また、植生基盤材8は、予め遮水緑化シート1に保持されている、又は、施工対象面上に自然に存在している、あるいは、施工後の遮水緑化シート1上に自然に飛来してきた種子4の発芽及び発根、並びに、その生育を促進するためのものであり、例えば、培養土(培地)や肥料成分からなるものである。これらは、第1層2及び第2層3の層間に、単体で保持させてもよいし、あるいは、目的に応じて様々な種類の培養土(培地)や肥料成分を組み合わせてなるものを保持させてもよい。なお、培養土(培地)と肥料成分は、必ずしも明確に区別できない場合があるため、ここではこれらを総称して植生基盤材8としている。
より具体的には、植生基盤材8としては、例えばピートモス、鹿沼土、赤玉土及びゼオライト等の土壌改良材あるいはこれらの混合物を用いることができる。
また、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、第2層3が保水機能も有しているので、第2層3を有するだけでも緑化植物の生育に十分な水を確保することが可能である。
しかしながら、第1層2及び第2層3の層間に保水材7を保持させておくことで、本実施の形態に係る遮水緑化シート1の保水性を一層向上できる。なお、保水材7は、それのみを、第1層2及び第2層3の層間に保持してもよいし、種子4及び/又は植生基盤材8とともに保持させてもよい。
このような保水材7は、遮水緑化シート1の内部を降雨水が浸透する際に、この降雨水の一部を吸水して、降雨後に、遮水緑化シート1の下の自然に又は人為的に散布された種子4や、遮水緑化シート1に予め保持される種子4や、自然に又は人為的に遮水緑化シート1に散布された種子4に水分を供給して、その発芽及び発根、並びに、生育を促進する。
通常、種子4には発芽あるいは発根に必要な養分が蓄えられているので、植生基盤材8として肥料成分を添加する必要性は特にないが、発芽や発根以後の導入植物の生育を促進させるためには含めておいた方が望ましい。この場合、施工対象面を迅速に緑化できる。
特に、本実施の形態に係る遮水緑化シート1の第1層2及び第2層3の層間に、種子4や、必要に応じて保水材7や植生基盤材8を保持させる場合は、遮水緑化シート1の製造時や保管時、あるいは、その施工時に、遮水緑化シート1の平面方向において種子4や保水材7及び植生基盤材8が偏在することがないよう、第1層2及び第2層3を積層したものを、ニードルパンチ処理及び/又は縫合処理を施してもよい。
なお、図1,2では特に、第1層2及び第2層3からなる積層体を縫合して一体化する場合を例に挙げて説明している。このため、図1,2では、縫合時の縫い目6を記載している。
このように、第1層2と第2層3をニードルパンチ処理及び/又は縫合処理により一体化した場合は、第1層2と第2層3の層間における種子4や、保水材7並びに植生基盤材8の平面方向への移動が抑制されて、遮水緑化シート1において種子4や、保水材7並びに植生基盤材8を分散させた状態で保持させておくことができる。また、遮水緑化シート1の製造時や保管時、搬送時、あるいは、施工時に、第1層2と第2層3の間から、種子4や保水材7並びに植生基盤材8が脱落するのを好適に防止できる。
このように、第1層2及び第2層3からなる積層体にニードルパンチ処理及び/又は縫合処理を施すことで均質な遮水緑化シート1を製造できる。この結果、より高品質な遮水緑化シート1を提供することができる。
加えて、第1層2及び第2層3からなる積層体にニードルパンチ処理を施す場合は、遮水緑化シート1にニードルを突き刺した際に生じる多数の小さな孔部(図示せず)が形成される。そして、この孔部は、第1層2と第2層3の層間に保持される種子4が発芽し発根した際に、あるいは、施工された遮水緑化シート1上に自然に飛来した種子4が発芽し発根した際に、その根を遮水緑化シート1下の土壌又は地盤に到達させるための案内孔として作用する。
この場合、遮水緑化シート1の内部において発根した根はスムーズに、施工対象面に到達できるので、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を敷設した場合の植物の生育を促進することができる。
この場合、本実施の形態に係る遮水緑化シート1による緑化促進効果を一層向上できる。
また、第1層2及び第2層3からなる積層体を、ニードルパンチ処理及び/又は縫合処理する場合は、第1層2及び第2層3との接合面に適度な接合強度を付与できる。
この場合、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を構成する第1層2と第2層3が分離し難くなるので、保管時、搬送時、施工時のそれぞれにおける取り扱いが容易になり作業性を向上できる。
また、本実施の形態に係る遮水緑化シート1を構成する第1層2及び第2層3は、ニードルパンチ処理及び/又は縫合処理以外の方法で一体化されてもよい。
具体的には、第1層2及び第2層3を積層したものを加熱処理することでこれらを接合してもよい。この場合、第1層2及び第2層3の界面9においてそれぞれの繊維が捲縮して、適度な接合強度を有する積層シート体を製造することができる。
また、第1層2および第2層3を構成する繊維同士が捲縮して形成された界面9では、これらを単に重ね合せた場合と比較して、第1層2から第2層3への降雨水の浸透を一層緩やかにできる。これにより、本実施の形態に係る遮水緑化シート1による遮水性が一層高まる。
従って、第1層2と第2層3を加熱処理により接合する場合は、より高性能な遮水緑化シート1を提供できる。
その一方で、第1層2及び第2層3を加熱処理により接合する場合は、第1層2と第2層3から成る層間に、種子4を保持させておくことができない。これは、加熱処理時に種子4が致命的なダメージを受けてしまうためである。
従って、上述のように加熱処理により第1層2と第2層3とを結着した遮水緑化シート1は、施工面上に自然に又は人為的に散布される種子4を用いて緑化する場合や、施工後に遮水緑化シート1上に人為的に種子4を散布する場合、あるいは、遮水緑化シート1上に自然に飛来する種子4を利用して施工面上の緑化を行う場合に適している。
あるいは、加熱処理により一体化させた第1層2及び第2層3からなる積層体の表面又は裏面に、種子4の発芽や発根及びその生育の妨げにならない接着剤等を利用して、種子4や、必要に応じて保水材7及び植生基盤材8を接着して用いることもできる。
さらに、本実施の形態に係る遮水緑化シート1は、図1,2に示すように、第1層2の表面上に補強ネット5を備えていてもよい。
この補強ネット5は、第1層2及び第2層3とともに、縫合により一体化してもよいし、既に一体化されてなる第1層2及び第2層3の最上面上に、接着剤等を用いて接着してもよい。
このように、本実施の形態に係る遮水緑化シート1が補強ネット5を備える場合は、第1層2及び第2層3からなる積層シート体の強度を向上できる。
さらに、補強ネット5は、第1層2及び第2層3の層間に、種子4や必要に応じて保水材7及び/又は植生基盤材8が保持される場合に、これらの脱落を抑制するという効果も有している。
よって、本実施の形態に係る遮水緑化シート1では、補強ネット5を備えることで、より耐久性が高くかつ品質の高い遮水緑化シート1提供することができる。
ここで、本実施の形態に係る遮水緑化シート1の性能を調べるために実施した試験及びその結果について説明する。なお、本願発明は、以下に実施例として示されるものに制限されるものではない。
また、屋外における試験は全て多機能フィルター株式会社の敷地内において行い、敷地の外から試験の様子が見えないようにして試験を行った。
なお、本試験において供試サンプルの遮水性能を比較する試験は、図3に示すような試験装置を用いて行った。
図3は遮水試験装置を模式的に示した概念図である。なお、図1,図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、遮水試験装置10は、30°に傾斜した傾斜面上に真砂土12を詰めた箱11を配置し、その上に供試用サンプル13(実施例1〜3に係る遮水緑化シート1及び比較例1,2に係る遮水緑化シート)を敷設して、その上から人口降雨装置14により降雨量100mm/hに相当する水を付加することにより調べた。
はじめに、本試験に用いた各供試用サンプル13の特性を評価するために採用した各特性値について説明する。
[1]目付量(g/m
標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片各10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当りに換算して目付量(g/m)とした。
[2]嵩密度
JIS L 1913に準拠して厚さを測定し、上記(2)の目付量の測定と同様にして得られた平均値から単位体積当たりの値に換算して嵩密度(kg/m)とした。
[3]植物種子発芽状況
遮水緑化シートを圃場法面に敷設し、2ヶ月後に発芽状況を観察し、下記基準にて判定した。
×:発芽が全く見られない。
△:全体の3割未満が発芽し、順調に生育している。
○:全体の3割以上が発芽し、順調に生育している。
◎:全体の7割以上が発芽し、順調に生育している。
[4]遮水効果
遮水効果は、図3に示すような人口試験機おいて、真砂土(勾配30°)からなる傾斜面に降雨量100mm/h相当する水を散布する降雨試験を行い、法面内に設置しているデータロガーを用いて土壌中の含水率の変化を測定した。この試験にて土壌中の含水率が10%に達するまでの降雨時間を比較して判定した。
<性能> <降雨時間>
0 : 0〜15分
1 : 16〜30分
2 : 31〜60分
3 : 61〜90分
4 : 91〜120分
5 : 120分以上
実施例1に係る遮水緑化シート1を作製すべく、以下のような仕様のファイバーウェブシート(不織布)を製造した。
撥水性短繊維として平均繊度5デシテックスのポリエステルを用い、サーマルボンディング法(加熱処理)により、ファイバーウェブシート(目付量:45g/m)を製造した。このファイバーウェブシートを、第1層2を構成する短繊維不織布とした。この短繊維不織布の厚みは1.1cm、嵩密度は4.1kg/mであった。
上記第1層2と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて、ファイバーウェブシート(目付量25g/m)を製造した。このファイバーウェブシートを、第2層3を構成する短繊維不織布とした。この短繊維不織布の厚みは2.6mm、嵩密度は9.6kg/mであった。
上述の第1層2と第2層3の間に、計画緑化のための種子4,肥料(植生基盤材8),保水材7を分散させた状態で収容し、第1層2及び第2層3を積層した後、ニードルパンチ処理を施して第1層2及び第2層3一体化した。この後、補強ネット5(素材:ポリエチレン製)を第1層2の表面上に配置して、補強ネット5、第1層2及び第2層3をミシン掛けすることで一体化して、実施例1に係る遮水緑化シート1を得た。
上記実施例1と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて、目付量25g/m、厚み3.4mm、嵩密度7.2kg/mの短繊維不織布からなる第2層3を製造した。この第2層3以外の条件を全て上記実施例1と同じにして実施例2に係る遮水緑化シート1を得た。
上記実施例1と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて、目付量23g/m、厚み1.8mm、嵩密度12.7kg/mの短繊維不織からなる第2層3を製造した。この第2層3以外の条件を全て上記実施例1と同じにして実施例3に係る遮水緑化シート1を得た。
実施例1と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて第1層2、第1層2を構成する短繊維不織布を得た。なお、ここで得られた第1層2,第2層3の目付量、厚み、嵩密度は下記のとおりである。
この後、この第1層2と第2層3の間に種子4等を保持させることなく積層したものを加熱処理して、第1層2と第2層3を結着させて一体化して実施例4に係る遮水緑化シート1を得た。
・第1層2:目付量60g/m、厚み1.3cm、嵩密度4.6kg/m
・第2層3:目付量25g/m、厚み2.4mm、嵩密度10.4kg/m
実施例1〜4に係る遮水緑化シート1を圃場の法面及び遮水試験装置に敷設して、種子発芽状況と遮水効果とを調査し、その結果を下表1に示した。
なお、発芽試験においては実施例1と同様の種子、植生基材を適用してなる試験土壌を別途準備し、その種子発芽状況についても併せて観察した。
また、以下に示すような比較例1,2を併せて準備し、実施例1〜4に係る遮水緑化シート1とともに供試した。
(比較例1)
実施例1と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて目付量が33g/m、嵩密度が18.2kg/m、厚みが1.8mmである短繊維不織布からなる第2層を得た。この第2層以外の条件を全て上記実施例1と同じにして比較例1に係る遮水緑化シートを得た。
(比較例2)
実施例1と同じ材料及び方法を採用し、条件を変えて目付量が13g/m、嵩密度が3.5kg/m、厚みが3.5mmである短繊維不織布からなる第2層を得た。この第2層以外の条件を全て上記実施例1と同じにして比較例2に係る遮水緑化シートを得た。
Figure 2016146787
上表1に示す通り、実施例1〜3に係る遮水緑化シート1はともに、遮水効果と緑化促進効果の両者を兼ね備えていることが明らかになった。
また、実施例4に係る遮水緑化シート1は、実施例1〜3に係る遮水緑化シート1と比較して遮水性が優れていた。なお、実施例4に係る遮水緑化シート1では、第1層2と第2層3の界面9においてそれぞれの不織布を構成する繊維同士が捲縮したことで、この界面9近傍における遮水効果が向上したと考えられる。
また、実施例4に係る遮水緑化シート1のように第1層2及び第2層3を加熱処理により一体化する場合は、その層間に導入用の種子4を保持させることはできないが、施工対象面上に予め導入用の種子4を散布しておいたり、あるいは、種子4の発芽や発根に影響を及ぼさない接着剤等を用いて予め実施例4に係る遮水緑化シート1に導入用の種子4を付着させておくことで、他の実施例に係る遮水緑化シート1と同様の緑化機能の発揮を期待できる。
他方、比較例1に係る遮水緑化シートは、遮水性は優れていたものの、第1層2及び第2層3の層間に保持された種子の生育状況は、実施例1〜3に係る遮水緑化シート1と比べて劣っていた。これは、第2層3の嵩密度が大きすぎるために、実施例のものと比較して種子から生じた根が第2層を透過して施工対象面である土壌又は地盤に好適に伸せなかったことによると推測される。
このように、本発明に係る遮水緑化シート1では、種子4から生じる芽及び根が、第2層3を高い確実性をもって透過できることが、その緑化機能の発揮に不可欠であるといえる。
他方、比較例2に係る遮水緑化シートは、緑化機能は優れていたものの、遮水性は実施例1〜4と比較して劣っていた。
以上説明したように本発明は、施工対象面上における遮水性と緑化促進効果を同時に発揮することができ、一旦敷設した後は、緑化植物の根による自然な表土保護効果により恒久的に表土を保護することができ、しかも、構造がシンプルで製造が容易な遮水緑化シートに関するものであり、土木工事後の法面緑化や、裸地の緑化、あるいは、自然災害や環境破壊等により荒廃した土壌の再生に関する分野において利用可能である。
1…遮水緑化シート 2…第1層 3…第2層 4…種子 5…補強ネット 6…縫い目 7…保水材 8…植生基盤材 9…界面 10…遮水試験装置 11…箱 12…真砂土 13…供試用サンプル 14…人口降雨装置

Claims (5)

  1. 長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その目付量が30〜100g/mの範囲内であり、その厚みが5〜20mmの範囲内である第1層と、
    この第1層の下に配置され、長さが100mm以下の綿状撥水性短繊維不織布からなり、その嵩密度が5〜15kg/mの範囲内である第2層と、を有し、
    前記第1層は、前記第2層よりも嵩密度が小さく、かつ、前記第2層よりもその厚みが厚く、
    前記第1層及び前記第2層は、種子からの芽及び根が透過可能であることを特徴とする遮水緑化シート。
  2. 前記第1層と前記第2層の間には種子が保持されていることを特徴とする請求項1記載の遮水緑化シート。
  3. 前記第1層と前記第2層は、加熱処理により一体化されてなることを特徴とする請求項1に記載の遮水緑化シート。
  4. 前記第1層と前記第2層は、ニードルパンチ処理及び/又は縫合により一体化されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮水緑化シート。
  5. 前記第1層の表面上に補強ネット被覆してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遮水緑化シート。
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