JP2019183582A - 液状化抑制システム - Google Patents
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Abstract
【課題】排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる、液状化抑制システムを提供すること。【解決手段】液状化抑制システム1aは、排水領域に埋設された排水ドレーン20であって、排水ドレーン20の上方にある水Wを排水ドレーン20を介して排水領域の地中に向けて排水し、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水Wの上昇によって当該水を排水ドレーン20を介して排水領域の地表に向けて排水する排水ドレーン20と、排水ドレーン20よりも上方に設けられた噴砂抑制部30であって、排水領域の地表にある水Wを排水領域の地中に向けて透過させ、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーン20からの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、排水領域における地中の水圧の上昇が噴砂抑制部30によって抑制されることで、排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制する噴砂抑制部30とを備えた。【選択図】図3
Description
本発明は、液状化抑制システムに関する。
従来、地震の発生等によって地盤に液状化が生じた場合に、当該液状化に伴って地中の砂が地表に噴出する現象(いわゆる噴砂現象)を抑制するための技術が提示されている。この技術においては、例えば、地盤の地表面の区域が、噴砂現象の発生を阻止する噴砂阻止区域と、噴砂阻止区域に隣接する噴砂誘導区域であって噴砂現象の発生を許容する噴砂誘導区域とに区分けされており、地盤の地中において液状化層から噴砂誘導区域に至るように配置されたグラベルドレーンが設けられている。これにより、地盤に液状化が生じた際に、噴砂阻止区域の地中にある水圧が上昇すると、当該水を噴砂誘導区域に誘導させることにより、噴砂誘導区域のうちグラベルドレーンの上端部に対応する領域及びその近傍で噴砂現象が生じるものの、噴砂阻止区域において噴砂現象の発生を抑制することが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年では、上記噴砂阻止区域だけでなく上記噴砂誘導区域においても、例えば被災後に避難するためのスペースを確保したいというニーズが高まっている。しかしながら、上述した従来の技術においては、上述したように、地盤に液状化が生じた際に、上記噴砂誘導区域におけるグラベルドレーンの上端部に対応する領域及びその近傍において噴砂現象が生じることから、当該領域等の地表に噴出した砂や水により上記スペースを確保することが難しくなるという問題があった。したがって、上記噴砂誘導区域の如き排水領域の使用性の観点からは改善の余地があった。また、上記従来の技術は、非常時の有用性は高いものの、通常時にはあまり役に立たず、景観的にはむしろマイナスとなるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる、液状化抑制システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の液状化抑制システムは、地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムであって、前記地盤の領域のうち前記対象領域の近傍に位置する排水領域に埋設された排水ドレーンであって、当該排水ドレーンの上方にある水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地中に向けて排水すると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水領域の地中の水の上昇によって当該水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、前記排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、前記排水領域の地表にある水を前記排水領域の地中に向けて透過させると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水ドレーンからの排水を前記排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも前記排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも前記排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えた。
請求項2に記載の液状化抑制システムは、請求項1に記載の液状化抑制システムにおいて、前記噴砂抑制手段は、水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、前記排水領域で液状化が発生した際に前記フィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備える。
請求項3に記載の液状化抑制システムは、請求項1又は2に記載の液状化抑制システムにおいて、前記排水領域は、第1排水領域と、前記第1排水領域に比べて保護のレベルが低い第2排水領域を含み、前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンと前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンとを接続する送水管であって、前記第1排水領域で液状化が発生した際に、前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンからの排水を、当該送水管を介して前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンに送ることが可能な送水管を備えた。
請求項1に記載の液状化抑制システムによれば、排水領域に埋設された排水ドレーンであって、排水ドレーンの上方にある水を、排水ドレーンを介して排水領域の地中に向けて排水すると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水を、当該排水ドレーンを介して排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、排水領域の地表にある水を排水領域の地中に向けて透過させると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーンからの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域における地中の水圧の上昇が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えたので、排水ドレーンによって対象領域において液状化が抑制され、噴砂抑制手段によって排水領域において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の液状化抑制システムによれば、噴砂抑制手段が、水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、排水領域で液状化が発生した際にフィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備えるので、例えば、豪雨時に地表に発生した水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過でき、雨水の一部を時間遅れで地中に浸透できるので、地下水の水質が悪化することを抑制できると共に豪雨時の内水氾濫を予防するためのピークカットを行うことができ、さらに排水ドレーンが目詰まりすることを抑制できる。また、地震時に地中の水が上昇した場合に当該水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過できるので、地表に泥等が堆積することを抑制できる。
請求項3に記載の液状化抑制システムによれば、第1排水領域に対応する排水ドレーンと第2排水領域に対応する排水ドレーンとを接続する送水管であって、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーンからの排水を、当該送水管を介して第2排水領域に対応する排水ドレーンに送ることが可能な送水管を備えたので、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーンからの排水を、送水管を介して第2排水領域に対応する排水ドレーンに送ることができ、第1排水領域の地表で地中の水が噴き出ることを一層抑制できる。したがって、送水管を備えない場合に比べて、第1排水領域の近傍に設置されている建物又は埋設物が排水ドレーンからの排水による被害を受けることを抑制することが可能となる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る液状化抑制システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムに関する。ここで、「地盤の領域」の種類については、実施の形態では、対象領域、排水領域等が該当する。このうち、「対象領域」とは、地盤の領域のうち、液状化の発生を抑制する対象となる領域を意味し、例えば、地表面に設置された建物に対応する領域や地中に埋設された埋設物に対応する領域等を含む概念である。なお、実施の形態2では、対象領域が、第1対象領域と、第1対象領域に比べて保護のレベルが低い第2対象領域とを含むものとして説明する。また、「排水領域」とは、地盤の領域のうち、対象領域の近傍に位置する領域であって液状化抑制システムによる排水が行われる領域を意味する。なお、実施の形態2では、排水領域が、第1排水領域と、第1排水領域に比べて保護のレベルが低い第2排水領域とを含むものとして説明する。また、「建物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、建築物(一例として、戸建て住宅、集合住宅、商業施設、公共施設、駐車場等)、土木構造物(一例として、道路等)、河川構造物(一例として、調整池等)を含む概念である。また、「埋設物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、配管設備(一例として、水道管、ガス管、電線管等)、土木構造物(一例として、トンネル等)を含む概念である。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムに関する。ここで、「地盤の領域」の種類については、実施の形態では、対象領域、排水領域等が該当する。このうち、「対象領域」とは、地盤の領域のうち、液状化の発生を抑制する対象となる領域を意味し、例えば、地表面に設置された建物に対応する領域や地中に埋設された埋設物に対応する領域等を含む概念である。なお、実施の形態2では、対象領域が、第1対象領域と、第1対象領域に比べて保護のレベルが低い第2対象領域とを含むものとして説明する。また、「排水領域」とは、地盤の領域のうち、対象領域の近傍に位置する領域であって液状化抑制システムによる排水が行われる領域を意味する。なお、実施の形態2では、排水領域が、第1排水領域と、第1排水領域に比べて保護のレベルが低い第2排水領域とを含むものとして説明する。また、「建物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、建築物(一例として、戸建て住宅、集合住宅、商業施設、公共施設、駐車場等)、土木構造物(一例として、道路等)、河川構造物(一例として、調整池等)を含む概念である。また、「埋設物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、配管設備(一例として、水道管、ガス管、電線管等)、土木構造物(一例として、トンネル等)を含む概念である。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る液状化抑制システムについて説明する。この実施の形態1は、液状化抑制システムを複数の排水領域に設けた形態である。
まず、実施の形態1に係る液状化抑制システムについて説明する。この実施の形態1は、液状化抑制システムを複数の排水領域に設けた形態である。
(構成−設置場所)
最初に、実施の形態1に係る液状化抑制システムが設置される設置場所の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る液状化抑制システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。ここで、図1のX方向を液状化抑制システムの左右方向又は幅方向(−X方向を液状化抑制システムの左方向、+X方向を液状化抑制システムの右方向)、図1のY方向を液状化抑制システムの前後方向(+Y方向を液状化抑制システムの前方向、−Y方向を液状化抑制システムの後方向)、図1のZ方向を液状化抑制システムの上下方向(+Z方向を液状化抑制システムの上方向、−Z方向を液状化抑制システムの下方向)と称する。
最初に、実施の形態1に係る液状化抑制システムが設置される設置場所の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る液状化抑制システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。ここで、図1のX方向を液状化抑制システムの左右方向又は幅方向(−X方向を液状化抑制システムの左方向、+X方向を液状化抑制システムの右方向)、図1のY方向を液状化抑制システムの前後方向(+Y方向を液状化抑制システムの前方向、−Y方向を液状化抑制システムの後方向)、図1のZ方向を液状化抑制システムの上下方向(+Z方向を液状化抑制システムの上方向、−Z方向を液状化抑制システムの下方向)と称する。
図1に示すように、実施の形態1に係る液状化抑制システム1が設置される地盤10の領域は、概略的に、対象領域11、対象領域12、対象領域13、排水領域14、及び排水領域15に区分されている。このうち、対象領域11は、建物B1(例えば、集合住宅等)及び埋設物BO1(例えば、電線管等)が設置される領域及びその近傍に対応する対象領域であり、図1に示すように、幅W1を有し、且つ前後方向に沿った領域である。また、対象領域12は、埋設物BO2(例えば、水道管等)が設置される領域に対応する対象領域であり、図1に示すように、幅W2を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、対象領域11よりも左側に位置している。また、対象領域13は、建物B2(例えば、駐車場等)が設置される領域に対応する対象領域であり、図1に示すように、幅W3を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、対象領域11よりも右側に位置している。また、排水領域14は、後述の第1液状化抑制システム1aが設置される排水領域であり、図1に示すように、幅W4を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、対象領域11と対象領域12との相互間に位置している。また、排水領域15は、後述の第2液状化抑制システム1bが設置される排水領域であり、図1に示すように、幅W5を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、対象領域11と対象領域13との相互間に位置している。
(構成−液状化抑制システム)
次に、実施の形態1に係る液状化抑制システム1の構成について説明する。図1に示すように、液状化抑制システム1は、排水領域14に設置される第1液状化抑制システム1aと、排水領域15に設置される第2液状化抑制システム1bとを備えている。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの構成のみについて説明することとする。
次に、実施の形態1に係る液状化抑制システム1の構成について説明する。図1に示すように、液状化抑制システム1は、排水領域14に設置される第1液状化抑制システム1aと、排水領域15に設置される第2液状化抑制システム1bとを備えている。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの構成のみについて説明することとする。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム)
図2は、図1のA−A矢視断面図である(一部図示省略)。図3は、図1の噴砂抑制部30の領域の拡大図であり、(a)は豪雨時の状態を示す図、(b)液状化発生時の状態を示す図である。第1液状化抑制システム1aは、図1から図3に示すように、排水ドレーン20及び噴砂抑制部30を備えている。
図2は、図1のA−A矢視断面図である(一部図示省略)。図3は、図1の噴砂抑制部30の領域の拡大図であり、(a)は豪雨時の状態を示す図、(b)液状化発生時の状態を示す図である。第1液状化抑制システム1aは、図1から図3に示すように、排水ドレーン20及び噴砂抑制部30を備えている。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−排水ドレーン)
排水ドレーン20は、当該排水ドレーン20の上方にある水を当該排水ドレーン20を介して排水領域14の地中に向けて排水すると共に、排水領域14で液状化が発生した際に、排水領域14の地中の水の上昇によって当該水を当該排水ドレーン20を介して排水領域14の地表に向けて排水するためのものである。この排水ドレーン20は、例えば公知の長尺な排水ドレーン(一例として、サンドドレーン等)を用いて構成され、図1から図3に示すように、排水ドレーン20の長手方向が上下方向に略沿うように排水領域14に埋設されていると共に、前後方向に沿って相互に間隔(例えば、3m等)を隔てて複数並設されている(図1、図2では、3つ設けられている。ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路Rに対応する部分に設けないこととする)。
排水ドレーン20は、当該排水ドレーン20の上方にある水を当該排水ドレーン20を介して排水領域14の地中に向けて排水すると共に、排水領域14で液状化が発生した際に、排水領域14の地中の水の上昇によって当該水を当該排水ドレーン20を介して排水領域14の地表に向けて排水するためのものである。この排水ドレーン20は、例えば公知の長尺な排水ドレーン(一例として、サンドドレーン等)を用いて構成され、図1から図3に示すように、排水ドレーン20の長手方向が上下方向に略沿うように排水領域14に埋設されていると共に、前後方向に沿って相互に間隔(例えば、3m等)を隔てて複数並設されている(図1、図2では、3つ設けられている。ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路Rに対応する部分に設けないこととする)。
また、排水ドレーン20の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では、排水ドレーン20の平面形状については、略円形状に設定している(ただし、これに限らず、例えば、多角形状、楕円形状に設定してもよい)。また、排水ドレーン20の直径については、排水ドレーン20の排水量が所定量に達している限りに小さくすることが望ましいことから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。一例として、図3に示すように、排水領域14の左右方向の長さよりも短く設定している(例えば、100mm程度に設定している)。また、排水ドレーン20の上下方向の長さについては、排水ドレーン20の下端部が排水領域14における地中の透水層(図示省略)に位置し、且つ排水ドレーン20の上端部が排水領域14の地表よりも所定距離だけ下方に位置することが可能な長さに設定している。これにより、例えば豪雨時に地表の水を排水ドレーン20を介して透水層に排水できるので、透水層よりも上方の地層が排水ドレーン20の排水による影響を受けることを回避できる。ここで、「透水層」とは、液状化層に含まれる層のうち、水を通しやすい層を意味する。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部)
図1に戻り、噴砂抑制部30は、排水領域14の地表にある水を排水領域14の地中に向けて透過させると共に、排水領域14で液状化が発生した際に、排水ドレーン20からの排水を排水領域14の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域14における地中の水圧の上昇が当該噴砂抑制部30によって抑制されることで、少なくとも排水領域14の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段である。この噴砂抑制部30は、図1から図3に示すように、排水ドレーン20よりも上方(図1では直上)に設けられており、具体的には、排水領域14を掘削して形成した凹部16の内部に設けられている。ここで、凹部16の左右方向の長さ(幅)については任意であるが、実施の形態1では、図1に示すように、排水領域14の左右方向の長さと略同一に設定しており、一例として、800mmから1500mm程度に設定している。また、凹部16の上下方向の長さ(深さ)については任意であるが、実施の形態1では、図3に示すように、噴砂抑制部30の下端部が排水ドレーン20の上端部又はその近傍に位置し、且つ噴砂抑制部30の上端部が排水領域14の地表に位置することが可能な長さに設定しており、一例として、600mm程度に設定している。また、図2、図3に示すように、この噴砂抑制部30は、透水シート31、下部層32、中間層33、上部層34、及び植物保護材35を備えている。
図1に戻り、噴砂抑制部30は、排水領域14の地表にある水を排水領域14の地中に向けて透過させると共に、排水領域14で液状化が発生した際に、排水ドレーン20からの排水を排水領域14の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域14における地中の水圧の上昇が当該噴砂抑制部30によって抑制されることで、少なくとも排水領域14の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段である。この噴砂抑制部30は、図1から図3に示すように、排水ドレーン20よりも上方(図1では直上)に設けられており、具体的には、排水領域14を掘削して形成した凹部16の内部に設けられている。ここで、凹部16の左右方向の長さ(幅)については任意であるが、実施の形態1では、図1に示すように、排水領域14の左右方向の長さと略同一に設定しており、一例として、800mmから1500mm程度に設定している。また、凹部16の上下方向の長さ(深さ)については任意であるが、実施の形態1では、図3に示すように、噴砂抑制部30の下端部が排水ドレーン20の上端部又はその近傍に位置し、且つ噴砂抑制部30の上端部が排水領域14の地表に位置することが可能な長さに設定しており、一例として、600mm程度に設定している。また、図2、図3に示すように、この噴砂抑制部30は、透水シート31、下部層32、中間層33、上部層34、及び植物保護材35を備えている。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−透水シート)
図2に戻り、透水シート31は、噴砂抑制部30の外枠を構成する部材であると共に、水を透過するものの砂を透過しないシートである。この透水シート31は、例えば公知の透水シート(一例として、複数の微細孔(図示省略)を有する樹脂製の透水シート)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、凹部16の底部分16a及び側壁部分16bを覆うように設けられている。
図2に戻り、透水シート31は、噴砂抑制部30の外枠を構成する部材であると共に、水を透過するものの砂を透過しないシートである。この透水シート31は、例えば公知の透水シート(一例として、複数の微細孔(図示省略)を有する樹脂製の透水シート)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、凹部16の底部分16a及び側壁部分16bを覆うように設けられている。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−下部層)
図2に戻り、下部層32は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち最下方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14で液状化が発生した際に透水シート31の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段である。この下部層32は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、1/16mm程度等)を有する砂礫を用いて構成されており、図2、図3に示すように、透水シート31を介して排水ドレーン20の上端部を覆うように配置されている。また、この下部層32の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、下部層32を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよく、一例として、100mm程度に設定してもよい。
図2に戻り、下部層32は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち最下方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14で液状化が発生した際に透水シート31の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段である。この下部層32は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、1/16mm程度等)を有する砂礫を用いて構成されており、図2、図3に示すように、透水シート31を介して排水ドレーン20の上端部を覆うように配置されている。また、この下部層32の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、下部層32を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよく、一例として、100mm程度に設定してもよい。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−中間層)
図2に戻り、中間層33は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち下部層32よりも上方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14で液状化が発生した際に透水シート31の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段である。この中間層33は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、1/16mm〜2mm程度等)を有する砂及び浄化土壌を用いて構成されており、図2、図3に示すように、下部層32を覆うように配置されている。より具体的には、砂からなる砂層33aが下部層32の上方に敷設されていると共に、砂と浄化土壌とを混合した混合層33bが砂層33aの上方に敷設されている。ここで、「浄化土壌」とは、水に含まれる不純物や汚濁物質を取り除くことが可能な土壌あるいは多孔質物質であり、例えば、汚濁物質を分解できる微生物を含む土壌や吸着性に優れた多孔質な担体等が該当する。また、この中間層33の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、中間層33を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。一例として、中間層33の砂層33aの上下方向の長さを100mm程度に設定し、中間層33の混合層33bの上下方向の長さを300mm程度に設定してもよい。
図2に戻り、中間層33は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち下部層32よりも上方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14で液状化が発生した際に透水シート31の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段である。この中間層33は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、1/16mm〜2mm程度等)を有する砂及び浄化土壌を用いて構成されており、図2、図3に示すように、下部層32を覆うように配置されている。より具体的には、砂からなる砂層33aが下部層32の上方に敷設されていると共に、砂と浄化土壌とを混合した混合層33bが砂層33aの上方に敷設されている。ここで、「浄化土壌」とは、水に含まれる不純物や汚濁物質を取り除くことが可能な土壌あるいは多孔質物質であり、例えば、汚濁物質を分解できる微生物を含む土壌や吸着性に優れた多孔質な担体等が該当する。また、この中間層33の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、中間層33を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。一例として、中間層33の砂層33aの上下方向の長さを100mm程度に設定し、中間層33の混合層33bの上下方向の長さを300mm程度に設定してもよい。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−上部層)
図2に戻り、上部層34は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち最上方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14の地表にある水に含まれる汚濁(例えば、植物やゴミ等)を中間層33に流入することを抑制するための汚濁流入抑制手段である。この上部層34は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、2mm以上等)を有する土壌であって、植物Pが植栽可能な土壌(一例として、礫等を含む自然土壌等)を用いて構成されており、図2、図3に示すように、中間層33を覆うように配置されている(ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路に対応する部分には植物Pを植栽しないこととする)。また、上部層34の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、上部層34を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、現地での浸透試験や室内での実験結果等に基づいて設定してもよい。一例として、50mm程度に設定してもよい。
図2に戻り、上部層34は、噴砂抑制部30を構成する土粒子層のうち最上方に位置する土粒子層であると共に、排水領域14の地表にある水に含まれる汚濁(例えば、植物やゴミ等)を中間層33に流入することを抑制するための汚濁流入抑制手段である。この上部層34は、例えば透水シート31の微細孔の径よりも大きい径(例えば、2mm以上等)を有する土壌であって、植物Pが植栽可能な土壌(一例として、礫等を含む自然土壌等)を用いて構成されており、図2、図3に示すように、中間層33を覆うように配置されている(ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路に対応する部分には植物Pを植栽しないこととする)。また、上部層34の上下方向の長さ(厚み)については任意であるが、上部層34を構成する材質の大きさや種類等に応じて異なり得ることから、例えば、現地での浸透試験や室内での実験結果等に基づいて設定してもよい。一例として、50mm程度に設定してもよい。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−植物保護材)
図2に戻り、植物保護材35は、上部層34に植栽された植物Pを保護するための保護手段である。この植物保護材35は、例えば、公知の植物保護材(一例として、メッシュ状の植物保護材)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、上部層34の上面に敷設されている(ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路に対応する部分に敷設しないこととする)。
図2に戻り、植物保護材35は、上部層34に植栽された植物Pを保護するための保護手段である。この植物保護材35は、例えば、公知の植物保護材(一例として、メッシュ状の植物保護材)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、上部層34の上面に敷設されている(ただし、実施の形態1では、排水領域14のうち建物B1の通行路に対応する部分に敷設しないこととする)。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−噴砂抑制部−その他の構成)
また、噴砂抑制部30の具体的な構成については任意であるが、例えば、排水領域14で液状化が発生した際に、少なくとも排水領域14の地中の水圧が所定値未満である場合には噴砂抑制部30によって噴砂の発生が抑制されるものの、この水圧が所定値以上である場合には噴砂抑制部30によって噴砂の発生が抑制されないように、構成されてもよい。一例として、噴砂抑制部30の下部層32、中間層33、及び上部層34の合計の重さが、上記所定値程度の水圧に耐える程度の重さになるように、これら下部層32、中間層33、及び上部層34の大きさ又は材質を任意に設定してもよい。これにより、排水領域14で液状化が発生した際の水圧の大きさに応じて噴砂抑制部30の機能を切り替えることができ、状況に応じた噴砂抑制部30の使用が可能となる。
また、噴砂抑制部30の具体的な構成については任意であるが、例えば、排水領域14で液状化が発生した際に、少なくとも排水領域14の地中の水圧が所定値未満である場合には噴砂抑制部30によって噴砂の発生が抑制されるものの、この水圧が所定値以上である場合には噴砂抑制部30によって噴砂の発生が抑制されないように、構成されてもよい。一例として、噴砂抑制部30の下部層32、中間層33、及び上部層34の合計の重さが、上記所定値程度の水圧に耐える程度の重さになるように、これら下部層32、中間層33、及び上部層34の大きさ又は材質を任意に設定してもよい。これにより、排水領域14で液状化が発生した際の水圧の大きさに応じて噴砂抑制部30の機能を切り替えることができ、状況に応じた噴砂抑制部30の使用が可能となる。
以上のような第1液状化抑制システム1aにより、排水ドレーン20によって対象領域11及び対象領域12において液状化が抑制され、噴砂抑制部30によって排水領域14において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域14において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域14の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。また、噴砂抑制部30が、透水シート31、下部層32、中間層33、及び上部層34を備えているので、例えば、豪雨時に地表に発生した水に含まれる土粒子を透水シート31、中間層33、上部層34、及び植物Pによってろ過でき、雨水の一部を時間遅れで地中に浸透できるので、地下水の水質が悪化することを抑制できると共に豪雨時の内水氾濫を予防するためのピークカットを行うことができ、さらに排水ドレーン20が目詰まりすることを抑制できる。また、地震時に地中の水が上昇した場合に当該水に含まれる土粒子を透水シート31、上部層34、及び植物Pによってろ過できるので、地表に泥等が堆積することを抑制できる。また、暑熱時に植物Pによって排水領域14又はその周辺の温度上昇を抑制でき、排水領域14又はその周辺の暑熱を緩和することが可能なる。また、上部層34が、植栽基盤(すなわち、植物Pが正常に生育できる状態となっている地盤)として構成されているので、上部層34を通常時は緑地として有効利用することができる。さらに、植物Pの根を、上部層34の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段として主体的に機能させることができる。なお、上述した「透水シート31」、「上部層34」、及び「植物P」は、特許請求の範囲における「フィルタ手段」に対応する。
(液状化抑制システムの作用について)
次に、このように構成された第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の作用について説明する。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の作用は、それぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの作用のみについて説明することとする。
次に、このように構成された第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の作用について説明する。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の作用は、それぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの作用のみについて説明することとする。
すなわち、例えば、図3(a)に示すように、豪雨の発生によって地盤10の地表に水Wが溜まりはじめると、当該水Wが噴砂抑制部30及び排水ドレーン20を介して排水領域14の地中に向けて排水されるので、対象領域11及び対象領域12で内水氾濫が発生することを予防できる。また、噴砂抑制部30の透水シート31、中間層33、上部層34、及び植物Pによって上記地表の水Wに含まれる土粒子をろ過できるので、当該水Wが汚れていても地下水の水質が悪化することを抑制できる。
また、例えば、図3(b)に示すように、地震の発生によって地盤10の地中の水Wが上昇すると、当該水Wが第1液状化抑制システム1aの排水ドレーン20を介して排水領域14の地表に向けて排水されるので、対象領域11及び対象領域12の各々の地表まで当該水Wが浸透することを回避できることから、対象領域11及び対象領域12の各々で液状化が抑制される。一方、排水領域14では液状化が発生することになるが、この液状化の発生に伴って排水領域14における地中の水圧及び砂Sが上昇した場合に、第1液状化抑制システム1aの透水シート31、上部層34、及び植物Pによって水圧の上昇が抑制されるので、排水領域14の地表で噴砂が発生することを抑制できる。
(液状化抑制システムの施工方法について)
次に、このように構成された第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の施工方法について説明する。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の施工方法は、それぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの施工方法のみについて説明することとする。
次に、このように構成された第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の施工方法について説明する。ただし、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の施工方法は、それぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの施工方法のみについて説明することとする。
まず、公知方法により、複数の排水ドレーン20を排水領域14において相互に間隔を隔てて前後方向に沿って並設する。この場合には、各排水ドレーン20を排水領域14の地表面から地中の透水層に至るように設置する。次いで、排水領域14を掘削することにより、凹部16を形成する。この場合には、上記設置された排水ドレーン20の一部(具体的には、排水ドレーン20の上側部分)が削られる。そして、上記形成した凹部16の内部に、噴砂抑制部30を設置する。ここで、噴砂抑制部30の設置方法については任意であるが、例えば、まず、凹部16の底部分16a及び側壁部分16bに透水シート31を敷設し、次いで、上記敷設した透水シート31に下部層32、中間層33、及び上部層34を順次積み重ね、その後上部層34の上面に植物保護材35を敷設すると共に、植物Pを植栽する。これにて第1液状化抑制システム1aの施工方法の施工が終了する。このような施工方法により、特殊な装置等を用いることなく、液状化抑制システム1を比較的容易に施工でき、液状化抑制システム1の施工性を高めることができる。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、排水領域に埋設された排水ドレーン20であって、排水ドレーン20の上方にある水を排水ドレーン20を介して排水領域の地中に向けて排水すると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水の上昇によって当該水を当該排水ドレーン20を介して排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーン20と、排水ドレーン20よりも上方に設けられた噴砂抑制部30であって、排水領域の地表にある水を排水領域の地中に向けて透過させると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーン20からの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制部30によって抑制されることで、少なくとも排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制部30と、を備えたので、排水ドレーン20によって対象領域において液状化が抑制され、噴砂抑制部30によって排水領域において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。
このように実施の形態1によれば、排水領域に埋設された排水ドレーン20であって、排水ドレーン20の上方にある水を排水ドレーン20を介して排水領域の地中に向けて排水すると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水の上昇によって当該水を当該排水ドレーン20を介して排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーン20と、排水ドレーン20よりも上方に設けられた噴砂抑制部30であって、排水領域の地表にある水を排水領域の地中に向けて透過させると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーン20からの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制部30によって抑制されることで、少なくとも排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制部30と、を備えたので、排水ドレーン20によって対象領域において液状化が抑制され、噴砂抑制部30によって排水領域において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。
また、噴砂抑制部30が、水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、排水領域で液状化が発生した際にフィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備えるので、例えば、豪雨時に地表に発生した水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過でき、雨水の一部を時間遅れで地中に浸透できるので、地下水の水質が悪化することを抑制できると共に豪雨時の内水氾濫を予防するためのピークカットを行うことができ、さらに排水ドレーン20が目詰まりすることを抑制できる。また、地震時に地中の水が上昇した場合に当該水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過できるので、地表に泥等が堆積することを抑制できる。
〔実施の形態2〕
まず、実施の形態2に係る液状化抑制システムについて説明する。この実施の形態2は、送水管を備えた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
まず、実施の形態2に係る液状化抑制システムについて説明する。この実施の形態2は、送水管を備えた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成−設置場所)
最初に、実施の形態2に係る液状化抑制システムが設置される設置場所の構成について説明する。図4は、実施の形態2に係る液状化抑制システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。図5は、図4の平面図である(一部図示省略)。図に示すように、実施の形態2に係る液状化抑制システム1が設置される地盤10の領域は、実施の形態2に係る地盤10と同様に、対象領域11、対象領域12、対象領域13、排水領域14、及び排水領域15に区分されている。
最初に、実施の形態2に係る液状化抑制システムが設置される設置場所の構成について説明する。図4は、実施の形態2に係る液状化抑制システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。図5は、図4の平面図である(一部図示省略)。図に示すように、実施の形態2に係る液状化抑制システム1が設置される地盤10の領域は、実施の形態2に係る地盤10と同様に、対象領域11、対象領域12、対象領域13、排水領域14、及び排水領域15に区分されている。
また、図4、図5に示すように、対象領域11は、第1対象領域11aと、第1対象領域11aに比べて保護のレベルが低い第2対象領域11bとに区分されている。ここで、「保護のレベルが低い」とは、液状化発生時又は豪雨時において、後述する排水ドレーン20からの排水による被害から保護する必要性が低いことを意味する。このうち、第1対象領域11aは、建物B3(例えば、学校の校舎等)及び埋設物B2が設置される領域及びその近傍に対応する対象領域であり、図4に示すように、幅W1を有し、且つ前後方向に沿った領域である。また、第2対象領域11bは、建物B4(例えば、学校の体育館等)及び埋設物B2が設置される領域及びその近傍に対応する対象領域であり、図4、図5に示すように、幅W1を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、第1対象領域11aよりも後側に位置している。
また、図4、図5に示すように、排水領域14は、第1排水領域14aと、第1排水領域14aに比べて保護のレベルが低い第2排水領域14bとに区分されている。このうち、第1排水領域14aは、図4、図5に示すように、幅W4を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、第1対象領域11aと対応するように位置している。また、第2排水領域14bは、図4、図5に示すように、幅W4を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、第2対象領域11bと対応するように位置している。
また、図4、図5に示すように、排水領域15は、第1排水領域15aと、第1排水領域15aに比べて保護のレベルが低い第2排水領域15bとに区分されている。このうち、第1排水領域15aは、図4、図5に示すように、幅W5を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、第1対象領域11aと対応するように位置している。また、第2排水領域15bは、図4、図5に示すように、幅W5を有し、且つ前後方向に沿った領域であり、第2対象領域11bと対応するように位置している。
(構成−液状化抑制システム)
図4に戻り、次に、実施の形態2に係る液状化抑制システム1の構成について説明する。実施の形態2に係る液状化抑制システム1は、排水領域14に設置される第1液状化抑制システム1aと、排水領域15に設置される第2液状化抑制システム1bとを備えている。また、第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々は、図4、図5に示すように、排水ドレーン20、噴砂抑制部30、及び送水管40を備えている。なお、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの構成のみについて説明することとする。
図4に戻り、次に、実施の形態2に係る液状化抑制システム1の構成について説明する。実施の形態2に係る液状化抑制システム1は、排水領域14に設置される第1液状化抑制システム1aと、排水領域15に設置される第2液状化抑制システム1bとを備えている。また、第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々は、図4、図5に示すように、排水ドレーン20、噴砂抑制部30、及び送水管40を備えている。なお、これら第1液状化抑制システム1a及び第2液状化抑制システム1bの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1液状化抑制システム1aの構成のみについて説明することとする。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−排水ドレーン)
排水ドレーン20は、前後方向に沿って相互に間隔を隔てて複数並設されている(図4、図5では、4つ設けられている)。ここで、排水ドレーン20の設置間隔については任意であるが、実施の形態2では、第2排水領域14bにおける排水ドレーン20の設置間隔を第1排水領域14aにおける排水ドレーン20の設置間隔よりも短く設定している。例えば、第2排水領域14bにおける排水ドレーン20の設置間隔を第1排水領域14aにおける排水ドレーン20の設置間隔の半分程度に設定してもよい。これにより、例えば、図5に示すように、第2排水領域14bの平面面積が第1排水領域14aの平面面積よりも小さい場合でも、第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20の設置数を第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20の設置数と同一にできるので、第2排水領域14bの排水性を向上させることが可能となる。
排水ドレーン20は、前後方向に沿って相互に間隔を隔てて複数並設されている(図4、図5では、4つ設けられている)。ここで、排水ドレーン20の設置間隔については任意であるが、実施の形態2では、第2排水領域14bにおける排水ドレーン20の設置間隔を第1排水領域14aにおける排水ドレーン20の設置間隔よりも短く設定している。例えば、第2排水領域14bにおける排水ドレーン20の設置間隔を第1排水領域14aにおける排水ドレーン20の設置間隔の半分程度に設定してもよい。これにより、例えば、図5に示すように、第2排水領域14bの平面面積が第1排水領域14aの平面面積よりも小さい場合でも、第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20の設置数を第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20の設置数と同一にできるので、第2排水領域14bの排水性を向上させることが可能となる。
(構成−液状化抑制システム−第1液状化抑制システム−送水管)
送水管40は、第1排水領域14aで液状化が発生した際に、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20からの排水を当該送水管40を介して第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20に送ることが可能な送水手段である。この送水管40は、例えば公知の送水管(一例として、樹脂製の長尺なメッシュ管)を用いて構成されており、図5に示すように、第1排水領域14a及び第2排水領域14bにわたって、送水管40の長手方向が前後方向に沿うように埋設されている。具体的には、第1排水領域14aから第2排水領域14bの各々における噴砂抑制部30の下部層32又はその近傍において、第1排水領域14aから第2排水領域14bに向かうにつれて下方に傾斜するように埋設されており、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20と第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20とに接続されている。また、送水管40の直径については任意であるが、送水管40の送水量が所定量に達している限りに小さくすることが望ましいことから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよく、一例として、100mm程度に設定してもよい。
送水管40は、第1排水領域14aで液状化が発生した際に、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20からの排水を当該送水管40を介して第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20に送ることが可能な送水手段である。この送水管40は、例えば公知の送水管(一例として、樹脂製の長尺なメッシュ管)を用いて構成されており、図5に示すように、第1排水領域14a及び第2排水領域14bにわたって、送水管40の長手方向が前後方向に沿うように埋設されている。具体的には、第1排水領域14aから第2排水領域14bの各々における噴砂抑制部30の下部層32又はその近傍において、第1排水領域14aから第2排水領域14bに向かうにつれて下方に傾斜するように埋設されており、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20と第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20とに接続されている。また、送水管40の直径については任意であるが、送水管40の送水量が所定量に達している限りに小さくすることが望ましいことから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよく、一例として、100mm程度に設定してもよい。
以上のような第1液状化抑制システム1aにより、図5に示すように、第1排水領域14aで液状化が発生した際に、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20からの排水Wを、送水管40を介して第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20に送ることができ、第1排水領域14aの地表で地中の水Wが噴き出ることを一層抑制できる。また、豪雨の発生によって第1排水領域14aの地表に水Wが溜まりはじめると、当該水Wが噴砂抑制部30、排水ドレーン20、及び送水管40を介して第1排水領域14bに対応する排水ドレーン20に送ることができ、第1排水領域14aの排水性を向上させることができる。以上のことから、送水管40を備えない場合に比べて、第1排水領域14aの近傍に設置されている建物B3や埋設物BO1等が排水ドレーン20からの排水による被害を受けることを抑制することが可能となる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、第1排水領域に対応する排水ドレーン20と第2排水領域に対応する排水ドレーン20とを接続する送水管40であって、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーン20からの排水を当該送水管40を介して第2排水領域に対応する排水ドレーン20に送ることが可能な送水管40を備えたので、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーン20からの排水を、送水管40を介して第2排水領域に対応する排水ドレーン20に送ることができ、第1排水領域の地表で地中の水が噴き出ることを一層抑制できる。したがって、送水管40を備えない場合に比べて、第1排水領域の近傍に設置されている建物又は埋設物が排水ドレーン20からの排水による被害を受けることを抑制することが可能となる。
このように実施の形態2によれば、第1排水領域に対応する排水ドレーン20と第2排水領域に対応する排水ドレーン20とを接続する送水管40であって、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーン20からの排水を当該送水管40を介して第2排水領域に対応する排水ドレーン20に送ることが可能な送水管40を備えたので、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーン20からの排水を、送水管40を介して第2排水領域に対応する排水ドレーン20に送ることができ、第1排水領域の地表で地中の水が噴き出ることを一層抑制できる。したがって、送水管40を備えない場合に比べて、第1排水領域の近傍に設置されている建物又は埋設物が排水ドレーン20からの排水による被害を受けることを抑制することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(液状化抑制システムについて)
上記実施の形態1では、液状化抑制システム1が排水ドレーン20及び噴砂抑制部30を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、これらの構成に加えて、貯水手段を備えてもよい。この貯水手段は、排水領域にある水を貯水するためのものであり、例えば公知の貯水槽等を用いて構成され、排水領域の近傍に設けられルと共に、排水ドレーン20と配管を介して連通される。これにより、排水領域に液状化が発生した際、又は豪雨時において排水ドレーン20からの排水を貯水することができ、当該排水を様々な用途へに利用することが可能となる(なお、実施の形態2についても同様とする)。
上記実施の形態1では、液状化抑制システム1が排水ドレーン20及び噴砂抑制部30を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、これらの構成に加えて、貯水手段を備えてもよい。この貯水手段は、排水領域にある水を貯水するためのものであり、例えば公知の貯水槽等を用いて構成され、排水領域の近傍に設けられルと共に、排水ドレーン20と配管を介して連通される。これにより、排水領域に液状化が発生した際、又は豪雨時において排水ドレーン20からの排水を貯水することができ、当該排水を様々な用途へに利用することが可能となる(なお、実施の形態2についても同様とする)。
(排水ドレーンについて)
上記実施の形態1、2では、排水ドレーン20がサンドドレーンであると説明したが、これに限らず、例えば、ペーパードレーン、グラベルドレーン等であってもよい。
上記実施の形態1、2では、排水ドレーン20がサンドドレーンであると説明したが、これに限らず、例えば、ペーパードレーン、グラベルドレーン等であってもよい。
また、上記実施の形態1、2では、排水ドレーン20の上下方向の長さが、排水ドレーン20の下端部が排水領域における地中の透水層に位置し、且つ排水ドレーン20の上端部が排水領域の地表よりも所定距離だけ下方に位置することが可能な長さに設定していると説明したが、これに限らない。例えば、排水ドレーン20の下端部が排水領域における地中の透水層よりも上方に位置し、且つ排水ドレーン20の上端部が排水領域の地表よりも所定距離だけ下方に位置することが可能な長さに設定してもよい。
また、上記実施の形態1では、第1液状化抑制システム1aの排水ドレーン20の設置数が3つであると説明したが、これに限らない。例えば、1つのみ又は2つのみであってもよく、あるいは、4つ以上であってもよい(なお、実施の形態2についても略同様とする)。
また、上記実施の形態2では、第1液状化抑制システム1aの排水ドレーン20の直径は同一であると説明したが、これに限らない。例えば、第2排水領域の排水性を向上させるために、第2排水領域における排水ドレーン20の直径を、第1排水領域における排水ドレーン20の直径よりも大きく設定してもよい。
(噴砂抑制部について)
上記実施の形態1、2では、噴砂抑制部30が、排水領域のみに設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、排水領域に加えて対象領域にも設けられてもよい。
上記実施の形態1、2では、噴砂抑制部30が、排水領域のみに設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、排水領域に加えて対象領域にも設けられてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、噴砂抑制部30が、植物Pを植栽できるように構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、植物Pを植栽できないよう構成されてもよい。図6は、噴砂抑制部30の変形例を示す図である。一例として、図6に示すように、噴砂抑制部30が、例えば不織布又は人工芝等を用いて構成されたフィルタ部36(フィルタ手段)と、例えば砕石又は土嚢等を用いて構成された浮き上がり防止部37(浮き上がり防止手段)とを備えてもよい。これにより、噴砂抑制部30を比較的簡易に構成することができ、噴砂抑制部30の設置性を向上できる。
また、上記実施の形態1、2では、噴砂抑制部30が、それぞれ構成が異なる下部層32、中間層33、及び上部層34を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、少なくとも2つ以上構成が同じである下部層32、中間層33、及び上部層34を備えてもよい(一例として、下部層32と中間層33とが同一に構成されてもよい)。
(送水管について)
上記実施の形態2では、送水管40が、メッシュ管を用いて構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、送水管40の部分のうち排水ドレーン20と接続される部分及びその近傍部分については、メッシュ管を用いて構成し、送水管40の部分のうち排水ドレーン20同士の間の部分については、孔があいてない管を用いて構成してもよい。
上記実施の形態2では、送水管40が、メッシュ管を用いて構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、送水管40の部分のうち排水ドレーン20と接続される部分及びその近傍部分については、メッシュ管を用いて構成し、送水管40の部分のうち排水ドレーン20同士の間の部分については、孔があいてない管を用いて構成してもよい。
また、上記実施の形態2では、送水管40が、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20と第2排水領域14bに対応する排水ドレーン20とに接続されていると説明したが、これに限らない。例えば、送水管40の一方の端部が第1排水領域14aに配置されており、送水管40の他方の端部が第2排水領域14bに配置されている場合には、第1排水領域14aに対応する排水ドレーン20だけと接続されてもよい。
(付記)
付記1の液状化抑制システムは、地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムであって、前記地盤の領域のうち前記対象領域の近傍に位置する排水領域に埋設された排水ドレーンであって、当該排水ドレーンの上方にある水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地中に向けて排水すると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水領域の地中の水の上昇によって当該水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、前記排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、前記排水領域の地表にある水を前記排水領域の地中に向けて透過させると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水ドレーンからの排水を前記排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも前記排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも前記排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えた。
付記1の液状化抑制システムは、地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムであって、前記地盤の領域のうち前記対象領域の近傍に位置する排水領域に埋設された排水ドレーンであって、当該排水ドレーンの上方にある水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地中に向けて排水すると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水領域の地中の水の上昇によって当該水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、前記排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、前記排水領域の地表にある水を前記排水領域の地中に向けて透過させると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水ドレーンからの排水を前記排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも前記排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも前記排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えた。
付記2の液状化抑制システムは、付記1に記載の液状化抑制システムにおいて、前記噴砂抑制手段は、水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、前記排水領域で液状化が発生した際に前記フィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備える。
付記3の液状化抑制システムは、付記1又は2に記載の液状化抑制システムにおいて、前記排水領域は、第1排水領域と、前記第1排水領域に比べて保護のレベルが低い第2排水領域を含み、前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンと前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンとを接続する送水管であって、前記第1排水領域で液状化が発生した際に、前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンからの排水を、当該送水管を介して前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンに送ることが可能な送水管を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の液状化抑制システムによれば、排水領域に埋設された排水ドレーンであって、排水ドレーンの上方にある水を、排水ドレーンを介して排水領域の地中に向けて排水すると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水を、当該排水ドレーンを介して排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、排水領域の地表にある水を排水領域の地中に向けて透過させると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーンからの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域における地中の水圧の上昇が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えたので、排水ドレーンによって対象領域において液状化が抑制され、噴砂抑制手段によって排水領域において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。
付記1に記載の液状化抑制システムによれば、排水領域に埋設された排水ドレーンであって、排水ドレーンの上方にある水を、排水ドレーンを介して排水領域の地中に向けて排水すると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水領域の地中の水を、当該排水ドレーンを介して排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、排水領域の地表にある水を排水領域の地中に向けて透過させると共に、排水領域で液状化が発生した際に、排水ドレーンからの排水を排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも排水領域における地中の水圧の上昇が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、を備えたので、排水ドレーンによって対象領域において液状化が抑制され、噴砂抑制手段によって排水領域において液状化に伴う噴砂の発生を抑制することができる。よって、排水領域において、被災後に避難することが容易になり、復旧作業を行うためのスペースを確保しやすくなることから、排水領域の使用におけるユーザの利便性や景観性を向上させることが可能となる。
付記2に記載の液状化抑制システムによれば、噴砂抑制手段が、水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、排水領域で液状化が発生した際にフィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備えるので、例えば、豪雨時に地表に発生した水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過でき、雨水の一部を時間遅れで地中に浸透できるので、地下水の水質が悪化することを抑制できると共に豪雨時の内水氾濫を予防するためのピークカットを行うことができ、さらに排水ドレーンが目詰まりすることを抑制できる。また、地震時に地中の水が上昇した場合に当該水に含まれる土粒子をフィルタ手段によってろ過できるので、地表に泥等が堆積することを抑制できる。
付記3に記載の液状化抑制システムによれば、第1排水領域に対応する排水ドレーンと第2排水領域に対応する排水ドレーンとを接続する送水管であって、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーンからの排水を、当該送水管を介して第2排水領域に対応する排水ドレーンに送ることが可能な送水管を備えたので、第1排水領域で液状化が発生した際に、第1排水領域に対応する排水ドレーンからの排水を、送水管を介して第2排水領域に対応する排水ドレーンに送ることができ、第1排水領域の地表で地中の水が噴き出ることを一層抑制できる。したがって、送水管を備えない場合に比べて、第1排水領域の近傍に設置されている建物又は埋設物が排水ドレーンからの排水による被害を受けることを抑制することが可能となる。
1 液状化抑制システム
1a 第1液状化抑制システム
1b 第2液状化抑制システム
10 地盤
11 対象領域
11a 第1対象領域
11b 第2対象領域
12 対象領域
13 対象領域
14 排水領域
14a 第1排水領域
14b 第2排水領域
15 排水領域
15a 第1排水領域
15b 第2排水領域
16 凹部
16a 底部分
16b 側壁部分
20 排水ドレーン
30 噴砂抑制部
31 透水シート
32 下部層
33 中間層
33a 砂層
33b 混合層
34 上部層
35 植物保護材
36 フィルタ部
37 浮き上がり防止部
40 送水管
B1 建物
B2 建物
B3 建物
B4 建物
BO1 埋設物
BO2 埋設物
P 植物
R 通行路
S 砂
W 水
W1〜W5 幅
1a 第1液状化抑制システム
1b 第2液状化抑制システム
10 地盤
11 対象領域
11a 第1対象領域
11b 第2対象領域
12 対象領域
13 対象領域
14 排水領域
14a 第1排水領域
14b 第2排水領域
15 排水領域
15a 第1排水領域
15b 第2排水領域
16 凹部
16a 底部分
16b 側壁部分
20 排水ドレーン
30 噴砂抑制部
31 透水シート
32 下部層
33 中間層
33a 砂層
33b 混合層
34 上部層
35 植物保護材
36 フィルタ部
37 浮き上がり防止部
40 送水管
B1 建物
B2 建物
B3 建物
B4 建物
BO1 埋設物
BO2 埋設物
P 植物
R 通行路
S 砂
W 水
W1〜W5 幅
Claims (3)
- 地盤の領域のうちの対象領域で液状化が発生したことによる被害を抑制するための液状化抑制システムであって、
前記地盤の領域のうち前記対象領域の近傍に位置する排水領域に埋設された排水ドレーンであって、当該排水ドレーンの上方にある水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地中に向けて排水すると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水領域の地中の水の上昇によって当該水を、当該排水ドレーンを介して前記排水領域の地表に向けて排水するための排水ドレーンと、
前記排水ドレーンよりも上方に設けられた噴砂抑制手段であって、前記排水領域の地表にある水を前記排水領域の地中に向けて透過させると共に、前記排水領域で液状化が発生した際に、前記排水ドレーンからの排水を前記排水領域の地表に向けて透過させるものの、少なくとも前記排水領域における地中の水圧が当該噴砂抑制手段によって抑制されることで、少なくとも前記排水領域の地表で噴砂が発生することを抑制するための噴砂抑制手段と、
を備えた液状化抑制システム。 - 前記噴砂抑制手段は、
水を透過するものの砂を透過しないフィルタ手段と、
前記排水領域で液状化が発生した際に前記フィルタ手段の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止手段と、を備える、
請求項1に記載の液状化抑制システム。 - 前記排水領域は、第1排水領域と、前記第1排水領域に比べて保護のレベルが低い第2排水領域を含み、
前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンと前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンとを接続する送水管であって、前記第1排水領域で液状化が発生した際に、前記第1排水領域に対応する前記排水ドレーンからの排水を、当該送水管を介して前記第2排水領域に対応する前記排水ドレーンに送ることが可能な送水管を備えた、
請求項1又は2に記載の液状化抑制システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018079131A JP2019183582A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 液状化抑制システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018079131A JP2019183582A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 液状化抑制システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019183582A true JP2019183582A (ja) | 2019-10-24 |
Family
ID=68340255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018079131A Pending JP2019183582A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 液状化抑制システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019183582A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180459A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の不陸抑制構造 |
JP2020180456A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
JP2020180458A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
JP2020180457A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
CN113408688A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-17 | 哈尔滨工业大学 | 一种面向未知环境的多放射源在线探寻方法 |
-
2018
- 2018-04-17 JP JP2018079131A patent/JP2019183582A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180459A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の不陸抑制構造 |
JP2020180456A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
JP2020180458A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
JP2020180457A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の液状化抑制構造 |
JP7367292B2 (ja) | 2019-04-24 | 2023-10-24 | 株式会社竹中工務店 | 地盤の不陸抑制方法 |
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CN113408688A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-17 | 哈尔滨工业大学 | 一种面向未知环境的多放射源在线探寻方法 |
CN113408688B (zh) * | 2021-06-29 | 2022-06-07 | 哈尔滨工业大学 | 一种面向未知环境的多放射源在线探寻方法 |
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