JP7170475B2 - 貯水システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯水システムに関する。
従来、雨水を一時的に貯水する技術の一つとして、雨水を浸透水浄化地盤に一時的に貯水し、浸透水浄化地盤において浄化された雨水を所定領域(例えば、地中又は集水枡)へと送水する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような技術においては、浸透水浄化地盤を複数並設することにより、貯水量の増大を図ることができる。
特開2012-183494号公報
ここで、上記従来の技術においては、上述したように、浸透水浄化地盤を複数並設することにより、貯水量を増大させることができるものの、貯水量を更に増大させたいとのニーズが高まっていることから、更なる改善が必要とされていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、貯水量を増大させることが可能となる、貯水システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の貯水システムは、雨水を一時的に貯水するための貯水システムであって、地中に埋設された複数の貯水手段であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部が他の貯水手段に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水手段と、前記複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を遮水することにより、当該複数の貯水手段の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段と、を備え、前記複数の貯水手段の各々は、貯水機能を有する貯水手段本体であって、当該貯水手段本体に貯められた前記雨水を浄化することが可能であり、且つ上下方向に積層された複数の土粒子層を備える貯水手段本体と、前記貯水手段本体の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持手段であって、透水性を有し、且つ前記貯水手段本体の状態を保持することが可能な保持手段と、を備え、前記複数の土粒子層は、最下方に位置する土粒子層である下部層と、前記下部層よりも上方に位置する土粒子層である中間層と、最上方に位置する土粒子層である上部層と、を含み、前記中間層は、砂からなる砂層と、前記砂層よりも上方に位置する混合層であり、前記貯水手段本体に貯められた前記雨水に含まれる不純物又は/及び汚濁物質を取り除くことが可能な浄化土壌を含む混合層と、を含み、前記混合層の上下方向の長さを、前記複数の土粒子層のうち前記混合層以外の他の土粒子層の上下方向の長さよりも長くし、前記遮水手段にて遮水される水量である遮水量が所定量未満である場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させず、前記遮水量が所定量以上に達した場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させるように、前記複数の貯水手段及び前記遮水手段を構成した。
請求項2に記載の貯水システムは、請求項1に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の各々は、前記地中に形成され、且つ当該貯水手段が収容される凹部の底部分と前記貯水手段本体との相互に設けられた貯水空間部であって、前記雨水を貯水するための貯水空間部を備える。
請求項3に記載の貯水システムは、請求項2に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、金属製のメッシュ材で形成し、前記保持手段の網目の大きさを、前記下部層を構成する土粒子の径よりも小さくした。
請求項4に記載の貯水システムは、請求項2に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、コンクリート材料で形成した。
請求項5に記載の貯水システムは、請求項2から4のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、外部に露出しないように構成した。
請求項6に記載の貯水システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができるように、前記複数の貯水手段を構成した。
請求項7に記載の貯水システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができないように、前記複数の貯水手段を構成し、前記複数の貯水手段の少なくとも一部に設けられた送水管であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を所定領域に送るための送水管を備えた。
請求項1に記載の貯水システムによれば、地中に埋設された複数の貯水手段であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部が他の貯水手段に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水手段と、複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた雨水を遮水することにより、当該複数の貯水手段の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段と、を備え、遮水量が所定量未満である場合には、遮水手段によって遮水された雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する貯水手段に向けて流出させず、遮水量が所定量以上に達した場合には、遮水手段によって遮水された雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する貯水手段に向けて流出させるように、複数の貯水手段及び遮水手段を構成したので、複数の貯水手段によって雨水を貯めることができることに加えて、遮水手段によって遮水された雨水も貯めることができ、従来技術(透水浄化地盤を単に複数設けた技術)に比べて、貯水システムの貯水量を増大させることが可能となる。また、遮水手段によって遮水された雨水の一部を外部から視認でき、貯水システムの貯水状況を把握しやすくなる。
また、複数の貯水手段の各々が、貯水機能を有する貯水手段本体と、貯水手段本体の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持手段であって、透水性を有し、且つ貯水手段本体の状態を保持することが可能な保持手段と、を備えるので、例えば、貯水手段の施工中において保持手段を貯水手段本体よりも先行して設置することにより、保持手段にて土圧を支持でき、周辺地盤の変位を抑止できる。よって、貯水手段本体の設置スペースを確保しやすくなることから、貯水手段周辺での山留の設置を省略できると共に、貯水手段において所望の貯水量を確保しやすくなる。また、貯水手段の施工後においても保持手段による土圧の支持を維持でき、貯水手段本体の状態を保持できることから、貯水手段の耐久性を向上できる。
請求項3に記載の貯水システムによれば、保持手段を金属製のメッシュ材で形成したので、保持手段を比較的安価に製造でき、貯水手段の製造性を向上できる。また、保持手段の軽量化を図ることができ、貯水手段の施工時における保持手段の取り扱いが容易となる。
請求項4に記載の貯水システムによれば、保持手段をコンクリート材料で形成したので、保持手段を比較的強固に形成でき、貯水手段の耐久性を一層向上できる。
請求項5に記載の貯水システムによれば、保持手段を外部に露出しないように構成したので、保持手段が目立つことを回避でき、貯水手段の意匠性を維持できる。
請求項6に記載の貯水システムによれば、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができるように、複数の貯水手段を構成したので、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができ、例えば豪雨時のピークカットを効果的に行うことが可能となる。
請求項7に記載の貯水システムによれば、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができないように、複数の貯水手段を構成し、複数の貯水手段の少なくとも一部に設けられた送水管であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた雨水を所定領域に送るための送水管を備えたので、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を送水管を介して所定領域に効率的に送ることができ、例えば所定領域において雨水の利用を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る貯水システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。 図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。 図1のB-B矢視断面図である(一部図示省略)。 保持部を示す斜視図である。 実施の形態2に係る貯水システムを示す図であって、図3に対応する領域を示す図である(一部図示省略)。 実施の形態1に係る貯水システムの変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態1に係る貯水部の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る貯水部の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る保持部の変形例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る貯水システムの変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る貯水システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、雨水を一時的に貯水するための貯水システムに関する。ここで、「雨水」とは、降雨、雪、みぞれ等の自然現象によって発生した水を意味する。また、「貯水」とは、水を貯めることを意味し、貯める期間や量は限定されない。また、貯水システムの適用対象については任意であるが、例えば、各種の施設(一例として、住宅地、商業施設、工場施設、公共施設(道路、調整池等))の近傍に設けられる緑地帯や休耕地等を含む概念であるが、実施の形態では、道路(例えば、車道、歩道等)の近傍に設けられる緑地帯として説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る貯水システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する保持部を金属製のメッシュ材で形成した形態である。
(構成-設置場所)
最初に、実施の形態1に係る貯水システムが設置される設置場所の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る貯水システムを示す概要図である(一部断面図で示す)。ここで、図1のX方向を貯水システムの左右方向又は幅方向(-X方向を貯水システムの左方向、+X方向を貯水システムの右方向)、図1のY方向を貯水システムの前後方向(+Y方向を貯水システムの前方向、-Y方向を貯水システムの後方向)、図1のZ方向を貯水システムの上下方向(+Z方向を貯水システムの上方向、-Z方向を貯水システムの下方向)と称する。
図1に示すように、実施の形態1に係る貯水システム1が設置される地盤10は、前後方向に傾斜した傾斜地盤(図1では、後方側から前方側に至るにつれて下方に至るように傾斜した傾斜地盤)であり、この地盤10の領域は、概略的に、第1道路領域11、第2道路領域12、及び貯水領域13に区分されている。
(構成-設置場所-第1道路領域、第2道路領域)
第1道路領域11及び第2道路領域12は、道路11a(具体的には、道路11aの舗装部)が設置される領域であり、図1に示すように、相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設して位置している。
(構成-設置場所-貯水領域)
貯水領域13は、貯水システム1が設置される領域である。この貯水領域13は、図1に示すように、前後方向に長尺な領域であり、第1道路領域11と第2道路領域12との相互間に位置している。また、この貯水領域13は、第1貯水領域13a、第2貯水領域13b、第3貯水領域13c、及び第4貯水領域13dにさらに区分されており、これら第1貯水領域13a、第2貯水領域13b、第3貯水領域13c、及び第4貯水領域13dは、後方から前方に向けて第1貯水領域13aから第4貯水領域13dの順に並設して位置している。
(構成-貯水システム)
次に、実施の形態1に係る貯水システム1の構成について説明する。図2は、図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。図3は、図1のB-B矢視断面図である(一部図示省略)。貯水システム1は、地盤10の地表にある雨水Rを一時的に貯水するためのシステムであり、図1、図2に示すように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、第4貯水部20d、遮水部30、及び縁石部40を備えている。なお、第1貯水部20aから第4貯水部20dを特に区別する必要のないときは、単に「貯水部20」と総称する。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部)
図1に戻り、まず、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dについて説明する。第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dは、地盤10の地表(又は地中)に溜まった雨水Rを貯水するための貯水手段である。これら第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dは、貯水領域13の地中に埋設されていると共に、当該第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々が他の貯水部に対して異なる高さ位置に配置されている。具体的には、図1、図2に示すように、第1貯水部20aは第1貯水領域13aに埋設され、第2貯水部20bは第2貯水領域13bに埋設され、第3貯水部20cは第3貯水領域13cに埋設され、第4貯水部20dは第4貯水領域13dに埋設されている。
また、図1から図3に示すように、これら第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々は、貯水部本体21及び保持部25を備えている。なお、これら第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1貯水部20aの貯水部本体21及び保持部22の構成のみについて説明する。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体)
図2に戻り、貯水部本体21は、貯水機能を有する貯水手段本体である。この貯水部本体21は、第1貯水領域13aに埋設されており、具体的には、図2、図3に示すように、第1貯水領域13aを掘削して形成された凹部14の内部に収容されている。ここで、凹部14の具体的な形状及び大きさについては、実施の形態1では以下の通りに設定している。すなわち、凹部14のX-Z平面に沿った断面形状については、矩形状に設定している。また、凹部14の左右方向の長さについては、第1貯水領域13aの左右方向の長さと略同一に設定しており、凹部14の前後方向の長さについては、第1貯水領域13aの前後方向の長さと略同一に設定しており、凹部14の上下方向の長さについては、第1貯水領域13aの難透水層10aの上下方向の長さと略同一に設定している。なお、「難透水層10a」とは、粘性土や固結岩盤等によって形成され、透水層10bに比べて透水性が劣る地層を意味する。また、「透水層10b」とは、難透水層10aよりも下方に位置しており、地下水によって飽和している地層を意味する。
また、この貯水部本体21は、例えば公知の透水性を有する貯水槽(一例として、植栽可能な貯水槽)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、下部層21a、中間層21b、上部層21c、及び植物保護材21dを備えている。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体-下部層)
下部層21aは、貯水部本体21を構成する土粒子層のうち最下方に位置する土粒子層である。この下部層21aは、所定の径を有する砂利、礫、又はぐり石等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、凹部14の内部の下方側に敷設されている。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体-中間層)
中間層21bは、貯水部本体21を構成する土粒子層のうち下部層21aよりも上方に位置する土粒子層である。この中間層21bは、例えば下部層21aの砂利等の径よりも大きい径を有する砂、砂利、又は浄化土壌を用いて構成されており、凹部14の内部において下部層21aよりも上方に敷設されている。具体的には、図2、図3に示すように、砂からなる砂層21b1が下部層21aの上方に敷設されていると共に、砂、砂利、及び浄化土壌を混合した混合層21b2が砂層21b1の上方に敷設されている。ここで、「浄化土壌」とは、水に含まれる不純物や汚濁物質を取り除くことが可能な土壌あるいは多孔質物質であり、例えば、汚濁物質を分解できる微生物を含む土壌や吸着性に優れた多孔質な担体等が該当する。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体-上部層)
上部層21cは、貯水部本体21を構成する土粒子層のうち最上方に位置する土粒子層であると共に、第1貯水領域13aの地表にある水に含まれる汚濁(例えば、植物やゴミ等)を中間層21bに流入することを抑制するための土粒子層である。この上部層21cは、例えば中間層21bの砂等の径よりも大きい径を有する土壌であって、植物Pが植栽可能な土壌(一例として、礫等を含む自然土壌等)又は砂利を用いて構成されており、図2、図3に示すように、凹部14の内部において中間層21bよりも上方に敷設されている(具体的には、上部層21cの上面が第1道路領域11(又は第2道路領域12)の地表よりも下方に位置するように敷設されている)。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体-植物保護材)
植物保護材21dは、上部層21cに植栽された植物Pを保護するための保護手段である。この植物保護材21dは、例えば、公知の植物保護材(一例として、メッシュ状の植物保護材)等を用いて構成されており、図2、図3に示すように、上部層21cの上面に敷設されている。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-保持部)
図4は、保持部22を示す斜視図である。図2に戻り、保持部22は、透水性を有し、且つ貯水部本体21の状態を保持することが可能な保持手段であり、図2、図4に示すように、保持部本体22a及び補強部22bを備えている。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-保持部-保持部本体)
保持部本体22aは、保持部22の基本構造体である。この保持部本体22aは、図2、図4に示すように、上面及び前面が開放された箱状体(具体的には、平面形状が長方形状である箱状体)にて形成されており、貯水部本体21の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられている(具体的には、貯水部本体21の上面及び前面以外の側面を覆うように設けられている)。
また、保持部本体22aの具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、保持部本体22aが外部に露出しないように構成されている(なお、補強部22bの構成についても同様とする)。具体的には、保持部本体22aの左右方向の長さについては、貯水部本体21の左右方向の長さと略同一に設定しており、保持部本体22aの前後方向の長さについては、貯水部本体21の前後方向の長さと略同一に設定しており、保持部本体22aの上下方向の長さについては、貯水部本体21の上下方向の長さよりも若干短く設定している。また、保持部本体22aの設置方法については、保持部本体22aの内部に貯水部本体21(具体的には、下部層21a、中間層21b、及び上部層21c)を収容しながら、保持部本体22aの上端部が貯水部本体21の上端部よりも若干下方に位置するように設置している。このような構成により、保持部22が目立つことを回避でき、第1貯水部20aの意匠性を維持できる。
また、保持部22の材質については任意であるが、実施の形態1では、金属製のメッシュ材(例えば鋼製のメッシュ材)で形成している。この場合において、メッシュ材の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、以下の通りに設定している。すなわち、メッシュ材の網目の大きさについては、貯水部本体21の下部層21aを構成する砂利等の径よりも小さく設定している。また、メッシュ材の線径については、保持部22が所望の耐荷力を得ることが可能な長さに設定している(なお、補強部22bの線径についても同様とする)。このような材質により、保持部22を比較的安価に製造でき、貯水部20の製造性を向上できる。また、保持部22の軽量化を図ることができ、貯水部20の施工時における保持部22の取り扱いが容易となる。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-保持部-補強部)
補強部22bは、保持部本体22aを補強するための補強手段である。この補強部22bは、例えば複数の鋼線が組み合わせて構成された長尺な梁材であり、図2、図4に示すように、保持部本体22aの内部において、補強部22bの長手方向が左右方向に沿うように設けられていると共に、相互に間隔を隔てて前後方向に沿って複数並設されており(具体的には、2つ並設されており)、保持部本体22aに対して固定具又は溶接等によって接続されている。
また、保持部22の形成方法については任意であるが、例えば、現場において、工場等であらかじめ一体形成された板状の保持部本体22aを箱状体に組み立て後に、当該組み立てた保持部本体22aに補強部22bを取り付けることにより、形成してもよい。あるいは、工場又は現場において、分割して構成された保持部本体22aを箱状体に組み立て後に、補強部22bを取り付けることにより、形成してもよい。
このような保持部22により、貯水部20の施工中において保持部22を貯水部本体21よりも先行して設置することにより、保持部22にて土圧を支持でき、周辺地盤の変位を抑止できる。よって、貯水部本体21の設置スペースを確保しやすくなることから、貯水部20周辺での山留の設置を省略できると共に、貯水部20において所望の貯水量を確保しやすくなる。また、貯水部20の施工後においても保持部22による土圧の支持を維持でき、貯水部本体21の状態を保持できることから、貯水部20の耐久性を向上できる。
(構成-貯水システム-遮水部)
図1に戻り、次に、遮水部30について説明する。遮水部30は、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部に貯められた雨水Rを遮水することにより、当該第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段である。この遮水部30は、例えば樹脂製の板状体(一例として、ポリプロピレン製の矩形状の板状体)にて形成されており、図1、図2に示すように、貯水領域13において相互に間隔を隔てて前後方向に沿って複数並設されている。具体的には、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の前面を略覆うように設けられており、隣接する貯水部20によって挟持されることで固定され、又は固定具等によって貯水部20(具体的には、保持部22)に対して固定されている。なお、以下では、必要に応じて、遮水部30のうち、第1貯水部20aの前面を覆う遮水部31を「第1遮水部31」と称し、第2貯水部20bの前面を覆う遮水部32を「第2遮水部32」と称し、第3貯水部20cの前面を覆う遮水部33を「第3遮水部33」と称し、第4貯水部20dの前面を覆う遮水部34を「第4遮水部34」と称する。
(構成-貯水システム-縁石部)
図1に戻り、次に、縁石部40について説明する。縁石部40は、人や車が貯水領域13に転落することを防止するためのものである。この縁石部40は、例えば公知の縁石(一例として、コンクリート製の直方体状の縁石)を用いて構成されており、図1に示すように、貯水領域13における第1道路領域11側の端部及び第2道路領域12側の端部において、前後方向に沿って複数並設されており、具体的には、各種の貯水部20よりも上方に突出するように設けられている。また、この縁石部40には、図示しない流入孔が設けられている。流入孔は、第1道路領域11又は第2道路領域12の地表に溜まった雨水Rを貯水領域13に流入させるための貫通孔であり、縁石部40の部分のうち、第1道路領域11(又は第2道路領域12)の地表よりも上方部分に少なくとも1つ以上形成されている。
(構成-貯水システム-貯水構造)
図2に戻り、次に、貯水システム1の貯水構造について説明する。貯水システム1において、地盤10の地表面にある雨水Rを一時的に貯水するための貯水構造の特徴については、実施の形態1では、以下に示す通りとなる。
(構成-貯水システム-貯水構造-第1の特徴)
まず、貯水システム1の第1の特徴については、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の各々にて遮水される水量(以下、「遮水量」と称する)が所定量未満である場合には、当該遮水部30によって遮水された雨水Rを当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20に向けて流出させず、遮水量が所定量以上に達した場合には、当該遮水部30によって遮水された雨水Rを当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20に向けて流出させるように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20d、並びに第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34が構成されている。ここで、「流出させる」とは、実施の形態1では、少なくとも遮水部30の上端部を越えて流れることを意味する。
具体的には、図2に示すように、第1遮水部31の遮水量が所定量以上に達した場合に、第1遮水部31によって遮水された雨水Rを第2貯水部20bに向けて流出させ、第2遮水部32の遮水量が所定量以上に達した場合に、第2遮水部32によって遮水された雨水Rを第3貯水部20cに向けて流出させ、第3遮水部33の遮水量が所定量以上に達した場合に、第3遮水部33によって遮水された雨水Rを第4貯水部20dに向けて流出させ、第4遮水部34の遮水量が所定量以上に達した場合に、第4遮水部34によって遮水された雨水Rを前方に設けられた図示しない浸透桝(又はオーバフロー管)に向けて流出させるように、構成されている。
より具体的には、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの構成(具体的には、設置方法)については、図2に示すように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の上面が第1貯水部20aから第4貯水部20dの順に高い位置となり、且つ第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の下面が第1貯水部20aから第4貯水部20dの順に高い位置となるように、それぞれ設置している。また、図3に示すように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の左面が第1道路領域11の難透水層10aと当接し、且つ第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の右面が第2道路領域12の難透水層10aと当接するように、それぞれ設置している。
また、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の構成については、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の各々において所定量の雨水Rを遮水することが可能となるように構成している。すなわち、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の各々の幅(左右方向の長さ)については、当該遮水部30によって前面が覆われる貯水部20の左右方向の長さと略同一に設定している。また、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の各々の高さ(上下方向の長さ)については、当該遮水部30によって前面が覆われる貯水部20の下端部から当該貯水部20に対応する縁石部40の上端部Lに至る長さと略同一に設定している。また、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34の各々の厚さ(前後方向の長さ)については、所望の耐圧力を得ることが可能な厚さに設定している。また、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの設置方法については、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の前面全体を覆い、且つ当該前面の上端部よりも上方に突出するようにそれぞれ設けている(図2では、それぞれ若干前方に傾斜するように設けている)。
このような第1の特徴により、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dによって雨水Rを貯めることができることに加えて、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34によって遮水された雨水Rも貯めることができ、従来技術(透水浄化地盤を単に複数設けた技術)に比べて、貯水システム1の貯水量を増大させることが可能となる。また、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34によって遮水された雨水Rの一部を外部から視認でき、貯水システム1の貯水状況を把握しやすくなる。
(構成-貯水システム-貯水構造-第2の特徴)
図2に戻り、次に、貯水システム1の第2の特徴については、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができるように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dが構成されている。
具体的には、図2、図3に示すように、上述したように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々は、透水性を有する貯水部本体21及び保持部22を備えている。また、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の下面に遮水シートが設けられることなく、これら下面と貯水領域13の透水層10bとが直接当接するように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dは配置されている。
このような第2の特徴により、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができ、例えば豪雨時のピークカットを効果的に行うことが可能となる。
(貯水システムの作用について)
図2に戻り、次に、このように構成された貯水システム1の作用について説明する。
例えば、雨が降ると、貯水領域13に溜まった雨水R、及び第1道路領域11又は第2道路領域12の地表に溜まった雨水Rであって縁石部40の流入孔を介して流入された雨水Rは、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、又は第4貯水部20dの内部に貯められ、あるいは、第1貯水部20a等の内部への貯水に加えて、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、又は第4遮水部34によって、これら貯水部20の少なくともいずれか1つの上方に貯められる。この場合において、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、又は第4遮水部34の遮水量が所定量未満である場合には、当該所定量未満である遮水部30にて遮水された雨水Rは、当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20等に向けて流出されずに、当該遮水部30によって前面が覆われた貯水部20に一時的に貯められた後、貯水領域13の透水層10bに浸透する。一方で、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、又は第4遮水部34の遮水量が所定量以上に達した場合には、図2に示すように、当該所定量以上に達した遮水部30にて遮水された雨水Rの一部(具体的には、遮水部30にて遮水されきれなかった量の雨水R)は、当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20等に向けて流出される。なお、上記所定量以上に達した遮水部30にて遮水された雨水Rの他の一部は、当該遮水部30によって前面が覆われた貯水部20に一時的に貯められた後、貯水領域13の透水層10bに浸透する。
(貯水システムの施工方法)
続いて、貯水システム1の施工方法について説明する。実施の形態1に係る貯水システム1の施工方法は、形成工程、第1設置工程、第1敷設工程、第2設置工程、第2敷設工程、及び植栽工程を含んでいる。
(貯水システムの施工方法-形成工程)
まず、形成工程について説明する。形成工程は、第1貯水領域13a、第2貯水領域13b、第3貯水領域13c、及び第4貯水領域13dの各々に凹部14を形成する工程である。具体的には、公知の掘削器具等を用いて、第1貯水領域13a、第2貯水領域13b、第3貯水領域13c、及び第4貯水領域13dの各々を掘削することにより、形成する。
(貯水システムの施工方法-第1設置工程)
次に、第1設置工程について説明する。第1設置工程は、形成工程の後に、形成工程にて形成された各凹部14(すなわち、第1貯水領域13a、第2貯水領域13b、第3貯水領域13c、及び第4貯水領域13dの各々の凹部14)に、保持部22及び遮水部30を設置する工程である。具体的には、上記各凹部14の底部分と保持部22の下面とが当接するように、保持部22を設置する。また、上記各凹部14において、保持部22の前面が遮水部30によって覆われるように、遮水部30を設置する。
(貯水システムの施工方法-第1敷設工程)
次に、第1敷設工程について説明する。第1敷設工程は、第1設置工程の後に、上記各凹部14に、貯水部本体21の下部層21a及び中間層21bを敷設する工程である。具体的には、まず、所定量の砂利等を上記各凹部14に投入し、その後公知のならし器具を用いて当該投入した砂利等をならした後に転圧することにより、下部層21aを敷設する。次に、所定量の砂や植栽基盤としての土壌等を上記各凹部14にさらに投入し、次いで転圧器具を用いて当該投入した砂等を締め固め、その後公知のならし器具を用いて当該締め固めた砂等の表面をならすことにより、中間層21bを敷設する。
(貯水システムの施工方法-第2設置工程)
次いで、第2設置工程について説明する。第2設置工程は、第1敷設工程の後に、縁石部40を設置する工程である。具体的には、上記各凹部14において、第1敷設工程にて敷設された中間層21bの上面の左端部及び右端部に縁石部40をそれぞれ載置することにより、設置する。
(貯水システムの施工方法-第2敷設工程)
次に、第2敷設工程について説明する。第2敷設工程は、第2設置工程の後に、貯水部本体21の上部層21c及び植物保護材21dを敷設する工程である。具体的には、まず、上記各凹部14において、第1敷設工程にて敷設された中間層21bの上面の縁石部40に対応しない部分に所定量の土壌等を投入することにより、上部層21cを敷設する。次に、上記各凹部14において、上記敷設された上部層21cの上面全体が植物保護材21dによって覆われるように、植物保護材21dを敷設する。
(貯水システムの施工方法-植栽工程)
続いて、植栽工程について説明する。植栽工程は、第2敷設工程の後に、植物Pを植栽する工程である。具体的には、上記各凹部14において、第2敷設工程にて敷設された上部層21cに植物Pを植栽する。これにて、貯水システム1の施工が終了する。
以上のような施工方法により、第1敷設工程及び第2敷設工程よりも第1設置工程を先行して行うので、貯水部20の施工中において保持部22にて土圧を支持でき、周辺地盤の変位を抑止できる。よって、貯水部本体21の設置スペースを確保しやすくなることから、例えば、貯水部20周辺での山留の設置を省略できると共に、貯水部20において所望の貯水量を確保しやすくなる。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、地中に埋設された複数の貯水部20であって、当該複数の貯水部20の少なくとも一部が他の貯水部20に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水部20と、複数の貯水部20の少なくとも一部に貯められた雨水Rを遮水することにより、当該複数の貯水部20の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水部30と、を備え、遮水量が所定量未満である場合には、遮水部30によって遮水された雨水Rを当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20に向けて流出させず、遮水量が所定量以上に達した場合には、遮水部30によって遮水された雨水Rを当該遮水部30よりも下方に位置する貯水部20に向けて流出させるように、複数の貯水部20及び遮水部30を構成したので、複数の貯水部20によって雨水Rを貯めることができることに加えて、遮水部30によって遮水された雨水Rも貯めることができ、従来技術(浸透水浄化地盤を単に複数設けた技術)に比べて、貯水システム1の貯水量を増大させることが可能となる。また、遮水部30によって遮水された雨水Rの一部を外部から視認でき、貯水システム1の貯水状況を把握しやすくなる。
また、複数の貯水部20の各々が、貯水機能を有する貯水部本体21と、貯水部本体21の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持部22であって、透水性を有し、且つ貯水部本体21の状態を保持することが可能な保持部22と、を備えるので、例えば、貯水部20の施工中において保持部22を貯水部本体21よりも先行して設置することにより、保持部22にて土圧を支持でき、周辺地盤の変位を抑止できる。よって、貯水部本体21の設置スペースを確保しやすくなることから、貯水部20周辺での山留の設置を省略できると共に、貯水部20において所望の貯水量を確保しやすくなる。また、貯水部20の施工後においても保持部22による土圧の支持を維持でき、貯水部本体21の状態を保持できることから、貯水部の耐久性を向上できる。
また、保持部22を金属製のメッシュ材で形成したので、保持部22を比較的安価に製造でき、貯水部20の製造性を向上できる。また、保持部22の軽量化を図ることができ、貯水部20の施工時における保持部22の取り扱いが容易となる。
また、保持部22を外部に露出しないように構成したので、保持部22が目立つことを回避でき、貯水部20の意匠性を維持できる。
また、複数の貯水部20の少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができるように、複数の貯水部20を構成したので、複数の貯水部20の少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができ、例えば豪雨時のピークカットを効果的に行うことが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る貯水システムについて説明する。この実施の形態2は、保持部をコンクリート材料で形成した形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成-設置場所)
最初に、実施の形態2に係る貯水システム100が設置される設置場所の構成について説明する。実施の形態2に係る貯水システム100が設置される地盤10は、実施の形態1に係る地盤10と同一に構成されている。また、実施の形態2に係る地盤10の領域は、実施の形態1に係る地盤10と同一に区分されている。
(構成-貯水システム)
次に、実施の形態2に係る貯水システム100の構成について説明する。実施の形態2に係る貯水システム100は、実施の形態1に係る貯水システム1と同様に、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、第4貯水部20d、及び遮水部30を備えている。なお、この遮水部30は、実施の形態1に係る遮水部30と略同一に構成されているので、その詳細な説明を省略する。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部)
図5は、実施の形態2に係る貯水システム100を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である(一部図示省略)。第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dについて説明する。これら第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々は、図5に示すように、貯水部本体21及び保持部22を備えている。なお、これら第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1貯水部20aの貯水部本体21及び保持部22の構成のみについて説明する。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-貯水部本体)
貯水部本体21は、第1貯水領域13aに埋設されており、具体的には、図5に示すように、第1貯水領域13aを掘削して形成された凹部14の内部に収容されている。また、この貯水部本体21は、下部層21a及び上部層21cを備えている。このうち、下部層21aは、実施の形態1に係る下部層21aと略同一に構成されており、図5に示すように、凹部14の内部の下方側に敷設されている。また、上部層21cは、例えば下部層21aの砂利等の径よりも小さい径を有する砂、砂利、又は土壌(一例として、礫等を含む自然土壌等)を用いて構成されており、図5に示すように、凹部14の内部において下部層21aよりも上方に敷設されている。
(構成-貯水システム-第1貯水部、第2貯水部、第3貯水部、第4貯水部-保持部)
保持部22は、X-Z平面に沿った断面形状が逆T字状となる長尺状体にて形成されている。具体的には、保持部本体22aの左右方向の長さについては、貯水部本体21の左右方向の長さよりも短く設定しており、保持部本体22aの前後方向の長さについては、貯水部本体21の前後方向の長さと略同一に設定しており、保持部本体22aの上下方向の長さについては、貯水部本体21の上下方向の長さと略同一(又は若干長く)設定している。
また、この保持部22は、当該保持部22の長手方向が前後方向に沿うように設けられていると共に、貯水部本体21の左面及び右面を覆うように、相互に間隔を隔てて左右方向に沿って一対並設されている。具体的には、図5に示すように、一対の保持部22の一方は、当該保持部22における逆T字状の縦棒部分によって貯水部本体21の上部層21cの左面全体が覆われ、且つ当該保持部22における逆T字状の横棒部分の一部が貯水部本体21の下部層21aに挿入されるように配置されている(より具体的には、当該保持部22の上端部が凹部14の上端部よりも上方に位置するように配置されている)。また、一対の保持部22の他方は、当該保持部22における逆T字状の縦棒部分によって貯水部本体21の上部層21cの右面全体が覆われ、且つ当該保持部22における逆T字状の横棒部分の一部が貯水部本体21の下部層21aに挿入されるように配置されている(より具体的には、当該保持部22の上端部が凹部14の上端部よりも上方に位置するように配置されている)。
また、この保持部22の上方部分には、図示しない流入孔が設けられており、この流入孔は、実施の形態1に係る縁石部40の流入孔と略同一に構成されている。
また、保持部22の材質については任意であるが、実施の形態2では、コンクリート材料で形成している。このような材質により、保持部22を比較的強固に形成でき、貯水部20の耐久性を向上できる。
以上のような貯水システム100により、実施の形態1に係る貯水システム1と同様に、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dによって雨水Rを貯めることができることに加えて、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34によって遮水された雨水Rも貯めることができ、従来技術(透水浄化地盤を単に複数設けた技術)に比べて、貯水システム100の貯水量を増大させることが可能となる。また、第1遮水部31、第2遮水部32、第3遮水部33、及び第4遮水部34によって遮水された雨水Rの一部を外部から視認でき、貯水システム100の貯水状況を把握しやすくなる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、保持部22をコンクリート材料で形成したので、保持部22を比較的強固に形成でき、貯水部20の耐久性を向上できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(設置場所について)
上記実施の形態1では、貯水システム1が設置される地盤10が、傾斜地盤であると説明したが、これに限らない。図6は、実施の形態1に係る貯水システム1の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。例えば、図6に示すように、複数の段差面を有する地盤であってもよい(なお、実施の形態2に係る地盤10についても同様とする)。
(貯水部について)
上記実施の形態1、2では、貯水部20の設置数が4つであると説明したが、これに限らず、例えば、5つ以上であってもよく、あるいは、2つのみ又は3つのみであってもよい。この場合には、例えば、貯水部20の設置数に応じて遮水部30の設置数を設定してもよい。
上記実施の形態1、2では、複数の貯水部20が異なる高さ位置に配置されていると説明したが、これに限らず、例えば、異なる高さ位置に加えて同一の高さ位置に配置されてもよい。一例として、複数の貯水部20は、前後方向に沿って並設して配置されることに加えて、左右方向に沿って複数並設して配置されてもよい。この場合には、遮水部30は、異なる高さ位置及び同一の高さ位置に配置された複数の貯水部20の各々の前面を覆うように配置されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、第4貯水部20dの各々が、保持部22を備えていると説明したが、これに限らず、例えば保持部22を省略してもよい。
また、上記実施の形態1では、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、第4貯水部20dの各々が、貯水部本体21及び保持部22を備えていると説明したが、これに限らない。図7は、実施の形態1に係る貯水部20の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。例えば、図7に示すように、貯水部本体21及び保持部22に加えて、貯水部本体21と凹部14の底部分との相互に設けられた貯水空間部23であって、雨水Rを貯水するための貯水空間部23を備えてもよい(なお、実施の形態2に係る貯水部20についても同様とする)。これにより、貯水空間部23にさらに貯水することができるので、例えば、貯水領域13の面積が十分確保しづらい地域(例えば、市街地等)に貯水システム1を設ける場合でも貯水量を増大させることができる。
また、上記実施の形態1では、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、第4貯水部20dの各々が、補強部22bを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、補強部22bを省略してもよい。
また、上記実施の形態1では、貯水部本体21及び保持部22を単に地中に埋設することにより、貯水部20が設置されていると説明したが、これに限らない。例えば、道路際や建物際等で既存の配管等がある場合には、貯水部20は、既存の配管を避けるように設置されることが好ましい。一例として、貯水部本体21と、少なくとも一部に曲げ加工又は切断加工等が施された保持部22とを地中に埋設することにより、貯水部20は設置されてもよい。
(貯水部本体について)
上記実施の形態1では、貯水部本体21が、植物Pを植栽できるように構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、植物Pを植栽できないよう構成されてもよい。一例として、砕石又は土嚢等を用いて構成された土層部と、土層部の上面を覆うように設けられたカバー部であって、不織布又は人工芝等を用いて構成されたカバー部とを備えてもよい。この場合には、施工方法において、植栽工程を省略できる。
(保持部について)
上記実施の形態1では、保持部22が、上面が開放された箱状体にて形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、歩行者が貯水領域13を歩行することを許容する場合には、上面が閉鎖された箱状体にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態1では、保持部22の平面形状が長方形状であると説明したが、これに限らず、例えば、長方形状以外の他の多角形状(一例として、三角形、六角形等)、円形状、又は楕円形状であってよく、あるいは、これらを組み合わせた形状であってもよい。
また、上記実施の形態1では、保持部22が、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の下部層21a、中間層21b、及び上部層21cを収容するように設置されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の中間層21b及び上部層21cのみを収容するように設置されてもよい。
また、上記実施の形態2では、X-Z平面に沿った断面形状が逆T字状ある保持部22が、一対並設されていると説明したが、これに限らない。図8は、実施の形態2に係る貯水部20の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。図9は、実施の形態2に係る保持部22の変形例を示す斜視図である。例えば、図8、図9に示すように、上面が開放された箱状体にて形成された保持部22が設けられてもよい。この場合において、保持部22の具体的な構成については任意であるが、例えば、上面以外の側面に比較的大きな貫通孔22cを設けることにより、透水性を確保しながら、保持部22の軽量化を図ることができる。
(遮水部について)
上記実施の形態1、2では、遮水部30の設置数が4つであると説明したが、これに限らず、例えば、1つのみ、2つのみ、又は、3つのみであってもよい。
また、上記実施の形態1、2では、遮水部30の材質が樹脂材で形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、金属材料(一例として、防錆処理された鋼材等)、木材であってもよい。
また、上記実施の形態1、2では、遮水部30が、板状体であると説明したが、これに限らず、例えば、ブロック状体であってもよい。
また、上記実施の形態1では、遮水部30が、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の前面全体を略覆うように配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の前面の一部(一例として、上記前面のうち貯水部本体21の中間層21b及び上部層21cに対応する部分)のみを覆うように配置されてもよい。
(貯水構造について)
上記実施の形態1では、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができるように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dが構成されていると説明したが、これに限らない。図10は、実施の形態1に係る貯水システム1の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。例えば、図10に示すように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部にて貯められた雨水Rを地中に透過させることができないように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dが構成されてもよい。一例として、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの各々の下面には遮水シート24が設けられ、これら下面と貯水領域13の透水層10bとが遮水シート24を介して当接するように、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dは配置されてもよい。また、この場合には、図10に示すように、貯水システム1が、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部に設けられた送水管25であって、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部に貯められた雨水Rを所定領域(一例として、雨水貯留槽等の雨水利用設備)に送るための送水管25(一例として、公知のメッシュ状の送水管)を備える。このような構成により、第1貯水部20a、第2貯水部20b、第3貯水部20c、及び第4貯水部20dの少なくとも一部に貯められた雨水Rを送水管25を介して所定領域に効率的に送ることができ、例えば所定領域において雨水Rの利用を図ることができる。
(付記)
付記1の貯水システムは、雨水を一時的に貯水するための貯水システムであって、地中に埋設された複数の貯水手段であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部が他の貯水手段に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水手段と、前記複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を遮水することにより、当該複数の貯水手段の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段と、を備え、前記遮水手段にて遮水される水量である遮水量が所定量未満である場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させず、前記遮水量が所定量以上に達した場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させるように、前記複数の貯水手段及び前記遮水手段を構成した。
付記2の貯水システムは、付記1に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の各々は、貯水機能を有する貯水手段本体と、前記貯水手段本体の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持手段であって、透水性を有し、且つ前記貯水手段本体の状態を保持することが可能な保持手段と、を備える。
付記3の貯水システムは、付記2に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、金属製のメッシュ材で形成した。
付記4の貯水システムは、付記2に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、コンクリート材料で形成した。
付記5の貯水システムは、付記2から4のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記保持手段を、外部に露出しないように構成した。
付記6の貯水システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができるように、前記複数の貯水手段を構成した。
付記7の貯水システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の貯水システムにおいて、前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができないように、前記複数の貯水手段を構成し、前記複数の貯水手段の少なくとも一部に設けられた送水管であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を所定領域に送るための送水管を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の貯水システムによれば、地中に埋設された複数の貯水手段であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部が他の貯水手段に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水手段と、複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた雨水を遮水することにより、当該複数の貯水手段の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段と、を備え、遮水量が所定量未満である場合には、遮水手段によって遮水された雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する貯水手段に向けて流出させず、遮水量が所定量以上に達した場合には、遮水手段によって遮水された雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する貯水手段に向けて流出させるように、複数の貯水手段及び遮水手段を構成したので、複数の貯水手段によって雨水を貯めることができることに加えて、遮水手段によって遮水された雨水も貯めることができ、従来技術(透水浄化地盤を単に複数設けた技術)に比べて、貯水システムの貯水量を増大させることが可能となる。また、遮水手段によって遮水された雨水の一部を外部から視認でき、貯水システムの貯水状況を把握しやすくなる。
付記2に記載の貯水システムによれば、複数の貯水手段の各々が、貯水機能を有する貯水手段本体と、貯水手段本体の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持手段であって、透水性を有し、且つ貯水手段本体の状態を保持することが可能な保持手段と、を備えるので、例えば、貯水手段の施工中において保持手段を貯水手段本体よりも先行して設置することにより、保持手段にて土圧を支持でき、周辺地盤の変位を抑止できる。よって、貯水手段本体の設置スペースを確保しやすくなることから、貯水手段周辺での山留の設置を省略できると共に、貯水手段において所望の貯水量を確保しやすくなる。また、貯水手段の施工後においても保持手段による土圧の支持を維持でき、貯水手段本体の状態を保持できることから、貯水手段の耐久性を向上できる。
付記3に記載の貯水システムによれば、保持手段を金属製のメッシュ材で形成したので、保持手段を比較的安価に製造でき、貯水手段の製造性を向上できる。また、保持手段の軽量化を図ることができ、貯水手段の施工時における保持手段の取り扱いが容易となる。
付記4に記載の貯水システムによれば、保持手段をコンクリート材料で形成したので、保持手段を比較的強固に形成でき、貯水手段の耐久性を一層向上できる。
付記5に記載の貯水システムによれば、保持手段を外部に露出しないように構成したので、保持手段が目立つことを回避でき、貯水手段の意匠性を維持できる。
付記6に記載の貯水システムによれば、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができるように、複数の貯水手段を構成したので、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができ、例えば豪雨時のピークカットを効果的に行うことが可能となる。
付記7に記載の貯水システムによれば、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を地中に透過させることができないように、複数の貯水手段を構成し、複数の貯水手段の少なくとも一部に設けられた送水管であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた雨水を所定領域に送るための送水管を備えたので、複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた雨水を送水管を介して所定領域に効率的に送ることができ、例えば所定領域において雨水の利用を図ることができる。
1 貯水システム
10 地盤
10a 難透水層
10b 透水層
11 第1道路領域
11a 道路
12 第2道路領域
13 貯水領域
13a 第1貯水領域
13b 第2貯水領域
13c 第3貯水領域
13d 第4貯水領域
14 凹部
20 貯水部
20a 第1貯水部
20b 第2貯水部
20c 第3貯水部
20d 第4貯水部
21 貯水部本体
21a 下部層
21b 中間層
21b1 砂層
21b2 混合層
21c 上部層
21d 植物保護材
22 保持部
22a 保持部本体
22b 補強部
22c 貫通孔
23 貯水空間部
24 遮水シート
25 送水管
30 遮水部
31 第1遮水部
32 第2遮水部
33 第3遮水部
34 第4遮水部
40 縁石部
100 貯水システム
L 縁石部の上端部
P 植物
R 雨水

Claims (7)

  1. 雨水を一時的に貯水するための貯水システムであって、
    地中に埋設された複数の貯水手段であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部が他の貯水手段に対して異なる高さ位置に配置された複数の貯水手段と、
    前記複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を遮水することにより、当該複数の貯水手段の少なくとも一部の上方において貯水を可能とする遮水手段と、を備え、
    前記複数の貯水手段の各々は、
    貯水機能を有する貯水手段本体であって、当該貯水手段本体に貯められた前記雨水を浄化することが可能であり、且つ上下方向に積層された複数の土粒子層を備える貯水手段本体と、
    前記貯水手段本体の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられた保持手段であって、透水性を有し、且つ前記貯水手段本体の状態を保持することが可能な保持手段と、を備え、
    前記複数の土粒子層は、最下方に位置する土粒子層である下部層と、前記下部層よりも上方に位置する土粒子層である中間層と、最上方に位置する土粒子層である上部層と、を含み、
    前記中間層は、砂からなる砂層と、前記砂層よりも上方に位置する混合層であり、前記貯水手段本体に貯められた前記雨水に含まれる不純物又は/及び汚濁物質を取り除くことが可能な浄化土壌を含む混合層と、を含み、
    前記混合層の上下方向の長さを、前記複数の土粒子層のうち前記混合層以外の他の土粒子層の上下方向の長さよりも長くし、
    前記遮水手段にて遮水される水量である遮水量が所定量未満である場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させず、前記遮水量が所定量以上に達した場合には、前記遮水手段によって遮水された前記雨水を当該遮水手段よりも下方に位置する前記貯水手段に向けて流出させるように、前記複数の貯水手段及び前記遮水手段を構成した、
    貯水システム。
  2. 前記複数の貯水手段の各々は、
    前記地中に形成され、且つ当該貯水手段が収容される凹部の底部分と前記貯水手段本体との相互に設けられた貯水空間部であって、前記雨水を貯水するための貯水空間部を備える、
    請求項1に記載の貯水システム。
  3. 前記保持手段を、金属製のメッシュ材で形成し、
    前記保持手段の網目の大きさを、前記下部層を構成する土粒子の径よりも小さくした、
    請求項2に記載の貯水システム。
  4. 前記保持手段を、コンクリート材料で形成した、
    請求項2に記載の貯水システム。
  5. 前記保持手段を、外部に露出しないように構成した、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の貯水システム。
  6. 前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができるように、前記複数の貯水手段を構成した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の貯水システム。
  7. 前記複数の貯水手段の少なくとも一部にて貯められた前記雨水を地中に透過させることができないように、前記複数の貯水手段を構成し、
    前記複数の貯水手段の少なくとも一部に設けられた送水管であって、当該複数の貯水手段の少なくとも一部に貯められた前記雨水を所定領域に送るための送水管を備えた、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の貯水システム。
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