JP2014084647A - 排水システムおよび排水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地震時に、多量の地下水が地表面に流れ出るのを防止することができる排水システムおよび排水方法を提供する。
【解決手段】 排水システムは、地盤の深さ方向に挿入され埋設された透水性を有する中空円筒状の複数の排水材20と、各排水材20の頂部と接続され、各排水材20内へ流入した地下水を集水するとともに、地表面へ向けて流れる地下水を内部へ流入させ、地下水を一端に設けられた開口から排水先へ排水する、透水性を有する中空の集水材21とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震時に発生する地下水(過剰間隙水)を排水するための排水システムおよびその排水方法に関する。
地下水位を有する自然堆積地盤は、土粒子間に間隙水が存在する。比較的緩く堆積した砂質系地盤等の液状化の可能性が高い液状化層を有する地盤は、地震時に繰り返しせん断を受けて、静水圧を超える過剰間隙水圧が発生し、その水圧が上昇していく。このとき、土粒子の有効応力に対する過剰間隙水圧の比が1:1になると、土粒子の結合状態が崩れ、液体状の挙動を示して地盤が液状化する。液状化すると、建物や構造物が埋もれたり、倒れたり、浮き上がったりすることから、この地盤の液状化を防止するべく、過剰間隙水圧を有する過剰間隙水を外部へ排水するための排水システムが設けられている。
排水システムとしては、液状化層下の、地下水位のない非液状化層まで延びる排水材と、排水材の頂部を埋設する、砕石からなるグラベルマットとから構成されるものが挙げられる。排水材は、ボーリングマシンにより掘削された孔内に埋設される側壁に多数の孔を有する管や、その孔内に充填された砂利、砕石等とされる。
実際に地震が発生すると、排水材は、過剰間隙水圧を消散させるべく、過剰間隙水からなる地下水を、孔あるいは隙間を通して排水材の内部へ流入させる。排水材は、その深さ方向の下端が閉鎖されているため、地下水の流入に伴い、内部の地下水面が上昇し、その頂部からグラベルマット内へ排水する。グラベルマットは、その地下水を、砕石間の隙間を通して流通させ、下水道等の排水先へ放流する。このようにして地震時における過剰間隙水(地下水)を地盤の外部へ排水することにより、液状化を防止する。
下水道は、マンホール、側溝、下水管を含んで構成されるため、地震が発生すると、これらが浮き上がり、側溝や下水管にずれが生じて、下水管内に土砂が流入し、下水処理の機能を果たさなくなる場合がある。
また、グラベルマットは、地下水を貯留するための設備ではないことから、下水処理の機能を果たさない場合や、排水材を通して流れ出る地下水量が多い場合、沈下した地面を水浸しにして、災害復旧を遅らせ、衛生面上の問題や生活に支障をきたすという問題が生じる。
しかしながら、多量の地下水が地表面に流れ出ないようにするための効果的な排水技術が確立されていないのが実情である。
ところで、地震時ではないが、湧水等、下層の地中より地下水が出てきた場合、それが地表までしみ出してきて、地盤が軟弱になり道路が陥没する等の問題が生じることから、地中に埋設した複数の縦排水管と、横排水管とを備えた道路用井戸暗渠が提案されている(特許文献1参照)。この道路用井戸暗渠は、地下で湧き出した水を縦排水管で吸収し、連結された横排水管を通過して排水溝に排水するというものである。
特開2009−179945号公報
上記特許文献1に記載の技術を適用すれば、複数の縦排水管内に流入した地下水を、横排水管へ送り、その横排水管を通して流し、その一端から排水溝に排水することで、地表面に流れ出ないようにすることができる。
しかしながら、地震時は過剰間隙水圧が発生し、過剰間隙水(地下水)の量が多くなることから、そのすべてが縦排水管内へ流入するとは限らず、地表面へ向けても多量に流れ、それが地表面に流れ出て、地面を水浸しにする可能性がある。既往の液状化被災現場では、地下水が数十分から数時間も地表面に噴出した記録も残っている。これでは、災害復旧を遅らせ、生活に支障をきたすことになってしまう。
そこで、地震時においても、地下水が地表面に流れ出ないようにすることができる排水システムや排水方法の提供が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑み、地盤の深さ方向に挿入され埋設された透水性を有する中空円筒状の複数の排水材と、各排水材の頂部と接続され、各排水材内へ流入した地下水を集水するとともに、地表面へ向けて流れる地下水を内部へ流入させ、それら地下水を一端に設けられた開口から排水先へ排水する、透水性を有する中空の集水材とを含む、排水システムが提供される。
本発明の排水システムおよび排水方法を提供することにより、地震時に、多量の地下水が地表面に流れ出るのを防止することができる。これにより、地震時に、沈下した地面が水浸しになるのを防止することができ、災害復旧や生活に支障をきたすことがなくなる。
本発明の排水システムの構成例を示した図。 排水システムに用いられる複数の排水材の配置例を示した図。 排水システムに用いられる集水材の構成例を示した図。 排水システムに用いられる接続部材の構成例を示した図。 複数の排水材の打設例を示した図。 排水システムに用いられる貯留槽の設置例を示した図。
図1は、本発明の排水システムの構成例を示した図である。この排水システムは、地盤に埋設され、地盤内の地下水を排水するシステムである。まず、このシステムが適用される地盤について説明する。地盤は、礫や硬質粘性土等からなる非液状化層10と、非液状化層10上の砂質土等からなる地下水位を有する、土粒子間に間隙水を含む液状化層11とを含むものとされる。非液状化層10は、地震が発生しても、液状化しない層であり、液状化層11は、地震が発生すると、液状化するおそれがある層である。
地盤上には、道路や歩道等が構築される。道路は、路床12と、路盤13と、アスファルト層14とから構成される。路床12は、路盤13を介して伝達される荷重を支持するためのもので、砂を重ねて突き固めることにより構築される。路盤13は、アスファルト層14を介して伝達される荷重を支持するためのもので、砕石を敷き並べ、ランマ等の付き固める機械を使用して転圧することにより構築される。アスファルト層14は、道路の耐久性を増加させるために設けられる路盤13を覆う層で、砕石をアスファルトと混ぜ合わせ、それを路盤13の表面に敷き並べて転圧することにより構築される。
排水システムは、この道路や歩道等を構築する前に設置される。排水システムは、地盤の深さ方向に挿入され埋設された透水性を有する中空円筒状の複数の排水材20と、複数の排水材20の上側に、地表面に近隣して水平方向に向けて埋設される中空の集水材21と、排水材20と集水材21とを接続するための中空の接続部材22とを備える。
排水材20は、一端が地盤から突出し、他端が非液状化層10に到達してその開口が閉鎖されるように設置される。図1には、排水材20の他端が、非液状化層10に埋設された先端ビット15と呼ばれる削孔機械が削孔する際に使用する削孔部材と当接し、その他端の開口が閉鎖されているのが示されている。
複数の排水材20は、地盤を先端に削孔部材である先端ビット15を備えるボーリングマシンを使用して、液状化層11を非液状化層10に達するまで削孔し、先端ビット15を非液状化層10内に残し、その先端ビット15に当接するように、鋼管、硬質塩化ビニル樹脂等のプラスチック樹脂製の管や生分解性プラスチック製の管等のケーシングを挿設し、その管内に挿入することができる。この孔は、例えば、一定間隔で形成することができる。この孔は、一列に形成するだけではなく、二列以上形成することも可能である。
鋼管やプラスチック樹脂製等の管からなるケーシングを用いて所定深度まで削孔後、排水材20を挿入し、例えば、ボーリングマシンを逆回転させながら引き上げることによりケーシングを引き抜き、当該排水材20を液状化層11内に埋設することができる。同様の方法により、複数の排水材20を液状化層11内に埋設することができる。生分解性プラスチック製の管からなるケーシングの場合、ケーシングの引き抜きは不要であり、このケーシングは、地中に存在する微生物により分解される。ただし、分解には時間を要することから、上記鋼管やプラスチック樹脂製の管からなるケーシングが好ましい。
地盤から突出する各排水材20の頂部は、集水材21に、接続部材22を使用して接続される。集水材21は、透水性を有し、各排水材20内へ流入した地下水を集水するとともに、地表面へ向けて流れる地下水を流入させ、それら地下水を一端に設けられた開口から排水先へ排水する部材である。この集水材21が接続された後、道路部分については、例えば、路床12および路盤13内に埋設される。道路部分以外については、例えば、グラベルマット23が敷設され、集水材21はグラベルマット23内に埋設される。このとき、フィルタ材26も路床12内およびグラベルマット23内に埋設される。
排水材20および集水材21は、同じ材料で製造することができ、材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック樹脂、ステンレス鋼等を採用することができる。排水材20および集水材21は、例えば、これらの材料からなる線材を管状に編み上げたものや、これらの材料からなる様々な形状の部材を管状に溶着あるいは溶接したもの等を採用することができる。排水材20および集水材21は、ポリエチレンやポリプロピレン製品のリサイクル品を採用して製造されたものであってもよい。また、これらの材料から上記のようにして製作したものは、隙間が大きいため、埋設した排水材20および集水材21から地下水を集める時、細粒分が分離されずに排水材20や集水材21内に侵入し、排水材20や集水材21を閉塞するほか、目詰まりする可能性があり、上記の細粒土(固形物)を適切に分離、除去することができないため、周囲にフィルタ材(例えば、多孔性のシート等)を巻き付けたものとすることができる。
中空の集水材21は、その内部に、複数の排水材20から流入する地下水および地表面に向けて流れる地下水を流入させることができる空間を備える。このため、その空間の容積は、例えば、理論計算、数値解析および模型実験等を用いて、複数の排水材20内の空間の容積および地表面に向けて流れる地下水の予想される最大量等を考慮して決定することができ、その空間の容積から集水材21のサイズを決定することができる。
接続部材22は、地震時において脆弱部分となり、損傷しやすい。このため、接続部材22は、金属製の接続管や弾性シール材、可撓性に富む材料等を適用することができる。例えば、市販されている継ぎ手を利用し、継ぎ手間で樹脂が加熱溶融して、接続部材22を溶着することで、集水材21と接続部材22を一体化させることも可能である。建物基礎直下に設ける場合、容易に掘り起こすことができないため、上記のような一体化させたものが好ましい。
図1では、集水材21は、複数の排水材20を、接続部材22を使用して接続する2本の管状物とされているが、これに限られるものではなく、3本以上の管状物から構成されていてもよいし、箱状物等であってもよい。集水材21と接続部材22は、予め接合されていて、接続部材22に設けられる嵌合部を、突出した排水材20の頂部に嵌合させることにより連結することができる。これは一例であり、集水材21も嵌合させて連結することも可能であるし、排水材20も接合されていてもよい。
集水材21は、排水先へ向けて傾斜するように設置されることが望ましい。具体的には、排水先側の集水材21の一端が低く、他端がその一端より高い位置(地表面により近い深さ位置)となるように傾斜させて設置することができる。上記のように集水材21内はほぼ大気圧であるため、このように勾配を設けることにより、適切に排水先へ排水することが可能となり、排水効率が向上するからである。
この排水システムを使用した排水方法について簡単に説明する。地震時、繰り返しせん断を受けて、土粒子間に介在する間隙水の水圧が静水圧を超え、高い圧力を示す過剰間隙水圧が発生する。この水圧によって、過剰間隙水となった地下水が、透水性を有する排水材20の側壁を通して内部へ流入する。この流入に伴って、排水材20内の地下水の液面が上昇し、上記一端の開口から溢れ出すことにより排水材20の内部から排出される。地盤内の地下水には、泥等の細粒土が含まれるが、排水材20に流入する際にその細粒土は分離除去される。
各排水材20から排出された地下水は、中空の各接続部材22の内部を通して、中空の集水材21内へ集水される。集水材21は、各排水材20から地下水を集水するほか、地表面に向けて流れる地下水を流入させる。ほぼ大気圧の排水先につながる集水材21内はほぼ大気圧であり、それより高い過剰間隙水圧を有する地下水は、圧力の低い集水材21内へ流れようとするからである。このとき、地表面にしみ出してきた地下水が集水材21へ流入する際にも、排水材20と同様に、細粒土は分離除去される。
集水材21により集水される地下水と、集水材21に流入する地下水は、集水材21内の中空部分および集水材21本体に形成されている隙間の部分を通り、排水先側の一端に設けられた開口から該排水先に向けて排水される。
このようにして、地震時においても、複数の排水材20内へ地下水を流入させ、それを集水材21により排水先へ排水し、加えて、集水材21により地表面に向けて流れる地下水を流入させ、排水先へ排水することにより、多量の地下水が地表面に流れ出るのを防止することができる。その結果、地震時に、沈下した地面が水浸しになるのを防止することができ、災害復旧や生活に支障をきたすことがなくなる。
本発明の排水システムは、複数の排水材20と、集水材21とを含むものとされるが、上記の接続部材22等のその他の部材を含んで構成してもよい。例えば、図1に示すように、排水システムは、集水材21が排水する際の排水先となる貯留槽24をさらに備えることができる。貯留槽24は、一定量の地下水を貯留するための容器で、例えば、コンクリート等により構築される。貯留槽24は、地盤に埋設されて土圧を受けるので、その土圧を均等に受けるように断面円形の円筒状のものが好ましいが、箱状の断面矩形のものであってもよい。また、地下水を回収し、貯留することができる容量であれば、いかなる容量であってもよい。
図1では、貯留槽24を挟んで両側に排水システムが設置されているため、貯留槽24は、各側の排水システムから排水される地下水を貯留するために、中央に仕切り壁が形成され、2つの貯留空間を備えたものとされている。また、図1では、集水材21と貯留槽24とを接続し、集水材21の一端から貯留槽24へ地下水を排水することができるように、連結管25が設けられている。
連結管25は、例えば、接続部材22のような嵌合部を備え、その嵌合部を集水材21の一端に嵌合させることにより、集水材21に連結することができる。これは一例であり、接着剤を用いて接着することにより、また、溶着することにより連結することも可能である。
この貯留槽24に近隣した路床12内およびグラベルマット23内には、フィルタ材26が設けられ、フィルタ材26には、貯留槽24と連結するための連結管28が接続されている。フィルタ材26は、路床12内およびグラベルマット23内の細粒土等を分離除去し、地下水を、連結管28を介して貯留槽24へ排水する。なお、この細粒土を除去することができれば、フィルタ材以外の部材や装置を用いることも可能である。
このため、排水システムを使用した排水方法では、複数の排水材20の頂部および集水材21を埋設するための砕石から構成される排水層としてのグラベルマット23内の地下水を、グラベルマット23内に設置されるフィルタ材26を介して貯留槽24へ排水することができる。
貯留槽24は、集水材21から、およびフィルタ材26を介して排水されることにより、地下水が貯留され、その貯留された水は、上下水道施設が被害を受けた場合に、被災直後から復旧に至るまでの数日間に必要な生活用水として有効に利用することができる。また、貯留槽24は、消毒、殺菌のための設備を備えることができ、また、貯留槽24に近隣して保管庫を設け、その保管庫内に薬品等を備えることができ、これら設備または薬品等により貯留した水を浄化し、飲料水として利用することも可能である。
また、排水システムは、地震時に限らず、平常時においても地下浸出水(湧き水)や雨水を排水材20や集水材21内に流入させ、貯留槽24へ貯留することが可能であるため、平常時においても生活用水や飲料水として利用することが可能である。
貯留槽24に、多量の水が排水される場合、貯留槽24の内部の圧力が高くなってスムーズに排水されなくなることがあるため、貯留槽24の上部に、地上とつながる、貯留槽24内のエアーを排出するためのエアー抜き管27を備えることが望ましい。図1では、片側の貯留空間のみにエアー抜き管27が設けられているのが示されているが、内圧が上昇し、スムーズに排水されなくなることを考慮すると、もう一方の側にもエアー抜き管27を設けることが望ましい。なお、エアー抜きが可能性であれば、エアー抜き管27に限らず、その他の手段を採用してもよい。
接続部材22、連結管25やエアー抜き管27は、可撓性を有する軟質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン製のものとすることができる。可撓性を有することで、地震時にある程度の地盤の変形に追従することができるからである。これらの材料は、一例であり、地震対策用として実績がある材料であればその他の材料を採用することもできる。
エアー抜き管27は、図1では、貯留槽24から上方に突出するように設けられ、その開口も上方に向いているが、土やゴミ等が貯留槽24内に入らないように、その開口が下方に向くように曲部を備えた管が好ましく、さらに、その開口に網等を取り付けたものがより好ましい。
貯留槽24は、例えば、図1に示すように、道路脇の歩道部を構築する際、液状化層11の所定深さまで掘削して穴を形成した後、型枠を設置して、コンクリートを打設することにより構築することもできるし、予めプラスチック樹脂等により作製し、それを掘削した穴の中に設置することも可能である。その後、貯留槽24に取り付けた各連結管25と、集水材21およびフィルタ材26とを連結し、集水材21から、およびフィルタ材26を介して貯留槽24内へ排水可能にすることができる。
ここで、排水材20は、例えば、上から見て、図2に示すような配置とすることができる。図2(a)は、正方形配置と呼ばれるもので、正方形を形成するように4つの排水材20を、その中心の間隔がdとなるように離間させて配置するものである。図2(b)は、三角形配置と呼ばれるもので、正三角形を形成するように3つの排水材20を、その中心の間隔がdとなるように離間させて配置するものである。いずれの配置方法も、目標設計値(抑える過剰許容間隙水圧比)と経済性を考慮して決定することができる。これらは一例であり、それ以外の配置方法を採用することも可能である。
集水材21は、例えば、図3に示すような構成とすることができる。例えば、図3(a)に示すような、5本の長い管状物と、それらの間を接続する複数の短い管状物とを用いて格子状に連結したものを採用することができる。これらの管状物を、配管として説明すると、図3(a)では、2本の長い配管の1つの側に等間隔に穴を形成し、3本の長い配管の対向する両側にそれと同じ間隔で同じ径の穴を形成する。これらの穴は、短い配管の内径とほぼ同じ径とされる。
2本の1つの側に複数の穴が形成された長い配管の間に、3本の両側に複数の穴が形成された長い配管を等間隔になるように配置する。そして、2つの長い配管間に、それぞれの穴を介して内部を連続させるように1本の短い配管により連結していく。連結は、接着剤を用いて、または溶着により行うことができる。このようにして、複数の短い配管により連結し、格子状に形成された集水材21を製造することができる。
この集水材21は、長い配管と短い配管とが連結された連結部分の下側に上記と同じ径の穴が形成され、接続部材22を接着または溶着する等して連結される。接続部材22は、一端がこのように連結部分に連結され、他端は排水材20の頂部に嵌合する嵌合部が設けられる。このため、各排水材20は、その頂部に嵌合部が嵌合されて、集水材21と連結される。
5本の長い配管は、他端はキャップ等により閉鎖され、一端は上記連結管25を介して貯留槽24と連結される。このため、配管内の水は、一端へ向けて流れ、連結管25を介して貯留槽24内に貯留される。
地下水は、主に、長い配管内を一端へ向けて流れるが、このように複数の短い配管で互いを連結することにより、貯留槽24へ向けて流れる地下水の流路面積が拡大される。図3(a)に示す構成は、連結部分により形成される形状が正方形となっているため、図2(a)に示す正方形配置に適用することができるものである。なお、図2(b)に示す三角形配置に適用するためには、連結部分により形成される形状が正三角形となるように各配管が連結される。
図3(a)に示した例は一例であり、排水効率を向上させるために、枝管(中継管)を設けることが望ましい。さらに、流路面積を拡大させることができるからである。しかしながら、枝管をどのように連結するかによって排水効率が変わることから、例えば、図3(b)、(c)のように斜め方向に枝管を設け、スムーズに過剰間隙水が流れるようにすることが好ましい。
また、任意に選択した一部の配管の径を増大させることにより、排水効率を向上させることも可能である。一部の配管としては、5本の長い配管とすることができる。なお、一部の配管でよいため、全ての配管の径を増大させる必要はない。図3(a)〜(c)以外の構成も可能であり、水理模型実験や数値解析等を利用して、より排水効率の高い構成を検討することができる。
また、図3(a)〜(c)に示した例のように、集水材21を1本の配管とせず、複数本を用いて格子状に形成することにより、地表面に向けて流れるより多くの地下水を、集水材21内に流入させることができる。このため、1本当たりの流入量をより減少させることができる。この結果、余裕流入量が発生し、管内が閉塞することを防ぐことができる。
図4(a)〜(d)は、接続部材22の構造を例示した図である。集水材21と連結される連結部分については、いずれも溶着する等によって連結されるが、排水材20の頂部と嵌合する嵌合部の構造が異なっている。図4(a)は、排水材20の頂部の外側面および内側面の両方に隣接するように中空円筒状の差し込み部30と、蓋状のキャップ部31とを備えている。
この例では、液状化層11から突出する排水材20の頂部を一部のみを覆うように嵌合されるので、排水材20内の地下水は、接続部材22を介して集水材21へ排出されるとともに、グラベルマット23内へも排出される。なお、グラベルマット23内へ排出された地下水は、グラベルマット23内のその他の地下水とともに、図1に示したフィルタ材26を介して貯留槽24へ排水される。
図4(b)は、排水材20の頂部の外側面のみに隣接するように蓋状のキャップ部31を備えている。これも、図4(a)と同様、排水材20内の地下水は、接続部材22を介して集水材21へ流れるとともに、グラベルマット23内へも流れる。
図4(c)は、図4(a)と同様、中空円筒状の差し込み部30と、蓋状のキャップ部31とを備えている。しかしながら、蓋状のキャップ部31が、液状化層11の上面に達する長さとされていて、排水材20の突出する頂部を覆うものとされているので、排水材20内の地下水は、接続部材22を介して集水材21へのみ流れる。
図4(d)は、図4(b)と同様、蓋状のキャップ部31のみを備える構成とされている。これも、図4(c)と同様、蓋状のキャップ部31が、液状化層11の上面に達する長さとされていて、排水材20の突出する頂部を覆うものとされているので、排水材20内の地下水は、接続部材22を介して集水材21へのみ排出される。
図5は、既設の建物下の地盤の液状化を防止するための排水材20の打設例を示した図である。図5(a)は、構造物としての建物の周囲地盤にのみ排水材20を打設したところを示した図であり、図5(b)は、建物の周囲地盤に加え、建物の下側基礎地盤にも排水材20を打設したところを示した図である。
図5(a)に示す排水材20は、鉛直方向へ一定間隔で排水材20が、上記のようにして挿入され埋設されており、その頂部がグラベルマット23により埋められている。これに対し、図5(b)に示す排水材20は、鉛直方向へ一定間隔で排水材20aが挿入され埋設されるとともに、建物の下側地盤へ向けて傾斜するように排水材20bも一定間隔で挿入され埋設されている。この場合も、それらの頂部はグラベルマット23により埋められている。
このように構造物の下側地盤へ向けて傾斜するように延びる排水材20bを設けることにより、既設の構造物直下の基礎地盤の液状化を直接防止し、その構造物の埋没、倒壊、浮き上がりを防止することができる。
貯留槽24は、液状化層11にコンクリートを打設して構築することができるが、浮き上がりを防止するために、図6(a)に示すように、非液状化層10に固定したアンカー40を設けることができる。アンカーは、コンクリートに埋め込んで使用される金属の棒からなる支持部材である。図6(a)では、非液状化層10内に、アンカー40の一端を埋め込むようにコンクリートブロック41を構築し、アンカー40の他端を埋め込むように貯留槽24を構築している。
上記の例では、貯留槽24がある地盤が、液状化することを前提としているが、図6(b)に示すようにその地盤が液状化しないようにすることも可能である。図6(b)は、貯留槽24周囲(貯留槽24の上下も含む)の液状化層11に対して、セメント系固化材を添加して地盤改良することにより、また、外部へ排水することを可能にするために、貯留槽24周囲の液状化層11を礫材等で置換したり、排水材の設置を実施したりすることにより、液状化対策が施された液状化しない地盤42として構築されている。このため、地震時にも、大きく倒れたり、浮き上がったりすることがなくなる。
地盤改良や排水のための排水工法は、これまでに知られたいかなる方法でも採用することができる。また、地盤改良において用いられる固化材は、セメントをベースとしたセメント系固化材のほか、石灰系固化材や石膏等を用いることも可能である。
土質条件、層厚および地震動の継続時間の違いによって、大量に地下水が地表面に流れ出ると想定される場合は、構造物周りのスペースを利用して、上記液状化層11内の貯留槽24と連携する、いくつかの貯水設備や大容量の貯留槽を設置することもできるし、また、構造物の地下室等を利用することも可能である。
これまで本発明の排水システムおよび排水方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…非液状化層、11…液状化層、12…路床、13…路盤、14…アスファルト層、15…先端ビット、20、20a、20b…排水材、21…集水材、22…接続部材、23…グラベルマット、24…貯留槽、25…連結管、26…フィルタ材、27…エアー抜き管、28…連結管、30…差し込み部、31…キャップ部、40…アンカー、41…コンクリートブロック、42…地盤

Claims (10)

  1. 地盤の深さ方向に挿入され埋設された透水性を有する中空円筒状の複数の排水材と、
    各前記排水材の頂部と接続され、各前記排水材内へ流入した地下水を集水するとともに、地表面へ向けて流れる地下水を内部へ流入させ、前記地下水を一端に設けられた開口から排水先へ排水する、透水性を有する中空の集水材とを含む、排水システム。
  2. 前記集水材は、前記排水先へ向けて傾斜するように設置される、請求項1に記載の排水システム。
  3. 前記排水先としての前記地下水を貯留するための貯留槽をさらに備える、請求項1または2に記載の排水システム。
  4. 前記複数の排水材の頂部および前記集水材を埋設するための砕石から構成される排水層を含み、前記排水層内の前記地下水を、前記排水層内に設置されるフィルタ材を介して前記排水先へ排水させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水システム。
  5. 前記集水材は、透水性を有する中空円筒状の管状物を用いて格子状に形成したものとされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水システム。
  6. 前記排水材と前記集水材とを接続するための中空の接続部材を備え、前記接続部材が前記排水材の頂部に嵌合する嵌合部を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の排水システム。
  7. 前記排水材は、構造物の周囲地盤に鉛直方向に、および前記構造物の下側地盤に向けて傾斜するように挿入され埋設される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の排水システム。
  8. 前記貯留槽は、支持部材を用いて非液状化層に支持され、または前記貯留槽の周囲地盤に対して、固化材を添加して地盤改良、礫材による置換もしくは排水材の設置が実施される、請求項3に記載の排水システム。
  9. 地盤の深さ方向に挿入され埋設された透水性を有する中空円筒状の複数の排水材内へ前記地盤中の地下水を流入させる段階と、
    各前記排水材の頂部と接続され、透水性を有する中空の集水材により、各前記排水材内へ流入した前記地下水を集水するとともに、地表面へ向けて流れる前記地下水を内部に流入させ、前記地下水を一端に設けられた開口から排水先へ排水する段階とを含む、排水方法。
  10. 前記排水先は、前記地下水を貯留するための貯留槽であり、
    前記排水方法は、前記複数の排水材の頂部および前記集水材を埋設するための砕石から構成される排水層内の前記地下水を、前記排水層内に設置されるフィルタ材を介して前記貯留槽へ排水する段階を含む、請求項9に記載の排水方法。
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