JP7366359B2 - 射出成形体、射出成形用組成物、及び射出成形体の製造方法 - Google Patents

射出成形体、射出成形用組成物、及び射出成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形体に関する。また、本発明は、射出成形用組成物及び射出成形体の製造方法に関する。
射出成形体は、射出成形法で成形された樹脂組成物の成形体である。射出成形法は、多様な形状に対応でき、生産効率のよい方法であるため、射出成形体は幅広い分野で利用されている。
従来から、射出成形体の機械的強度を改善する方法として、ガラス、ワラストナイト等の無機充填材を配合する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ポリアミド/ポリプロピレン樹脂とワラストナイトとを含有する樹脂組成物を射出成形に用いて、成形品を得る方法が開示されている。
特開平8-269323号公報
近年、環境保全意識の高まりから、無機充填材の使用が制限される場面が増えている。その一方、成形体に求められる特性の一つである曲げ特性を、無機充填材の配合量が少ない(又は無機充填材を配合していない)成形体で達成することは難しかった。
そこで、本発明は、無機充填材の含有量に依らず、優れた曲げ特性を発現できる射出成形体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記射出成形体を形成するための射出成形用組成物、及び、上記射出成形体を製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、熱可塑性樹脂と、上記熱可塑性樹脂中に分散した繊維長24mm以下のタンパク質短繊維と、を含む、射出成形体に関する。
上記射出成形体は、熱可塑性樹脂がマトリックス樹脂として、タンパク質短繊維が補強繊維として機能し得るため、優れた曲げ特性を有する。
一態様において、上記タンパク質短繊維はクモ糸フィブロイン様タンパク質繊維を含有していてよい。
一態様において、上記熱可塑性樹脂はポリプロピレンを含有していてよい。
本発明の他の一側面は、熱可塑性樹脂と、繊維長24mm以下のタンパク質短繊維と、を含む、射出成形用組成物に関する。
一態様において、上記タンパク質短繊維はクモ糸フィブロイン様タンパク質繊維を含有していてよい。
一態様において、上記熱可塑性樹脂はポリプロピレンを含有していてよい。
本発明の更に他の一側面は、上述の射出成形用組成物を加熱して、流動材料を得る加熱工程と、上記流動材料を金型内に注入する注入工程と、上記金型内に注入された上記流動材料を冷却して射出成形体を得る冷却工程と、を含む、射出成形体の製造方法に関する。
本発明によれば、無機充填材の含有量に依らず、優れた曲げ特性を発現できる射出成形体が提供される。また、本発明によれば、上記射出成形体を形成するための射出成形用組成物、及び、上記射出成形体を製造するための製造方法が提供される。
タンパク質繊維を製造するための紡糸装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。
(射出成形体)
本実施形態に係る射出成形体は、熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散した繊維長24mm以下のタンパク質短繊維と、を含む。
本実施形態に係る射出成形体によれば、熱可塑性樹脂がマトリックス樹脂として、タンパク質短繊維が補強繊維として機能し得るため、優れた曲げ特性を有する。そのため、本実施形態に係る射出成形体は、無機充填材の含有量に依らず、優れた曲げ特性を発現できる。
本実施形態において、熱可塑性樹脂は特に限定されず、マトリックス樹脂としてタンパク質短繊維を分散させることが可能な熱可塑性樹脂であればよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン等)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ABS、AES、PET、PBT、PPS、LCP、PEEK等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の含有量は、例えば40体積%以上であってよく、タンパク質短繊維の分散性の観点から、好ましくは50体積%以上、より好ましくは60体積%以上である。
本実施形態において、タンパク質短繊維は、繊維長24mm以下の、タンパク質から構成される繊維(タンパク質繊維)ということができる。
タンパク質短繊維の繊維長は24mm以下であれば特に限定されず、例えば12mm以下であってよく、7mm以下であってもよい。
タンパク質短繊維の繊維長は、射出成形体の機械的強度がより向上する観点からは、1mm以上であると好ましく、4mm以上であるとより好ましい。なお、射出成形体は、成形時の破断等に起因して上記の値より短い繊維長のタンパク質短繊維を含んでいてもよく、例えば、タンパク質短繊維のうち90質量%以上が1mm以上(より好ましくは4mm以上)の繊維長を有していることが好ましい。
タンパク質短繊維の含有量は、例えば60体積%以下であってよく、50体積%以下が好ましく、40体積%以下がより好ましい。
タンパク質短繊維を構成するタンパク質は、好ましくは構造タンパク質である。本明細書において、構造タンパク質とは、生体構造を形成するタンパク質又はそれに由来するタンパク質を示す。すなわち、構造タンパク質は、天然由来の構造タンパク質であってよく、天然由来の構造タンパク質のアミノ酸配列に依拠してそのアミノ酸配列の一部(例えば、当該アミノ酸配列の10%以下)を改変した改変タンパク質であってよい。
構造タンパク質は、具体的には、フィブロイン(例えば、スパイダーシルク、カイコシルク等)、コラ-ゲン、レシリン、エラスチン及びケラチン、並びにこれらに由来するタンパク質等を挙げることができる。
フィブロイン様タンパク質(フィブロイン又はそれに由来するタンパク質)としては、例えば、式1:[(A)モチーフ-REP1]で表されるドメイン配列を含むタンパク質が挙げられる。ここで、式1中、(A)モチーフの、Aはアラニン残基を示し、nは好ましくは2~27の整数であり、4~20の整数、8~20の整数、10~20の整数、4~16の整数、8~16の整数、又は10~16の整数であってよい。また式1において、(A)モチーフ中の全アミノ酸残基数に対するアラニン残基数は40%以上であればよく、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%(アラニン残基のみで構成されることを意味する)であってもよい。REP1は10~200アミノ酸残基から構成されるアミノ酸配列を示す。mは10~300の整数を示す。複数存在する(A)モチーフは、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。複数存在するREP1は、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。フィブロイン様タンパク質としては、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。
コラーゲン様タンパク質(コラーゲン又はそれに由来するタンパク質)としては、例えば、式2:[REP2]で表されるドメイン配列を含むタンパク質が挙げられる。ここで、式2中、pは5~300の整数を示す。REP2は、Gly-X-Yから構成されるアミノ酸配列を示し、X及びYはGly以外の任意のアミノ酸残基を示す。複数存在するREP2は、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。コラーゲン様タンパク質としては、例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、配列番号2で示されるアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したヒトのコラーゲンタイプ4の部分的な配列(NCBIのGenBankのアクセッション番号:CAA56335.1、GI:3702452)のリピート部分及びモチーフに該当する301残基目から540残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号6で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。
レシリン様タンパク質(レシリン又はそれに由来するタンパク質)としては、例えば、式3:[REP3]で表されるドメイン配列を含むタンパク質が挙げられる。ここで、式3中、qは4~300の整数を示す。REP3はSer-J-J-Tyr-Gly-U-Proから構成されるアミノ酸配列を示す。Jは任意のアミノ酸残基を示し、好ましくはAsp、Ser及びThrからなる群から選ばれるアミノ酸残基である。Uは任意のアミノ酸残基を示し、好ましくはPro、Ala、Thr及びSerからなる群から選ばれるアミノ酸残基である。複数存在するREP3は、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。レシリン様タンパク質としては、例えば、配列番号3で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、配列番号3で示されるアミノ酸配列は、レシリン(NCBIのGenBankのアクセッション番号NP 611157、Gl:24654243)のアミノ酸配列において、87残基目のThがSerに置換され、かつ95残基目のAsnがAspに置換された配列の19残基目から321残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号7で示されるアミノ酸配列(タグ配列)が付加されたものである。
エラスチン様タンパク質(エラスチン又はそれに由来するタンパク質)としては、例えば、NCBIのGenBankのアクセッション番号AAC98395(ヒト)、I47076(ヒツジ)、NP786966(ウシ)等のアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。エラスチン様タンパク質としては、例えば、配列番号4で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、配列番号4で示されるアミノ酸配列は、NCBIのGenBankのアクセッション番号AAC98395のアミノ酸配列の121残基目から390残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号6で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。
ケラチン様タンパク質(ケラチン又はそれに由来するタンパク質)として、例えば、カプラ・ヒルクス(Capra hircus)のタイプIケラチン等が挙げられる。ケラチン様タンパク質としては、例えば、配列番号5で示されるアミノ酸配列(NCBIのGenBankのアクセッション番号ACY30466のアミノ酸配列)を含むタンパク質を挙げることができる。
構造タンパク質は、好ましくはフィブロイン様タンパク質であり、より好ましくはクモ糸フィブロイン様タンパク質である。
本実施形態にかかるタンパク質は、例えば、目的とするタンパク質をコードする核酸配列と、当該核酸配列に作動可能に連結された1又は複数の調節配列とを有する発現ベクターで形質転換された宿主により、当該核酸を発現させることにより生産したものを用いることができる。
目的とするタンパク質をコードする核酸の製造方法は特に制限されない。例えば、天然の構造タンパク質をコードする遺伝子を利用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などで増幅しクローニングする方法、又は、化学的な合成によって、当該核酸を製造することができる。核酸の化学的な合成方法も特に制限されず、例えば、NCBIのウェブデータベースなどより入手した構造タンパク質のアミノ酸配列情報をもとに、AKTA oligopilot plus 10/100(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)などで自動合成したオリゴヌクレオチドをPCRなどで連結する方法によって核酸を化学的に合成することができる。この際に、タンパク質の精製や確認を容易にするため、上記のアミノ酸配列のN末端に開始コドン及びHis10タグからなるアミノ酸配列を付加したアミノ酸配列からなるタンパク質、をコードする核酸を合成してもよい。
調節配列は、宿主における組換えタンパク質の発現を制御する配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合配列、転写終結配列等)であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。プロモーターとして、宿主細胞中で機能し、目的とするタンパク質を発現誘導可能な誘導性プロモーターを用いてもよい。誘導性プロモーターは、誘導物質(発現誘導剤)の存在、リプレッサー分子の非存在、又は温度、浸透圧若しくはpH値の上昇若しくは低下等の物理的要因により、転写を制御できるプロモーターである。
発現ベクターの種類は、プラスミドベクター、ウイルスベクター、コスミドベクター、フォスミドベクター、人工染色体ベクター等であってよく、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製が可能、又は宿主の染色体中への組込みが可能で、目的とするタンパク質をコードする核酸を転写できる位置にプロモーターを含有しているものが好適に用いられる。
宿主として、原核生物、並びに酵母、糸状真菌、昆虫細胞、動物細胞及び植物細胞等の真核生物のいずれも好適に用いることができる。
原核生物の好ましい例として、エシェリヒア属、ブレビバチルス属、セラチア属、バチルス属、ミクロバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属及びシュードモナス属等に属する細菌を挙げることができる。
原核生物を宿主とする場合、目的とするタンパク質をコードする核酸を導入するベクターとしては、例えば、pBTrp2(ベーリンガーマンハイム社製)、pGEX(Pharmacia社製)、pUC18、pBluescriptII、pSupex、pET22b、pCold、pUB110、pNCO2(特開2002-238569号公報)等を挙げることができる。
真核生物の宿主としては、例えば、酵母及び糸状真菌(カビ等)を挙げることができる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス属、ピキア属、シゾサッカロマイセス属等に属する酵母を挙げることができる。糸状真菌としては、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、トリコデルマ(Trichoderma)属等に属する糸状真菌を挙げることができる。
真核生物を宿主とする場合、目的とするタンパク質をコードする核酸を導入するベクターとしては、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)等を挙げることができる。
上記宿主細胞への発現ベクターの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができる。例えば、カルシウムイオンを用いる方法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA,69,2110 (1972)〕、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、プロトプラスト法、酢酸リチウム法、コンピテント法等を挙げることができる。
発現ベクターで形質転換された宿主による核酸の発現方法としては、直接発現のほか、モレキュラー・クローニング第2版に記載されている方法等に準じて、分泌生産、融合タンパク質発現等を行うことができる。
目的とするタンパク質は、例えば、発現ベクターで形質転換された宿主を培養培地中で培養し、培養培地中に当該タンパク質を生成蓄積させ、該培養培地から採取することにより製造することができる。宿主を培養培地中で培養する方法は、宿主の培養に通常用いられる方法に従って行うことができる。
宿主が大腸菌等の原核生物又は酵母等の真核生物である場合、宿主の培養培地として、該宿主が資化し得る炭素源、窒素源及び無機塩類等を含有し、該宿主の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、上記形質転換された宿主が資化し得るものであればよく、例えば、グルコース、フラクトース、スクロース、及びこれらを含有する糖蜜、デンプン及びデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸、並びにエタノール及びプロパノール等のアルコール類などを用いることができる。
窒素源としては、例えば、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム及びリン酸アンモニウム等の無機酸又は有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、並びにペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕及び大豆粕加水分解物、各種発酵菌体及びその消化物などを用いることができる。
無機塩としては、例えば、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅及び炭酸カルシウムなどを用いることができる。
大腸菌等の原核生物又は酵母等の真核生物の培養は、例えば、振盪培養又は深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行うことができる。培養温度は、例えば、15~40℃である。培養時間は、通常16時間~7日間である。培養中の培養培地のpHは3.0~9.0に保持することが好ましい。培養培地のpHの調整は、無機酸、有機酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム及びアンモニア等を用いて行うことができる。
培養中必要に応じて、アンピシリン及びテトラサイクリン等の抗生物質を培養培地に添加してもよい。プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
宿主が生成蓄積した目的とするタンパク質の単離、精製は通常用いられている方法で行うことができる。例えば、当該タンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、宿主細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液に懸濁した後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー及びダイノミル等により宿主細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、タンパク質の単離精製に通常用いられている方法によって精製標品を得ることができる。また、当該タンパク質が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に宿主細胞を回収後、破砕し、遠心分離を行うことにより、沈殿画分としてタンパク質の不溶体を回収する。回収したタンパク質の不溶体は、タンパク質変性剤で可溶化することができる。該操作の後、上記と同様の単離精製法によりタンパク質の精製標品を得ることができる。
当該タンパク質が細胞外に分泌された場合には、培養上清から当該タンパク質を回収することができる。すなわち、培養物を遠心分離等の手法により処理することにより培養上清を取得し、該培養上清から、上記と同様の単離精製法を用いることにより、精製標品を得ることができる。
タンパク質の単離精製に通常用いられている方法としては、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)-セファロース、DIAION HPA-75(三菱化成社製)等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(Pharmacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の方法を挙げることができる。これらの方法は、単独又は組み合わせて使用してもよい。
タンパク質短繊維は、上述したタンパク質を紡糸したタンパク質繊維を、所定の繊維長に切断したものであってよい。タンパク質繊維は、好ましくは構造タンパク質を紡糸した繊維(構造タンパク質繊維)であり、より好ましくはフィブロイン様タンパク質を紡糸した繊維(フィブロイン様タンパク質繊維)、特に好ましくはクモ糸フィブロイン様タンパク質を紡糸した繊維(クモ糸フィブロイン様タンパク質繊維)である。
タンパク質繊維は、タンパク質を公知の紡糸方法により紡糸することによって製造することができる。すなわち、タンパク質繊維を製造する際には、まず、上述した方法に準じて製造したタンパク質を、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、又はヘキサフルオロイソプロノール(HFIP)等の溶媒に、溶解促進剤としての無機塩と共に添加し、溶解させてドープ液を作製する。次いで、このドープ液(紡糸原液)を用いて、湿式紡糸、乾式紡糸又は乾湿式紡糸等の公知の紡糸方法により紡糸して、目的とするタンパク質繊維を得ることができる。
図1は、タンパク質繊維を製造するための紡糸装置の一例を示す概略図である。図1に示す紡糸装置10は、乾湿式紡糸用の紡糸装置の一例であり、押出し装置1と、凝固浴槽20と、洗浄浴槽21と、乾燥装置4とを、上流側から順に有している。
押出し装置1は貯槽7を有しており、ここにドープ液(紡糸原液)6が貯留される。凝固浴槽20に凝固液11(例えば、メタノール)が貯留される。ドープ液6は、貯槽7の下端部に取り付けられたギヤポンプ8により、凝固液11との間にエアギャップ19を開けて設けられたノズル9から押し出される。押し出されたドープ液6は、エアギャップ19を経て凝固液11内に供給される。凝固液11内でドープ液6から溶媒が除去されてタンパク質が凝固する。凝固したタンパク質は、洗浄浴槽21に導かれ、洗浄浴槽21内の洗浄液12により洗浄された後、洗浄浴槽21内に設置された第一ニップローラ13と第二ニップローラ14により、乾燥装置4へと送られる。このとき、例えば、第二ニップローラ14の回転速度を第一ニップローラ13の回転速度よりも速く設定すると、回転速度比に応じた倍率で延伸されたタンパク質繊維36が得られる。洗浄液12中で延伸されたタンパク質繊維36は、洗浄浴槽21内を離脱してから、乾燥装置4内を通過する際に乾燥され、その後、ワインダーにて巻き取られる。このようにして、タンパク質繊維36が、紡糸装置10により、最終的にワインダーに巻き取られた巻回物5として得られる。なお、18a~18gは糸ガイドである。
凝固液11としては、ノズル9から押し出されたドープ液6から、溶媒を抽出(脱溶媒)できる有機溶剤であればよい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール及び2-プロパノール等の炭素数1~5の低級アルコール、並びにアセトン等を挙げることができる。凝固液11は、適宜水を含んでいてもよい。凝固液11の温度は、0~30℃であることが好ましい。凝固したタンパク質が凝固液11中を通過する距離(実質的には、糸ガイド18aから糸ガイド18bまでの距離)は、脱溶媒が効率的に行える長さがあればよく、例えば、200~500mmである。凝固液11中での滞留時間は、例えば、0.01~3分であってよく、0.05~0.15分であることが好ましい。また、本実施形態においては、凝固したタンパク質を含む繊維を、凝固液11中で延伸(前延伸)してもよい。
洗浄液12としては、主として水を用いることができる。洗浄液12は、凝固液11に使用できるよう剤として列挙したものを含んでいてもよい。なお、タンパク質繊維を得る際に洗浄浴槽21内で実施される延伸は、温水中、温水に有機溶剤等を加えた溶液中等で行う、いわゆる湿熱延伸であってもよい。この湿熱延伸の温度としては、例えば、50~90℃であってよく、75~85℃が好ましい。湿熱延伸では、未延伸糸(又は前延伸糸)を、例えば、1倍~10倍延伸することができ、2~8倍延伸することが好ましい。
本実施形態における乾燥装置4内を通過する際に、タンパク質繊維を更に延伸(いわゆる乾熱延伸)してもよい。
最終的なタンパク質繊維の延伸倍率は、その下限値が、未延伸糸(又は前延伸糸)に対して、好ましくは、1倍超、2倍以上、3倍以上、4倍以上、5倍以上、6倍以上、7倍以上、8倍以上、又は9倍以上であり、その上限値が、好ましくは、40倍以下、30倍以下、20倍以下、15倍以下、14倍以下、13倍以下、12倍以下、11倍以下、又は10倍以下である。
本実施形態に係る射出成形体は、上記以外の成分を更に含んでいてもよい。例えば、射出成形体は、充填材を更に含有していてよい。
充填材の形状は特に限定されず、例えば、繊維状、球状や楕円体状を含む粒状、板状等であってよい。充填材を構成する材料は特に限定されず、例えば、炭素(炭素繊維等)、ガラス(ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン等)、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ウイスカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、銅、アルミ等の金属粉、セルロース、PA、PET、アラミド、PP、PC等の化学繊維等が挙げられる。
充填材の含有量は特に限定されないが、例えば60体積%以下、好ましくは50体積%以下であり、0体積%(すなわち、射出成形体が充填材を含有しない)であってもよい。射出成形体が充填材を含有する場合、充填材の含有量は、充填材による補強効果を十分に得る観点から、例えば1体積%以上であってよく、40体積%以上であってもよい。
本実施形態に係る射出成形体は、上記以外に、公知の射出成形体に含まれる他の成分を更に含有していてよい。他の成分としては、例えば、耐候劣化防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、内部離型剤、表面改質剤等が挙げられる。
(射出成形用組成物)
本実施形態に係る射出成形用組成物は、熱可塑性樹脂と、繊維長24mm以下のタンパク質短繊維と、を含む。本実施形態において、熱可塑性樹脂は上述の熱可塑性樹脂であってよい。また、タンパク質短繊維は、上述のタンパク質短繊維であってよい。
本実施形態に係る射出成形用組成物は、上述の充填材を更に含んでいてもよく、上述の他の成分を更に含んでいてもよい。
射出成形用組成物における各成分の含有量は、上述の射出成形体における含有量と同じであってよい。
(射出成形体の製造方法)
本実施形態に係る射出成形体は、射出成形法により成形された成形体であればよい。すなわち、射出成形体の製造方法は、射出成形法により射出成形体を成形する方法であればよい。射出成形体の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
好適な一態様において、射出成形体の製造方法は、上述の射出成形用組成物を加熱して、流動材料を得る加熱工程と、流動材料を金型内に注入する注入工程と、金型内に注入された流動材料を冷却して射出成形体を得る冷却工程と、を含む方法であってよい。
加熱工程における加熱温度は、特に限定されず、射出成形用組成物が十分な流動性を発現できる温度(すなわち、十分な流動性を有する流動材料が得られる温度)であればよい。加熱温度は、例えば120℃以上であってよく、130℃以上であることが好ましい。また、加熱温度は、例えば150℃以下であってよく、140℃以下であることが好ましい。
加熱工程では、加圧下で加熱してもよい。加圧条件は、特に限定されず、射出成形用組成物が十分な流動性を発現できる条件であればよい。加圧条件は、例えば、20MPa以上であってよく、25MPa以上であることが好ましい。また、加圧条件は、例えば、45MPa以下であってよく、30MPa以下であることが更に好ましい。
注入工程では、金型内に流動材料が注入される。このとき、金型内の細部にまで流動材料が注入されるように、流動材料に圧力を付すことが好ましい。また、注入工程では、金型内が十分に充填される前に流動材料が固化することを防ぐため、金型が加熱されていることが好ましい。これらの圧力及び加熱の条件は、流動材料の流動性及び金型内の形状等に応じて適宜調整できる。
冷却工程では、金型内に注入された流動材料が冷却されて固化し、金型内の形状に対応した形状の成形体が得られる。冷却方法は特に限定されず、公知の方法から適宜選択できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<クモ糸フィブロイン様タンパク質の製造>
(1)プラスミド発現株の作製
ネフィラ・クラビペス(Nephila clavipes)由来のフィブロイン(GenBankアクセッション番号:P46804.1、GI:1174415)の塩基配列及びアミノ酸配列に基づき、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する改変フィブロイン(以下、「PRT799」ともいう。)を設計した。なお、配列番号1で示されるアミノ酸配列は、ネフィラ・クラビペス由来のフィブロインのアミノ酸配列に対して、生産性の向上を目的としてアミノ酸残基の置換、挿入及び欠失を施したアミノ酸配列を有し、さらにN末端に配列番号6で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されている。
次に、PRT799をコードする核酸を合成した。当該核酸には、5’末端にNdeIサイト及び終止コドン下流にEcoRIサイトを付加した。当該核酸をクローニングベクター(pUC118)にクローニングした。その後、同核酸をNdeI及びEcoRIで制限酵素処理して切り出した後、タンパク質発現ベクターpET-22b(+)に組換えて発現ベクターを得た。
(2)タンパク質の発現
配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸を含むpET22b(+)発現ベクターで、大腸菌BLR(DE3)を形質転換した。当該形質転換大腸菌を、アンピシリンを含む2mLのLB培地で15時間培養した。当該培養液を、アンピシリンを含む100mLのシード培養用培地(表1)にOD600が0.005となるように添加した。培養液温度を30℃に保ち、OD600が5になるまでフラスコ培養を行い(約15時間)、シード培養液を得た。
Figure 0007366359000001
当該シード培養液を500mLの生産培地(表2)を添加したジャーファーメンターにOD600が0.05となるように添加した。培養液温度を37℃に保ち、pH6.9で一定に制御して培養した。また培養液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素飽和濃度の20%に維持するようにした。
Figure 0007366359000002
生産培地中のグルコースが完全に消費された直後に、フィード液(グルコース455g/1L、Yeast Extract 120g/1L)を1mL/分の速度で添加した。培養液温度を37℃に保ち、pH6.9で一定に制御して培養した。また培養液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素飽和濃度の20%に維持するようにし、20時間培養を行った。その後、1Mのイソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)を培養液に対して終濃度1mMになるよう添加し、目的のタンパク質を発現誘導させた。IPTG添加後20時間経過した時点で、培養液を遠心分離し、菌体を回収した。IPTG添加前とIPTG添加後の培養液から調製した菌体を用いてSDS-PAGEを行い、IPTG添加に依存した目的とするタンパク質サイズのバンドの出現により、目的とするタンパク質の発現を確認した。
(3)タンパク質の精製
IPTGを添加してから2時間後に回収した菌体を20mM Tris-HCl buffer(pH7.4)で洗浄した。洗浄後の菌体を約1mMのPMSFを含む20mMTris-HCl緩衝液(pH7.4)に懸濁させ、高圧ホモジナイザー(GEA Niro Soavi社製)で細胞を破砕した。破砕した細胞を遠心分離し、沈殿物を得た。得られた沈殿物を、高純度になるまで20mMTris-HCl緩衝液(pH7.4)で洗浄した。洗浄後の沈殿物を100mg/mLの濃度になるように8M グアニジン緩衝液(8Mグアニジン塩酸塩、10mMリン酸二水素ナトリウム、20mMNaCl、1mMTris-HCl、pH7.0)で懸濁し、60℃で30分間、スターラーで撹拌し、溶解させた。溶解後、透析チューブ(三光純薬株式会社製のセルロースチューブ36/32)を用いて水で透析を行った。透析後に得られた白色の凝集タンパク質を遠心分離により回収し、凍結乾燥機で水分を除き、凍結乾燥粉末を回収することにより、クモ糸フィブロイン様タンパク質「PRT799」を得た。
<クモ糸フィブロイン様タンパク質繊維の調製>
(1)ドープ液の調製
ジメチルスルホキシド(DMSO)に、上述のクモ糸フィブロイン様タンパク質(PRT799)を濃度24質量%となるよう添加した後、溶解促進剤としてLiClを濃度4.0質量%となるように添加した。その後、シェーカーを使用して、クモ糸フィブロイン様タンパク質を3時間かけて溶解させ、DMSO溶液を得た。得られたDMSO溶液中のゴミと泡を取り除き、ドープ液とした。ドープ液の溶液粘度は90℃において5000cP(センチポアズ)であった。
(2)紡糸
上記のようにして得られたドープ液と図1に示される紡糸装置10を用いて公知の乾湿式紡糸を行って、クモ糸フィブロイン様タンパク質からなるモノフィラメントを得た。なお、ここでは、乾湿式紡糸を下記の条件で行った。
押出しノズル直径:0.1mm
押出し速度:327.6mL/時間
凝固液(メタノール)の温度:2℃
巻取り速度:99.5m/分
延伸倍率:4.52倍
乾燥温度:80℃
エアギャップ長さ:5mm
<タンパク質短繊維の調製>
クモ糸フィブロイン様タンパク質繊維(PRT799)を卓上型繊維切断機(NP-300、インテック株式会社製)を用いて平均長さ5mmにカットして、タンパク質短繊維を得た。
(実施例1)
得られたタンパク質短繊維とポリプロピレン(AZ864E4、住友化学株式会社製)とを、1.25:98.75(質量比)の割合で混練し、ペレット化することにより、ペレット状の混練物を得た。混練はミキサーで行った。次いで、ペレット状の混練物を成形原料として、射出成形機(EC40N、東芝機械株式会社製)を用いた射出成形を行い、150mm×150mm×3mmの射出成形体を得た。
<曲げ試験1>
得られた射出成形体を、一方向(以下、縦方向)及びそれに直交する方向(以下、横方向)の2方向でそれぞれ80mm×25mmにカットして曲げ試験用の試験片とした。試験機(島津製作所製、AG-50kNX)を用いて試験片の最大曲げ応力及び最大曲げ応力発現時の降伏歪みを測定した。なお、支点間距離は40mm、試験速度は5mm/min、圧子半径は5mm、支点半径は2mmとした。結果を表3に示す。表3中、降伏歪みは、最大曲げ応力発現時の降伏歪みを示す。
(比較例1)
タンパク質短繊維を用いず、ポリプロピレンを成形原料として実施例1と同様の射出成形を行い、射出成形体を得た。得られた射出成形体について、実施例1と同様に最大曲げ応力及び最大曲げ応力発現時の降伏歪みを測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007366359000003
(実施例2)
タンパク質短繊維とポリプロピレン(MA3N、日本ポリプロ株式会社製)とを、1:9(質量比)の割合で混練し、ペレット化することにより、ペレット状の混練物を得た。混練はミキサーで行った。次いで、ペレット状の混練物を、射出成形機(EC40N、東芝機械株式会社製)を用いて射出成形し、ISO20753で規定されるタイプA1多目的試験片を得た。
<曲げ試験2>
得られた射出成形体について、ISO178に従って曲げ試験を行い、曲げ弾性率及び曲げ強度を測定した。なお、試験速度は5mm/minとした。結果を表4に示す。
<引張試験>
得られた射出成形体について、ISO527-1に従って引張試験を行い、引張強度を測定した。なお、試験速度は5mm/minとした。結果を表4に示す。
<衝撃試験>
得られた射出成形体について、ISO179-1に従って衝撃試験(ノッチ付シャルピー)を行い、衝撃強度を測定した。結果を表4に示す。
<荷重たわみ温度>
得られた射出成形体について、ISO75-1に従ったフラットワイズ法により、荷重たわみ温度(HDT)を測定した。結果を表4に示す。
(比較例2)
タンパク質短繊維を用いず、ポリプロピレンを成形原料として実施例2と同様の射出成形を行い、射出成形体を得た。得られた射出成形体について、実施例2と同様に曲げ弾性率、曲げ強度、引張強度、衝撃強度及び荷重たわみ温度(HDT)を測定した。結果を表4に示す
Figure 0007366359000004
1…押出し装置、4…乾燥装置、6…ドープ液、10…紡糸装置、20…凝固浴槽、21…洗浄浴槽、36…タンパク質繊維。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散した繊維長1mm以上24mm以下のタンパク質短繊維と、を含み、
    前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、
    前記タンパク質短繊維がクモ糸フィブロイン様タンパク質繊維を含有する、射出成形体。
  2. 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンを含有する、請求項に記載の射出成形体。
  3. 熱可塑性樹脂と、繊維長1mm以上24mm以下のタンパク質短繊維と、を含み、
    前記タンパク質短繊維がクモ糸フィブロイン様タンパク質繊維を含有する、射出成形用組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンを含有する、請求項に記載の射出成形用組成物。
  5. 請求項3又は4に記載の射出成形用組成物を加熱して、流動材料を得る加熱工程と、
    前記流動材料を金型内に注入する注入工程と、
    前記金型内に注入された前記流動材料を冷却して射出成形体を得る冷却工程と、
    を含む、射出成形体の製造方法。
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