JP7365221B2 - 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法 - Google Patents

半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7365221B2
JP7365221B2 JP2019224586A JP2019224586A JP7365221B2 JP 7365221 B2 JP7365221 B2 JP 7365221B2 JP 2019224586 A JP2019224586 A JP 2019224586A JP 2019224586 A JP2019224586 A JP 2019224586A JP 7365221 B2 JP7365221 B2 JP 7365221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor manufacturing
manufacturing equipment
holding member
alumina
holding device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019224586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021093488A (ja
Inventor
陽一 伊藤
元樹 堀田
貴道 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2019224586A priority Critical patent/JP7365221B2/ja
Publication of JP2021093488A publication Critical patent/JP2021093488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7365221B2 publication Critical patent/JP7365221B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法に関する。
半導体製造装置に使用されるアルミナ質耐食部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているアルミナ質耐食部材は、アルミナを主体として、所定量の希土類元素を含み、アルミナ結晶の粒界にRE-AL-O結合を有している。
特許第3971539号公報
特許文献1に記載されたアルミナ質耐食部材は、粒界相の耐食性をアルミナ結晶よりも向上させ、高耐食性を有する。しかしながら、当該部材の表面に存在する結晶相の種類などによっては、例えばプラズマなどにさらされると、各相における耐食性の違いにより、浸食されやすい相と、浸食されづらい相とが発生する。この結果、プラズマなどにさらされると、浸食されやすい相の浸食が進行し、浸食されづらい相の粒子が凸形状に表面に残った状態となりやすい。この浸食されづらい相の粒子は、さらなる浸食されやすい相の浸食の進行によって表面から脱落し、パーティクルの原因となるおそれがある。また、アルミナ質耐食部材が例えば半導体製造装置のウェハー載置面として使用されると、浸食されづらい相の粒子とウェハーとに局所的な擦れが生じ、浸食されづらい粒子の一部が欠け、パーティクルの原因となるおそれがある。またパーティクルの原因とはならない場合でも、浸食の進行に伴って表面の凹凸が大きくなりやすく、ウェハー載置面のガスシール性およびチャック力の低下が生じるおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、高耐食性を有し、プラズマなどにさらされた場合の浸食によって生じるパーティクルの発生および表面の凹凸の増大を抑制する半導体製造装置用部品を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、Al23を主成分とし、Gd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含むセラミックス部を備える半導体製造装置用部品が提供される。この半導体製造装置用部品は、前記セラミックス部の表面のX線回折法により検出される結晶相が、α-Al23(コランダム)構造の単相からなる。
この構成の表面は、ガドリニウム元素を含んでいるため、純粋なアルミナに比較して、粒界のプラズマに対する耐食性が高くなり、焼結性が向上する。また、本構成の表面は、α-Al23(コランダム)構造の単相で形成されている。換言すると、本構成の表面は、GdAlO3などの二次相を含んでいない。そのため、本構成の表面は、耐食性の異なる複数の相を含まない。そのため、例えば、本構成が半導体製造装置のウェハー載置面に使用されると、ウェハー載置面に浸食の進行度合いが異なる複数の相が存在せず、浸食されづらい粒子の一部が欠けてパーティクルとして発生することを抑制できる。また、ウェハー載置面での凹凸の増大が抑制されるため、ウェハー載置面のガスシール性およびチャック力の低下を抑制できる。
(2)上記態様の半導体製造装置用部品において、前記結晶相の粒径は、1.5μm以下であってもよい。
この構成の表面では、結晶相の粒径が1.5μm以下と小さい。そのため、表面に凹凸が発生したとしても、凹凸の大きさ自体が大きくなく、本構成が使用された場合に凹凸の影響が少なくなる。
(3)本発明の他の一形態によれば、セラミックスにより形成され、第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、前記第2の面と内部とのいずれか一方に形成された電極と、を有する保持部材であって、前記第1の面に、前記保持部材の外縁に沿って連続して形成された凸状のシールバンド部を有する保持部材と、前記保持部材の前記第2の面において接合されたベース部材と、を備えた、前記保持部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置が提供される。この保持装置は、前記保持部材が、上記態様の半導体製造装置用部品を含み、前記シールバンド部のうち、前記対象物が保持される面は、前記セラミックス部の表面である。
この構成によれば、対象物と接触して保持するシールバンドの面は、アルミナを主成分としガドリニウム元素を含むコランダム構造の単相で形成されている。そのため、シールバンド部の表面に生じる凹凸の増大を小さくできる。これにより、対象物がシールバンド部によって保持された際のガスシール性およびチャック力の低下を抑制できる。また、シールバンド部の表面は、単相で形成されているため、浸食度合いの異なりによって発生するパーティクルを低減できる。
(4)上記態様の保持装置において、前記第1の面は、さらに、前記シールバンド部の内側において、複数の凸部からなるエンボスパターン部を有し、前記エンボスパターン部のうち、前記対象物が保持される側の面が、前記セラミックス部の表面であってもよい。
この構成によれば、対象物を保持するシールバンド部に加えて、対象物を保持するエンボスパターンの表面も、アルミナを主成分としガドリニウム元素を含むコランダム構造の単相で形成されている。そのため、シールバンド部の表面に加えてエンボスパターンの表面での凹凸の増大が抑制される。これにより、対象物がシールバンド部およびエンボスパターンの表面によって保持された際のガスシール性およびチャック力の低下が抑制される。また、シールバンド部およびエンボスパターンの表面は、単相で形成されているため、浸食度合いの異なりによって発生するパーティクルを低減できる。
(5)本発明の他の一形態によれば、上記態様の半導体製造装置用部品の製造方法が提供される。この製造方法は、Al23原料と、Gd23原料とをアルコール中で混合して乾燥させる粉末作製工程と、前記粉末作製工程によって得られた混合粉末を、成形して1250℃以上1400℃以下で焼成する焼成工程と、を備える。
この構成によれば、表面がアルミナを主成分としガドリニウム元素を含むコランダム構造の単相で形成された半導体製造装置用部品を製造できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、半導体製造装置用部品、半導体製造装置、保持装置、静電チャック、およびこれらを備える部品、および半導体製造装置用部品の製造方法等の形態で実現することができる。
本実施形態のアルミナ質耐食部材の表面を拡大した画像である。 比較例のアルミナ質部材の表面を拡大した画像である。 アルミナ質耐食部材の製造方法のフローチャートである。 アルミナ質耐食部材の実施例およびアルミナ質部材の比較例についての説明図である。 アルミナ質耐食部材を使用した半導体ウェハーの保持装置の概略断面図である。 保持装置の概略上面図である。 図6におけるA-A断面の拡大概略図である。
<実施形態>
本発明の実施形態としてのアルミナ質耐食部材10は、半導体製造装置用部品として用いられ、プラズマに対する耐食性に優れる。アルミナ質耐食部材10は、Al23(アルミナ)を主成分とし、Gd23換算で0.05mol%(0.01mol%以上0.1mol%以下)のGd(ガドリニウム)元素を含むセラミックス部5を備えている。
セラミックス部5の表面の結晶相は、α-Al23(コランダム)構造の単相のみからなる。換言すると、セラミックス部5の表面の結晶相は、例えば、GdAlO3(ペロブスカイト構造),GdAl1118(β-アルミナ構造)、Gd3Al512(ガーネット構造)、Gd4Al29(モノクリニック構造)、Gd23、およびGdOのいずれの二次相も含んでいない。なお、表面の結晶相は、XRD(X‐ray diffraction:X線回折法)により検出される。本実施形態のXRDの測定条件としては、波長がCuKαであり、X線の出力が45kV,200mA、集中法、2θ/θ法、スキャンスピード4°/min、スキャン範囲20.0~80.0°である。
図1は、本実施形態のアルミナ質耐食部材10の表面を拡大した画像IM1である。図2は、比較例のアルミナ質部材11の表面を拡大した画像IM2である。画像IM1,IM2には、鏡面研磨された各部材10,11の表面にプラズマエッチングが行われた後、SEM(Scanning Electron Microscope)観察した場合の拡大画像が示されている。画像IM1,IM2の拡大倍率は、図1,2内に示される白線の実線の長さが20μmとなる倍率である。
図1に示されるアルミナ質耐食部材10の全体は、セラミックス部5で構成されている。図2に示されるアルミナ質部材11は、セラミックス部5と、図2中に白点で示される二次相部6とを含んでいる。アルミナ質部材11における二次相部6は、GdAlO3およびGdAl1118の二次相で構成されている。
図3は、アルミナ質耐食部材10の製造方法のフローチャートである。アルミナ質耐食部材10の製造方法では、初めに、予め測定した量のAl23原料と、Gd23原料とをエタノール中でボールミル混合して乾燥させる粉末作製工程が行われる(ステップS1)。Gd23原料の添加量は、Al23原料に対して0.05mol%である。なお、Gd23の含有量は、ICP発光分析で調べることができる。次に、前記粉末作製工程によって得られた混合粉末が、ホットプレス装置により成形されて1400℃(1250℃以上1400℃以下)で焼成される焼成工程が行われ(ステップS2)、アルミナ質耐食部材10が製造される。
図4は、アルミナ質耐食部材の実施例1~7およびアルミナ質部材の比較例1~8についての説明図である。図4には、実施例1~7および比較例1~8を製造する際の各種条件および製造後の実施例1~7および比較例1~8の測定値の一覧表が示されている。具体的には、製造する際の各種条件として、粉末作製工程(図3のステップS1)においてAl23原料に加えられるGd23添加量(mol%)およびMgOの添加量(mol%)と、焼成工程(ステップS2)の焼成温度が示されている。なお、比較例7,8では、Gd元素の代わりに、Y(イットリウム)元素とYb(イッテルビウム)元素を含んでいる。そのため、比較例7,8の材料として、Y23,Yb23が0.05mol%加えられる。
図4に示される製造後の実施例1~7および比較例1~8の測定値として、鏡面研磨された表面にプラズマエッチングを行った後のXRDにより検出された主相および副相(二次相)1,2と、当該表面の主相の粒子径(μm)と、表面粗さ(算術平均高さ)Sa(μm)とが示されている。本明細書では、粒子径の測定はインターセプト法により行われている。具体的には、測定対象に対して鏡面研磨が行われた後、プラズマエッチングが行われた表面がSEM観察され、表面の拡大画像が得られる。得られた二次電子像の画像上に長さLの直線が引かれた際に、直線が横切る粒子の数nが測定される。なお、直線の両端が内部にある粒子は0.5個として数えられる。その後に、下記式(1)によって平均粒径D(μm)が算出される。
D=1.5×L/n・・・(1)
また、本実施形態では、凹凸の大きさとして図4に示される表面粗さSaを用いて評価した。本実施形態では、表面粗さSaの測定は、ISO25178規格に準拠した装置で測定されている。当該装置は、垂直走査型低コヒーレンス干渉法を用いて、表面粗さSaを測定する。
図4に示されるように、実施例1~7の各サンプルの表面は、XRD検出によってα-Al23(コランダム)構造の単相のみから成る。実施例1~6の表面では、粒子径が1.5μm以下であり、表面粗さSaが0.015μmよりも小さい。実施例7の表面では、粒子径が1.5μmよりも大きく、表面粗さSaが0.020μmよりも小さい。なお、図1の画像IM1に示されるアルミナ質耐食部材10は、実施例3のサンプルである。
一方で、比較例1~8の内の比較例1のサンプルの表面は、XRD検出によってα-Al23(コランダム)構造の単相のみからなるものの、粒子径が1.5μmよりも大きく、表面粗さSaが0.015μmよりも大きい。なお、比較例1のサンプルに添加されたGd23の量は、0.005mol%(<0.01mol%)である。比較例2,3は、XRD検出によってα-Al23(コランダム)構造以外の副相1,2を含み、粒子径が1.5μmよりも大きく、表面粗さSaが0.015μmよりも大きい。なお、図2の画像IM2に示されるアルミナ質部材11は、比較例2のサンプルである。比較例4~6は、XRD検出によってα-Al23(コランダム)構造以外の副相1を含み、粒子径が1.5μm以下であり、表面粗さSaが0.015μmよりも小さい。比較例7,8は、XRD検出によってα-Al23(コランダム)構造以外の副相1を含み、粒子径が1.5μmよりも大きく、表面粗さSaが0.015μmよりも大きい。
図4に示される製造条件およびサンプルの測定値から、実施例1~7は、下記条件1,2を満たしている。
条件1:Gd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含む
条件2:XRD回折によりサンプルの表面から検出される結晶相がα-Al23(コランダム)構造の単相からなる
一方で、比較例1~8の内、条件2のみを満たす比較例1は、表面粗さSaが0.020以上である。残りの比較例2~8は、条件2を満たしていない、すなわち、耐食性が異なる複数の相が表面に存在している。そのため、比較例2~8は、プラズマエッチングが継続すると、浸食された表面から、浸食されずに残る副相の粒子が脱落して、パーティクルの原因となるおそれがある。
以上説明したように、本実施形態のアルミナ質耐食部材10は、Al23(アルミナ)を主成分とし、Gd23換算で0.05mol%(0.01mol%以上0.1mol%以下)のGd(ガドリニウム)元素を含むセラミックス部5を備えている。表面にGd元素が含まれることにより、粒界のプラズマ耐食性が強化され、焼結性が向上する。また、耐食性セラミックス部5の表面の結晶相は、α-Al23(コランダム)構造の単相のみからなる。すなわち、セラミックス部5の表面は、GdAlO3などの耐食性の異なる二次相を含んでいない。そのため、表面がプラズマエッチングされても、各相の異なる度合いの浸食によって生じる表面の凹凸の増大が抑制される。これにより、アルミナ質耐食部材10が半導体製造装置のウェハー載置面などに使用されても、二次相の粒子の一部が欠けることによるパーティクルの発生が抑制される。また、ウェハー載置面での凹凸の増大が抑制されるため、ウェハー載置面のガスシール性およびチャック力の低下が抑制される。
また、本実施形態のセラミックス部5の表面における結晶相の粒径は、1.5μm以下である。そのため、粒径が十分に小さいため、プラズマエッチング後の表面の凹凸の増大が抑制される。
図5は、アルミナ質耐食部材10を使用した半導体ウェハー(対象物)Wの保持装置100の概略断面図である。保持装置100は、プラズマエッチングやイオン注入、電子ビーム露光等を行う半導体製造装置の一部である。保持装置100は、半導体ウェハーW(以下、単に「ウェハーW」とも呼ぶ)の固定・平面度矯正・搬送等を行い、かつ、ウェハーWを冷却するための静電チャックとして利用される。
図5には、保持装置100と、保持装置100によって保持されるウェハーWとの概略断面図が示されている。図5に示されるように、保持装置100は、セラミックスにより形成されて載置面(第1の面)23にウェハーWを保持する保持部材20と、保持部材20の他方の面である接合面(第2の面)24に接合層40を介して接合されるベース部材30とを備えている。なお、ウェハーWを保持する保持部材20の載置面23は、図1では簡略化して示されているが、後述するシールバンド部26や複数のエンボス27が形成されている。
保持部材20は、例えばアルミナ、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、イットリア、窒化アルミニウムといったセラミックスにより形成されている多層構造の焼結体である。保持部材20の内部には、導電体としての複数の電極21が埋設されている。ウェハーWが載置面23に載置された状態で、電極21に電圧が印加されると静電力が発生し、ウェハーWは載置面23に固定される。
保持部材20の内部には、保持部材20の接合面24と載置面23とを積層方向に貫通する貫通孔であるガス流路22が設けられている。ガス流路22は、後述するベース部材30のガス供給孔31から供給される、ウェハーWを冷却するための不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を載置面23上に供給するための孔である。図5に示されるように、ガス流路22は、載置面23上に複数の噴出口を有する。
ベース部材30は、例えばアルミニウム、ステンレスといった金属によって形成されている。ベース部材30の内部には、積層方向を貫通するようにガス供給孔31が形成されている。ポンプ等の機器により供給される不活性ガスは、ガス供給孔31を介して、保持部材20のガス流路22へと供給される。
図6は、保持装置100の概略上面図である。図7は、図6におけるA-A断面の拡大概略図である。図6に示されるように、保持部材20およびベース部材30の形状は、中心Oを中心とする略円盤状である。載置面23には、複数のガス流路22の出口が形成されている。また、図6および図7に示されるように、載置面23は、平面25と、平面25の外縁に沿って連続して形成された凸状のシールバンド部26と、シールバンド部26の内側において平面25から突出している複数の円柱状のエンボス27とを備えている。載置面23は、Al23を主成分とし、Gd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含んでいる。シールバンド部26のうち、ウェハーWが保持される面と、複数のエンボス27のうち、ウェハーWが保持される側の面とは、XRDにより検出される相が、α-Al23(コランダム)構造の単相からなる。そのため、ウェハーWは、保持部材20に保持されると、セラミックス部5で形成されたシールバンド部26およびエンボスの表面に吸着する。なお、シールバンド部26の内側における平面25および複数のエンボス27を合わせた領域は、エンボスパターン部に相当する。
アルミナ質耐食部材10が保持部材20に使用される場合には、アルミナ質耐食部材10の原料である混合粉末が事前に予備プレスによって成形される。保持部材20の電極21用の金属メッシュまたは金属箔が配置された状態で、プレス成形体の間に予備プレスされた混合粉末が配置されて、ホットプレスによって焼成される。焼成後に、研削加工によって加工されて、シールバンド部26およびエンボス27の表面にセラミックス部5の表面が形成された保持部材20が製造される。
以上説明したように、保持装置100は、セラミックで形成された保持部材20と、保持部材20に接合されたベース部材30とを備えている。保持部材20は、内部に形成された電極21と、載置面23の外縁に沿って連続して形成されたシールバンド部26とを有している。ウェハーWを保持する載置面23のシールバンド部26の表面は、セラミックス部5の表面で形成されている。そのため、保持部材20がウェハーWを保持した際にウェハーWに接触するシールバンド部26の表面は、Al23を主成分としGd元素を含むコランダム構造の単相で形成されている。そのため、保持部材20が、ウェハーWの固定・平面度矯正・搬送等を行い、かつ、ウェハーWを冷却するための静電チャックとして使用されても、シールバンド部26の表面に生じる凹凸の増大が抑制される。これにより、不活性ガスのシール性の低下および静電チャック時のチャック力の低下が抑制される。また、シールバンド部26の表面は、純粋なアルミナよりも耐食性が高い単相で形成されているため、プラズマエッチングなどの浸食により、表面から発生するパーティクル源が低減する。
また、シールバンド部26の表面に加えて、保持部材20におけるエンボス27の表面は、セラミックス部5の表面で形成されている。すなわち、ウェハーWの保持時に、ウェハーWに接触するエンボス27の表面は、Al23を主成分としGd元素を含むコランダム構造の単相で形成されている。そのため、保持部材20の使用によって、エンボス27の表面に生じる凹凸の増大が抑制される。これにより、不活性ガスのシール性の低下および静電チャック時のチャック力の低下が抑制される。また、プラズマエッチングなどの浸食により、表面から発生するパーティクル源が低減する。なお、エンボス27およびシールバンド部26の表面はセラミックス部5の表面と同じように、XRDにより結晶相が測定される。測定方法としては、例えば、保持部材20のエンボス27またはシールバンド部26の表面を含むように1cm角に切り出し、エンボス27またはシールバンド部26の表面のみが測定範囲となるようにX線を細く絞って照射することで、当該表面が測定される。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、半導体製造装置用部品の一例としてのアルミナ質耐食部材10および実施例1~7について説明したが、その他の半導体製造装置用部品と態様として種々変形可能である。他の実施形態のアルミナ質耐食部材は、Al23を主成分としてGd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含み、セラミックス部の表面の結晶相がα-Al23(コランダム)構造の単相からなっていればよい。例えば、アルミナ質耐食部材は、焼結助剤として機能するMgOを混合粉末の材料として含んでいてもよい。なお、この場合のMgOは、0.2mol%以下が好ましい。0.2mol%より大きいと、例えばMgAl24やMgO等の二次相が生じやすく、好ましくない。また、アルミナ質耐食部材における結晶相の粒径は、1.5μmよりも大きくてもよい。
上記実施形態のアルミナ質耐食部材10の製造方法は、一例であって、その他の製造方法によってアルミナ質耐食部材10が製造されてもよい。例えば、焼成温度が1240℃(<1250℃)であっても、製造されたアルミナ質耐食部材が、Al23を主成分としてGd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含み、セラミックス部の表面の結晶相がα-Al23(コランダム)構造の単相からなっていればよい。例えば、粉末作製工程でエタノール以外のアルコールが用いられてもよいし、水等アルコール以外の分散媒が用いられてもよい。
また、上記実施形態の保持装置100は、一例であって、保持装置100の各構成および形状については、種々変形可能である。例えば、保持部材20とベース部材30とを接合するために、接合層30以外の方法が用いられてもよく、例えばボルト締結であってもよい。保持部材20内に埋設された電極21は、保持部材20の接合面24に形成されてもよい。保持部材20のガス流路22およびベース部材30のガス供給孔31は、載置面23とウェハーWとの間に不活性ガスを供給可能な範囲で、種々変形可能である。平面25に形成されるエンボス27の各形状および大きさは異なっていてもよいし、平面25に対する配置も変形可能である。エンボス27が平面25に形成されていなくてもよい。シールバンド部26の表面にセラミックス部5の表面が形成され、エンボス27の表面にセラミックス部5の表面が形成されていなくてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
5…セラミックス部
6…二次相部
10…アルミナ質耐食部材(半導体製造装置用部品)
11…アルミナ質部材
20…保持部材
21…電極
22…ガス流路
23…載置面(第1の面)
24…接合面(第2の面)
25…平面(エンボスパターン部)
26…シールバンド部
27…エンボス(エンボスパターン部)
30…ベース部材
32…ガス供給孔
40…接合層
100…保持装置
D…平均粒径
IM1,IM2…画像
L…直線の長さ
n…粒子の数
O…中心
W…半導体ウェハー(対象物)

Claims (5)

  1. Al23を主成分とし、Gd23換算で0.01mol%以上0.1mol%以下のGd元素を含むセラミックス部を備える半導体製造装置用部品において、
    前記セラミックス部の表面のX線回折法により検出される結晶相が、α-Al23(コランダム)構造の単相からなること、を特徴とする半導体製造装置用部品。
  2. 請求項1に記載の半導体製造装置用部品であって、
    前記結晶相の粒径は、1.5μm以下であること、を特徴とする半導体製造装置用部品。
  3. セラミックスにより形成され、第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、前記第2の面と内部とのいずれか一方に形成された電極と、を有する保持部材であって、前記第1の面に、前記保持部材の外縁に沿って連続して形成された凸状のシールバンド部を有する保持部材と、
    前記保持部材の前記第2の面において接合されたベース部材と、
    を備えた、前記保持部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置であって、
    前記保持部材が、請求項1または請求項2に記載の半導体製造装置用部品を含み、
    前記シールバンド部のうち、前記対象物が保持される面は、前記セラミックス部の表面であること、を特徴とする保持装置。
  4. 請求項3に記載の保持装置であって、
    前記第1の面は、さらに、前記シールバンド部の内側において、複数の凸部からなるエンボスパターン部を有し、
    前記エンボスパターン部のうち、前記対象物が保持される側の面が、前記セラミックス部の表面であること、を特徴とする保持装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の半導体製造装置用部品の製造方法であって、
    Al23原料と、Gd23原料とをアルコール中で混合して乾燥させる粉末作製工程と、
    前記粉末作製工程によって得られた混合粉末を、成形して1250℃以上1400℃以下で焼成する焼成工程と、
    を備えること、を特徴とする製造方法。
JP2019224586A 2019-12-12 2019-12-12 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法 Active JP7365221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019224586A JP7365221B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019224586A JP7365221B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021093488A JP2021093488A (ja) 2021-06-17
JP7365221B2 true JP7365221B2 (ja) 2023-10-19

Family

ID=76312736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019224586A Active JP7365221B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7365221B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118043292A (zh) * 2021-10-18 2024-05-14 日本特殊陶业株式会社 氧化铝质烧结体和静电卡盘

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001130949A (ja) 1999-10-29 2001-05-15 Kyocera Corp アルミナ質耐食部材
WO2007083828A1 (ja) 2006-01-19 2007-07-26 Ube Industries, Ltd. セラミックス複合体光変換部材およびそれを用いた発光装置
JP2009302346A (ja) 2008-06-13 2009-12-24 Shinko Electric Ind Co Ltd 基板温調固定装置
JP2011151336A (ja) 2009-12-21 2011-08-04 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 静電チャック、その製造方法及び静電チャック装置
JP2012178552A (ja) 2011-02-04 2012-09-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 静電チャック部材

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3743462B2 (ja) * 1996-07-01 2006-02-08 宇部興産株式会社 セラミックス複合材料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001130949A (ja) 1999-10-29 2001-05-15 Kyocera Corp アルミナ質耐食部材
WO2007083828A1 (ja) 2006-01-19 2007-07-26 Ube Industries, Ltd. セラミックス複合体光変換部材およびそれを用いた発光装置
JP2009302346A (ja) 2008-06-13 2009-12-24 Shinko Electric Ind Co Ltd 基板温調固定装置
JP2011151336A (ja) 2009-12-21 2011-08-04 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 静電チャック、その製造方法及び静電チャック装置
JP2012178552A (ja) 2011-02-04 2012-09-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 静電チャック部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021093488A (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10982331B2 (en) Method for forming ceramic coating having improved plasma resistance and ceramic coating formed thereby
US6632549B1 (en) Corrosion-resistant member, wafer-supporting member, and method of manufacturing the same
US6623595B1 (en) Wavy and roughened dome in plasma processing reactor
US9136031B2 (en) Alumina sintered body, member including the same, and semiconductor manufacturing apparatus
JP4679366B2 (ja) Y2o3質焼結体、耐食性部材およびその製造方法並びに半導体・液晶製造装置用部材
KR102242191B1 (ko) 반도체 제조 장치용 부재, 및 반도체 제조 장치용 부재를 구비한 반도체 제조 장치, 및 디스플레이 제조 장치
US20220388909A1 (en) Plasma resistant yttrium aluminum oxide body
KR20170009755A (ko) 에칭 챔버 컴포넌트들로서 소결된 나노입자 이트륨계 세라믹스의 사용
US20130201598A1 (en) Electrostatic chuck and method of manufacturing electrostatic chuck
JP2004262750A (ja) 窒化アルミニウム質材料および半導体製造装置用部材
JP7365221B2 (ja) 半導体製造装置用部品、保持装置、および半導体製造装置用部品の製造方法
KR102499540B1 (ko) 반도체 제조 장치용 부재, 및 반도체 제조 장치용 부재를 구비한 반도체 제조 장치, 및 디스플레이 제조 장치
KR20230107853A (ko) 플라즈마 저항성 이트륨 알루미늄 산화물 챔버 구성요소
JP7397974B2 (ja) 通気性部材、半導体製造装置用部材、プラグおよび吸着部材
JP2010006641A (ja) 耐食性部材およびこれを用いた処理装置
US20240158301A1 (en) Multilayer sintered ceramic body and method of making
JP2002068838A (ja) 耐プラズマ性部材およびその製造方法
WO2021241645A1 (ja) 通気性プラグ、基板支持アセンブリおよびシャワープレート
KR20200104810A (ko) 반도체 제조 장치용 부재, 및 반도체 제조 장치용 부재를 구비한 반도체 제조 장치, 및 디스플레이 제조 장치
US20220055950A1 (en) Sintered body
TWI845877B (zh) 燒結體
WO2022163150A1 (ja) 焼結体
CN112889135A (zh) 多孔质陶瓷、半导体制造装置用构件、簇射板和插塞
WO2023068159A1 (ja) アルミナ質焼結体、および静電チャック
US11802085B2 (en) Composite structure and semiconductor manufacturing apparatus including composite structure

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7365221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150