JP3743462B2 - セラミックス複合材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は室温から高温までの広い範囲にわたって機械的強度が大きく、かつ、組織の熱安定性が良好であり、高温に暴露される構造材料や機能材料として好適に使用することのできるセラミックス複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温下で用いられるセラミックス材料として、SiCあるいはSi34のモノリシック材料やセラミックス複合材料は比較的高温まで耐える構造材料として幅広い研究が世界的に進められているが、これらの材料は高温特性が充分ではなく、実用化する上で問題になっている。その代替材料としてSEP社の化学気相含浸法によるSiC/SiC複合材料が脚光を浴び、現在では世界最高の高温材料と考えられており、その研究開発が進められているが、その大気中における使用温度範囲は1400℃以下とされている。
【0003】
セラミックスの製造法としては、現在では粉末焼結法が主流であり、粉体の微細化、高純度化等の粉末特性の向上と、よく制御された焼結条件下での製造により、室温強度3.0GPaの高強度ZrO2 セラミックスの製造ができるまでになっている。さらに、粉末焼結法により異種セラミックス粒子をナノ分散させた複合材料の製造が可能になり、強度、靱性、熱伝導率、耐熱衝撃性などの改善が試みられている。
【0004】
一般に酸化物セラミックスは高温で容易に変形するため、これまで高負荷の作用する高温構造材料としては使えないと考えられていた。しかし、これら酸化物セラミックスは高温における耐酸化性、耐腐食性ではどのタイプのセラミックスよりも優れており、高温における機械的性質さえ改善されれば高温構造材料として幅広い用途拡大が期待できる。そのような観点から、融点が2000℃を超える金属酸化物、例えば、Al23、ZrO2 、MgO、BaO、BeO、CaO、Cr23や希土類元素酸化物、例えば、Y23、La23、Yb23、Sm23、Gd23、Nd23、Er23等は高温用セラミックスとして有望と考えられる。
【0005】
特開平5−85821号には、希土類酸化物(希土類元素及びそれらの混合物の酸化物)とAl23からなる焼結体及びその製造方法が開示されている。これによれば、希土類酸化物とAl23を混合成形し、この生成形体を適性焼結温度及び適性焼結時間にて焼結することにより、該成形体の結晶粒径を30μm以下に制御して、焼結体を得る際に生じる異常粒成長及びポアの発生を抑制し、高強度、高靱性で信頼性の高い希土類酸化物アルミナ焼結体を提供できるとしている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のように製造条件あるいは原料粉末の微細化等により室温強度は大幅に改善出来ても、特に高温におけるセラミックス複合材料の機械的性質は構成物質の粒子界面の構造やマトリックス及び強化相の界面並びに結晶学的性質に大きく影響される。また、高温では組織を微細化する程超塑性現象が現れ、高温強度との共生は困難である。従って、これまでの焼結法に代わり、これらの因子の精密制御が可能な新規な製造方法及び新規な組織、界面構造を有するセラミックス複合材料の開発が必要と考えられる。
【0007】
よって本発明者は、上記のような従来技術の問題点を鑑みて、室温から高温にわたって優れた機械的強度及び組織の熱安定性を有し、特に高温におけるこれらの特性が飛躍的に改善されたセラミックス複合材料を得るべく鋭意研究を重ねてきた。
その結果、特開平7−149597号、特開平8−81257号及び特開平7−187893号に開示したα−Al23相とYAG相からなる複合材料で、それらの相が単結晶/単結晶、単結晶/多結晶、多結晶/多結晶で構成される従来に全くない新規なセラミックス複合材料を見い出した。
【0008】
本発明の目的は、前記に示したα−Al23相とYAG相からなるセラミックス複合材料に引き続き、【請求項1】に示すとおり、成分が異なる二種以上の結晶からなり、各結晶は連続的に、かつ三次元的に配列されて相互に絡み合った組織構造をしており、結晶の少なくとも一種は単結晶であることを特徴とするセラミックス複合材料で、室温から高温にわたって優れた機械的強度及び組織の熱安定性を有し、特に高温におけるこれらの特性が飛躍的に改善されたセラミックス複合材料を提供することにある。
【0009】
該セラミックス複合材料を構成する成分が異なる二種以上の結晶は、共晶系の組み合わせであればよい。特に、大気中の1,400℃以上で長時間安定して使用する高温構造部材については、金属の酸化物と二種以上の金属の酸化物から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる二種以上の酸化物から構成されるセラミックス複合材料が好適である。
金属の酸化物としては、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化シリコン(SiO2)、酸化チタン(TiO2)酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化クロミウム(Cr23)及び希土類元素酸化物(La23、Y23、CeO2、Pr611、Nd23、Sm23、Gd23、Eu23、Tb47、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23、Lu23)等々があり、これらから生成される複合酸化物は、例えば、以下のようなものが挙げられる。
LaAlO3、CeAlO3、PrAlO3、NdAlO3、SmAlO3
EuAlO3、GdAlO3、DyAlO3、ErAlO3、Yb4Al29
Er3Al512、11Al23・La23、11Al23・Nd23
3Dy23・5Al23、2Dy23・Al23、11Al23・Pr23
EuAl1118、2Gd23・Al23、11Al23・Sm23
Yb3Al512、CeAl1118、Er4Al29
【0010】
【発明を解決するための手段】
本発明の上記目的は、【請求項1】に示す、成分が異なる二種以上の結晶からなり、各結晶は連続的に、かつ三次元的に配列されて相互に絡み合った組織構造をしており、結晶の少なくとも一種は単結晶であることを特徴とするセラミックス複合材料によって達成される。このセラミックス複合材料を構成する具体的な結晶の種類としては、成分が異なる二種以上の結晶が、金属の酸化物と二種以上の金属の酸化物から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる二種以上の酸化物から構成されていることを特徴とする。また、該セラミックス複合材料が一方向凝固法により得られる凝固体であることを特徴とする。
【0011】
以下に本発明のセラミックス複合材料を詳細に説明する。
本発明のセラミックス複合材料は、一方向凝固の製造条件を制御することによって、成分が異なる二種以上の結晶相からなり、各結晶相は不定形状であり、連続的にかつ三次元的に配列されて相互に絡み合った組織構造をしたセラミックス複合材料になる。また、組織の大きさも任意に制御可能であり、さらに製造条件を精密制御することによって、結晶相の少なくとも一種は単結晶からなり、コロニー、粒界相あるいは粗大粒子のない均一な組織を有したセラミックス複合材料になる。特に、帯溶融を繰り返すことにより、不純物濃度を1000ppm以下に制御した結果、高温での曲げ試験又は引張試験において降伏して0.5%以上の塑性変形を示すようになった。なお、ここで言う塑性変形とは、結晶粒径をサブミクロンオーダーまで微細化した多結晶体に発現する粒界すべりや粒子回転によってもたらされる数百%という超塑性ではなく、結晶中の転位が移動することによって生じる変形である。
また、Journal of American Ceramics Society 79[5]1218-1222(1996)には、YAG/Al23共晶繊維の熱安定性について、1,460℃の大気中で100時間保持しただけで、組織が3〜4倍程度成長し繊維の引張り強度が半分以下になることを報告している。その理由は、結晶粒が異常成長した箇所には不純物元素としてFe及びCaが検出されたことを原因にあげている。また、本論文の組織写真から、このYAG/Al23共晶繊維はコロニーが存在する多結晶体であることは明らかである。これに対し、本発明のセラミックス複合材料は構成相はYAGとAl23であり製造方法も凝固法で同じであるにも関わらず、融点(Tm)が1,820℃に対し、0.93Tmの1700℃の大気中で1,000時間保持しても各結晶相は変化せず、極めて優れた熱安定性を示す。このことからも、本発明に示すように、セラミックス複合材料を構成する二つ以上の結晶相が連続的に、しかも、3次元的に繋がった構造をしており、少なくとも一方が単結晶であること、また、高純度化が極めて有効であることが分かる。
【0012】
本発明のセラミックス複合材料は、構成する二つ以上の結晶相が連続的に、しかも、3次元的に繋がった構造をしている。
それぞれの相の組織の大きさは一方向凝固の製造条件の一つである冷却速度を変更することによって制御可能であるが、一般には1〜30μmである。ここで、それぞれの結晶相の組織の大きさは、凝固方向に対して垂直な断面の組織の短軸の長さを組織の大きさと定義する。また、コロニーやポアが存在しない組織を均質であると定義する。
【0013】
例えば、Al23とGd23の組み合わせの場合、Al23:78mol%、Gd23:22mol%で共晶を形成するので、Al23相とAl23とGd23の複合酸化物であるペロブスカイト構造のGdAlO3相からなるセラミックス複合材料を得ることができる。本発明のセラミックス複合材料においては、原料粉末のAl23及びGd23粉末の配合割合を変えることにより、Al23相が約20〜80容積%、GdAlO3相が80〜20容積%の範囲内でその分率を変化させることができる。
この他に、【請求項1】に記載の酸化物がペロブスカイト構造を有するものには、LaAlO3、CeAlO3、PrAlO3、NdAlO3、SmAlO3、EuAlO3、DyAlO3等がある。これらのいずれかが本複合材料を構成する場合、組織が微細化し室温から高温まで機械的強度が大きいセラミックス複合材料を得ることができる。
【0014】
Al23とY23の組み合わせの場合、Al23:82mol%、Y23:18mol%で共晶を形成するので、Al23相とAl23とY23の複合酸化物であるガーネット構造のY3Al512相からなるセラミックス複合材料を得ることができる。また、本発明のセラミックス複合材料においては、原料粉末のAl23及びY23粉末の配合割合を変えることにより、Al23相が約20〜80容積%、YAG相が80〜20容積%の範囲内でその分率を変化させることができる。この他に、【請求項1】に記載の酸化物がガーネット構造を有するものには、Yb3Al512、Er3Al512等がある。これらのいずれかが本複合材料を構成する場合、クリープ強度が大きいセラミックス複合材料を得ることができる。例えば、Al23とEr23の組み合わせの場合、Al23:81.1mol%、Er23:18.9mol%で共晶を形成するので、Al23相とAl23とEr23の複合酸化物であるガーネット構造のEr3Al512相からなるセラミックス複合材料を得ることができる。
【0015】
本発明のセラミックス複合材料は、例えば以下の方法によって調製することができる。
最初に2種のセラミックス粉末を、所望する成分比率のセラミックス複合材料を生成する割合で混合して、混合粉末を調製する。混合方法については特別の制限はなく、乾式混合法及び湿式混合法のいずれも採用することができる。湿式混合法を用いる際の媒体としては、メタノール、エタノールのようなアルコールが一般に使用される。次いで、この混合粉末を公知の溶解炉、例えば、アーク溶解炉を用いて両原料が溶解する温度、例えば、Al23とEr23の場合、1,900〜2,000℃に加熱して溶解する。
【0016】
引き続き、上記溶解物(溶解物a)をそのまま坩堝に仕込み一方向凝固させ、凝固体Aを製造する原料混合粉末を、直接一方向凝固用坩堝に仕込んで溶解させた後、一方向凝固させ、凝固体Aを製造しても良い。別の方法として、上記溶解物を所定温度に保持した坩堝に鋳込み、冷却速度を制御しながら凝固させ、凝固体を得る方法も採用することができる。そして、凝固体Aには、帯溶融法を繰り返すことにより、不純物濃度が1000ppm以下に低下した凝固体Bを得ることが可能になる。その方法としては、一旦坩堝で一方向凝固させ製造した凝固体に、帯溶融法を繰り返し行なう方法が有効であるが、もちろん、原料棒としては、凝固体Aに代えて、通常の焼結体を用いても良い。この方法により不純物は凝固体の最上部に集積されるので、その集積部分を除去した凝固体B’を用いると良い。得られた凝固体B’を再度溶解させた後、一方向凝固させ、本発明のセラミックス複合材料である凝固体Cを得ることができる
【0017】
溶解凝固の際の雰囲気圧力は、通常4.0×10 Pa以下、好ましくは1.3×10 −1 Pa以下である。また、一方向凝固させるときの坩堝の移動速度、換言すると、セラミックス複合材料の成長速度は通常150℃/時間以下、好ましくは1〜100℃/時間である。雰囲気圧力及び移動速度以外の調製条件はそれ自体公知の方法の条件と同じである。溶解凝固の際の雰囲気圧力あるいは冷却速度が条件範囲外になると、単結晶が成長し難くなって、高温における機械的強度の優れた複合材料を得ることが困難になる。
【0018】
一方向に凝固させる装置としては、垂直方向に設置された円筒状の容器内に坩堝が上下方向に移動可能に収納されており、円筒状容器の中央部外側に加熱用の誘導コイルが取り付けられており、容器内空間を減圧にするための真空ポンプが設置されている、それ自体公知の装置を使用することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明のセラミックス複合材料は、高温における強度、組織の熱安定性など飛躍的に改善されたものであり、大気中の1,500℃を超える高温においても優れた特性を発揮するため、ジェットエンジンや発電用タービンのタービンブレード等の部材、各種高温材料の高温特性測定用の治具等として有用性が高いものである。
その他、Al23をはじめとする酸化物系セラミックスが具体的に用いられている用途、例えば、熱交換器部材、核融合炉用材料、原子炉用材料、燃料電池用材料等の高温材料分野の他、耐磨耗部材、切削工具材料、耐腐食性部材や超伝導部材、磁気冷凍作業物質材、絶縁部材、蛍光材料、X線増感剤、レーザー発信素子、誘電体素子、PTC、コンデンサー、バリスター等の電子部品、光学レンズ、触媒担体その他幅広い分野で有用性が高いものである。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を示す。実施例1 原料としてα−Al23粉末とGd23粉末を78.0/22.0mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10−3Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,850〜1,950℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において60℃/時間の冷却速度になるように坩堝を降下し、一方向凝固させ凝固体(凝固体A)を得た。次に、モリブデン坩堝から直径10mm、高さ50mmの凝固体を取り出し、これをハロゲンランプを光源とした帯溶融装置を用いて、下降速度20mm/時間、回転速度5rpmの条件で帯溶融を行った。得られた凝固体(凝固体B)のうち、不純物が凝縮した上部5mmを除去した。このようにして得られた凝固体(凝固体B’)と原料粉末をICP分析した結果を表1に示す。原料粉末では数種の不純物が約200ppmオーダーで混入したものが、帯溶融を繰り返したことにより、いずれの不純物も100ppmオーダー以下になっていた。この高純度化された凝固体(凝固体B’)をモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10−3Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,850〜1,950℃に加熱して溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を60℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体(凝固体C)を得た。このようにして得られた凝固体(凝固体C)の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図1に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。
【0021】
次に凝固体を硝酸:フッ酸=1:5wt%の水溶液中に浸漬し、α−Al23相のみを除去した。このようにして得られたGdAlO3相のみとなった凝固体の電子顕微鏡写真を図2に示す。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の特定の面からの回折ピークとGdAlO3の特定の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23単結晶とGdAlO3単結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。
以上のことから、この凝固体はα−Al23単結晶とGdAlO3単結晶の二つの相が3次元的に連続して複雑に絡み合った組織構造からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の機械的強度を表2に示す。
表2において、3点曲げ強度は大気中の1,600℃において測定した値である。図3に1,600℃におけるL方向の曲げ試験の応力−変位曲線を示す。図から分かるように700MPaの高い降伏応力を示し、しかも破断せず塑性変形した。図4には試験前の組織、図5には1,600℃における試験後の組織の電子顕微鏡写真を示す。写真から明らかなように、α−Al23相、GdAlO3相いずれも塑性変形していることが認められた。
【0022】
【表1】
Figure 0003743462
【0023】
【表2】
Figure 0003743462
【0024】
比較例1原料としてα−Al23粉末とGd23粉末を78.0/22.0mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,850〜1,950℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において300℃/時間の冷却速度になるように坩堝を降下し、一方向凝固させ凝固体を得た。このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図6に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相が存在し、不均一な組織を有していることが分かった。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の複数の面からの回折ピークとGdAlO3の複数の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23多結晶とGdAlO3多結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の機械的強度を表2に示す。表2において、3点曲げ強度は大気中の1,600℃において測定した値である。図7に1,600℃における曲げ試験の応力−変位曲線を示す。図から分かるように600MPaの高い降伏応力を示したが、塑性変形せず脆性破壊した。
【0025】
比較例2
帯溶融法による高純度化処理を行わずに、同一の雰囲気圧力下において坩堝を60℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。
このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図8に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。 この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の特定の面からの回折ピークとGdAlO3の特定の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23単結晶とGdAlO3単結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の機械的強度を表2に示す。
表2において、3点曲げ強度は大気中の1,600℃において測定した値である。図9に1,600℃におけるL方向の曲げ試験の応力−変位曲線を示す。図から分かるように650MPaの高い降伏応力を示したが脆性破壊した。
【0026】
実施例2
冷却速度を100℃/時間にした以外は実施例1と同じ条件で凝固体を得た。このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図10に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。 この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の特定の面からの回折ピークとGdAlO3の複数の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23単結晶とGdAlO3多結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の機械的強度を表3に示す。表3において、3点曲げ強度は大気中の1,650℃において測定した値である。図11に1,650℃における曲げ試験の応力−変位曲線を示す。図から分かるように約700MPaの高い降伏応力を示し、破断せず塑性変形した。
【0027】
【表3】
Figure 0003743462
【0028】
実施例3
冷却速度を140℃/時間にした以外は実施例1と同じ条件で凝固体を得た。このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図12に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。
この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。
凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の特定の面からの回折ピークとGdAlO3の複数の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23単結晶とGdAlO3多結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。
この複合材料の機械的強度を表3に示す。表3において、3点曲げ強度は大気中の1,650℃において測定した値である。図13に1,650℃における曲げ試験の応力−変位曲線を示す。図から分かるように約780MPaの高い降伏応力を示し、破断せず塑性変形した。
【0029】
比較例3
冷却速度を180℃/時間にした以外は実施例1と同じ条件で凝固体を得た。
このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図14に示す。写真において、白い部分がGdAlO3相で黒い部分がα−Al23相である。
この凝固体にはコロニーや粒界相が存在し、不均一な組織を有していることが分かった。
凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の複数の面からの回折ピークとGdAlO3の複数の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23多結晶とGdAlO3多結晶の二つの相からなるセラミックス複合材料であることが分かった。
この複合材料の機械的強度を表3に示す。表3において、3点曲げ強度は大気中の1,650℃において測定した値である。図15に1,650℃における曲げ試験の応力ー歪み曲線を示す。図から分かるように約580MPaの高い降伏応力を示したが、塑性変形せず破断した。
【0030】
実施例4原料としてα−Al23粉末とY23粉末を82.0/18.0mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。次に、モリブデン坩堝から直径10mm、高さ50mmの凝固体を取り出し、これをハロゲンランプを光源とした帯溶融装置を用いて、下降速度10mm/時間、回転速度2rpmの条件で帯溶融を行った。得られた凝固体のうち、不純物が凝縮した上部5mmを除去した。このようにして得られた凝固体と原料粉末をICP分析した結果を表4に示す。原料粉末では数種の不純物が約200ppmオーダーで混入したものが、帯溶融を繰り返したことにより、いずれの不純物も100ppmオーダー以下になっていた。この高純度化された凝固体をモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。
【0031】
このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図16に示す。写真において、白い部分がYAG相で黒い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。次に実施例1と同様にしてα−Al23相のみを除去し、YAG相のみとなった凝固体の電子顕微鏡写真を図17に示す。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23とYAGのそれぞれ特定の面からの回折ピークのみが観察された。
以上のことから、この凝固体はα−Al23単結晶とYAG単結晶の二つの相が3次元的に連続して複雑に絡み合った組織構造からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の大気中の室温から1,750℃における引張り強度を測定した値を表5に示す。ここで、引張り方向は一方向凝固の方向と平行に試験片を採取した。図18に引張試験の応力−変位曲線の温度依存性を示す。図から分かるように、Al23/YAG複合材料は1,600℃までは脆性破壊を示したが1,650℃以上では降伏現象が現れ明瞭な塑性変形が認められ、試験温度1,700℃では約10%の伸びを示した。図19に試験温度1,650℃の試験後の平行部組織の電子顕微鏡写真を示した。
また、図20に1,700℃の引張り破面の電子顕微鏡写真を示した。これらの写真から分かるように、一方向凝固法により作製したAl23/YAG複合材料は1,650℃以上では塑性変形することが認められ、降伏応力が200MPaの値を示した。
【0032】
【表4】
Figure 0003743462
【0033】
【表5】
Figure 0003743462
【0034】
比較例4原料としてα−Al23粉末とY23粉末を82.0/18.0mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。このようにして得られた凝固体と原料粉末をICP分析した結果を表6に示す。原料粉末では数種の不純物が約200ppmオーダーで混入したものが、いずれの不純物も若干減少していた。このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図21に示す。写真において、白い部分がYAG相で黒い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。次にα−Al23相のみを溶解し、YAG相のみとなった凝固体の電子顕微鏡写真を図22に示す。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23とYAGのそれぞれ特定の面からの回折ピークのみが観察された。以上のことから、この凝固体はα−Al23単結晶とYAG単結晶の二つの相が3次元的に連続して複雑に絡み合った組織構造からなるセラミックス複合材料であることが分かった。この複合材料の大気中の室温から1,750℃における引張り強度を測定した値を表7に示す。ここで、引張り方向は一方向凝固の方向と平行に試験片を採取した。図23に引張試験の応力ー変位曲線の温度依存性を示す。図から分かるように、α−Al23/YAG複合材料は室温から1,750℃まで脆性破壊を示した。
【0035】
【表6】
Figure 0003743462
【0036】
【表7】
Figure 0003743462
【0037】
実施例5原料としてα−Al23粉末とEr23粉末を81.1/18.9mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において50℃/時間の冷却速度になるように坩堝を降下し、一方向凝固させ凝固体を得た。次に、モリブデン坩堝から直径10mm、高さ50mmの凝固体を取り出し、これをハロゲンランプを光源とした帯溶融装置を用いて、下降速度10mm/時間、回転速度2rpmの条件で帯溶融を行った。得られた凝固体のうち、不純物が凝縮した上部5mmを除去した。このようにして得られた凝固体と原料粉末をICP分析した結果を表8に示す。原料粉末では数種の不純物が約200ppmオーダーで混入したものが、帯溶融を繰り返したことにより、いずれの不純物も100ppmオーダー以下になっていた。この高純度化された凝固体をモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。
【0038】
このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の光学顕微鏡写真を図24に示す。
写真において、薄い部分がEr3Al512相で濃い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。次にα−Al23相のみを溶解し、Er3Al512相のみとなった凝固体の電子顕微鏡写真を図25に示す。さらに、凝固方向に垂直な面のX線回折の結果、α−Al23の特定の面からの回折ピークとEr3Al512の特定の面からの回折ピークが観察され、この凝固体はα−Al23単結晶とEr3Al512単結晶の二つの相が3次元的に連続して複雑に絡み合った組織構造からなるからなるセラミックス複合材料であることが分かった。また、この複合材料の室温から大気中の1,800℃における引張り強度の温度依存性を調べたところ、実施例4に示したAl23/YAG複合材料と同様に、1,650℃以上では塑性変形することが分かった。
【0039】
【表8】
Figure 0003743462
【0040】
実施例6原料としてα−Al23粉末とY23粉末を82.0/18.0mol%の割合で混合し、エタノール溶媒を用いて湿式ボールミルによって混合し、得られたスラリーからロータリーエヴァポレータを用いてエタノールを除去した。得られた混合粉末をチャンバー内に設置されたモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して混合粉末を溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。次に、モリブデン坩堝から直径10mm、高さ50mmの凝固体を取り出し、これをハロゲンランプを光源とした帯溶融装置を用いて、下降速度10mm/時間、回転速度2rpmの条件で帯溶融を行った。得られた凝固体のうち、不純物が凝縮した上部5mmを除去した。このようにして得られた凝固体と原料粉末をICP分析した結果を表4に示す。原料粉末では数種の不純物が約200ppmオーダーで混入したものが、帯溶融を繰り返したことにより、いずれの不純物も100ppmオーダー以下になっていた。この高純度化された凝固体をモリブデン坩堝に仕込み、1.3×10 −3 Paの雰囲気圧力に維持して、高周波コイルを用いて坩堝を1,900〜2,000℃に加熱して溶解した。次に、同一の雰囲気圧力下において坩堝を50℃/時間の冷却速度になるように下降し、一方向凝固させ凝固体を得た。
【0041】
このようにして得られた凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図26に示す。写真において、白い部分がYAG相で黒い部分がα−Al23相である。この凝固体にはコロニーや粒界相がなく、さらに気泡やボイドが存在しない均一な組織を有していることが分かった。次に本材料の融点(Tm)1820℃に対し、0.93Tmに相当する大気中の1700℃で1000時間処理した後の凝固体の凝固方向に垂直な断面組織の電子顕微鏡写真を図27に示した。この複合材料の上記熱処理前後の曲げ強度を測定した値を表9に示した。これらの結果から分かるように、一方向凝固法により作製したAl23/YAG複合材料は1700℃という高温で極めて優れた組織安定性及び耐久性を示した。また、上記熱処理前後の重量変化を調べた結果、重量の変化は殆ど認められなかった。
【0042】
【表9】
Figure 0003743462

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図2】 図2は実施例1で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図3】 図3は実施例1で得られた複合材料の引張り試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図4】 図4は実施例1で得られた複合材料の曲げ試験前の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図5】 図5は実施例1で得られた複合材料の曲げ試験後の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図6】 図6は比較例1で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図7】 図7は比較例1で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図8】 図8は比較例2で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図9】 図9は比較例2で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図10】 図10は実施例2で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図11】 図11は実施例2で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図12】 図12は実施例3で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図13】 図13は実施例3で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図14】 図14は比較例3で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図15】 図15は比較例3で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図16】 図16は実施例4で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図17】 図17は実施例4で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図18】 図18は実施例4で得られた複合材料の引張り試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図19】 図19は実施例4で得られた複合材料の引張り試験前の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図20】 図20は実施例4で得られた複合材料の引張り試験後の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図21】 図21は比較例4で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図22】 図22は比較例4で得られた複合材料の組織を示す図面に代える光学顕微鏡写真である。
【図23】 図23は比較例4で得られた複合材料の曲げ試験の応力−変位曲線を示す図面である。
【図24】 図24は実施例5で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図25】 図25は実施例5で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図26】 図26は実施例6で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。
【図27】 図27は実施例6で得られた複合材料の組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. 帯溶融法で不純物濃度を低下させた原料凝固体を溶解し、生成した溶解物を一方向凝固法で凝固させて得られた、成分が異なる二種以上の結晶相からなる凝固体であり、各結晶相は不定形状であり、連続的にかつ3次元的に配列されて相互に絡み合った組織を構成しており、結晶相の少なくとも一種は単結晶であり、凝固体中にコロニー及びポアがなく、且つ、混合原料粉末において1000ppmより大であった不純物濃度が上記帯溶融法により1000ppm以下に低減されていることを特徴とするセラミックス複合材料。
  2. 曲げ試験又は引張り試験において降伏して0.5%以上の塑性変形を示すことを特徴とする請求項1記載のセラミックス複合材料。
  3. セラミックス複合材料を構成する結晶相が、融点(Tm)の0.93Tm以下の温度で保持しても変化しない熱安定性を有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス複合材料。
  4. セラミックス複合材料を構成する結晶相が、すべて単結晶であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス複合材料。
  5. セラミックス複合材料を構成する結晶相が、金属の酸化物と二種以上の金属の酸化物から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる二種以上の酸化物から構成されていることを特徴とする請求項1記載のセラミックス複合材料。
  6. セラミックス複合材料を構成する結晶相が、酸化アルミニウム(Al)又は希土類元素酸化物(La、Y、CeO、Pr11、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)と、酸化アルミニウムと希土類元素酸化物から生成される複合酸化物とからなる群から選ばれる二種以上の酸化物から構成されていることを特徴とする請求項1記載のセラミックス複合材料。
  7. 結晶相を構成する酸化物の少なくとも一種がぺロブスカイト構造を有する酸化物であることを特徴とする請求項記載のセラミックス複合材料。
  8. 結晶相を構成する酸化物の少なくとも一種がガーネット構造を有する酸化物であることを特徴とする請求項記載のセラミックス複合材料。
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