JP7364443B2 - スパッタリングターゲット材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
1モルのAlに対してM元素が0.10モル以上1.00モル以下含まれるスパッタリングターゲット材を提供することによって前記の課題を解決したものである。
まず、M元素が、Scの場合は、ScN(原子比が1:1)が基本であるが、ScxNyと一般化できる。ここで、xは好ましくは0.8以上1.2以下であり、yは好ましくは0.8以上1.2以下である。ICDDデータでは、例えばScN0.98やScN0.87が報告されているが、これらに限られない。
次に、Zrの場合は、例えばZrNが典型的なものとして挙げられるが、このほかに、ICDDデータでは、例えばZr2N、Zr3N4、ZrN2、ZrN0.28、ZrN0.99が報告されている。
また、Nbの場合は、NbNのほかに、ICDDデータでは、Nb2N、Nb2N3、Nb4N3、Nb4N5、Nb5N6、NbN0.95、Nb4.62N2.14、Nb4N3.92、NbN1.64、NbN1.334、NbN1.512、Nb0.77N0.357、NbN0.64、NbN0.9、NbN0.77、NbN0.801、Nb0.9875N0.11、Nb4N2.62、(Nb3N2)11.6、Nb0.84N、NbN0.88、NbN0.58、Nb0.987N、NbN0.85、NbN0.84、Nb4N3.4、NbN0.844、N6.80Nb8、N3.92Nb4、N2.14Nb4.62、N3.38Nb4、N0.9Nb、Nb1.54N0.71が報告されている。
更に、Tiの場合は、例えばTiNが典型的なものとして挙げられるが、このほかに、ICDDデータでは、例えばTi2N、Ti4N3、TiN0.26、TiN0.3、TiN0.9、Ti4N2.333、Ti0.83N0.17、TiN0.61、Ti2N0.8、TiN0.17、TiN0.176、Ti3N1.29、Ti0.76Nが報告されている。
ρ={(C1/100)/ρ1+(C2/100)/ρ2}-1
式中のC1及びC2及びρ1及びρ2は、それぞれ以下の値を示す。
・C1:ターゲット材中のAlNの質量%
・ρ1:AlNの密度(3.26g/cm3)
・C2:ターゲット材中のM元素の窒化物の質量%
・ρ2:M元素の窒化物の密度
ターゲット材の実測密度はアルキメデス法で測定される。
前記窒化物がScNである場合の密度は4.4g/cm3であり、ZrNである場合の密度は7.1g/cm3であり、NbNである場合の密度は8.5g/cm3であり、TiNである場合の密度は5.4g/cm3である。
本発明のターゲット材の面積は、100cm2以上であることが、組成、密度の均一なスパッタリング膜を得られる点で好ましく、200cm2以上であることがより好ましい。ここでいうターゲット材の面積とは、ターゲット材が平板状の場合はその平板の板面の表面積の合計であり、ターゲット材が円筒状の場合は、その筒状の外表面の面積である。ターゲット材の厚みは、ターゲット材の利用効率及びターゲット材の製造しやすさ等の点から、5mm以上20mm以下が好ましく、5mm以上10mm以下がより好ましい。
本発明の製造方法は、AlN粒子と金属M粒子とを、AlNの量1モルに対しM元素を0.10モル以上1.00モル以下の比率となるように混合し、含窒素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で焼成する。AlN粒子と金属M粒子とのより好ましい混合比率は、0.10モル以上0.60モル以下であり、更に好ましい混合比率は0.10モル以上0.30モル以下である。
本発明のターゲット材を有するターゲットを用いてスパッタリングを行うことで、例えば通信機器のSAW、BAW等の高周波フィルタを構成する薄膜を首尾よく形成できる。
<第1工程>
AlN粒子(平均アスペクト比=1.3、D50=1μm、純度99.9質量%)及び金属M粒子として金属Scの粒子(平均アスペクト比=1.1、D50=50μm、純度99.9質量%)を用い、各粒子をそれぞれ秤量した後に、大気中にてジルコニアボール(半径10mm)入りのボールミルを用いて120分にわたり混合し混合粉を得た。各粉の混合は、混合粉における1モルのAlNに対するScのモル数が0.17モルとなるように行った。
混合粉をグラファイト製の焼結ダイ内に充填した。焼結ダイの直径は210mmであった。次いでホットプレス法によって混合粉の焼結を行った。ホットプレス法の実施条件は以下のとおりとした。このようにして、円盤状のターゲット材(直径210mm、厚さ10mm)を得た。上述の方法で元素分析を行ったところ、このターゲット材に含まれる不純物は、質量基準で酸素が7500ppm、炭素が4900ppmであった。更に、ターゲット材の表面におけるScNの1.0×10-3mm2あたりの個数を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、任意の3視野を観察し、且つScNの面積率を求めた。その後、このターゲット材の表面を研削して表面粗さRa(JISB0601)を0.5μmにし、角のエッジを曲率半径3mmの曲面となるように面取りした。無酸素銅からなるバッキングプレート(面積324cm2)のボンディング面にインジウムはんだを下塗りした、ボンディング面にターゲット材を密着させてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
・焼結雰囲気:アルゴン雰囲気
・昇温速度:300℃/時間
・焼成温度:1800℃
・圧力:30MPa
・前記焼成温度、前記圧力での保持時間:2時間
・降温速度:50℃/時間
・昇温開始と同時に加圧開始
第1工程において、各原料粉の混合比率若しくは粒径又は焼結温度を以下の表1に示す値となるように変更した。これ以外は実施例1と同様にしてターゲット材及びスパッタリングターゲットを得た。実施例2~7及び比較例1~3のターゲット材中の不純物は、実施例1と同様の種類の不可避不純物のみであった。
実施例及び比較例で得られたターゲット材について、上述の方法で元素分析を行い、下記表1と同じAlN:ScNのモル比を有することを確認した。また、実施例及び比較例で得られたターゲット材について下記条件にてX線回折測定を行いAlN及びScNの結晶性を確認した。それらの結果を表1に示す。表1において各実施例のターゲット材について、下記条件のX線回折測定にて、AlNのピークが、2θ=32°以上34°以下、36°以上38°以下、58°以上60°以下の各範囲に観察されること、及び、ScNのピークが、2θ=34°以上36°以下、38°以上42°以下、57°以上59°以下の各範囲に観察されることを確認した。金属Scのピークは観察されなかった。
・装置:Smartlab(株式会社リガク製)
・線源:CuKα線
・管電圧:40kV
・管電流:30mA
・スキャン速度:5°/min
・ステップ:0.1°
・スキャン範囲:2θ=20°~80°
実施例1ないし7及び比較例1ないし3で得られたターゲット材について、下記の方法で割れの有無を評価した。その結果、割れが観察されなかった実施例1ないし7及び比較例1及び2のターゲット材について、前述の方法で相対密度の測定を行ったほか、下記の方法でバルク抵抗率の測定を行った。また、以下の条件でDCスパッタリングを行い、DCスパッタリングが可能か否かを評価した。それらの結果を表1に示す。
目視により、ターゲット材の割れが観察されたものを「あり」、観察されないものを「なし」として評価した。
三菱ケミカルアナリテック社の抵抗率計(4端子法)を用い測定した。測定に際し、まず試料の表面に金属製の探針4本を一直線上に立て、外側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し抵抗を求めた。求めた抵抗に試料厚さ、補正係数RCF(Resistivity Correction Factor)をかけて、体積抵抗率(バルク抵抗率)を算出した。バルク抵抗率は、ターゲット材のスパッタ面を等間隔に3点以上を測定し、その平均値を算出した。各測定点の距離は20mm以上とした。
DCマグネトロンスパッタ装置を用いてスパッタ試験を行った。スパッタ条件はそれぞれ、到達真空度:1×10-5Pa、投入電力:DC1.9W/cm2、ガス全圧:0.4Pa、放電ガス:Ar+N2、Arの体積比:50/(50+50)×100=50%、スパッタ時間:160分、膜厚20000Å、基板温度200℃とした。DCスパッタリングを継続して可能な場合について、「可」を、放電が起こらない場合を「不可」とした。その結果を、表1に示す。
Claims (12)
- M元素(MはAl以外の金属元素を表す)を含むAlNのスパッタリングターゲット材であって、
1モルのAlに対してM元素が0.10モル以上1.00モル以下含まれ、
表面粗さRa値(JISB0601)が3μm以下であるスパッタリングターゲット材。 - M元素が窒化物の状態で含まれている、請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
- AlN及び前記窒化物がいずれも結晶質である、請求項2に記載のスパッタリングターゲット材。
- 前記スパッタリングターゲット材の表面に1.0×10-3mm2あたり50個以上の前記窒化物が観察され且つ該表面における前記窒化物の面積率が10%以上である、請求項2又は3に記載のスパッタリングターゲット材。
- 相対密度が85%以上100%以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット材。
- バルク抵抗率が1×10-1Ωcm以下である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット材。
- AlN粒子とM元素(MはAl以外の金属元素を表す)の粒子とをAlNの量1モルに対しM元素の量が0.10モル以上1.00モル以下となる比率で混合し、含窒素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で焼成する、スパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記AlN粒子の平均アスペクト比が1以上5以下である、スパッタリングターゲット材の製造方法。 - 金属Mが溶融し且つAlNが溶融しない条件下で焼成する、請求項7に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
- 焼成温度が1600℃以上2000℃以下である、請求項7又は8に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
- 前記AlN粒子は、その平均粒子径が0.05μm以上30μm以下である、請求項7ないし9のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
- 前記M元素の粒子は、その平均粒子径が10μm以上1000μm以下である、請求項7ないし10のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット材を備えたスパッタリングターゲットをDCスパッタリングする、AlN含有膜の製造方法。
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