JP7364412B2 - 管継手とパイプの接続構造及び接続方法 - Google Patents
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Description
この継手の接続口に導管を接続する方法として、導管の開口端部を前記接続口に嵌め合わせた後、導管の外周面にホースバンドを巻き締めて固定する方法がある。
また、ホースバンドを締める力加減は施工作業者によりばらつきがあり、締め付けが緩い場合はホースバンドが外れてしまい、前記接続口に固定されたパイプが接続口から抜けてしまう虞があった。
前記パイプは、その内周面が前記管継手から突出した接続口の外周面に圧篏して接続され、且つその外周面であって当該パイプに挿入された前記管継手の接続口の根元部から先端部に亘る部分の領域に締め付けリングが圧篏されて前記接続口に固定されているとともに、
前記パイプの肉厚(Tp)と前記締め付けリングの肉厚(Tw)は以下の関係を有するものであることを特徴とする。
(1.2≦Tp/Tw≦9.0)
また、管継手にパイプを固定した状態で、パイプの肉厚(Tp)と締め付けリングの肉厚(Tw)の比が1.2以上(1.2≦Tp/Tw)であれば、締め付けリングが装着された状態のパイプを継手の接続口に接続する操作に支障はない。
一方、前記肉厚の比が9.0より大きいと(Tp/Tw≦9.0)、つまり、外装パイプの厚みがパイプの1/9以下であると、パイプへの十分な締め付け力が得られなくなる。
なお、ここでいう締め付けリングの肉厚(Tw)とは、当該締め付けリングが管継手の接続口の根元部から先端部に至る領域に亘って圧嵌装着されている領域のうち、根元部側に装着されている部分の肉厚のことをいう。
(φpo≧φwi)
また、前記接続構造において、パイプの内径(φpi)は管継手の接続口の最大外径(φco)よりも小さく、前記パイプの端部開口の内径の拡径率3%以上に拡径されて、前記接続口にパイプが接続されていることを特徴とする。
拡径率が3%以上であれば、管継手の接続口に接続した後の自動戻り変形によって、十分な強度でパイプの内周面が接続口の外周面に圧接し、高いシール性を発揮することができる。
すなわち、図6はパイプと締め付けリングの応力ひずみ曲線(SSC)を示しており、同図中の点Aは、およそ10%伸び時の引張応力を示す点である。
つまり、点Aは、パイプ又は締め付けリングの拡径率がおよそ10%の場合にかかる引張応力の値ということができ、この値が大きいほど継手の締め付け力が高くなる。
かかる観点から、応力ひずみ曲線に基づく10%の伸長時の引張応力の値は、10MPa以上であることが好ましく、15MPa以上であることがより好ましく、20MPa以上であることがさらに好ましい。
同図中の点Bは、パイプ又は締め付けリングの破断時の伸びを示す点である。
パイプ又は締め付けリングを好適に拡径し、また、継手挿入後に好適に収縮させる観点から、破断時の伸びは300%以上であることが好ましく、350%以上であることがより好ましく、400%以上であることがさらに好ましい。
この場合に、必要に応じ、締め付けリングが外周面に装着されたパイプの端部開口を加温して継手の接続口に接続することができる。
締め付けリング2の長さ方向の半分程度の奥行まで内径を拡大したならば、拡径した端部開口側をパイプ1の一側の端部の外周面に被せて押し込み、図3に示されるように、パイプ1の外周面に締め付けリング2を圧篏装着する。締め付けリング2をパイプ1に圧篏装着する操作は、締め付けリング2の拡径した端部開口側をパイプ1の一側の端部の外周面に被せた状態で、締め付けリング2の他側の端部をゴムハンマーで叩いて押し込むことにより行うことができる。
また、その他の方法としては、締め付けリング2の長さ方向すべてを拡径工具により拡径し、その直後にパイプ1の外周面に被せて押し込み装着してもよい。
いずれの方法においても、拡径直後に締め付けリング2とパイプ1の間に隙間が生じる場合があるが、時間とともに締め付けリング2が収縮することでパイプ1が適度に締め付けられる。
継手が装着しづらい場合は、締め付けリング2が装着されたパイプ1の内径を拡径してもよく、その場合は前記拡径工具を用いることができる。例えば、パイプ1の内径を拡径する操作は、前記拡径工具を用いることができる。例えば、この拡径したパイプ1の端部開口に管継手3の接続口31を差し入れた状態で、管継手3の他端部をゴムハンマーで叩いて前記接続口31をパイプ1の内部に押し込んだり、スムーサーなどの押し込み工具を用いて管継手3をパイプ1側へ押し込んだりすることで、前記接続口31の外周面にパイプ1の端部を圧篏装着することができる。この際、必要に応じ、パイプ1の端部開口を加温することで、パイプ1内に管継手3の接続口31を押し込む操作をスムーズに行うことができる。
外径φpoが24.2mm、内径φpiが16.2mmの架橋ポリエチレン製のパイプと、外径φwoが27.0mm、内径φwiが20.5mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを準備した。
前記パイプの端部外周に締め付けリングを嵌め、これを、接続口の先端部の外径が16.6mm、根元部の外径が18.2mmの合成樹脂製の管継手に接続した。なお、管継手の接続口の長さは26mmである。
先ず、締め付けリングの端部開口を拡径工具を用いて拡径し、その後、締め付けリング内にパイプを挿入し、締め付けリングの全体がパイプの外周面に重なり合うまで、締め付けリングの他端部をゴムハンマーで叩いてパイプの外周面に押し込んだ。
次いで、締め付けリングが装着されたパイプの端部を拡径工具を用いて拡径してから、パイプの拡径した部分を80℃で30秒加熱し、加熱後すぐに管継手をゴムハンマーで叩いて、接続口をパイプに押し込んで固定した。
また、パイプの入れやすさと締め付け力について評価した結果も併せて表1に示す。
外径φwoが21.5mm、内径φwiが16.2mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
外径φwoが14.6mm、内径φwiが9.8mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
外径φwoが17.0mm、内径φwiが12.6mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
外径φwoが13.0mm、内径φwiが9.8mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
外径φpoが24.2mm、内径φpiが16.2mmの架橋ポリエチレン製のパイプを、締め付けリングを用いずに、実施例1の管継手に接続した。接続は実施例と同様に、端部開口を拡径し、拡径部を加熱して行った。
このときの、パイプの入れやすさと締め付け力について評価した。
外径φwoが13.0mm、内径φwiが11.0mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
外径φwoが24.2mm、内径φwiが16.2mmであり、軸方向の長さが30mmの架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いる以外、実施例1と同様にして、管継手へのパイプの接続と、肉厚(Tp,Tw)の測定及び評価を行った。
(締め付け力)
締め付けリングが装着されたパイプに水圧をかけ、継手が抜けずにパイプが破壊されたものを○、継手が抜けたものを×とした。
(パイプの入れやすさ)
締め付けリングが装着されたパイプを80℃で30秒加温した後、管継手をハンマーで叩いて嵌め込むときの嵌め込みやすさについて、問題なく根元まで嵌められるものを○、全く入らないものを×とした。
一方、締め付けリングを用いない比較例1では、パイプを管継手の接続口に嵌める操作に支障はないが、締め付け力が不足していた。
また、比較例2では、前記肉厚比(Tp/Tw)は10.0であり、締め付けリングを用いてもパイプとの肉厚比が大きすぎると、パイプの締め付け力が不足することが確認された。
比較例3では、管継手の接続口にパイプがはいらず、接続できなかった。そのため、パイプに水圧をかけて行う締め付け力の評価もできなかった。このとき(管継手に接続できなかった状態)のパイプ1と締め付けリング2の肉厚比(Tp/Tw)は1.1であり、肉厚比が小さすぎると管継手へのパイプの接続ができず、或いは接続操作がしにくくなることが確認された。
Claims (4)
- 接続口の外周面にその先端側から根本部側へ拡径した複数の傾斜段差部が形成されてなる管継手に架橋ポリエチレン製のパイプを架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いて接続する構造であって、
前記パイプは、その内周面が前記管継手から突出した接続口の外周面に圧篏して接続され、且つその外周面であって当該パイプに挿入された前記管継手の接続口の根元部から先端部に亘る部分の領域に前記締め付けリングが圧篏されて前記接続口に固定して接続され、
前記管継手に接続されるパイプの肉厚(Tp)と前記締め付けリングの肉厚(Tw)は以下の関係を有し、且つ、前記パイプの外径(φpo)と前記締め付けリングの内径(φwi)は以下の関係を有するものであるとともに、
前記パイプと締め付けリングの成形材料は、その応力ひずみ曲線に基づく拡径率が10%の伸長時の引張応力が10MPa以上であり、且つ破断時の伸び(ひずみ)が300%以上の物性のものであることを特徴とする管継手とパイプの接続構造。
(1.2≦Tp/Tw≦9.0)
(φpo≧φwi) - パイプの内径(φpi)は管継手の接続口の最大外径(φco)よりも小さく、前記パイプの端部開口の内径の拡径率3%以上に拡径されて、前記接続口にパイプが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の管継手とパイプの接続構造。
- 接続口の外周面にその先端側から根本部側へ拡径した複数の傾斜段差部が形成されてなる管継手に架橋ポリエチレン製のパイプを架橋ポリエチレン製の締め付けリングを用いて接続する方法であって、
前記管継手に接続されるパイプの肉厚(Tp)と前記締め付けリングの肉厚(Tw)は以下の関係を有し、且つ、前記パイプの外径(φpo)と前記締め付けリングの内径(φwi)は以下の関係を有するものであるとともに、
前記パイプと締め付けリングはともに応力ひずみ曲線に基づく拡径率が10%の伸長時の引張応力が10MPa以上であり、且つ破断時の伸び(ひずみ)が300%以上の物性のものであり、
前記パイプに対して前記管状締め付けリングであってその軸長方向の長さが少なくとも前記管継手の接続口の根元部から先端部に亘る長さを有する締め付けリングの端部開口を拡径して前記パイプの外周面に圧篏装着する工程と、
前記締め付けリングが外周面に装着された前記パイプの端部開口を拡径して前記管継手の接続口の外周面に圧篏装着する工程と、
を有する管継手とパイプの接続方法。
(1.2≦Tp/Tw≦9.0)
(φpo≧φwi) - 締め付けリングが外周面に装着されたパイプの端部開口を加温して継手の接続口に接続する請求項3に記載の管継手とパイプの接続方法。
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