JP7364136B1 - 接着剤、積層体、積層体の製造方法、包装材 - Google Patents

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Abstract

気泡による外観不良が生じにくい無溶剤型接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、当該積層体の製造方法、包装材を提供する。ポリイソシアネート化合物(A)を含むイソシアネート組成物(X)と、ポリオール化合物(B)と、アミン化合物(C)とを含むポリオール組成物(Y)と、を含み、ポリイソシアネート化合物(A)の90質量%以上が非芳香族ポリイソシアネート誘導体(A1)である無溶剤型接着剤、当該接着剤により得られる積層体、包装材。

Description

本発明は2液硬化型接着剤、積層体、積層体の製造方法、包装材に関する。
各種包装材、ラベル等に用いられる積層体は、各種多種多様なプラスチックフィルム、金属箔、紙等の基材のラミネートにより、意匠性、機能性、保存性、利便性、耐輸送性等が付与される。該積層体を袋状に成形してなる包装材は、食品、医薬品、洗剤等の包装材として使用されている。
従来、包装材に用いられる積層体は、揮発性の有機溶剤に溶解した接着剤(溶剤型ラミネート接着剤と称される場合がある)を基材に塗工し、オーブンを通過する過程で有機溶剤を揮発させ、別の基材を貼り合わせるドライラミネーション方式により得るものが主流であったが、近年、環境負荷の低減および作業環境の改善の観点から、揮発性の有機溶剤を含有しない、反応型2液タイプのラミネート接着剤(以下無溶剤型接着剤と称する)の需要も高まりつつある(特許文献1)。
特開2014-159548号公報
無溶剤型接着剤は乾燥工程がなく溶剤の排出がないこと、省エネルギーでランニングコストが良いこと、プラスチックフィルム同士を貼り合せた後の積層体や、プラスチックフィルムと金属箔や金属蒸着層とを貼り合せた後の積層体に溶剤が残留する懸念がないこと等の多くのメリットを持つ。一方で、接着剤を混合し、基材に塗布する際に巻き込まれた気泡が接着剤の硬化塗膜に残りやすく、外観不良が生じやすいという問題があった。さらに無溶剤型接着剤に用いられる成分は、30℃~100℃程度に加温した際に塗工可能な粘度になるよう、分子量を低く設計する必要があるが、低分子量の成分は流動性が高いためエージング過程で気泡が凝集し、外観不良が悪化する問題があった。
また包装材用の積層体では一般的に、(内容物から見て)最外層となる基材の裏側に印刷インキにより印刷層が設けられ、印刷層と他の基材とが接着剤を介して貼り合わせられることになる。印刷層の表面に無溶剤型接着剤を塗工する場合、印刷物の表面の顔料や樹脂による凹凸の影響を顕著に受けるため、上記の気泡による外観不良が生じやすい。さらに無機蒸着層を含む積層体の場合、ガスバリア性に優れるため、無溶剤型接着剤を塗工する際に生じる気泡がエージング過程で基材へ拡散しづらいため、気泡が残り外観不良が生じやすい問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、気泡による外観不良が生じにくい無溶剤型接着剤、当該接着剤を用いて得られる積層体、当該積層体の製造方法、包装材を提供することを目的とする。
本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)を含むイソシアネート組成物(X)と、ポリオール化合物(B)と、アミン化合物(C)とを含むポリオール組成物(Y)と、を含み、ポリイソシアネート化合物(A)の90質量%以上が非芳香族ポリイソシアネート誘導体(A1)である無溶剤型接着剤に関する。
本発明の接着剤によれば、気泡による積層体の外観不良が抑制された積層体、包装材を提供することができる。
図1は、本発明の積層体の製造に用いられるラミネート装置1の概略図である。 図2は、第一塗工装置12の構成を示す概略図である。 図3は、第二塗工装置22の構成を示す概略図である。 図4は、第二塗工装置22の他の形態を示す概略図である。 図5は、ラミネータ30の構成を示す概略図である。
<接着剤>
本発明の接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含む2液硬化型接着剤である。以下、本発明の接着剤について詳述する。
(ポリイソシアネート組成物(X))
本発明の接着剤に用いられるポリイソシアネート組成物(X)は、ポリイソシアネート化合物(A)を含み、さらにその90質量%以上が非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)である。ポリイソシアネート化合物(A)の95質量%以上がポリイソシアネート化合物(A1)であることがより好ましい。ポリイソシアネート化合物(A)の全量がポリイソシアネート化合物(A1)であってもよい。
非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(別名:PDI)、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネート(分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネート)、これらジイソシアネートのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、これらジイソシアネートと高分子量ポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等)との反応生成物であるポリウレタンポリイソシアネート等が挙げられる。これらは一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物(A1)はヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体またはビウレット体を含むことが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体を含むことが好ましい。これらの配合量は適宜調整され得るが、一例としてポリイソシアネート化合物(A1)の5質量%以上95質量%以下である。

ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A1)以外のポリイソシアネート化合物(A2)を含んでいてもよい。ポリイソシアネート化合物(A2)としては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート(別名:PPDI)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(別名:TDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、トリジンジイソシアネート(別名:TODI)、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(別名:NDI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、これら芳香族ジイソシアネートのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、これらジイソシアネートと高分子量ポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等)との反応生成物であるポリウレタンポリイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
イソシアネート組成物(X)は、50℃における粘度が500mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましく、800mPa・s以上8000mPa・s以下であることが好ましい。これにより、より外観に優れた積層体を提供しやすくなる。なお本願におけるポリイソシアネート組成物(X)の粘度は回転粘度計を用い、コーン・プレート:1°×直径50mm、せん断速度:100sec-1、50℃±1℃で測定した値である。イソシアネート組成物(X)の粘度は、用いるポリイソシアネート化合物(A1)やその配合量により調整することができる。
(ポリオール組成物(Y))
ポリオール組成物(Y)は、複数の水酸基を有するポリオール(B)および1以上のアミノ基を有するアミン化合物(C)を含む。
(ポリオール(B))
ポリオール(B)としては、ポリエーテルポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)、植物油ポリオール(B3)、ポリウレタンポリオール(B4)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(B1)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレングリコールのトリオール体等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したものが挙げられる。ポリプロピレンポリオールを用いることが好ましい。
ポリエステルポリオール(B2)は、多価アルコールと多価カルボン酸との反応生成物である。ポリエステルポリオール(B2)の合成に用いられる多価アルコールはジオールでも、3官能以上のポリオールでもよく、ジオールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
3官能以上のポリオールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオール(B2)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
植物油ポリオール(B3)としては、ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等が挙げられる。
ポリウレタンポリオール(B4)は、低分子量または高分子量のポリオールと、ポリイソシアネート化合物との反応生成物である。低分子量ポリオールとしては、ポリエステルポリオール(B2)の原料として例示した多価アルコールと同様のものを用いることができる。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)等が例示される。ポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート(A1)、(A2)と同様のものを用いることができる。
ポリオール(B)は、ポリエーテルポリオール(B1)、または植物油ポリオール(B3)の少なくとも一種を含むことが好ましい。
ポリオール(B)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として300以上4000以下であることが好ましい。なお本明細書における数平均分子量は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
(アミン化合物(C))
ポリオール組成物(Y)は、1以上のアミノ基を有する非芳香族アミン化合物(C)を含む。本明細書においてアミノ基とは、NH基またはNHR基(Rは官能基を有していてもよいアルキル基またはアリール基)をいう。
アミン化合物(C)としては公知のものを特に制限なく用いることができ、メチレンジアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカン、リシン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、ポリ(プロピレングリコール)トリアミン、ポリ(プロピレングリコール)テトラアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、
1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2-アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3-ビス(2’-アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン-ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3-アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’-イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、1,4-ビス-(8-アミノプロピル)-ピペラジン、1-(2’-アミノエチルピペラジン)、1-[2’-(2”-アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、トリシクロデカンジアミン、前記した各種のポリアミンと前記した各種のイソシアネート成分との反応生成物であるポリウレアアミンなどの複数のアミノ基を有するアミン化合物(C1)、
モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の1級または2級のアルカノールアミン(C2)、
エチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジステアリルアミンなどの1級または2級アミン(C3)などが挙げられる。
金属基材への密着性、積層体の外観、ポットライフのバランスの観点から、アミン化合物(C)の配合量は、ポリオール組成物(Y)のアミン価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下となるよう調整されることが好ましく、20mgKOH/g以上80mgKOH/g以下となるよう配合されることが好ましい。
なお、本明細書におけるアミン価は試料1gを中和するのに必要なHCl量に対して当量となるKOHのミリグラム数を意味し、特に制限はなく、公知の方法を用いて算出することができる。アミン化合物(C)の化学構造、更に必要に応じて、平均分子量等がわかっている場合には、(1分子当たりのアミノ基の数/平均分子量)×56.1×1000より算出することができる。アミン化合物(C)の化学構造や平均分子量等が不明である場合には、公知のアミン価測定方法、例えば、JISK7237-1995に従い測定することができる。
(モノオール(D))
ポリオール組成物(Y)は、アルコール性水酸基を1つ有するモノオール化合物(D)をさらに含んでいてもよい。モノオール化合物(D)の主鎖は特に制限されず、水酸基を1つ有するビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、脂肪族アルコール、アルキルアルキレングリコール等も用いることができる。モノオール化合物(D)の主鎖は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。水酸基の結合位置についても特に限定はないが、分子鎖の末端に存在することが好ましい。
このようなモノオール化合物(D)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、その他のアルカノール(C20~50)、オレイルアルコール、およびこれらの異性体等の脂肪族モノオール、
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、4-ブチルシクロヘキサノール、4-ペンチルシクロヘキサノール、4-ヘキシルシクロヘキサノール、シクロデカノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、メントール、2-ノルボルナノール、ボルネオール、2-アダマンタノール、ジシクロヘキシルメタノール、デカトール、2-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-(4-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4-(4-ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、α-アンブリノール、デスオキシコルチコステロン、11-デヒドロコルチコステロン、コレステロール、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β-コレスタノール、テストステロン、エストロン、ジギトキシゲニン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7-デヒドロコレステロール、安息香酸エストラジオール、チゴゲニン、ヘコゲニン、メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン、およびこれらの異性体等の脂環族モノオール、
ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノオール、
活性水素を1個含有するアルキル化合物等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを開環付加重合させたポリオキシアルキレンモノオール等が挙げられる。
モノオール化合物(D)の配合量は、適宜調整される。本発明に用いられる接着剤がモノオール化合物(D)を含む場合、基材への濡れ性向上、耐熱性、耐内容物耐性のバランス観点からは、一例として接着剤全量の30質量%以下である。
ポリオール組成物(Y)は、50℃における粘度が50mPa・s以上180mPa・s以下であることが好ましい。ポリオール組成物(Y)の粘度は、ポリオール(B)の骨格や、後述する可塑剤等により調整することができる。ポリオール(B)の骨格で調整する場合は、例えば、ポリプロピレングリコールや、脂肪族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を低下させることができる。あるいは、芳香族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を高くすることができる。
(接着剤のその他の成分)
本発明の接着剤は、上述の成分以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)のいずれかまたは両方に含まれていてもよいし、これらとは別に調整しておき、接着剤の塗工直前にポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)とともに混合して用いてもよい。以下、各成分について説明する。
(触媒)
触媒としては、金属系触媒、アミン系触媒、脂肪族環状アミド化合物等が例示される。
金属系触媒としては、金属錯体系、無機金属系、有機金属系の触媒が挙げられる。金属錯体系の触媒としては、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Co(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩、例えば鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が例示される。
無機金属系の触媒としては、Sn、Fe、Mn、Cu、Zr、Th、Ti、Al、Co等から選ばれるものが挙げられる。
有機金属系触媒としては、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等の有機ニッケル化合物、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、テトライソプロピルオキシチタネート、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド、脂肪族ジケトン、芳香族ジケトン、炭素原子数2~10のアルコールの少なくとも1種をリガンドとするチタンキレート錯体等のチタン系化合物等が挙げられる。
アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2-メチルキヌクリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3-キヌクリジノール、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N-ジメチルヘキサノールアミン、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
脂肪族環状アミド化合物としては、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナントールラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でもε-カプロラクタムが硬化促進により効果的である。
有機金属系触媒を用いることが好ましく、有機亜鉛化合物、有機錫化合物、有機ビスマス化合物から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、有機錫化合物であることが好ましい。有機金属系触媒の配合量は接着剤全量の0.005質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。有機金属系触媒が有機亜鉛化合物である場合、その配合量は接着剤全量の0.05質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、有機金属系触媒が有機錫化合物である場合、その配合量は接着剤全量の0.005質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。有機金属系触媒が有機ビスマス化合物である場合、その配合量は接着剤全量の0.05質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
(酸無水物)
酸無水物としては、環状脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。より具体的には、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、1-メチル-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
また、酸無水物として上述した化合物をグリコールで変性したものを用いてもよい。変性に用いることができるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポチテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
(顔料)
顔料としては特に制限はなく、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
用いる顔料については目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば耐久性、対候性、意匠性に優れることから白色顔料としては酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物を用いることが好ましく、黒色顔料としてはカーボンブラックを用いることが好ましい。
顔料の配合量は、一例としてポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対して1~400質量部であり、接着性、耐ブロッキング性をより良好なものとするため10~300質量部とすることがより好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、芳香族ポリカルボン酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリオール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、カーボネート系可塑剤などが挙げられる。
フタル酸系可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジへキシルフタレート、ジへプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジメチルイソフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ-n-オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤が挙げられる。
脂肪酸系可塑剤としては、例えば、ジ-n-ブチルアジペート、ジ-(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(C6-C10アルキル)アジペート、ジブチルジグリコールアジペートなどのアジピン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-へキシルアゼレート、ジ-(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレートなどのアゼライン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルセバケート、ジ-(2-エチルへキシル)セバケート、ジイソノニルセバケートなどのセバシン酸系可塑剤、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)マレートなどのマレイン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-(2-エチルへキシル)フマレートなどのフマル酸系可塑剤、例えば、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ-(2-エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン酸系可塑剤、例えば、n-ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸系可塑剤、例えば、ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレートなどのオレイン酸系可塑剤、例えば、トリエチルシトレート、トリ-n-ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ-(2-エチルへキシル)シトレートなどのクエン酸系可塑剤、例えば、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸系可塑剤、および、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸系可塑剤などが挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸系可塑剤としては、例えば、トリ-n-ヘキシルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸系可塑剤、例えば、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ-n-オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸系可塑剤などが挙げられる。
リン酸系可塑剤としては、例えば、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。
ポリオール系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ-(2-エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール系可塑剤、例えば、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン系可塑剤などが挙げられる。
エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどが挙げられる。
ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどが挙げられる。
カーボネート系可塑剤としては、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、その他に、部分水添ターフェニル、接着性可塑剤、さらには、ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重合性可塑剤などが挙げられる。これら可塑剤は、単独または2種以上併用することができる。
(リン酸化合物)
リン酸化合物としては、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
(ヒドロキシカルボン酸)
金属基材への密着性が良好なものになることから、2,2-ジメチロール酢酸、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロールペンタン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことも好ましい。ヒドロキシカルボン酸の配合量は、ポリオール組成物(Y)の0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以下であることがより好ましい。
(接着剤の形態)
本発明の接着剤は、無溶剤型の形態で用いられる。なお本明細書において「無溶剤型」の接着剤とは、ポリイソシアネート組成物(X)及びポリオール組成物(Y)が酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等の溶解性の高い有機溶剤、特に酢酸エチル又はメチルエチルケトンを実質的に含まず、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して溶剤を揮発させる工程を経ずに他の基材と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる接着剤の形態を指す。ポリイソシアネート組成物(X)またはポリオール組成物(Y)の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。また、ポリオール組成物(Y)が低分子量アルコールを含む場合、低分子量アルコールはポリイソシアネート組成物(X)と反応して塗膜の一部となるため、塗工後に揮発させる必要はない。従ってこのような形態も無溶剤型接着剤として扱い、低分子量アルコールは有機溶剤とはみなされない。
本発明の接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]とポリオール組成物(Y)に含まれる活性水素基(ヒドロキシル基、アミノ基)のモル量との比、[NCO]/[OH+NH]が1.0~3.0となるよう配合して用いることが好ましい。これにより、塗工時の環境湿度に依存することなく適切な硬化性を得ることができる。
<積層体>
本発明の接着剤は、積層体、特に食品包装用の積層体の製造に好適に用いることができる。このような積層体は、複数の基材(フィルムあるいは紙)を、上述の接着剤を用いて貼り合わせて得られる。
用いるフィルムに特に制限はなく、用途に応じたフィルムを適宜選択することができる。例えば、食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム、MDOPE:一軸延伸ポリエチレンフィルム、OPE:二軸延伸ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、エチレンビニルアルコール共重合体や、ポリビニルアルコールなどのガスバリア性を有する樹脂の片面または両面にオレフィン系のヒートシール性の樹脂層を設けたガスバリア性フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。
また、バイオマス由来成分を含有する材料で形成された、バイオマスフィルムを用いることも好ましい。バイオマスフィルムは各社から販売されているほか、例えば、一般財団法人日本有機資源協会に記載のバイオマス認定商品一覧に挙げられるようなシートを使用することができる。
具体的によく知られているバイオマスフィルムとしては、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするものが挙げられる。バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
例えば、従来の石油系原料を使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル、バイオマスポリエチレンテレフタレート等を含有するフィルムが知られている。
バイオマスポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。
また、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物等の第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルであっても良い。
また、例えば、従来の石油系原料を使用したポリオレフィン系フィルムの代替として、バイオマス由来のエチレングリコールを原料とするポリエチレン系樹脂を含有するバイオマスポリエチレン系フィルム、バイオマスポリエチレン-ポリプロピレン系フィルム等のバイオマスポリオレフィン系フィルムも知られている。
ポリエチレン系樹脂は、原料の一部に前記バイオマス由来のエチレングリコールを使用する以外は特に限定されず、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンとα-オレフィンとの共重合体(エチレン単位を90質量%以上含有するエチレン-α-オレフィン共重合体)などが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を構成するα-オレフィンは特に限定されず、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1-オクテンなどの炭素原子数4乃至8のα-オレフィンが挙げられる。低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの公知のポリエチレン樹脂を用いることができる。中でも、フィルム同士が擦れても、穴開きや破けなどの損傷を一段と生じにくくする観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(エチレンと1-ヘキセンとの共重合体、又はエチレンと1-オクテンとの共重合体)が好ましく、密度が0.910乃至0.925g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。
バイオマスフィルムとしては、ISO16620またはASTMD6866で規定されたバイオマスプラスチック度で区別されたバイオマス原料を使用したものも流通している。大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、植物由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、化石燃料由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。
ISO16620またはASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が80%以上、好ましくは90%以上であるバイオマスプラスチックである植物由来の低密度ポリエチレンとしては、例えば、Braskem社製の商品名「SBC818」「SPB608」「SBF0323HC」「STN7006」「SEB853」「SPB681」等が挙げられ、これらを原料として使用したフィルムを好適に使用することができる。
また、バイオマス原料であるデンプンや、ポリ乳酸を配合したフィルムやシートも知られている。これらは用途に応じて適宜選択し使用することができる。
バイオマスフィルムは、複数のバイオマスフィルムを積層させた積層体であってもよいし、従来の石油系フィルムとバイオマスフィルムとの積層体であってもよい。またこれらのバイオマスフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。
フィルムは延伸処理を施されたものであってもよい。延伸処理方法としては、押出製膜法等で樹脂を溶融押出してシート状にした後、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸を行うことが一版的である。また逐次二軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。具体的には、ロール間の速度差を利用した縦延伸とテンターを用いた横延伸を組み合わせる方法が多く用いられる。
フィルム表面には、膜切れやはじき等の欠陥のない接着層が形成されるように、必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理等の各種表面処理を施してもよい。
あるいは、アルミニウム等の金属層を蒸着した金属蒸着フィルムやシリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層した透明蒸着フィルム等の無機蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを用いてもよい。このようなフィルムを用いることで、水蒸気、酸素、アルコール、不活性ガス、揮発性有機物(香り)等に対するバリア性を備えた積層体とすることができる。
紙としては、特に限定なく公知の紙基材を使用することができる。具体的には、木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。製紙用天然繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ等の非木材パルプ、およびそれらのパルプに化学変性を施したパルプ等が挙げられる。パルプの種類としては、硫酸塩蒸解法、酸性・中性・アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用することができる。また、市販の各種上質紙やコート紙、裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙などを用いることもできる。
積層体の構成例としては、
(1)基材1/接着層1/シーラントフィルム
(2)基材1/接着層1/金属蒸着未延伸フィルム
(3)基材1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム
(4)透明蒸着延伸フィルム/接着層1/シーラントフィルム
(5)基材1/接着層1/基材2/接着層2/シーラントフィルム
(6)基材1/接着層1/金属蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(7)基材1/接着層1/透明蒸着延伸フィルム/接着層2/シーラントフィルム
(8)基材1/接着層1/金属層/接着層2/シーラントフィルム
(9)基材1/接着層1/基材2/接着層2/金属層/接着層3/シーラントフィルム
(10)基材1/接着層1/金属層/接着層2/基材2/接着層3/シーラントフィルム
等が挙げられるがこれに限定されない。
構成(1)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム、紙等が挙げられる。また、基材1としてガスバリア性や、後述する印刷層を設ける際のインキ受容性の向上等を目的としたコーティングが施されたものを用いてもよい。コーティングが施された基材フィルム1の市販品としては、K-OPPフィルムやK-PETフィルム等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムとしては、CPPフィルム、LLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルム等が挙げられる。基材1の接着層1側の面(基材フィルム1としてコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)または接着層1とは反対側の面に、印刷層を設けてもよい。印刷層は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来ポリマーフィルムや紙への印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で形成される。
構成(2)、(3)に用いられる基材1としては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルム、紙等が挙げられる。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。金属蒸着未延伸フィルムとしては、CPPフィルムやLLDPEフィルム、ガスバリア性ヒートシールフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-CPPフィルム、VM-LLDPEフィルム等を、金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムを用いることができる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(4)に用いられる透明蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等にシリカやアルミナ蒸着を施したフィルムが挙げられる。シリカやアルミナの無機蒸着層の保護等を目的として、蒸着層上にコーティングが施されたフィルムを用いてもよい。接着層1は、本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。透明蒸着延伸フィルムの接着層1側の面(無機蒸着層上にコーティングが施されたものを用いる場合には、コーティング層の接着層1側の面)に印刷層を設けてもよい。印刷層の形成方法は構成(1)と同様である。
構成(5)に用いられる基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(6)の基材1としては、構成(2)、(3)と同様のものが挙げられる。金属蒸着延伸フィルムとしては、MDOPEフィルム、OPEフィルム、OPPフィルムやPETフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-MDOPEフィルム、VM-OPEフィルム、VM-OPPフィルムやVM-PETフィルムが挙げられる。接着層1、接着層2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(7)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。透明蒸着延伸フィルムとしては、構成(4)と同様のものが挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(8)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2の少なくとも一方は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
構成(9)、(10)の基材1としては、PETフィルム、紙等が挙げられる。基材2としては、ナイロンフィルム等が挙げられる。金属層としては、アルミニウム箔等が挙げられる。接着層1、2、3の少なくとも一層は本発明の接着剤の硬化塗膜である。シーラントフィルムは構成(1)と同様のものが挙げられる。構成(1)と同様にして、基材1のいずれかの面に印刷層を設けてもよい。
本発明の接着剤は、気泡による外観不良の発生を高度に抑制できるため、ナイロンフィルムやポリエステルフィルム、アルミニウムなどの金属やシリカ、アルミナなどの金属酸化物の蒸着層を有するフィルム(透明蒸着フィルム)など、ガスバリア性が高い基材同士を貼り合わせた場合であっても気泡による外観不良の発生の抑制に優れる。
本発明の特性が発揮される、積層体のより具体的な、好ましい構成としては、例えば
PETフィルム/接着層/アルミ蒸着CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/透明蒸着Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ蒸着PETフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ蒸着PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
透明蒸着PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
透明蒸着PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
OPPフィルム/接着層/アルミ蒸着CPPフィルム、
OPPフィルム/接着層/アルミ蒸着PETフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
Nyフィルム/接着層/アルミ蒸着PETフィルム/接着層/LLDPEフィルム等が挙げられる。これらの構成において、本発明の接着剤は製袋した際に内容物から見て最外層に位置する接着層の形成に用いられる。積層体が複数の接着層を有する場合、他の接着層は本発明の接着剤の硬化塗膜であってもよいし、そうでなくてもよい。
また、ポリイソシアネート組成物(X)として芳香族ポリイソシアネート化合物を主成分として含む接着剤を用いて製造された積層体を、レトルト処理やボイル処理を施す包装材の製造に用いると、芳香族ポリイソシアネート化合物由来のPAA(一級芳香族アミン)が接着層から内容物に移行するおそれがある。接着層中のPAAは時間の経過とともに水分と反応して減少するが、その含有量が規定値を下回るまではレトルト処理やボイル処理を行うことができない。本発明の接着剤はポリイソシアネート化合物(A)の90質量%以上が非芳香族ポリイソシアネート 化合物(A1)であるためPAAが生じないか、生じた場合であっても初期値自体が低いため上述の懸念がなく、速やかにレトルト処理、ボイル処理を施すことができる。従って本発明の接着剤はボイル処理やレトルト処理が必要な包装材用の積層体の製造に用いられることも好ましい。
このような積層体のより具体的な構成としては、例えば、
PETフィルム/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/透明蒸着Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
PETフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/Nyフィルム/接着層/CPPフィルム
PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/アルミ箔/接着層/CPPフィルム、
透明蒸着PETフィルム/接着層/CPPフィルム、
透明蒸着PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
OPPフィルム/接着層/CPPフィルム、
透明蒸着OPPフィルム/接着層/CPPフィルム、
透明蒸着OPEフィルム/接着層/CPPフィルム、
Nyフィルム/接着層/CPPフィルム
透明蒸着Nyフィルム/接着層/CPPフィルム、
ガスバリア性ポリオレフィンフィルム/接着層/CPPフィルム等が挙げられる。これらの構成において、本発明の接着剤は製袋した際に内容物から見て内層に位置する接着層の形成に用いられる。積層体が複数の接着層を有する場合、他の接着層は本発明の接着剤の硬化塗膜であってもよいし、そうでなくてもよい。
その他の好ましい構成例としては、
OPEフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
MDOPEフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
HDPEフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
ガスバリア性ポリオレフィンフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
OPPフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
PETフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
Nyフィルム/接着層/LLDPEフィルム、
PETフィルム/接着層/Nyフィルム/接着層/LLDPEフィルム等が挙げられる。
また上記に例示した構成において、LLDPEフィルムは白色に着色されたものであってもよい。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体は例えば、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを事前に混ぜ合わせた後、第一の基材に塗布し、次いで塗布面に第二の基材を積層し、接着剤層を硬化させて得る2液混合工程を有する方法(ノンソルベントラミネート法)や、ポリイソシアネート組成物(X)と、組成物ポリオール(Y)とを第一の基材及び第二の基材に別々に塗布後、それぞれの塗布面を接触させ圧着させることにより第一の基材と第二の基材とを積層させ、接着剤層を硬化させて得る2液分別塗工工程を有する方法により得られる。
2液混合工程を有する方法により本発明の積層体を製造する場合、一般的なノンソルベントラミネート装置を用いて積層体を製造することができる。接着剤(ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)との混合物)の塗布量は、一例として0.5~5.0g/mである。第一の基材と第二の基材は、2つのロール間(ラミネートロール)を通過しながらロール間の圧力により貼り合わせられ、ラミネートロールの温度は室温~80℃程度、圧力は0.05~0.5MPa程度が好ましい。ラミネートした後、常温(20~25℃)または加温下、より具体的には15~50℃で、12~72時間で接着剤が硬化し、実用物性を発現する。
続いて2液分別塗工工程を有する方法について説明する。本発明の製造方法に用いられるラミネート装置1は、第一塗工部10、第二塗工部20、ラミネータ30を備える。第一塗工部10は第一の基材W1を送出する第一巻出部11、第一巻出部11から送出された第一の基材W1に、上述したポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)の一方を塗工する第一塗工装置12を備える。第二塗工部20は第二の基材W2を送出する第二巻出部21、第二巻出部21から送出された第二の基材W2に、上述したポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のうち、第一の基材W1で塗工されなかった方の組成物を塗布する第二塗工装置22を備える。以下ではポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のうち第一塗工装置12で塗工される組成物を第一の塗剤といい、第二塗工装置22で塗工される組成物を第二の塗剤という。第一の塗剤は一例としてポリイソシアネート組成物(X)であり、第二の塗剤は一例としてポリオール組成物(Y)である。第一の基材W1は、第一巻出部11に回転可能に装着され、第二の基材W2は第二巻出部21に回転可能に装着される。
第一塗工装置12、第二塗工装置22はそれぞれ、スプレーコーター、ダイレクトグラビアコーター、(マイクロ)チャンバードクターコーター、グラビアキスリバースコーター、オフセットグアビアコーター、バーコーター、ロールキスコーター、リバースロールコーター、スロットダイコーター、エアードクターコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、バキュームダイコーター、スピンコーター、ディッピングコーター等各種塗工装置を用いることができる。以下では第一塗工装置11としてロールコーターを、第二塗工装置21としてオフセットグラビアコーターを用いた場合について説明する。
図2は第一塗工装置12の要部を示す概略図である。図2に示すように、第一塗工装置12は4本スクイズロール方式のロールコーターであり、アプリケーションロール121、ドクターロール122、メタリングロール123、コーティングロール124、バッキングロール125、クーリングロール126を備える。これらのロールは互いに回転軸が並行になるように配置される。アプリケーションロール121とドクターロール122との対向部分が液溜部120であり、図示しない供給装置から第一の塗剤が供給される。液溜部120の両端には、堰板127が配置されている。
ロールコーターとしてはギャップ式とニップ式が挙げられるが、いずれも好ましく用いることができる。
ロールコーターがギャップ式である場合、アプリケーションロール121の外周面とドクターロール122の外周面とは50~200μmの微小な間隔をもって配置される。一例として当該間隔を調整することで第一の基材W1に塗布する第一の塗剤の量を調整することができる。ロールコーターがギャップ式である場合、アプリケーションロール121、ドクターロール122はいずれも金属(非弾性素材)の外周面を備えるロールである。
ロールコーターがニップ式である場合、アプリケーションロール121の外周がゴム等の弾性素材で被覆されており、一方のロールが他方のロールに押し付けられ変形している。両ロールの接触部分をニップといい、ニップを通過する際に、塗剤の膜厚や均一性を制御することができる。ニップ式は第一の基材W1の幅方向(第一の基材W1の搬送方向と交差する方向)における第一の塗剤の塗布量を均等に近づけやすいため好ましい。
堰板127は第一の塗剤がアプリケーションロール121、ドクターロール122の両端から流れ落ちるのを防ぐために配置される。堰板127の形状は適宜調整されうる。また材質としては従来公知のものを用いることができる。堰板127の外側にさらにスクレーバーが配置されていてもよい。スクレーバーにより、堰板127を超えて留出した第一の塗剤が掻き取られる。
ドクターロール122は、液溜部120に貯留されている第一の塗剤を一定の温度(例えば25~100℃)に保ち、粘度を安定化するための図示しない温度調節部を備える。これにより、ドクターロール122の外周面は一定の温度に保たれる。
図2に示すようにアプリケーションロール121、ドクターロール122が液溜部120で下向きに回転することによりドクターロール122の外周面に第一の塗剤が塗布される。
メタリングロール123には、ドクターロール122の外周面に塗布された第一の塗剤が転写される。メタリングロール123の外周面はゴム等の弾性素材で形成され、ドクターロール122の外周面に圧接されている。メタリングロール123は、第一の基材W1に合わせて第一の塗剤の塗布幅を調整するローラーでもある。
コーティングロール124には、メタリングロール123の外周面に塗布された第一の組成物が転写される。コーティングロール124の外周面は金属素材で形成され、メタリングロール123の外周面に圧接されている。コーティングロール124は、ドクターロール122と同様に、図示しない温度調節部によって外周面の温度が一定に保たれていることが好ましい。これにより、第一の基材W1に塗布される第一の塗剤の粘度が安定化される。コーティングロール124の外周面の温度は適宜調整されうるが、一例として40℃~90℃である。第一の塗材を第一の基材へ塗工する際の気泡の抱き込みを減らすために、50~80℃が好ましい。
バッキングロール125は、コーティングロール124との間で第一の基材W1を挟持、搬送し、コーティングロール124の外周面に塗布された第一の組成物の第一の基材W1への転写を補助する。バッキングロール125の外周面は、ゴム等の弾性素材で形成されている。
コーティングロール124とバッキングロール125との間を通過する前の第一の基材W1と、通過した後の第一の基材W1とが成す角が鈍角になるように設定されていることが好ましい。
クーリングロール126は、図示しない冷却装置を備え、その外周面は金属素材で形成されたロールである。クーリングロール126はバッキングロール125が過度に加熱されないようにするためのものである。クーリングロール126の外周面の温度は一例として15~35℃に保たれる。
ラミネート装置1の動作が開始されると、第一の基材W1が第一巻出部11から第一塗工装置12へ送出され、第一塗工装置では各ロールが回転を開始する。液溜部120に貯留されている第一の塗剤は、アプリケーションロール121およびドクターロール122の回転によってドクターロール122の表面に塗布され、さらにメタリングロール123、コーティングロール124へと順次転写される。コーティングロール124に転写された第一の塗剤は、コーティングロール124とバッキングロール125との間を搬送される第一の基材W1に転写される。第一塗工部12は、第一の塗剤が塗布された第一の基材W1をラミネータ30へと送出する。
このとき、ドクターロール122、メタリングロール123、コーティングロール124の回転速度を異ならせることによって、第一の基材W1に塗布される第一の塗剤の塗布量を調整することができる。一例として、コーティングロール124、メタリングロール123、ドクターロール122の順に回転速度が遅くなるよう調整される。第一の基材W1の搬送速度は例えば、30~300m/minとすることができ、100~250m/minとすることが好ましい。第一の塗剤の塗布量は適宜調整されるが、0.3~3.0g/mが好ましく、より好ましくは、0.3~2.0g/mである。
図3は第二塗工装置22の要部を示す概略図である。第二塗工装置22は、第二巻出部21から送出された第二の基材W2に、第二の塗剤を塗布するものである。第二塗工装置22は、第二塗工装置22は、グラビアロール221、オフセットロール222、チャンバードクター223、圧胴224、塗工液タンク225、ポンプ226、温度調節機227を備える。
グラビアロール221は、第二塗工装置22に回転可能に支持され、図示しない駆動装置により回転駆動される、金属製のロールである。グラビアロール221の表面には、例えばレーザー彫刻により、複数の凹部(グラビアパターン)が形成されている。この凹部の容積、開口比、深さ等を変化させることで、グラビアロール221の表面に塗エされる塗工液の量を調整することができる。グラビアロール121の表面に施されるグラビアパターンは特に限定されないが、斜線のような連続するセル形状では厚みムラが生じやすいので、好ましくは穴タイプのパターンを用いる。更に好ましくは、ハニカムパターンを用いる。グラビアロール121に施されるグラビアパターンは一例として、線数が100~2000線/インチ、版深が1~120μmである。
図3に示すように、チャンバードクター223は、第二の塗剤を貯留するための貯留部223a、板状のドクターブレード223b、板状のシールプレート223c、一対のサイドプレート223dを備える容器である。チャンバードクター223は、グラビアロール221の径方向の一側方に配置され、グラビアロール221側に開口している。ドクターブレード223b、シールプレート223c、一対のサイドプレート223d及びグラビアロール221によって貯留部223aは密閉され、グラビアロール221の外周面の一部は、貯留部223a内に貯留された第二の塗剤に浸されている。
ドクターブレード223bは、貯留部223aの開口上端部からグラビアロール221に向けて突設され、その先端部はグラビアロール221の外周面に圧接され、貯留部223aのロール回転方向下流側をシールしている。ドクターブレード223bは、グラビアロール221の外周面に付着する余分な第二の塗剤を、グラビアロール221の回転動作により掻き取って計量する。本実施の形態に係るドクターブレード223bは、グラビアロール221の回転方向に対して逆方向となるように設置されている。これにより、第二の塗剤をより正確に計量することができる。ドクターブレード223bの材質は特に限定されず、ステンレス等の金属でも樹脂でもよい。
シールプレート223cは、貯留部223aの開口下端部からグラビアロール221に向けて突設されている。シールプレート223cの先端部は、グラビアロール221の外周面に圧接され、貯留部223aのロール回転方向上流側をシールする。シールプレート223cの材質は特に限定されず、例えば、ポリエステル等の樹脂である。
サイドプレート223dは、チャンバードクター223の両側面、すなわちグラビアロール221の回転軸方向両端部にそれぞれ取り付けられている。サイドプレート223dのグラビアロール221側の側面は、グラビアロール221に沿った円弧形状となっており、グラビアロール221に圧接されている。
チャンバードクター223は後述する温度調節機227とは別に、貯留部223aに貯留された第二の塗液を加温し、一定の温度、一例として20~60℃に保つ温度調節手段を備えていてもよい。これにより塗工時の第二の塗液の粘度をより安定化させ、塗工品質を向上させることができる。
オフセットロール222は、グラビアロール221と並行になるように第2塗工装置22に回転可能に支持され、図示しない駆動装置により回転駆動されるゴム製のロールである。オフセットロール222は、その外周面とグラビアロール221の外周面とが接するように配置されており、グラビアロール221の外周面に塗エされた第二の塗剤が転写される。
ゴム製のオフセットロール222を介して第二の基材W2に第二の塗剤を塗工する場合、第二の基材W1の搬送速度とオフセットロール222の周速との間に差があっても第二の基材W2(特に第二の基材が蒸着層を有する場合は蒸着層)に傷をつけたりする恐れが少ない。このため第二の基材W2の搬送速度に対するグラビアロール221の速比を30~100%に調整し、第二の基材W2に塗布する第二の塗剤の塗工量を調整することが可能になる。したがって、線数の異なる複数のグラビアロール222の使い分けが不要となり、製造コストを低減することができる。第二の基材W2の搬送速度は第一の基材W1の搬送速度と同じである。
オフセットロール222の径の大きさは、特に限定されないが、例えば直径60~250mmであり、好ましくは直径60~200mmであり、より好ましくは60~120mmである。グラビアロール221、圧胴224の径も同様である。一般的に、オフセットロール222の径を小さくした方がミストを低減できるので好ましいが、オフセットロール222に曲がりが生じるおそれがある。オフセットロール222の変形による不具合を生じない範囲で径を適切に選択すればよい。
図3に示した以外にも、グラビアロール221、オフセットロール222、圧胴223の配置としては様々な形態が考えられる。一例として図4(A)に示すようにグラビアロール221、オフセットロール222及び圧胴224を水平方向に並べて配置することとしてもよい。また、図4(B)に示すように、グラビアロール221及びオフセットロール222を圧胴224の下側に配置することとしてもよい。また、図4(B)を上下反転させて、グラビアロール221及びオフセットロール222を圧胴224の上側に配置することとしてもよい。図3や図4の(A)に示すように、グラビアロール221と圧胴224との間に挟まれるように直線的に配置すると、オフセットロール222の径が小さくても曲がりを抑制することができるため好ましい。
図3では、グラビアロール221は、チャンバードクター223の下側から上側に向けて回転するように配置されることとしたが、これに限られない。例えば、図4 (C) に示すように、グラビアロール221が、チャンバードクター223の上側から下側に向けて回転するように配置されることとしてもよい。この場合、ロール回転方向下流側となるチャンバードクター223の下側にドクターブレード223bが配置される。
グラビアロール221の回転方向は、図3に示すようなオフセットロール222の回転方向と同方向である順回転、オフセットロール222の回転方向と逆方向である逆回転のいずれであってもよい。またオフセットロール222の回転方向も、図3に示すような第二の基材W2の搬送方向と同方向である順回転、第二の基材W2の搬送方向と逆方向である逆回転のいずれでもよい。
圧胴224は、オフセットロール222との間で第二の基材W2を挟持、搬送するロールである。圧胴224は、第二の基材W2をオフセットロール222に圧接させて、オフセットロール222の外周面に塗エされた第二の塗剤を第二の基材W2へ転写させる。圧胴224の材質は特に限定されず、例えばゴムや、金属等を用いることができる。第二の塗剤の転写性を向上させたい場合はゴム製とし、第二の基材W2の張力制御を容易にするとともに、ロールの曲がりを抑制したい場合はアルミニウムや鉄等の金属や、カーボン製とすればよい。表面処理はクロムメッキ、セラミック等、塗工条件を考慮して選択すればよい。
圧胴224は、図示しない駆動装置を備えていてもよい。駆動装置によって圧胴224を回転させ、オフセットロール222と圧胴224との速比を調整してもよい。これにより第二の塗液の塗布面の外観調整を行うことができる。
塗工液タンク225は、第二の塗剤を貯留する容器である。図3に示すように、塗工液タンク225は、配管を介して、チャンバードクター223へ第二の塗剤を流入させるポンプ226に接続されている。また、塗工液タンク225は、配管を介してチャンバードクター223と接続され、チャンバードクター223の貯留部223aからオーバーフローした第二の塗剤は塗工液タンク225に回収される。
ポンプ226は、配管を介して塗工液タンク225及びチャンバードクター223に接続され、塗工液タンク225に貯留されている第二の塗剤をチャンバードクター223の貯留部223aに供給する。ポンプ226は例えばサインポンプであり、温度調節のために加温された第二の塗剤に対応可能なポンプであればよい。
温度調節機227は、塗工液タンク225に貯留されている第二の塗剤の温度を例えば20~60℃に調整する。これにより、第二の塗剤の温度を一定に保ち、第二の塗剤の粘度を塗工に適した粘度に安定化させる。さらに本実施の形態に係る第二塗工装置22は密閉されたチャンバードクター223を備えるので、第二の塗剤の温度、粘度をより安定化させることができる。温度調節機227は、例えば熱媒体である水をヒーターで加熱し、塗工液タンク225に貯留された第二の塗剤の周囲を循環させる水用温調機である。
チャンバードクター223へ第二の塗剤を流入させる経路およびチャンバードクター223の貯留部223aからオーバーフローした第二の塗剤を塗工液タンク225に回収する経路のいずれか一方、もしくは両方に、図示しない脱気手段が設けられていてもよい。脱気手段としては、例えば中空糸膜モジュールや、遠心脱気装置、超音波脱気装置などが挙げられる。これにより、第二の塗剤中の気泡の量を低減し、塗工時のカスレや気泡の抱き込みを抑制することができる。
塗工液タンク225とチャンバードクター223とを接続する配管、ポンプ226とチャンバードクター223とを接続する配管はそれぞれ、配管の温度を調節する手段を備えていてもよい。これにより第二の塗剤の粘度をより安定化させ、塗工品質を向上させることができる。
ラミネート装置1の動作が開始されると、第二の基材W2が第二巻出部21から第二塗工装置22へ送出され、第二塗工装置22では各ロールが回転を開始する。チャンバードクター223内に貯留された第二の塗剤は、グラビアロール221、オフセットロール22を経て第二の基材W2に転写される。第二の基材W2に転写される第二の塗剤の塗布量は目的に応じて適宜調整されるが、0.3~3.0g/mが好ましく、より好ましくは、0.3~2.0g/mである。第二塗工部22は、第二の塗剤が塗布された第一の基材W2をラミネータ30へと送出する。
ラミネータ30は貼合部31と巻取部32を備える。図5は貼合部31の要部を示す概略図である。図5に示すように、貼合部31は一対のラミネートロール311、312、クーリングロール313、バッキングロール314を備える。ラミネートロール311と312の一方、一例としてラミネートロール311は外周面が金属からなり、他方、一例としてラミネートロール312は外周面がゴム等の弾性素材からなり、一方のロールが他方のロールに押し付けられ変形している。
第一塗工部12から送出された第一の基材W1と、第二塗工部22から送出されてきた第二の基材W2とが、第一の塗液の塗工面と第二の塗液の塗工面とが接触した状態で、対向配置された2つのラミネートロール311と312の間を通過する。2つのラミネートロール311、312からの圧力により、第一の基材W1と第二の基材W2とが貼り合わされる。これにより、第一の塗液と第二の塗液との反応が開始する。
2つのラミネートロール311、312は接着剤(第一の塗剤、第二の塗剤)からの熱により過度に加熱されないよう、図示しない温度調節部によって外周面の温度が一定に保たれている。外周面の温度が40~80℃、より好ましくは40~60℃になるよう設定されていることが好ましい。2つのラミネートロール311、312から第一の基材W1および第二の基材W2へ加わる圧力は、例えば0.05~0.5MPaである。
クーリングロール313は図示しない冷却装置を備え、その外周面は金属素材で形成されたロールである。2つのラミネートロール311、312間を通過した積層体は、313を通過して巻取部32へと搬送される。クーリングロール126の外周面の温度は一例として15~35℃に保たれる。
バッキングロール314は、ラミネートロール312の外周面とバッキングロール314の外周面とが接するように配置されている。またバッキングロール314によりラミネートロール312がラミネートロール311側に押し付けられている。バッキングロール314の外周面は、ゴム等の弾性素材で形成されている。
巻取部32は、貼合部31で第一の基材W1と第2の基材W2とが貼り合わされて形成された積層体を巻き取る。巻き取った積層体は、常温(25℃)~50℃で、3~72時間保管(エージング)を行う。エージング条件を適切に選択・設定することによって、接着剤が十分に硬化し、接着剤層としての実用物性が発現する。
図1においてラミネータ30は第一塗工部10と、第二塗工部20との間に配置されているが、これに限られない。第一塗工部10とラミネータ30との間に第二塗工部20が位置していてもよいし、第二塗工部20とラミネータ30との間に第一塗工部10が位置していてもよい。各部のレイアウトを最適化し、ラミネート装置1を小型化することができる。
ラミネート装置1は、第一塗工部10とラミネータ30との間に第一の塗剤の塗布量(g/m)を測定する測定装置を備えていてもよく、第二塗工部20とラミネータ30との間に第二の塗剤の塗布量を測定する測定装置を備えていてもよい。貼合部31と巻取部32との間に第一の塗剤と第二の塗剤の合計塗布量を測定する測定装置を備えていてもよい。これらの測定装置は従来公知のものを用いることができ、例えば赤外分光光度計によるものが挙げられる。
あるいは、一定期間内に塗布した第一の塗剤(または第二の塗剤)の重量を測定する手段を別途設け、当該期間内に第一の塗剤(または第二の塗剤)が塗布された第一の基材W1の面積で除して第一の塗剤(または第二の塗剤)の塗布量を算出してもよい。
また第一の基材W1として複数の基材を接着剤で貼り合わせた積層体を用いる場合、第一巻出部11と第一塗工装置12との間に、当該積層体の製造に用いられた接着剤の塗布量を測定する測定装置を備えていることが好ましい。第一塗工部10とラミネータ30との間に配置された測定装置の測定結果から、第一巻出部11と第一塗工装置12との間に配置された測定装置の測定結果を減じて第一の塗剤の塗布量を算出する。
同様に、第二の基材W2として複数の基材を接着剤で貼り合わせた積層体を用いる場合は、第二巻出部21と第二塗工装置22との間に、当該積層体の製造に用いられた接着剤の塗布量を測定する測定装置を備えていることが好ましい。
ラミネート装置1が第一の塗剤、第二の塗剤の塗布量測定手段を備える場合、第一塗工装置12、第二塗工装置22の各ロールの回転速度を制御する制御器と連動させることで、計測された塗布量に基づいて各ロールの回転速度を制御し、第一の塗剤、第二の塗剤の塗布量を予め定められた適性値に保つことができ、接着剤の物性を好適なものとすることができる。
上記では第一の塗剤がポリイソシアネート組成物(X)、即ちポリイソシアネート化合物(A)を含みポリオール化合物(B)やアミン化合物(C)のような活性水素基を有する化合物を含まず、第二の塗剤はポリオール組成物(Y)、即ちポリオール化合物(B)と、アミン化合物(C)とを含み、ポリイソシアネート化合物(A)を含まない形態を例に挙げて説明したが、これに限定されない。第二の塗剤がモノオール化合物(D)および触媒のいずれかまたは両方をさらに含んでいてもよい。あるいは、第一の塗剤がポリイソシアネート化合物(A)に加えてポリオール化合物(B)、モノオール化合物(D)のいずれかまたは両方を含んでいてもよい。
なお第二の塗剤はいずれの実施形態においてもポリイソシアネート化合物(A)を含まない。無機充填剤を用いる場合、第一の塗剤が活性水素基を有する化合物を含む場合は第一の塗剤、第二の塗剤のいずれに含まれていてもよい。第一の塗剤が活性水素基を有する化合物を含まない場合は第二の塗剤に添加される。これらの塗剤は、上述した接着剤の各成分を適宜含んでいてもよいことはいうまでもない。これら第一の塗剤、第二の塗剤は、目的に応じて適宜組み合わせる。
積層体は、2つの基材を本発明の接着剤で貼り合わせたものであってもよいし、必要に応じて他の基材を含んでいてもよい。他の基材を積層する方法としては公知の方法、例えばドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などを用いてもよいし、2液分別塗工工程を有する方法を用いてもよい。この際用いられる接着剤は、本発明のものであってもよいし、そうでなくてもよい。他の基材としては、上述した基材と同様のものを用いることができる。
<包装材>
上述の積層体は、包装材、特に食品包装用の包装材として好適に用いることができる。包装材は、上述の積層体を袋状に成形し、ヒートシールすることにより包装材の形態としたものである。包装材の態様としては、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラシック、ブリュックタイプ、チューブ容器、紙カップ、蓋材、など種々ある。また、包装材に易開封処理や再封性手段を適宜設けてあってもよい。
本発明の包装材は、主に食品用途はもちろんのこと、洗剤、薬剤を充填する包装材として好適に使用することができる。具体的な用途としては、洗剤、薬剤として、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー、医薬用タブレット等が挙げられる。また、上記の容器を包装する2次包装材にも使用できる。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<ポリイソシアネート組成物(X)の調製>
(ポリイソシアネート組成物(X-1))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(住化コベストロウレタン社製、スミジュールN3300)80.0質量部、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(EVONIK社製、VESTANAT T1890/100)20.0質量部を加え、攪拌しながら130℃まで加温した。内容物が透明になるまで130℃で攪拌を継続し、透明になったところで降温することで、ポリイソシアネート組成物(X-1)を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1)のNCO%は20.9%、50℃における粘度2150mPa・sであった。
(ポリイソシアネート組成物(X-2))
ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(NCO%は21.8%)をポリイソシアネート組成物(X-2)として用いた。
(ポリイソシアネート組成物(X’))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート36質量部、2, 4’-ジフェニルメタンジイソシアネート19質量部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱した。数平均分子量400のポリプロピレングリコール(以下、「PPG」と略記する。)を11質量部、数平均分子量1000のPPGを22質量部、数平均分子量2000のPPGの11質量部を数回に分けて滴下し、5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.5%、50℃における粘度は700mPa.sであった。これをポリイソシアネート組成物(X’)として用いた。
<ポリオール組成物(Y)の調製>
(ポリエステルポリオール(B2-1)の合成)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール92.00部、無水フタル酸118.50部、アジピン酸29.23部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.01部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量500、水酸基価224のポリエステルポリオール(B2-1)を得た。
(ポリエステルポリオール(B2-2)の合成)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えた反応容器に、窒素ガス導入下でエチレングリコール7.2質量部、ジエチレングリコール15.8質量部、ネオペンチルグリコール22.5質量部、アジピン酸21.9質量部、セバシン酸4.6質量部、イソフタル酸28.0質量部を仕込んだ。常圧窒素気流下にて徐々に昇温し脱水反応を行いながら250℃まで昇温し、250℃にて2時間反応させた。内容物が透明、かつ、精留塔の塔頂温度が80℃以下になったことを確認したら240℃に降温し、精留塔からコンデンサーに切替え、真空ポンプにラインをつなぎ30~60Torrの減圧下で所定の酸価と粘度に到達するまで反応を継続し、数平均分子量700、水酸基価159.0mgKOH/gのポリエステルポリオール(B2-2)を得た。
表1の配合に従ってポリオール組成物(Y-1)、(Y-2)、(Y’-1)、(Y’-2)を調整した。表中における粘度は50℃におけるものであり、単位はmPa・sである。アミン価の単位はmgKOH/gである。表中における化合物の詳細は以下の通りである。
ポリエーテルポリオール(B1-1):ポリプロピレングリコール(Mw=1000)
ポリエーテルポリオール(B1-2):ポリプロピレングリコール(Mw=400)
ポリエーテルポリオール(B1-3):ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(Mw=400)
ポリエーテルポリオール(B1-4):ポリプロピレントリオール(Mw=3000)
ポリエステルポリオール(B2-3):ポリエステルトリオール(クラレ社製、クラレポリオールF-510)
アミン化合物(C):トリメチロールプロパンポリ(オキシプロピレン)トリアミン(Mw=400、アミン価=355mgKOH/g)
Figure 0007364136000001
<印刷物の製造>
ウレタン系ラミネートインキ(Finart R794白 G3;DIC(株)製)を離合社製ザーンカップ#3で15秒(25℃)に調整し、版深43μmグラビア版を備えたグラビア印刷機によって、印刷速度150m/分で、コロナ処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡エステルフィルムE5102#12)に印刷し、70℃のオーブンを通過させることで乾燥ないし硬化させ、PETフィルム上に印刷層を形成した。
<評価用サンプルの製造>
(実施例1)
PETフィルムに印刷された印刷層の表面にポリイソシアネート組成物(X-1)を、アルミ蒸着ポリエステルフィルム(VMPET、東レフィルム加工株式会社製 1310、12μm)のアルミ蒸着面にポリオール組成物(Y-1)を塗布し、PETフィルムとVMPETフィルムとをニップロール(50℃)で圧着してPETフィルム/接着層/VMPETフィルムの積層体1を得た。ポリイソシアネート組成物(X-1)、ポリオール組成物(Y-1)の塗布量はそれぞれ1.2g/m、0.8g/mであった。ポリオール組成物(X-1)、ポリイソシアネート組成物(Y-1)の塗工速度は250m/分とした。
続いて、積層体1のVMPETフィルムにポリイソシアネート組成物(X-1)を、LLDPEフィルム(三井化学東セロ株式会社製 TUX-HC、60μm)にポリオール組成物(Y-1)を塗布し、これらをニップロール(50℃)で圧着後、40℃で48時間エージングしてPETフィルム/接着層/VMPETフィルム/接着層/LLDPEフィルムの評価用サンプルを得た。ポリイソシアネート組成物(X-1)とポリオール組成物(Y-1)の塗布量、塗工速度は上記と同様とした。
ポリオール組成物(X-1)、ポリイソシアネート組成物(Y-1)の塗工速度を200m/分、150m/分、100m/分に変えた以外は同様にして評価用サンプルを作成した。
(実施例2)、(比較例1)~(比較例4)
用いるポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)とそれぞれの塗布量を表2のように変更した以外は実施例1と同様にして実施例、比較例の評価用サンプルを得た。
<評価>
(加工外観(気泡))
評価用サンプルのPETフィルム側から印刷層及び接着層を透して蒸着面を目視観察し、以下の基準にて評価した。
5:接着剤の塗工速度が250m/分でも最大径が0.1mm以上の気泡が確認されない。
4:接着剤の塗工速度が200m/分でも最大径が0.1mm以上の気泡が確認されない。
3:接着剤の塗工速度が150m/分でも最大径が0.1mm以上の気泡が確認されない。
2:接着剤の塗工速度が100m/分でも最大径が0.1mm以上の気泡が確認されない。
1:接着剤の塗工速度が100m/分でも最大径が0.1mm以上の気泡が確認される。
Figure 0007364136000002

Claims (9)

  1. ポリイソシアネート化合物(A)を含むイソシアネート組成物(X)と、
    ポリオール(B)と、アミン化合物(C)とを含むポリオール組成物(Y)と、を含み、
    前記ポリイソシアネート化合物(A)の90質量%以上が非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)であり、前記非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)がヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体を含む無溶剤型接着剤。
  2. 前記ポリオール組成物(Y)のアミン価が1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  3. 前記ポリオール組成物(Y)50℃における粘度が50mPa・s以上180mPa・s以下である請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  4. 前記イソシアネート組成物(X)の50℃における粘度が500mPa・s以上10000mPa・s以下である請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  5. 前記ポリオール化合物(B)が、ポリエーテルポリオール(B1)または植物油ポリオール(B3)の少なくとも一種を含む請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  6. 前記接着剤が有機金属系触媒を含み、前記有機金属系触媒の配合量が接着剤全量の0.005質量%以上1.0質量%以下である請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  7. 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材と前記第二の基材とを貼り合わせる接着層とを有し、前記接着層が請求項1~のいずれか一項に記載の2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体。
  8. 前記第一の基材および前記第二の基材が、から選ばれる請求項に記載の積層体。
  9. 請求項に記載の積層体からなる包装材。
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