JP7363610B2 - 電源ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、電源ユニットに関する。
特許文献1には、電源ユニットが開示されている。特許文献1の電源ユニットでは、筐体と、発熱部品が設けられて筐体の内部に配置された基板とを備えている。
特開2015-177066号公報
前記電源ユニットでは、トランスなどの発熱部品が設けられている基板は、その端部が、筐体に形成された支持溝に挿入され、基板の端部で筐体に支持されている。このような構成において、例えば、電源容量を増加させようとすると、トランスなどの発熱部品が大型化して、基板と発熱部品とを合わせた質量が増加する。そのような電源ユニットを、例えば、工場内又は船舶内などで使用すると、伝播する様々な振動が筐体の支持溝と基板の端部との接続部分に伝達される。その結果、基板の端部と支持溝とに過大な力が作用して破損してしまい、電源ユニットが故障する可能性があり、耐振性が不十分である。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、耐振性を向上することができる電源ユニットを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様に係る電源ユニットは、
底面部と、前記底面部の両端部にそれぞれ互いに対向する第1側面部と第2側面部とを有するU字状の筐体と、
発熱部品を有し、前記第1側面部と前記第2側面部とに支持される基板と、
前記第1側面部及び前記第2側面部とのそれぞれの対向面にそれぞれ固定される固定部と、前記固定部を両端部に有し、且つ、前記底面部に対向して配置されつつ前記第1側面部と前記第2側面部との間に介在し固定されて前記筐体とで四角枠体を構成する支持板部と、前記支持板部より起立した複数の放熱フィンとを有するとともに、前記基板と接触して前記発熱部品によって発生する熱を外部へ放出する放熱部材と、
を備える。
本発明の前記態様によれば、第1側面部と、第2側面部と、底面部と、固定部を両端部に有する支持板部との四面で立体的に剛体のように四角枠体を構成して電源ユニットの剛性を向上させて、電源ユニットの耐振性を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る電源ユニットの斜視図。 図1に示す電源ユニットの筐体の斜視図。 図1に示す電源ユニットの発熱部品の一例が設けられた基板の斜視図。 図1に示す電源ユニットの放熱部材の斜視図。 図4Aに示す放熱部材の正面図。 本発明の第1実施形態の電源ユニットの平面図。 本発明の第2実施形態の電源ユニットの斜視図。 図6Aに示す電源ユニットの分解斜視図。 本発明の第3実施形態の電源ユニットの斜視図。 図1に示す第1実施形態の第1変形例の電源ユニットの斜視図。 図8Aに示す第1実施形態の第1変形例の電源ユニットの平面図。 図1に示す第1実施形態の第2変形例の電源ユニットの斜視図。 図9Aに示す第1実施形態の第2変形例の電源ユニットの平面図。 図8Aに示す第1実施形態の第1変形例に係る電源ユニットの第2側面部の端縁部に大きさWの荷重を印加する様子を示す電源ユニットの平面図。 放熱部材の異なる取付位置で図10に示すように荷重が印加されたときに第2側面部の端縁部に生じるたわみをそれぞれ算出した結果を示す図。 図9Aに示す第1実施形態の第2変形例の電源ユニットにおいて第2側面部の端縁部と、第2側面部における第1の放熱部材と第2の放熱部材との間の中央部とに大きさWの荷重を印加する様子を示す電源ユニットの平面図。 複数の放熱部材の異なる取付位置で図12に示すように荷重が印加されたときに第2側面部の端縁部に生じるたわみをそれぞれ算出した結果を示す図。 複数の放熱部材の異なる取付位置で図12に示すように荷重が印加されたときに第2側面部における複数の放熱部材の間の中央部に生じるたわみをそれぞれ算出した結果を示す図。 図13及び図14に示すたわみをそれぞれの放熱部材の異なる取付位置で足し合わせた結果を示す図。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電源ユニット1は、図1に示すように、筐体2と、基板3と、放熱部材4とを備える。
筐体2は、例えば、金属又はセラミックなど、基板3より放熱性能が高い材質で構成される。筐体2は、図2に示すように、概ね長方形形状の板を長手方向に折り曲げて第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23とを一体に形成する。第1側面部21と底面部23、及び、第2側面部22と底面部23とは、いずれも90度で直交する。第1側面部21と第2側面部22とは、互いに対向して平行である。第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23とは、いずれも長方形形状であり、第1側面部21と第2側面部22とは、同じ大きさである。以下、本発明に係る実施の形態の説明において、元の長方形形状の板の長手方向を、それぞれ第1側面部21、第2側面部22、及び底面部23の長手方向とする。また、第1側面部21及び第2側面部22では、第1側面部21と第2側面部22とのそれぞれ互いに対向する面内においてそれぞれの長手方向と垂直な方向を幅方向とする。底面部23では、第1側面部21及び第2側面部22側の面内において底面部23の長手方向と垂直な方向を幅方向と定義する。
第1側面部21及び第2側面部22において、第1側面部21及び第2側面部22の底面部23と隣接する端縁部とは長手方向に反対の端縁部27は、それぞれ自由端である。
第1側面部21及び第2側面部22は、複数のシャーシ固定部24と、複数の通し穴25と、複数の差込部26とを有する。一例として、第1側面部21は、第1側面部21の幅方向の両端縁部に4つのシャーシ固定部24を有し、同様に、第2側面部22は、第2側面部22の幅方向の両端縁部に4つのシャーシ固定部24を有する。各シャーシ固定部24は板状であって、第1側面部21及び第2側面部22の各端縁部から対向する第2側面部22及び第1側面部21に向けて突出する。また、第1側面部21は、第1側面部21の底面部23と隣接する端縁部とは長手方向に反対の端縁部付近の放熱部材4の取付領域において、幅方向に3つの通し穴25を有し、第2側面部22は、第2側面部22の底面部23と隣接する端縁部とは長手方向に反対の端縁部付近の放熱部材4の取付領域において、幅方向に離れて配置された2つの通し穴25を有する。更に、第1側面部21及び第2側面部22は、通し穴25付近に、後述する基板3の突出部32を位置決めするために収容する四角の差込部26をそれぞれ幅方向に離れて2つ有する。差込部26は、基板3の突出部32よりもやや大きい貫通孔である。
基板3は、図3に示すように、概ね長方形形状であって、長手方向と幅方向とを有する。基板3には、発熱部品31及びその他の部品が接続される。発熱部品31は、例えばトランスである。基板3は、長手方向の各端部33に長手方向外側に向けて矩形に突出する2つの突出部32を有する。突出部32は、筐体2の第1側面部21及び第2側面部22が有する差込部26に対応するように設けられ、差込部26を介して第1側面部21及び第2側面部22に支持されて位置決めされる。基板3は、例えば、図5に示すような円筒状のスペーサー46を介して放熱部材4に接続され、発熱部品31で発生した熱が基板3とスペーサー46とを介して放熱部材4に伝達される。
放熱部材4は、図4Aに示すように、概ね長方形形状であって、長手方向と幅方向とを有する。放熱部材4は、例えば、金属又はセラミックなど、基板3より放熱性能が高い材質で構成される。放熱部材4は、固定部41と、概ね長方形形状で板状の剛体である支持板部42と、放熱フィン43とを有する。固定部41は、支持板部42の長手方向の両端部において、支持板部42の厚み方向に支持板部42に対して垂直に起立して、支持板部42の幅方向沿いの取付面41Aを放熱部材4の長手方向外側に有する。また、各固定部41は、固定部41の取付面41A内において、ねじ穴部44を支持板部42の幅方向に離れて複数有する。ねじ穴部44の寸法及び配置の間隔は、筐体2の第1側面部21及び第2側面部22が有する通し穴25の寸法及び配置の間隔に対応する。放熱部材4の寸法は、放熱部材4が筐体2に固定されるとき、固定部41の取付面41Aと筐体2の第1側面部21及び第2側面部22のそれぞれの対向面とが接触することができる寸法である。これにより、固定部41は、筐体2の第1側面部21及び第2側面部22のそれぞれの対向面にそれぞれねじ47で固定することができる。放熱フィン43は、両固定部41の間に複数配置され、固定部41と同方向に支持板部42より起立する。
また、放熱部材4が筐体2の第1側面部21及び第2側面部22のそれぞれの対向面の取付領域に固定されるとき、第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23と、固定部41を両端部に有する支持板部42との四面の金属体で立体的に剛体のように構成される四角枠体45が形成される。このような構成によれば、四角枠体45によって電源ユニット1の剛性を向上させることができる。
従来技術に記載したように基板の端部が筐体に形成された支持溝に挿入され、基板の端部で筐体に支持されている場合、基板が筐体に支持されても電源ユニット全体としては剛性を向上するものではなかった。これに対して、本発明に係る実施の形態の電源ユニット1における四角枠体45では、上述のように、筐体2の第1側面部21と底面部23、及び、第2側面部22と底面部23とが、いずれも90度で直交する。また、筐体2の第1側面部21及び第2側面部22のそれぞれの対向面と放熱部材4の支持板部42とが、固定部41を介していずれも90度で直交する。その結果、四面の金属体同士の成す角が90度である四角枠体45によって電源ユニット1全体の剛性を向上させることができる。
なお、放熱フィン43が支持板部42から起立する方向において、放熱フィンの高さ401よりも固定部41の高さ402の方が高くてもよい。このような構成によれば、固定部41の第1側面部21及び第2側面部22にそれぞれ対向する面の取付領域の面積が増加して、より強固に筐体2と放熱部材4とを固定して、電源ユニット1の剛性を向上させることができる。
また、図4Bに示すように、放熱部材4では、放熱フィンの幅方向の寸法403よりも各固定部の幅方向の寸法404が大きくてもよい。このような構成によれば、固定部41の取付強度が向上して、より強固に筐体2と放熱部材4とを固定して、電源ユニット1の剛性を向上させることができる。また、放熱部材4は、アルミニウム製であってもよい。このような構成によれば、放熱性を向上させることができる。
要するに、第1実施形態に係る電源ユニット1によれば、図5に示すように、第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23と、固定部41を両端に有する支持板部42との四面で立体的に四角枠体45を構成して、電源ユニット1の剛性を向上させて、電源ユニット1の耐振性を向上することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る電源ユニット1は、図6A及び図6Bに示すように、筐体2が1つの部材ではなく、第1部材201と第2部材202との2つの部材で構成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる点について説明する。
第1部材201は、第1側面部21を有するとともに、第1側面部21の長手方向の一方の端部に図1の底面部23と同形状となるように長方形形状の第1底面部231を有する。また、第2部材202は、第2側面部22を有するとともに、第2側面部22の長手方向の一方の端部に図1の底面部23と同形状となるように長方形形状の第2底面部232を有する。第1底面部231と第2底面部232とは、互いに重なり合って積層固定されることで、底面部23を構成する。第1底面部231と第2底面部232とは、複数のねじ48で固定される。例えば、図1の底面部23の板厚と第1底面部231及び第2底面部232の板厚とが同じであれば、第2実施形態における底面部23の厚さは増加する。
このような構成によれば、底面部23の板厚の増加によって電源ユニット1の剛性を向上させて、電源ユニット1の耐振性を向上させつつ、電源ユニット1の組立を容易にすることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る電源ユニット1は、図7に示すように、シャーシ5が筐体2に固定されている点で、第1実施形態とは異なっている。また、図7中の放熱部材4側の面を頂面とし、頂面と底面部23との間で第1側面部21と第2側面部22とに直交する面を、それぞれ前面及び背面とする。なお、第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態と同一部分に同一参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態又は第2実施形態と異なる点について説明する。
シャーシ5は、金属製である。シャーシ5は、網状に複数の貫通孔51を有する。シャーシ5は、放熱部材4の外側に放熱部材4に対向しつつ、電源ユニット1の頂面と、前面と、背面とを覆うように配置され、筐体2に複数設けられているシャーシ固定部24にねじ49で固定されている。
このような構成によれば、ごみ及び埃などが電源ユニット1の内部に入ることを防ぎつつ、放熱性を向上することができる。なお、本発明の第3実施形態においてシャーシ5は、電源ユニット1の頂面と、前面と、背面とを覆うように配置されるのみではなく、電源ユニット1の頂面だけを覆うように配置されてもよい。
(変形例)
電源ユニット1は、第1実施形態の第1変形例として、図8Aに示すように、第1側面部21と第2側面部22との底面部23とは反対側の端縁と底面部23との間で固定される放熱部材4を備えてもよい。
このような構成によっても、図8Bに示すように、第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23と、固定部41を両端に有する支持板部42とで構成される金属製の四角枠体45が形成されるため、電源ユニット1の剛性を向上させて、電源ユニット1の耐振性を向上することができる。
図10は、図8Aに示す第1実施形態の第1変形例に係る電源ユニット1の第2側面部22の端縁部27に大きさWの荷重を印加する様子を示す電源ユニット1の平面図である。図10に示すように、端縁部27が、第2側面部22の底面部23から長手方向に距離Lの位置にある。端縁部27における、第2側面部22の第1側面部21との対向面とは反対側の面から第2側面部22の厚み方向に大きさWの荷重を印加するときの端縁部27のたわみを算出する。算出するたわみは、一端が固定端であり、他端が自由端である長さLの片持ち梁の自由端側の先端に大きさWの荷重をせん断力として印加したときのたわみと同様とする。ここで、放熱部材4を筐体2に固定していない場合の端縁部27のたわみをδ0とすると、たわみδ0は、下記の数式(1)で求められる。なお、Eは第2側面部22のヤング率であり、第2側面部22の材料によって異なる。また、Iは第2側面部22の断面二次モーメントであり、第2側面部22を底面部23の長手方向に平行な面に沿って切断したときの断面形状の寸法によって異なる。
(数1)
δ0=WL/3EI …(1)
また、放熱部材4を底面部23から端縁部27の方向に底面部23の内面から距離h1の位置で第1側面部21及び第2側面部22に固定している場合に、端縁部27において、同様に大きさWの荷重を印加するときの端縁部27のたわみを算出する。算出するたわみは、一端が固定端であり、他端が自由端である長さ(L-h1)の片持ち梁の自由端側の先端に大きさWの荷重をせん断力として印加したときのたわみと同様とする。このとき、端縁部27におけるたわみをδ1とすると、たわみδ1は、下記の数式(2)で求められる。なお、図10において、たわみδ1は、第2側面部22の端縁部27を囲むように破線の円で示されている。これは、たわみδ1が第2側面部22の端縁部27において生じることを示し、たわみδ1のたわみ形状を示すものではない。
(数2)
δ1=W(L-h1)/3EI …(2)
底面部23から放熱部材4の取付位置までの距離h1を、底面部23より距離Lに対する10%の位置から10%ずつ増加させて、距離Lに対する100%の位置、すなわち、端縁部27に至るまで変更した。それぞれの取付位置における距離h1の値を数式(2)に適用してたわみδ1を求め、たわみδ0に対するたわみδ1の割合を算出した。算出結果を図11に示す。図11において太枠で囲む部分の算出結果から、例えば、たわみδ1をたわみδ0の50%以下に抑えるためには、距離h1が距離Lの20%以上100%以下となるような位置で放熱部材4を第1側面部21及び第2側面部22に固定すればよい。更に、例えば、たわみδ1をたわみδ0の10%以下に抑えるためには、距離h1が距離Lの50%以上100%以下となるような位置で放熱部材4を第1側面部21及び第2側面部22に固定すればよい。このように、たわみδ0に対するたわみδ1の割合が小さくなるにつれて、筐体2の第2側面部22は、たわみにくくなる。また、筐体2の第2側面部22と同じ大きさで、底面部23を介して互いに対向する第1側面部21も、同様であると考えられる。すなわち、第1側面部21及び第2側面部22がたわみにくくなるため、放熱部材4と固定された筐体2は、剛性が向上する。従って、たわみδ0に対するたわみδ1の割合が小さくなるにつれて、放熱部材4と固定された筐体2を備える電源ユニット1の剛性が向上して、電源ユニット1の耐振性が向上する。
第1実施形態の第2変形例として、図9Aに示すように、第1の放熱部材411と第2の放熱部材412とを備えてもよい。第1の放熱部材411は、第1実施形態の放熱部材4である。第1の放熱部材411は、第1側面部21と第2側面部22との底面部23とは反対側の端縁側に固定される。また、第1の放熱部材と同様な構成を有する第2の放熱部材412は、第1側面部21と第2側面部22とに対して、第1の放熱部材411と底面部23との間に、第1の放熱部材411と底面部23とからそれぞれ離れて固定されてもよい。
このような構成によれば、図9Bに示すように、第1側面部21と、第2側面部22と、底面部23と、第1の放熱部材411の固定部41を両端に有する支持板部42及び第2の放熱部材412の固定部41を両端に有する支持板部42とで構成される複数の金属製の四角枠体45が形成される。具体的には、第1側面部21、第2側面部22、底面部23、及び第1の放熱部材411の固定部41を両端に有する支持板部42の四面の金属体で構成される四角枠体45Aと、第1側面部21、第2側面部22、底面部23、及び第2の放熱部材412の固定部41を両端に有する支持板部42の四面の金属体で構成される四角枠体45Bと、第1側面部21、第2側面部22、第1の放熱部材411の固定部41を両端に有する支持板部42、及び第2の放熱部材412の固定部41を両端に有する支持板部42の四面の金属体で構成される四角枠体45Cが形成される。
筐体2の第1側面部21と第2側面部22との底面部23とは反対側の端縁側に第1の放熱部材411を固定することで、U字状の筐体2の自由端を支持できて電源ユニット1の剛性を向上することができる。更に、第2の放熱部材412を第1の放熱部材411と筐体2の底面部23との中間に固定することで、第1側面部21と第2側面部22とを剛体の支持板で支持する箇所を第1側面部21及び第2側面部22の長手方向に複数設けることができる。その結果、1つの放熱部材で第1側面部21と第2側面部22とを支持する場合と比較して、電源ユニット1の剛性を更に向上させて、電源ユニット1の耐振性をより向上することができる。
図12に示す電源ユニット1は、第1の放熱部材411を底面部23から端縁部27の方向に距離h1の位置で筐体2の第1側面部21及び第2側面部22に固定している。また、第2の放熱部材412を底面部23から端縁部27の方向に底面部23の内面から距離h2の位置で第1側面部21及び第2側面部22に固定している。この場合の端縁部27において、第2側面部22の第1側面部21との対向面とは反対側の面から第2側面部22の厚み方向に大きさWの荷重を印加するときの端縁部27のたわみを算出する。このたわみは、上述のたわみδ1と同じである。また、図12に示すように、中央部28が、第2側面部22の長手方向に係る第1の放熱部材411と第2の放熱部材412との間の距離を2等分する位置にある。中央部28において、第2側面部22の第1側面部21との対向面とは反対側の面から第2側面部22の厚み方向に大きさWの荷重を印加するときのたわみを算出する。算出するたわみは、両端が固定端であり、長さ(h1-h2)の両端固定梁の中心に大きさWの荷重をせん断力として印加したときのたわみと同様とする。ここで、中央部28におけるたわみをδCとすると、たわみδCは、下記の数式(3)で求められる。なお、図12において、たわみδ1は、第2側面部22の端縁部27を囲むように破線の円で示され、たわみδCは、第2側面部22の中央部28を囲むように破線の円で示されている。これは、たわみδ1が第2側面部22の端縁部27において生じ、たわみδCが第2側面部22の中央部28において生じることを示し、たわみδ1及びたわみδCのたわみ形状を示すものではない。
(数3)
δC=W(h1-h2)/192EI …(3)
底面部23から第1の放熱部材411の取付位置までの距離h1を、底面部23より距離Lに対する10%の位置から10%ずつ増加させて、距離Lに対する100%の位置、すなわち、端縁部27に至るまで変更した。それぞれの取付位置における距離h1の値を数式(2)に適用してたわみδ1を求めた。また、底面部23から第2の放熱部材412の取付位置までの距離h2を、底面部23より距離Lに対する10%の位置から10%ずつ増加させて、距離Lに対する100%の位置、すなわち、端縁部27に至るまで変更した。それぞれの取付位置における距離h2の値を数式(3)に適用してたわみδCを求めた。求めたたわみδ1、たわみδC、及び先に求めたたわみδ0より、たわみδ0に対するたわみδ1の割合及びたわみδ0に対するたわみδCの割合を算出した。たわみδ0に対するたわみδ1の割合の算出結果を図13に示す。図13に示す算出結果は、上述の図11に示す結果と同様である。また、たわみδ0に対するたわみδCの割合の算出結果を図14に示す。図13及び図14において、算出結果の一部を太枠で囲んで示す。太枠で囲む部分の算出結果から、例えば、たわみδ1及びたわみδCをたわみδ0の10%以下に抑えるためには、距離h1が距離Lの50%以上100%以下となるような位置で第1の放熱部材411を第1側面部21及び第2側面部22に固定すればよい。更に、例えば、距離h1が距離Lの60%以上90%以下となるような位置で第1の放熱部材411を第1側面部21及び第2側面部22に固定する。尚且つ、距離h2が距離Lの10%以上80%以下となるような位置で第1の放熱部材411及び第2の放熱部材412を第1側面部21及び第2側面部22に固定する。これにより、たわみδ1及びたわみδCをたわみδ0の5%以下に抑えることができる。すなわち、第1の放熱部材411を距離h1が距離Lの60%以上90%以下となる位置で第1側面部21及び第2側面部22に固定する。尚且つ、第2の放熱部材412を距離h2が距離Lの10%以上80%以下となるような位置で第1側面部21及び第2側面部22に固定する。これにより、第1側面部21及び第2側面部22がたわみにくくなるため、第1の放熱部材411及び第2の放熱部材412と固定された筐体2は、剛性が向上する。そのため、第1の放熱部材411及び第2の放熱部材412と固定された筐体2を備える電源ユニット1の剛性が向上して、電源ユニット1の耐振性が向上する。
上述のたわみδ1及びたわみδCに関する算出結果は、第2側面部22の端縁部27及び中央部28においてそれぞれ別に算出された結果である。そこで、外部からの振動が電源ユニット1の複数点に印加された場合について評価するため、たわみδ0に対するたわみδ1及びたわみδCの割合の算出結果を足し合わせた結果を図15に示す。図15において太枠で囲む部分の算出結果から、例えば、たわみδ1とたわみδCとを足し合わせたたわみをたわみδ0の10%以下に抑えるためには、距離h1が距離Lの50%以上100%以下となるような位置で第1の放熱部材411を第1側面部21及び第2側面部22に固定すればよい。更に、例えば、距離h1が距離Lの60%以上90%以下となるような位置で第1の放熱部材411を第1側面部21及び第2側面部22に固定する。尚且つ、第2の放熱部材412を距離h2が距離Lの10%以上80%以下となるような位置で第1側面部21及び第2側面部22に固定する。これにより、たわみδ1及びたわみδCをたわみδ0の5%以下に抑えることができる。すなわち、第1の放熱部材411及び第2の放熱部材412を筐体2に固定すれば、筐体2の複数点のたわみを抑えることができて、電源ユニット1の耐振性が向上する。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様に係る電源ユニットは、例えば、工場内や船舶内で使用される電源に適用可能である。
1 電源ユニット
2 筐体
21 第1側面部
22 第2側面部
23 底面部
24 シャーシ固定部
25 通し穴
26 差込部
27 端縁部
28 中央部
201 第1部材
202 第2部材
231 第1底面部
232 第2底面部
3 基板
31 発熱部品
32 突出部
33 端部
4 放熱部材
41 固定部
41A 取付面
42 支持板部
43 放熱フィン
44 ねじ穴部
45 四角枠体
45A 四角枠体
45B 四角枠体
45C 四角枠体
46 スペーサー
47 ねじ
48 ねじ
49 ねじ
401 放熱フィンの高さ
402 固定部の高さ
403 放熱フィンの幅方向の寸法
404 固定部の幅方向の寸法
411 第1の放熱部材
412 第2の放熱部材
5 シャーシ
51 貫通孔

Claims (7)

  1. 底面部と、前記底面部の両端部にそれぞれ互いに対向する第1側面部と第2側面部とを有するU字状の筐体と、
    発熱部品を有し、前記第1側面部と前記第2側面部とに支持される基板と、
    前記第1側面部及び前記第2側面部とのそれぞれの対向面にそれぞれ固定される固定部と、前記固定部を両端部に有し、且つ、前記底面部に対向して配置されつつ前記第1側面部と前記第2側面部との間に介在し固定されて前記筐体とで四角枠体を構成する支持板部と、前記支持板部より起立した複数の放熱フィンとを有するとともに、前記基板と接触して前記発熱部品によって発生する熱を外部へ放出する放熱部材と、
    を備える、
    電源ユニット。
  2. 前記放熱フィンが前記支持板部から起立する方向において、前記放熱フィンの高さよりも前記固定部の高さの方が高い、請求項1に記載の電源ユニット。
  3. 前記放熱部材では、前記放熱フィンの幅方向の寸法よりも前記各固定部の幅方向の寸法が大きい、請求項1に記載の電源ユニット。
  4. 前記放熱部材を第1の放熱部材とし、前記第1の放熱部材は、前記第1側面部と前記第2側面部との前記底面部とは反対側の端縁側に固定され、
    前記第1の放熱部材と同様な構成を有する第2の放熱部材をさらに備え、前記第2の放熱部材は、前記第1側面部と前記第2側面部とに対して、前記第1の放熱部材と前記底面部との間に、前記第1の放熱部材と前記底面部とからそれぞれ離れて固定されている、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の電源ユニット。
  5. 前記筐体は、
    前記第1側面部を有するとともに、前記第1側面部の一方の端部に第1底面部を有する第1部材と、
    前記第2側面部を有するとともに、前記第2側面部の一方の端部に第2底面部を有する第2部材とを備え、
    前記底面部は、前記第1底面部と前記第2底面部とが互いに重なり合って積層固定されることで構成される、
    請求項1~4のいずれか1つに記載の電源ユニット。
  6. 複数の貫通孔を有し、前記放熱部材の外側に前記放熱部材に対向して配置されて前記筐体と固定される網状のシャーシを有する、請求項1~5のいずれか1つに記載の電源ユニット。
  7. 前記筐体及び前記放熱部材が前記基板より放熱性能が高い材質である、請求項1~6のいずれか1つに記載の電源ユニット。
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