JP7362916B2 - キサンチンオキシダーゼ阻害剤としてのチオフェン誘導体およびその使用 - Google Patents

キサンチンオキシダーゼ阻害剤としてのチオフェン誘導体およびその使用 Download PDF

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Description

<関連出願への相互参照>
本出願は、2019年10月30日に出願されたCN201911049951.7および2020年02月21日に出願されたCN202010110482.1に基づく優先権を主張する。
本発明は、キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害剤、およびキサンチンオキシダーゼに関連する疾患のための医薬品の調製におけるその使用に関する。具体的に、式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される組成物に関する。
痛風性関節炎は、よく見られる複雑なタイプの関節炎である。ヒトの血液中の尿酸の濃度が7mg/dLを超えると、尿酸がモノナトリウム塩として関節、軟骨および腎臓に沈着し、体の免疫系が過剰反応(感作)して、痛みを伴う炎症を引き起こす。一般的に、発症部位は、足の親指の関節、足首の関節、膝の関節などである。高尿酸血症は痛風性関節炎の病理学的基礎である。高尿酸血症とは、人体のプリン体の代謝が乱れ、人体の尿酸の合成が増加したり、排泄が減少したり、血液中の尿酸レベルが異常に高くなる病状を指す。国際的には、HUAの診断は次のように定義されている。通常のプリン食の状態で、2つの異なる日の空腹時血中尿酸レベル:男性の場合は>400μmol/L(6.8mg/dL)であり、女性の場合は>360μmol/L(6mg/dL)である。高尿酸血症は、排泄低下型、産生過剰型および混合型の3つのタイプに分類される。臨床研究の結果は、原発性高尿酸血症の90%が排泄低下型に該当することを示している。
高尿酸血症は痛風と切り離せないものであり、代謝性疾患[糖尿病、メタボリックシンドローム(metabolic syndrome,MS)、高脂血症など]、慢性腎臓病、心血管疾患、脳卒中の独立したリスク要因である。したがって、人体の尿酸レベルを下げることは、高尿酸血症および痛風の治療や予防に用いられるだけでなく、高尿酸血症に関連する他の合併症のリスクを減らすことができる。
ヒトにおけるプリン源は2つがある。内因性プリンは、自己合成または核酸分解に由来するもの(約600mg/d)であり、外因性プリンは、摂取されたプリン食に由来するもの(約100mg/d)である。通常の状態では、体内の尿酸プールは1200mgであり、尿酸の1日あたりの生成量は約700mgであり、そのうち、2/3は腎臓から排泄され、1/3は腸から排泄され、また、ごく少量が汗腺から排泄される。したがって、現在臨床診療で一般的に使用されている尿酸降下薬としては、尿酸の産生を阻害するキサンチンオキシダーゼ(Xanthine Oxidase)阻害剤(例えば、アロプリノール及びフェブステインなど)と、尿酸排泄促進薬であるUrat1阻害剤(ベンブロマロン及びレジナードなど)がある。
キサンチンオキシダーゼは特異性が高くない酵素であり、ヒポキサンチンを触媒してキサンチンを生成し、さらに尿酸を生成するだけでなく、キサンチンを触媒して尿酸を直接に生成することもできる。キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、高尿酸血症の治療のための第一選択薬である。現在、市販されている医薬品は、主にアロプリノールとフェブステインである。しかし、そのような医薬品は、すべての患者の臨床ニーズを満たすことはできず、重大な副作用がある。アロプリノールは、世界中で入手できる唯一の尿酸降下薬であるが、深刻な皮膚有害事象につながる。アロプリノール関連の深刻な過敏反応は、白血球抗原(HLA)-B*5801と密接に関連しており、中国人のHLA-B*5801陽性率(6%~8%)は白人(~2%)より高く、過敏反応のリスクはより高くなる。フェブステインの尿酸降下効果はアロプリノールよりも優れているが、80mg/日の高用量でも、患者の40%~52%が尿酸低下という期待された目標を達成せず、急性痛風の発作リスクを増加させる。2017年11月、アメリカ食品医薬品局は、フェブキソスタットがアロプリノールと比較して心臓関連およびすべての原因による死亡を実際に増加させる可能性があるため、さらなる研究が必要であるという声明を発表した。
PF-06474649は、臨床研究段階に入った唯一のキサンチンオキシダーゼとUrat1との二重標的阻害剤(dual target inhibitor)である。しかしながら、臨床第I相試験では、2人の被験者が投与後に急性PF-06743649誘発性腎障害の副作用を発症した。これは、PF-06743649のより高いUrat1阻害活性によって引き起こされる尿細管での尿酸の沈殿に関連している可能性があることが示唆された(Clin Rheumatol.2016,35,2045-2051)。
上記の分析によれば、市場には、安全で効果的な尿酸降下薬に対する臨床ニーズが依然として存在する。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、良好なキサンチンオキシダーゼ阻害活性を持ち、人体の血液中の尿酸を低下させる良好な効果を有することが期待される。
本発明は、式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
ここで、
各Rは、それぞれ、H、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシからなる群から選択され、前記のC1-3アルキルおよびC1-3アルコキシは1個、2個または3個のRで置換されていてもよく;
nは、0、1、2、3および4から選択され;
は、H、F、Cl、Br、I、OHおよびNHからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、OH、NHおよびCNからなる群から選択され;
環Aは、C5-6シクロアルキルおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態において、上記の各Rは、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCHおよびCHOからなる群から選択され、前記のCH、CHCHおよびCHOは1個、2個または3個のRで置換されていてもよく、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の各Rは、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCH、CHOおよびCFからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、およびピペリジルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、およびジオキサニルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の構造単位
は、
からなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の構造単位
は、
からなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびピペリジルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
ここで、
各Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、およびC1-3アルコキシからなる群から選択され、前記のC1-3アルキルおよびC1-3アルコキシは1個、2個または3個のRで置換されていてもよく;
nは、0、1、2、3および4から選択され;
は、H、F、Cl、Br、I、OHおよびNHからなる群から選択され;
は、独立してH、ハロゲン、OH、NHおよびCNからなる群から選択され;
環Aは、C5-6シクロアルキルおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態において、上記のRは、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCHおよびCHOからなる群から選択され、前記のCH、CHCHおよびCHOは1個、2個または3個のRで置換されていてもよく、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記のRは、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCH、CHOおよびCFからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、およびピペリジルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の環Aは、シクロペンチルおよびシクロヘキシルからなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の構造単位
は、
からなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態において、上記の構造単位
は、
からなる群から選択され、他の変数は本発明で定義した通りである。
本発明の一部の実施形態は、上記の変数を任意に組み合わせたものである。
本発明の一部の実施形態において、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩は、
からなる群から選択され、
ここで、
、nおよびRは本発明で定義した通りであり;
、E、Eは、それぞれ独立して、CHおよびOから選択される。
また、本発明は、以下の式で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明の一部の実施形態において、キサンチンオキシダーゼ阻害剤に関連する医薬品の調製における、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明の一部の実施形態において、上記のキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関連する医薬品は、治療痛風性関節炎および高尿酸血症の治療に用いられる医薬品である。
定義と用語
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語は、以下の意味を有することを意図している。特定の用語は、特定の定義がない場合に、不定または不明瞭と見なされるべきではないが、通常の意味で理解されるべきである。本明細書に商品名が記載される場合、その対応する商品またはその活性成分を指す。
ここで、用語「薬学的に許容される」とは、これらの化合物、材料、組成物、および/または剤形について、信頼性のある医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用することに適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題または合併症を伴うことなく、合理的な利益/リスク比に見合うことをいう。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物を比較的毒性のない酸または塩基と反応させることで調製される本発明の化合物の塩を指す。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、純粋な溶液または適宜な不活性溶媒中で、このような化合物を十分な量の塩基と接触させることで、塩基付加塩が得られる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミンもしくはマグネシウムの塩、または類似の塩を含む。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、純粋な溶液または適宜な不活性溶媒中で、このような化合物を十分な量の酸と接触させることで、酸付加塩が得られる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸塩と有機酸塩を含む。上記の無機酸塩として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、重炭酸塩、リン酸、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、硫酸、硫酸水素塩、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの無機酸塩が挙げられる。上記の有機酸塩として、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの類似の酸の塩や、アミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、およびグルクロン酸などの有機酸の塩が挙げられる。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性官能基と酸性官能基の両方を含むため、塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することができる。
本発明の薬学的に許容される塩は、通常の化学的方法によって酸性または塩基性部分を含む親化合物から調製することができる。一般的に、このような塩は、水または有機溶媒或いは両者の混合物中で、これらの化合物を遊離酸または塩基として化学量論量の適宜な塩基または酸と反応させることで調製される。
本発明の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体として存在してもよい。本発明では、シスとトランス異性体、(-)と(+)エナンチオマー、(R)と(S)エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)異性体、(L)異性体、およびそのラセミ混合物、他の混合物、例えばエナンチオマーまたはジアステレオ異性体が豊富な混合物を含むすべてのこのような化合物が想定される。これらはすべて本発明の範囲内に含まれる。アルキル基などの置換基は、さらなる不斉炭素原子を有していてもよい。これらの異性体およびそれらの混合物はすべて、本発明の範囲内に含まれる。
特に明記しない限り、「エナンチオマー」または「光学異性体」という用語は、互いに鏡像関係にある立体異性体を指す。
特に明記しない限り、「シス-トランス異性体」または「幾何異性体」という用語は、二重結合や環形成炭素原子間の単結合が自由に回転できないことにより生成される。
特に明記しない限り、「ジアステレオマー」という用語は、分子に2つ以上のキラル中心を含み、且つ分子間で非鏡像関係にある立体異性体を指す。
特に明記しない限り、「(+)」とは右旋性異性体を意味し、「(-)」とは左旋性異性体を意味し、「(±)」とはラセミ体を意味する。
特に明記しない限り、くさび形の実線結合(
)およびくさび形の破線結合(
)で立体中心の絶対配置を表し、直線形の実線結合(
)と直線形の破線結合(
)で立体中心の相対配置を表し、波線(
)でくさび形の実線結合(
)またはくさび形の破線結合(
)を表し、或いは波線(
)で直線形の実線結合(
)または直線形の破線結合(
)を表す。
特に明記しない限り、「1つの異性体に富む」、「異性体に富む」、「1つの鏡像異性体に富む」または「鏡像異性体に富む」という用語は、1つの異性体または鏡像異性体の含有量が100%未満であり、且つその異性体または鏡像異性体の含有量は60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上、または95%以上、または96%以上、または97%以上、または98%以上、または99%以上、または99.5%以上、または99.6%以上、または99.7%以上、または99.8%以上、または99.9%以上であることを意味する。
特に明記しない限り、「異性体過剰率」または「鏡像異性体過剰率」という用語は、2つの異性体または2つの鏡像異性体の相対パーセンテージ間の差を指す。例えば、一方の異性体または鏡像異性体が90%の量で存在し、他方の異性体または鏡像異性体が10%の量で存在する場合、異性体または鏡像異性体過剰率(ee値)は80%である。
光学活性を有する(R)と(S)異性体、およびDとL異性体は、キラル合成、キラル試薬または他の従来技術を用いて調製される。本発明のある化合物の1種類のエナンチオマーを得たい場合、純粋な所望のエナンチオマーは、不斉合成、または得られたジアステレオマー混合物の分離および補助基の開裂を含む、キラル補助剤による誘導作用によって得ることができる。或いは、分子が塩基性官能基(アミノ基など)または酸性官能基(カルボキシル基など)を含む場合、化合物は適宜な光学活性を有する酸または塩基と反応して、ジアステレオマー異性体の塩を形成し、その後、当技術分野における一般的な方法でジアステレオマーの分離を行い、純粋なエナンチオマーを回収する。さらに、エナンチオマーおよびジアステレオ異性体は、一般的に、キラル固定相を使用した、任意に化学誘導法(例えば、アミンからカルバメートを生成する)と組み合わせたクロマトグラフィーによって単離される。
本発明の化合物は、該化合物を構成する1つ以上の原子で非自然な割合の原子同位体を含んでもよい。本発明の化合物は、この化合物を構成する1つ以上の原子に非天然な割合で同位体原子を含有していてもよい。例えば、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)またはC-14(14C)のような放射性同位体で標識された化合物が用いられる。別の例として、水素を重水素に置き換えて重水素化薬物を形成することができる。重水素と炭素との結合は、通常の水素と炭素との結合よりも強い。重水素化されていない薬物と比較して、重水素化された薬物は、毒性副作用の低減、薬物の安定性の向上、有効性の向上、および薬物の生物学的半減期の延長などの利点を有する。本発明の化合物のすべての同位体組成の変化は、放射能を有するかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に含まれる。
「置換された」という用語は、特定の原子上の1個以上の水素原子が置換基によって置換されることを指し、また、特定の原子の原子価が正常であり、且つ置換された化合物は安定している限り、重水素および水素の変種を含んでも良い。置換基がオキソ基(即ち、=O)である場合、2個の水素原子が置換されていることを意味する。なお、芳香環基では、オキソ基の置換は起こらない。
「置換されていてもよい」という用語は、原子が置換基で置換されても置換されていなくてもよいことを意味し、特に断りのない限り、置換基の種類および数は、化学的に実現可能である限り任意でもよい。
いずれの変数(例えば、R)でも化合物の組成や構造中に一回以上現れる場合、それぞれの場合での定義は独立している。したがって、例えば、ある基が0~2個のRで置換されている場合、上記の基は多くても2個のRで置換されていてもよく、且つそれぞれの場合におけるRは独立した選択肢を有する。さらに、置換基および/またはその変種の組み合わせは、安定な化合物を生じる場合に限り許容される。
例えば-(CRR)-のような、連結基の数が0である場合、その連結基は単結合であることを意味する。
置換基の数が0である場合、その置換基は存在しないことを意味する。例えば、-A-(R)は、この構造が実際には-Aであることを意味する。
置換基が空いている場合、その置換基は存在しないことを意味する。例えば、A-XにおけるXが空いている場合、この構造は実際にはAであることを意味する。
1個の変数が単結合である場合、該単結合によって結合された2つの基が直接結合していることを意味する。例えば、A-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、該構造は実質にA-Zである。
置換基の結合が環上の2つ以上の原子に架橋され得る場合、このような置換基は、この環上の任意の原子に結合され得る。例えば、構造単位
は、置換基Rが、シクロヘキシルまたはシクロヘキサジエンの任意の位置で置換する可能性がある。挙げられた置換基においてどの原子を介して置換される基に結合することを明記していない場合、このような置換基は、いずれの原子によって結合しても良く、例えば、置換基としてのピリジル基は、ピリジン環のいずれかの炭素原子を介して、置換される基に結合してもよい。
挙げられた連結基の連結方向を明記しない場合、その連結方向は任意である。例えば、
における連結基Lが-M-W-である場合、-M-W-は、左から右への読み取り順序と同じ方向で環Aと環Bを連結して
となってもよく、左から右への読み取り順序と逆方向で環Aと環Bを連結して
となってもよい。前記した連結基、置換基および/またはその変種の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物を生じる場合に限り許容される。
特に明記しない限り、ある基に1つ以上の接続可能な部位がある場合、この基の任意の1つ以上の部位を化学結合を介して他の基に接続することができる。この化学結合の接続位置が可変であり、且つ接続可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合に接続されると、この部位のH原子は、接続された化学結合の数が増えることに応じて減少し、対応する価数の基になる。前記の部位と他の基との間の化学結合は、直線形の実線結合(
)、直線形の破線結合(
)、または波線(
)で表すことができる。例えば、-OCHにおける直線形の実線結合は、この基における酸素原子を介して他の基に接続することを示し;
における直線形の破線結合は、この基における窒素原子の両端を介して他の基に接続することを示し;
における波線は、このフェニル基における1位と2位の炭素原子を介して他の基に接続することを示し;
は、このピペリジニル基における接続可能な部位が、
を含む少なくとも4つの接続方式で、1つの化学結合を介して他の基に接続することを示し、なお、-N-にH原子を描いた場合でも、
には、
のような接続方式の基を含み、1つの化学結合が接続されている場合にのみ、この部位のHが1つ減少し、対応する一価のピペリジニル基になる。
特に明記しない限り、環上の原子数は、通常、環の員数として定義され、例えば、「5~7員環」とは、環状に配置されている5~7個の原子からなる「環」を意味する。
特に明記しない限り、「5~6員環」は、5~6個の環原子からなるシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。いわゆる環としては、単環に加えて、スピロ環、縮合環および架橋環などの二環式系が挙げられる。特に明記しない限り、この環は、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記の「5~6員環」は、例えば、フェニル、ピリジルおよびピペリジルなどの5員環や6員環を含む。一方、用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」は、ピペリジルを含むが、フェニルを含まない。また、用語「環」は、各「環」がそれぞれ独立して上記の定義を満たす少なくとも1つの環を含有する環系を含む。
特に明記しない限り、「C5~6シクロアルキル」とは、5~6個の炭素原子からなる飽和環状炭化水素基を意味し、一価、二価、または多価であり得る単環式系である。C5~6シクロアルキル基の例としは、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、Cn-n+mまたはC-Cn+mは、nからn+m個の炭素のいずれかを含む。例えば、C1-12は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、およびC12を含み、また、nからn+mのうちの任意の範囲を含み、例えば、C1-12は、C1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12、およびC9-12などを含む。同様に、n員からn+m員は、環上の原子の数がnからn+m個であることを意味する。例えば、3~12員環は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、および12員環を含み、また、nからn+mのうちの任意の範囲を含み、例えば、3~12員環は、3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、および6~10員環などを含む。
特に明記しない限り、用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」は、それ自体で、または他の用語と組み合わせて、炭素とN、O及びSから独立して選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子とを含む5~6個の環原子からなる飽和環状基を表し、ここで、窒素原子は、四級アンモニウム化されていてもよく、窒素および硫黄のヘテロ原子は、酸化(すなわち、NOおよびS(O)pであり、pは1または2である)されていてもよい。この用語は、単環式系と二環式系を含み、ここで、二環式系は、スピロ環、縮合環および架橋環を含む。なお、「5~6員ヘテロシクロアルキル」について、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルキル基が分子の残り部分に結合している位置を占めてもよい。前記の5~6員ヘテロシクロアルキルは、5員と6員のヘテロシクロアルキルを含む。5~6員ヘテロシクロアルキルの例として、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチオフェン-2-イル及びテトラヒドロチオフェン-3-イルなどを含む)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン-2-イルなどを含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル(1-ピペリジル、2-ピペリジルおよび3-ピペリジルなどを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニルおよび2-ピペラジニルなどを含む)、モルホリニル(3-モルホリニルおよび4-モルホリニルなどを含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-チアジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジニル、またはホモピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、用語「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子からなる直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を示す。前記のC1-3アルキルは、C1-2アルキルおよびC2-3アルキルなどを含み、一価のもの(例えばメチル)、二価のもの(例えばメチレン)または多価のもの(例えばメテニル)であり得る。C1-3アルキルの例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)などが含まれるが、これらに限定されない。
特に明記しない限り、用語「C1-3アルコキシ」は、1つの酸素原子を介して分子の残りの部分に結合している1~3個の炭素原子からなるアルキル基を意味する。前記のC1-3アルコキシは、C1-2、C2-3、CおよびCアルコキシなどを含む。C1-3アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n-プロポキシおよびイソプロポキシを含む)などが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、以下の実施形態、それらを他の化学合成方法と組み合わせた実施形態、および当業者に周知の同等置換を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって調製される。好ましい実施形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができる。本発明が化合物の絶対配置に関する場合、その絶対配置は、当技術分野の従来の技術によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折法(SXRD)では、得られた単結晶について、Bruker D8 venture回折計(スキャンモード:φ/ωスキャン、光源:CuKα線)を使用して回折強度データを収集した後、さらに、直接法(Shelxs97)で結晶構造を分析し、絶対配置を確認する。
本発明で使用される全ての溶媒は市販されている。
本発明は以下の略語を使用する。DMSOは、ジメチルスルポキシドを表す。HClは、塩酸を表す。ACNは、アセト二トリルを表す。
化合物は、当技術分野における一般的な命名法又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアによって命名され、市販の化合物は、メーカのカタログ名を使用する。
本発明は、実施例により以下に詳細に記載される。しかしながら、これらの例が本発明に対して不利な制限を有することは意図されていない。本発明は本明細書で詳細に説明されており、実施形態も開示されている。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に様々な変更および修正を加えることができることは当業者には明らかであろう。
実施例1:化合物1の調製
工程1:化合物1-2の合成。
化合物1-1(1.0g,3.46mmol)をメタノール(5mL)と水(5mL)との混合溶媒に加えた後、水酸化ナトリウム(276.62mg,6.92mmol)を添加し、得られた反応液55℃で攪拌しながら4時間反応させた。反応液を回転蒸発してメタノールを除去し、残留物を2M塩酸でpH=2~3に調整し、大量の固形物が析出し、固体を濾過により収集し、粗生成物を得た。この粗生成物を酢酸エチル/石油エーテル(V/V=1:1,3mL)に加え、室温で10分間攪拌し、固体を濾過により収集し、45℃で30分間真空乾燥させ、化合物1-2を得た。H NMR:(400MHz,CDCl) δ:3.06-3.00(m,2H),2.59-2.52(m,2H),1.81-1.68(m,4H);MS(ESI):m/z260.9[M+H]
工程2:化合物1-3の合成
化合物1-2(390mg,1.49mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた後、カルボニルジイミダゾール(290.60mg,1.79mmol)を加え、得られた反応液を室温25℃で攪拌しながら1時間反応させた。次に、この反応液をアンモニア水溶液(1.54g,7.47mmol,1.69mL,含有量17%)に注ぎ、20分間激しく攪拌した。反応液を回転蒸発して乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)により精製して化合物1-3を得た。H NMR:(400MHz,CDCl) δ:5.56(brs,1H),2.99-2.94(m,2H),2.59-2.53(m,2H),1.81-1.74(m,4H);MS(ESI):m/z259.6[M+H]
工程3:化合物1-4の合成
化合物1-3(271mg,1.04mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、得られた溶液を0℃まで冷却した後、塩化シアヌル(230.52mg,1.25mmol)を加え、最終反応液を得た。氷浴を取り除き、室温25℃で攪拌しながら1時間反応させた。反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水(3mL×3)で洗浄し、有機相用適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去し、減圧下で溶媒を除去して、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル.石油エーテル=0~3%)により精製して化合物1-4を得た。
工程4:化合物1-5の合成
化合物1-4(82mg,338.65μmol)、ホウ酸1-4A(106.67mg,507.98μmol)および炭酸カリウム(93.61mg,677.31μmol)を、ジオキサン(2mL)と水(0.4mL)との混合溶媒に加えた後、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl)(24.78mg,33.87μmol)を加えた。得られた反応液を窒素ガスで十分に置き換えた後、110℃の油浴に入れ、攪拌しながら18時間反応させた。反応液を回転蒸発して乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)により精製して化合物1-5を得た。MS(ESI):m/z327.9[M+H]
工程5:化合物1-6の合成
化合物1-5(40mg,122.18μmol)を無水ジクロロメタン(0.5mL)に溶解させ、氷浴を0℃まで冷却した後、窒素下で三臭化ホウ素(61.22mg,244.35μmol,23.54μL)を加えた。得られた反応液を室温25℃で攪拌しながら2時間反応させた。氷水浴で冷却し、反応液に水(0.5mL)を添加して反応をクエンチした後、酢酸エチル(10mL)を添加して攪拌し、溶解させ、得られた溶液を水(2mL×2)で洗浄し、有機相を回転蒸発して乾燥させ、粗生成物である化合物1-6を得た。粗生成物を次の工程でそのまま使用した。
工程6:化合物1の合成
化合物1-6(37.83mg,120.71μmol)をテトラヒドロフラン(1mL)および水(1mL)に加えた後、水酸化リチウム一水和物(15.20mg,362.12μmol)を加え、得られた反応液を25℃で攪拌しながら15時間反応させた。反応液を回転蒸発して乾燥させ、残留物を1M塩酸でpH=2~3に調整し、粗生成物を分取HPLC(クロマトグラフィーカラム:Venusil ASB Phenyl 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];ACN%:65%-95%,9min)により精製して化合物1を得た。
1H NMR: (400MHz, MeOD-d) δ:7.96(d,J=8.0Hz,1H),7.13-7.05(m,2H),2.90(t,J=6.4Hz,2H),2.83(t,J=6.4Hz,2H),1.93-1.77(m,4H). MS(ESI):m/z299.9[M+H]
実施例2:化合物2の調製
工程1:化合物2-2の合成
化合物2-1(2.5g,10.15mmol)をメタノール(10mL)に溶解させた後、水(10mL)および水酸化ナトリウム(1.62g,40.61mmol)を加えた。得られた反応液を40℃の油浴に入れ、攪拌しながら2時間反応させた。反応液を減圧下で半分の量まで濃縮し、残留物に水(5mL)を添加し、攪拌しながら6Mの塩酸でpH=2~3に調整したところ、大量の白色固形物が析出した。固形物を濾過により収集し、50℃で3時間真空乾燥させ、化合物2-2を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ: 7.28(s,1H),3.30(t,J=7.0Hz,2H),3.22(t,J=14.3Hz,2H),2.25(tt,J=6.8,13.4Hz,2H)。
工程2:化合物2-3の合成
化合物2-2(500mg,2.29mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させた後、カルボニルジイミダゾール(445.83mg,2.75mmol)を加え、得られた反応液を窒素下で攪拌しながら1時間反応させた。次に、この反応液を、激しく攪拌していたアンモニア水(2.87g,22.91mmol,3.15mL,含有量28%)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に注ぎ、攪拌しながら30分間反応させた。25℃、減圧で反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、回転蒸発して乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)により精製して化合物2-3を得た。H NMR(400MHz,CDCl ) δ: 7.10(s,1H),5.58(br s,2H),3.28(t,J=6.9Hz,2H),3.21(t,J=14.4Hz,2H),2.24(tt,J=6.9,13.4Hz,2H)。
工程3:化合物2-4の合成
化合物2-3(320mg,1.47mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、得られた溶液を0℃まで冷却した後、塩化シアヌル(298.81mg,1.62mmol)を加え、最終反応液を、窒素下で攪拌しながら2時間反応させた(この間に大量の白色固形物が析出した)。反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈した後、水(10mL×3)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、有機相を適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して乾燥剤を除去した。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物である化合物2-4を得た。粗生成物を次の工程でそのまま使用した。H NMR:(400MHz,CDCl) δ: 7.25(s,1H),3.21(t,J=14.3Hz,2H),3.09(t,J=6.9Hz,2H),2.28(tt,J=6.8,13.2Hz,2H)。
工程4:化合物2-5の合成
化合物2-4(290mg,1.46mmol)を酢酸(2mL)に溶解させた後、液体臭素(348.94mg,2.18mmol,112.56μL)を加え、得られた反応液を室温25℃で攪拌しながら15時間反応させた。反応液を回転蒸発して乾燥させ、残留物に酢酸エチル(30mL)を添加して飽和炭酸ナトリウムでpH=7~8に調整した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~5%)により精製して化合物2-5を得た。 H NMR:(400MHz, CDCL) δ:3.10-2.99 m,4H),2.32-2.19(m,2H)。
工程5:化合物2-6の合成
化合物2-5(140mg,503.39μmol)、ホウ酸エステル2-5A(178.39mg,553.73μmol)、炭酸カリウム(139.14mg,1.01mmol)をジオキサン(3mL)および水(0.6mL)に加えた後、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl)(36.83mg,50.34μmol)を加え、次に、窒素下で105℃の油浴に入れ、攪拌しながら15時間反応させた。反応液を回転蒸発して乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)により精製して化合物2-6を得た。H NMR:(400MHz,CHCl) δ: 7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.28(d,J=1.6Hz,1H),7.10(dd,J=1.6,8.0Hz,1H),5.0(s,2H),3.3(s,3H),3.55(s,3H),3.23(t,J=14.4Hz,2H),3.13(t,J=6.8Hz,2H),2.39-2.24(m,2H)。
工程6:化合物2-7の合成
化合物2-6(105mg,266.90μmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させた後、水酸化リチウム一水和物の水溶液(2M,533.80μL)を加え、得られた反応液を室温25℃で攪拌しながら15時間反応させた。反応液を40℃でテトラヒドロフランを回転蒸発して除去させ、残留物を2M塩酸でpH=2~3に調整し、大量の固形物が析出し、酢酸エチル(50mL)を添加して攪拌し、酢酸エチルを回転蒸発して乾燥させ、化合物2-7を得た。粗生成物を次の工程でそのまま使用した。
工程7:化合物2の合成
化合物2-7(105mg,276.77μmol)をメタノール(1mL)に溶解させた後、塩酸(60.55mg,1.66mmol,59.36μL)を加え、反応液が濁り、25℃で攪拌しながら3時間反応させた。40℃で反応液を回転蒸発して乾燥させ、得られた残留物を分取HPLC(クロマトグラフィーカラム: Venusil ASB Phenyl 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];ACN%:60%-90%,9min)により精製して化合物2を得た。
H NMR(400MHz,MeOD-d) δ: 8.00(d,J=8.0Hz,1H),7.13-7.04(m,2H),3.35-3.32(m,2H),3.12(t,J=7.2Hz,2H),2.45-2.30(m,2H);MS(ESI)m/z: 334.02[M-H]
実施例3:化合物3の調製
工程1:化合物3-2の合成
化合物3-1(15.01g,82.36mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(80mL)に加え、N-ブロモスクシンイミド(23.46g,131.78mmol)を添加し、室温25℃で12h反応させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(60mL)で溶解させた。得られた溶液を、水(20mL)および飽和食塩水(15mL)で順次に洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濾液の溶媒を減圧下で蒸発させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)により精製して化合物3-2を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ :3.76(s,3H),2.91(t,J=7.2Hz,2H),2.56-2.50(m,2H),2.38-2.30(m,2H).MS(ESI):m/z260.8[M+H]
工程2:化合物3-3の合成
化合物3-2(1.98g,7.58mmol)をメタノール(10mL)と水(10mL)との混合溶液に加え、さらに水酸化ナトリウム(606.54mg,15.16mmol)を加え、50℃で攪拌しながら1時間反応させた。反応後、減圧下で蒸発させ、溶媒を除去し、残留物に水(20mL)を添加した後、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。水相を塩酸でpH=4~5に調整したところ、大量の灰黄色の固形物が析出した。濾過し、フィルターケーキを水(10mL)で洗浄した後、真空乾燥させ、化合物3-3を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:13.09(brs,1H),2.90(t,J=7.2Hz,2H),2.58-2.53(m,2H),2.39-2.33(m,2H);MS(ESI):m/z246.8[M+H]
工程3:化合物3-4の合成
化合物3-3(1.57g,6.36mmol)をジクロロメタン(10mL)に加え、さらにカルボニルジイミダゾール(1.24g,7.63mmol)を加えた。反応液を窒素下、25℃で1.5時間攪拌した後、反応液を、攪拌していたアンモニア水(3M,21.19mL)のテトラヒドロフラン溶液に注ぎ、さらに0.5時間攪拌した。減圧下で蒸発させ、溶媒を除去した後、酢酸エチル(20mL)を添加した。得られた混合液を水(10mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで干燥させた。乾燥剤を濾去し、再び減圧下で濾液を蒸発させ、溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~50%)により精製して化合物3-4を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 7.60-6.90(m,2H),2.93(t,J=8.0Hz,2H),2.57-2.55(m,2H),2.39-2.29(m,2H)。MS(ESI):m/z247.9[M+H]
工程4:化合物3-5の合成
化合物3-4(550mg,2.23mmol)をN,Nジメチルホルムアミド(6mL)に溶解させ、0℃で塩化シアヌル(412.09mg,2.23mmol)を加えた。反応液を25℃に昇温し、窒素下で攪拌しながら2時間反応させた。この間に大量の白色固形物が析出した。メチルtert-ブチルエーテル(40mL)で反応液を希釈した後、水(10mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、乾燥剤を濾去し、濾液の溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)により精製して化合物3-5を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:2.82(t,J=7.2Hz,2H),2.59-2.52(m,2H),2.44-2.35(m,2H)。
工程5:化合物3-6の合成
化合物3-5(150mg,657.58μmol)、ホウ酸エステル3-5A(233.03mg,723.34μmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl)(48.12mg,65.76μmol)を反応フラスコに入れ、炭酸カリウム(181.76mg,1.32mmol)をさらに加えた。水(0.6mL)とジオキサン(3mL)との混合液を加え、反応液を、窒素下、105℃の油浴で12時間反応させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)により精製して化合物3-6を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ:7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.48(s,1H),7.37-7.32(m,1H),5.35(s,2H),3.87(s,3H),3.52(s,3H),3.02(t,J=8.0Hz,2H),2.89(t,J=8.0Hz,2H),2.61-2.51(m,2H)。
工程6:化合物3-7の合成
化合物3-6(168mg,489.23μmol)をテトラヒドロフラン溶液(5mL)に加え、水酸化リチウム(2M,1.47mL)をさらに加え、23℃で2時間反応させた。2M塩酸でpH4~5に調整した後、減圧下で蒸発させ、テトラヒドロフランを除去し、残留物に酢酸エチル(15mL)を添加した後、水(5mL)で1回洗浄してから、飽和食塩水(5mL)でさらに1回洗浄した。有機相を適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して乾燥剤を除去した。減圧下で溶媒を除去して、粗生成物である化合物3-7を得た。粗生成物を次の工程でそのまま使用した。 MS(ESI):m/z329.9[M+H]
工程7:化合物3の合成
化合物3-7(160mg,485.78μmol)にメタノール(2mL)を加え、塩酸(49.20mg,485.78μmol,48.23μL,36%純度)をさらに加えた。23℃で3時間反応させた後、減圧下で蒸発させ、溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(クロマトグラフィーカラム: Venusil ASB Phenyl 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];ACN%:55%-85%,9min)により精製して化合物3を得た。H NMR(400MHz,MeOD-d) δ:7.97-7.92(m,1H),7.45-7.21(m,2H),3.01(t,J=7.2Hz,2H),2.89(t,J=7.2Hz,2H),2.65-2.51(m,2H);MS(ESI):m/z286.0[M+H]
実施例4:化合物4の調製
工程1:化合物4-2の合成
化合物4-1(1g,7.03mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に加え、-78℃、窒素下でn-ブチルリチウム(2.5M,3.10mL)を滴下した後、さらに30分間反応させ、N,N-ジメチルホルムアミド(950.00mg,13.00mmol,1.00mL)を滴下した。滴下完了後、23℃に昇温し、1h反応させた。塩酸で溶液をpH2~3に調整したところ、溶液に沈殿が析出した。析出した沈殿を濾過し、5mLの水でフィルターケーキを洗浄した後、真空乾燥させ、化合物4-2を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ:9.94(s,1H)6.82(s,1H)4.37-4.41(m,2H)4.28-4.31(m,2H)。
工程2:化合物4-3の合成
化合物4-2(200mg,1.18mmol)をDMF(3mL)に加え、N-ブロモスクシンイミド(250.99mg,1.41mmol)をさらに加えた。得られた反応液を23℃で48時間反応させた。反応完了後、減圧下で蒸発させ、溶媒を除去し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(3mL)で2回洗浄し、有機層を分離した後、飽和塩化ナトリウム溶液2mLで1回洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)により精製して化合物4-3を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ:9.85(s,1H),4.45-4.30(m,4H);LCMS m/z=246.9[M+H]
工程3:化合物4-4の合成
化合物4-3(215mg,863.17μmol,)をエタノール(4mL)に加え、ヒドロキシルアミン水溶液(50%,114.04mg,1.73mmol)をさらに加え、90℃で2時間還流させて反応させた。反応完了後、そのまま減圧下で蒸発させ、溶媒を除去した。アセトニトリ(4mL)を加え、さらに減圧下で蒸発させ、溶媒を除去し、化合物4-4を得た。MS(ESI):m/z263.9[M+H]
工程4:化合物4-5の合成
化合物4-4(130mg,492.24μmol)をアセトニトリ(5mL)に加え、窒素下で塩化チオニル(234.25mg,1.97mmol,142.84μL)を加え、90℃で4時間加熱還流させた。減圧下で蒸発させ、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)により精製して化合物4-5を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ:4.32-4.41(m,4H);MS(ESI):m/z247.0[M+H]
工程5:化合物4の合成
化合物4-5(110mg,447.01μmol)、4-5A(138.71mg,491.71μmol)および炭酸カリウム(123.56mg,894.01μmol)をジオキサン(2mL)/水(0.4mL)に加えた後、Pd(dppf)Cl(32.71mg,44.70μmol)を加えた。得られた反応液を、窒素下、105℃で15時間反応させた。反応液を濃縮し、残留物にトリフルオロ酢酸(2mL)を加え、室温で攪拌しながら1時間反応させた。反応液を濃縮し、残留物をジメチルスルホキシド(3mL)に溶解させ、分取用HPLC(クロマトグラフィーカラム: Agela ASB 150*25mm*5μm;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN]; アセトニトリ%: 46%-76%,9min)により精製して化合物4を得た。H NMR (400MHz,DMSO_d) δ:7.86(d,J=8.4Hz,1H),7.34-7.24(m,2H),4.49(d,J=6.4Hz,4H). MS(ESI):m/z302.0[M-H]
実施例 5:化合物5の調製
工程1:化合物5-2の合成
化合物5-1(5g,21.09mmol)、1,2-ジブロモエタン(31.70g,168.73mmol,12.73mL)および炭酸カリウム(11.66g,84.36mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)に加え、85℃に昇温し、攪拌しながら4時間反応させた。反応液を濃縮し、残留物に100mLの酢酸エチルを添加し、不溶物を10分間攪拌し、減圧下で溶媒を除去して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~2%)により精製して化合物5-2を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:7.41(s,1H)4.49(t,J=6.8Hz,2H),3.89(s,3H),3.70(t,J=6.8Hz,2H)。
工程2:化合物5-3の合成
化合物5-2(6.5g,18.89mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、攪拌し、-78℃まで冷却した後、n-ブチルリチウム(2.5M,7.56mL)を滴下した。滴下完了後、この温度で攪拌しながら2時間反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)および水(30mL)で反応をクエンチし、有機相を分離した。水相を酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機相を合わせ、濃縮した後、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)により精製して化合物5-3を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ:6.95(s,1H),5.10(t,J=8.4Hz,2H),3.86(s,3H),3.04(t,J=8.4Hz,2H)。
工程3:化合物5-4の合成
化合物5-3(620mg,3.37mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させた後、N-ブロモスクシンイミド(898.56mg,5.05mmol)を加え、得られた反応液を25℃で攪拌しながら24時間反応させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解させた後、飽和亜硫酸水素ナトリウム(10mL)、飽和食塩水(10mL)で順次に洗浄し、有機相を濃縮した後、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)により精製して化合物5-4を得た。MS(ESI):m/z262.9[M+H]
工程4:化合物5-5の合成
化合物5-4(318mg,1.21mmol)をメタノール(2mL)に溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(2M,1.21mL)を加え、得られた反応液を45℃で攪拌しながら2時間反応させた。反応液を回転蒸発して乾燥させ、残留物に水(2mL)を添加して、6M塩酸でpH~2-3に調整し、大量の沈殿物が析出した。10分間攪拌した後、濾過して回収し、フィルターケーキを45℃で2時間真空乾燥させ、化合物5-5を得た。MS(ESI):m/z248.9[M+H]
工程5:化合物5-6の合成
化合物5-5(250mg,1.00mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解させた後、カルボニルジイミダゾール(244.12mg,1.51mmol)を加え、得られた反応液を窒素下で攪拌しながら1時間反応させた。次に、反応液をアンモニア水(1.30g,10.04mmol,1.43mL,濃度27%)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に注ぎ、攪拌しながら30分間反応させた。反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(50mL)で溶解させた後、水(10mL)および飽和食塩水(10mL)で順次に洗浄した。有機相を適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧下で濃縮し、溶媒を除去して粗生成物化合物5-6得た。そのまま次の反応に用いた。MS(ESI):m/z249.9[M+H]
工程6:化合物5-7の合成
化合物5-6(230mg,927.06μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させた後、塩化シアヌル(256.44mg,1.39mmol)を加え、得られた反応液を室温25℃で攪拌しながら2時間反応させた。反応液を酢酸エチル(80mL)で希釈した後、水(20mL)および飽和食塩水(20mL)で順次に洗浄した。有機相を適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去し、減圧下で溶媒を除去して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)により精製して化合物5-7を得た。MS(ESI):m/z252.2[M+Na]
工程7:化合物5-8の合成
化合物5-7(130mg,565.02μmol)、5-7A(308.70mg,847.53μmol)および炭酸カリウム(195.22mg,1.41mmol)をジオキサン(1.5mL)および水(0.3mL)に加えた後、Pd(dppf)Cl(82.69mg,113.00μmol)を加え、得られた反応液を窒素下、110℃で攪拌しながら15時間反応させた。反応液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)により精製して化合物5-8を得た。MS(ESI):m/z388.1[M+H]
工程8:化合物5の合成
化合物5-8(140mg,361.34μmol)をジクロロメタン(0.5mL)に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(412.01mg,3.61mmol,267.54μL)を加え、得られた反応液を25℃で攪拌しながら2時間反応させた。反応液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、HPLC(クロマトグラフィーカラム: Venusil ASB Phenyl 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];アセトニトリ%:45%-75%,9min)により精製して化合物5を得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ:7.96(d,J=8.8Hz,1H),7.20-7.05(m,2H),5.20(t,J=8.0Hz,2H),3.39(t,J=8.0Hz,2H)。MS(ESI):m/z286.0[M-1]
生物学的試験データ:
実験例1:キサンチンオキシダーゼ阻害活性試験
1.1実験の目的
化合物のキサンチンオキシダーゼ活性に対する阻害のレベルを評価する。
1.2 試薬
本研究で使用された主な試薬は、キサンチン(Sigma、カタログ番号:X4002-1G、ロット番号:SLBB5664V)およびキサンチンオキシダーゼ(Sigma,カタログ番号:X4376-5UN、ロット番号:SLBQ1518V)を含む。
1.3 装置
本研究で使用された主な装置は、マルチマイクロプレートリーダーである。
1.4 実験方法
1)化合物のバックグラウンド対照ウェルおよびHPE(100%阻害率活性)陽性対照ウェルに、50μLのダルベッコリン酸緩衝液(DPBS)を加えた。
2)2U/mLのキサンチンオキシダーゼをDPBSで0.04U/mLに希釈し、図1の実験配置図に従って化合物活性試験ウェルおよびZPE(0%阻害率活性)陰性対照ウェルに、50μLのキサンチンオキシダーゼを加えた。
3)化合物をDMSOで3倍連続希釈し、8濃度を得た。次に、化合物をDPBSで希釈し、50μLずつ各3ウェルに添加した。HPE(100%阻害率活性)陽性対照ウェルおよびZPE(0%阻害率活性)陰性対照ウェルの各ウェルに、50μLのDPBSを添加した。
4)200mMのキサンチンをDPBSで300μMに希釈した。図1の実験配置図に従って、100μLのキサンチンを各ウェルに添加し、室温で30分間反応させ、各ウェルのキサンチンオキシダーゼの最終濃度は0.01U/mLであり、各ウェルのDMSOの最終濃度は0.5%であった。なお、HPE(100%阻害率活性)陽性対照ウェルには、キサンチンを含んだが、キサンチンオキシダーゼを含まなかった。ZPE(0%阻害率活性)陰性対照ウェルには、キサンチンとキサンチンオキシダーゼを含んだ。化合物のバックグラウンド対照ウェルには、さまざまな濃度の化合物とキサンチンを含んだが、キサンチンオキシダーゼを含まなかった。
5)分光光度計で290nmにおける吸光度値を測定した。
6)データ分析:次の式により、各ウェルのキサンチンオキシダーゼの阻害率を算出した。
* OD試験サンプルは、化合物、キサンチン及びキサンチンオキシダーゼを含む化合物活性試験ウェルの光学密度(optical density)値であり;
* OD化合物対照は、化合物とキサンチンを含むがキサンチンオキシダーゼを含まないさまざまな濃度の試験化合物のバックグラウンド光学密度(optical density)値であり;
* ODZPEは、0.5%DMSO、キサンチン、およびキサンチンオキシダーゼを含む阻害活性無しの対照ウェルの光学密度(optical density)値の平均値であり;
* ODHPEは、0.5%DMSOとキサンチンを含むがキサンチンオキシダーゼを含まない100%阻害活性の対照ウェルの光学密度(optical density)値の平均値である。
7)GraphPad Prismソフトウェアを使用して、化合物の阻害率データ(阻害率%)に対してlog(agonist) vs. response--Variable slope非線形フィッティング分析を実行し、化合物のIC50値を得た。フィッティング式:Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))。
1.5 実験の結果
表1. 化合物のキサンチンオキシダーゼ阻害活性試験の結果


実験の結果は、本発明の化合物が良好なキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することを示している。
実験例2:化合物の尿酸摂取阻害活性試験
1. 実験の目的
本研究において、ヒトUrat1遺伝子を安定的にトランスフェクトした細胞株を使用して、尿酸摂取に対する試験化合物の阻害活性を評価する。
2. 実験の材料
2.1細胞株
ヒトUrat1遺伝子を安定的にトランスフェクトした細胞株は、WuXi AppTec社によって構築された。ヒトUrat1遺伝子を安定的にトランスフェクトした細胞株(Urat1-MDCK)は、ヒトUrat1遺伝子をトランスフェクトし、G418スクリーニングによって得られたMDCK細胞である。細胞株は、10%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mML-グルタミンおよび1%非必須アミノ酸、および250μg/mlのG418を含むMEM培地で培養された。
2.1試薬
本研究で使用された主な試薬は、14C尿酸(ARC、カタログ番号:ARC-0513、ロット番号:200122)を含んだ。
2.2装置
本研究で使用された主な装置は、液体シンチレーションアナライザー(Perkin Elmer、Tri-Carb 4910TR)であった。
3. 実験方法
3.1 細胞プレーティング
3.1.1 T150細胞培養フラスコで培養されたUrat1-MDCK細胞を0.25%トリプシンで消化した後、新鮮な培地で希釈し、200,000細胞/mlの懸濁液を調製した。
3.1.2 48ウェル細胞培養プレートにウェルあたり0.5mlで細胞を播種した。最終細胞密度は100,000細胞/ウェルであった。
3.1.3 細胞培養プレートを37℃、5%COインキュベーターで一晩インキュベートした。
3.2 化合物の処理および測定
3.2.1 化合物をDMSOで5倍連続希釈し、4濃度を得た。希釈後の濃度は200×最終実験濃度であった。次に、化合物をHBSS緩衝液で10倍希釈した。
3.2.2 14C-尿酸の10mM濃縮ストック溶液を、HBSS緩衝液で1mMに希釈した。
3.2.3 細胞培養プレートを一晩インキュベートした後、細胞培養培地をプレートから除去し、HBSS緩衝液で細胞を3回洗浄し、続いて各ウェルに90μlのHBSS緩衝液を加えた。
3.2.4 希釈された化合物5μlを各ウェルに添加し、37℃、5%COインキュベーターで細胞を20分間インキュベートした。各ウェルのDMSOの含有量は0.5%であった。試験化合物(10μM)を100%阻害率対照として使用し、0.5%DMSOを0%阻害率対照として使用した。
3.2.5 希釈された14C-尿酸をウェルあたり5μlで細胞プレートに添加した。各ウェルの尿酸の最終濃度は50μMであった。37℃、5%COインキュベーターで細胞を15分間インキュベートした。次に、事前に冷却したHBSS緩衝液で細胞を3回洗浄した。
3.2.6 各ウェルに0.1MのNaOH 150μlを加え、細胞を10分間溶解した。
3.2.7 細胞溶解物を液体シンチレーション検出バイアルに収集し、各バイアルに2mlのシンチレーション液を加えた。
3.2.8 液体シンチレーションアナライザーで各バイアルのサンプルの14C含有量を測定した。
3.2.9 データ分析:
阻害率%=(HC-CPD)/(HC-LC)×100%*
*CPDは、化合物ウェルの放射性シグナルの値であり;
HCは、0%阻害率対照ウェルの放射性シグナルの平均値であり;
LCは、100%阻害率対照ウェルの放射性シグナルの平均値である。
3.2.10 GraphPad Prismソフトウェアを使用して、非線形回帰log(inhibitor) vs. response--Variable slope法を採用して、以下の式により用量反応曲線をフィッティングし、化合物のIC50値およびIC90値を得た。
Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))
4. 実験の結果
表2. 尿酸摂取に対する化合物の阻害活性


実験の結論:実験の結果は、本発明化合物が尿酸摂取に対して良好な阻害活性を有することを示している。
実験例3:肝細胞における代謝安定性(HMS)の研究
1.実験の目的
ヒトおよびラット肝細胞における試験サンプルの代謝安定性を検出する。
2.実験の材料
2.1試験化合物(10mM)、対照品:7-エトキシクマリン(7-Ethoxycoumarin,30mM)、7-ヒドロキシクマリン(7-Hydroxycoumarin、対照品、30mM)
2.2細胞
Figure 0007362916000048
2.3 緩衝系:
解凍培地:5%のウシ胎児血清、30%のPercoll溶液および他の補助物質を含むウィリアム培地E。
インキュベーション培地:2mMのL-グルタミンおよび25mMのヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸を含むウィリアム培地E(フェノールレッドを含まない)。
停止溶液:200ng/mLのトシルブチルアミドおよびラベタロールを内部標準として含むアセトニトリル。
希釈液:超純水。
3.実験方法
1)正確な量の陽性対照化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、30mMの溶液を調製した。
2)96ウェルプレートにおいて、10mMの試験化合物および30mMの陽性対照化合物をDMSOで1mMおよび3mMに希釈した。
3)アセトニトリルで1mMの試験化合物および3mMの陽性対照化合物を100μMおよび300μMの定量溶液に希釈した。
4)凍結保存された細胞を解凍し、分離して培地に懸濁させた後、あらかじめ温めておいた培地で0.5×10細胞/mLに希釈した。
5)あらかじめ加熱した細胞懸濁液198μLを96ウェルプレートに加えた。
6)100μLの停止溶液(200ng/mLのトシルブチルアミドと200ng/mLのラベタロールを内部標準として含むアセトニトリル)を、事前にラベルを付けた96ウェルプレートのセットに移した。
7)2μLの100μM試験化合物または300μM陽性対照定量溶液を96ウェルプレートの各ウェルに2回ずつ加えた。
8)T0サンプルを混合して、約1分間で均一に懸濁させた後、各サンプル20μLを直ちに100μLの氷冷停止溶液を含むウェルに移して混合した。
9)95%加湿インキュベーター内、5%CO、37℃ですべてのプレートをインキュベートし、約600rpmで振とうして反応を開始させた。
10)15、30、60および90分にサンプルを混合した後、各時点で各サンプル20μLを、100μLの氷冷停止液を含むウェルに移して混合した。
11)細胞懸濁液以外と同様の成分を各ウェルに添加したことにより、T0およびT90で、培地対照(MC)サンプルプレート(T0-MCおよびT90-MCと表示した)を調製した。最終濃度表を得た。
12)それぞれの時点で、インキュベーターからプレートを取り出し、100μLの氷冷停止溶液と混合したことにより、反応を停止させた。
13)直ちにプレートシェーカーによりプレートを500rpmで10分間ボルテックスした。次に、3220×g、4℃ですべてのサンプルプレートを20分間遠心分離した。
14)遠心分離後、35μL/ウェルでサンプルプレートの上清を、プレート図に従って70μLの超純水を含む事前にラベル付けされた別の96ウェルプレートのセットに移した。
15)分析プレートを密封し、LC-MS-MS分析まで4℃で保存した。
以下の式により、試験化合物と対照化合物の残留率を得た。
時間に対する残留率の対数をプロットすることにより、肝細胞における試験化合物および対照化合物の消失速度定数kを算出し、この消失速度定数kから、半減期(T1/2)およびインビトロ固有クリアランス(CLint)を求めた。式は以下の通りである。
1/2=0.693/k
CLint(hep)=k/1mlあたりの細胞数(million cells/mL)
CLint(liver)=CLint(hep)×肝重量体重比×肝臓1グラムあたりの肝細胞数
式中の各パラメーターは以下の通りである。
Figure 0007362916000050
4.実験の結果
結果を表3に示す。
表3 ヒトおよびラットにおける化合物の肝固有クリアランス

実験の結論:化合物2および化合物3は両方とも、ヒト肝細胞では中程度のクリアランスであり、ラット肝細胞では高いクリアランスである。
実験例4.膜透過性MDR1試験
1.実験の目的:
MDR1-MDCK II細胞は、ヒトMDR1遺伝子をトランスフェクトしたMadin-Darbyイヌ腎臓細胞であり、この細胞は、P-gpを安定して高発現することができる。本研究の目的は、MDR1-MDCK II細胞モデルにおける化合物の双方向透過性を検出し、また、それらが外部に輸送されるかどうかを評価することにある。
2.細胞の培養:
MDR1-MDCK II細胞(Netherlands Cancer InstituteのPiet Borstから入手)を、4~7日間で融合細胞単層を形成するまで、96ウェルインサートシステムのポリエチレンフィルム(PTET)に2.5×10細胞/mLの密度で播種した。
3.実験方法
輸送緩衝液(HBSS、DMSOを含む10mM Hepes、pH7.4)で試験化合物を2μM(DMSO<1%)の濃度に希釈し、細胞単層の頂端膜または基底外側膜に塗布した。試験化合物をAからBまたはBからAの方向に繰り返して試験し、ジゴキシンをAからBまたはBからAの方向に10μMで試験し、ナドロールおよびメトプロロールをAからBまで2μMで試験した。37±1℃のCOインキュベーター内、飽和湿度5%のCOで振とうせずにプレートを2.5時間インキュベートし、さらに各化合物の流出比を測定し、試験化合物および参照化合物の定量を行った。分析物/ISのピーク面積比から、LC/MS/MSにより分析した、輸送試験後、LuciferYellow排除アッセイにより、細胞単層の完全性を検出した。頂端膜および基底外側膜コンパートメントから緩衝液を除去した後、輸送緩衝液に75μLの100μMルシフェリンイエローを、頂端膜および基底外側膜コンパートメントに250μLの輸送緩衝液をそれぞれ添加した。37℃、5%CO、飽和湿度で振とうせずにプレートを30分間インキュベートした。30分間のインキュベーション後、頂端膜から20μLのルシフェリンイエローサンプルを採取し、60μLの輸送緩衝液を添加した。次に、基底外側膜から80μLのルシフェリンイエローサンプルを採取した。Envisionマイクロプレートリーダーを使用して425/528nm(励起/発光)でルシフェリンイエローの相対蛍光単位(RFU)を測定した。
4.データの計算
以下の式により、見かけの透過係数(Papp、cm/s)、流出率(efflux rate)および回収率(recovery rate)を算出した。
以下の式により、見かけの透過係数(Papp、cm/s)を算出した。
Papp=(dC/d)×V/(A×C
dC/dは、単位時間にわたる受け側の化合物の累積濃度(μM/s)であり;Vは、受け側の溶液の容量(頂端膜と基底端の溶液の容量はそれぞれ0.075mLと0.250mL)であり;Aは、細胞単層の相対表面積(0.0804cm)であり;Cは、投与側の試験物質の初期濃度(nM)または対照物質のピーク面積比である。
以下の式により、流出率を算出した。
流出率=Papp(BA)/Papp(AB)
以下の式により、回収率を算出した。
%回收率=100×[(V×C)+(V×C)]/(V×C
は、投与側の試験物質の初期濃度(nM)または対照物質のピーク面積比であり;Vは投与側の容量(頂端膜側は0.075mL、基底側は0.250mL)であり;CおよびCは、それぞれ、投与側および受け側での試験物質の最終濃度(nM)または対照物質のピーク面積比である。
以下の式により、基底外側膜ウェルにおけるルシファーイエローの百分率を算出した。
ここで、RFUApicalおよびRFUBasolateralは、それぞれ、頂端膜および基底外側膜のウェルにおけるルシファーイエローの相対蛍光単位値であり;VApicalおよびVBasolateralは、それぞれ、頂端膜および基底外側膜のウェルの体積(0.075mLおよび0.25mL)である。なお、%ルシファーイエローは2未満である。
5.実験の結果
表4 MDR1細胞に対する化合物の膜透過性のデータ
結果を表4に示す。

実験の結論:化合物2および化合物3は両方とも高い透過性のものである。
実験例5.シトクロムP450アイソザイム阻害活性試験
1.実験の目的
ヒトシトクロムP450アイソザイムの異なるサブタイプに対する試験化合物の阻害活性を測定する。
2.実験方法
試験化合物、標準阻害剤(100×最終濃度)および混合基質作業溶液を調製し;-80℃の冷凍庫で凍結されたミクロソーム(Corning Incから購入)を取り出して解凍した。対応するウェルに、20μLの試験化合物および標準阻害剤の溶液を添加し、同時に、阻害剤なしの対照ウェル(NIC)およびブランク対照ウェル(Blank)に、対応する溶媒20μLを添加した。次に、Blankウェル(Blankウェルに20μLのリン酸緩衝液(PB)を添加した)を除いて、対応するウェルに20μLの混合基質溶液を添加した。ヒト肝臓ミクロソーム溶液(使用後の日付をマークし、すぐに冷蔵庫に戻した)を調製し、158μLのヒト肝臓ミクロソーム溶液をすべてのウェルに直ちに添加した。上記のサンプルプレートを37℃の水浴でプレインキュベートした後、補酵素因子(NADPH)溶液を調製した。10分間後、すべてのウェルに20μLのNADPH溶液を加えた。サンプルプレートをよく振った後、37℃の水浴で10分間インキュベートした。対応する時点で、400μLの冷アセトニトリル溶液(内部標準:200ng/mLのトルブタミドおよびラベタロール)を添加して反応を停止させた。サンプルプレートを十分に混合した後、4000rpmで20分間遠心分離し、タンパク質を沈殿させた。上清液200μLを取り出し、水100μLに加え、均一に振とうした後、LC/MS/MSで検出した。
3.実験の結果
結果を表5に示す。
表5 化合物によるP450アイソザイムの阻害のIC50

実験の結論:試験化合物は、CYP1A2、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4-Mに対して非常に低い阻害活性を有し、CYP2C9に対して中程度の阻害活性を有する。
実験例6.SDラットにおけるin vivo薬物動態
1.実験の目的:
SDラットにおける試験化合物のin vivo薬物動態。
2.実験の材料:
Sprague Dawleyラット(雄、180~350g、6~10週齢、Charles River Laboratories, Beijing)
3.実験方法:
化合物2を5%DMSO/10%Solutol/85%水と混合し、撹拌し、ボルテックスして、注射群投与用の0.6mg/mLの透明な溶液を調製し、ミクロポーラス膜で濾過した。化合物2を5%DMSO/10%Solutol/85%水と混合し、撹拌し、ボルテックスして、経口投与用の1mg/mLの透明な溶液を調製した。6匹の雄SDラットを2つの群に分けた。第1群の動物には、静脈内に単回投与され、用量が3mg/kgであり、溶媒が5%DMSO/10%Solutol/85%水であり、投与量が5mL/kgであった。第2群の動物には、試験化合物2を10mg/kgで単回強制経口投与し、経口溶媒が5%DMSO/10%Solutol/85%水であり、経口容量が10mL/kgであった。投与後の0(強制経口投与群のみ)、0.083(静脈内注射のみ)、0.25、0.5、1、2、4、8および24時間に、全血を採取した。3200g、4℃で全血を10分間遠心分離して血漿を得た。LC/MS/MS法により血漿中の化合物2および尿酸(強制経口投与群のみ)の濃度を測定し、Phoenix WinNonlinソフトウェアによりピーク濃度、ピーク濃度到達時間、クリアランス、半減期、薬物血中濃度-時間曲線下面積、バイオアベイラビリティなどの薬物動態パラメータを算出した。
実験の結果を表6に示す。
表6 ラットにおける化合物2の薬物動態データ

実験の結論:化合物2は、薬物動態特性が良好で、経口バイオアベイラビリティが高い。ここで、Cは初期濃度、T1/2は消失半減期、Vdssは定常状態の見かけの分布容積、Cは総クリアランス、AUC0-lastは0時間から最後の定量化可能な時点までの薬物血中濃度-時間曲線下面積、AUC0-infは0時間から外挿された無限大までの血漿濃度-時間曲線下面積、Cmaxはピーク濃度、Tmaxはピーク濃度到達時間である。

Claims (11)

  1. 式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    ここで、
    各Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、およびC1-3アルコキシからなる群から選択され、前記のC1-3アルキルおよびC1-3アルコキシは1個、2個または3個のRで置換されていてもよく;
    nは、0、1、2、3および4から選択され;
    は、H、F、Cl、Br、I、OHおよびNHからなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、OH、NHおよびCNからなる群から選択され;
    環Aは、C5-6シクロアルキルおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
    前記の5~6員ヘテロシクロアルキルは、-NH-、-O-およびNからなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子またはヘテロ原子団を含む
    式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 各Rが、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCHおよびCHOからなる群から選択され、前記のCH、CHCHおよびCHOが1個、2個または3個のRで置換されていてもよい、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. 各Rが、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CH、CHCH、CHOおよびCFからなる群から選択される、
    請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 環Aが、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、およびピペリジルからなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. 環Aが、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、およびジオキサニルからなる群から選択される、
    請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. 下式で表される、式(I)中の構造単位
    が、
    下記:
    からなる群から選択される、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. 下式で表される、式(I)中の構造単位
    が、下記:
    から選択される、
    請求項6に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. 前記の化合物が、下式で表される化合物:
    からなる群から選択され、
    ここで、
    、nおよびRが、請求項1~のいずれか1項に定義した通りであり、
    、EおよびEが、それぞれ独立してCHおよびOから選択される、
    請求項1~のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  9. 下記
    からなる群から選択される、
    化合物またはその薬学的に許容される塩。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する、キサンチンオキシダーゼを阻害するための医薬組成物。
  11. 痛風性関節炎および高尿酸血症から選択される疾患の治療に用いられる、請求項10に記載の医薬組成物。
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