(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る継手構造について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る継手構造を用いて構成された鉄道車両構体1の車両長手方向に垂直な面についての鉛直断面図である。本実施形態の鉄道車両構体1は、ダブルスキン構造によって構成されている。鉄道車両構体1は、台枠2、一対の側構体3、及び屋根構体4を備える。鉄道車両構体1は軽合金によって構成され、本実施形態では特にマグネシウムを含む軽合金によって構成されている。
台枠2は、一対の側構体3を支持する。台枠2は、一対の側梁2aと複数の横梁5とを有する。一対の側梁2aは、台枠2の車幅方向両側に配置されている。一対の側梁2aは、車両長手方向に延びている。複数の横梁5は、車幅方向に延び、一対の側梁2aの間で、車両長手方向に間隔をおいて配置されている。横梁5の車幅方向の両端は、一対の側梁2aと接続されている。横梁5の上方には、床板8が配置されている。
屋根構体4は、側構体3の上方に配置され、一対の側構体3が屋根構体4を支持している。屋根構体4の車幅方向の両端が、側構体3の上端と結合されている。屋根構体4は、鉄道車両の屋根を構成する。一対の側構体3は、台枠2の車幅方向両側に配置されている。側構体3の板面は、上下方向と車両長手方向とに延びている。側構体3の下端は、台枠2の側梁2aの上部に結合されている。
鉄道車両構体1で用いられている継手構造6について説明する。図1における領域A1の断面の継手構造6において、溶接が行われる前の状態の接合部の断面について拡大した図を図2に示す。
継手構造6は、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが、互いに溶接によって接合されて構成されている。第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8は、軽合金によって構成されている。特に本実施形態では、第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8は、マグネシウムを含む軽合金によって構成されている。第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8は、いずれも一方向に長く延びて構成されている。第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8は、中心線C1を挟んで対称に構成されている。
第1ダブルスキン構造材7は、互いに板厚方向に離間して対向する一対の第1板部9を有している。一対の第1板部9は、中心線C1を挟んだ一方の第1板部9aと他方の第1板部9bとによって構成されている。
第1ダブルスキン構造材7は、一対の第1板部9を互いに連結する第1リブを有している。第1リブは、第1板部9の間に複数設けられている。複数の第1リブのうち、第2ダブルスキン構造材8に対向する位置に、第1外リブ10が設けられている。図2には、複数設けられている第1リブのうち、第1外リブ10のみが示されている。
第1ダブルスキン構造材7は、第1突出部11を有している。第1突出部11は、第1外リブ10よりも第2ダブルスキン構造材8に向けて突出して構成されている。第1突出部11は、中心線C1を挟んだ一方の第1突出部11aと他方の第1突出部11bとによって構成されている。第1突出部11a及び11bは、それぞれ板厚方向に対して傾斜した第1テーパ端面11c及び11dを有して構成されている。
第2ダブルスキン構造材8は、互いに板厚方向に離間して対向する一対の第2板部12を有している。一対の第2板部12は、中心線C1を挟んだ一方の第2板部12aと他方の第2板部12bとによって構成されている。
第2ダブルスキン構造材8は、一対の第2板部12を互いに連結する第2リブを有している。第2リブは、第2板部12の間に複数設けられている。複数の第2リブのうち、第1ダブルスキン構造材7に対向する位置に、第2外リブ13が設けられている。図2には、複数設けられている第2リブのうち、第2外リブ13のみが示されている。
第2ダブルスキン構造材8は、第2外リブ13よりも第1ダブルスキン構造材7に向けて突出した第2突出部14を有している。第2突出部14は、中心線C1を挟んだ一方の第2突出部14aと他方の第2突出部14bとによって構成されている。図2に示されるように、第2突出部14a及び14bは、溶接を行う際の裏当て金として、第1突出部11a及び11bに板厚方向の内側から重ねられて配置されている。
第2突出部14a及び14bは、第1リブ側に向かうにつれて薄肉となる形状を有している。また、第2突出部14a及び14bの先端14e及び14fは、第1外リブ10から第2リブ側に離間するように構成されている。
また、本実施形態では、第1突出部11の板厚方向の内側の面11e及び11fと第1外リブ10の第2リブ側の面10aとの接続面15a及び15bが湾曲している。第2突出部14a及び14bの先端14e及び14fは、接続面15a及び15bから第2リブ側に離間している。
第2板部12a及び12bは、それぞれ第2テーパ端面12c及び12dを有している。第2テーパ端面12c及び12dは、第1テーパ端面11c及び11dとの間で開先16a及び16bを形成するように構成されている。従って、第1テーパ端面11cと第2テーパ端面12cとの間の開先16aで、開先溶接を行うことができると共に、第1テーパ端面11dと第2テーパ端面12dとの間の開先16bで開先溶接を行うことができる。
溶接が行われる際には、第1突出部11a及び11bと第2突出部14a及び14bとが重ね合わされた状態で、開先16a及び16bで開先溶接が行われることにより、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8との接合が行われる。本実施形態では、開先16a及び16bから溶接金属が上方へ突出するまで開先溶接が行われ、そこで開先16a及び16bから上方へ突出した分についての溶接金属の切削が行われることにより、開先溶接を行った部分が平滑となる。
本実施形態では、第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8の板厚方向の外側の位置に開先16a及び16bが形成されるので、第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8がそれぞれダブルスキン構造によって形成されていても、板厚方向の外側から開先16a及び16bにアクセスすることができ、溶接によってこれらの接合を行うことができる。
第1突出部11a及び11bが板厚方向の外側に配置され、第2突出部14a及び14bが板厚方向の内側に配置され、第1突出部11a及び11bと第2突出部14a及び14bとが互いに重ねられて配置されている。また、第1突出部11a及び11bと第2突出部14a及び14bとが重なった部分に、開先16a及び16bが形成されている。
本実施形態では、第2突出部14a及び14bが第1突出部11a及び11bよりも薄肉に形成されている。本実施形態では、第1突出部11a及び11bの板厚方向における最大厚さと、第2突出部14a及び14bの板厚方向における最大厚さとを比較すると、第2突出部14a及び14bが第1突出部11a及び11bよりも薄肉である。本実施形態では、板厚方向の肉厚の大きさの比較は、最大厚さを有する部分同士の比較を行うものとする。
本実施形態では、第2突出部14a及び14bが、第1リブ側に向かうにつれて薄肉になる形状を有している。そのため、第2突出部14a及び14bにおける第2外リブ13側の根元部14c及び14dが、第2突出部14a及び14bで最大厚さを有する部分になる。第2突出部14a及び14bにおける根元部14c及び14dの板厚方向の肉厚をL1とする。第1突出部11a及び11bは、第1テーパ端面11c及び11d以外の部分が、最大厚さを有する部分になる。第1突出部11a及び11bの第1テーパ端面11c及び11d以外の部分の板厚方向の肉厚をL2とする。第2突出部14a及び14bの肉厚L1は、第1突出部11a及び11bの肉厚L2よりも小さい。なお、肉厚L2は、開先16a及び開先16bの開先深さと同じである。
第2突出部14a及び14bが第1突出部11a及び11bよりも薄肉に形成されているので、第2突出部14a及び14bの熱容量が小さい。第2突出部14a及び14bの熱容量を小さくすることで、溶接が行われる際に第2突出部14a及び14bが十分に高温になり、溶接金属が開先16a及び開先16bのルート部まで十分に溶け込むことができる。従って、開先16a及び開先16bの全体で溶接金属の溶け込みが良好に行われる。これにより、溶接部の疲労強度を向上させることができる。
また、第1突出部11aと第2突出部14aとの間に隙間が生じた場合であっても、溶接の際に第2突出部14aが高温になっているので、溶接金属が母材に十分に溶け込むことができる。従って、溶接金属が隙間に流れ込むことを抑えることができ、第1突出部11aと第2突出部14aとの間の部分の形状を、応力集中の生じ難い形状とすることができる。これにより、疲労強度をさらに向上させることができる。
また、第1突出部11bと第2突出部14bとの間についても同様に、第1突出部11bと第2突出部14bとの間に隙間が生じた場合についても、溶接の際に第2突出部14bが高温になっているので、溶接金属が母材に十分に溶け込むことができる。従って、溶接金属が隙間に流れ込むことを抑えることができ、第1突出部11bと第2突出部14bとの間の部分の形状を、応力集中の生じ難い形状とすることができる。これにより、疲労強度をさらに向上させることができる。
また、第2突出部14a及び14bの溶着部の剛性が小さいので、溶接の行われた部分に荷重が作用したときに、溶接部の変形に追随して第2突出部14a及び14bが変形することができる。従って、荷重が溶接部に作用したときの溶接部、第2突出部14a及び14bで発生する応力を低減させることができる。これにより、溶接部の疲労強度をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、第2突出部14a及び14bの先端14e及び14fが、接続面15a及び15bから第2リブ側に離間しているので、第2突出部14a及び14bの先端14e及び14fが第1外リブ10から十分に離間している。従って、第2突出部14a及び14bが、接続面15a及び15bに到達しないように、第1外リブ10に向かって短く構成され、熱容量が十分に小さくなるように構成されている。
また、第2突出部の先端14e,14fが第1外リブ10から離間しているので、荷重が加わったときに溶接部の変形に追従して第2突出部14a及び14bが変形でき、接合部への応力集中を抑制できる。さらに図2に示す通り、第1板部9の肉厚が第1突出部11の肉厚より薄いため、接合部に加わる応力が分散しやすいので応力集中を抑制できる。
比較例として第2突出部が厚く形成された場合について説明する。図3に、比較例における継手構造の断面図を示す。
比較例では、第1ダブルスキン構造材107と第2ダブルスキン構造材108とを突き合せ、開先116の内部で開先溶接が行われることにより、第1ダブルスキン構造材107と第2ダブルスキン構造材108との接合が行われる。
比較例では、第1ダブルスキン構造材107は、一対の第1板部109及び一対の第1板部109を互いに連結する第1リブ110を有している。第1ダブルスキン構造材107は、第1突出部111を有している。第1突出部111は、第1リブ110よりも第2ダブルスキン構造材108に向けて突出して構成されている。第2ダブルスキン構造材108は、一対の第2板部112及び一対の第1板部112を互いに連結する第2リブ113を有している。第2ダブルスキン構造材108は、第2突出部114を有している。第2突出部114は、第2リブ113よりも第1ダブルスキン構造材107に向けて突出して構成されている。
比較例では、第2突出部114における肉厚L3が第1突出部における肉厚L4よりも厚くなるように継手構造が構成されている。そのため、第2突出部114の体積が大きく、第2突出部114の熱容量が大きい。
第2突出部114の熱容量が大きいので、溶接が行われる際に第2突出部114の温度上昇が不十分になり、開先のルート部での溶接金属の溶け込みが不足する可能性がある。そのため、開先のルート部での溶接が不十分になり、溶接部の疲労強度が不十分になる可能性がある。また、第1突出部111と第2突出部114との間に隙間が生じた場合に、第2突出部114の温度上昇が不十分であることから、隙間へ溶接金属が流れ込み易い。隙間に流れ込んだ溶接金属が固化すると、そこで応力集中の発生し易い形状になり易い。これにより、疲労強度が低減する可能性がある。また、第2突出部114の剛性が大きいので、第2突出部114が変形し難い。従って、溶接部に荷重が作用したときに、溶接部及び第2突出部114で発生する応力が大きくなり、溶接部で疲労亀裂の起点が発生する可能性がある。これにより、疲労強度が低減する可能性がある。
また、本実施形態では、図2に示されるように、開先16a及び開先16bの開先深さL2が、第1板部9及び第2板部12における肉厚L5よりも大きい。本実施形態では、第1板部9及び第2板部12の肉厚L5を、開先16a及び開先16bの開先深さL2で割った値が、0.7以上0.8以下となるように、継手構造6が構成されている。
第1板部9及び第2板部12の肉厚L5を、開先16a及び開先16bの開先深さL2で割った値を横軸に取り、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが対向した方向に繰り返し荷重を作用させたときの開先16のルート部に発生する応力(開先16の溶接が行われた部分の第2突出部14と接する部位に発生する応力)及び第1ダブルスキン構造材7の母材に発生する応力(第1ダブルスキン構造材7の第1外リブ10において、第2ダブルスキン構造材8とは反対側の基部に発生する応力)の大きさを縦軸に取ったときのグラフを図4に示す。
詳細データは省略するが、図4に示されるように、第2板部12の肉厚L5を、第1突出部11の肉厚L2で割った値が増加していくにつれて、第1ダブルスキン構造材7の母材に発生する応力が低下していくのに対し、開先16のルート部に発生する応力は増加することが確認できた。ここで、これより得られた応力と、溶接継手の公称応力(溶接部の断面の平均応力)とに基づき検討した結果、母材部の破壊を防ぎつつ溶接部の疲労強度を高めるには、L5/L2の値を0.75とするのが最適であり、それを基準として0.7~0.8の間で取ると良いという知見が得られた。尚、第2ダブルスキン構造材8の第2外リブ13において、第1ダブルスキン構造材7とは反対側の基部にも同程度の応力が発生することも確認できた。
次に、図1の鉄道車両構体1における台枠2の側梁2aと側構体3とを接続する継手構造について説明する。
図1における側梁2aと側構体3との結合部である領域A3について、側梁2aと側構体3とを結合させた継手構造の断面図について図5に示す。図5に示されるように、側梁2aと側構体3との接続部である領域A3においては、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19とが、接続部材20を介して溶接によって接続されている。第1ダブルスキン構造材18、第2ダブルスキン構造材19及び接続部材20は、軽合金によって構成されている。特に本実施形態では、第1ダブルスキン構造材18、第2ダブルスキン構造材19及び接続部材20は、マグネシウムを含む軽合金によって構成されている。図6に、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19とが接続部材20を介して接続される継手構造21について拡大した断面図を示す。図6では、互いに接合の行われる第1ダブルスキン構造材18、第2ダブルスキン構造材19及び接続部材20については、説明のために溶接の行われる前の状態について示されている。
領域A3で結合される第1ダブルスキン構造材18及び第2ダブルスキン構造材19のうち、一方の第1ダブルスキン構造材18については、領域A1の第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8と同様に、中心線C1を挟んで対称に構成されている。また、第1ダブルスキン構造材18及び第2ダブルスキン構造材19のうち、他方の第2ダブルスキン構造材19については、中心線C1について対称な形状を有してなく、領域A1の第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8とは異なる構成を有している。接続部材20は、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19との間に配置され、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19とのそれぞれに当接した状態で、それぞれの当接部で溶接が行われることにより、接続部材20を介して、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19とが接続されている。
第1ダブルスキン構造材18は、互いに板厚方向に離間して対向する2つの第1板部22と、第1板部22同士を互いに連結する第1リブを有している。複数の第1リブは、第2ダブルスキン構造材19に対向する第1外リブ23を含んでいる。図6には、複数設けられている第1リブのうち、第1外リブ23のみが示されている。
第1ダブルスキン構造材18は、第1突出部24を有している。第1突出部24は、第1外リブ23よりも第2ダブルスキン構造材19に向けて突出して構成されている。
また、第1板部22は、板厚方向に対して傾斜した第1テーパ端面22aを有している。第1テーパ端面22aは、第1板部22において、最も第2ダブルスキン構造材19側の部分に設けられている。第1テーパ端面22aは、第2ダブルスキン構造材19側へ向かうにつれて板厚方向の内側に向かうように延びている。
第2ダブルスキン構造材19は、互いに板厚方向に離間して対向する2つの第2板部25と、第2板部25同士を互いに連結する第2リブを有している。複数の第2リブは、第1ダブルスキン構造材18に対向する第2外リブ26を含んでいる。図6には、複数設けられている第2リブのうち、第2外リブ26のみが示されている。
第2ダブルスキン構造材19は、第2外リブ26よりも第1ダブルスキン構造材18に向けて突出する第2突出部27を有している。第2突出部27は、第2外リブ26よりも第1ダブルスキン構造材18に向けて突出して構成されている。
また、第2板部25は、板厚方向に対して傾斜した第2テーパ端面25aを有している。第2テーパ端面25aは、第2板部25において、最も第1ダブルスキン構造材18側の部分に設けられている。第2テーパ端面25aは、第1ダブルスキン構造材18側へ向かうにつれて板厚方向の内側に向かうように延びている。
接続部材20は、本体部30とリング部40とを有している。本体部30は、板厚方向の内側の面30aで第1突出部24の板厚方向の外側に重ねられて第1突出部24と当接する。また、本体部30は、板厚方向の内側の面30aで第2突出部27の板厚方向の外側に重ねられて第2突出部27と当接する。
本体部30は、第1ダブルスキン構造材18に対向する端部に、第1接続テーパ端面30bを有している。第1接続テーパ端面30bは、板厚方向に対して傾斜して設けられ、第1ダブルスキン構造材18側に向かうにつれて内側に向かうように傾斜している。また、第1接続テーパ端面30bは、第1テーパ端面22aとの間で開先28を形成する。従って、開先28で、開先溶接を行うことができる。
また、本体部30は、第2ダブルスキン構造材19に対向する端部に、第2接続テーパ端面30cを有している。第2接続テーパ端面30cは、板厚方向に対して傾斜して設けられ、第2ダブルスキン構造材19側に向かうにつれて内側に向かうように傾斜している。また、第2接続テーパ端面30cは、第2テーパ端面25aとの間で開先29を形成する。従って、開先29で、開先溶接を行うことができる。
接続部材20が、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19との間に配置され、第1突出部材24と第2突出部材27とのそれぞれに当接した状態で、開先28及び開先29で開先溶接が行われる。これにより、接続部材20を介して、第1ダブルスキン構造材18と第2ダブルスキン構造材19とが接続される。
第1突出部24及び第2突出部27は、本体部30よりも薄肉である。つまり、第1突出部24の板厚方向の最大厚さと、第2突出部27の板厚方向の最大厚さと、本体部30の板厚方向における最大厚さとを比較すると、第1突出部24の板厚方向の最大厚さ及び第2突出部27の板厚方向の最大厚さが、本体部30の板厚方向における最大厚さよりも薄肉である。
本実施形態では、第1突出部24が第2リブ側に向かうにつれて薄肉になる形状を有し、第2突出部27が第1リブ側に向かうにつれて薄肉になる形状を有している。そのため、第1突出部24における第1外リブ23側の根元部24aが、第1突出部24で最大厚さを有する部分になる。第1突出部24における根元部24aの板厚方向の肉厚をL6とする。また、第2突出部27における第2外リブ26側の根元部27aが、第2突出部27で最大厚さを有する部分になる。第2突出部27における根元部27aの板厚方向の肉厚をL7とする。また、本体部30における、第1接続テーパ端面30b及び第2接続テーパ端面30c以外の部分の板厚方向の肉厚をL8とする。第1突出部24の肉厚L6及び第2突出部27の肉厚L7が、本体部30の肉厚L8よりも薄肉となるように、第1突出部24、第2突出部27及び接続部材20が構成されている。
第1突出部24及び第2突出部27が本体部30よりも薄肉であるので、第1突出部24及び第2突出部27の熱容量が小さい。従って、溶接が行われる際に第1突出部24及び第2突出部27が十分に高温になり、溶接金属が開先28及び開先29のルート部まで十分に溶け込むことができる。従って、開先28及び開先29の全体で、溶接金属の母材への溶け込みが良好に行われる。これにより、溶接部の疲労強度を向上させることができる。
また、第1突出部24と接続部材20の本体部30との間あるいは第2突出部27と接続部材20の本体部30との間に隙間が生じたとしても、溶接金属が母材に十分に溶け込むので、溶接金属が隙間に流れ込み難い。従って、第1突出部24と本体部30との間の部分の形状あるいは第2突出部27と本体部30との間の部分の形状を、応力集中の生じ難い形状とすることができる。これにより、溶接部の疲労強度をさらに向上させることができる。
また、第1突出部24及び第2突出部27の溶着部の剛性が小さいので、荷重が溶接部に作用したときに、溶接部の変形に追随して第1突出部24及び第2突出部27が変形することができる。従って、荷重が溶接部に作用したときの溶接部、第1突出部24及び第2突出部27で発生する応力を低減させることができる。これにより、溶接部の疲労強度をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、接続部材20は、第1突出部24と第2突出部27との間で、環状の部分を形成するリング部40を有している。接続部材20がリング部40を有しているので、接続部材20は、本体部30とリング部40との間に閉断面を有するように構成される。接続部材20が閉断面を有して構成されるので、接続部材20を、捩じりに対して強い構成にすることができる。
本実施形態では、リング部40は、本体部30の板厚方向の内側の面30aにおいて、第1ダブルスキン構造材18及び第2ダブルスキン構造材19が互いに対向する方向の異なる2つの位置から板厚方向の内側に向かって突出した部分同士が板厚方向の内側で合流することで環状に形成されるように構成されている。そのため、開先28または開先29の内部で開先溶接が行われる際に、接続部材20に、図1の鉄道車両構体1の延びる方向に直交する面内において回転する方向(図6の紙面に対し直交する方向を中心とした回転方向)への捩じりが作用したとしても、継手構造21を、その方向についての捩じりに対して強い構成とすることができる。従って、継手構造21を、溶接歪の少ない継手構造とすることができる。さらに、接続部材20は、部材の大きさが、第1ダブルスキン構造材18及び第2ダブルスキン構造材19に比べて小さいので、接続部材20の熱容量は、第1ダブルスキン構造材18及び第2ダブルスキン構造材19の熱容量に比べて小さい。従って、仮に接続部材20がリング部40を有していない場合には、溶接が行われる際に、接続部材20が融け過ぎてしまう虞がある。本実施形態では、接続部材20がリング部40を有しているので、接続部材20は、熱容量が大きく構成されている。従って、溶接の際に、接続部材20が融け過ぎてしまうことを防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、接続部材20がリング部40を有している構成について説明したが、接続部材20は、リング部40を有してなくてもよい。リング部40がなくても中心線C1を中心とした捩じりに対し十分な強度を継手構造21が有していれば、接続部材20は、リング部40の無い構成であってもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る継手構造31について説明する。なお、上記第1実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第1実施形態では、第1外リブ10と第2外リブ13とがほぼ平行となるように構成されているのに対し、第2実施形態では、第2外リブ32が、第1リブの延びる方向に対し傾斜した傾斜部32a、32bを有している点で第1実施形態と異なる。
図7に、第2実施形態の継手構造31についての断面図を示す。図7には、説明のために、溶接が行われる前の状態の断面図について示されている。
第2実施形態においても、第1ダブルスキン構造材7は、互いに板厚方向に離間して対向する一対の第1板部9a及び9bと、一対の第1板部9a及び9bを互いに連結する複数の第1リブを有している。複数の第1リブのうち、第2ダブルスキン構造材8に対向する位置に、第1外リブ10が設けられている。また、第2ダブルスキン構造材8は、互いに板厚方向に離間して対向する一対の第2板部12a及び12bと、一対の第1板部12a及び12bを互いに連結する複数の第2リブを有している。複数の第2リブのうち、第1ダブルスキン構造材7に対向する位置に、第2外リブ32が設けられている。
本実施形態では、第1外リブ10は、2つの第1板部9a及び9bのそれぞれに直交する方向に延びるように構成されている。これに対し、第2外リブ32は、第1外リブ10の延びる方向に対し傾斜した傾斜部32a、32bを有するように構成されている。また、第2外リブ32は、板厚方向の内側の位置で、第1外リブ10と同じ方向に延びる直交部32cを有するように構成されている。
第2外リブ32は、板厚方向の外側の位置の傾斜部32a、32bで、第2板部12a及び12bに直交する方向に対し、傾斜した方向に延びるように構成されている。本実施形態では、傾斜部32a及び32bは、板厚方向の内側に向かうにつれて第1ダブルスキン構造材7から遠ざかる方向に延びるように構成されている。第2外リブ32は、一対の第2板部12a及び12bに対し、傾斜部32a、32bによって接続されるように構成されている。
対向するダブルスキン構造材に近い位置にあるリブについては、板厚方向に直交する方向に対し傾斜した傾斜部がある方が、開先溶接の行われた開先のルート部で発生する応力が小さいことが確認できた。従って、第2外リブ32が、傾斜部32a及び32bを有するように構成されることにより、開先16a及び16bに形成されるルート部の内部で発生する応力を小さく抑えることができる。これにより、疲労強度の高い継手構造31とすることができる。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して第3実施形態に係る継手構造33について説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態では、第1板部9a及び9bが、内側に向かって増厚された第1増厚部35を有し、第2板部12a及び12bが、内側に向かって増厚された第2増厚部37を有している点で、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
第3実施形態では、複数の第1リブは、第1内リブ34を含んでいる。第1内リブ34は、第1外リブ10に隣り合う位置に配置されている。第1内リブ34は、第1外リブ10よりも第2ダブルスキン構造材8に向かう側とは逆側に隣り合って配置され、一対の第1板部9a及び9bを互いに連結している。
第1板部9a及び9bは、第1内リブ34よりも第2ダブルスキン構造材8側とは反対側において肉厚が板厚方向の内側に向かって増厚された第1増厚部35を有している。第1板部9a及び9bは、中心線C1を挟んで板厚方向に対称に構成され、第1増厚部35は、中心線C1の一方の側に配置された第1増厚部35aと、中心線C1の他方の側に配置された第1増厚部35bとを有している。
第3実施形態では、複数の第2リブは、第2内リブ36を含んでいる。第2内リブ36は、第2外リブ13に隣り合う位置に配置されている。第2内リブ36は、第2外リブ13よりも第1ダブルスキン構造材7に向かう側とは逆側に隣り合って配置され、一対の第2板部12a及び12bを互いに連結している。
第2板部12a及び12bは、第2内リブ36よりも第1ダブルスキン構造材7側とは反対側において肉厚が板厚方向の内側に向かって増厚された第2増厚部37を有している。第2板部12a及び12bは、中心線C1を挟んで板厚方向に対称に構成され、第2増厚部37は、中心線C1の一方の側に配置された第1増厚部37aと、中心線C1の他方の側に配置された第1増厚部37bとを有している。
第1板部9a及び9bの板厚方向の肉厚をL9とし、第1増厚部35a及び35bの板厚方向の肉厚をL10とすると、第1増厚部35a及び35bの肉厚L10が、第1板部9a及び9bの肉厚L9よりも厚くなるように構成されている。ここでは、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが向かい合う方向についての、第1外リブ10と第1内リブ34との間の位置での第1板部9a及び9bの板厚方向の肉厚をL9とする。
第2板部12a及び12bの板厚方向の肉厚をL11とし、第2増厚部37a及び37bの板厚方向の肉厚をL12とすると、第2増厚部37a及び37bの肉厚L12が、第2板部12a及び12bの肉厚L11よりも厚くなるように構成されている。ここでは、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが向かい合う方向についての、第2外リブ13と第2内リブ36との間の位置での第2板部12a及び12bの板厚方向の肉厚をL11とする。
このように、第1増厚部35a及び35bと、第2増厚部37a及び37bとが、板厚方向の内側に向かって増厚されるように構成されているので、鉄道車両構体1に引っ張り力が作用したときに、第1突出部11及び第2突出部14に対し閉じる方向の力が作用する。
図8の上側の部分を用いて、第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8に引っ張り力が作用したときの第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8の変形について説明する。
第1ダブルスキン構造材7の第1板部9aの板厚方向の中心線をC2とし、第1増厚部35aの板厚方向の中心線をC3とする。第1板部9aにおける中心線C2と、第1増厚部35aにおける中心線C3とは、板厚方向において位置が互いに異なる。そのため、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させた場合には、板厚が変化する第1内リブ34の位置で第1ダブルスキン構造材7の変形する方向が、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが互いに向かい合う方向からずれる。このことから、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、第1ダブルスキン構造材7の変形は、図8の破線のB1に示されるように波を打つような形状になる。
そして、第2ダブルスキン構造材8の第2板部12aにおける板厚方向の中心線をC4とし、第2増厚部37aにおける板厚方向の中心線をC5とする。第2ダブルスキン構造材8についても同様に、第2板部12aにおける中心線C4と、第2増厚部37aの中心線C5とは、板厚方向において位置が互いに異なる。そのため、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させた場合には、板厚が変化する第2内リブ36の位置で第2ダブルスキン構造材8の変形する方向が、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とが互いに向かい合う方向からずれる。このことから、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、第2ダブルスキン構造材8の変形は、図8の破線のB2に示されるように破線B1に連続した波を打つような形状になる。
図8に示されるように、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させたときには、溶接部において、第1突出部11と第2突出部14とが互いに近接する方向への力が作用する。従って、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、溶接部が閉じられる方向への力が作用する。そのため、第1ダブルスキン構造材7と第2ダブルスキン構造材8とに対し引っ張り力が繰り返し作用したとしても、それによって開先のルート部で亀裂が発生することを抑えることができる。従って、引っ張り力に対し、疲労強度の高い継手構造33とすることができる。
また、継手構造33を単位幅(幅1mm)の継手構造とすると、継手構造33に引張荷重Fを負荷したとき、開先深さD1の溶接部に発生する応力の大きさは、
σ1=F/D1
となる。このとき、第1突出部11と第2突出部14とが互いに閉じる方向に変形するので、開先のルート部では、この変形による圧縮の曲げ応力-σ2が発生する。従って、開先のルート部で発生する応力σRは、
σR=σ1-σ2
となる。このように、逆方向への応力σ1とσ2とによって打ち消し合うことにより、応力の絶対値が低減される。
なお、継手構造33に圧縮荷重が負荷されたときにも、開先のルート部に発生する応力の絶対値が低減される。単位幅の継手構造33に圧縮荷重-Fを負荷したとき、溶接部にはそれによって-σ1の応力が発生するが、このとき第1突出部11と第2突出部14とが互いに開く方向に変形するので、開先のルート部では、この変形による圧縮の曲げ応力σ2が発生する。従って、開先のルート部で発生する応力σRは、
σR=σ2-σ1
となる。このように、逆方向への応力σ1とσ2とによって打ち消し合うことにより、応力の絶対値が低減される。
図9を用いて比較例について説明する。図9に、比較例の継手構造233についての断面図を示す。図9には、説明のために、溶接が行われる前の状態の断面図について示されている。
第1ダブルスキン構造材207は、第1内リブ234を備えている。第1内リブ234は、第1外リブ210よりも第2ダブルスキン構造材208に向かう側とは逆側の位置に配置され、一対の第1板部209a及び209bを互いに連結している。
第1板部209a及び209bは、第1内リブ234よりも第2ダブルスキン構造材8に向かう側とは逆側の位置で、肉厚が板厚方向の外側に向かって増厚された第1増厚部235を有している。第1板部209a及び209bは、中心線C1を挟んで板厚方向に対称に構成され、第1増厚部235は、中心線C1の一方の側に配置された第1増厚部235aと、中心線C1の他方の側に配置された第1増厚部235bとを有している。
第2ダブルスキン構造材208は、第2内リブ236を備えている。第2内リブ236は、第2外リブ213よりも第1ダブルスキン構造材207に向かう側とは逆側の位置に配置され、一対の第2板部212a及び212bを互いに連結している。
第2板部212a及び212bは、第2内リブ236よりも第1ダブルスキン構造材207に向かう側とは逆側の位置で肉厚が板厚方向の外側に向かって増厚された第2増厚部237を有している。第2板部212a及び212bは、中心線C1を挟んで板厚方向に対称に構成され、第2増厚部237は、中心線C1の一方の側に配置された第1増厚部237aと、中心線C1の他方の側に配置された第1増厚部237bとを有している。
第1板部209aにおける板厚方向の肉厚をL13とし、第1増厚部235aの板厚方向の肉厚をL14とすると、第1増厚部235aの肉厚L14が、第1板部209aの肉厚L13よりも厚くなるように構成されている。また、第2板部212aにおける板厚方向の肉厚をL15とし、第2増厚部237aの板厚方向の肉厚をL16とすると、第2増厚部237aの肉厚L16が、第2板部212aの肉厚L15よりも厚くなるように構成されている。
比較例では、第1増厚部235aと、第2増厚部237aとが、板厚方向の外側に向かって増厚されるように構成されているので、鉄道車両構体1に引っ張り力が作用したときに、第1突出部211及び第2突出部214に対し開く方向の力が作用する。
第1ダブルスキン構造材207の第1板部209aの板厚方向の中心線をC6とし、第1増厚部235aの板厚方向の中心線をC7とする。第1板部209aにおける中心線C6と、第1増厚部235aにおける中心線C7とは、板厚方向において位置が互いに異なる。そのため、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させた場合には、板厚が変化する第1内リブ234の位置で第1ダブルスキン構造材207の変形する方向が、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とが互いに向かい合う方向からずれる。このことから、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、第1ダブルスキン構造材207の変形は、図9の破線のB3に示されるように波を打つような形状になる。
そして、第2ダブルスキン構造材208の第2板部212aにおける板厚方向の中心線をC8とし、第2増厚部237aにおける板厚方向の中心線をC9とする。第2ダブルスキン構造材208についても同様に、第2板部212aにおける中心線C8と、第2増厚部237aの中心線C9とは、板厚方向において位置が互いに異なる。そのため、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させた場合には、板厚が変化する第2内リブ236の位置で第2ダブルスキン構造材208の変形する方向が、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とが互いに向かい合う方向からずれる。このことから、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、第2ダブルスキン構造材208の変形は、図9の破線のB4に示されるように波を打つような形状になる。図9の破線B3及びB4で示される第1ダブルスキン構造材207及び第2ダブルスキン構造材208の変形は、図8の破線B1及びB2で示される第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8の変形とは逆の関係になる。
図9に示されるように、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させたときには、溶接部において、第1突出部211と第2突出部214とが互いに離間する方向への力が作用する。従って、第1ダブルスキン構造材207と第2ダブルスキン構造材208とに対し互いに引っ張り力を作用させたときに、溶接部が開く方向への力が作用する。そのため、図9に示される比較例の継手構造233は、ルート部で亀裂が発生する可能性があり、疲労強度に対し不利になる。
以上から、第1板部9及び第2板部12を増厚させる場合には、図8の継手構造33のように、第1板部9及び第2板部12における増圧した部分を、板厚方向の内側に向かって突出するように増厚させることが望ましい。
設計の際に、鉄道車両構体1の強度を向上させるために、第1ダブルスキン構造材7及び第2ダブルスキン構造材8における母材の厚さを増厚させる必要性が生じる場合がある。その場合、第1板部9及び第2板部12を増厚させる場合には、増厚部を、厚さ方向の内側に向けて増厚させることが望ましい。こうすることにより、疲労強度の高い継手構造とすることができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。鉄道車両構体の継手構造に限らず、物流に用いる荷物を載せるためのパレット等の継手構造であってもよい。