JP7359210B2 - 水晶振動子、電子部品及び電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動子、電子部品及び電子装置に関する。
圧電振動子は、移動通信端末、通信基地局、家電などの各種電子機器において、タイミングデバイス、センサ、発振器などの用途に用いられている。例えば、圧電振動子は、圧電効果を利用して電気振動を機械振動に変換する機械振動部を有する圧電振動素子と、当該圧電振動素子を収容する保持器と、圧電振動素子と保持器とを接続する導電性保持部材とからなる。導電性保持部材は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物である。
特許文献1には、グリシジルシロキサンを5~60重量%含むエポキシ樹脂と、硬化剤と、導電材とを含有してなる導電性接着剤が開示されている。
特許文献2には、20~70重量%がグリシジル型反応性希釈材であるエポキシ樹脂と、50重量%以上がアルキルレゾール型フェノール樹脂および/またはアルキルノボラック型フェノール樹脂であるフェノール樹脂硬化剤と、導電粒子とを含むことを特徴とする導電性接着剤が開示されている。
特許文献3には、水晶片に設けた金属電極と、外囲器の引出導体の一端とを、分子側鎖あるいは分子末端に2個以上のカルボキシル気を有する有機樹脂、同一分子中に脂環式エポキシ及びグリシジル基を有するエポキシ化合物、及び導電性粉末を必須成分とする導電性接着剤によって接着固定したことを特徴とする水晶振動子が開示されている。
特開昭59-172571号公報 特開平9-157613号公報 特開平2-180975号公報
近年、水晶振動素子と保持器とを接続する導電性保持部材として、シリコーン樹脂を主成分とするシリコーン系導電性接着剤の硬化物を用いることで、周波数温度特性の改善を図る検討がなされている。しかしながら、保持器を構成するベース部材と蓋部材とを接続する接合部材として樹脂系接着剤の硬化物を用いる場合、導電性保持部材としてシリコーン系導電性接着剤の硬化物を用いると、高湿環境下で抵抗値が悪化するという問題が生じた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性が改善された水晶振動子、電子部品及び電子装置の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る水晶振動子は、励振電極と励振電極に電気的に接続された接続電極とを有する水晶振動素子と、電極パッドを有するベース部材と、接続電極と電極パッドとを接続する導電性保持部材と、水晶振動素子を収容する内部空間をベース部材との間に形成する蓋部材とを備え、導電性保持部材は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。
本発明の一態様に係る電子装置は、電子部品と、金属層を有する基板と、電子部品と基板の金属層とを接続する導電性接着部とを備え、導電性接着部は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。
本発明の一態様に係る電子部品は、導電性を有する第1被着部と、導電性を有する第2被着部と、第1被着部と第2被着部とを接続する導電性接着部とを備え、導電性接着部は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。
本発明によれば、信頼性が改善された水晶振動子、電子部品及び電子装置が提供できる。
第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す断面図である。 導電性接着剤に添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。 耐湿性試験の評価用基板の構造を概略的に示す平面図である。 耐湿性試験の評価用基板の構造を概略的に示す断面図である。 実施例の評価結果を概略的に示すグラフである。 比較例の評価結果を概略的に示すグラフである。 第2実施形態に係る電子装置の構成を概略的に示す断面図である。 エポキシ化合物の含有率が0重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 エポキシ化合物の含有率が0.1重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 エポキシ化合物の含有率が0.5重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 エポキシ化合物の含有率が1重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 エポキシ化合物の含有率が5重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 エポキシ化合物の含有率が10重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。 第1変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。 第1変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。 第2変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。 第2変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。 第3変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。 第3変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。 第4変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。 第4変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
<第1実施形態>
図1~図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す断面図である。図3は、導電性接着剤に添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。なお、図2に示した断面図は、図1に示したII-II線に沿った水晶振動子1の断面を示している。
各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的にX軸、Y´軸及びZ´軸からなる直交座標系を付すことがある。X軸、Y´軸及びZ´軸は各図面において互いに対応している。X軸、Y´軸及びZ´軸は、それぞれ、後述の水晶片11の結晶軸(Crystallographic Axes)に対応している。X軸が電気軸(極性軸)、Y軸が機械軸、Z軸が光学軸に対応している。Y´軸及びZ´軸は、それぞれ、Y軸及びZ軸をX軸の周りにY軸からZ軸の方向に35度15分±1分30秒回転させた軸である。
以下の説明において、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y´軸に平行な方向を「Y´軸方向」、Z´軸に平行な方向を「Z´軸方向」という。また、X軸、Y´軸及びZ´軸の矢印の先端方向を「+(プラス)」、矢印とは反対の方向を「-(マイナス)」という。なお、便宜的に、+Y´軸方向を上方向、-Y´軸方向を下方向として説明するが、水晶振動子1の上下の向きは限定されるものではない。例えば、以下の説明において、水晶振動素子10における+Y´軸方向の側を上面11Aとし、-Y´軸方向の側を下面11Bとするが、水晶振動子1は、当該上面11Aが当該下面11Bの鉛直下側に位置するように配置されてもよい。
水晶振動子1は、水晶振動素子10と、ベース部材30と、蓋部材40と、接合部材50と、を備えている。水晶振動素子10は、ベース部材30と蓋部材40との間に設けられている。ベース部材30及び蓋部材40は、水晶振動素子10を収容するための保持器を構成している。図1及び図2に示した例では、ベース部材30は平板状をなしており、蓋部材40はベース部材30側に水晶振動素子10を収容する有底の開口部を有する。そして、水晶振動素子10は、ベース部材30に搭載されている。なお、水晶振動素子10のうち少なくとも励振される部分が保持器に収容されれば、ベース部材30及び蓋部材40の形状は上記に限定されるものではない。また、水晶振動素子10の保持方法も上記に限定されるものではない。例えば、ベース部材30が蓋部材40側に水晶振動素子10を収容する有底の開口部を有してもよい。また、ベース部材30及び蓋部材40が、水晶振動素子10のうち励振される部分の周辺部を挟持してもよい。
まず、水晶振動素子10について説明する。
水晶振動素子10は、圧電効果により水晶を振動させ、電気エネルギと機械エネルギとを変換する素子である。水晶振動素子10は、薄片状の水晶片11と、一対の励振電極を構成する第1励振電極14a及び第2励振電極14bと、一対の引出電極を構成する第1引出電極15a及び第2引出電極15bと、一対の接続電極を構成する第1接続電極16a及び第2接続電極16bとを備えている。
水晶片11は、互いに対向する上面11A及び下面11Bを有している。上面11Aは、ベース部材30に対向する側とは反対側、すなわち後述する蓋部材40の天面部41に対向する側に位置している。下面11Bは、ベース部材30に対向する側に位置している。
水晶片11は、例えば、ATカット型の水晶片である。ATカット型の水晶片11は、互いに交差するX軸、Y´軸、及びZ´軸からなる直交座標系において、X軸及びZ´軸によって特定される面と平行な面(以下、「XZ´面」と呼ぶ。他の軸によって特定される面についても同様である。)が主面となり、Y´軸と平行な方向が厚さとなるように形成される。例えば、ATカット型の水晶片11は、人工水晶(Synthetic Quartz Crystal)の結晶体を切断及び研磨加工して得られる水晶基板(例えば、水晶ウェハ)をエッチング加工することで形成される。
ATカット型の水晶片11を用いた水晶振動素子10は、広い温度範囲で高い周波数安定性を有する。ATカット型の水晶振動素子10では、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Vibration Mode)が主要振動として用いられる。なお、ATカット型の水晶片11におけるY´軸及びZ´軸の回転角度は、35度15分から-5度以上15度以下の範囲で傾いてもよい。水晶片11のカット角度は、ATカット以外の異なるカットを適用してもよい。例えばBTカット、GTカット、SCカットなどを適用してよい。また、水晶振動素子は、Z板と呼ばれるカット角の水晶片を用いた音叉型水晶振動素子であってもよい。
ATカット型の水晶片11は、X軸方向に平行な長辺が延在する長辺方向と、Z´軸方向に平行な短辺が延在する短辺方向と、Y´軸方向に平行な厚さが延在する厚さ方向を有する板状である。水晶片11は、上面11Aを平面視したときに矩形状をなしており、中央に位置し励振に寄与する励振部17と、励振部17に隣接する周辺部18,19とを有している。励振部17及び周辺部18,19は、それぞれ、水晶片11のZ´軸方向に沿った全幅に亘って帯状に形成されている。周辺部18は励振部17の-X軸方向側に位置し、周辺部19は励振部17の+X軸方向側に位置している。
なお、上面11Aを平面視したときの水晶片11の平面形状は矩形状に限定されるものではない。水晶片11の平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらの組合せであってもよい。水晶片11の平面形状は、基部と基部から並行に延出する振動腕部とを有する音叉形状であってもよい。水晶片11には、振動漏れや応力伝搬を抑制する目的でスリットが形成されてもよい。水晶片11の励振部17及び周辺部18,19の形状も全幅に亘る帯状に限定されるものではない。例えば、励振部の平面形状は、Z´軸方向においても周辺部と隣接する島状であってもよく、周辺部の平面形状は、励振部を囲む枠状に形成されてもよい。
水晶片11は、励振部17の厚さが周辺部18,19の厚さよりも大きい、いわゆるメサ型構造である。メサ型構造の水晶片11によれば、励振部17からの振動漏れが抑制できる。水晶片11は両面メサ型構造であり、上面11A及び下面11Bの両側において、励振部17が周辺部18,19から突出している。励振部17と周辺部18との境界、及び、励振部17と周辺部19との境界は、厚みが連続的に変化するテーパ形状をなすが、厚みの変化が不連続な階段形状をなしてもよい。当該境界は、厚みの変化量が連続的に変化するコンベックス形状、又は厚みの変化量が不連続に変化するベベル形状であってもよい。なお、水晶片11は、上面11A又は下面11Bの片側において励振部17が周辺部18,19から突出する片面メサ型構造であってもよい。また、水晶片11は、励振部17の厚さが周辺部18,19の厚さよりも小さい、いわゆる逆メサ型構造であってもよい。
第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、励振部17に設けられている。第1励振電極14aは水晶片11の上面11A側に設けられ、第2励振電極14bは水晶片11の下面11B側に設けられている。言い換えると、第1励振電極14aは水晶片11の蓋部材40側の主面に設けられ、第2励振電極14bは水晶片11のベース部材30側の主面に設けられている。第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、水晶片11を挟んで互いに対向している。水晶片11の上面11Aを平面視したとき、第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、それぞれ矩形状をなしており、互いの略全体が重なり合うように配置されている。第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、それぞれ、水晶片11のZ´軸方向に沿った全幅に亘って帯状に形成されている。
なお、水晶片11の上面11Aを平面視したときの第1励振電極14a及び第2励振電極14bの平面形状は矩形状に限定されるものではない。第1励振電極14a及び第2励振電極14bの平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらの組合せであってもよい。
第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、周辺部18に設けられている。第1引出電極15aは水晶片11の上面11A側に設けられ、第2引出電極15bは水晶片11の下面11B側に設けられている。第1引出電極15aは、第1励振電極14aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2引出電極15bは、第2励振電極14bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。例えば、図1に示すように、第1引出電極15aの一端が励振部17において第1励振電極14aに接続され、他端が周辺部18において水晶片11の上面11Aと下面11Bとを繋ぐ側面に設けられた側面電極を介して第1接続電極16aに接続されている。また、第2引出電極15bの一端が励振部17において第2励振電極14bに接続され、他端が周辺部18において側面電極を介して第2接続電極16bに接続されている。浮遊容量の低減を目的として、第1引出電極15a及び第2引出電極15bは、水晶片11の上面11Aを平面視したときに互いに離れていることが望ましい。例えば、第1引出電極15aは、第2引出電極15bから視て+Z´軸方向に設けられている。
第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、それぞれ、第1励振電極14a及び第2励振電極14bをベース部材30に電気的に接続するための電極であり、周辺部18において水晶片11の下面11B側に設けられている。第1接続電極16aは、水晶片11の-X軸方向側の端部と+Z´軸方向側の端部とによって形成される角部に設けられ、第2接続電極16bは、水晶片11の-X軸方向側の端部と-Z´軸方向側の端部とによって形成される角部に設けられている。
第1励振電極14a、第1引出電極15a及び第1接続電極16aは一体的に形成され、第2励振電極14b、第2引出電極15b及び第2接続電極16bは一体的に形成されている。水晶振動素子10の各種電極(第1励振電極14a及び第2励振電極14b、第1引出電極15a及び第2引出電極15b、第1接続電極16a及び第2接続電極16b)は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)とをこの順に積層して設けられている。水晶片11との密着性においてクロムは金よりも優れており、化学的安定性において金はクロムよりも優れている。このため、水晶片11に接触する最底面がクロムを含有し且つ内部空間49に暴露される最表面が金を含有する場合、水晶振動素子10の各種電極の剥離による損傷や酸化による電気伝導率の変動が抑制でき、信頼性の高い水晶振動素子10が提供できる。水晶振動素子10の各種電極の最表面は、ほぼ金のみからなるのが望ましい。なお、第1接続電極16a及び第2接続電極16bのそれぞれの最表面は、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bのそれぞれに接触する領域を有する接触面に相当する。水晶振動素子10の各種電極の最底面と最表面とを繋ぐ側面には、クロムを含有する層と、金を含有する層とが露出している。
次に、ベース部材30について説明する。
ベース部材30は、水晶振動素子10を励振可能に保持するものである。ベース部材30は、互いに対向する上面31A及び下面31Bを有する基体31を備えている。上面31Aは、水晶振動素子10及び蓋部材40の側に位置し、水晶振動素子10が搭載される搭載面に相当する。下面31Bは、例えば、図示しない外部の回路基板に接合される実装面に相当する。基体31は、例えば絶縁性セラミック(アルミナ)などの焼結材である。熱応力の発生を抑制する観点から、基体31は耐熱性材料から構成されることが好ましい。熱履歴によって水晶振動素子10にかかる応力を抑制する観点から、基体31は、水晶片11に近い熱膨張率を有する材料によって設けられてもよく、例えば水晶によって設けられてもよい。
ベース部材30は、一対の電極パッドを構成する第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bを備えている。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、基体31の上面31Aに設けられている。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、ベース部材30に水晶振動素子10を電気的に接続するための端子である。酸化による信頼性の低下を抑制する観点から、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bのそれぞれの最表面は金を含有するのが望ましく、ほぼ金のみからなるのがさらに望ましい。例えば、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、基体31との密着性を向上させる下地層と、金を含み酸化を抑制する表面層とを有する二層構造であってもよい。なお、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bのそれぞれの最表面は、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bのそれぞれに接触する領域を有する接触面に相当する。
ベース部材30は、第1外部電極35a、第2外部電極35b、第3外部電極35c及び第4外部電極35dを備えている。第1外部電極35a~第4外部電極35dは、基体31の下面31Bに設けられている。第1外部電極35a及び第2外部電極35bは、図示しない外部の基板と水晶振動子1とを電気的に接続するための端子である。第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、電気信号等が入出力されないダミー電極であるが、蓋部材40を接地させて蓋部材40の電磁シールド機能を向上させる接地電極であってもよい。なお、第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、省略されてもよい。
第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、ベース部材30の-X軸方向の側の端部において、Z´軸方向に沿って並んでいる。第1外部電極35a及び第2外部電極35bは、ベース部材30の-X軸方向の側の端部において、Z´軸方向に沿って並んでいる。第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、ベース部材30の+X軸方向の側の端部において、Z´軸方向に沿って並んでいる。第1電極パッド33aは、基体31をY´軸方向に沿って貫通する第1貫通電極34aを介して、第1外部電極35aに電気的に接続されている。第2電極パッド33bは、基体31をY´軸方向に沿って貫通する第2貫通電極34bを介して、第2外部電極35bに電気的に接続されている。
第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、それぞれ、基体31の上面31Aと下面31Bとを繋ぐ側面に設けられた側面電極を介して、第1外部電極35a及び第2外部電極35bに電気的に接続されてもよい。第1外部電極35a~第4外部電極35dは、基体31の側面に凹状に設けられたキャスタレーション電極でもよい。
ベース部材30は、一対の導電性保持部材を構成する第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bを備えている。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10をベース部材30に搭載し、水晶振動素子10とベース部材30とを電気的に接続する。第1導電性保持部材36aは、第1電極パッド33aと第1接続電極16aとに接合され、第1電極パッド33aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2導電性保持部材36bは、第2電極パッド33bと第2接続電極16bとに接合され、第2電極パッド33bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、励振部17が励振可能となるように、ベース部材30から間隔を空けて水晶振動素子10を保持している。
第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等を含む導電性接着剤の硬化物であり、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの主成分はシリコーン樹脂である。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは導電性粒子を含んでおり、当該導電性粒子としては例えば銀(Ag)を含む金属粒子が用いられる。第1導電性保持部材36aは第1電極パッド33aと第1接続電極16aとを接着し、第2導電性保持部材36bは第2電極パッド33bと第2接続電極16bとを接着している。シリコーン樹脂の弾性率は、広い温度範囲でエポキシ樹脂よりも安定している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの主成分をシリコーン樹脂とすることで、エポキシ樹脂を主成分とする場合に比べて、水晶振動素子10の周波数温度特性が改善される。
導電性接着剤には、グリシジル基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。本実施形態において、導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、図3に示す1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンである。導電性接着剤における1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率は、例えば、1重量%である。これによれば、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの耐湿性が向上する。ここでいう耐湿性の向上は、高湿環境下における導電性接着剤の硬化物と被着物との間の接触抵抗の上昇の抑制をいう。
なお、導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は上記に限定されるものではなく、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物であればよい。但し、耐湿性を向上させるためには、グリシジル基を2つ以上有するエポキシ化合物であることが望ましい。また、導電性接着剤における当該エポキシ化合物の含有率は、1重量%に限定されるものではないが、耐湿性を向上させるためには0.1重量%以上であることが望ましい。導電性接着剤に含有される当該エポキシ化合物は、望ましくは有機ケイ素化合物、さらに望ましくはシロキサン結合を有するエポキシ化合物である。例えば、当該エポキシ化合物は、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを構成単位として有するオリゴマー又はポリマーでもよい。なお、導電性接着剤の成分重量比は、例えば、導電性粒子60重量%、シリコーン樹脂組成物20重量%、溶剤20重量%である。グリシジル基を2つ以上有するエポキシ化合物はシリコーン樹脂組成物に含まれ、当該エポキシ化合物の含有率は、導電性接着剤の総重量に対する当該エポキシ化合物の重量の割合である。すなわち、導電性接着剤が導電性粒子、シリコーン樹脂組成物及び溶剤から成る場合、当該エポキシ化合物の含有率は、導電性粒子、シリコーン樹脂組成物及び溶剤のそれぞれの重量の和に対するエポキシ化合物の重量の割合である。
導電性接着剤は、シリコーン樹脂の原料となるシラン又はシロキサン、導電性粒子、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物の他に添加剤を含有してもよい。添加剤は、例えば、導電性接着剤の作業性や保存性の向上などを目的とする粘着付与剤、充填剤、増粘剤、増感剤、老化防止剤、消泡剤などである。また、硬化物の強度を増加させる目的、あるいはベース部材30と水晶振動素子10との間隔を保つ目的のフィラーが添加されてもよい。
第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bを設ける工程は、例えば、粘度が調整されてペースト状となった導電性接着剤を第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bの上に塗布する塗布工程と、導電性接着剤の上に水晶振動素子10を載置し第1接続電極16a及び第2接続電極16bの表面に濡れ広がった導電性接着剤によって水晶振動素子10を支持させる載置工程と、導電性接着剤を硬化させる硬化工程とを有する。なお、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bを設ける工程は、載置工程の前又は後に導電性接着剤を不完全に硬化させる仮硬化工程を有してもよい。これによれば、硬化工程の前に水晶振動素子10の姿勢が崩れることによる、水晶振動素子10とベース部材30との接触が抑制できる。
次に、蓋部材40について説明する。
蓋部材40は、ベース部材30に接合され、ベース部材30との間に水晶振動素子10が収容される内部空間49を形成する。蓋部材40の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属などの導電材料で構成されている。蓋部材40が導電体材料で構成されることによって、内部空間49への電磁波の出入りを低減する電磁シールド機能が蓋部材40に付与される。
蓋部材40は、平板状の天面部41と、天面部41の外縁に接続されており且つ天面部41の主面に対して交差する方向に延在する側壁部42とを有している。主面の法線方向から平面視したときの天面部41の平面形状は、例えば矩形状である。天面部41は水晶振動素子10を間に挟んでベース部材30と対向し、側壁部42はXZ´面と平行な方向において水晶振動素子10の周囲を囲んでいる。側壁部42の先端は、水晶振動素子10よりもベース部材30側において枠状に延在している。
蓋部材40は、セラミック材料、半導体材料、樹脂材料などによって設けられてもよい。また、天面部41の平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状及びこれらの組合せでもよい。
次に、接合部材50について説明する。
接合部材50は、ベース部材30及び蓋部材40の各全周に亘って設けられ、矩形の枠状をなしている。ベース部材30の上面31Aを平面視したとき、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、接合部材50の内側に配置されており、接合部材50は水晶振動素子10を囲むように設けられている。接合部材50は、蓋部材40の側壁部42の先端と、ベース部材30の基体31の上面31Aとを接合し、内部空間49を封止している。接合部材50は、ガスバリア性の高いことが望ましく、透湿性の低いことがさらに望ましい。このような接合部材50は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤の硬化物である。接合部材50を構成する樹脂系接着剤は、例えば、ビニル化合物、アクリル化合物、ウレタン化合物、シリコーン化合物などを含んでもよい。
なお、接合部材50は周方向で連続した枠状に限定されるものではなく、周方向で不連続に設けられてもよい。接合部材50は、水ガラスなどを含むケイ素系接着剤の硬化物、セメントなどを含むカルシウム系接着剤の硬化物、Au-Sn合金系の金属半田などによって設けられてもよい。接合部材50を金属半田によって設ける場合、ベース部材30と接合部材50との密着性の向上を目的として、ベース部材30にメタライズ層を設けてもよい。接合部材50は、樹脂系接着剤の硬化物と、樹脂系接着剤の硬化物よりも透湿性の低いコーティングとを備えてもよい。
(耐湿性評価)
図4~図7を参照しつつ、金属電極と導電性接着剤の硬化物との間での電気伝導性への湿気の影響について調べた耐湿性試験を説明する。図4は、耐湿性試験の評価用基板の構造を概略的に示す平面図である。図5は、耐湿性試験の評価用基板の構造を概略的に示す断面図である。図6は、実施例の評価結果を概略的に示すグラフである。図7は、比較例の評価結果を概略的に示すグラフである。図6及び図7のグラフにおいて、横軸は測定した抵抗値の位置を示し、縦軸は抵抗値(Ω)を示している。
図4に示すように、評価用基板B10には、第1電極対E10と、第2電極対E20と、第3電極対E30と、第4電極対E40と、第5電極対E50とが、この順に並べて設けられている。第1電極対E10~第5電極対E50は、絶縁基板の上に設けられている。第1電極対E10は、一対の測定電極E11,E12と、測定電極E11と測定電極E12とを接続するブリッジ電極E13とを有している。同様に、第2電極対E20は、一対の測定電極E21,E22及びブリッジ電極E23を有し、第3電極対E30は、一対の測定電極E31,E32及びブリッジ電極E33を有し、第4電極対E40は、一対の測定電極E41,E42及びブリッジ電極E43を有し、第5電極対E50は、一対の測定電極E51,E52及びブリッジ電極E53を有している。ブリッジ電極E13~E53のそれぞれの中央部E1,E2,E3,E4,E5は導電性接着剤の硬化物E9によって覆われている。導電性接着剤の硬化物E9は、略一様な幅及び厚みで、第1電極対E10~第5電極対E50の並んだ方向に延在している。第1電極対E10~第5電極対E50は導電性接着剤の硬化物E9によって電気的に接続されている。
絶縁基板は、アルミナ基板である。第1電極対E10~第5電極対E50は、ニッケルからなる下地層と、金からなる表面層とを有る積層構造の金属電極である。第1電極対E10~第5電極対E50の最表面は、金によって形成されている。導電性接着剤の硬化物E9は、シリコーン樹脂を主成分とする。実施例の導電性接着剤には1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが1%含有されている。比較例の導電性接着剤は、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが含有されないこと以外は実施例の導電性接着剤と同じである。
図5に示すように、中央部E1と中央部E2との間の抵抗値1-2、中央部E1と中央部E3との間の抵抗値1-3、中央部E1と中央部E4との間の抵抗値1-4、及び、中央部E1と中央部E5との間の抵抗値1-5のそれぞれの変化を測定することで、導電性接着剤の硬化物E9の耐湿性を評価した。抵抗値1-2は、中央部E1と導電性接着剤の硬化物E9との接触抵抗、中央部E1と中央部E2との間における導電性接着剤の硬化物E9の抵抗、及び、導電性接着剤の硬化物E9と中央部E2との接触抵抗によって定まる。抵抗値1-3、抵抗値1-4、及び抵抗値1-5も同様に、それぞれ、導電性接着剤の硬化物E9自体の抵抗と、導電性接着剤の硬化物E9と電極対の中央部との接触抵抗によって定まる。
抵抗値1-2の測定では、中央部E1,E2と導電性接着剤の硬化物E9以外の影響を相殺するため、次のように測定した。
測定電極E11と測定電極E21との間の抵抗値、測定電極E11と測定電極E22との間の抵抗値、測定電極E12と測定電極E22との間の抵抗値、及び、測定電極E12と測定電極E21との間の抵抗値を測定し、足し合わせた計算結果をAとした。
測定電極E11と測定電極E12との間の抵抗値、及び、測定電極E21と測定電極E22との間の抵抗値を測定し、足し合わせて2倍した計算結果をBとした。
AからBを差し引き、4で割ることで抵抗値1-2を算出した。
抵抗値1-3、抵抗値1-4、及び抵抗値1-5も同様に算出した。
図6に示すように、実施例では、初期状態と、恒温恒湿槽の中で温度85℃且つ湿度85RH%の環境(以下、「85℃85RH%」とする。)に100時間放置した後の状態と、85℃85RH%中に500時間放置した後の状態とで測定を行った。図6において、初期状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「初期」、100時間放置した後の状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「100h後」、500時間放置した後の状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「500h後」として描写した。
500時間放置した後の状態であっても、抵抗値1-、抵抗値1-3、抵抗値1-4、及び抵抗値1-5はいずれも1Ω以下であり、初期状態からの抵抗値の悪化はほとんど観察されなかった。
図7に示すように、比較例では、初期状態と、85℃85RH%中に150時間放置した後の状態と、85℃85RH%中に530時間放置した後の状態とで、抵抗値の測定を行った。図7において、初期状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「初期」、150時間放置した後の状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「150h後」、530時間放置した後の状態の抵抗値を示す折れ線グラフを「530h後」として描写した。
530時間放置したあとでは、抵抗値1-3、抵抗値1-4、及び抵抗値1-5が1Ωを超えており、初期状態からの悪化がみられた。特に、抵抗値1-4は、530時間放置した後の状態では、4Ωを超えていた。530時間放置した後の状態において、抵抗値1-3及び抵抗値1-5が抵抗値1-4よりも大きいことから、抵抗値の上昇の主要因は、導電性接着剤の硬化物自体の抵抗値の上昇ではなく、導電性接着剤の硬化物と電極対の中央部との接触抵抗の上昇であると考えられる。
実施例と比較例の評価結果から、導電性接着剤の樹脂組成物に1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを含有することで、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物と金属電極との接触抵抗が高湿環境下で上昇するのを抑制できることがわかった。
次に、図9~図14を参照しつつ、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率と、導電性接着剤の硬化物の耐湿性との関係について説明する。図9は、エポキシ化合物の含有率が0重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。図10は、エポキシ化合物の含有率が0.1重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。図11は、エポキシ化合物の含有率が0.5重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。図12は、エポキシ化合物の含有率が1重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。図13は、エポキシ化合物の含有率が5重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。図14は、エポキシ化合物の含有率が10重量%の場合の耐湿性の評価結果を示す図である。
耐湿性試験は、図4~図7に示した実施例及び比較例の評価方法と同様に、85℃85RH%中での抵抗値の変化を測定し比較した。図9~図14において、「初期」は85℃85RH%に投入する前の初期状態における抵抗値を示し、「100h後」は85℃85RH%中で100時間経過時の抵抗値を示し、「500h後」は85℃85RH%中で500時間経過時の抵抗値を示し、「1000h後」は85℃85RH%中で1000時間経過時の抵抗値を示している。なお、図9は比較例の評価結果に相当し、図12は実施例の評価結果に相当する。1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率によらず、初期状態の抵抗値は略0Ωであった。したがって、100、500、1000時間経過時の抵抗値は、それぞれ、初期状態からの抵抗値の変化量に相当している。抵抗値の変化量が大きいほど耐湿性が低いことを示している。
1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率が0重量%の場合、言い換えるとエポキシ化合物を含有しない場合、抵抗値は100時間経過時には既に上昇しており、500時間経過時には最大で5.0Ω程度まで上昇し、1000時間経過時には最大で15.0Ωを超えていた。1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率が0.1重量%の場合、抵抗値は、100時間経過時まで殆ど上昇しておらず、500時間経過時には上昇を開始しており、1000時間経過時には最大で4.0Ω程度まで上昇していた。1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの含有率が0.5~10重量%の場合、抵抗値は、1000時間経過しても殆ど上昇しなかった。
以上のことから、シリコーン系の導電性接着剤の硬化物の耐湿性は、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物を0.1重量%以上添加すれば向上し、0.5重量%以上添加すればさらに向上することが分かった。なお、シリコーン系の導電性接着剤にエポキシ化合物を添加すると粘度が低下する。特に、エポキシ化合物の含有率が10重量%を超える場合、粘度の低下により作業性が悪化し、水晶振動子において不良品の発生率が上昇する場合がある。したがって、作業性を維持しつつ耐湿性を向上させるためには、エポキシ化合物の含有率は、0.1重量%以上10重量%以下であることが望ましく、0.5重量%以上10重量%以下であることがさらに望ましい。また、エポキシ化合物の含有率が10重量%を超える場合、導電性接着剤の硬化物からシリコーン樹脂の特性が失われる場合がある。例えば、エポキシ化合物の含有率が10重量%を超える場合、導電性接着剤の硬化物の弾性率の温度変化が大きくなり、水晶振動素子10の周波数温度特性が悪化する場合がある。したがって、周波数温度特性の悪化を抑制する観点から、エポキシ化合物の含有率は、10重量%以下であることが望ましい。
次に、図15~図22を参照しつつ、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン以外のエポキシ化合物を含有する導電性接着剤の硬化物の耐湿性について説明する。図15は、第1変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。図16は、第1変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。図17は、第2変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。図18は、第2変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。図19は、第3変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。図20は、第3変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。図21は、第4変形例において添加されたエポキシ化合物の構造式を示す図である。図22は、第4変形例における耐湿性の評価結果を示す図である。
第1~第4変形例に対する耐湿性試験は、図4~図7に示した実施例及び比較例の評価方法と同様に、85℃85RH%中での抵抗値の変化を測定し比較した。「初期」は85℃85RH%に投入する前の初期状態における抵抗値を示し、「100h後」は85℃85RH%中で100時間経過時の抵抗値を示し、「240h後」は85℃85RH%中で240時間経過時の抵抗値を示し、「500h後」は85℃85RH%中で500時間経過時の抵抗値を示し、「1000h後」は85℃85RH%中で1000時間経過時の抵抗値を示している。第1~第4変形例のそれぞれにおける初期状態の抵抗値は略0Ωであった。したがって、100、240、500、1000時間経過時の抵抗値は、それぞれ、初期状態からの抵抗値の変化量に相当している。抵抗値の変化量が大きいほど耐湿性が低いことを示している。
第1~第4変形例は、導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物の種類が異なる点を除き、本実施形態と同じ構成である。第1変形例の導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、図15に示す1,4-ブタジオールジグリシジルエーテルである。第2変形例の導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、図17に示すネオペンチグリコールジグリシジルエーテルである。第3変形例の導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、図19に示すトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。第4変形例の導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、図21に示すポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである。第1~第4変形例のそれぞれにおけるエポキシ化合物の含有率は、1.0重量%である。
図16に示す第1変形例の場合、抵抗値は、100時間経過時まで殆ど上昇しておらず、240時間経過時に上昇を開始し、1000時間経過時に最大で14Ω程度まで上昇した。図18に示す第2変形例の場合、抵抗値は、240時間経過時まで殆ど上昇しておらず、500時間経過時に上昇を開始しており、1000時間経過時に最大で5~6Ω程度まで上昇した。図20に示す第3変形例の場合、抵抗値は、240時間経過時まで殆ど上昇しておらず、500時間経過時に上昇を開始しており、1000時間経過時に最大で5~6Ω程度まで上昇した。図22に示す第4変形例の場合、抵抗値は、1000時間経過しても殆ど上昇しなかった。
図9に示す比較例の場合、抵抗値は、100時間経過時に上昇を初めており、1000時間経過時に最大で15Ωを超えている。図12に示す実施例の場合、抵抗値は1000時間経過時も略0Ωである。このことから、第1~第4変形例における抵抗値の上昇開始は比較例よりも遅い。また、第1変形例における抵抗値の最大値は、実施例における抵抗値の最大値よりも大きく、比較例における抵抗値の最大値よりも小さい。第2及び第3変形例における抵抗値の最大値は、実施例における抵抗値の最大値よりも大きく、比較例における抵抗値の最大値の半分以下である。第4変形例における抵抗値の最大値は、実施例における抵抗値の最大値と同程度である。言い換えると、第1~第4変形例の耐湿性は、実施例と同様に、比較例よりも向上している。また、第1変形例の耐湿性は、比較例の耐湿性よりも高い。第2変形例の耐湿性は、第3変形例の耐湿性と略同等であり、第1変形例の耐湿性よりも高い。第4変形例の耐湿性は、実施例の耐湿性と略同等であり、第2及び第3変形例の耐湿性よりも高い。
以上のことから、シリコーン系の導電性接着剤の硬化物の耐湿性を向上させるエポキシ化合物は、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンに限定されず、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物であればよいことが分かった。また、実施例及び第4変形例における耐湿性が特に高いことから、耐湿性を向上させるエポキシ化合物の特徴として、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物であること、2つのエポキシ基を繋ぐ主鎖が長いこと(例えば9原子以上であること)等が挙げられると推察される。
以上のように、本実施形態に係る水晶振動子1において、接続電極16a,16bと電極パッド33a,33bとを接続する導電性保持部材36a,36bは、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。
これによれば、水晶振動素子の周波数温度特性の改善を図りつつ、高湿環境下におけるベース部材と水晶振動素子との間の抵抗値の悪化が抑制できる。具体的には、導電性保持部材と接続電極との接触抵抗、及び導電性保持部材と電極パッドとの接触抵抗の上昇が抑制できる。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、電極パッド33a,33bの最表面は金を含有する。
導電性接着剤にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有されるならば、樹脂系接着剤との密着性の低い金が電極パッドの最表面に含まれたとしても、高湿環境下での導電性接着剤と電極パッドとの接触抵抗の上昇が抑制できる。このため、導電性接着剤との密着性を向上させるための電極パッドへの表面処理(例えば、Agスパッタ)が不要であり、当該表面処理に起因する電極パッドの耐食性の低下が生じない。したがって、耐食性が高く且つ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、接続電極16a,16bの最表面は金を含有する。
導電性接着剤にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有されるならば、樹脂系接着剤との密着性の低い金が接続電極の最表面に含まれたとしても、高湿環境下での導電性接着剤と接続電極との接触抵抗の上昇が抑制できる。このため、導電性接着剤との密着性を向上させるための接続電極への表面処理(例えば、Agスパッタ)が不要であり、当該表面処理に起因する接続電極の耐食性の低下が生じない。したがって、耐食性が高く且つ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、ベース部材30と蓋部材40とを接合して内部空間49を封止する接合部材50をさらに備え、接合部材50は、樹脂系接着剤の硬化物である。
ベース部材と蓋部材との接合が樹脂系接着剤による接着の場合、金属接合に比べて、水晶振動子の製造コストが低減できるが、透湿性が上昇する。このような場合でも、高湿環境下におけるベース部材と水晶振動素子との間の抵抗値の悪化が抑制できる。したがって、製造コストを抑制しつつ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物は、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物である、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンである。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、導電性接着剤におけるエポキシ化合物の含有率は、0.5重量%以上10.0重量%以下である。
これによれば、水晶振動子1の周波数温度依存性の悪化を抑制しつつ、導電性保持部材36a,36bの高湿環境下での抵抗値の上昇を抑制できる。
なお、本発明に係る実施形態は、水晶振動子に限定されるものではなく、圧電振動子にも適用可能である。圧電振動子(Piezoelectric Resonator Unit)の一例が、水晶振動素子(Quartz Crystal Resonator)を備えた水晶振動子(Quartz Crystal Resonator Unit)である。水晶振動素子は、圧電効果によって励振される圧電片として、水晶片(Quartz Crystal Element)を利用するが、圧電片は、圧電単結晶、圧電セラミック、圧電薄膜、又は、圧電高分子膜などの任意の圧電材料によって形成されてもよい。一例として、圧電単結晶は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)を挙げることができる。同様に、圧電セラミックは、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi1-x)O3;PZT)、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、メタニオブ酸リチウム(LiNb)、チタン酸ビスマス(BiTi12)タンタル酸リチウム(LiTaO)、四ホウ酸リチウム(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)、又は、五酸化タンタル(Ta)などを挙げることができる。圧電薄膜は、石英、又は、サファイアなどの基板上に上記の圧電セラミックをスパッタリング法などによって成膜したものを挙げることができる。圧電高分子膜は、ポリ乳酸(PLA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又は、フッ化ビニリデン/三フッ化エチレン(VDF/TrFE)共重合体などを挙げることができる。上記の各種圧電材料は、互いに積層して用いられてもよく、他の部材に積層されてもよい。
本発明に係る実施形態は、圧電振動子に限定されるものではなく、導電性を有する第1被着部と、導電性を有する第2被着部と、第1被着部と第2被着部とを接続する導電性接着部とを備え、導電性接着部は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される、電子部品であれば適用可能である。水晶振動子1を例に挙げると、第1被着部は接続電極16a,16bに相当し、第2被着部は電極パッド33a,33bに相当し、導電性接着部は導電性保持部材36a,36bに相当し、電子部品が水晶振動子1に相当する。つまり、導電性接着部によって接着され且つ導電性接着部との導通が求められる接続部分を内部に有する電子部品であれば、特に限定されることなく本発明の実施形態となり得る。このような電子部品は、例えば、水晶振動子以外の振動子、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、インダクタ、レジスタ、集積回路(IC)、撮像素子、表示素子、センサ、MEMS素子などである。
例えば、電子部品が機械振動部を有する振動素子であれば、導電性接着部に振動による負荷が掛かる。このため、被着部と導電性接着部との密着力が充分でない場合、被着部と導電性接着部との界面では、密着力の低下によって接触抵抗が上昇し、最悪の場合は剥離によって導電性が失われる。このように、搬送中の衝撃や作動中の変位などによって、被着部と導電性接着部との界面に負荷が掛かる構成の電子部品であっても、本発明の実施形態によれば、高湿環境下での接触抵抗の上昇が抑制できる。
以下に、本発明の他の実施形態に係る電子装置の構成について説明する。なお、下記の実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
<第2実施形態>
図8を参照しつつ、第2実施形態に係る電子装置100の構成について説明する。図8は、第2実施形態に係る電子装置の構成を概略的に示す断面図である。
第2実施形態に係る電子装置100は、電子部品70と、金属層91を有する基板90と、電子部品70と基板90の金属層91とを接続する導電性接着部80とを備えている。導電性接着部80は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であって、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有される。図8では例えば電子部品70として水晶振動子を描写している。しかし、電子部品70は水晶振動子に限定されるものではなく、水晶振動子以外の振動子、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、インダクタ、レジスタ、集積回路(IC)、撮像素子、表示素子、センサ、MEMS素子などである。
シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であって、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有された導電性接着部は、第2実施形態のように電子部品の外部での電気的接続に用いられてもよく、第1実施形態のように電子部品の内部の電気的接続に用いられてもよい。
以下に、本発明の実施形態の一部又は全部を付記し、その効果について説明する。なお、本発明は以下の付記に限定されるものではない。
本発明の一態様によれば、励振電極と励振電極に電気的に接続された接続電極とを有する水晶振動素子と、電極パッドを有するベース部材と、接続電極と電極パッドとを接続する導電性保持部材と、水晶振動素子を収容する内部空間をベース部材との間に形成する蓋部材とを備え、導電性保持部材は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有された、水晶振動子が提供される。
これによれば、水晶振動素子の周波数温度特性の改善を図りつつ、高湿環境下におけるベース部材と水晶振動素子との間の抵抗値の悪化が抑制できる。具体的には、導電性保持部材と接続電極との接触抵抗、及び導電性保持部材と電極パッドとの接触抵抗の上昇が抑制できる。すなわち、耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
一態様として、エポキシ基は、グリシジル基の一部である。
導電性接着剤に含有されるエポキシ化合物のエポキシ基がグリシジル基の一部であれば、特に耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
一態様として、電極パッドの最表面は、金を含有する。
導電性接着剤にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有されるならば、樹脂系接着剤との密着性の低い金が電極パッドの最表面に含まれたとしても、高湿環境下での導電性接着剤と電極パッドとの接触抵抗の上昇が抑制できる。このため、導電性接着剤との密着性を向上させるための電極パッドへの表面処理(例えば、Agスパッタ)が不要であり、当該表面処理に起因する電極パッドの耐食性の低下が生じない。したがって、耐食性が高く且つ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
一態様として、接続電極の最表面は、金を含有する。
導電性接着剤にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有されるならば、樹脂系接着剤との密着性の低い金が接続電極の最表面に含まれたとしても、高湿環境下での導電性接着剤と接続電極との接触抵抗の上昇が抑制できる。このため、導電性接着剤との密着性を向上させるための接続電極への表面処理(例えば、Agスパッタ)が不要であり、当該表面処理に起因する接続電極の耐食性の低下が生じない。したがって、耐食性が高く且つ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
一態様として、ベース部材と蓋部材とを接合して内部空間を封止する接合部材をさらに備え、接合部材は、樹脂系接着剤である。
ベース部材と蓋部材との接合が樹脂系接着剤による接着の場合、金属接合に比べて、水晶振動子の製造コストが低減できるが、透湿性が上昇する。このような場合でも、高湿環境下におけるベース部材と水晶振動素子との間の抵抗値の悪化が抑制できる。したがって、製造コストを抑制しつつ耐湿性の高い水晶振動子が提供できる。
一態様として、エポキシ化合物は、有機ケイ素化合物である。
一態様として、エポキシ化合物は、シロキサン結合を有する。
一態様として、エポキシ化合物は、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン又はこれを構成単位として有する。
また、本実施形態に係る水晶振動子1において、導電性接着剤におけるエポキシ化合物の含有率は、0.5重量%以上10.0重量%以下である。
これによれば、水晶振動子の周波数温度依存性の悪化を抑制しつつ、導電性保持部材の高湿環境下での抵抗値の上昇を抑制できる。
本発明の他の一態様によれば、電子部品と、金属層を有する基板と、電子部品と基板の金属層とを接続する導電性接着部とを備え、導電性接着部は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有された、電子装置が提供される。
これによれば、高湿環境下における電子部品と基板との間の抵抗値の悪化が抑制できる。すなわち、耐湿性の高い電子装置が提供できる。
本発明の他の一態様によれば、導電性を有する第1被着部と、導電性を有する第2被着部と、第1被着部と第2被着部とを接続する導電性接着部とを備え、導電性接着部は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有された、電子部品が提供される。
これによれば、高湿環境下における第1被着部と第2被着部との間の抵抗値の悪化が抑制できる。すなわち、耐湿性の高い電子装置が提供できる。
一態様として、第1被着部は、機械振動部を有する振動素子に設けられた接続電極である。
電子素子のように、搬送中の衝撃や作動中の変位などによって、被着部と導電性接着部との界面に負荷が掛かる構成の電子部品であっても、本発明の実施形態によれば、高湿環境下での接触抵抗の上昇が抑制できる。
以上説明したように、本発明の一態様によれば、信頼性が改善された水晶振動子、電子部品及び電子装置が提供できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、本発明の振動素子および振動子は、タイミングデバイスまたは荷重センサに用いることができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…水晶振動子、
10…水晶振動素子、
11…水晶片、
14a,14b…励振電極、
15a,15b…引出電極、
16a,16b…接続電極、
30…ベース部材、
31…基体、
33a、33b…電極パッド、
34a、34b…貫通電極、
35a~35d…外部電極、
36a、36b…導電性保持部材、
40…蓋部材、
50…接合部材、

Claims (8)

  1. 励振電極と前記励振電極に電気的に接続された接続電極とを有する水晶振動素子と、
    電極パッドを有するベース部材と、
    前記接続電極と前記電極パッドとを接続する導電性保持部材と、
    前記水晶振動素子を収容する内部空間を前記ベース部材との間に形成する蓋部材と
    を備え、
    前記導電性保持部材は、シリコーン樹脂を主成分とする導電性接着剤の硬化物であり、
    前記導電性接着剤にはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物が含有され
    前記エポキシ化合物は、有機ケイ素化合物である、
    水晶振動子。
  2. 前記エポキシ基は、グリシジル基の一部である、
    請求項1に記載の水晶振動子。
  3. 前記電極パッドの最表面は、金を含有する、
    請求項1又は2に記載の水晶振動子。
  4. 前記接続電極の最表面は、金を含有する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の水晶振動子。
  5. 前記ベース部材と前記蓋部材とを接合して前記内部空間を封止する接合部材をさらに備え、
    前記接合部材は、樹脂系接着剤の硬化物である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の水晶振動子。
  6. 前記エポキシ化合物は、シロキサン結合を有する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動子。
  7. 前記エポキシ化合物は、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン又はこれを構成単位として有する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動子。
  8. 前記導電性接着剤における前記エポキシ化合物の含有率は、0.5重量%以上10.0重量%以下である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動子。
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