以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機の構成の一例を模式的に示す図である。実施の形態に係る空気調和機100は、室外機1および1以上の室内機3を有する。室外機1と各室内機3とは、内部に冷媒を流通させるための冷媒配管4を介して接続され、冷媒が循環する冷媒回路5を形成している。
室外機1は、制御装置10、圧縮機11、流路切替装置12、室外熱交換器13、室外送風機14、室外流量調整弁15、遮断弁16、圧力容器17、室外熱交換器温度センサ18、および外気温度センサ19を備える。圧力容器17、圧縮機11、流路切替装置12、室外熱交換器13、室外流量調整弁15、および遮断弁16は、順次、冷媒配管4により接続されている。
制御装置10は、圧縮機11、流路切替装置12、室外送風機14、室外流量調整弁15、および遮断弁16と、不図示の配線によって接続され、これらを制御する。なお、制御装置10は、室外機1に代えて、室内機3に含まれてもよい。あるいは、制御装置10は、空気調和機100において、室外機1および室内機3とは別個に設けられていてもよい。
圧縮機11は、吸入側から吸入された冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出側から吐出する。流路切替装置12は、例えば四方弁を含み、冷媒の流路の方向の切り換えを行う。流路切替装置12による冷媒の流路の切り換えによって、冷房と暖房との切り替えが行われる。図1において流路切替装置12における実線部分は、冷房運転時における冷媒の流路を示す。また、破線部分は、暖房運転時における冷媒の流路を示す。同様に、図1における実線で示される矢印は、冷房運転時において冷媒が流れていく方向を示し、破線で示される矢印は、暖房運転時において冷媒が流れていく方向を示す。
室外熱交換器13は、冷媒と室外の空気との間での熱交換を行う。室外熱交換器13は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。室外送風機14は、ファンモータなどの室外駆動源14Aによって駆動される、プロペラファンなどの室外ファン14Bを含み、室外の空気を室外機1内の室外熱交換器13へ導き、冷媒と熱交換後の空気を室外へと送り出す。
室外流量調整弁15は、膨張弁とも呼ばれるものであり、開度の変化により、室外機1と室内機3との間を循環する冷媒の流量を調整したり、圧縮機11において圧縮された冷媒を減圧させたりする。遮断弁16は、開動作によって、冷媒回路5において冷媒を流通させる。また遮断弁16は、閉動作によって、冷媒回路5において冷媒の流通を遮断する。圧力容器17は、冷媒を貯留するための容器である。
室外熱交換器温度センサ18は、室外熱交換器13の内部または外部に設けられ、当該室外熱交換器13における冷媒の温度を検知する。外気温度センサ19は、室外の気温を検知する。
室内機3は、室内熱交換器30、室内送風機31、室内流量調整弁32、室内熱交換器温度センサ33、および、室内温度センサ34を備える。室内熱交換器30は、室外機1からの冷媒と、室内送風機31によって室内から室内機3の内部へ送り込まれた空気と、を熱交換させる。
室内送風機31は、ファンモータなどの室内駆動源31Aによって駆動される、プロペラファンなどの室内ファン31Bを含み、室内の空気を室内機3内の室内熱交換器30へ導き、冷媒との間の熱交換後の空気を室内へと送り出す。室内流量調整弁32は、膨張弁とも呼ばれ、開度の変化により、室外機1と室内機3との間を循環する冷媒の流量を調整する。
室内熱交換器温度センサ33は、室内熱交換器30の内部または外部に設けられ、冷媒の温度を検知する。室内温度センサ34は、室内の空気の温度を検知する。
実施の形態1における室外機1は、例えば、圧縮機11における冷媒の圧力の異常から圧縮機11を保護するなどの目的のため、更に、圧力スイッチ20を備える。また、実施の形態1における室外機1は、例えば、圧縮機11の温度の異常、または、当該圧縮機11における冷媒の温度の異常から圧縮機11を保護するなどの目的のため、更に、サーモスタット21を備える。
圧力スイッチ20は、圧縮機11における冷媒の吐出側の冷媒配管4に設けられている。圧力スイッチ20は、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力に応じて、接点の開閉を行う。
サーモスタット21は、圧縮機11の本体の、冷媒の吐出側に設けられている。サーモスタット21は、圧縮機11の温度に応じて、接点の開閉を行う。なお、サーモスタット21は、圧縮機11における冷媒の吐出側の冷媒配管4に設けられていてもよい。そして、サーモスタット21は、当該吐出側の冷媒配管4、または、圧縮機11から吐出された冷媒の温度に応じて、接点の開閉を行ってもよい。なお、当該吐出側の冷媒配管4の温度は、圧縮機11から吐出された冷媒の温度が高いほど、高くなる。そのため、当該吐出側の冷媒配管4の温度も、圧縮機11から吐出された冷媒の温度として説明する。また、圧縮機11から吐出された冷媒の温度は、圧縮機11の本体の温度に追従し、圧縮機11の温度が高いほど高くなる。そのため、吐出側の冷媒配管4の温度と、吐出側の冷媒の温度と、圧縮機11の本体の温度のうち、圧縮機11の温度を例に挙げ、実施の形態1を説明する。そのため、以下では、サーモスタット21は、圧縮機11の本体に設置されているとし、圧縮機11の本体の温度に応じて接点の開閉を行うものとする。
図2は、実施の形態1における圧力スイッチおよびサーモスタットの配線の状態を例示する模式図である。実施の形態1において圧力スイッチ20およびサーモスタット21は、制御装置10における制御用回路と、リレー機構8との間において、直列に接続されている。なお、制御用回路は、圧縮機11を制御するための回路である。また、リレー機構8は、圧縮機11に電力を供給するための機構である。リレー機構8は、例えば、図示しないコイルとスイッチとを含むものである。この場合において当該コイルは、圧力スイッチ20およびサーモスタット21を介して当該制御用回路と接続され、当該スイッチは、圧縮機11および不図示の電源と接続されている。そして、当該コイルは、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の各接点が閉じた状態において、当該制御用回路によって励磁され、当該スイッチは、当該コイルが励磁状態となることによって閉じられる。これにより、圧縮機11に電源からの電力が供給される。なお、図2では、制御装置10の側に圧力スイッチ20が配置され、リレー機構8の側にサーモスタット21が配置されている例が示されているが、制御装置10の側にサーモスタット21が配置され、リレー機構8の側に圧力スイッチ20が配置されてもよい。図2では、制御装置10が、圧力スイッチ20とサーモスタット21とを介してリレー機構8と接続され、当該リレー機構8を介して圧縮機11に電源からの電力を供給する例を示した。しかし、これに限定されず、制御装置10は、リレー機構8を介さずに圧縮機11および電源と接続され、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の各接点が閉じた状態において電源からの電力を圧縮機11に供給するものでもよい。
上述したように、制御装置10における制御用回路は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の各接点が閉じた状態において、圧縮機11に電源からの電力を供給する。これにより、圧縮機11は、通電状態となり、運転を行う。一方、圧縮機11は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21のうちの少なくとも一方の接点が開いた状態においては電源からの電力が供給されないため、停止状態となる。以下では、接点が閉じた状態をオン状態、接点が開いた状態をオフ状態と記載する場合もある。
図3は、圧力スイッチとサーモスタットの状態変化を説明するための図である。圧力スイッチ20は、オン状態であった場合であって、圧縮機11からの冷媒の圧力が第1圧力以上になった場合において、オフ状態になる。ここで、第1圧力は、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力の高さが異常と認められる範囲における、下限の圧力であって、予め定められている圧力である。図3に示す例においては、第1圧力は4[MPa]である。
圧力スイッチ20は、オフ状態であった場合であって、圧縮機11からの冷媒の圧力が第2圧力以下になった場合において、オン状態になる。ここで、第2圧力は、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力の高さが正常と認められる範囲における圧力であって、第1圧力よりも低い圧力である。当該第2圧力は、予め定められている。図3に示す例においては、第2圧力は3[MPa]である。なお、圧力スイッチ20は、冷媒の圧力が第1圧力以上となって、オフ状態になった場合において、再度、冷媒の圧力が第1圧力より低くなっても、圧縮機11の保護のため、冷媒の圧力が第2圧力以下になるまでオン状態にならない。
サーモスタット21は、オン状態であった場合であって、圧縮機11の温度が第1温度以上になった場合において、オフ状態になる。ここで、第1温度は、圧縮機11の温度の高さが異常と認められる範囲における、下限の温度であって、予め定められている温度である。図3に示す例においては、第1温度は150[℃]である。なお、第1温度は、圧縮機11から吐出された冷媒の温度の高さが異常と認められる範囲における、下限の温度であってもよい。この場合におけるサーモスタット21は、オン状態であった場合であって、圧縮機11からの冷媒の温度が第1温度以上になった場合において、オフ状態になる。
サーモスタット21は、オフ状態であった場合であって、圧縮機11の温度が第2温度以下になった場合において、オン状態になる。ここで、第2温度は、圧縮機11の温度の高さが正常と認められる範囲における温度であって、第1温度よりも低い温度である。図3に示す例においては、第2温度は100[℃]である。なお、圧縮機11の温度が第1温度以上となって、サーモスタット21がオフ状態になった場合において、再度、圧縮機11の温度が第1温度より低くなっても、サーモスタット21は、圧縮機11の保護のため、圧縮機11の温度が第2温度以下になるまでオン状態にならない。なお、第2温度は、圧縮機11から吐出された冷媒の温度の高さが、正常と認められる範囲における温度であってもよい。この場合におけるサーモスタット21は、オフ状態であった場合であって、圧縮機11からの冷媒の温度が第2温度以下になった場合において、オン状態になる。
ここで、従来の空気調和機は、圧力スイッチとサーモスタットのうちの少なくとも一方がオフ状態となって、圧縮機が停止した場合において、冷媒の圧力と温度のうちどちらが異常であるかを判定できなかった。しかし、空気調和機が圧縮機の停止の原因を特定することができれば、空調サービスにおけるオペレータの対応の負担が軽減され、オペレータによる処理が迅速になる。例えば、空気調和機が、圧縮機の停止の原因を、圧力の異常と特定することができれば、オペレータは、例えば、室外機に冷媒が充填されている初期状態において、冷媒配管に設けられているバルブが開いていないなどによって、冷媒の圧力が上昇しているのではないかと推測できる。そのため、オペレータは、速やかにバルブの状態を確認できる。あるいは、空気調和装置が、圧縮機の停止の原因を、温度の異常と特定できれば、オペレータは、例えば、冷媒回路における冷媒不足、または、圧縮機の故障もしくは不良などにより、圧縮機の温度が異常に高くなっているなどと推測できる。以下では、圧縮機の停止の原因を、異常の原因、または異常原因と記載する場合もある。
実施の形態1に係る空気調和機100は、異常原因を特定し、オペレータの負担を低減させるものである。以下、そのための構成および機能等について説明する。実施の形態1における制御装置10は、異常原因を特定する。図4は、実施の形態1における制御装置の機能ブロックを例示する図である。制御装置10は、判定制御部70、圧縮機制御部71、計時部72、および報知部73を有する。判定制御部70は、圧縮機制御部71と計時部72と報知部73とを制御する。
圧縮機制御部71は、圧縮機11の運転の開始と停止とを制御する上記制御用回路を含む。圧縮機制御部71は、当該制御用回路と共に、圧縮機11における回転数などを制御するための他の制御用回路を含んでもよい。圧縮機制御部71は、判定制御部70からの指示に従って、圧力スイッチ20とサーモスタット21とがオン状態である場合において、圧縮機11に電源からの電力を供給する。圧縮機制御部71は、判定制御部70からの指示に従って、圧力スイッチ20とサーモスタット21とがオン状態である場合において、上記他の制御用回路を介して、圧縮機11の運転を制御してもよい。圧力スイッチ20およびサーモスタット21の少なくとも一方がオフ状態になった場合には、図2に例示した、圧縮機制御部71における制御用回路と、圧力スイッチ20と、サーモスタット21とを含む直列回路には電流が流れなくなる。圧縮機制御部71は、当該電流に対応する信号がオフになったことを検知して、異常信号を判定制御部70に出力する。あるいは、判定制御部70が、圧縮機制御部71における、当該電流に対応する信号がオフになったことを検知してもよい。なお、この場合には、判定制御部70は、当該電流に対応する信号がオフになったことを示す異常信号を、圧縮機制御部71を介して検知する。以下、圧縮機制御部71が判定制御部70へ異常信号を出力するという内容には、判定制御部70が圧縮機制御部71を介して異常信号を検知するという内容が含まれるとする。また、判定制御部70が圧縮機制御部71を介して異常信号を検知するという内容には、圧縮機制御部71が判定制御部70へ異常信号を出力するという内容が含まれるとする。なお、圧縮機制御部71は、圧縮機11が停止する間、異常信号を判定制御部70に出力するものとする。
計時部72は、判定制御部70からの指示に従って、判定制御部70が圧縮機制御部71からの異常信号を検知する間の時間を計測する。以下では、判定制御部70が、圧縮機制御部71からの異常信号を検知する間の時間を異常検知時間と記載する場合もある。
判定制御部70は、異常検知時間の長短によって、圧力スイッチ20とサーモスタット21のうちのどちらがオフ状態になって圧縮機11が停止したのかを判定する。報知部73は、判定制御部70による判定結果を、判定制御部70からの指示に従って報知する。なお、圧力スイッチ20がオフ状態になった場合における異常検知時間と、サーモスタット21がオフ状態になった場合における異常検知時間とは、互いに長さが異なる。以下、図5を参照して、圧力スイッチ20がオフ状態となった場合における異常検知時間と、サーモスタット21がオフ状態となった場合における異常検知時間の各長さについて詳述する。
図5は、圧力スイッチがオフ状態になった場合の異常検知時間と、サーモスタットがオフ状態になった場合の異常検知時間とを例示する図である。図5に示す例においては、圧縮機11は、0[分]において運転を停止しているとする。なお、図5に例示されている第1圧力は、図3における第1圧力と同様に、4[MPa]である。また、図5に例示されている第2圧力は、図3における第2圧力と同様に、3[MPa]である。そして、図5に例示されている第1温度は、図3における第1温度と同様に、150[℃]である。更に、図5に例示されている第2温度は、図3における第2温度と同様に、100[℃]である。
まず、圧力スイッチ20がオフ状態となった場合における異常検知時間について説明する。図5に示されるように、冷媒の圧力が、第1圧力である4[MPa]以上となった場合において、圧力スイッチ20はオフ状態となる。これにより、圧縮機11は運転を停止する。圧縮機11が運転を停止することにより、圧縮機11から高圧の冷媒が吐出されなくなる。すると、冷媒の圧力は、急激に低下し、圧縮機11が停止した時点から数分以内に、第2圧力である3[MPa]以下になる。圧力が3[MPa]以下になることにより、圧力スイッチ20は、再びオン状態になる。これにより、圧縮機11が運転を再開する。なお、判定制御部70は、圧縮機11がオフ状態になってからオン状態になるまでの、上記数分以内の間、異常信号を検知し続ける。従って、圧力スイッチ20の状態変化による異常検知時間は、当該数分以内となる。以下では、このような圧力スイッチ20の状態変化による異常検知時間を、第1異常検知時間と記載する場合もある。
次に、サーモスタット21がオフ状態となった場合における異常検知時間について説明する。図5に示されるように、圧縮機11の温度が、第1温度である150[℃]以上となった場合において、サーモスタット21はオフ状態となる。これにより、圧縮機11は運転を停止する。圧縮機11が運転を停止することにより、圧縮機11の温度は下降していく。しかし、圧縮機11は熱容量が大きいため、圧縮機11の温度が、第2温度である100[℃]以下になるまでには、数十分以上の時間がかかる。圧縮機11の温度が100[℃]以下になると、サーモスタット21はオン状態になり、圧縮機11は運転を再開するが、圧縮機11が運転を停止してから再開するまで間に、数十分以上の時間が経過している。このため、判定制御部70は、数十分以上の間、異常検知信号を受信し続ける。従って、サーモスタット21の状態変化による異常検知時間は、当該数十分以上となる。以下では、サーモスタット21の状態変化による異常検知時間を、第2異常検知時間と記載する場合もある。
図5を参照して具体的に上述したように、第2異常検知時間は第1異常検知時間よりも長い。判定制御部70は、第1異常検知時間よりも長い時間であって、第2異常検知時間よりも短い時間を基準時間として記憶する。判定制御部70は、異常信号を検知してから計時部72に計測させた異常検知時間が基準時間以上か否かを判定する。判定制御部70は、異常検知時間が基準時間よりも短い場合には、圧力スイッチ20の状態変化により圧縮機11が停止したものと判定し、異常の原因が冷媒の圧力であると判定する。判定制御部70は、異常検知時間が基準時間以上である場合には、サーモスタット21の状態変化により圧縮機11が停止したものと判定し、異常の原因が圧縮機11の温度であると判定する。
なお、基準時間は、予め実験または試験等によって得られた第1異常検知時間と第2異常検知時間とを用いて、予め定められている時間である。基準時間は、第1異常検知時間よりも長い時間であって、第2異常検知時間よりも短い時間であれば、任意の時間であってもよいが、例えば、第1異常検知時間と第2異常検知時間の各長さの中間の長さの時間であってもよい。
以下、実施の形態1における制御装置10のハードウェア構成について説明する。制御装置10による機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等のメモリと、ドライバ回路と、LED(Light Emitting Diode)などの照明装置または液晶ディスプレイもしくは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置と、を含む構成により実現可能である。判定制御部70の機能は、プロセッサが、メモリに記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより実現することができる。なお、各種プログラムは、例えば、圧縮機11が停止することになった異常原因の特定処理のためのプログラムである。圧縮機制御部71の機能は、ドライバ回路によって実現することができる。計時部52の機能は、例えばOS(Operating System)の計時機能のように、プロセッサおよびメモリ等によって実現できるが、RTC(Real Time Clock)によって実現してもよい。報知部73の機能は、照明装置または表示装置によって実現することができる。ただし、報知部73は、空気調和機100の、不図示のリモートコントローラと通信可能な通信インターフェース回路によって実現してもよい。そして、当該リモートコントローラにおけるランプによって、判定制御部70による判定結果が示されてもよいし、当該リモートコントローラにおける画面上に当該判定結果が表示されてもよい。なお、制御装置10の機能は、その全部または一部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
図6は、実施の形態1における制御装置による異常原因の特定処理を例示するフローチャートである。ステップS1において空気調和機100の電源がオンになると、ステップS2において判定制御部70は、圧縮機制御部71からの異常信号の有無を判定する。なお、空気調和機100の電源がオンになった際における異常信号の有無の判定処理により、判定制御部70は、圧力スイッチ20またはサーモスタット21の故障の有無を判定することができる。
ステップS2において判定制御部70が異常信号を検知した場合には(ステップS2:YES)、ステップS3において判定制御部70は、圧力スイッチ20またはサーモスタット21が故障していると判定する。ステップS3の処理後、制御装置10は異常原因の特定処理を終了する。
ステップS2において判定制御部70が異常信号を検知しない場合には(ステップS2:NO)、ステップS4において判定制御部70は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21が故障していないと判定する。そして、ステップS5において制御装置10は、空気調和機100に空調運転を実行させる。
空気調和機100による空調運転の最中において、判定制御部70が圧縮機制御部71からの異常信号を検知しない間は(ステップS6:NO)、制御装置10は、空気調和機100に空調運転を継続させる。空気調和機100による空調運転の最中に、判定制御部70が圧縮機制御部71からの異常信号を検知した場合には(ステップS6:YES)、ステップS7において判定制御部70は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の少なくとも一方がオフ状態になったと判定する。そして、ステップS8において判定制御部70は、計時部72に時間の計測を開始させる。
ステップS9において判定制御部70が、継続して異常信号を検知し続けている場合には(ステップS9:YES)、ステップS10において判定制御部70は、基準時間が経過したか否かを判定する。基準時間が経過していない場合には(ステップS10:NO)、判定制御部70は、制御装置10の処理をステップS9に戻す。基準時間が経過している場合には(ステップS10:YES)、判定制御部70は、制御装置10の処理をステップS13に移す。
ステップS9において判定制御部70が、異常信号を検知しなくなった場合には(ステップS9:NO)、ステップS11において判定制御部70は、計時部72が計測した異常検知時間が基準時間以上であるか否かを判定する。
異常検知時間が基準時間未満であれば(ステップS11:NO)、ステップS12において判定制御部70は、圧力スイッチ20の状態変化により圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因は冷媒の圧力であると判定する。ステップS12の処理後、制御装置10は、異常原因の特定処理を終了する。異常検知時間が基準時間以上であれば(ステップS11:YES)、判定制御部70は、制御装置10の処理をステップS13に移す。
ステップS13において判定制御部70は、サーモスタット21の状態変化により圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因は圧縮機11の温度であると判定する。ステップS13の処理後、制御装置10は、異常原因の特定処理を終了する。
以上、実施の形態1に係る空気調和機100は、圧縮機11、圧力スイッチ20、サーモスタット21、および制御装置10を備える。圧縮機11は、冷媒回路5を循環する冷媒を圧縮する。圧力スイッチ20は、圧縮機11における冷媒の吐出側の冷媒の圧力が第1圧力以上となった場合においてオフ状態となり、当該圧力が第1圧力より低い第2圧力以下となった場合においてオン状態となる。サーモスタット21は、吐出側の冷媒または圧縮機11の温度が第1温度以上となった場合においてオフ状態となり、当該温度が第1温度よりも低い第2温度以下となった場合においてオン状態となる。制御装置10は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21がオン状態になった場合において、圧縮機11に電源からの電力供給を行い、圧縮機11を運転させる。一方、制御装置10は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21のうちの少なくとも一方がオフ状態になった場合において、圧縮機11に電源からの電力供給を行わず、圧縮機11の運転を停止させる。制御装置10は、圧縮機11が運転を停止してから再開するまでの異常検知時間が基準時間未満である場合には、圧力スイッチ20の状態が変化したと判定する。すなわち、制御装置10は、異常原因が冷媒の圧力であると判定する。一方、制御装置10は、異常検知時間が基準時間以上である場合には、サーモスタット21の状態が変化したと判定する。すなわち、制御装置10は、異常原因が圧縮機11の温度であると判定する。従って、空気調和機100は、異常原因の特定が可能になる。
実施の形態1における圧力スイッチ20とサーモスタット21とは、制御装置10と圧縮機11との間において、直列接続されている。これにより、制御用回路における、例えばコネクタまたはリレー等の部品数を削減することができる。従って、部品の設置が容易になり、且つ、コストの削減も図ることができる。また、制御用回路から圧縮機11までの配線の数を減らすことが可能になり、配線が容易になると共に、コストの削減も図ることができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る空気調和機の構成の一例を模式的に示す図である。実施の形態2に係る空気調和機200は、実施の形態1に係る空気調和機100の室外機1に代え、室外機6を有する。室外機6は、室外機1に含まれる構成要素に加え、更に、吐出側圧力センサ22、吸入側圧力センサ23、および吐出側温度センサ24を備える。また、室外機6は、制御装置10に代えて、制御装置60を備える。なお、上記実施の形態1における構成要素と同様の構成要素であって、同様の機能を有するものに対しては、実施の形態1における符号と同様の符号を付す。また、上記実施の形態1における構成要素、機能、および動作の各々と同様の構成要素、機能、動作については、特に断りがない限り、説明を省略する。
吐出側圧力センサ22は、圧縮機11から冷媒が吐出する側の冷媒配管4に設けられている。吐出側圧力センサ22は、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力を測定する。吐出側圧力センサ22は、圧力測定装置の一例である。
吸入側圧力センサ23は、圧縮機11から見て冷媒の上流側の冷媒配管4に設けられている。吸入側圧力センサ23は、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力を測定する。なお、吐出側圧力センサ22の測定値と、吸入側圧力センサ23の測定値との差分によって、圧縮機11の吸入側における冷媒の圧力を基準とした、圧縮機11の吐出側における冷媒の圧力差が得られてもよい。この場合には、吐出側圧力センサ22と吸入側圧力センサ23との組み合わせを、圧力測定装置の他の例としてもよい。そして、当該圧力差が、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力として用いられてもよい。
吐出側温度センサ24は、圧縮機11の本体における、冷媒の吐出側に設けられており、圧縮機11本体の温度を検知する。なお、吐出側温度センサ24は、圧縮機11における冷媒の吐出側の冷媒配管4に設けられてもよく、当該冷媒配管4の温度、または、圧縮機11から吐出された冷媒の温度を検知してもよい。吐出側温度センサ24は、温度検知装置の一例である。以下では、吐出側圧力センサ22、吸入側圧力センサ23、および吐出側温度センサ24をセンサ群と記載する場合もある。
図8は、実施の形態2における制御装置の機能ブロックを例示する図である。実施の形態2における制御装置60は、実施の形態1における制御装置10における構成要素に加え、入力部74を備える。入力部74は、センサ群から測定結果を取得する。入力部74は、制御装置60とセンサ群とを接続し、制御装置60とセンサ群との間の情報の入出力を可能にする入出力インターフェース回路、または、センサ群から制御装置60への情報の入力を可能にする入力インターフェース回路を有する。
判定制御部70は、吐出側圧力センサ22および吐出側温度センサ24の各測定結果を用いて、異常検知時間が長い場合において、圧縮機11の温度が異常であるのか、当該圧縮機11の温度および冷媒の圧力が異常であるのかを判定する。以下、詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における制御装置による異常原因の特定処理を例示するフローチャートである。なお、ステップS21~ステップS31の各処理は、制御装置10を制御装置60と読み換え、空気調和機100を空気調和機200と読み替えた場合における、ステップS1~ステップS11の各処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS31において異常検知時間が基準時間未満である場合には(ステップS31:NO)、ステップS32において判定制御部70は、圧力スイッチ20の状態変化により圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因は冷媒の圧力であると判定する。ステップS32の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
ステップS31において異常検知時間が基準時間以上である場合(ステップS31:YES)、または、ステップS30において基準時間が経過している場合には(ステップS32:YES)、制御装置60は、処理をステップS33に移す。ステップS33において判定制御部70は、サーモスタット21の状態変化、または、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因が、圧縮機11の温度、または、当該温度と冷媒の圧力との組み合わせであると判定する。
ステップS34において判定制御部70は、吐出側温度センサ24によって測定された温度が基準温度以上であるか否かを判定する。なお、基準温度は、予め実験または試験等によって予め定められた温度である。以下では、吐出側温度センサ24が測定した温度を測定温度とも記載する。ステップS34において判定制御部70が用いる測定温度は、ステップS34のタイミングにおいて測定された温度であってもよい。この場合において基準温度は、例えば、第2温度であってもよいし、次のように定められる温度であってもよい。具体的には、圧縮機11の停止前における圧縮機11の温度を第1温度とし、圧縮機11が停止してから、例えば基準時間など、予め定められた時間が経過した際における圧縮機11の温度を基準温度としてもよい。あるいは、吐出側温度センサ24が、圧縮機11の吐出側における冷媒の温度を検知するものである場合には、圧縮機11の停止前における、当該吐出側における冷媒の温度を第1温度とし、圧縮機11が停止してから、例えば基準時間など、予め定められた時間が経過した際の、当該吐出側における冷媒の温度を基準温度としてもよい。上述の他、ステップS34において判定制御部70が用いる測定温度は、ステップS26において判定制御部70が異常信号を検知した際に、吐出側温度センサ24が測定した温度であってもよい。あるいは当該測定温度は、ステップS26において判定制御部70が異常信号を検知する直前に、吐出側温度センサ24が測定した温度であってもよい。この場合における基準温度は、例えば、第1温度であってもよい。
ステップS34において測定温度が基準温度未満である場合には(ステップS34:NO)、ステップS35において判定制御部70は、圧力スイッチ20の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因が冷媒の圧力であると判定する。ステップS35の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
ステップS34において測定温度が基準温度以上である場合には(ステップS34:YES)、ステップS36において判定制御部70は、吐出側圧力センサ22によって測定された圧力が基準圧力以上であるか否かを判定する。なお、基準圧力は、予め実験または試験等によって予め定められた圧力である。以下では、吐出側圧力センサ22が測定した圧力を測定圧力とも記載する。ステップS36において判定制御部70が用いる測定圧力は、ステップS36のタイミングにおいて測定された圧力であってもよい。この場合において基準圧力は、例えば、第2圧力であってよいし、次のように定められる圧力であってもよい。具体的には、圧縮機11の停止前における冷媒の圧力を第1圧力とし、圧縮機11が停止してから、例えば基準時間など、予め定められた時間が経過した際における当該冷媒の圧力を基準圧力としてもよい。上述の他、ステップS36において判定制御部70が用いる測定圧力は、ステップS26において判定制御部70が異常信号を検知した際に、吐出側圧力センサ22が測定した圧力であってもよい。あるいは当該測定圧力は、ステップS26において判定制御部70が異常信号を検知する直前に、吐出側圧力センサ22が測定した圧力であってもよい。この場合における基準圧力は、例えば、第1圧力であってもよい。
ステップS36において測定圧力が基準圧力未満である場合には(ステップS36:NO)、ステップS37において判定制御部70は、サーモスタット21の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因が、圧縮機11の温度であると判定する。ステップS37の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
ステップS36において測定圧力が基準圧力以上である場合には(ステップS36:YES)、ステップS38において判定制御部70は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因が、冷媒の圧力および圧縮機11の温度であると判定する。ステップS38の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
なお、ステップS34の処理と、ステップS36の処理は、順序を逆にして行われてもよい。すなわち、ステップS34において判定制御部70は、測定圧力が基準圧力以上か否かを判定し、当該測定圧力が基準圧力未満であれば、ステップS35において判定制御部70は、圧縮機11の温度が異常であると判定する。一方、当該測定圧力が基準圧力以上であれば、ステップS36において判定制御部70は、測定温度が基準温度以上か否かを判定する。そして、当該測定温度が基準温度未満であれば、ステップS37において判定制御部70は、冷媒の圧力が異常であると判定する。一方、当該測定温度が基準温度以上であれば、ステップS38において判定制御部70は、冷媒の圧力および圧縮機11の温度が異常であると判定する。
上述した異常原因の特定処理において判定制御部70は、ステップS31において異常検知時間が基準時間以上であると判定したにも関わらず、ステップS34において測定温度が基準温度以上か否かを判定している。そして、判定制御部70は、当該測定温度が基準温度未満である場合には、冷媒の圧力が異常であると判定している。この理由は、例えば基準時間を短く設定してしまうなどにより、実際には冷媒の圧力のみに異常があるにも関わらず、圧縮機11の温度に異常があると誤判定される可能性を低減するためであり、異常の特定の精度を向上させるためである。
上述の異常原因の特定処理においては、ステップS32において判定制御部70は、冷媒の圧力が異常であると判定している。しかし、基準時間を長く設定してしまうことにより、実際には、圧縮機11の温度に異常があるにも関わらず、冷媒の圧力のみに異常があると誤判定される可能性もある。そのため、判定制御部70は、ステップS32における処理に代えて、次のような処理を行ってもよい。具体的には、判定制御部70は、測定圧力が基準圧力以上か否かを判定すると共に、測定温度が基準温度以上か否かを判定する。判定制御部70は、当該測定圧力が基準圧力以上であって、当該測定温度が基準温度以上であれば、冷媒の圧力および圧縮機11の温度が異常であると判定する。判定制御部70は、当該測定圧力が基準圧力未満である場合、および、当該測定温度が基準温度以上である場合の少なくとも一方の場合には、圧縮機11の温度が異常であると判定する。判定制御部70は、当該測定圧力が基準圧力以上である場合、および、当該測定温度が基準温度未満である場合の少なくとも一方の場合には、冷媒の圧力が異常であると判定する。
以上、実施の形態2に係る空気調和機200は、圧力測定装置および温度測定装置を更に備える。圧力測定装置は、圧縮機11の吐出側における冷媒の圧力を測定する。温度測定装置は、吐出側における冷媒または圧縮機11の温度を測定する。制御装置60は、圧縮機11が運転を停止した場合であって、圧力測定装置が測定した圧力が、予め定められた基準圧力以上である場合には、圧力スイッチ20の状態が変化したと判定する。一方、制御装置60は、圧縮機11が運転を停止した場合であって、温度測定装置が測定した温度が、予め定められた基準温度以上である場合には、サーモスタット21の状態が変化したと判定する。制御装置60は、圧力測定装置および温度測定装置の各測定結果を用いることにより、更に正確に異常原因を特定することができる。
実施の形態2に係る空気調和機200は、圧力測定装置および温度測定装置を更に備える。圧力測定装置は、圧縮機11の吐出側における冷媒の圧力を測定する。温度測定装置は、吐出側における冷媒または圧縮機11の温度を測定する。制御装置60は、圧縮機11が運転を停止した場合であって、圧力測定装置が測定した圧力が、予め定められた基準圧力未満である場合には、サーモスタット21の状態が変化したと判定する。一方、制御装置60は、圧縮機11が運転を停止した場合であって、温度測定装置が測定した温度が、予め定められた基準温度未満である場合には、圧力スイッチ20の状態が変化したと判定する。制御装置60は、圧力測定装置および温度測定装置の各測定結果を用いることにより、更に正確に異常原因を特定することができる。
実施の形態2における制御装置60は、異常検知時間が基準時間以上である場合において、圧力測定装置が測定した圧力が基準圧力以上であって、且つ、温度測定装置が測定した温度が基準温度以上である場合には、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の状態が変化したと判定する。制御装置60は、異常検知時間が基準時間以上である場合において、圧力測定装置と温度測定装置の各測定結果を用いることによって、異常原因が、冷媒の圧力と圧縮機11の温度の両方であるか、圧縮機11の温度のみであるか特定できる。従って、異常原因の特定の精度が向上する。
実施の形態2における制御装置60は、異常検知時間が基準時間以上である場合において、圧力測定装置が測定した圧力が基準圧力未満で、且つ、温度測定装置が測定した温度が基準温度以上である場合には、サーモスタット21の状態が変化したと判定する。制御装置60は、異常検知時間が基準時間以上である場合において、圧力測定装置と温度測定装置の各測定結果を用いることによって、異常原因が、冷媒の圧力と圧縮機11の温度の両方であるか、圧縮機11の温度のみであるが特定できる。従って、異常原因の特定の精度が向上する。
実施の形態3.
以下、実施の形態3に係る空気調和機200について説明する。当該空気調和機200は、上記実施の形態2に係る空気調和機200と同様の構成要素を有する。なお、実施の形態3においても、上記実施の形態1および実施の形態2における構成要素と同様の構成要素であって、同様の機能を有するものに対し、実施の形態1および実施の形態2における符号と同様の符号を付す。また、上記実施の形態1および実施の形態2における構成要素、機能、および動作の各々と同様の構成要素、機能、動作については、特に断りがない限り、説明を省略する。
実施の形態3における制御装置60は、異常検知時間が基準時間以上か否かを判定する前に、吐出側圧力センサ22と吐出側温度センサ24の各測定結果を用いて判定を行う。図10は、実施の形態3における制御装置による異常原因の特定処理を例示するフローチャートである。ステップS41~ステップS48における各処理は、制御装置10を制御装置60と読み換え、空気調和機100を空気調和機200と読み替えた場合における、ステップS1~ステップS8の各処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS49において判定制御部70は、測定圧力が基準圧力以上、且つ、測定温度が基準温度以上であるか否かを判定する。ステップS49において判定制御部70が用いる測定圧力は、ステップS49のタイミングにおいて測定された圧力であってもよい。この場合における基準圧力は、圧縮機11が停止してから、吐出側圧力センサ22が圧力を測定するまでに、第1圧力から降下した冷媒の圧力でもよい。この他、ステップS49において判定制御部70が用いる測定圧力は、ステップS46において判定制御部70が異常信号を検知した際に、吐出側圧力センサ22が測定した圧力であってもよい。あるいは当該測定圧力は、ステップS46において判定制御部70が異常信号を検知する直前に、吐出側圧力センサ22が測定した圧力であってもよい。この場合における基準圧力は、例えば、第1圧力であってもよい。
ステップS49において判定制御部70が用いる測定温度は、ステップS49のタイミングにおいて測定された温度であってもよい。この場合における基準温度は、圧縮機11が停止してから、吐出側温度センサ24が温度を測定するまでに、第1温度から降下した圧縮機11の温度でもよい。この他、ステップS49において判定制御部70が用いる測定温度は、ステップS46において判定制御部70が異常信号を検知した際に、吐出側温度センサ24が測定した温度であってもよい。あるいは当該測定温度は、ステップS46において判定制御部70が異常信号を検知する直前に、吐出側温度センサ24が測定した温度であってもよい。この場合における基準温度は、例えば、第1温度であってもよい。
測定圧力が基準圧力以上であって、測定温度が基準温度以上である場合には(ステップS49:YES)、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS50に移す。ステップS50において判定制御部70は、圧力スイッチ20およびサーモスタット21の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因を、冷媒の圧力および圧縮機11の温度と判定する。ステップS50の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
測定圧力が基準圧力未満である場合、および、測定温度が基準温度未満である場合のうちの少なくとも一方の場合には(ステップS49:NO)、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS51に移す。ステップS51において判定制御部70は、測定温度が基準温度以上か否かを判定する。測定温度が基準温度以上である場合には(ステップS51:YES)、ステップS52において判定制御部70は、サーモスタット21の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、圧縮機11の温度が異常原因であると判定する。ステップS52の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
ステップS51において測定温度が基準温度未満である場合には(ステップS51:NO)、ステップS53において判定制御部70は、測定圧力が基準圧力以上であるか否かを判定する。測定圧力が基準圧力以上である場合には(ステップS53:YES)、ステップS54において判定制御部70は、圧力スイッチ20の状態変化により、圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、冷媒の圧力が異常原因であると判定する。ステップS54の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
ステップS53において測定圧力が基準圧力未満である場合には(ステップS53:NO)、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS55に移す。ステップS55において判定制御部70が、継続して異常信号を検知し続けている場合には(ステップS55:YES)、ステップS56において判定制御部70は、基準時間が経過したか否かを判定する。基準時間が経過していない場合には(ステップS56:NO)、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS55に戻す。基準時間が経過している場合には(ステップS56:YES)、判定制御部70は、制御装置10の処理をステップS59に移す。
ステップS55において判定制御部70が、異常信号を検知しなくなった場合には(ステップS55:NO)、ステップS57において判定制御部70は、計時部72が計測した異常検知時間が基準時間以上であるか否かを判定する。
異常検知時間が基準時間未満であれば(ステップS57:NO)、ステップS58において判定制御部70は、圧力スイッチ20の状態変化により圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因は冷媒の圧力であると判定する。ステップS58の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。異常検知時間が基準時間以上であれば(ステップS57:YES)、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS59に移す。
ステップS59において判定制御部70は、サーモスタット21の状態変化により圧縮機11が停止したと判定する。すなわち、判定制御部70は、異常原因は圧縮機11の温度であると判定する。ステップS59の処理後、制御装置60は、異常原因の特定処理を終了する。
なお、ステップS51の処理と、ステップS53の処理は、順序を逆にして行われてもよい。すなわち、ステップS51において判定制御部70は、測定圧力が基準圧力以上か否かを判定し、当該測定圧力が基準圧力以上であれば、ステップS52において判定制御部70は、冷媒の圧力が異常であると判定する。一方、当該測定圧力が基準圧力未満であれば、ステップS53において判定制御部70は、測定温度が基準温度以上か否かを判定する。そして、当該測定温度が基準温度以上であれば、ステップS54において判定制御部70は、圧縮機11の温度が異常であると判定する。一方、当該測定温度が基準温度未満であれば、判定制御部70は、制御装置60の処理をステップS55に移す。
実施の形態3における制御装置60は、圧力測定装置が測定した圧力が、基準圧力未満であって、温度測定装置が測定した温度が、基準温度未満である場合において、異常検知時間が基準時間以上か否かを判定する。異常検知時間が基準時間未満である場合には、制御装置60は、圧力スイッチ20の状態が変化したと判定する。一方、異常検知時間が基準時間以上である場合には、制御装置60は、サーモスタット21の状態が変化したと判定する。これにより、制御装置60は、圧力測定装置と温度測定装置の各測定結果から異常原因を特定できなくとも、異常検知時間を基準時間と比較することにより、異常原因を特定することができるようになる。